JP2018106884A - 導電性材料の製造方法 - Google Patents

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赤岩 昌治
Shoji Akaiwa
昌治 赤岩
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Abstract

【課題】導電性パタンの断線が改善された、導電性材料の製造方法を提供する。【解決手段】任意のパタンで露出した下地層上に、無電解めっき処理により金属を積層し、その後、不要となった感光性レジスト層を除去する導電性材料の製造方法であって、感光性レジスト層の除去に用いられるアルカリ性水溶液が付与された導電性材料の搬送を、硬度が35度以下のゴムロールにより行う。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性パタンの断線が改善された、導電性材料の製造方法に関する。
従来、光透過性のタッチパネル、電磁波シールド材、ヒーター等においては、酸化スズ(SnO)、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性材料からなる薄膜(透明導電性薄膜)が用いられている。これらの薄膜は透明ではあるがシート抵抗値は100Ω/□以上であった。近年、透明導電性材料の低抵抗値化や低価格化が求められており、この透明導電性薄膜を金属細線から構成されるメッシュ様の導電性パタンに代替する検討が進んでいる。現在、メッシュを構成する金属細線の幅が20μm程度のものが、プラズマディスプレイパネル用の光透過性電磁波シールド材として量産され、タッチパネル用の光透過性電極としては、パタンの視認性(難視認性)の問題から、金属細線の幅は5μm以下、かつシート抵抗値が100Ω/□以下の十分な導電性を有するメッシュ様の導電性パタンが求められている。
金属細線から構成されるメッシュ様の導電性パタンの形成方法としては、感光性レジスト層を金属箔上に設け、感光・現像工程からなる所謂フォトリソグラフィー法により任意のパタンでレジスト開口部を有するレジストパタンを形成した後、エッチングによりレジスト開口部の金属箔を溶解・除去し、金属箔を所望のパタンに加工するサブトラクティブ法が主に用いられているが、上記のようなファインピッチ化の要望から、エッチングする金属箔(主に銅箔)や感光性レジスト層の薄層化が急務となっている。
一方、ファインピッチ化の別の手段として、サブトラクティブ法に替えて、支持体上に薄層の下地金属層と下地金属層上に感光性レジスト層を形成し、該感光性レジスト層を露光、現像することでレジストパタンを形成した後、電解めっき法により該レジストパタンの開口部の下地金属層上に金属層を析出させ、所望の厚みとした後、レジストパタンおよびレジストパタンで保護された下地金属層を除去することにより、導電性パタンを形成する、いわゆるセミアディティブ法が提案されている。例えば特開2007−287953号公報(特許文献1)では、支持体表面に下地金属層としてスパッタ金属層を形成し、上記セミアディティブ法を用いて導電性パタンを形成する、導電性材料の製造方法が開示されている。しかしながら、下地金属層であるスパッタ金属層を除去するエッチング工程とセミアディティブで形成した金属層を除去するエッチング工程等、エッチング工程が複数回必要となり工程が多くなるため生産性は低いものであった。このような生産性を改善することを目的として、特開2010−45227号公報(特許文献2)では、下地金属層として写真製法によって得られた銀薄膜層を用い、その上に感光性レジスト層を設けた導電性材料前駆体が開示されている。しかしながら導電性パタンの形成には、依然として下地金属層のエッチング工程が必要であり、十分満足できるものではなかった。
一方、エッチング工程を必要としないものとしては、特開2014−197531号公報(特許文献3)が知られている。同公報には支持体上に水溶性高分子化合物、架橋剤および金属硫化物を含有する下地層と、感光性レジスト層をこの順に有する導電性パタン前駆体を用い、レジストパタンの開口部に無電解銀めっき処理を行う方法が記載されている。この技術によって、高い生産性にて導電性材料が生産でき、また良好な導電性と、支持体との優れた密着性を有する導電性材料が得られる。しかしながら下地層上に無電解めっき処理により金属を積層した後、不要となった感光性レジスト層を除去する工程において導電性パタンに断線が生じる場合があり、改善が求められていた。
処理装置における搬送ロールに関し、例えば熱現像画像記録材料の現像処理装置においては、ゴム硬度が50度以下のロールを利用することで、処理ムラや擦り傷が改善できることが特開2001−83679号公報(特許文献4)に記載される。平版印刷版の処理装置においては、ゴム硬度が20〜60度のロールを利用することで現像処理ムラの抑制が可能であることが特開2004−133297号公報(特許文献5)に記載され、特開2009−175339号公報(特許文献6)では、現像液絞りロールの表面硬度を20〜40度とすることが記載されている。また特開平9−160205号公報(特許文献7)では、感光材料処理装置の液中ロールのゴム硬度を40±5度とすることで写真品質の劣化を防止できることが記載され、特開2011−90878号公報(特許文献8)では搬送ローラーのゴム硬度を40〜70度とすることで、金属ナノワイヤー層の導電性が向上可能であることが記載されている。
特開2007−287953号公報 特開2010−45227号公報 特開2014−197531号公報 特開2001−83679号公報 特開2004−133297号公報 特開2009−175339号公報 特開平9−160205号公報 特開2011−90878号公報
本発明の課題は、導電性パタンの断線が改善された導電性材料の製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の導電性材料の製造方法により達成された。
1.支持体の少なくとも一方の面に下地層と、該下地層上に感光性レジスト層を有する感光性材料を露光、現像し、任意のパタンで露出した下地層上に無電解めっき処理により金属を積層し、その後、不要となった感光性レジスト層を除去する導電性材料の製造方法であって、該感光性レジスト層の除去は、導電性パタンが形成された導電性材料を搬送しつつ、不要となった感光性レジスト層を有する側の面に、アルカリ性水溶液が付与されることで行われ、該アルカリ性水溶液が付与された導電性材料の搬送を、無電解めっき処理により金属が積層された面側に接する位置に、硬度が35度以下のゴムロールを配置して行うことを特徴とする、導電性材料の製造方法。
本発明によって、導電性パタンの断線が改善された導電性材料の製造方法を提供することができる。
不要となった感光性レジスト層を除去する処理装置の一例を示す概略図。 実施例において使用した無電解銀めっき装置の概略図。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性材料の製造方法に用いる感光性材料は、支持体と、該支持体上の少なくとも一方の面に下地層と、該下地層上に感光性レジスト層を有する。
上記した感光性材料が有する支持体は、下地層および該下地層上の感光性レジスト層を少なくとも片面に保持するための支持体であると共に、後述する導電性パタンを保持するための支持体であり、樹脂等からなる基材だけではなく、その表面に易接着層を有していても良い。また支持体は、基材上に耐傷性を目的としたハードコート層(HC層)や、反射率低減を目的としたアンチリフレクション層(AR層)等の公知の層を有していても良い。かかる支持体の厚さは、20〜300μmであることが好ましい。基材としては絶縁性および可撓性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等からなるフィルムや、紙をポリオレフィン樹脂で被覆したレジンコート紙等を挙げることができる。なお、導電性パタンを有する導電性材料に光透過性が求められる場合、支持体は光透過性支持体であることが好ましく、また光透過性支持体の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましい。
支持体は易接着層を有することが好ましい。該易接着層は支持体上の少なくとも一方の面に設けられる下地層の面質、および支持体と該下地層の密着性を向上させることができる。易接着層は、合成樹脂あるいは水溶性ポリマーを含有することが好ましく、かかる合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。また合成樹脂としては水分散性のポリマー(エマルジョンやラテックス)を利用することが好ましい。水溶性ポリマーとしては、例えばゼラチンやポリビニルアルコール等が挙げられる。更に易接着層はシリカ等のマット剤、イソシアネート、エポキシ等の架橋剤、滑剤、顔料、染料、界面活性剤、紫外線吸収剤を含有していてもよい。
また支持体の両面に導電性パタンを設ける場合には、下地層および該下地層上の感光性レジスト層を支持体の両面に形成し、支持体を構成する基材には感光性レジストの露光に用いる波長の光を透過しない材料を選択すれば良い。このような基材としてはカーボンブラック等の顔料や紫外線吸収剤が混練されたフィルム、例えば紫外線吸収ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを例示することができる。
次に下地層について説明する。本発明において下地層は水溶性高分子化合物と架橋剤および金属硫化物を含有することが好ましい。これにより支持体と導電性パタンの密着性を高め、また良好な導電性を有する導電性パタンを得ることができる。下地層が含有する水溶性高分子化合物としては水溶性のアニオン性高分子化合物、ノニオン性高分子化合物、及び両性高分子化合物等が挙げられる。アニオン性高分子化合物としては、天然由来の化合物、あるいは合成された化合物のいずれでも用いることができ、例えば−COO基、−SO 基等を有するものが挙げられる。具体的なアニオン性の天然高分子化合物としてはアラビアゴム、アルギン酸、ペクチン等があり、半合成品としてはカルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルローズ、リグニンスルホン酸等がある。また、合成品としては無水マレイン酸系(加水分解したものも含む)共重合体、アクリル酸系(メタクリル酸系も含む)重合体及び共重合体、ビニルベンゼンスルホン酸系重合体及び共重合体、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等がある。ノニオン性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等がある。両性の高分子化合物としてはゼラチン等がある。
上記した水溶性高分子化合物の中でも、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコールが好ましく、特に下地層がポリビニルアルコールを含有する場合、優れた密着性に加え、とりわけ優れた導電性を有する導電性パタンを得ることが可能となる。ポリビニルアルコールは下地層の皮膜形成性及び皮膜強靱性の観点から、完全または部分鹸化されたポリビニルアルコールが好ましく、中でも鹸化度が80%以上のポリビニルアルコールが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。本発明で用いられるポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
下地層は、支持体に対する導電性パタンの密着性を向上させることを目的として、水溶性高分子化合物に加えてウレタンポリマーラテックスを含有してもよい。ウレタンポリマーラテックスは、ウレタンポリマーエマルジョン、ポリウレタンラテックス、ポリウレタンエマルジョン、水性ウレタン樹脂等とも表記される。下地層が含有するウレタンポリマーラテックスはポリオールとポリイソシアネートから合成されるウレタンポリマーの微粒子を含有する。用いられるポリオールとしてポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。ウレタンポリマーラテックス中のウレタンポリマー微粒子の平均粒子径は0.01〜0.3μmであることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1μmである。なお、本発明において下地層に用いるウレタンポリマーラテックスは、下地層の塗液に用いる段階ではウレタンポリマー微粒子の水分散物であるが、下地層は塗布後乾燥され固体の塗膜となるため、下地層中でウレタンポリマーラテックスは、水分散物の状態やウレタンポリマー微粒子の粒子形状を保持している必要はない。
下地層が含有する架橋剤としては、25℃の水に対する溶解量が0.5質量%以上である架橋剤が好ましく、例えばクロム明ばん等の無機化合物、ホルムアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルデヒド類、尿素、エチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−s−トリアジン塩等の活性ハロゲンを有する化合物、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、N,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基を二個以上有する化合物、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)の2・6・7章、5・2章、9・3章などに記載の架橋剤等の、公知の高分子用架橋剤を用いることができる。中でも下地層が含有する水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコールを用いた場合、多価アルデヒド化合物を架橋剤として使用することが好ましい。架橋剤として多価アルデヒド化合物を用いた場合、導電性にとりわけ優れた導電性パタンを得ることが可能となる。
多価アルデヒド化合物の代表例としては、例えばグリオキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド、スクシンアルデヒド、ヘプタンジアール、オクタンジアール、ノナンジアール、デカンジアール、ドデカンジアール、2,4−ジメチルヘプタンジアール、4−メチルヘキサンジアールなどの脂肪族ジアルデヒドやテレフタルアルデヒド、フェニルマロンジアルデヒドなどの芳香族ジアルデヒド、更にはそれらとメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類が反応したアセタール化合物、及びN,N′,N″−(3,3′,3″−トリスルホミルエチル)イソシアヌレートなどのトリアルデヒド化合物が挙げられる。特に好ましい多価アルデヒド化合物はジアルデヒド化合物であり、特にグルタルアルデヒド及びグリオキザールが好適である。多価アルデヒド化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。下地層における架橋剤の含有量は、水溶性高分子化合物の含有量に対して1〜200質量%であることが好ましい。
下地層が含有する金属硫化物は、主に重金属の硫化物の微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)である。金属硫化物の代表例としては、例えば、金、銀等のコロイド粒子や、パラジウム、亜鉛、スズ等の水溶性塩と硫化物を反応させて得られた金属硫化物等が挙げられ、中でも硫化パラジウムが好ましい。下地層に用いる金属硫化物の含有量は、固形分で感光性材料の1m当たり0.1〜10mgであることが好ましい。
下地層は、例えば上記した成分を含有する塗液を支持体上に塗布して形成することができ、ディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スリットダイコーティング、スプレーコーティングなどの公知の塗布方式で塗布することができるが、下地層を均一に塗布するという観点から、エアーナイフコーティング、グラビアコーティング(特に小径グラビアコーティング)、スリットダイコーティングが好ましい。また、塗布方式に合わせ、増粘剤、界面活性剤等の各種塗布助剤を用いることもできる。下地層は、皮膜の架橋を促進させるために皮膜形成後、30〜50℃の温度で3〜7日間加温することが望ましい。
本発明における感光性レジスト層は、ドライフィルムレジストをラミネートすることにより設けてもよいが、パタンの微細化の観点から、感光性液状レジストが塗布された感光性レジスト層であることが好ましい。また下地層との接触による経時変化を低減する観点から、ポジ型感光性レジスト層であることがより好ましい。
ポジ型感光性レジスト層としては、感光して溶解可能となった部分を、アルカリ性水溶液を主成分とする現像液で溶解除去できる水処理可能なものが好ましく用いられる。特にキノンジアジド系ポジ型フォトレジスト層が好ましい。キノンジアジド系ポジ型フォトレジスト層は、アルカリ可溶性樹脂と光分解成分であるフォトセンシタイザーを含有する。アルカリ可溶性樹脂としてはクレゾールノボラック樹脂が好ましく、フォトセンシタイザーとしてはナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが好ましい。本発明において、ポジ型感光性レジスト層には、例えば強度を向上させるなどの目的で、アルカリ可溶性樹脂と相溶性のあるエポキシ樹脂やアクリル樹脂、可塑剤としてのポリビニルエーテル類、その他安定剤、レベリング剤、染料、顔料などを含有させてもよい。
上記感光性レジスト層の乾燥膜厚としては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下、さらには3μm以下であることがより好ましい。下限は必要なレジスト性能を確保する点、および塗布の均一性という観点から、0.5μm以上であることが好ましい。
感光性レジスト層の塗布は下地層と同様の塗布方式で実施することができ、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スリットダイコーティング、スプレーコーティングなどの公知の塗布方式で塗布することができるが、感光性レジスト層を均一に塗布するという観点から、エアーナイフコーティング、グラビアコーティング(特に小径グラビアコーティング)、スリットダイコーティングが好ましい。また、塗布方式に合わせ、増粘剤、界面活性剤等の各種塗布助剤を用いることもできる。なお、感光性レジスト層は塗布を行った後、60〜150℃で乾燥させることが好ましい。
本発明では、上記した下地層上に感光性レジスト層を有する感光性材料を露光、現像することで、任意のパタンにて下地層を露出させる。
露光方式としては、必要なサイズの光束を任意のパタンが描画されたマスクを介して感光性材料へ照射する、所謂マスク露光方式と、レーザー光をポリゴンミラーあるいはデジタルミラーデバイス(DMD)を用いて任意のパタンを照射する、レーザー直描方式に大別することができる。マスク露光方式には、マスクと感光性材料を密着して露光するコンタクト露光方式、マスクと感光性材料を1〜100μmの間隔を開けて露光するプロキシミティ露光方式、ミラーやレンズを用いて投影し露光する投影(プロジェクション)露光方式を挙げることができる。ここで任意のパタンとして、静電容量型タッチパネル用電極を例に取ると、かかるパタンは金属細線から構成されるメッシュ様のファインピッチな導電性パタンおよび周辺トレース配線を形成するための細線パタンを有し、メッシュ様部分は少なくとも正方形、菱形あるいは六角形等の格子パタンによって形成される。メッシュ様部分は、導電性や光透過性等を考慮して、線幅を1〜20μm、線間隔を100〜1000μmとする。また周辺トレース配線としてはライン&スペースで10〜200μmピッチに設定される。
次に、露光された感光性材料は現像される。かかる現像処理は、環境負荷低減の観点から、アルカリ性水溶液を使用することが好ましい。かかるアルカリ性水溶液としては、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等を含有するアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもでき、pHが11〜14であるアルカリ性水溶液を例示することができる。
任意のパタンに露光された感光性材料を現像することで、例えば感光性レジスト層としてポジ型の感光性レジスト層を利用した場合には、感光して溶解可能となった部分が、アルカリ性水溶液に溶出することで、下地層上に任意のパタンで下地層が露出したレジストパタンが形成される。また現像後には、水洗されることが好ましい。なお本発明において、下地層上に感光性レジスト層を有する感光性材料は、ロール様あるいは枚葉の何れの形態でも良い。
本発明の導電性材料の製造方法では、上記した現像後の感光性材料に無電解めっきを施すことで、任意のパタンで露出した下地層上に優先的に金属を積層せしめ、導電性パタンを形成する。無電解めっき処理として、銅めっき法、ニッケルめっき法、亜鉛めっき法、スズめっき法、銀めっき法等の公知のめっき方法を用いることができるが、その中でも、得られる導電性の観点から無電解銀めっき法が特に好ましい
無電解銀めっき法としては、硝酸銀及びアンモニアを含むアンモニア性硝酸銀溶液と、還元剤及び強アルカリ成分を含む還元剤溶液の2液を、上記した現像後の感光性材料の表面上で混合されるように付与し、酸化還元反応を生じせしめ、金属銀を析出させる方法が挙げられる。
無電解銀めっき処理に用いる還元剤溶液としては、グルコース、グリオキザール等のアルデヒド化合物、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジンまたはヒドラジン水和物等のヒドラジン化合物等の還元剤、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウムに代表される強アルカリ剤を含有する還元剤溶液が挙げられ、かかる還元剤溶液は、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウム等を含有してもよい。
アンモニア性硝酸銀溶液は、無電解銀めっき処理における金属銀の析出速度を速めるためにいくつかの添加剤を含有することもできる。例えば、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミノアルコール化合物、グリシン、アラニン、グリシンナトリウム等のアミノ酸またはその塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、任意のパタンで露出した下地層上に、より均一に銀を積層させるという観点から、無電解銀めっき処理を行う直前に、前処理として、水、あるいは界面活性剤水溶液を付与してもよい。かかる界面活性剤としては、公知の界面活性剤を広く用いることができる。
上記したアンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液の2液を、上記した現像後の感光性材料の表面上で混合されるように付与する方法としては、2種の水溶液をあらかじめ混合し、この混合液をスプレーノズルやスリットノズル、スプレーガン等を用いて、現像後の感光性材料の表面に吹き付ける方法、スプレーガンのヘッド内で2種の水溶液を混合して直ちに吐出する構造を有する同芯スプレーガンを用いて吹き付ける方法、2種の水溶液を2つのスプレーノズルを有する双頭スプレーガンから各々吐出させ吹き付ける方法、2種の水溶液を2つの別々のスプレーガンを用いて同時に吹き付ける方法、スリットノズルを2本並べ2種の水溶液を順に吹き付ける方法等がある。これらは状況に応じて任意に選ぶことができる。
本発明において無電解銀めっき処理時間としては、5〜300秒が好ましい。これにより下地層上に積層される金属の厚みを0.1〜1μm程度に調整することができる。
上記した無電解めっき処理を行った後、液切り、水洗、乾燥を行うことができる。液切り方法としては、スポンジロール等により挟む方法や、エアナイフを設ける方法等があるが、エアナイフに代表される非接触による方法を用いることが好ましい。水洗は液切りの前後どちらでもよい。
本発明では、上記した無電解めっき処理の後、不要となった感光性レジスト層は除去される。かかる感光性レジスト層の除去は、導電性パタンが形成された導電性材料を搬送しつつ、不要となった感光性レジスト層を有する側の面に、アルカリ性水溶液が付与されることで行われる。またアルカリ性水溶液の付与に先立ち、感光性レジスト層の膨潤・溶解性を向上させるために、感光性レジスト層に対し感光性レジスト層を露光可能な波長の光で副露光を行っても良い。
かかるアルカリ性水溶液としては、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等を含有するアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもでき、pHが11〜14であるアルカリ性水溶液を例示することができる。
本発明では前述の通り、感光性レジスト層の除去は、導電性パタンが形成された導電性材料を搬送しつつ、不要となった感光性レジスト層を有する側の面に、アルカリ性水溶液が付与されることで行われ、かつアルカリ性水溶液が付与された導電性材料の搬送を、無電解めっき処理により金属が積層された面側に接する位置に、硬度が35度以下のゴムロールを配置して行う。図1は、不要となった感光性レジスト層を除去する処理装置の一例を示す概略図である。
図1において、ロール状に巻き取られた、無電解めっき処理後の導電性材料12(無電解めっき処理後であって、不要となった感光性レジスト層が除去される前の導電性材料12)は、巻き出し軸11に装着され、図中矢印の方向に連続的に巻き出されて搬送される。無電解めっき処理後の導電性材料12は、導電性パタンを有する面が外巻き、内巻きの何れであっても良いが、図1では外巻きの例を示した。巻き出し軸11には、張力制御手段13が接続されている。無電解めっき処理後の導電性材料12の最上巻きと最下巻きには、処理装置の搬送経路の全長に相当する長さのリードフィルム(図示せず)が設けられており、ウエブFには常に張力が制御された状態となっている。
なお、無電解めっき処理後の導電性材料12が枚葉である場合には、例えば先行板に無電解めっき処理後の導電性材料を貼りつけて搬入ローラー部20上に載置し、処理することも可能である。
図1において、無電解めっき処理後の導電性材料12は搬入ローラー部20により搬送され、不要となった感光性レジスト層を有する側の面にアルカリ性水溶液が付与されるアルカリ処理部30に入り、ウエブFの上方向に配置されたシャワーノズル34からアルカリ性水溶液を噴出して、不要となった感光性レジスト層を除去する。除去されたレジスト層はアルカリ性水溶液中に溶解または分散されて、貯留槽31に流れ落ち貯留され、該アルカリ性水溶液はフィルタ32を経由し、循環ポンプ33によってシャワーノズル34に供給される。貯留槽31の容量は150L程度が適当であり、図示しないヒーターにより30〜35℃程度に温調されていることが好ましい。
シャワーノズル34から噴射するアルカリ性水溶液の水圧は0.1〜0.3MPaであることが好ましい。またシャワーノズル34から噴射されるアルカリ性水溶液の噴射角度は、ウエブFに対して60〜115°の範囲とすることが好ましい。アルカリ処理部30内に設けられるシャワーノズル34の数は複数であることが好ましく、例えば図1では、複数のシャワーノズル34を有するシャワーユニットがアルカリ処理部30内に、ウエブFの上方向において4列設けられている。なお図1では、不要となった感光性レジスト層を有する側の面にアルカリ性水溶液を付与する手段としてシャワーノズルを示したが、本発明はこれに限定されず、スプレーノズルや、スリットノズル等を利用することも可能である。
アルカリ処理部30を通過したウエブFは水洗処理部40に入り、シャワーノズル44から噴出された水で水洗される。水洗処理部40も同じく、水洗水はウエブFの水洗に使用された後、水貯留槽41に貯溜され、フィルタ42を経由し、循環ポンプ43によってシャワーノズル44に供給される。水貯留槽41の容量は、80リットル程度が適当であり、図示しないが未使用の水洗水を供給する供給口と使用済みの水洗水を排出する排水口が取り付けられている。
シャワーノズル44から噴射する水の水圧は0.02〜0.1MPaであることが好ましい。またシャワーノズル44から噴射される水の噴射角度はウエブFに対して60〜115°の範囲とすることが好ましい。水洗処理部40内に設けられるシャワーノズル44の数は複数であることが好ましく、例えば図1では、複数のシャワーノズル44を有するシャワーユニットが水洗処理部40内にウエブFの上下方向においてそれぞれ4列設けられている。なお図1では、水洗する水を付与する手段としてシャワーノズルを示したが、本発明はこれに限定されず、その他の水洗水付与手段として、スプレーノズルや、スリットノズル等を利用することも可能である。
水洗されたウエブFは、乾燥部50で乾燥され、搬出ローラー60により排出され、巻き取り軸71でロール状に巻き取られる。
乾燥部50には、上下に複数の温風乾燥機51が設置されており、温風によってウエブFを乾燥させる。乾燥温度としては、30℃以上であることが好ましく、生産性の観点から、40〜80℃が適当であり、より好ましくは50〜65℃が適当である。巻き取り軸71には、該軸を駆動回転できる張力制御手段73(例えば、トルクモータ)が取り付けられている。張力制御手段73は、ウエブFの蛇行を抑制するために、ウエブFに高い張力を加えており、20〜100N/mの範囲が適当である。
図1の処理装置は前述の通り、導電性パタンを有する面が外巻きである際に使用する処理装置を示した。かかる処理装置においてロール35は、アルカリ性水溶液が付与された導電性材料を搬送し、かつ不要となった感光性レジスト層を有する側の面に接するロールであり、図1のアルカリ処理部では3本のロール35が配置されている。一方、ウエブFを介して反対側に位置する複数のロール36は、アルカリ性水溶液が付与された導電性材料を搬送するために、前記したロール35とロール対を形成するロール、あるいはウエブFを支持するためのロールである。
本発明では、アルカリ性水溶液が付与された導電性材料を搬送し、かつ不要となった感光性レジスト層を有する側の面に接するロールとして、硬度が35度以下のゴムロールを使用する。これにより、導電性パタンの断線が改善されるという効果を見いだした。後述する実施例に示したように、ゴムロールの硬度が35度を上回った場合、断線が生じる。ゴム硬度の下限は特に限定しないが、導電性材料の搬送性の観点から、また入手のし易さ等の観点から、5度以上であることが望ましく、10度以上であることがより望ましいい。なお本発明において搬送ロールのゴム硬度はJIS K 6235のデューロメータ(タイプA)で測定された硬度である。
本発明において感光性材料が、支持体の両面に下地層と、該下地層上に感光性レジスト層を有する感光性材料である場合、アルカリ性水溶液が付与された導電性材料を搬送し、かつ不要となった感光性レジスト層を有する側の面に接するロールは、前述した複数のロール36がこれに相当する。したがって感光性材料が、支持体の両面に下地層と、該下地層上に感光性レジスト層を有する感光性材料である場合、複数のロール36は硬度が35度以下のゴムロールであることが必要となる。
なお本発明において、水洗処理部40および乾燥部50内に配置され、不要となった感光性レジスト層を有する側の面(導電性パタンが形成された側の面)に接するゴムロールの強度は特に限定しないが、少なくとも、導電性パタンが形成された側の面の乾燥が終了するまでの間、かかる面に接するゴムロールの強度は、35度以下であることが好ましい。これにより導電性パタンの断線が、より効果的に低減することが可能となる。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお記載中%は質量基準である。
≪感光性材料1の作製≫
支持体として、ポリビニルアルコールを含有する易接着層を有する厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(全光線透過率90%)を用いた。フィルム幅は500mm、フィルム長さは100mとした。下記硫化パラジウムゾルを調製し、該硫化パラジウムゾルを用いて下地層の塗液1を作製した。塗布装置には、直径が60mm、斜線角度が45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmの斜線グラビアロールを用いリバース回転かつキスタッチで塗布を行う塗布ヘッドを有する塗布装置を用い、前記した易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムの易接着層上に、該塗液を塗布・乾燥し、ロール様に巻き取り、その後40℃の加温庫にて1週間加温した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 48g
蒸留水 1000g
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000g
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<下地層の塗液1/1mあたり>
PVA217(株式会社クラレ製ポリビニルアルコール 鹸化度88%、重合度1700) 12mg
タイポールNPS−436(泰光油脂化学工業株式会社製界面活性剤)
12mg
1N.水酸化ナトリウム 110mg
グルタルアルデヒド 18mg
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
このようにして形成された下地層上に、クレゾールノボラック樹脂、およびナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを含有するキノンジアジド系ポジ型感光性液状レジストを前記した塗布装置を用いて塗布し、90℃で2分間乾燥しロール状に巻き取り、乾燥膜厚1.5μmの感光性レジスト層が設けられたロール様の感光性材料1を得た。
<導電性材料1の作製>
上記のようにして得られた感光性材料1を、ロールツーロールタイプの露光装置を用いて露光を行った。ロールツーロールタイプの露光装置は、ロール様の感光性材料1を巻き出すための巻き出し部、露光部、露光済みの感光性材料1の巻き取るための巻き取り部を有する。マスクには外形450mm×450mmのソーダガラスマスクを用い、線幅が3μm、線間隔が300μmの格子パタンからなる8mm×400mmのストライプ様の導電性パタンが、0.1mm間隔で49本描画され、画像部以外は全て遮光部としたものを用いた。露光には超高圧水銀灯の発光を、赤外線領域を透過する誘電体多層膜からなる凹面ミラー(ダイクロイックミラー)により集光し、フライアイレンズを通過させた後、凹面ミラー光学系を通過させることで疑似平行光とした光源を用いた。1露光単位と次の露光単位との間隔は500mmとし、かかる露光を繰り返し実施した。
露光後のロール様の感光性材料1は、ロールツーロールタイプの現像装置を用いて現像を行った。ロールツーロールタイプの現像装置は、ロール様の感光性材料1を巻き出すための巻き出し部、現像槽、水洗槽、水洗水を除去するエアナイフ、乾燥機、および巻き取り部を有している。現像槽および水洗槽においてはシャワーノズルを用い、現像液および水洗水の吹き付けを行った。現像液には1%炭酸ナトリウム水溶液を用いた。現像液の温度は30℃、現像時間は30秒として現像を行い、上記したマスク画像様に下地層が露出したパタンを得た。パタン開口部のレジスト層は完全に除去され、下地層が露出していた。
次に、上記した現像後の感光性材料1に無電解めっきを施すことで、任意のパタンで露出した下地層上に優先的に金属を積層せしめ、導電性パタンを形成した。無電解めっきは、図2に示した無電解銀めっき装置を用いて行った。図2において、ロール様の感光性材料1(現像後の感光性材料1)は、巻き出し軸101に装着され、図中、矢印の方向に連続的に巻き出されて搬送される。感光性材料1の搬送はモータ105により回転駆動される駆動ロール104および搬送ロール106a〜106dにより行われる。搬送ロール106a〜106dにより搬送される感光性材料1は、搬送ロール106bおよび106c間にて直線状に搬送され、搬送上流側(搬送ロール106b側)の床面からの高さ(図中、床面は図示していない)は、搬送下流側(搬送ロール106c側)よりも高く、感光性材料1の搬送角度(図中、水平面である床面と平行な方向として示した一点鎖線と、感光性材料1の搬送ラインが交わる角度θ)は40°である。
40°の搬送角度で搬送される感光性材料1は、処理部113に案内される。処理部113は搬送上流側より順に、界面活性剤水溶液噴霧用スプレーガン107、液切り用エアナイフ108および108′が設けられた前処理ボックス114、無電解銀めっき用アンモニア性硝酸銀溶液噴霧用スプレーガン109、無電解銀めっき用還元剤溶液噴霧用スプレーガン110が設けられた無電解銀めっき処理ボックス115、水洗用スプレーガン111、液切り用エアナイフ112および112′が設けられた水洗処理ボックス116を有している。かかる無電解銀めっき処理ボックス115において、下記組成のアンモニア性硝酸銀溶液と、下記組成の還元剤溶液を、感光性材料1の搬送下流側の表側(下地層を有する側の面)に付与した。アンモニア性硝酸銀溶液、および還元剤溶液の供給液量は何れも100ml/分であり、これらの液を水洗除去するまでの無電解銀めっき処理時間は30秒とした。
なお前処理ボックス114の界面活性剤水溶液噴霧用スプレーガン107からは0.5質量%タイポールNPS−436(泰光油脂化学工業株式会社製界面活性剤)水溶液を付与し、水洗処理ボックス116の水洗用スプレーガン111からは水洗水を付与した。また前処理ボックス114の界面活性剤水溶液噴霧用スプレーガン107、無電解銀めっき処理ボックス115の無電解銀めっき用アンモニア性硝酸銀溶液噴霧用スプレーガン109と無電解銀めっき用還元剤溶液噴霧用スプレーガン110、および水洗処理ボックス116の水洗用スプレーガン111は、搬送される感光性材料1の幅方向において、各処理が均一に施されるよう、幅方向にそれぞれ2本設置した。かかる無電解銀めっき処理を行った後、導電性パタンを有する側の面が、外巻きになるように巻き取った。
<アンモニア性硝酸銀溶液>
C液 硝酸銀 20g
脱イオン水 1000g
D液 28%アンモニア水溶液 100g
モノエタノールアミン 5g
脱イオン水 1000g
C液とD液を1:1で混合し、アンモニア性硝酸銀溶液を調液した。
<還元剤溶液>
硫酸ヒドラジン 10g
モノエタノールアミン 5g
水酸化ナトリウム 10g
脱イオン水 1000gに溶解し、還元剤溶液を調液した。
次に、図1の処理装置のロール35(3本)、ロール45(3本)、およびロール52(4本)として、ゴム硬度が10度のゴムロールを使用し、不要となった感光性レジスト層の除去を実施した。かかる除去にはアルカリ性水溶液として5%水酸化ナトリウム水溶液を用い、アルカリ性水溶液の温度は30℃、処理時間が60秒となるように処理を行い、ロール様の導電性材料1を得た。
<導電性材料2の作製>
導電性材料1の作製において、ゴム硬度10度のゴムロールを、ゴム硬度が20度のゴムロールに変更した以外は同様にして、ロール様の導電性材料2を得た。
<導電性材料3の作製>
導電性材料1の作製において、ゴム硬度10度のゴムロールを、ゴム硬度が30度のゴムロールに変更した以外は同様にして、ロール様の導電性材料3を得た。
<導電性材料4の作製>
導電性材料1の作製において、ゴム硬度10度のゴムロールを、ゴム硬度が40度のゴムロールに変更した以外は同様にして、ロール様の導電性材料4を得た。
<導電性材料5の作製>
導電性材料1の作製において、ゴム硬度10度のゴムロールを、ゴム硬度が50度のゴムロールに変更した以外は同様にして、ロール様の導電性材料5を得た。
<断線数>
上記のようにして得られたロール様の導電性材料1〜5のそれぞれについて、任意の位置の露光単位を10単位選び、該露光単位中のストライプパターン(49本×10単位)について、それぞれ導通を確認し、導通が得られなかったストライプパターン数を断線数としてカウントした。この結果を表1に示す。
Figure 2018106884
以上の結果より、本発明によれば導電性パタンの断線が改善された導電性材料が得られることが判る。
11 巻き出し軸
12 無電解めっき処理後の導電性材料
13 張力制御
20 搬入ローラー部
30 アルカリ処理部
34 シャワーノズル
40 水洗処理部
44 シャワーノズル
50 乾燥部
60 搬出ローラー

Claims (1)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に下地層と、該下地層上に感光性レジスト層を有する感光性材料を露光、現像し、任意のパタンで露出した下地層上に無電解めっき処理により金属を積層し、その後、不要となった感光性レジスト層を除去する導電性材料の製造方法であって、該感光性レジスト層の除去は、導電性パタンが形成された導電性材料を搬送しつつ、不要となった感光性レジスト層を有する側の面に、アルカリ性水溶液が付与されることで行われ、該アルカリ性水溶液が付与された導電性材料の搬送を、無電解めっき処理により金属が積層された面側に接する位置に、硬度が35度以下のゴムロールを配置して行うことを特徴とする、導電性材料の製造方法。
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JP2020120719A (ja) * 2019-01-29 2020-08-13 株式会社三共 遊技機

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