JP2016126674A - 導電性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】周辺配線部の断線が改善された導電性シートを提供する。【解決手段】導電性シートは、絶縁性支持体上2に金属パターンにより形成されたセンサー部11と周辺配線部13とを有する。センサー部と周辺配線部はレジストパターン開口部に無電解メッキを施すことで得られた金属細線に黒化処理を施して得られた金属パターンを有し、周辺配線部における各金属パターンを、線幅が7μm以下の金属細線を7μm以下の間隔で複数配置して構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性回路や光透過性電極等に利用される導電性シートに関するものである。
近年、電子機器の小型化・高機能化に伴い、導電性パターンのファインピッチ化が強く求められている。このような導電性パターンを有する導電性シートの製造方法としては、金属箔上に設けたレジスト層を用い、いわゆるフォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、エッチングにより金属箔をパターン状に加工するサブトラクティブ法が主に用いられているが、上記したようなファインピッチの要望から、エッチングする金属箔(主に銅箔)やレジスト層の薄層化が急務となっている。
導電性シートを形成するために用いる材料としては、圧延銅箔あるいは電解銅箔を絶縁性支持体に接着層を介し貼り合わせたもの(通常「3層CCL(銅張積層板)」と呼ばれる)、銅箔を絶縁性支持体に接着剤層を介さず直接加熱加圧等の方法によって貼り合わせたもの(通常「2層CCL」と呼ばれる)、絶縁性支持体上に真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式めっき法または無電解めっき法により下地金属を形成し、電解銅めっきをしたもの(通常「銅メタライズド材料」と呼ばれる)などが一般に知られている。銅箔を貼り合わせるCCLの場合、密着強度確保の観点から、絶縁性支持体の銅箔貼合面をあらかじめ化学的に粗面化し、凹凸を形成させることが一般的に行われているが、その結果、エッチング後の絶縁性支持体の透明性が失われる、あるいは高周波伝送時の損失が高くなるなどの問題があり、金属箔の薄層化が可能という点からも、CCLよりも銅メタライズド材料の方が優れている。しかしながら銅メタライズド材の製造においては、乾式めっきあるいは無電解めっきなどの工程の生産性が低く、高価になる等の問題点が指摘されている。
レジスト層の薄層化に関しては、一般に用いられるDFR(感光性ドライフィルムレジスト)に替えて、液状レジスト、電着レジストなど薄層化が可能なレジスト剤が用いられるようになっているが、これらはDFRに比べ、パターン形成を行う製造場所において膜厚の薄いレジスト層を設ける設備、技術が必要となり、適用の妨げの一因となっている。この問題については特開2007−210157号公報(特許文献1)のように、あらかじめ金属箔上にレジスト層を塗布した形態で供給する技術などが開示されている。
一方、ファインピッチ化の別の手段として、サブトラクティブ法に替えて、絶縁性支持体上に薄層の下地金属層を形成し、その上にレジストパターンを形成した後、電解めっき法によりレジスト開口部に金属層を積層し、最後にレジスト層及びレジスト層で保護された下地金属を除去することにより、回路形成を行ういわゆるセミアディティブ法が提案されている。例えば特開2007−287953号公報(特許文献2)では、支持体表面に第1金属層としてスパッタ金属層を形成し、上記セミアディティブ法を用い回路形成する方法が開示されている。しかし該セミアディティブ法は、下地金属層であるスパッタ金属層を除去するエッチング工程が数回必要なことから煩雑であり、また支持体表面のエッチングも行わなければならず、工程が多くなるため生産性が低かった。このような生産性を改善することを目的として、特開2010−045227号公報(特許文献3)では、下地金属層として写真製法によって得られた銀薄膜層を用い、その上にレジスト層を設けた導電性材料前駆体が開示されている。しかしながら導電性材料の製造には、依然としてエッチング工程が必要であった。
エッチング工程を必要としないものとしては、レジスト画像を形成してから、スパッタリングや、触媒処理及び無電解めっきを施して導電性パターンを形成するリフトオフ方式というものが知られており、例えば特開2014−197531号公報(特許文献4)には、感光性レジスト層面を任意のパターン状に露光、現像し、パターン状のレジスト画像を形成した後に無電解めっきを行って、レジスト画像に被覆されていない下地層上に導電性の金属パターンを形成する方法が開示されている。この方法では、例えば線幅が25μm以下の微細な金属パターンであっても、高い生産性にて形成することが可能となる。
一方、PDPパネルに用いられる電磁波シールド材や、タッチパネル等に用いられる光透過性電極においては、金属光沢の反射により金属パターンの視認性が高まる問題があり、それを抑制する目的で一般的に黒化処理が実施されている。例えば特開2006−191010号公報(特許文献5)には光透過性電磁波シールド材に適用した例が開示されており、例えば特開2013−084239号公報(特許文献6)には、タッチパネル用の電極パターンの表面を黒化処理することが記載される。
しかしながらレジストパターンを形成した後、該レジストパターン開口部に無電解めっきを施すことで得られた金属パターンに黒化処理を施した場合、周辺配線部において断線が生じる場合があり、改善が求められていた。
他方、特開2010−191504号公報(特許文献7)には、センサー部と周辺配線部とが有する金属細線の幅や金属細線のピッチが異なることにより生じる光透過率の差を解消し、ディスプレイの表示品位の低下を改善する目的で、金属細線の幅、金属細線同士のピッチ、またはその両方を異ならせたタッチスイッチが開示されている。
特開2007−210157号公報 特開2007−287953号公報 特開2010−045227号公報 特開2014−197531号公報 特開2006−191010号公報 特開2013−084239号公報 特開2010−191504号公報
本発明の課題は、周辺配線部の断線が改善された導電性シートを提供することである。
本発明の目的は以下の手段によって達成された。
(1)絶縁性支持体上に金属パターンにより形成されたセンサー部と周辺配線部とを有し、該センサー部と該周辺配線部はレジストパターン開口部に無電解めっきを施すことで得られた金属細線に黒化処理を施して得られた金属パターンを有し、該周辺配線部の金属パターンが、線幅が7μm以下の金属細線を7μm以下の間隔で有することを特徴とする導電性シート。
本発明によれば、周辺配線部の断線が改善された導電性シートを提供することが可能となる。
本発明の導電性シートの一例を示す概略図 従来の周辺配線の配置例を示す概略図 複数の金属細線によって1つの周辺配線を構成した一例 複数の金属細線によって1つの周辺配線を構成した別の一例 複数の金属細線によって1つの周辺配線を構成した別の一例 複数の金属細線によって1つの周辺配線を構成した別の一例
以下、本発明について詳細に説明するにあたり、図を用いて説明する。図1は本発明の導電性シートの一例を示す概略図であり、本発明の導電性シートを静電容量方式のタッチパネルのタッチセンサーに適用した場合の一例である。
導電性シート1は絶縁性支持体2の上に、第一の方向(図中y方向)に伸びる光透過性のセンサー部11と、第一の方向に対し垂直な方向である第二の方向(図中x方向)において、該センサー部11と交互に並ぶ光透過性のダミー部12を有する。センサー部11は複数個が設けられ(図中11a、11b、・・等)、これに応じて該センサー部11と交互に並ぶダミー部も複数個が設けられる(図中12a、12b、・・等)。
端子部14は、センサー部11と外部とを電気的に接続するための部分であり、センサー部11の数に応じて複数の端子(図中14a、14b・・等)から構成される。センサー部11aは周辺配線13aを介し端子14aに電気的に接続されており、この端子14aを通して外部に電気的に接続することで、センサー部11で感知した静電容量の変化を捉えることができる。ダミー部12は端子部14と電気的な接続は無い。
周辺配線部13は、センサー部11と端子部14を電気的に接続する複数の周辺配線から構成され(図中13a、13b・・等)、周辺配線部13が有する複数の周辺配線は、隣接する周辺配線間で平行な部分を有している。近年では、タッチセンサーが設けられる液晶ディスプレイの画面以外の部分をより狭くすることが求められており、この周辺配線部が占めるエリアを狭くすることが求められている。このため周辺配線部では、周辺配線がより細く、かつ周辺配線の間隔をより狭くすることが必要となるが、上記した様な平行部分を設けることで、タッチパネルが設けられるディスプレイ画面の額縁内に周辺配線を効率よく納めることが可能となる。
図1の、センサー部11及びダミー部12は、公知の形状を繰り返してなる金属パターンにより形成され、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などの公知の形状を繰り返して形成された金属パターン、及びこれらの形状を2種類以上組み合わせることにより形成された金属パターンなどが挙げられる。あるいは、モアレを解消する観点から、公知のランダムパターン、例えばボロノイパターン、ペンローズタイリング、ドロネーパターンなどが挙げられ、これらランダムパターンの中に三角形、四角形、五角形、菱形などの公知の図形を規則的に繰り返した規則的パターンをその一部に内包させることもできる。
センサー部11及びダミー部12の金属パターンが有する金属細線の幅は10μm以下が好ましく、より好ましくは1〜7μm、更に好ましくは1〜5μmである。また該金属パターンが有する金属細線の間隔は400μm以下が好ましい。このような線幅と間隔を有するセンサー部11及びダミー部12は、導電性シートに光透過性が求められる場合、好適である。なお図1においてダミー部12とセンサー部11は異なる模様で示しているが、これは説明上、ダミー部12とセンサー部11を区別しやすくするために記載したものであり、実際にはセンサー部11の視認性(難視認性)を向上させるため、ダミー部12とセンサー部11は、同じ形状を繰り返すことで形成された金属パターンにより形成されることが好ましい。また図1では図示していないが、ダミー部12とセンサー部11の境界部では、細線が切断された断線部が設けられており、センサー部11とダミー部12の間で、導通は無い。
本発明において周辺配線部の金属パターンは、線幅が7μm以下の金属細線を7μm以下の間隔で有する。図1において周辺配線部13は、複数のセンサー部11(図中11a、11b・・等)と、複数の端子部14(図中14a、14b・・等)を電気的に接続する複数の周辺配線13から構成されており(図中13a、13b・・等)、センサー部11と端子部14は、それぞれ単独の金属細線によって接続されている。
図2は、従来の周辺配線の配置例を示す概略図であり、図1において、端子部14付近において集中している周辺配線13の一部を拡大したものである。従来技術において周辺配線部13は幅が20〜200μmの金属細線により形成することが一般的であり、また例えば端子部14付近で複数の周辺配線13が集中したような場合、該金属細線間の間隔を20〜200μmとすることが一般的であった。図2では幅50μmの金属細線を50μmの間隔で配置している。しかしながらレジストパターンを形成した後、該レジストパターン開口部に無電解めっきを施すことで得られた金属パターンに黒化処理を施した場合、このような周辺配線部において断線が生じる場合があり、改善が求められていた。
周辺配線部13において断線が生じる理由については、以下のように推測している。レジストパターンを形成した後、該レジストパターン開口部に無電解めっきを施す場合、無電解めっき条件は、通常、センサー部の導通を確保するに必要十分な量の金属が析出する条件が適用される。前述のように、センサー部11の金属パターンが有する金属細線の幅は10μm以下が好ましいが、この線幅に対し周辺配線部を構成する金属細線の線幅が広い場合、周辺配線部において金属の析出速度が遅く金属細線の厚みが薄くなる傾向にある。一方、黒化処理は、金属の酸化処理又は硫化処理によって行うことが一般的であり、金属表面を粗化する処理である。したがって金属細線の厚みが薄くなる傾向にある周辺配線部では、金属細線が粗化される割合が局所的に高くなる箇所が生じやすく、断線が生じるものと推測される。
これに対し本発明では、周辺配線部に、線幅が7μm以下の金属細線を7μm以下の間隔で有する金属パターンを適用することで、黒化処理により生じる断線を改善する。周辺配線部に網目状の金属パターンを適用することは、例えば前述の特許文献7などで知られている。しかし周辺配線における金属細線の幅と間隔を調整することにより、黒化処理によって生じると推測される断線が改善されることは、驚くべき事実であった。
本発明では、個々のセンサー部と端子部を接続する周辺細線が単独(一本の細線)である場合であっても、個々の周辺配線の線幅が7μm以下であり、その周辺配線間の間隔が7μm以下であれば、本発明の効果を得ることができるが、個々の周辺配線を複数の金属細線で構成する(個々の周辺配線を金属細線の束によって構成する)ことが、導電性シートの信頼性の観点から好ましく、かかる金属細線の束は、線幅が7μm以下の金属細線を複数本有し、該金属細線を7μm以下の間隔で配置することで形成することが好ましい。
図3は、複数の金属細線によって1つの周辺配線を構成した一例であり、金属細線を横格子状(ストライプ状)に配置した周辺配線の例である。図3において周辺配線13a、13b、13c・・等は、線幅が7μm以下の金属細線を各5本ずつ有しており、該金属細線間の個々の間隔は7μm以下である。
図4〜図6は、複数の金属細線によって1つの周辺配線を構成した別の一例であり、図4及び図5において周辺配線13a、13b、13c・・等は、線幅が7μm以下の金属細線により形成された正方形を繰り返してなる金属パターンにより構成される。このような、周辺配線が繰り返し単位からなる金属パターンにより形成される場合、本発明で定義する細線間の間隔は、繰り返し単位中において対向する最も近い辺の間隔をもって、細線間の間隔とする。例えば図6に記載される周辺配線は、長方形を繰り返してなる金属パターンにより構成されるが、図中矢印で示した間隔(繰り返し単位中において対向する最も近い辺の間隔)が7μm以下であれば、本発明の効果を得ることが可能である。なお上記したいずれの場合においても、金属細線の線幅及び細線間の間隔は1μm以上であることが好ましい。
本発明の導電性シートが有する金属パターンは、レジストパターン開口部に無電解めっきを施すことで得られた金属細線に黒化処理を施して得られた金属パターンである。このようにして金属細線を析出させる際に利用する前駆体としては、絶縁性支持体上に下地層を有し、該下地層上に感光性レジスト層を有する前駆体を利用することが好ましい。かかる下地層によって、該支持体と金属パターンにより形成されたセンサー部や周辺配線部等との接着性を強固にすることが可能となる。
上記した前駆体が有する絶縁性支持体としては、例えば、ガラスやフレキシブル性を有する樹脂フィルムが挙げられるが、取り扱い性が優れている点で、フレキシブル性を有する樹脂フィルムが好適に用いられる。樹脂フィルムの具体例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これら樹脂フィルムの厚さは、20〜300μmであることが好ましい。なお、導電性パターンを有する導電性シートに光透過性が求められる場合、絶縁性支持体は透明であることが好ましく、かかる支持体の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましい。
上記した絶縁性支持体は、少なくとも一方の面に易接着層を有することが好ましい。易接着層は絶縁性支持体上に塗布する層の塗布性(面質)及び、絶縁性支持体と絶縁性支持体上に塗布する層との密着性を向上させることを目的に設ける。易接着層としては、例えば合成樹脂あるいは水溶性高分子化合物を含有する層が例示され、かかる合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン等が挙げられる。また合成樹脂としては水分散性のポリマー(エマルジョンやラテックス)を利用することが好ましい。水溶性高分子化合物としては、例えばゼラチンやポリビニルアルコール等が挙げられる。更に易接着層はシリカ等のマット剤、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤、滑剤、顔料、染料、界面活性剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
次に下地層について説明する。
下地層は水溶性高分子化合物と金属もしくは金属化合物の微粒子を含有することが好ましい。中でも金属もしくは金属化合物の微粒子として金属硫化物を含有する下地層は、金属パターンの密着性にとりわけ優れた導電性シートが得られるため、好ましい。
下地層が含有する水溶性高分子化合物としては、水溶性のアニオン性高分子化合物、ノニオン性高分子化合物、及び両性高分子化合物等が挙げられる。アニオン性高分子化合物としては、天然由来の化合物、あるいは合成された化合物のいずれでも用いることができ、例えば−COO基、−SO 基等を有するものが挙げられる。具体的なアニオン性の天然高分子化合物としてはアラビアゴム、アルギン酸、ペクチン等があり、半合成品としてはカルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルローズ、リグニンスルホン酸等がある。また、合成品としては無水マレイン酸系(加水分解したものも含む)共重合体、アクリル酸系(メタクリル酸系も含む)重合体及び共重合体、ビニルベンゼンスルホン酸系重合体及び共重合体、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等がある。ノニオン性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等がある。両性の高分子化合物としてはゼラチン等がある。
上記した水溶性高分子の中でも、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビニルアルコールを用いた場合、優れた密着性に加え、とりわけ優れた導電性を有する導電性シートを得ることが可能となる。ポリビニルアルコールは下地層の皮膜形成性及び皮膜強靱性の観点から、完全または部分鹸化されたポリビニルアルコールが好ましく、中でも鹸化度が80%以上のポリビニルアルコールが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。本発明で用いられるポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお本発明において、水溶性高分子化合物の水溶性とは、25℃における水に対する溶解量が少なくとも0.5質量%以上であることを意味し、好ましくは5質量%以上である。本発明の下地層における水溶性高分子化合物の含有量は、固形分として1m当たり1〜1000mgが好ましく、より好ましくは5〜200mgである。
本発明の下地層には、上記した水溶性高分子化合物に加えて非水溶性の高分子化合物、例えば各種ポリマーラテックスを含有することが好ましい。ポリマーラテックスは、ポリマーエマルジョンとも表記される。中でも下地層がウレタンポリマーラテックスを含有した場合、下地層と該下地層上に形成されるレジストパターンとの密着性が良好となり、良好な画質にて金属細線を得ることができる。下地層における非水溶性の高分子化合物の含有量は、水溶性高分子化合物の含有量に対して固形分量で10〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%である。
本発明において下地層は架橋剤を含有することが好ましい。かかる架橋剤としては、25℃の水に対する溶解量が0.5質量%以上である架橋剤が好ましく、例えばクロム明ばん等の無機化合物、ホルムアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルデヒド類、尿素、エチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−s−トリアジン塩等の活性ハロゲンを有する化合物、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、N,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基を二個以上有する化合物、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)の2・6・7章、5・2章、9・3章などに記載の架橋剤等の、公知の高分子用架橋剤を用いることができる。中でも多価アルデヒド化合物が好ましい。架橋剤として多価アルデヒド化合物を用いた場合、とりわけ優れた導電性を有する導電性パターンを得ることが可能となる。
多価アルデヒド化合物の代表例としては、例えばグリオキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド、スクシンアルデヒド、ヘプタンジアール、オクタンジアール、ノナンジアール、デカンジアール、ドデカンジアール、2,4−ジメチルヘプタンジアール、4−メチルヘキサンジアールなどの脂肪族ジアルデヒドやテレフタルアルデヒド、フェニルマロンジアルデヒドなどの芳香族ジアルデヒド、更にはそれらとメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類が反応したアセタール化合物、及びN,N′,N″−(3,3′,3″−トリスルホミルエチル)イソシアヌレートなどのトリアルデヒド化合物が挙げられる。特に好ましい多価アルデヒド化合物はジアルデヒド化合物であり、特にグルタルアルデヒド及びグリオキザールが好適である。多価アルデヒド化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。下地層における架橋剤の含有量は、水溶性高分子化合物の含有量に対して1〜200質量%であることが好ましい。
なお、本発明において下地層に用いる架橋剤は、水溶性高分子化合物と架橋反応を起こすものであるため、本発明の下地層には高分子化合物と架橋剤の反応生成物が含まれていればよく、必ずしも下地層中に架橋剤が未反応の状態で存在している必要はない。
下地層が好ましく含有する金属硫化物は、主に重金属の硫化物の微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)である。金属硫化物の代表例としては、例えば、金、銀等のコロイド粒子や、パラジウム、亜鉛、スズ等の水溶性塩と硫化物を反応させて得られた金属硫化物等が挙げられる。下地層が含有する金属もしくは金属化合物の微粒子の含有量は、該微粒子の固形分として1m当たり0.1〜10mgであることが好ましい。
下地層は、水を主な媒体とし前記の構成成分を含有する塗液を絶縁性支持体上に塗布・乾燥して設けることが好ましい。塗布方法としては、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティングなどの定量塗布方式を用いることができ、用いる塗布方式に合わせて界面活性剤等の各種塗布助剤を用いることもできる。また下地層は、塗膜の架橋を促進させるために塗膜形成後、30〜50℃の温度で3〜7日間加温することが望ましい。
上記した下地層上に設けられる感光性レジスト層としては、ドライフィルムレジストをラミネートすることにより設けてもよいが、パターンの微細化の観点から、感光性液状レジストを塗布・乾燥して設けた感光性レジスト層であることが好ましい。また下地層との接触による感光性能などの経時変化を防ぐためには、ポジ型感光性レジスト層であることがより好ましい。
ポジ型感光性レジスト層としては、感光して溶解可能となった部分を、アルカリ水溶液を主成分とする水系現像液で溶解除去できるものが好ましく用いられる。特にキノンジアジド系ポジ型フォトレジスト層が好ましい。ポジ型フォトレジスト層は、アルカリ可溶性樹脂と光分解成分であるフォトセンシタイザーを含有する。アルカリ可溶性樹脂としてはクレゾールノボラック樹脂が好ましく、フォトセンシタイザーとしてはナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが好ましい。またポジ型感光性レジスト層には、例えば塗膜強度を向上させるなどの目的で、アルカリ可溶性樹脂と相溶性のあるエポキシ樹脂やアクリル樹脂、可塑剤としてのポリビニルエーテル類、その他安定剤、レベリング剤、染料、顔料などを含有させてもよい。
感光性レジスト層の膜厚としては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下、更には3μm以下であることがより好ましい。膜厚の下限値は、必要なレジスト性能を確保し塗布を均一に欠点無く行うために、0.5μm以上であることが好ましい。
本発明において、感光性液状レジストを塗布して感光性レジスト層を設ける場合には、塗布方法として、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティングなどの定量塗布方式を用いることができる。また、用いる塗布方式に合わせて、界面活性剤や増粘剤等の各種塗布助剤を用いることもできる。
次に、本発明の導電性シートが有する金属パターンの製造方法について説明する。かかる金属パターンの製造方法は、上記した前駆体の感光性レジスト層面を任意のパターンで露光後、現像し、露光したパターンのレジスト画像を形成した後、無電解めっきを実施することで、レジスト画像に被覆されていない下地層上に優先的に金属細線を形成させ、その後レジスト画像を除去する。金属パターンを得るためのパターン露光の方法としては、感光性レジスト層面と任意のパターンを有するフォトマスクを密着して露光する方法が挙げられる。特にフォトマスクを密着して平行光源を用いた平行光露光を行うことが好ましい。また感光性レジスト層の感光領域のレーザー光を用いて、感光性レジスト層面を任意のパターンで走査露光する方法等もある。露光後、レジスト層の現像については、環境負荷低減の観点から、アルカリ性水溶液を使用することが好ましい。任意のパターンに露光された感光性レジスト層を現像処理することで、感光性レジスト層が溶解し除去された領域には下地層が現れ、任意のパターンを有するレジスト画像が形成される。
上記のようにして得られたレジスト画像を形成した面に無電解めっきを施すことで、レジスト画像で被覆されていない領域の下地層上に優先的に金属を積層させ、金属細線が形成される。無電解めっき法としては銅めっき、ニッケルめっき、亜鉛めっき、スズめっき、銀めっき等の公知のめっき方法を用いることができるが、その中でも、導電性の観点から無電解銀めっき法が好ましい。
無電解銀めっき法としては、硝酸銀及びアンモニアを含むアンモニア性硝酸銀溶液と、還元剤及び強アルカリ成分を含む還元剤溶液の2液を、任意のパターンを有するレジスト画像が形成された前駆体の表面上にて混合されるように付与し、酸化還元反応が生じることによって金属銀を析出させる方法が挙げられる。
還元剤溶液としては、グルコース、グリオキザール等のアルデヒド化合物、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジンまたはヒドラジン水和物等のヒドラジン化合物等の還元剤と、水酸化ナトリウムに代表される強アルカリ成分を含有する還元剤溶液が挙げられ、かかる還元剤溶液は、亜硫酸ナトリウムやチオ硫酸ナトリウム等を含有してもよい。
アンモニア性硝酸銀溶液には、良好な導電性の金属銀を生成させるためにいくつかの添加剤を加えることもできる。例えば、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミノアルコール化合物、グリシン、アラニン、グリシンナトリウム等のアミノ酸またはその塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
アンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液の2液を、任意のパターンを有するレジスト画像が形成された前駆体の表面上で混合されるように付与する方法としては、2種の水溶液をあらかじめ混合し、この混合液をスプレーガン等を用いてレジスト画像が形成された導電性材料前駆体の表面に吹き付ける方法、スプレーガンのヘッド内で2種の水溶液を混合して直ちに吐出する構造を有する同芯スプレーガンを用いて吹き付ける方法、2種の水溶液を2つのスプレーノズルを持つ双頭スプレーガンから各々吐出させ吹き付ける方法、2種の水溶液を2つの別々のスプレーガンを用いて、同時に吹き付ける方法等がある。これらは状況に応じて任意に選ぶことができる。
無電解めっきの処理時間は、実用的に求められる導電性を確保できる厚さにめっきするためには5〜300秒が好ましい。得られる導電性の観点から、センサー部における金属細線の厚みは0.15〜0.5μmであることが好ましい。
無電解めっきの後に残ったレジスト画像は、用いた感光性レジスト層に適した剥離液を用いて除去する。一般的にはレジスト画像を膨潤させる有機溶剤、あるいはアルカリ性水溶液をスプレー方式、あるいはシャワー方式により吹き付け、レジスト画像を膨潤させることにより除去でき、環境負荷低減の観点からは、アルカリ性水溶液を使用することが好ましい。かかるアルカリ水溶液としては、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等を含有するpHが11〜14のアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤等を適当量添加して使用することもできる。なお上記のような組成を有するアルカリ水溶液は、前述した感光性レジスト層の現像においても好適に利用される。
上記のようにして得られた金属細線には黒化処理が施される。黒化処理とは金属の酸化処理又は硫化処理によって行うことが好ましく、通常的に視認性(難視認性)を高める目的で金属の表面を粗化して、光の乱反射がなく光の吸収度を高めるための方法として使用される。例えば、金属メッシュを黒化することで光の反射が抑制されて、ディスプレイ上の表示画像を高いコントラストで視認することができるようになる。
上記した黒化処理を酸化処理により行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能である。
上記した黒化処理を硫化処理により行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液または、硫黄と硫化ナトリウム等の混合水溶液を使用することが可能である。黒化処理液は必要に応じて安定剤、分散剤、バインダー樹脂、還元剤、界面活性剤、湿潤剤、チキソ剤又はレベリング剤のような添加剤などを含有することも可能である。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
≪前駆体1の作製≫
絶縁性支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラーU34(両面易接着タイプ))を用いた。該支持体の全光線透過率をダブルビーム方式ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製)を用いて測定したところ、92.4%であった。下記の通り調製した硫化パラジウムゾルを用いて下記の組成の下地層1の塗液を作製した。直径が60mm、斜線角度が45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmの斜線グラビアロールを用い、リバース回転且つキスタッチで前記した絶縁性支持体の易接着層上に下地層1の塗液を塗布・乾燥し、更に皮膜形成後に40℃の加温庫にて1週間加温し、下地層1を形成した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
5規定塩酸 48g
蒸留水 1000g
B液 硫化ナトリウム 8.6g
蒸留水 1000g
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<下地層1の塗液の組成/導電性材料前駆体の1mあたりの量>
ポリビニルアルコール 12mg
(株式会社クラレ製PVA217 鹸化度88%、重合度1700)
ポリカーボネート系ウレタンポリマーラテックス 17.2mg(固形分6mg)
(DIC株式会社製ハイドランWLS210 平均粒径0.05μm)
界面活性剤 12mg
(泰光油脂化学工業株式会社製タイポールNPS−436)
1規定水酸化ナトリウム 110mg
グルタルアルデヒド 18mg
硫化パラジウムゾル(硫化パラジウムの固形分として)0.4mg
このようにして得られた下地層1上に、クレゾールノボラック樹脂及びナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを含有する感光性液状レジストを、前記した斜線グラビアロールを用いリバース回転且つキスタッチで塗布し、90℃で2分間乾燥して、乾燥膜厚が1.5μmのポジ型感光性レジスト層を設けることで、前駆体1を得た。
<導電性シート1の作製>
上記のようにして得られた前駆体1について、感光性レジスト層表面に、図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像を有するガラスマスクを真空密着させ、感光性レジスト層の感光域の波長を有する光(超高圧水銀灯)を集光し、コリメーターレンズを通して平行光露光を行った。なお、図1のパターンはセンサー部11、ダミー部12ともに線幅5μm、一辺が300μmで狭い方の角度が60°である菱形の格子メッシュからなる。センサー部11とダミー部12は境界線に沿って5μmの長さで断線部が設けられている。個々のセンサー部11a〜11pは、対応する周辺配線部13a〜13pをそれぞれ経由し、端子部14まで繋がっている。個々の周辺配線13a〜13pは何れも、図5に示す形状のパターン(線幅が5μmの細線により形成された正方形(対向する辺の間隔は5μm)を45°の角度で繰り返してなるパターン)により構成されており、個々の周辺配線の幅と該周辺配線間の間隔は何れも50μmである。
露光後の前駆体1は、現像液として液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、現像液をシャワー方式にて感光性レジスト層に30秒間吹き掛けて現像し、レジスト画像を得た。なお露光量は、センサー部の線幅5μmの格子メッシュになる部分であるレジスト画像で被覆されていない領域(下地層が露出している領域)の線幅が5μmになるように設定した。レジスト画像部の線幅は共焦点顕微鏡(Lasertec社製OPTELICS C130)で確認した。
次に、前駆体1の上記レジスト画像を有する側の面を脱イオン水で洗浄し、圧縮空気により脱イオン水を吹き飛ばした後、下記の通り調製したアンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液を双頭スプレーガンにて、レジスト画像を有する側の面に同時に30秒間吹き付けて無電解銀めっきを行い、レジスト画像で被覆されていない下地層上に銀を析出させた。その後、脱イオン水で洗浄し、自然乾燥させた。双頭スプレーガンの吹き付け量は各々240ml/分であった。
<アンモニア性硝酸銀溶液の調製>
D液 硝酸銀 20g
脱イオン水 1000g
E液 28質量%アンモニア水溶液 100g
モノエタノールアミン 5g
脱イオン水 1000g
D液とE液を1:1の質量比で混合し、アンモニア性硝酸銀溶液を得た。
<還元剤溶液の調製>
硫酸ヒドラジン 10g
モノエタノールアミン 5g
水酸化ナトリウム 10g
これらを脱イオン水1000gに溶解し、還元剤溶液を得た。
次に、銀が析出した側の面に、5質量%水酸化ナトリウム溶液をシャワー方式にて60秒間吹き掛けてレジスト画像を溶解除去し、水洗後、自然乾燥することで、図1の形状を有する導電性シートを得た。
次に該導電性シートを、下記の通り調製した黒化処理液に50℃で20秒間浸漬処理することで銀画像を黒化し導電性シート1を得た。なお導電性シート1が有する金属パターンは、前述したネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。またセンサー部11の金属細線の膜厚を、共焦点顕微鏡(Lasertec社製OPTELICS C130)を用いて測定したところ、0.26μmであった。
<黒化処理液の調製>
硫化ナトリウム・9水和物 0.3g
硫黄 0.06g
10質量%ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.01g
これらを脱イオン水1000gに溶解し、黒化処理液を得た。
<導電性シート2の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも、図5に示す形状のパターンであって、線幅が7μmの細線により形成された正方形(対向する辺の間隔は3μm)を45°の角度で繰り返してなるパターンにより構成されたガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート2を得た。なお得られた導電性シート2が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シート3の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも、図5に示す形状のパターンであって、線幅が3μmの細線により形成された正方形(対向する辺の間隔は7μm)を45°の角度で繰り返してなるパターンにより構成されたガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート3を得た。なお得られた導電性シート3が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シート4の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも、図5に示す形状のパターンであって、線幅が9μmの細線により形成された正方形(対向する辺の間隔は9μm)を45°の角度で繰り返してなるパターンにより構成されたガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート4を得た。なお得られた導電性シート4が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シート5の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも、図5に示す形状のパターンであって、線幅が9μmの細線により形成された正方形(対向する辺の間隔は3μm)を45°の角度で繰り返してなるパターンにより構成されたガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート5を得た。なお得られた導電性シート5が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シート6の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも、図5に示す形状のパターンであって、線幅が3μmの細線により形成された正方形(対向する辺の間隔は9μm)を45°の角度で繰り返してなるパターンにより構成されたガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート6を得た。なお得られた導電性シート6が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シート7の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも図2に示す形状のパターン(個々の周辺配線13a〜13pの線幅は何れも50μmであり、該周辺配線間の間隔は何れも50μm)であるガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート7を得た。なお得られた導電性シート7が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シート8の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも図4に示す形状のパターン(線幅が5μmの細線により形成された正方形(対向する辺の間隔は5μm)を0°の角度で繰り返してなるパターン)により構成されたガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート8を得た。なお得られた導電性シート8が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シート9の作製>
図1のパターンを有するネガ原稿のマスク画像において、周辺配線部13a〜13pが何れも図3に示す形状のパターン(線幅が5μmの細線を5μmの間隔で配置したストライプ状のパターン)により構成されたガラスマスクを用いた以外は、導電性シート1と同様にして導電性シート9を得た。なお得られた導電性シート9が有する金属パターンは、用いたネガ原稿が有するマスク画像と同様の線幅を有するものであった。
<導電性シートの導通確認>
上記した導電性シート1〜9の作製において、黒化処理前の導電性シートと、黒化処理後の導電性シートを用い、任意のセンサー部10個と、該センサー部に対応した端子部10個の間の導通をテスターにて確認し、10組全てで導通が確認できたものを○、6組以上〜9組以下で導通が確認できたものを△、導通が確認できたものが5組以下であったものを×として評価した。この結果を表1に示す。
<周辺配線部の厚み測定>
得られた導電性シート1〜9の周辺配線部の厚みを、共焦点顕微鏡(Lasertec社製OPTELICS C130)を用いて測定した。この結果を表1に示す。
以上の結果より、本発明によれば、周辺配線部の断線が改善された導電性シートが得られることが判る。
1 光透過性導電性シート
2 絶縁性支持体
11 センサー部
12 ダミー部
13 周辺配線部
14 端子部
15 アース配線

Claims (1)

  1. 絶縁性支持体上に金属パターンにより形成されたセンサー部と周辺配線部とを有し、該センサー部と該周辺配線部はレジストパターン開口部に無電解メッキを施すことで得られた金属細線に黒化処理を施して得られた金属パターンを有し、該周辺配線部の金属パターンが、線幅が7μm以下の金属細線を7μm以下の間隔で有することを特徴とする導電性シート。
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