JP2016128363A - ガラス板製造装置、及びガラス板製造方法 - Google Patents

ガラス板製造装置、及びガラス板製造方法 Download PDF

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勝之 中野
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Abstract

【課題】本発明は、ガラスリボンから持ち込まれる溶融錫などの異物がロールへ付着することを抑制することで、ロールに付着した異物に起因するガラスリボンのキズ発生を抑制するガラス板の製造装置、およびガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、溶融ガラスを溶融錫浴18上に流し込むことにより製造されるフロート法によるガラス板製造装置12において、溶融錫浴18から引き出されかつ該錫の溶融温度域にあるガラスリボン16を搬送するロール22、30に、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体からなるカーボン被膜形成部材24が、弾性をもって当接されることにより、ロール22、30表面にカーボン被膜が形成されることを特徴とするガラス板製造装置に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フロート法によるガラス板の製造に関し、特にガラスリボンから持ち込まれる溶融錫などの異物がリフトアウトロールへ付着することを抑制することで、リフトアウトロールに付着した異物に起因するガラスリボンのキズ発生を抑制するガラス板製造装置、及びガラス板製造方法に関する。
建築用板ガラス、自動車用板ガラス、及びディスプレイ用板ガラスなどのガラス板において、より一層の高品質化と低コスト化が求められている。高品質化と低コスト化を妨げる要因はいくつかあるが、溶融錫浴(フロートバス)の溶融錫がガラス板に付着して生じた錫や錫酸化物などが問題となることが少なくない。
フロート法によるガラス板の製造方法は、溶融ガラスを溶融錫浴の溶融錫表面上に供給して、溶融ガラスを溶融錫浴上で連続したシート状に成形するものであり、溶融錫浴上で所定の幅の連続したガラス板となったガラスリボンを溶融錫表面から引き出し、これを所定の大きさのガラス板に切断する製法である。
溶融錫浴表面からのガラスリボンの引き出しは、通常リフトアウトロールと呼ばれるロールによりガラスリボンを溶融錫浴の下流側で持ち上げることによって行われる。このリフトアウトロールが存在する区域を以下「リフトアウト域」という。引き出されたガラスリボンは、リフトアウト域の下流側のレヤーと呼ばれる徐冷工程で徐冷される。この徐冷する区域を以下「レヤー域」といい、このレヤー域でガラスリボンを支持搬送するロールを以下「レヤーロール」という。フロートバス中の溶融された錫は酸化されやすいため、フロートバス中の雰囲気は還元雰囲気に保たれている。また、リフトアウト域も通常還元雰囲気に保たれている。
このようなガラス板の製造過程において、溶融錫の表面から引き出されたガラスリボンの下面には溶融錫が付着しやすい。ロールの表面がガラスリボンの下面に接触することによって、ガラスリボンの下面に付着している溶融錫がロールの表面に付着すると、その後搬送されるガラスリボンに溶融錫が繰り返し付着される。特許文献1には、リフトアウトロールの表面に付着した溶融錫などの異物を除去する除去部材が開示されている。
特許文献1の除去部材は、リフトアウトロールの表面にカーボン製の板状材の除去部材を押し当てて、リフトアウトロールの表面に付着した溶融錫などの異物を除去するものである。
特開平11−335127号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、リフトアウトロールの表面の溶融錫を確実に除去することができず、ガラスリボンに溶融錫が再付着するという問題と、ガラスリボンにキズが発生するという問題を十分に解決できていない。
ガラスリボンに付着した酸化錫などの異物は、欠点となりガラス板の品質低下及び生産歩留まり低下の原因となる。場合によっては、徐冷後のガラスリボンやガラス板に対してこの異物を除去する必要が生じるため、新たにこの異物除去の工程を設ける必要もあり、一層のコストアップになっている。また、ロールに残存する異物は、ガラスリボンにキズを付け、さらにそのキズが原因となって徐冷、及びその後の工程で割れが発生し、生産歩留まり低下の原因にもなっている。
本発明者による鋭意検討の結果、特許文献1に開示のカーボン製の板状材の除去部材は、リフトアウトロールの表面の溶融錫を除去する機能だけでなく、リフトアウトロールの表面にカーボン被膜を形成することで、ガラスリボンから持ち込まれる溶融錫などの異物がロールへ付着することを抑制する機能があることを見出した。本発明では、従来から用いられる除去部材のカーボン被膜形成機能に着目し、以下、除去部材をカーボン被膜形成部材と呼ぶ。
当該機能により、ロールに付着した異物に起因するガラスリボンのキズ発生を抑制できる。また、ガラスリボンからの異物がロールへ付着することを抑制できるため、ロールからガラスリボンに溶融錫が再付着することを抑制できる。
しかしながら、特許文献1の技術では、カーボン被膜の形成が十分でないため、従来からの問題点を解決できていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラスリボンから持ち込まれる溶融錫などの異物がロールへ付着することを抑制することで、ロールに付着した異物に起因するガラスリボンのキズ発生を抑制するガラス板製造装置、及びガラス板製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、溶融ガラスを溶融錫浴上に流し込むことにより製造されるフロート法によるガラス板製造装置において、
前記溶融錫浴から引き出されかつ該錫の溶融温度域にあるガラスリボンを搬送するロールに、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体からなるカーボン被膜形成部材が、弾性をもって当接されることにより、前記ロール表面にカーボン被膜が形成されることを特徴とするガラス板製造装置を提供する。
本発明によれば、カーボン被膜形成部材はロールに密着するため、ロール表面にカーボン被膜が形成され、ガラスリボンから持ち込まれる溶融錫などの異物がロールへ付着することを抑制できる。よって、ロールに付着した異物に起因するガラスリボンのキズ発生を抑制できる。また、ガラスリボンからの異物がロールへ付着することを抑制できるため、ロールからガラスリボンに溶融錫が再付着することを抑制できる。従来よりもカーボン粒子が細かいため、ロールに対してのカーボン粒子の付着性が向上し、カーボン被膜の形成が促進される。
好ましくは、前記カーボン被膜形成部材のショア硬度が50HS以下であるか、もしくはISO 15184に沿った引っかき硬度が4B以下であるか、もしくはその両方であることを特徴とする。従来からの黒鉛のカーボン成形体よりも軟質のため、弾性をもってロールに当接させることにより、ロールとカーボン被膜形成部材との間に隙間が生じにくく、ロール表面に対して全面均一にカーボン被膜が形成される。
また、好ましくは、カーボン粉体を成形した前記カーボン被膜形成部材と、前記カーボン被膜形成部材を支持する支持部材と、からなるカーボン被膜形成装置を用いることを特徴とする。
また、好ましくは、カーボン粉体を成形した前記カーボン被膜形成部材のみからなるカーボン被膜形成装置を用いることを特徴とする。
また、好ましくは、カーボン粉体を粉末状で用いたカーボン被膜形成部材と、前記支持部材と、からなるカーボン被膜形成装置を用いることを特徴とする。
また、好ましくは、前記カーボン被膜形成部材を支持する支持部材として、黒鉛、窒化ホウ素、アルカリ硫酸塩、アルカリ土類硫酸塩、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩、シリカ系微粒子、アルミナ微粒子の成形体を用いることを特徴とする。
また、好ましくは、前記ロール表面粗さ(Ra)は、0.1〜5.0μmであることを特徴とする。
また、本発明は、溶融ガラスを溶融錫浴上に流し込むことにより製造されるフロート法によるガラス板の製造方法において、前記溶融錫浴から引き出されかつ該錫の溶融温度域にあるガラスリボンを搬送するロールに、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体からなるカーボン被膜形成部材を、弾性をもって当接させることにより、前記ロール表面にカーボン被膜を形成することを特徴とするガラス板製造方法を提供する。
本発明によれば、ガラスリボンから持ち込まれる溶融錫などの異物がロールへ付着することを抑制することで、ロールに付着した異物に起因するガラスリボンのキズ発生を抑制するガラス板の製造装置、およびガラス板の製造方法が提供される。
実施の形態のカーボン被膜形成装置が適用されたガラス板製造装置の断面図。 図1に示す実施の形態のカーボン被膜形成装置の側面図。 図1に示すカーボン被膜形成装置の第一実施形態の構成を示す斜視図。 図1に示すカーボン被膜形成装置の第二実施形態の構成を示す斜視図。 カーボン塗布反射率の測定準備に用いる装置の断面図。 従来から用いられる黒鉛と本発明のカーボン粉体のカーボン塗布反射率を示すグラフ。
以下、本発明を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態に係るカーボン被膜形成装置10が適用されたフロート法によるガラス板製造装置12の断面図であり、図2は、カーボン被膜形成装置10の側面図である。また、図3A、図3Bは、カーボン被膜形成装置10の斜視図である。なお、以下の説明において、下流とは図1のガラスリボン16の移動方向を基準としてそれと同方向側をいい(図1の矢印A方向)、その反対方向側を上流という。
図1に示すカーボン被膜形成装置10は、フロートバス17の溶融錫浴18の溶融錫20の表面から引き出され、かつ錫の溶融温度域にあるガラスリボン16を搬送する、例えば3本のリフトアウトロール22、22、22に、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体からなるカーボン被膜形成部材24を、それぞれ弾性をもって当接させることにより、リフトアウトロール22、22、22の表面にカーボン被膜を形成する装置である。
リフトアウトロール22には、ガラスリボン16から持ち込まれる溶融錫、ロール表面から剥離された剥離物、及びガラスカレットなどの異物が付着する。カーボン被膜形成装置10により、溶融錫などの異物がリフトアウトロール22へ付着することを抑制できる。
溶融錫20上で成形されたガラスリボン16は、溶融錫浴18から引き出され、矢印A
で示した下流方向に移動している。
カーボン被膜形成装置10は、リフトアウトロール22の下側面に当接するカーボン被膜形成部材24と、カーボン被膜形成部材24を支持する直方体形状の支持部材26とから構成され、カーボン被膜形成部材24及び支持部材26は、ガラスリボン16の幅方向(紙面に垂直方向)に沿って配置されている。
図2に示すように、カーボン被膜形成装置10は、カーボン被膜形成モジュール14と板ばね装置11により構成される。実施の形態の板ばね装置11は、下架台11Aと、その上に隣接して設けられた複数のV字型の板ばね本体11Bと、これら板ばね本体11Bの上に配置された上架台11Cとからなる。下架台11Aと上架台11Cは複数隣接されたカーボン被膜形成モジュール14を支持できる長さと幅に形成され、板ばね本体11Bは各カーボン被膜形成モジュール14の下方に1つずつ設けられていても良いし、複数設けられていても良い。図2の例では、3つのカーボン被膜形成モジュール14を隣接配置した状態で、3つの板ばね本体11Bが隣接配置されている。V字型の板ばね本体11Bはその底部側を下架台11Aに取り付け、その上部側で上架台11Cを弾性支持している。
以上の構成により、板ばね装置11の弾性復元力により、カーボン被膜形成モジュール14を構成するカーボン被膜形成部材24は、リフトアウトロール22に弾性をもって当接される。
カーボン被膜形成装置10は、図3Aに示すように、カーボン粉体を成形したカーボン被膜形成部材24Aと、支持部材26とから構成されても良いし、カーボン粉体を粉末状で用いたカーボン被膜形成部材24Bと、支持部材26とから構成されても良い。また、図3Bに示すように、カーボン粉体を成形したカーボン被膜形成部材24Aのみから構成されても良い。
本発明において支持部材26は、軽量で耐熱性を有することから、従来から除去部材として用いられてきたカーボン(黒鉛)の成形体が好ましい。また、支持部材26は、カーボン被膜形成部材24と熱膨張率の差が小さい成形体が好ましい。熱膨張率の差が大きいと、カーボン被膜形成部材24が支持部材に拘束され、割れが生じて機能を果たせなくなる怖れがある。また、支持部材26は、窒化ホウ素、アルカリ硫酸塩、アルカリ土類硫酸塩、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩、シリカ系微粒子、アルミナ微粒子の成形体を用いても良い。また、窒化ホウ素の成形体は純度30%以上のものが好ましい。
また、カーボン被膜形成装置10は、カーボン被膜形成部材24の交換作業性を向上させるために、図3A、図3Bの如く長手方向に3分割され、例えば3分割されたカーボン被膜形成モジュール14、14、14が直線状に配置されて構成される。
ところで、フロート法によるガラス板の製造方法においては、不図示の溶解窯で原料を
溶解する工程、溶解した溶融ガラスをフロートバス17の溶融錫浴18の溶融錫20上で
平板に成形する工程、溶融錫浴18からガラスリボン16をリフトアウトロール22、2
2、22によって引き出す工程、レヤー域28内のレヤーロール30、30…によってガ
ラスリボン16を移動しながらガラスリボン16の内部に歪を残留させないように徐冷す
る工程とからなる。これらの工程は、通常の設備による操業でよく、カーボン被膜形成装置10の設置による影響はない。
カーボン被膜形成装置10は、上記工程のリフトアウト域21の任意の位置又はレヤー域28内の上流部に設けることもできる。ここにおけるレヤー域28内の上流部とは、レヤー域28内でガラス温度が錫の融点以上の温度にある領域(錫の溶融温度域)をいう。リフトアウト域21は通常錫の溶融温度域にある。
実施の形態において、カーボン被膜形成部材24には、リフトアウトロール22またはレアーロール30の表面にカーボン被膜を形成するとともに、該被膜によりガラスリボン16の表面に付着した酸化錫を含む異物を除去するのに適し、かつガラスへの擦傷力が弱い物質として、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体の成形体が用いられる。好ましくは、一次粒子径が3〜100nmである。従来から除去部材として用いられてきた黒鉛の成形体は、一次粒子径(D50)が1〜300μmである。従来よりもカーボン粒子が細かいため、ロールに対してのカーボン粒子の付着性が向上し、カーボン被膜の形成が促進される。
また、カーボン被膜形成部材24は、従来からの黒鉛の成形体よりも軟質であることが好ましい。具体的には、ショア硬度が50HS以下のものが好ましい。より好ましくは、ショア硬度が20〜50HS程度である。また、鉛筆硬度は4B以下が好ましい。より好ましくは、鉛筆硬度は4B〜8Bである。ここで、鉛筆硬度とは、ISO 15184に沿った引っかき硬度のことである。従来からの黒鉛の成形体は、ショア硬度が20〜80HS程度であり、鉛筆硬度はHB〜4Bである。従来からの黒鉛のカーボン成形体よりも軟質のため、弾性をもってロールに当接させることにより、ロールとカーボン被膜形成部材との間に隙間が生じにくく、ロール表面に対して全面均一にカーボン被膜が形成される。
実施の形態において、カーボン被膜形成部材24の各モジュール14の幅は610mmである。このカーボン被膜形成部材24が、直径300mmのリフトアウトロール22に当接された時のカーボン被膜形成部材24の当接圧は、4〜5kg(32〜40g/cm)程度である。
カーボン被膜形成部材24は、溶融錫浴18から引き出された後の領域であって、ガラス温度が錫の溶融温度域にあるリフトアウトロール22の表面に当接される。錫の融点は約230℃であり、したがって、カーボン被膜形成部材24が配置される領域は、錫の融点よりも高い温度域である。前記のように、リフトアウト域21は通常錫の融点以上のガラス温度域にあり、レヤー域の上流域も通常錫の融点以上のガラス温度域にある。したがって、カーボン被膜形成部材24はリフトアウト域21又はレヤー域の上流域にあるロールの表面に当接されることが好ましく、特にリフトアウト域にあるリフトアウトロール22の表面に当接されることがより好ましい。
カーボン被膜形成部材24を含む領域の雰囲気は、非酸化性雰囲気(すなわち、還元ガス雰囲気又は不活性ガス雰囲気)にあることが好ましい。例えば、リフトアウト域21は、通常フロートバス17と同様の還元ガス雰囲気に保たれている。また、レヤー域上流部のリフトアウト域21のガスが流入する部分は、通常還元ガス雰囲気又は不活性ガス雰囲気にある。したがって、カーボン被膜形成部材24の配置領域はこれらの領域にある。
非酸化性ガスや非酸化性雰囲気中の酸素濃度は100ppm以下、特に20ppm以下が好ましい。還元性ガスとしては、水素、アセチレン、又はこれらを有する不活性ガスが好ましい。不活性ガスとしては窒素ガス又はアルゴンガスが好ましい。還元性雰囲気はフロートバス17の雰囲気と同様の水素含有窒素ガス雰囲気が好ましい。
また、リフトアウトロール22、レヤーロール30の表面材質として、酸化物系、炭化物系、窒化物系等の各種セラミック、またはステンレス鋼等が適用される。各種セラミックの具体例として、酸化ジルコニウム(ZrO)を主成分とするジルコニア系セラミックス、酸化アルミニウム(Al)を主成分とするアルミナ系セラミックス、酸化ケイ素(SiO)を主成分とするシリカ系セラミックス等が挙げられる。また、リフトアウトロール22、レヤーロール30の表面材質として、酸化物分散系サーメット、炭化クロム系サーメット、または硼化物系サーメット等の各種サーメットを用いてもよい。
また、カーボン被膜が形成されるリフトアウトロール22、レヤーロール30の表面粗さ(Ra)は、0.1〜5.0μmであることが好ましい。一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体は、前記ロールの表面粗さ(Ra)よりも径が小さいので、平滑な表面に対する付着性が効果的である。
以上の如く、実施の形態のカーボン被膜形成装置10によれば、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体からなるカーボン被膜形成部材24を、弾性をもってリフトアウトロール22に当接させる。これにより、カーボン被膜形成部材はロールに密着するため、ロール表面にカーボン被膜が形成され、ガラスリボンから持ち込まれる溶融錫などの異物がロールへ付着することを抑制できる。よって、ロールに付着した異物に起因するガラスリボンのキズ発生を抑制できる。また、ガラスリボンからの異物がロールへ付着することを抑制できるため、ロールからガラスリボンに溶融錫が再付着することを抑制できる。
この結果、カーボン被膜形成部材24より下流においてガラスリボン16に接するレヤーロール30などのロールに付着する異物も削減できるので、これらのロールからの異物がガラスリボン16に再付着することも防止できる。
また、このカーボン被膜形成部材装置10を使用したガラス板の製造方法によれば、ガラスリボン16に付着した錫や酸化錫などの異物に起因するガラス板の欠点を削減でき、ロールに付着した異物を起因とするガラスリボン16のキズも少なくなるので、ガラス板の高品質化と製造経費の低減化が可能となる。
本発明において、ロールに対してのカーボン粒子の付着性の向上は、カーボン塗布反射率測定により確認される。以下、測定準備、測定方法について説明する。
ジルコニア(ZrO−8wt%Y)プレート41をエタノール洗浄した後、純水洗浄を行った。図4に示す試験装置40にカーボン片42とジルコニアプレート41をセットし、電気ヒーター45を用いて窒素雰囲気下700℃に保持した後、カーボン片42に対してジルコニアプレート41をワイヤー(不図示)により所定の速度で往復移動させ、カーボン被膜をジルコニアプレート41に付与した。
図4に示す試験装置40は、内部雰囲気を窒素雰囲気に調整可能な容器40Aの内部に、複数の電気ヒーター45を設けた構成であり、容器40Aの内部を窒素雰囲気に調整した状態で目的の温度に加熱できるように構成されている。即ち、容器40Aの一部に窒素ガス供給源が接続され、容器40Aの一部に上述のカーボン片42とジルコニアプレート41を出仕入れ自在とする開閉扉が設けられ、上述のワイヤーを駆動する駆動装置が設けられていて、上述の加熱状態で往復移動試験ができるように構成されている。
カーボン片42として、従来から除去部材として用いられてきた黒鉛の成形体と本発明のカーボン粉体の成形体を用いた。往復回数(以下、塗布回数と呼ぶ)は、1回、3回、5回、10回として比較評価を行うことにした。
試験装置40の内部を室温まで下げてから、ジルコニアプレート41を抜き出し、カーボン塗布反射率測定を行った。反射率の測定には、東京電色社製のリフレクトメーター TC−6D(商品名)を用いた。
図5は、従来から用いられる黒鉛(比較例)と本発明のカーボン粉体(実施例)を用いたカーボン片とのカーボン塗布反射率を示したグラフを示す。縦軸は、反射率R(%)を表し、値が高いほどカーボン粉体のガラスへの付着性が低いことを示す。また、横軸は、塗布回数Nを表す。
図5より、本発明のカーボン粉体は、従来から用いられる黒鉛よりも反射率が低く、塗布回数を増やしても同様の傾向が見られた。従来から用いられている黒鉛よりも反射率が低いことから、実施例のカーボン粉体はジルコニアプレート41に対し、カーボン粒子の付着性が高いことがわかる。従って、上述のカーボン粉体を用いた
10 カーボン被膜形成装置
11 板ばね装置
12 ガラス板製造装置
14 カーボン被膜形成モジュール
16 ガラスリボン
17 フロートバス
18 溶融錫浴
20 溶融錫
21 リフトアウト域
22 リフトアウトロール
24 カーボン被膜形成部材
26 支持部材
28 レヤー域
30 レヤーロール
40 試験装置
41 ジルコニアプレート
42 カーボン片
43 重り
44 カーボンケース
45 電気ヒーター

Claims (9)

  1. 溶融ガラスを溶融錫浴上に流し込むことにより製造されるフロート法によるガラス板製造装置において、
    前記溶融錫浴から引き出されかつ該錫の溶融温度域にあるガラスリボンを搬送するロールに、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体からなるカーボン被膜形成部材が、弾性をもって当接されることにより、前記ロール表面にカーボン被膜が形成されることを特徴とするガラス板製造装置。
  2. 前記カーボン被膜形成部材のショア硬度が50HS以下であるか、もしくはISO 15184に沿った引っかき硬度が4B以下であるか、もしくはその両方であることを特徴とする請求項1に記載のガラス板製造装置。
  3. カーボン粉体を成形した前記カーボン被膜形成部材と、前記カーボン被膜形成部材を支持する支持部材と、からなるカーボン被膜形成装置を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板製造装置。
  4. カーボン粉体を成形した前記カーボン被膜形成部材のみからなるカーボン被膜形成装置を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板製造装置。
  5. カーボン粉体を粉末状で用いたカーボン被膜形成部材と、前記支持部材と、からなるカーボン被膜形成装置を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板製造装置。
  6. 前記カーボン被膜形成部材を支持する支持部材として、黒鉛、窒化ホウ素、アルカリ硫酸塩、アルカリ土類硫酸塩、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩、シリカ系微粒子、アルミナ微粒子の成形体を用いることを特徴とする請求項3または5に記載のガラス板製造装置。
  7. 前記ロール表面粗さ(Ra)は、0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガラス板製造装置。
  8. 溶融ガラスを溶融錫浴上に流し込むことにより製造されるフロート法によるガラス板の
    製造方法において、
    前記溶融錫浴から引き出されかつ該錫の溶融温度域にあるガラスリボンを搬送するロールに、一次粒子径が100nm以下のカーボン粉体からなるカーボン被膜形成部材を、弾性をもって当接させることにより、前記ロール表面にカーボン被膜を形成することを特徴とするガラス板製造方法。
  9. 前記カーボン被膜形成部材のショア硬度が50HS以下であるか、もしくはISO 15184に沿った引っかき硬度が4B以下であるか、もしくはその両方であることを特徴とする請求項8に記載のガラス板製造方法。
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