JP2010079139A - ディスプレイ用光学フィルム及びディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材の一方の面に、ブラックストライプの遮光パターン7(または5)が導電性薄膜で形成され、前記遮光パターン7(または5)と電磁波シールド機能を有する導電性薄膜からなるメッシュパターン4(または2)とが、同一面の上で交差した複合パターンを形成してなることを特徴とするディスプレイ用光学フィルム10。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、電磁波遮蔽性を有する金属メッシュと、近赤外線吸収能を有する近赤外線吸収剤含有接着層と、反射防止層と、ネオン光吸収層とを積層したプラズマディスプレイ用光学フィルターが開示されている。
しかし、特許文献4においては、PTAにおいてブラックストライプに関する記載が無く、ブラックストライプの遮光パターンと電磁波シールド材のメッシュパターンの両方を一緒に形成して複合パターンとすることは、全く開示されていない。
しかし、ブラックストライプと電磁波シールド材とを、それぞれ異なる基材に形成した後に貼り合せるのは、基材が無駄になると供に製造コストが嵩むという問題があった。
前記導電性薄膜は、写真製法により生成された現像銀層からなる金属薄膜、金属粒子、カーボンナノ粒子もしくはカーボンファイバーの中から選択された1種以上を含有する導電性ペーストを印刷して形成した導電性薄膜、無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して形成した導電性薄膜、フォトレジストパターンまたは溶剤溶解性の印刷材料を印刷したパターンのいずれかを遮蔽マスクとして用いて金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着を行った後に遮蔽マスクを除去して行なう、剥離(リフトオフ)法により形成した導電性薄膜、金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着により製膜された薄膜をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜、金属箔をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜のいずれかであることが好ましい。
さらに前記光学フィルムが、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層のうち、1つ以上の機能層を有することが好ましい。
前記のディスプレイは、プラズマチューブアレイ表示装置であることが好ましい。
(1)基材1枚分、及び粘着剤の材料費用のコスト削減が図れる。
(2)電磁波シールドフィルムとブラックストライプの遮光フィルムとを貼り合せる工程費用の削減が図れる。
(3)基材1枚分、及び粘着剤が省けるので、光線透過率が向上して画像が明るく表示される。
以上のことから、生産性が高く安価に製造されたディスプレイ用光学フィルム及びそれを備えるディスプレイを提供することができる。
図1は、本発明のディスプレイ用光学フィルムの一例を示す平面図である。図2は、図1におけるA−A矢視図であり、ディスプレイ用光学フィルムの一例を示す断面図である。図3は、図2におけるB部の部分拡大図であり、図3(a)は、導電性薄膜からなる遮光パターン及びメッシュパターンを示す断面図、図3(b)は、導電性薄膜の上にメッキ層が積層されたメッキ層積層パターンからなる遮光パターン及びメッシュパターンを示す断面図である。図4は、図1のディスプレイ用光学フィルムが用いられた、PTAの斜視断面図である。
図5は、表示電極フィルムが積層された、本発明のディスプレイ用光学フィルムの一例を示す断面図である。図6は、機能層を有する、本発明のディスプレイ用光学フィルムの一例を示す断面図である。図7は、本発明による、PTAの前面板の概略構成の一例を示す断面図である。
図8は、従来技術によるディスプレイ用光学フィルムが用いられた、PTAの斜視断面図である。図9は、従来技術による、PTAの前面板の概略構成の一例を示す断面図である。
または、図3(b)に示すように、透明基材1の一方の面に、導電性薄膜からなるブラックストライプの遮光パターン5の上にメッキ層6が積層されて遮光パターン7が形成され、導電性薄膜からなる細線メッシュパターン2とその上にメッキ層3が積層されて電磁波シールド機能を有する金属メッシュパターン4が形成されている。
この複合パターンの形状を決定するに当たっては、電磁波シールド機能を有するメッシュパターン4(または2)は、ブラックストライプの遮光パターン7(または5)の直線に対して、一定のバイアス角度を持たせて配設することにより、モアレの発生を最小限に抑えるようにしている。
図7は、透明基材21の上に反射防止層22が形成されたARフィルム23を粘着剤層24で貼り合せた前面板26が例示されている。これらの機能層付き光学フィルム25及び前面板26には、必要に応じて、さらに、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層を積層することができる。
また、図4は、本発明のディスプレイ用光学フィルムが用いられた、PTAの斜視断面図である。図4と図8とを比較すると、本発明に係わるディスプレイ用光学フィルムでは、メッシュパターン4(または2)が全面に広がっているので、従来の電磁波遮蔽用電極42と表示電極15とによるものに比べて、電磁波を遮蔽する細線の間隔を狭くしているので、従来技術に比べて電磁波遮蔽性能を格段に向上させることができる。
なお、本発明では、メッシュパターン4(または2)の線幅を10〜60μmとし、ピッチ間隔を250〜500μmとすることにより、全光線透過率を50〜70%程度に確保することが可能となる。また、本発明では、全光線透過率を高めるため、表示電極15(走査電極13および維持電極14)をメッシュパターンとするのが好ましい。
また、ブラックストライプの遮光パターンと電磁波シールドのメッシュパターンとを別々の基材に設ける場合に比べて、ブラックストライプの遮光パターンと電磁波シールドのメッシュパターンとが、同一面の上で交差した複合パターンを形成する方が、ディスプレイ用光学フィルム10の表面抵抗率が低下する。このため、同じ表面抵抗率を確保する場合には、電磁波シールドのメッシュパターン4(または2)のピッチ間隔を拡げることが可能となり、全光線透過率を向上させることができる効果を奏する。
本発明で使用できる接着性樹脂(粘着剤層)としては、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化性樹脂、可視光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを挙げることができる。
なおエネルギー線硬化樹脂の場合は、エネルギー線照射後に必要に応じて加熱処理を行うことにより、硬化の完全化を図ることもでき、その逆に加熱処理を行ってからエネルギー線照射を行なっても構わず、二種以上のエネルギー線照射を組み合わせても構わない。
エネルギー線硬化粘着性樹脂に用いる樹脂化合物としては、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、などの単官能の(メタ)アクリレート成分;多価アルコールのジ、トリまたはポリ(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの多官能の(メタ)アクリレート成分;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミドなどの官能基含有モノマー成分;酢酸ビニル、スチレン、アクリルウレタン系オリゴマーなどが挙げられる。
本発明に使用される透明基材1,11,21は、可視領域で透明性を有し、一般に全光線透過率が90%以上のものが好ましい。中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性に優れることから透明基材1として好ましい。透明基材1,11,21に使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さ50〜300μmの単層フィルム又は前記樹脂からなる複数層の複合フィルムが挙げられる。
本発明のディスプレイ用光学フィルムに使用される粘着剤層、例えば、図7で示すPTAの前面板26において、各粘着剤層16,24を構成する粘着剤としては、可視領域で透明であれば(すなわち、十分な透過率を有すれば)特に限定されず、硬化型樹脂でも良いし、熱可塑性樹脂でも良い。透明性の観点からは、アクリル系樹脂が好適に用いられる。
本発明に適用できる遮光パターンとメッシュパターンが複合されたパターンの作製方法は特に限定されないが、導電性薄膜からなる複合パターンの上にメッキ層を積層したメッキ積層パターンにより作製する方法が好適である。
図3は、本発明に係わるディスプレイ用光学フィルムを構成する遮光パターン7(または5)及びメッシュパターン4(または2)の部分断面図である。
電磁波シールド機能を有する細線メッシュパターン2、及び金属メッシュパターン4において、メッシュパターンの線幅は、いずれも10〜60μmが好ましく、さらには15〜40μmであることがより好ましい。線幅を10μm未満の微細線にすると、導電性薄膜の細線パターンを導電性のペーストを用いて印刷して形成するためのスクリーン印刷の原版や、金属薄膜層の細線パターンを写真製法で形成するための露光マスクの製造コストが著しく上昇するので好ましくない。逆に線幅を太くして60μmを超えると、導電性は高くなるが透視性は低下するので好ましくない。
図3(a)及び図3(b)において、遮光パターン7(または5)の線幅は、いずれも100〜1000μmが好ましく、さらには300〜1000μmであることがより好ましい。線幅を100μm未満の微細線にすると遮蔽効果が少なく、逆に線幅を太くして1000μmを超えると、遮蔽効果は高くなるが透視性は低下するので好ましくない。
以下にそれぞれの方法による導電性薄膜による遮光パターン及び細線メッシュパターンの複合パターンの作製方法と、併せて金属メッキ層について順に説明する。
本発明に用いる導電性ペーストは、導電性薄膜からなる複合パターンとなるものであるから、金属粒子、カーボンナノ粒子もしくはカーボンファイバーの中から選択された1種以上を含有する導電性ペーストを用いることができる。
通常は金属粉末をバインダーとなる樹脂成分に混ぜ込んだ導電性ペーストが用いられる。前記の金属粉末としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉が用いられるが、導電性、価格の点から銅または銀の微粉末を用いるのが好ましい。
印刷したメッシュパターンに含まれる金属粉末に起因する金属光沢を消して外光の反射を抑え、視認性を高めるために、導電性ペーストの中にカーボンブラックなどの黒色顔料を混ぜ込むのが好ましい。黒色顔料は、導電性ペーストの中に0.1〜10重量%で含有させるのが好ましい。
印刷する細線メッシュパターンの線幅は10〜60μm程度であることから、導電性ペーストに用いる金属粉末は、特別な超微粒子である必要性はなく、金属粉末の粒子径は0.1〜2μmであればよい。
導電性ペーストは、これらの樹脂成分に金属粉末、及び黒色顔料を混ぜ込んだ後にアルコールやエーテルなどの有機溶剤を加えて粘度調整を行なう。
図3の透明基材1の片面に、導電性ペーストを用いて遮光パターン5及び細線メッシュパターン2からなる複合パターンを同時に印刷し、溶剤を乾燥除去して、細線からなる複合パターンを硬化させる。
導電性ペーストを塗布して細線パターンを形成する方法は特に制限されないが、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット方式などの方法で印刷するのが好ましい。
現像銀層を生成するための写真製法に基づく露光現像法には、(a)露光マスクに覆われていなくて露光された部分に現像銀が発現する、即ち、露光マスクと反対の形に現像銀が表れるいわゆるネガ型の露光現像方法と、(b)露光マスクに覆われて露光されなかった部分には現像銀が発現する、即ち、露光マスクと同じ形に現像銀が表れるいわゆるポジ型の露光現像方法の2通りがある。
すなわち、露光現像法には、特開2004−221564号公報に記載された方法であって、支持体上に設けられた銀塩を含有する銀塩含有層を露光し、現像処理することにより金属銀部と光透過性部とを形成し、さらに前記金属銀部を物理現像及び/又はメッキ処理することにより前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させた導電性金属部を形成する方法と、WO2004/007810に記載された方法(ここでは、DTR−メッキ法と称する)とがある。
本発明には、上記の2つの写真製法である(a)ネガ型の露光・現像方法と、(b)ポジ型の露光・現像方法のいずれでも適用できる。
以下、重複した説明を避けるため、ポジ型の露光・現像方法(DTR法)による現像銀からなる複合パターンの作製方法について説明する。DTR法の場合、透明基材表面には、予め物理現像核層が設けられていることが好ましい。物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。これらの物理現像核の微粒子層は、真空蒸着法、カソードスパッタリング法、コーティング法等によって透明基材上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mg程度が適当である。
物理現像核層は、親水性バインダーを含有するのが好ましい。親水性バインダー量は物理現像核に対して10〜300質量%程度が好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。物理現像核層には親水性バインダーの架橋剤を含有することもできる。
物理現像核層に金属銀を析出させるためのハロゲン化銀の供給は、基材上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に一体的に設ける方法、あるいは別の紙やプラスチック樹脂フィルム等の基材上に設けられたハロゲン化銀乳剤層から可溶性銀錯塩を供給する方法がある。コスト及び生産効率の面からは前者の物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を一体的に設けるのが好ましい。
前記ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀組成は、塩化銀を80モル%以上含有するのが好ましく、特に90モル%以上が塩化銀であることが好ましい。塩化銀含有率を高くすることによって形成された物理現像銀の導電性が向上する。
前記ハロゲン化銀乳剤層は、各種の光源に対して感光性を有している。本発明において物理現像銀により現像銀からなる複合パターンを形成する場合、ハロゲン化銀乳剤層の露光方法として、複合パターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。前者の密着露光は、ハロゲン化銀の感光性は比較的低くても可能であるが、レーザー光を用いた走査露光の場合は比較的高い感光性が要求される。従って、後者の露光方法を用いる場合は、ハロゲン化銀の感光性を高めるために、ハロゲン化銀は化学増感あるいは増感色素による分光増感を施してもよい。
物理現像核層が設けられる基材上の任意の位置、たとえば接着層、中間層、物理現像核層あるいはハロゲン化銀乳剤層、保護層、または支持体を挟んで設けられる裏塗り層にハレーションないしイラジエーション防止用の染料もしくは顔料を含有させてもよい。
物理現像核層の上に直接にあるいは中間層を介してハロゲン化銀乳剤層が塗設された感光材料を用いて現像銀を生成する場合は、複合パターンの透過原稿と上記感光材料を密着して露光、あるいは、複合パターンのデジタル画像を各種レーザー光の出力機で上記感光材料に走査露光した後、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下でアルカリ液中で処理することにより銀錯塩拡散転写現像(DTR現像)が起こり、未露光部のハロゲン化銀が溶解されて銀錯塩となり、物理現像核上で還元されて金属銀が析出して現像銀からなる複合パターンの物理現像銀薄膜を得ることができる。露光された部分はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、ハロゲン化銀乳剤層及び中間層、あるいは必要に応じて設けられた保護層は水洗除去されて、現像銀からなる複合パターンの物理現像銀薄膜が表面に露出する。
一方、物理現像核層が塗布された基材とは別の基材上に設けたハロゲン化銀乳剤層から可溶性銀錯塩を供給する場合、前述と同様にハロゲン化銀乳剤層に露光を与えた後、物理現像核層が塗布された基材と、ハロゲン化銀乳剤層が塗布された別の感光材料とを、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下でアルカリ液中で重ね合わせて密着し、アルカリ液中から取り出した後、数十秒〜数分間経過した後に、両者を剥がすことによって、物理現像核上に析出した現像銀からなる、複合パターンの物理現像銀薄膜が得られる。
本発明に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、アルカノールアミン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物等が挙げられる。
前記還元剤としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。
アルカリ液中への可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1リットル当たり、0.1〜5モルの範囲で用いるのが適当であり、還元剤は現像液1リットル当たり0.05〜1モルの範囲で用いるのが適当である。
アルカリ液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14の範囲が好ましい。銀錯塩拡散転写現像を行うためのアルカリ液の適用は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯流されたアルカリ液中に、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層が設けられた基材を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上にアルカリ液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
前述したように、本発明のメッシュパターンの線幅を細くして10μm未満にすると、透視性(目視されないこと)は上がるが導電性(及び遮蔽する波長の電磁波の遮蔽性)は低下し、逆に線幅を大きくして60μmを超えると、透視性は低下するが導電性は高くなる。また、線幅を10μm未満の微細線にすると、金属層の細線パターンを写真製法で形成するための露光マスクの製造コストが著しく上昇するので好ましくない。
また、この物理現像による現像銀層自身は、現像処理後に得られた現像銀層を形成する金属銀粒子が極めて小さく、かつ、現像銀層中に存在する親水性バインダー量が極めて少ないことにより、現像銀層を形成する金属銀粒子が最密充填状態に近い状態で現像銀層が形成されて通電性を有しているため、銅やニッケルなどの金属による鍍金(メッキ)を施すことが可能であり、必要に応じて、現像銀層の上に金属メッキ層を積層することができる。
上記のハロゲン化銀乳剤層を露光する露光装置としては、枚葉式の露光マスク(フォトマスク)を用いる枚葉処理方式の露光装置と、連続したパターンが形成できる連続露光装置とがある。枚葉処理方式の露光装置は、所定のマスクパターンが形成された枚葉式の露光マスク(フォトマスク)を用いて、基材を間欠送りで露光装置に送り、装置内を真空排気して露光マスクと基材とを密着させて隙間を無くしてから、例えば紫外線で露光する。枚葉処理方式の露光装置では、真空排気、露光、大気開放を間欠的に行うので、連続的な生産ができず、処理速度は遅くなる。
これに対して、基材を連続的に露光できる連続露光装置を用いると、枚葉処理方式の露光装置に比較して処理速度が速く、連続的な生産が可能になるという長所がある。
連続露光装置の一例としては、写真製法における露光に用いられる光を透過する材質からなる円筒ドラムと、円筒ドラムの外周壁に設けられた複合パターンが形成された露光マスクフィルムと、円筒ドラムの内部に配設された露光用光源とを備え、円筒ドラムの内側の光源から出射した光によって円筒ドラムに巻き付けられた基材を露光する装置である。
本発明で使用される金属または金属酸化物の蒸着層からなる導電性薄膜の複合パターンは、フォトレジストパターンまたは溶剤溶解性の印刷材料を印刷したパターンのいずれかを遮蔽マスクとして用いて金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着を行った後に遮蔽マスクを除去して行なう、剥離(リフトオフ)法により形成した導電性薄膜、金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着により製膜された薄膜をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜のいずれかを用いることができる。
その中でも、簡便さの点から剥離(リフトオフ)法を用いて形成されるのが好ましい。剥離(リフトオフ)法では、フォトレジストパターンまたは溶剤溶解性の印刷材料を印刷したパターンのいずれかを遮蔽マスクとして用いて真空蒸着を行った後に遮蔽マスクを除去して、複合パターンの導電性薄膜が形成される。
まず、基材上にレジストを塗布した後、熱処理(プリベーク)を行い、レジストから溶媒を除去する。次に、フォトマスクを用いてレジストに所望のパターンを露光した後、レジストパターンを現像して遮蔽マスクとなるレジストパターンを形成する。次に、基材とレジストパターンからなる遮蔽マスクの上に、全面に渡って蒸着膜を形成した後、レジスト剥離剤を用いて遮蔽マスクとその上に乗っている蒸着膜とを同時に除去し、基材の上に残された蒸着膜からなる複合パターンの導電性薄膜を得る。
まず、基材上に溶剤溶解性の樹脂を主成分とする印刷材料で遮蔽マスクとなる部分を印刷する。次に、基材の上と印刷材料からなる遮蔽マスクの上に、全面に渡って蒸着膜を形成した後、溶剤を用いて遮蔽マスクとその上に乗っている蒸着膜とを同時に除去して、基材の上に残された蒸着膜からなる複合パターンの導電性薄膜を得る。
複合パターンを形成する導電性薄膜の上に金属メッキ層を積層するときに用いるメッキ法は、遮光パターン及び電磁波シールド用の細線メッシュパターンが組み合わされて形成された複合パターンのように、連続のパターンが2次元的に配設された場合では、無電解メッキ法、電解メッキ法あるいは両者を組み合わせたメッキ法のいずれでも可能である。
本発明において、金属メッキ法は公知の方法で行うことができるが、例えば無電解メッキ法は、銅、ニッケル、銀、金、スズ、はんだ、あるいは銅/ニッケルの多層あるいは複合系などの従来公知の方法を使用でき、これらについては、「無電解めっき 基礎と応用;日刊工業新聞社、1994年5月30日初版」等の文献を参照することができる。
メッキに使用するメッキ槽の型式は、竪型、横型のいずれであっても構わないが、所定のメッキ滞留時間を確保できるように長さを決定する。
本発明のディスプレイ用光学フィルムは、前述のとおり、導電性薄膜からなる遮光パターンと細線メッシュパターンが組み合わされた複合パターン、またはその導電性薄膜の上にメッキ層を積層した複合パターンが用いられるが、図3の透明基材1に金属箔を接着剤により貼り合せた後、公知技術であるフォトリソ法によりエッチングして形成した複合パターンを使用することもできる。導電性の金属箔であれば、材質は特に制限されなくて、銅、アルミ、錫などの箔を使用することができる。その中でも、価格が安価であり、エッチング処理の腐食速度が速い点から、銅箔が好適に使用される。
銅箔がエッチングされた箇所に露出される透明基材1の表面は、銅箔の表面が有する凸凹が接着剤層に転写されていて、接着剤層の凸凹表面が露出するため透過光が散乱されることから光線透過率が低下してしまう問題を有する。この問題を解決するには、メッシュパターンの凸凹面を、透明な樹脂や粘着剤で埋め、加圧しながら高温に保持して行なう透明化処理を施す必要がある。
また、銅箔を用いた場合は、金属素材の光沢色である茶色を目立たなくするために、表面を黒化処理するのが好ましい。
前記金属メッキ層の表面に黒化処理を施すことにより、反射率を低下させるための黒化層を形成してもよい。黒化層は、光を反射しにくい暗色の層であればよく、真黒だけでなく、例えば黒っぽい茶色や黒っぽい緑色等でもよい。黒化層の形成により、金属細線が一層目立ちにくくなり、本発明のディスプレイ用光学フィルムを有する前面板を前面パネルに貼り付けて用いる場合にディスプレイの画面が見やすくなるため、好ましい。
黒化層は、黒色インクの塗布によるインキ処理、ルテニウムやニッケル、スズなどの表面が黒色を呈する金属のメッキによる黒化メッキ処理、金属細線の化成処理(酸化処理等)などにより形成することができる。このうち化成処理では、金属層の表面に金属酸化物の薄膜が形成されることにより、黒色を呈するようになる。
導電性薄膜の作製方法として、写真製法により生成された現像銀層からなる金属薄膜、金属粒子、カーボンナノ粒子もしくはカーボンファイバーの中から選択された1種以上を含有する導電性ペーストを印刷して形成した導電性薄膜、無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して形成した導電性薄膜、フォトレジストパターンまたは溶剤溶解性の印刷材料を印刷したパターンのいずれかを遮蔽マスクとして用いて金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着を行った後に遮蔽マスクを除去して行なう、剥離(リフトオフ)法により形成した導電性薄膜、金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着により製膜された薄膜をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜、金属箔をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜、などによる作製方法を示した。
図2に示した、本発明のディスプレイ用光学フィルム10に、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層のうち、1つ以上の機能層を積層することにより、ディスプレイに使用される光学フィルターを作製することができる。
ディスプレイに使用される光学フィルターは、ディスプレイの画面サイズに裁断された各種の機能性フィルムを、枚葉で貼り合せて行なう方法と、ロール体で用意された長尺の各種の機能性フィルムをロールtoロールで連続して貼り合せて行ない、光学フィルターの作製されたロール状の長尺フィルムとし、ディスプレイの画面サイズに応じて裁断する方法のいずれを用いても作製することができる。
本発明に係わる長尺のディスプレイ用光学フィルムと、各種の機能性フィルムを積層して長尺の光学フィルターを作製する方法は、次のように行なわれる。
まず、剥離処理された表面が平滑な長尺の剥離フィルムの片面に、光学機能層として近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層などの機能層から必要とされる機能層を選択して積層した後、ロール状に巻いて光学積層フィルムのロール体を作製する。
次に、作製したロール体から巻き戻して供給される長尺のディスプレイ用光学フィルムと、ロール体から巻き戻して供給される長尺の光学積層フィルムとを、粘着剤層を介して貼り合せて長尺の積層フィルムからなる光学フィルターが作製される。
本発明では、必要に応じて、ロール体から巻き戻して供給される長尺の少なくとも近赤外線吸収層を有する光学機能性フィルムを用いることができる。
近赤外線吸収層は、近赤外線吸収剤層を含む両面粘着フィルムであることが好ましい。この場合には、当該両面粘着フィルムを構成する粘着剤層のうち光学機能性フィルムの外面に露出されるほうの粘着剤層を、光学フィルム10と光学機能性フィルムとを貼り合せる粘着剤層として利用することができる。
この近赤外線吸収層用の両面粘着フィルムを構成する両面の透明樹脂からなる剥離フィルム(セパレーター)を剥がして、例えば、ロール体から巻き戻して供給される、紫外線吸収剤が混入された長尺の透明基材や透明樹脂層と貼り合せる際、両面粘着フィルムのセパレーターは、片側のみ剥がしてあればよく、反対面のセパレーターは両面粘着フィルムと合わせたままで良い。
また、前記近赤外線吸収色素は、850nm〜1100nmの吸収波長帯において、それぞれ異なる波長帯域に吸収能の極大値を有する長波長用の吸収色素と短波長用の吸収色素との2種類からなることが好ましい。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の機能としては、波長領域850〜1100nmの近赤外線透過率を15%以下、好ましくは10%以下に低下させるものであることが望ましい。
近赤外線吸収色素の具体例としては、インモニウム塩系化合物、ジインモニウム塩系化合物、アミニウム塩系化合物、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、アミノチオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、トリアリールメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化インジウムをドープした酸化錫、周期表の4族、5族または6族に属する金属の酸化物若しくは炭化物若しくはホウ化物等が挙げられる。
前記長波長用の近赤外線吸収色素がジインモニウム塩系化合物の中から選択された1種であり、かつ、前記短波長用の近赤外線吸収色素がフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物の中から選択された1種または2種類以上の色素であることが好ましい。
上記バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)は80〜160℃であることが好ましい。これにより、バインダー樹脂自体の耐候性が向上することになり、近赤外線吸収性塗膜の近赤外線吸収性能が持続すると共に、近赤外線吸収性塗膜自体の耐候性や物性がより向上することとなる。好ましくは、−50〜130℃であり、より好ましくは、20〜110℃であり、更に好ましくは、40〜100℃である。
このようなクエンチャーとしては、金属錯体系の材料が挙げられ、例えば、みどり化学社製の商品名「MIR101」、住友精化社製の商品名「EST5」等が挙げられる。
酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物等があり、これらを1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
上記近赤外線吸収剤層の厚さとしては、使用用途等により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。例えば、乾燥時の厚さを1〜50μm、好ましくは、1〜20μmである。
紫外線吸収層は、外部光による近赤外線吸収層の劣化を防ぐため、近赤外線吸収層よりも視覚側に設けられる。紫外線吸収層は、必要に応じて光学フィルターの適切な位置に一層または複数層設けることができる。
紫外線吸収層を形成する方法としては、透明基材や透明樹脂層、粘着剤層の中に紫外線吸収剤を混入させる方法、紫外線吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接または他の層を介して塗布する方法などが挙げられる。
ネオン光吸収層は、必要に応じて光学フィルターの適切な位置に一層または複数層設けることができる。ネオン光吸収層は、ディスプレイの発光するネオン光(吸収波長580〜620nm)を、ネオン光吸収剤を用いて除去することにより画像の赤色をより鮮明にするためのものである。ネオン光吸収層を形成する方法としては、透明基材や透明樹脂層、粘着剤層の中にネオン光吸収剤を混入させる方法、ネオン光吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接または他の層を介して塗布する方法などが挙げられる。前記ネオン光吸収剤としては、例えば、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の色素のうち、波長580〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する適当な色素が挙げられる。これらのネオン光吸収剤は、1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
ディスプレイ用光学フィルターとして必要とされる機能性層としては、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層などが挙げられるが、求められる機能水準に応じて複数の機能性層を積層することが一般に行なわれる。
ここで、反射防止層は、光学フィルターの外側からの可視光線の反射を防ぐためのものであって、単層の場合は、透明基材に比べて屈折率の低い物質、例えば、ポリシロキサン構造を有するフッ素含有有機化合物、MgF2、SiO2等の薄膜を形成する。
反射防止層の膜厚は、光学的膜厚d(nm)を、d=λ/4(但し、λは設計波長で500〜580nm)と設定して単層の反射防止層を形成する。
また多層からなる場合は、透明基材に比べて高屈折率の物質、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ITOなどの薄膜と、透明基材に比べて低屈折率の物質、例えば酸化ケイ素の薄膜を交互に積層する。
このような金属酸化物薄膜の形成方法は特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、湿式塗布法などの公知の方法を用いて行なうことができる。
透明基材フィルムに直接又は他の層を介して、公知の方法にてハードコート層用の樹脂組成物を塗布して形成することにより耐磨耗性、耐擦傷性を付与することができる。
ハードコート層は、ハードコート剤を必要に応じて溶剤に溶解した液を、基材に塗布、乾燥、硬化させることにより形成することができる。
ハードコート剤としては、特に制限されることなく、熱硬化型ハードコート剤、紫外線硬化型ハードコート剤などの公知の各種ハードコート剤を用いることができる。
熱硬化型ハードコート剤としては、例えば、シリコーン樹脂系、アクリル樹脂系、メラミン樹脂系等ハードコート剤を用いることができる。シリコーン樹脂系ハードコート剤は従来のアクリル樹脂系ハードコート剤と比べ硬度、耐候性、耐擦傷性の点で優れている。
紫外線硬化型ハードコート剤の場合には、紫外線照射を行い硬化させる。紫外線照射は、キセノンランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等のランプを用いることができる。
ハードコート層の膜厚みは0.05〜5μm、好ましくは、0.5〜3μm程度の膜厚とすることにより、反射防止フィルムに耐磨耗性、耐擦傷性を付与することができる。
反射防止層の上に最外層として防汚層をコートする場合は、反射防止層の表面にフッ素系、シリコーン系の防汚コート剤を塗布した後、余分な塗布液を拭き取ることで防汚層を形成させることができる。
防汚層は、反射防止層を保護し、かつ、防汚性能を高めるものである。
防汚コート剤としては、フッ素系樹脂あるいはシリコーン系樹脂を用いることができる。例えば、反射防止層の低屈折率層をSiO2により形成した場合には、フルオロアルキルシランなどのフルオロシリケート系撥水性塗料が好ましく用いられる。
防汚層は、防汚コート剤を溶剤によって希釈したものを、スクリーン印刷、マイクログラビアコーター等によって塗工することに形成することができる。
また、ハードコート層に防汚機能を持たせる方法としては、ハードコート層中のハードコート剤、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂系ハードコート剤にフッ素系の紫外線硬化型防汚添加剤を少量添加することにより、表面機能材料としてフッ素系化合物の特長である撥水・撥油性に加え、優れた防汚性(指紋付着防止)をハードコート層の表面へ付与することができる。
本発明においては、機能性層の表面または内部に帯電防止層を形成することが好ましい。これにより、光学フィルターの表面に静電気の作用で塵・埃が付着するのを防止することができる。
機能性層の表面に塵・埃が付着するのを完全に防止するためには、表面抵抗率を1×1010(Ω/□)以下、更に好ましくは1×108(Ω/□)以下にする必要がある。
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が例示される。
これらの界面活性剤を含む液を樹脂フィルムの上に直接塗布する方法等によって帯電防止層の薄膜を形成することができる。
この帯電防止層は、前記の導電性の金属酸化物微粒子を含有したハードコート層の上に形成することもできる。
帯電防止剤の塗工方法としては、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、ディップコーター、スクリーン印刷などの公知の方法を適宜選定して用いることができる。
図2に示した、本発明に係わるディスプレイ用光学フィルム10は、透明基材1の一方の面に、ブラックストライプの遮光パターン7(または5)が、導電性薄膜で形成されてなり、前記遮光パターンと電磁波シールド機能を有するメッシュパターン4(または2)とが、同一面の上で交差した複合パターンを形成している。
一般的に、フィルム基材を用いてロールtoロールで生産するのが、生産性を高めるものとされている。
本発明のディスプレイ用光学フィルム10を、ロールtoロールで生産するには、まず最初に、ロール体の透明基材1を使用して、ロール体から巻き戻して供給される長尺の透明基材1の一方の面に、ディスプレイの画面サイズの導電性薄膜からなるブラックストライプの遮光パターン5と細線メッシュパターン2との複合パターンを一定の間隔で配置しながら連続的に形成した後、ロール体に巻き取る。
次に、前記ロール体を巻き戻しながら、ブラックストライプの遮光パターン5と細線メッシュパターン2との複合パターンの上に、無電解メッキ及び/又は電解メッキしたメッキ層を積層し、かつ、前記ディスプレイの画面サイズに所定間隔で配置された遮光パターンとメッシュパターンの複合パターンの周囲には金属メッシュ又は金属薄膜からなる電極枠が配設される(図示を省略)。
電極枠の寸法、配置パターンは、ディスプレイの画面サイズに応じて変更する必要がある。ディスプレイの画面サイズは、代表的には42インチ、50インチ、60インチ、65インチなどがある。
ディスプレイ1台ごとの枚葉のディスプレイ用光学フィルムを形成するには、ロール体の長尺の光学フィルムを電極枠の外形寸法で裁断する。
また、図2に示す本発明によるディスプレイ用光学フィルム10は、必要に応じて、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層のうち、1つ以上の機能層を積層し、例えば、図6に示すように透明基材21と反射防止層22からなるARフィルム23を粘着剤層24で貼り合せ、光学フィルターとして使用することができる。
本実施の形態例のPTA表示装置の基本構成は、従来のPTAと同様に、赤色ガス放電管17a,緑色ガス放電管17b,青色ガス放電管17cの3本を基本単位とし、これらの発光管17a,17b,17cを、その軸方向と直交する方向に、規則的に多数アレイ配置した発光管アレイを備える。そして、発光管アレイの観察者側には表示電極15が配置され、背面側にはアドレス電極18が配置される。
アドレス電極18は、光透過性を必要としないので、その形状に制約はなく、例えばライン状パターンの金属膜で形成されている。
背面基材12は、PTA表示装置を発光管17a,17b,17cの軸方向と直交する方向に曲げられるようにするため、樹脂シートや樹脂フィルム等、可撓性を有する基材が好ましい。
Claims (7)
- 透明基材の一方の面に、ブラックストライプの遮光パターンが導電性薄膜で形成され、前記遮光パターンと電磁波シールド機能を有する導電性薄膜からなるメッシュパターンとが、同一面の上で交差した複合パターンを形成してなることを特徴とするディスプレイ用光学フィルム。
- 前記遮光パターン及びメッシュパターンは、導電性薄膜で形成されたパターン、又は導電性薄膜で形成されたパターンの上にメッキ層が積層されたメッキ積層パターンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 前記遮光パターン及びメッシュパターンの表面が黒化処理されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用光学フィルム。
- さらに、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層のうち、1つ以上の機能層を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 請求項1から4のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルムを備えたことを特徴とするディスプレイ。
- プラズマチューブアレイ表示装置用であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 前記ディスプレイがプラズマチューブアレイ表示装置であることを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ。
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