JP2019218222A - フロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法 - Google Patents

フロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法 Download PDF

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芳誠 家田
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謙治 正林
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Abstract

【課題】長期間にわたって使用し続けても、弾性復元力が低下しにくい弾性支持体を備えることで、リフトアウトロールに付着した錫又は錫酸化物を充分に除去できるフロートガラス製造装置を提供する。【解決手段】フロートバス10と、ドロスボックス20と、徐冷炉30とを備えたフロートガラス製造装置1であって、ドロスボックス20は、リフトアウトロール21に当接される除去部材23と、除去部材23を支持する弾性支持体25とを備え、弾性支持体25は、リフトアウトロール21の軸方向に間隔を空けて複数設けられる弾性体と、弾性体の上に配置された架台26とを備え、複数の弾性体は、ガラスリボンGの搬送方向に複数の列を形成し、搬送方向に対してずらして配設されることを特徴とするフロートガラス製造装置。【選択図】図1

Description

本発明は、フロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法に関する。
フロート法によるガラス板の製造において、ガラス溶解窯からフロートバスと呼ばれる溶融錫浴へ溶融ガラスを供給し、溶融錫浴上でガラスリボンを成形後、リフトアウトロールと呼ばれる搬送ロールにてガラスリボンを搬送し、徐冷炉に移送する。通常、ガラスリボンの下面にはドロス(錫及び錫酸化物)と呼ばれる欠陥が付着している。
液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用途で使用されるガラス板においては、ドロス欠陥に対する品質要求が高い。
このため、特許文献1では、弾性支持体たる板ばねの弾性復元力によって、リフトアウトロールの下部にカーボン製の除去部材を当接させ、リフトアウトロールに付着する錫又は錫酸化物を削り、除去するようにしている。
特開平11−335127号公報
しかし、板ばねは、高温雰囲気に曝されるため、長期間にわたって使用し続けると、弾性復元力が低下し、ひいては除去部材がリフトアウトロールに付着した錫又は錫酸化物を充分に除去できないことがあった。その結果、ガラスリボンの下面には、リフトアウトロールに付着した錫又は錫酸化物が転写し、ドロス欠陥が生じるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、長期間にわたって使用し続けても、弾性復元力が低下しにくい弾性支持体を備えることで、リフトアウトロールに付着した錫又は錫酸化物を充分に除去できるフロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、溶融金属上でガラスリボンを成形するフロートバスと、前記フロートバスに隣接して前記ガラスリボンを引き上げるリフトアウトロールを備えたドロスボックスと、前記ドロスボックスに隣接する徐冷炉とを備えたフロートガラス製造装置であって、前記ドロスボックスは、前記リフトアウトロールに当接される除去部材と、前記除去部材を支持する弾性支持体とを備え、前記弾性支持体は、前記リフトアウトロールの軸方向に間隔を空けて複数設けられる弾性体と、前記弾性体の上に配置された架台とを備え、複数の前記弾性体は、前記ガラスリボンの搬送方向に複数の列を形成し、前記搬送方向に対してずらして配設されることを特徴とするフロートガラス製造装置を提供する。
また、本発明は、溶融ガラスをフロートバスの溶融金属上に連続的に供給し、前記溶融金属上でガラスリボンを成形し、ドロスボックスに設けられたリフトアウトロールによって前記ガラスリボンを前記フロートバスから引き出し、徐冷炉に設けられたレヤーロールによって前記ガラスリボンを搬送しながら徐冷するフロートガラス製造方法であって、前記ドロスボックスにおいて、弾性支持体を用いて前記リフトアウトロールに除去部材を弾性的に当接させ、前記弾性支持体は、前記リフトアウトロールの軸方向に間隔を空けて複数設けられる弾性体と、前記弾性体の上に配置された架台とを備え、複数の前記弾性体は、前記ガラスリボンの搬送方向に複数の列を形成し、前記搬送方向に対してずらして配設されることを特徴とするフロートガラス製造方法を提供する。
本発明によれば、長期間にわたって使用し続けても、弾性復元力が低下しにくい弾性支持体を備えることで、リフトアウトロールに付着した錫又は錫酸化物を充分に除去できるフロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法が提供される。
本発明の第1実施形態に係るフロートガラス製造装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る弾性支持体及び除去部材について、(A)は板ばね本体と架台との位置関係を示す平面図、(B)は搬送方向上流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図、(C)は搬送方向下流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る板ばね本体について、(A)は1個の傾斜部を備える板ばね本体の断面図、(B)は2個の傾斜部を備える板ばね本体の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る弾性支持体及び除去部材について、(A)は板ばね本体と架台との位置関係を示す平面図、(B)は搬送方向上流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図、(C)は搬送方向下流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図である。 従来技術に係る弾性支持体及び除去部材について、(A)は板ばね本体と架台との位置関係を示す平面図、(B)は板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。本明細書において、数値範囲を表す「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味する。
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。
本明細書においては、X軸方向は、平面視におけるガラスリボンGの搬送方向であり、Y軸方向は、平面視におけるガラスリボンGの搬送方向と直交する方向(板幅方向)であり、Z軸方向は、鉛直方向である。また、上流側及び下流側とは、X軸方向に対するものであり、+X側が下流側であり、−X側が上流側である。一方及び他方とは、Y軸方向に対するものであり、+Y側が一方であり、−Y側が他方である。縦断面はXZ平面、横断面はYZ平面である。
[フロートガラス製造装置]
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るフロートガラス製造装置の断面図である。図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るフロートガラス製造装置について説明する。
フロートガラス製造装置1は、上流側からフロートバス10と、フロートバス10に隣接するドロスボックス20と、ドロスボックス20に隣接する徐冷炉30とを備える。
フロートバス10は、溶融金属Mを収容する浴槽11を備え、連続的に供給される溶融ガラスを溶融金属M上でガラスリボンGに成形する。溶融ガラスは、フロートバス10の上流側(−X側)に配置されるガラス溶解炉でガラス原料を溶解し、更に清澄処理を施したものである。
フロートバス10は、上部空間が窒素及び水素を含む還元性ガスで満たされ、大気圧よりも高い圧力に設定される。これは、外部からの空気の流入を防止し、溶融金属Mの酸化を防止するためである。
ドロスボックス20は、ガラスリボンGを引き上げるリフトアウトロール21と、リフトアウトロール21に当接される除去部材23と、除去部材23を支持する弾性支持体25と、弾性支持体25を支持する支持部材28とを備える。
リフトアウトロール21は、モータ等の駆動装置(不図示)によって回転駆動され、その駆動力によってガラスリボンGを斜め上方に向けて搬送する。除去部材23は、リフトアウトロール21に付着したドロス欠陥を除去する。支持部材28は、ドロスボックス20の底壁の上に配置され、縦断面(XZ平面)形状が断面コ字状である。これにより、ガラスリボンGの搬送方向(X軸方向)で除去部材23及び弾性支持体25の位置がずれるのを防止することができる。ここで、支持部材28と弾性支持体25との間には、リフトアウトロール21の軸方向(Y軸方向)に沿って冷媒菅(例えば水管)が設置されることが好ましい。これにより、弾性支持体25を冷却することができ、弾性体支持体25がドロスボックス20内の熱気によって変形するのを防止できる。
なお、図1に示すリフトアウトロールの本数は、3本であるが、2本であってもよく、4本以上であってもよい。
ドロスボックス20は、ガラスリボンGの温度を調整するため、天井や底壁にヒーターを備えてもよい。
ドロスボックス20は、内部空間が非酸化性雰囲気(還元性ガス、不活性ガス又はこれらの混合ガス)である。還元性ガスとしては水素ガス又はアセチレンガスであることが好ましく、不活性ガスとしては窒素ガス又はアルゴンガスであることが好ましい。また、ドロスボックス20は、内部空間の酸素濃度が100ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であることがより好ましい。
徐冷炉30は、ガラスリボンGをレヤーロール31によって搬送しながらガラスの歪点温度以下まで徐冷して板ガラスを得る。徐冷炉30は、ガラスリボンGの温度を調整するため、天井及び底壁にヒーター(不図示)を備える。レヤーロール31は、モータ等の駆動装置(不図示)によって回転駆動され、その駆動力によってガラスリボンGを水平方向に搬送する。徐冷後の板ガラスは、切断装置によって所望のサイズに切断され、ガラス板となる。
徐冷炉30は、下流側(+X側)の出口にて外部に開放されているので、内部空間が酸化性雰囲気である。徐冷炉30の内部は、ドロスボックス20の内部を介して、フロートバス10の内部と連通している。
リフトアウトロール21又はレヤーロール31(以下、併せて「搬送ロール」という。)は、径が100〜500mmであることが好ましく、200〜500mmであることがより好ましい。径が100mm以上だと、駆動装置に負荷をかけることなく、搬送ロールの周速度を速くすることができる。また、径が500mm以下だと、搬送ロールと隣り合う搬送ロールとの間の距離を短くすることができ、搬送ロール間でガラスリボンGが変形するのを抑制することができる。特に、板厚が2mm以下のガラスリボンGは、搬送ロール間で変形しやすいので、径が500mm以下の搬送ロールを用いるのが望ましい。
搬送ロールは、軸方向(Y軸方向)の胴部長さが5000mm以上であることが好ましく、5500mm以上であることがより好ましい。胴部長さが5000mm以上だと、ガラスリボンGの板幅を広くすることができ、フロートガラスを効率良く生産することができる。
搬送ロールは、表面材質として酸化物系、炭化物系、窒化物系の各種セラミックス又はステンレス鋼が適用される。各種セラミックスの具体例として、酸化ジルコニウム(ZrO)を主成分とするジルコニア系セラミックス、酸化アルミニウム(Al)を主成分とするアルミナ系セラミックス、酸化ケイ素(SiO)を主成分とするシリカ系セラミックスが挙げられる。
図2は、本発明の第1実施形態に係る弾性支持体及び除去部材について、(A)は板ばね本体と架台との位置関係を示す平面図、(B)は搬送方向上流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図、(C)は搬送方向下流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る板ばね本体について、(A)は1個の傾斜部を備える板ばね本体の断面図、(B)は2個の傾斜部を備える板ばね本体の断面図である。図2(A)〜(C)及び図3(A)、(B)を用いて、本発明の第1実施形態に係る弾性支持体及び除去部材について説明する。
図2(A)〜(C)に示す弾性支持体25及び3個の除去部材23は、リフトアウトロールの軸方向(Y軸方向)に沿って配置される。なお、本実施形態におけるリフトアウトロールの軸方向は、ガラスリボンの板幅方向と同一方向である。
弾性支持体25は、リフトアウトロールの軸方向(Y軸方向)に間隔を空けて複数設けられる弾性体と、弾性体の上に配置された架台26とを備える。複数の弾性体は、ガラスリボンの搬送方向(X軸方向)に複数の列を形成し、搬送方向(X軸方向)に対してずらして配設される。
本実施形態の弾性体は、板ばね本体27である。なお、弾性体は、コイルばね、圧縮コイルばね、皿ばね、竹の子ばね、輪ばね等であってもよい。
図3(A)、(B)に示す板ばね本体27は、架台に接続される第1平坦部27Aと、第1平坦部27Aの端部から軸方向(Y軸方向)に向けて漸次下方に傾斜している傾斜部27Bとを備える。なお、板ばね本体27の第1平坦部27Aと、架台とは、溶接等の手段で固定される。
板ばね本体27は、傾斜部27Bの下端から軸方向(Y軸方向)に向けて伸びている第2平坦部27Cを備える。これにより、軸方向(Y軸方向)において、図1に示す支持部材28の上をスムーズに移動することができる。
図3(A)に示す板ばね本体27は、1個の傾斜部27Bを備える。具体的には、第1平坦部27Aの一端部から軸方向(Y軸方向)の一方に向かう傾斜部27Bを備える。
図3(B)に示す板ばね本体27は、2個の傾斜部27Bを備える。具体的には、第1平坦部27Aの一端部から軸方向(Y軸方向)の一方に向かう傾斜部27Bと、第1平坦部27Aの他端部から軸方向(Y軸方向)の他方に向かう傾斜部27Bとを備える。
本実施形態の説明では、図3(A)に示す板ばね本体を「1本足の板ばね本体」、図3(B)に示す板ばね本体を「2本足の板ばね本体」と呼ぶ。
板ばね本体27の傾斜部27Bは、軸方向(Y軸方向)となす角度が5〜45度であることが好ましく、10〜30度であることがより好ましい。角度が5度以上だと、鉛直方向(Z軸方向)に対して所望の弾性復元力を得ることができる。また、角度が45度以下だと、支持部材と弾性支持体との間に設置される水管により、板ばね本体27の上部をも冷却することができる。
なお、本実施形態の傾斜部27Bは、第1平坦部27Aの端部のうち側端に接続されるが、第1平坦部27Aの下端に接続される態様であってもよい。また、本実施形態の傾斜部27Bは、横断面(YZ平面)において、第1平坦部27Aの一端(他端)部から軸方向(Y軸方向)の一方(他方)に向かって直線状であるが、円弧状、波状、階段状等であってもよい。
図2(A)〜(C)に示す弾性支持体25は、搬送方向(X軸方向)の上流側(−X側)の列において、1本足の板ばね本体27−1と、2本足の板ばね本体27−1とを備える。1本足の板ばね本体27−1は、軸方向(Y軸方向)において、一方(+Y側)及び他方(−Y側)の除去部材23の外側の端部位置に設けられる。これにより、ドロスボックス内に弾性支持体25を収納するのが容易となる。また、弾性支持体25は、搬送方向(X軸方向)の下流側(+X側)の列において、2本足の板ばね本体27−2を備える。
板ばね本体27−1の第1平坦部は、軸方向(Y軸方向)において、除去部材23が互いに接する接触位置に設けられる。また、板ばね本体27−2の第1平坦部は、軸方向(Y軸方向)において、隣り合う接触位置の間の位置(例えば中央位置)に設けられる。これにより、1個の除去部材23は、3個の板ばね本体27−1,27−2(2個の板ばね本体27−1及び1個の板ばね本体27−2)によって支持されることになる。ここで、2本足の板ばね本体27−1の第1平坦部は、1本足の板ばね本体27−1の第1平坦部よりも軸方向(Y軸方向)の長さが長く、隣り合う2個の除去部材の端部を支持している。
なお、1個の除去部材23は、3個以上の板ばね本体によって支持されることが好ましい。具体的には、列を3列以上にしたり、板ばね本体27−1,27−2の傾斜部の角度を大きくした上で、列毎の板ばね本体27−1,27−2の線密度を大きくしたりすることで、4個以上の支持を実現することができる。
ところで、図5に示す従来技術に係る弾性支持体525は、複数の板ばね本体527が形成する列は1列である。板ばね本体527の第1平坦部は、軸方向(Y軸方向)において、除去部材23が互いに接する接触位置に設けられる。これにより、1個の除去部材23は、2個の板ばね本体527によって支持されることになる。そして、弾性支持体525は、長期間にわたって使用し続けると、弾性復元力が低下することの影響を大きく受け、除去部材がリフトアウトロールに付着した錫又は錫酸化物を充分に除去できないことがあった。
これに対して、本実施形態の弾性支持体25は、1個の除去部材23が3個の板ばね本体27−1,27−2によって支持されることになる。そのため、長期間にわたって使用し続けても、弾性復元力が低下することの影響が小さく、リフトアウトロールに対して除去部材23を均一に当接させてドロス欠陥をムラなく除去することができる。
架台26は、板状の部材であり、XY平面視における形状が矩形である。架台26は、軸方向(Y軸方向)の長さが、架台26の上に並べて配置された除去部材23の長さの合計よりも長いことが好ましい。また、ガラスリボンの搬送方向(X軸方向)の長さが、除去部材23の長さよりも長いことが好ましい。
なお、本実施形態の架台26は、板ばね本体27の下にも配置されてよい。この場合、隣り合う板ばね本体27の第2平坦部27Cが互いに接続されてよい。
除去部材23は、形状が直方体である。除去部材23は、横断面(YZ平面)が台形又は逆台形の四角柱であってもよい。図2(B)、(C)に示す除去部材23の個数は、3個であるが、4個以上であってもよい。例えば、除去部材は、軸方向(Y軸方向)において、各除去部材23の中央位置で2分割したものであり、個数が6個である。この場合、1個の分割後の除去部材は、2個の板ばね本体27−1,27−2(1個の板ばね本体27−1及び1個の板ばね本体27−2)によって支持されることになるが、軸方向(Y軸方向)の長さが分割前の除去部材23の長さの半分なので、弾性支持体25は、長期間にわたって使用し続けても、弾性復元力が低下することの影響が小さい。なお、除去部材23の個数は、軸方向(Y軸方向)におけるリフトアウトロールの胴部長さに応じて決定される。
除去部材23は、カーボン(黒鉛)の成形体である。除去部材23は、窒化ホウ素、アルカリ硫酸塩、アルカリ土類硫酸塩、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類炭酸塩、シリカ系微粒子又はアルミナ微粒子の成形体を用いてもよい。
除去部材23は、軸方向(Y軸方向)の長さが250〜1000mmであることが好ましく、350〜800mmであることがより好ましい。長さが250mm以上だと、1本のリフトアウトロールに対して用いる除去部材23の個数を減らすことができるため、除去部材23の交換作業が迅速になる。また、長さが1000mm以下だと、除去部材23の交換作業での取り扱いが容易となる。
除去部材23は、高さが50〜200mmであることが好ましく、70〜150mmであることがより好ましい。高さが50〜200mmだと、除去部材23の交換作業での取り扱いが容易となる。
除去部材23は、ガラスリボンの搬送方向(X軸方向)の長さが20〜100mmであることが好ましく、30〜80mmであることがより好ましい。長さが20mm以上だと、リフトアウトロールとの当接圧力を高くすることができる。また、長さが100mm以下だと、除去部材23の交換作業での取り扱いが容易となる。
除去部材23は、成形体に用いられるカーボン粉体の最大粒径が0.1〜3mmであることが好ましく、0.5〜2.5mmであることがより好ましい。最大粒径が0.1〜3mmだと、成形体である除去部材23の強度を確保することができる。
除去部材23は、ショア硬度が20〜90HSであることが好ましく、30〜80HSであることがより好ましい。ショア硬度が20〜90HSだと、リフトアウトロールに対する除去部材23の耐摩耗性を確保することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る弾性支持体及び除去部材について、(A)は板ばね本体と架台との位置関係を示す平面図、(B)は搬送方向上流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図、(C)は搬送方向下流側の板ばね本体及び架台並びに除去部材の断面図である。図4(A)〜(C)を用いて、本発明の第1実施形態に係る弾性支持体及び除去部材について説明する。なお、本発明の第1実施形態に係る弾性支持体及び除去部材と内容が重複する部分については説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る弾性支持体125は、板ばね本体127−1,127−2が全て1本足の板ばね本体で構成される点で、第1実施形態に係る弾性支持体25とは異なる。
図4(B)に示すように、搬送方向(X軸方向)の上流側(−X側)の列において、全ての板ばね本体127−1は、第1平坦部の一端部から軸方向(Y軸方向)の一方(+Y側)に向かう傾斜部を備える。
図4(C)に示すように、搬送方向(X軸方向)の下流側(+X側)の列において、全ての板ばね本体127−2は、第1平坦部の他端部から軸方向(Y軸方向)の他方(−Y側)に向かう傾斜部を備える。
本実施形態では、軸方向(Y軸方向)において、板ばね本体127−1と、板ばね本体127−2との傾斜部が逆方向に向いているため、板ばね本体127−1による一方(+Y側)に作用する弾性復元力と、板ばね本体127−2による他方(−Y側)に作用する弾性復元力とが打ち消し合う。これにより、リフトアウトロールに対して除去部材23を均一に当接させることができる。なお、複数の列を3列以上とする場合、例えば、搬送方向(X軸方向)の上流側(−X側)から数えて奇数番目の列に板ばね本体127−1、偶数番目の列に板ばね本体127−2を設ける。ここで、列の数が奇数の場合、一方(+Y側)に作用する弾性復元力と、他方(−Y側)に作用する弾性復元力とが打ち消し合うように、傾斜部の長さ、傾斜部が軸方向(Y軸方向)に対してなす角度、板ばね本体の個数、板ばね本体の材質等を適宜変更する。
板ばね本体127−1の第1平坦部は、軸方向(Y軸方向)において、除去部材23の他方(−Y側)の端部位置、及び除去部材23の中央位置よりも僅かに一方(+Y側)寄りの位置に設けられる。また、板ばね本体127−2の第1平坦部は、軸方向(Y軸方向)において、除去部材23の一方(+Y側)の端部位置、及び除去部材23の中央位置よりも僅かに他方(−Y側)寄りの位置に設けられる。これにより、1個の除去部材23は、4個の板ばね本体127−1,127−2(2個の板ばね本体127−1及び2個の板ばね本体127−2)によって支持されることになる。そのため、本実施形態の弾性支持体125は、長期間にわたって使用し続けても、弾性復元力が低下することの影響が小さく、リフトアウトロールに対して除去部材23を均一に当接させてドロス欠陥をムラなく除去することができる。なお、除去部材23は、5個以上の板ばね本体127−1,127−2によって支持されてもよい。
ここで、弾性支持体125は、全て1本足の板ばね本体で構成され、軸方向(Y軸方向)において、板ばね本体の傾斜部が同じ方向に向いているので、弾性支持体25よりも、板ばね本体127−1,127−2を密に配設することができる。これにより、除去部材23を支持する板ばね本体の個数を増やすことができるので、リフトアウトロールに対して除去部材23をより均一に当接させることができる。
本実施形態では、搬送方向(X軸方向)に対して板ばね本体127−1と、板ばね本体127−2とが僅かにずらして配設されるが、例えば、軸方向(Y軸方向)において、隣り合う板ばね本体127−1の間の中央位置に板ばね本体127−2が配設されてもよい。この態様は、除去部材23に対してより均一な弾性復元力を加えることができる点で優れている。
[フロートガラス製造方法]
次に、本発明の一実施形態に係るフロートガラス製造方法について説明する。
フロートガラス製造方法は、溶融ガラスをフロートバスの溶融金属上に連続的に供給し、溶融金属上でガラスリボンを成形し、ドロスボックスに設けられたリフトアウトロールによってガラスリボンをフロートバスから引き出し、徐冷炉に設けられたレヤーロールによってガラスリボンを搬送しながらガラスの歪点温度以下まで徐冷する。
ドロスボックスにおいて、弾性支持体を用いてリフトアウトロールに除去部材を弾性的に当接させ、リフトアウトロールに付着したドロス欠陥を除去する。
弾性支持体は、リフトアウトロールの軸方向に間隔を空けて複数設けられる弾性体と、弾性体の上に配置された架台とを備える。
複数の弾性体は、ガラスリボンの搬送方向に複数の列を形成し、搬送方向に対してずらして配設される。
徐冷後の板ガラスは、切断装置によって所望のサイズに切断され、ガラス板となる。
フロートガラス製造方法は、液晶ディスプレイ用ガラス基板を製造する場合、ガラス板の平坦度を良化させるため、更にガラス板を研磨する研磨工程を有する。
本実施形態で製造されるフロートガラスは、窓ガラス・車両用途のソーダライムガラスであってもよいが、カバーガラス用途の化学強化用ガラスのようなアルカリ金属成分を含有するガラスや、アルカリ金属成分を実質的に含まない無アルカリガラスに適用されるのが好ましい。ここで、アルカリ金属成分を実質的に含まないとは、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1質量%以下であることを意味する。無アルカリガラスは、主に液晶ディスプレイ用ガラス基板に用いられる。カバーガラス用途のガラス板及び液晶ディスプレイ用ガラス基板は、ドロス欠陥に対する品質要求が厳格である。
化学強化用ガラスは、例えば酸化物基準のモル%表示で、SiO:62〜68%、Al:6〜12%、MgO:7〜13%、NaO:9〜17%、KO:0〜7%を含有し、NaO及びKOの含有量の合計からAl含有量を減じた差が10%未満であり、ZrOを含有する場合、その含有量が0.8%以下である。
別の化学強化用ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、SiO:65〜85%、Al:3〜15%、NaO:5〜15%、KO:0〜2%未満、MgO:0〜15%、ZrO:0〜1%を含有し、SiO及びAlの含有量の合計SiO+Alが88%以下である。
別の化学強化用ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、SiOを50〜75%、Alを9〜20%、NaOを10〜20%、KOを0〜6%、MgOを0〜15%、CaO、SrO及びBaOを合量(CaO+SrO+BaO)で0〜10%、ZrO及びTiOを合量(ZrO+TiO)で0〜5%、Bを0〜10%、LiOを0〜20%含有する。
無アルカリガラスは、例えば、酸化物基準の質量%表示で、SiO:50〜73%、Al:10.5〜24%、B:0〜12%、MgO:0〜10%、CaO:0〜14.5%、SrO:0〜24%、BaO:0〜13.5%、MgO+CaO+SrO+BaO:8〜29.5%、ZrO:0〜5%を含有する。
無アルカリガラスは、高い歪点と高い溶解性とを両立する場合、好ましくは、酸化物基準の質量%表示で、SiO:58〜66%、Al:15〜22%、B:5〜12%、MgO:0〜8%、CaO:0〜9%、SrO:3〜12.5%、BaO:0〜2%、MgO+CaO+SrO+BaO:9〜18%を含有する。
無アルカリガラスは、特に高い歪点を得たい場合、好ましくは、酸化物基準の質量%表示で、SiO:54〜73%、Al:10.5〜22.5%、B:0〜5.5%、MgO:0〜10%、CaO:0〜9%、SrO:0〜16%、BaO:0〜2.5%、MgO+CaO+SrO+BaO:8〜26%を含有する。
本実施形態で製造されるフロートガラスの板厚は、カバーガラス用途では0.1〜2.0mmであり、液晶ディスプレイ用ガラス基板用途では0.1〜0.7mmである。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
製造されるフロートガラスの用途は、建築用、車両用、フラットパネルディスプレイ用、カバーガラス用、又はその他の各種用途が挙げられる。
1 フロートガラス製造装置
10 フロートバス
11 浴槽
20 ドロスボックス
21 リフトアウトロール
23 除去部材
25 弾性支持体
26 架台
27 板ばね本体
27A 第1平坦部
27B 傾斜部
27C 第2平坦部
28 支持部材
30 徐冷炉
31 レヤーロール
G ガラスリボン
M 溶融金属

Claims (8)

  1. 溶融金属上でガラスリボンを成形するフロートバスと、前記フロートバスに隣接して前記ガラスリボンを引き上げるリフトアウトロールを備えたドロスボックスと、前記ドロスボックスに隣接する徐冷炉とを備えたフロートガラス製造装置であって、
    前記ドロスボックスは、前記リフトアウトロールに当接される除去部材と、前記除去部材を支持する弾性支持体とを備え、
    前記弾性支持体は、前記リフトアウトロールの軸方向に間隔を空けて複数設けられる弾性体と、前記弾性体の上に配置された架台とを備え、
    複数の前記弾性体は、前記ガラスリボンの搬送方向に複数の列を形成し、前記搬送方向に対してずらして配設されることを特徴とするフロートガラス製造装置。
  2. 前記弾性体は、板ばね本体であり、
    前記板ばね本体は、前記架台に接続される第1平坦部と、前記第1平坦部の端部から前記軸方向に向けて漸次下方に傾斜している傾斜部とを備える、請求項1に記載のフロートガラス製造装置。
  3. 前記板ばね本体は、
    前記第1平坦部の一端部から前記軸方向の一方に向かう傾斜部と、
    前記第1平坦部の他端部から前記軸方向の他方に向かう傾斜部とを備える、請求項2に記載のフロートガラス製造装置。
  4. 前記板ばね本体は、
    前記搬送方向の上流側から数えて奇数番目の前記列は、前記第1平坦部の一端部から前記軸方向の一方に向かう傾斜部を備え、
    前記搬送方向の上流側から数えて偶数番目の前記列は、前記第1平坦部の他端部から前記軸方向の他方に向かう傾斜部を備える、請求項2又は3に記載のフロートガラス製造装置。
  5. 前記板ばね本体は、前記傾斜部の下端から前記軸方向に向けて伸びている第2平坦部を備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載のフロートガラス製造装置。
  6. 前記除去部材は、3個以上の前記板ばね本体によって支持される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフロートガラス製造装置。
  7. 前記除去部材は、前記軸方向に複数設けられ、
    前記第1平坦部は、前記軸方向において、前記除去部材が互いに接する接触位置と、隣り合う前記接触位置の間の位置とに設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフロートガラス製造装置。
  8. 溶融ガラスをフロートバスの溶融金属上に連続的に供給し、前記溶融金属上でガラスリボンを成形し、ドロスボックスに設けられたリフトアウトロールによって前記ガラスリボンを前記フロートバスから引き出し、徐冷炉に設けられたレヤーロールによって前記ガラスリボンを搬送しながら徐冷するフロートガラス製造方法であって、
    前記ドロスボックスにおいて、弾性支持体を用いて前記リフトアウトロールに除去部材を弾性的に当接させ、
    前記弾性支持体は、前記リフトアウトロールの軸方向に間隔を空けて複数設けられる弾性体と、前記弾性体の上に配置された架台とを備え、
    複数の前記弾性体は、前記ガラスリボンの搬送方向に複数の列を形成し、前記搬送方向に対してずらして配設されることを特徴とするフロートガラス製造方法。
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