JP5178097B2 - ディスプレイ用光学フィルターの製造方法、及びディスプレイ用光学フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、CRT、PDP(プラズマディスプレイ)などの各種ディスプレイに用いられる光学フィルターの製造方法に関し、特に、ロール体の状態から供給される電磁波シールドフィルムを使用して行なう光学フィルターの製造方法、及び光学フィルターに関する。
近年、CRT、PDP(プラズマディスプレイ)などのディスプレイにおいては、ディスプレイ前面から発生する電磁波が人体に悪影響を与えたり、周囲の電子機器を誤動作させることが問題とされるようになり、ディスプレイの画像の鮮明さと共に、ディスプレイが周囲へ与える影響への対策が益々重要視されつつある。
特に、大型の薄型ディスプレイとして需要の増大しているPDPにおいては、電磁波のシールドフィルム以外に、近赤外線の波長領域を使用している各種のリモコンスイッチの誤作動を防ぐための近赤外線吸収フィルム、その近赤外線吸収フィルムに使用されている近赤外線吸収剤の経時劣化を防ぐための紫外線吸収フィルム、さらには可視光領域の色調調整のためのネオン光カットフィルム、光学フィルターの表面に外光が映り込むのを防ぐための反射防止フィルム等が、必要とされる機能に応じて組み合わせて構成されている。
例えば、特許文献1には、電磁波遮蔽性を有する金属メッシュと、近赤外線吸収能を有する近赤外線吸収剤含有接着層と、反射防止層と、ネオン光吸収層とを積層したプラズマディスプレイ用光学フィルターが開示されている。
一方、PDPなどが大量に普及するに連れて、より安価で高品質を維持した製品が求められており、ディスプレイ用光学フィルターにおいても生産性を高めて安価に製造する方法が必要とされている。
従来から、複数のフィルムを積層して積層フィルムを製造する場合、ロール状に巻いた長尺の複数種類の機能性フィルムを巻き戻しながら、それらのフィルム同士を貼り合せて行なう、いわゆる、ロールtoロールによる連続生産方法を用いて行なうことが生産性を高める解決策の一つとして用いられている。
しかしながら、ディスプレイ用光学フィルターにおいては、電磁波遮蔽の機能を発揮させるために、電磁波シールド層から接地(アース)を採る必要があり、電磁波シールドフィルムの全面を他の機能性フィルムに対して貼り合せることができない。
一般的なPDPディスプレイ用光学フィルターにおいては、電磁波シールドのメッシュパターンの外周部に電極枠を配設して接地(アース)の導線を接続配線している。
このため、電極枠の部分を他の機能性フィルムと貼り合せないで剥き出しにしておく必要があり、この点に関して様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献2には、電磁波シールドフィルムと、電極枠部に相当する箇所に開放された部分を設けるための切り欠き部が形成された光透過フィルム(反射防止などの機能を有する機能性フィルム)とを、ロールtoロールにより貼り合せる方法が開示されている。
この電磁波シールドフィルムの周辺部における光透過フィルムで覆われていない部分に、導電性テープまたは導電性樹脂により被覆し、電極枠の代用としている。
また、特許文献3には、特許文献2と同様な、電磁波シールドフィルムと、電極枠部に対峙する部分が切り抜かれた光学フィルターフィルム(反射防止などの機能を有する機能性フィルム)とを、ロールtoロールにより貼り合せる方法が開示されている。
特開2004−333743号公報 特開2007−080930号公報 特開2007−095915号公報
上記の特許文献2では、電磁波シールドフィルムとして、エッチングメッシュ及び導電印刷メッシュを用いることができるとしている。
また、特許文献3では、電磁波シールドフィルムのメッシュを形成する方法として、(1)導電性インキの印刷メッシュ、(2)導電性インキ又はメッキ触媒を塗布した後、フォトリソ法にてメッシュパターンにメッキして形成する、フォトリソ−メッキによるメッシュ、(3)金属箔のエッチングメッシュ、(4)スパッタなどにより形成した金属薄膜の上にメッキ層を積層した後、エッチングして形成する、蒸着膜のエッチングメッシュなどの公知の方法による金属メッシュを用いることができるとしている。
しかし、電磁波シールドフィルムのメッシュパターンを形成する方法として、エッチング方法を用いるものは、エッチングにより細線部分となるほんのわずかな部分のみを残し、それ以外のほとんど大部分の金属を溶解除去するのは資源を節減するという観点から問題である。また、エッチング方法で発生する廃液の処理費用が嵩むという問題があった。
また、電磁波シールドフィルムのメッシュパターンを形成する方法として、導電性薄膜のメッシュパターンを形成し、その上にメッキする方法においては、メッシュパターン部にのみメッキ金属が積層されるため、上記のエッチング法に比べて省資源であり、より好ましい金属メッシュによる電磁波シールドフィルムの作製方法である。
特に、電磁波シールドフィルムのメッシュパターンを形成する方法として、写真製法により生成された現像銀メッシュパターンの上にメッキする方法は、高い電磁波シールド性が得られ、ロールtoロールで製造できて非常に生産性が高いことから好ましい製造方法である。
プラズマディスプレイにおいては、電磁波シールドフィルムの金属メッシュの最適なバイアス角度は、当該金属メッシュパターンがディスプレイのブラックストライプパターンとの干渉により引き起こすモアレ現象を防止するために、ディスプレイパネルの解像度に因って異なることから、ディスプレイの画面サイズとバイアス角度の組み合わせごとの電極枠が形成された電磁波シールドフィルムを製造する必要があった。
また、従来技術においては、上記の特許文献3のように、ディスプレイ用の電磁波シールドフィルムを製造する最初の工程である、導電性薄膜のメッシュパターンを形成する工程において、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠が形成されるため、ディスプレイ用の電磁波シールドフィルムの製造工程の途中で、製造対象とするディスプレイの画面サイズを変更することができなかった。
また、メッキ工程において、ディスプレイ画面サイズとバイアス角度の組み合わせが異なると、電極枠の寸法、配置、メッシュの角度が異なることからメッキ槽の操作条件をその度に微調整する必要があり、ディスプレイ画面サイズとバイアス角度の組み合わせに応じた電極枠が形成された複数種類の電磁波シールドフィルムを混在させて同じメッキ槽でメッキ処理すると、金属メッシュパターンのメッキ品質が均一には安定しないという不都合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電磁波シールドフィルムを安定した品質で安価に製造すると共に、全体として生産性が高く安価に製造することができるディスプレイ用光学フィルターの製造方法、及びディスプレイ用光学フィルターを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、ロール体の電磁波シールドフィルムを使用したディスプレイ用光学フィルターの製造方法であって、少なくとも次の(1)、(2)、(3)の工程:
(1)ロール体から巻き戻して供給される長尺の透明基材の一方の面に、前記透明基材の長手方向に繋ぎ目無く連続した金属メッシュパターンが設けられ、且つ、前記透明基材の長手方向に連続した一定幅の連続給電層が前記金属メッシュパターンの両外側に接して設けられた電磁波シールドフィルムの、前記金属メッシュパターンの設けられていない基材面側と、ロール体から巻き戻して供給される長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムとを、貼り合せて長尺の積層フィルムを形成する工程、
(2)前記長尺の積層フィルムの金属メッシュパターンの上に、導電性ペーストを印刷するか、または、導電性粘着シートを貼合することによりディスプレイの画面サイズに応じた電極枠を、金属メッシュパターンの長手方向に所定の間隔を介して配置して形成すると共に、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に機能性層を積層し、長尺の光学フィルターを形成する工程、
(3)前記長尺の光学フィルターを前記電極枠の外形寸法で裁断し、ディスプレイ1台ごとの枚葉の光学フィルターを形成する工程、
を含むことを特徴とするディスプレイ用光学フィルターの製造方法を提供する。
前記機能性層を積層する工程は、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に熱硬化性樹脂又はエネルギー線硬化性樹脂を塗布し、硬化させて接着性樹脂層を形成した後、前記接着性樹脂層の上に、事前に準備したディスプレイの画面サイズに応じた電極枠の内側寸法で裁断されている枚葉の機能性フィルムを貼り合せる工程、又は、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させる工程のいずれかであることが好ましい。
前記機能性層を積層する工程は、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に、事前に準備したディスプレイの画面サイズに応じた電極枠の内側寸法で裁断されていて貼合用の粘着剤層を有する枚葉の機能性フィルムを貼り合せる工程、又は、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させる工程のいずれかであることが好ましい。
前記近赤外線吸収フィルムは、少なくとも1種以上の近赤外線吸収剤を含有した透明樹脂層の両面に粘着剤層を積層した近赤外線吸収用の両面粘着フィルムであることが好ましい。
さらに、前記枚葉の積層フィルムに形成した機能性層の上に、片面に積層された粘着剤層を有する透明な保護フィルムを貼り合わせて積層する工程を含むことが好ましい。
前記金属メッシュパターンは、ディスプレイパネルの解像度に応じた最適なバイアス角度となるように、かつ、配設される電極枠の対向する2辺が前記透明基材の長手方向に対して平行になるように形成されていることが好ましい。
前記金属メッシュパターンは、導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンとその上に無電解メッキ及び/又は電解メッキしたメッキ層とを有することが好ましい。
前記導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンは、写真製法により生成された現像銀メッシュパターンからなり、露光した部分に現像銀が発現するネガ型の現像方法、又は、露光しない部分に現像銀が発現するポジ型の現像方法のどちらかの方法により生成された現像銀メッシュパターンであることが好ましい。
前記導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンは、金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン、導電性ペーストインキを印刷して生成された印刷メッシュパターン、無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターンの中から選択されたいずれかであることが好ましい。
また、本発明は、上記に記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法を用いて製造されたディスプレイ用光学フィルターであって、透明基材の少なくとも一方の面に連続した金属メッシュパターンが設けられ、且つ、前記透明基材の長手方向に連続した一定幅の連続給電層が前記金属メッシュパターンの両外側に接して設けられ、前記金属メッシュパターンの上には、印刷された導電性ペースト、または、貼合された導電性粘着シートのいずれかからなる、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠が形成され、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上には機能性層が形成され、前記透明基材の機能性層の形成されていない面には、近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムが貼合されているディスプレイ用光学フィルターを提供する。
本発明によれば、PDP用等の電磁波シールドフィルムの製造工程において、透明基材の長手方向に繋ぎ目無く連続して金属メッシュパターンを形成する工程の後、ディスプレイの電極枠を造りこむことにより、ディスプレイ画面サイズごとの電磁波シールドフィルムの生産計画を変更するのに柔軟に対応できる。
また、製造するディスプレイの画面サイズに関係なく、メッキ工程において、同一の金属メッシュパターンを形成するので、メッキ槽の操作条件を変更する必要がなく、金属メッシュパターンのメッキ仕上がり品質が安定した電磁波シールドフィルムを製造することが可能である。特に、電解メッキを行なう場合には、金属メッシュパターンのメッキ仕上がりの品質を従来技術に比べて著しく安定させることができる。
ロール体から巻き戻して供給される電磁波シールドフィルムと、ロール体から巻き戻して供給される長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムとを、貼り合せて長尺の積層フィルムを形成する工程を、ロールtoロールで製造することにより生産性を高めることができる。
また、本発明によれば、電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に機能性層を積層する工程を、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に、熱硬化性樹脂又はエネルギー線硬化性樹脂を塗布し、硬化させて接着性樹脂層を形成した後、前記接着性樹脂層の上に、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させて行なうか、又は、電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に直接に、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させて行なえば、使用する透明基材の枚数を、電磁波シールドフィルムに使用されている1枚に減らすことができ、薄膜のディスプレイ用光学フィルターを得ることが可能となる。
本発明によれば、電磁波シールドフィルムを安定した品質で安価に製造すると共に、全体として生産性が高く安価に製造することができるディスプレイ用光学フィルターの製造方法、及びディスプレイ用光学フィルターを提供することができる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明に用いられるロール体から巻き戻した電磁波シールドフィルムであって、導電性薄膜の上にメッキされた連続メッシュパターン及び給電層の配置の一例を示す部分平面図である。図2は、従来技術における、例えばPDP用の電磁波シールドフィルムにおけるメッシュパターン、電極枠、及び給電層の配置の一例を示す部分平面図である。図3は、本発明における、電極枠の形成された長尺の積層フィルムの一例を示す部分平面図である。図4は、ロール体から巻き戻して供給される電磁波シールドフィルムに、ロール体から巻き戻して供給される長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムを、貼り合せて長尺の積層フィルムを形成する工程を示す概念図である。
図5は、枚葉化された光学フィルターの一例を示す平面図である。図6は、図5におけるA−A矢視図であり、枚葉化された光学フィルターの一例を示す断面図である。
図7は、電解メッキ装置の一例の示す概略構成図である。図8は、無電解メッキ装置の一例の示す概略構成図である。
本発明のディスプレイ用光学フィルターの製造方法は、ロール体の電磁波シールドフィルムを使用したディスプレイ用光学フィルターの製造方法であって、
図1,図4に示すようにロール体30から巻き戻した電磁波シールドフィルム20と、ロール体31から巻き戻して供給される長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルム32とを、貼り合せて長尺の積層フィルムを形成する工程(工程1)と、
図1に示すように、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられた金属メッシュパターン22の上に、印刷された導電性ペースト、または貼合された導電性粘着シートのいずれかの方法で電極枠24を、金属メッシュパターン22の長手方向に一定の間隔を介して配置して形成すると共に、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に機能性層を積層し、長尺の光学フィルターを形成する工程(工程2)と、
前記長尺の光学フィルターをメッシュパターンの電極枠の外形寸法で裁断し、図5及び図6に示す枚葉の光学フィルターを形成する工程(工程3)とを含むものである。
本発明の工程1において、ロール体30から巻き戻した電磁波シールドフィルム20は、図1のように、製造するディスプレイの画面サイズに関係なく共通して使用できるようにするため、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続した金属メッシュパターン22の上には、特定の電極枠は配設されていない。このように、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられた同一の金属メッシュパターン22を形成したものでよい。
この結果、導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンを形成した後の工程であるメッキ工程において、同一の金属メッシュパターン22にメッキを施せばよいので、メッキ槽の操作条件をその都度に変更する必要がなく、金属メッシュパターンのメッキ仕上がり品質を安定させることができる。特に、電解メッキを行なう場合には、金属メッシュパターンのメッキ仕上がりの品質を従来技術に比べて著しく安定させることができる。
図1において、電磁波シールドフィルム20におけるメッシュパターン22は、原反の現像銀メッシュパターンの上に少なくとも電解メッキによりメッキ層が形成されたものである。連続給電層23の幅は、使用している給電ロール7の幅にも依るが、およそ15〜100mmであり、より好ましくは15〜80mmであり、さらに好ましくは20〜60mmである。
金属メッシュパターン22がディスプレイのブラックストライプパターンとの干渉により引き起こすモアレ現象を防止するためには、ディスプレイパネルの解像度に応じて最適なバイアス角度となるように、金属メッシュパターンを形成する必要がある。
本発明においては、前記金属メッシュパターン22は、図3に示すように、ディスプレイパネルの解像度に応じた最適なバイアス角度(θ)となるように、かつ、前記電極枠24の対向する2辺が前記透明基材21の長手方向に対して平行になるように形成されていることが好ましい。
この結果、前記長尺の積層フィルムの金属メッシュパターンの電極枠24内に機能性層を積層し、長尺の光学フィルターを形成する工程を容易に自動化することができる。
なお、本明細書において、電磁波シールドフィルム20に形成された金属メッシュパターン22のバイアス角度とは、配設される電極枠24に対する金属メッシュパターン22の最適なバイアス角度を指している。
導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンに電解メッキを施す場合には、図1に示すように、ロール体から巻き戻した電磁波シールドフィルム20は、長尺の透明基材21の少なくとも一方の面に、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられた金属メッシュパターン22が形成され、透明基材21の長手方向に連続した一定幅の連続給電層23、23が金属メッシュパターン22の幅方向の両外側に接して設けられたものが好ましい。連続給電層23、23を通して電解メッキの通電が行なわれる。なお、無電解メッキのみを施し、電解メッキを施さない場合には、連続給電層23、23は設けなくてもよい。
ここで金属メッシュパターン22は、写真製法により生成された現像銀メッシュパターン、金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン、導電性ペーストインキを印刷して生成された印刷メッシュパターン、及び無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターンの中から選択されたいずれかの方法を用いて形成された導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンと、この導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンの上に、無電解メッキ及び/又は電解メッキを施して作製したメッキ層とを有することが好ましい。
従来技術では、電磁波シールドフィルム90は、図2に示すように、長尺の透明基材91の上に一定の間隔でディスプレイの画面サイズのメッシュパターン92、92、…及びメッシュパターン92の周囲の電極枠94、94、…が配置され、それぞれの電極枠94の幅方向両外側に給電層93、93が設けられたものである。
このように、従来技術においては、ディスプレイ用の電磁波シールドフィルムを製造する最初の工程である、導電性薄膜のメッシュパターンを形成する工程において、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠94が形成されるため、ディスプレイ用の電磁波シールドフィルムの製造工程の途中で、製造対象とするディスプレイの画面サイズを変更することができなかった。
また、従来技術では、図7に示す電解メッキ装置1において、移送ロール4、4、4、…によりロールシート3をステップ送りにて移送して、ロールシート3を間欠的に電解メッキ槽6に導入し、電解メッキ槽6内で図2の1つの画面サイズに対応するメッシュパターン92毎に電解メッキを行う、間欠方式によるものである。このような従来技術では、連続したメッシュパターンを形成し、連続して電解メッキを行うという技術には対応することができなかった。
本発明では、長尺の電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に、導電性ペーストを印刷するか、または、導電性粘着シートを貼合することによりディスプレイの画面サイズに応じた電極枠を、金属メッシュパターンの長手方向に所定の間隔を介して配置して形成される。
このことにより、ディスプレイ画面サイズごとの電磁波シールドフィルムの生産計画を変更するのに柔軟に対応できる。
また、本発明では、透明基材21の長手方向にメッシュパターンが繋ぎ目無く連続して設けられているので、その上に、連続して電解メッキを行うことができる。
(金属メッシュパターンの積層された電磁波シールドフィルム)
本発明においては、メッキ層の作製に先立ち、透明基材の一方の面の上に、導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンを形成した後でロール状に巻取り、導電性金属の薄膜のメッシュパターンが生成された原反ロール体が作製される。
この原反フィルムは、前記導電性金属の薄膜のメッシュパターンとして、写真製法により生成された現像銀メッシュパターン、金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン、導電性ペーストインキを印刷して生成された印刷メッシュパターン、及び無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターンの中から選択されたいずれかの方法で形成されたメッシュパターンを有する。
金属メッシュパターンの積層された電磁波シールドフィルムは、導電性金属の薄膜のメッシュパターンの上に、無電解メッキ及び/又は電解メッキによるメッキ層を施すことで、作製することができる。
本発明では、導電性金属の薄膜のメッシュパターンの作製方法として、写真製法により生成された現像銀メッシュパターン、金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン、導電性ペーストインキを印刷して生成された印刷メッシュパターン、無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターンが挙げられるが、以下にそれぞれの方法による導電性金属の薄膜のメッシュパターンの作製方法と、併せて無電解メッキ及び電解メッキの方法を順に説明する。
(写真製法により生成された現像銀メッシュパターン)
本発明に適用できる、写真製法により生成された現像銀メッシュパターンの作製方法は、細線メッシュパターンを写真製法により現像された金属銀で形成するものである。
以下、写真製法により生成された現像銀メッシュパターンの形成された原反ロール体、さらに、現像銀メッシュパターンの上に電解メッキし金属メッシュパターンとした原反ロール体の製造方法について説明する。
この写真製法に基づく露光現像法には、上記のとおり、(a)露光マスクに覆われていなくて露光された部分に現像銀が発現する、即ち、露光マスクと反対の形に現像銀が表れるいわゆるネガ型の露光現像方法と、(b)露光マスクに覆われて露光されなかった部分には現像銀が発現する、即ち、露光マスクと同じ形に現像銀が表れるいわゆるポジ型の露光現像方法の2通りがある。本発明には、(a)ネガ型の露光・現像方法と、(b)ポジ型の露光・現像方法のいずれでも適用できる。
(写真製法)
以下、ポジ型の露光・現像方法(DTR法)による現像銀メッシュパターンの作製方法について説明する。DTR法の場合、透明基材表面には、予め物理現像核層が設けられていることが好ましい。物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。これらの物理現像核の微粒子層は、真空蒸着法、カソードスパッタリング法、コーティング法等によって透明基材上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mg程度が適当である。
透明基材は、塩化ビニリデンやポリウレタン等のポリマーラテックス層の接着層を設けることができ、また接着層と物理現像核層との間にはゼラチン等の親水性バインダーからなる中間層を設けることもできる。
物理現像核層には、親水性バインダーを含有するのが好ましい。親水性バインダー量は物理現像核に対して10〜300質量%程度が好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。物理現像核層には親水性バインダーの架橋剤を含有することもできる。
物理現像核層や前記中間層等の塗布には、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティングなどの塗布方式で塗布することができる。本発明において物理現像核層は、上記したコーティング法によって、通常連続した均一な層として設けることが好ましい。
物理現像核層に金属銀を析出させるためのハロゲン化銀の供給は、透明基材上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に一体的に設ける方法、あるいは別の紙やプラスチック樹脂フィルム等の基材上に設けられたハロゲン化銀乳剤層から可溶性銀錯塩を供給する方法がある。コスト及び生産効率の面からは前者の物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を一体的に設けるのが好ましい。
前記ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀写真感光材料の一般的なハロゲン化銀乳剤の製造方法に従って製造することができる。ハロゲン化銀乳剤は、通常、硝酸銀水溶液、塩化ナトリウムや臭化ナトリウムのハロゲン水溶液をゼラチンの存在下で混合熟成することによって作られる。
前記ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀組成は、塩化銀を80モル%以上含有するのが好ましく、特に90モル%以上が塩化銀であることが好ましい。塩化銀含有率を高くすることによって形成された物理現像銀の導電性が向上する。
物理現像核層の上に直接にあるいは中間層を介してハロゲン化銀乳剤層が塗設された感光材料を用いて電磁波シールド材を作製する場合は、網目状パターンのような任意の細線パターンの透過原稿と上記感光材料を密着して露光、あるいは、任意の細線パターンのデジタル画像を各種レーザー光の出力機で上記感光材料に走査露光した後、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下、アルカリ液中で処理することにより銀錯塩拡散転写現像(DTR現像)が起こり、未露光部のハロゲン化銀が溶解されて銀錯塩となり、物理現像核上で還元されて金属銀が析出して細線パターンの物理現像銀薄膜を得ることができる。露光された部分はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、ハロゲン化銀乳剤層及び中間層、あるいは必要に応じて設けられた保護層は水洗除去されて、細線パターンの物理現像銀薄膜が表面に露出する。
DTR現像後、物理現像核層の上に設けられたハロゲン化銀乳剤層等の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。
一方、物理現像核層が塗布された透明基材とは別の基材上に設けたハロゲン化銀乳剤層から可溶性銀錯塩を供給する場合、前述と同様にハロゲン化銀乳剤層に露光を与えた後、物理現像核層が塗布された透明基材と、ハロゲン化銀乳剤層が塗布された別の感光材料とを、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下、アルカリ液中で重ね合わせて密着し、アルカリ液中から取り出した後、数十秒〜数分間経過した後に、両者を剥がすことによって、物理現像核上に析出した細線パターンの物理現像銀薄膜が得られる。
(現像方法)
次に、銀錯塩拡散転写現像のために必要な可溶性銀錯塩形成剤、還元剤、及びアルカリ液について説明する。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物であり、これらの作用はアルカリ液中で行われる。
本発明に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、アルカノールアミン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物等が挙げられる。
前記還元剤としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。
上記した可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、物理現像核層と一緒に透明基材に塗布してもよいし、ハロゲン化銀乳剤層中に添加してもよいし、またはアルカリ液中に含有させてもよく、更に複数の位置に含有してもよいが、少なくともアルカリ液中に含有させるのが好ましい。
アルカリ液中への可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1リットル当たり、0.1〜5モルの範囲で用いるのが適当であり、還元剤は現像液1リットル当たり0.05〜1モルの範囲で用いるのが適当である。
アルカリ液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14の範囲が好ましい。銀錯塩拡散転写現像を行うためのアルカリ液の適用は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留されたアルカリ液中に、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層が設けられた透明基材を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上にアルカリ液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
(露光方法)
前記ハロゲン化銀乳剤層は、各種の光源に対して感光性を有している。電磁波シールド材を作製するための1つの方法として、例えば網目状などの細線パターンの物理現像銀の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は細線パターン状に露光されるが、露光方法として、細線パターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。前者の密着露光は、ハロゲン化銀の感光性は比較的低くても可能であるが、レーザー光を用いた走査露光の場合は比較的高い感光性が要求される。従って、後者の露光方法を用いる場合は、ハロゲン化銀の感光性を高めるために、ハロゲン化銀は化学増感あるいは増感色素による分光増感を施してもよい。
化学増感としては、金化合物や銀化合物を用いた金属増感、硫黄化合物を用いた硫黄増感、あるいはこれらの併用が挙げられる。好ましくは、金化合物と硫黄化合物を併用した金−硫黄増感である。上記したレーザー光で露光する方法においては、450nm以下の発振波長の持つレーザー光、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いることによって、明室下(明るいイエロー蛍光灯下)でも取り扱いが可能となる。
(露光装置)
上記の露光方法による露光装置としては、枚葉式の露光マスク(フォトマスク)を用いる枚葉処理方式の露光装置と、連続したパターンが形成できる連続露光装置とがある。枚葉処理方式の露光装置は、所定のマスクパターンが形成された枚葉式の露光マスク(フォトマスク)を用いて、ロールシートを間欠送りで露光装置に送り、装置内を真空排気して露光マスクと基材とを密着させて隙間を無くしてから、例えば紫外線で露光する。枚葉処理方式の露光装置では、真空排気、露光、大気開放を間欠的に行うので処理速度は遅くなるとともに、繋ぎ目の無い連続パターンを得ることができない。
これに対して本発明では、導電性金属の薄膜のメッシュパターンを長尺の透明基材上に設けたロールシートをロール状に巻き取った原反ロール体を作製するに当たり、当該導電性金属の薄膜メッシュパターンは、前記透明基材の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられる必要がある。
このため、例えば、写真製法により生成された現像銀メッシュパターンを用いた原反ロール体を作製する場合には、連続露光装置が使用される(図示は省略)。
連続露光装置の一例としては、写真製法における露光に用いられる光を透過する材質からなる円筒ドラムと、円筒ドラムの外周壁に設けられた露光マスク部分と、円筒ドラムの内部に配設された露光用光源とを備え、円筒ドラムの内側の光源から出射した光によって円筒ドラムに巻き付けられた透明基材を露光する装置である。この連続露光装置には、特定の照射方向に光を透過する開口部を有する光源カバーを露光用光源の周囲に設けることができる。透明基材を露光するパターンは、露光マスク部分の光を透過する部分のパターンによって決定される。円筒ドラムに対する露光マスク部分の配設は、例えば、円筒ドラムの外周壁の表面(内面又は外面)に設けられ、あるいは外周壁の内部に挿入又は挟み込まれることによって行われる。
この連続露光装置は、円筒ドラムは、連続的に移送される透明基材と同じ速度で回転しているので、透明基材の各部分が円筒ドラムに巻き付けられた箇所において露光される間、透明基材に対する露光マスク部分のパターン(光を透過する部分と遮光する部分のパターン)がずれることがなく、所要時間の露光を継続することが可能である。
(透明基材)
本発明に使用される透明基材21としては、可視領域で透明性を有し、一般に全光線透過率が90%以上のものが好ましい。中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で、好適に用いられる。透明基材21に使用される透明樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さ50〜300μmの単層フィルム又は前記透明樹脂からなる複数層の複合フィルムが挙げられる。
(細線メッシュパターン)
前述したように、細線パターンとしては、たとえば線幅10〜100μm程度の細線を縦横に格子状に設けられたものがあるが、細線幅を小さくして格子の間隔を大きくすると透光性は上がるが導電性は低下し、逆に細線幅を大きくして格子の間隔を小さくすると透光性は低下して導電性は高くなる。本発明にかかる透明基材上に形成された任意の細線パターンの物理現像による銀画像は、全光線透過率50%以上の透光性と表面抵抗率10オーム/□以下の導電性とを同時に満足させることは困難である。具体的にはこの物理現像による銀画像は、表面抵抗率50オーム/□以下、好ましくは20オーム/□以下の導電性を有しているが、細線幅50μm以下、たとえば細線幅20μmのパターンで、全光線透過率50%以上とした場合には、表面抵抗率は数百オーム/□〜千オーム/□以上にもなってしまう。
しかしながら、この物理現像による銀画像自身は、現像処理後に得られた銀画像を形成する金属銀粒子が極めて小さく、且つ銀画像中に存在する親水性バインダー量が極めて少ないことにより、銀画像を形成する金属銀粒子が最密充填状態に近い状態で銀画像が形成されて通電性を有しているため、銅やニッケルなどの金属による鍍金(メッキ)、特に電解メッキを施すことにより、細線パターンが0.5〜15μmの厚み及び10〜50μmの線幅であるとき、全光線透過率50%以上、好ましくは60%以上の透光性の細線パターンであっても、表面抵抗率10オーム/□以下、好ましくは7オーム/□以下の導電性を保持することができる。
金属メッシュの全光線透過率を向上させるためには、細線が設けられた領域の面積に対して、細線間の光透過部の面積を十分に広くする必要がある。このため、細線の間隔は、100〜900μmであることが好ましく、より好ましくは150〜700μmである。
金属メッキした細線パターンの厚みは所望とする特性により任意に変えることができるが、0.5〜15μm、好ましくは2〜12μmの範囲である。また上述の方法によって作製された電磁波シールド材は、30MHz〜1,000MHzのような広い周波数帯に亘って30dB以上のシールド効果を得ることができる。
細線パターンの物理現像銀のメッキは、無電解メッキ法、電解メッキ法あるいは両者を組み合わせたメッキ法のいずれでも可能であるが、透明基材上に電磁波シールド層を作製するにあたり、透明基材上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を設けたロール状の長尺ウェブに、少なくとも細線パターンの露光、現像処理およびメッキ処理という一連の処理を施すことができる観点からも、電解メッキによる方法が好ましい。
本発明において、金属メッキ法は公知の方法で行うことができるが、たとえば電解メッキ法は、銅、ニッケル、銀、金、半田、あるいは銅/ニッケルの多層あるいは複合系などの従来公知の方法を使用でき、これらについては、「表面処理技術総覧;(株)技術資料センター、1987年12月21日初版、281〜422頁」等の文献を参照することができる。
メッキが容易で、かつ導電性に優れ、さらに厚膜にメッキでき、低コスト等の理由により、銅および/またはニッケルを用いることが好ましい。電解メッキの一例を挙げると、硫酸銅、硫酸等を主成分とする浴中に前述した物理現像銀が形成された透明基材を浸漬し、10〜40℃で、電流密度1〜20アンペア/dmで通電することによりメッキすることができる。
使用する電解メッキ槽の型式は、竪型、横型のいずれであっても構わないが、所定のメッキ滞留時間を確保できるようにロールシート3の移送速度に応じて電解メッキ槽の長さを決定する。
上記方法によって得られる電磁波シールド層(金属メッシュパターン)は、メッシュパターンが0.5〜15μmの厚み及び10〜50μmの線幅であるとき、全光線透過率50%以上、かつ表面抵抗率が10オーム/□以下という優れた透光性能と導電性能を持ち、30MHz〜1,000MHzのような広い周波数帯に亘って30dB以上のシールド効果を発揮することができる。
次に、無電解メッキ層および電解メッキ層の形成方法について、それぞれ好適な例を挙げて説明する。
(無電解メッキ層の形成方法)
導電性金属の薄膜のメッシュパターンの上に無電解メッキ層を形成するには、導電性金属の薄膜のメッシュパターンが設けられた透明基材を原反ロール体から連続的に繰り出したのち、当該導電性金属の薄膜のメッシュパターンの上に少なくとも無電解メッキにより、メッキ層を形成して行なう。なお、メッキされたロールは、引き続いて電解メッキした後に再び巻き取ってロール体とし、次のディスプレイの画面サイズに応じた電極枠を形成する工程に移される。
無電解メッキ装置(例えば図8参照)は、導電性メッシュパターンが形成されたロール体に無電解メッキを連続して行う装置である。
図8に示す無電解メッキ装置16において、原反ロール体2は、導電性金属の薄膜のメッシュパターンを長尺の透明基材上に設けたロールシート3をロール状に巻き取ったものである。原反ロール体2から繰り出されたロールシート3は、所要箇所に配置された移送ロール4、4、4、…により、同図の左から右に移送される。ロールシート3は、水洗浄槽5に通されて洗浄され、不要な異物や汚染物が除去された後、無電解メッキ工程を行うため無電解メッキ槽17に移送される。
無電解メッキ槽17では、無電解メッキ液18を通して無電解メッキが行われ、ロールシート3の表面の導電性メッシュパターン上に無電解メッキ層が析出する。無電解メッキ液18の温度は、所定温度となるように温度調整器(図示せず)にて制御される。無電解メッキ液18は、無電解メッキ槽17のロールシート3が通される隙間(スリット)から漏出して落下しうる。このため、無電解メッキ槽17の下方には、漏出した無電解メッキ液18を受ける受け槽10が設置されており、受け槽10に受け止められた無電解メッキ液18が循環ポンプ11及びフィルター12を経て再び無電解メッキ槽17に再循環するように構成されている。
無電解メッキ槽17を出たロールシート3は、水洗浄槽13で不要な無電解メッキ液18を洗い落とした後、引き続いて電解メッキ工程を行なうか、又は乾燥器14にて水切り乾燥され、再び巻き取られて電磁波シールドフィルムのロール体15となる。
(電解メッキ層の形成方法)
導電性金属の薄膜のメッシュパターン又は無電解メッキしたメッシュパターンの上にメッキ層を形成するには、導電性金属の薄膜のメッシュパターンが設けられた透明基材を原反ロール体から連続的に繰り出したのち、当該導電性金属の薄膜のメッシュパターンの上に少なくとも電解メッキにより、メッキ層を形成して行なう。なお、メッキされたロールは、再び巻き取って電磁波シールドフィルムのロール体とし、次のディスプレイの画面サイズに応じた電極枠を形成する工程に移される。
図7に示す電解メッキ装置1は、導電性メッシュパターンが形成されたロール体に電解メッキを連続して行う装置である。図7に示す電解メッキ装置1において、原反ロール体2は、導電性金属の薄膜のメッシュパターンを長尺の透明基材上に設けたロールシート3をロール状に巻き取ったものである。原反ロール体2から繰り出されたロールシート3は、所要箇所に配置された移送ロール4、4、4、…により、同図の左から右に移送される。ロールシート3は、まず、水洗浄槽5に通されて洗浄され、不要な異物や汚染物が除去される。必要であれば無電解メッキ槽(図示せず)に通されて導電性金属の薄膜からなるメッシュパターン上に無電解メッキされた後、少なくとも電解メッキ槽6に移送される。
電解メッキ槽6では、陰極となる給電ロール7、7と陽極となる陽電極板8、8との間で電解メッキ液9を通して電解メッキが行われ、ロールシート3の導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンの上に、又はその上に形成された無電解メッキ層の上に、電解メッキ層が析出する。電解メッキ液9の温度は、所定温度となるように温度調整器(図示せず)にて制御される。給電ロール7、7は、電解メッキ槽6にロールシート3が出入するための出入口に設けられており、電解メッキ液9は、電解メッキ槽6の給電ロール7、7等の隙間から漏出して落下しうる。
このため、電解メッキ槽6の下方には、漏出した電解メッキ液9を受ける受け槽10が設置されており、受け槽10に受け止められた電解メッキ液9が循環ポンプ11及びフィルター12を経て再び電解メッキ槽6に再循環するように構成されている。
電解メッキ槽6を出たロールシート3は、水洗浄槽13で不要な電解メッキ液9を洗い落としてから乾燥器14にて水切り乾燥され、再び巻き取られて、メッキされたメッシュパターンの形成されたロール形状の電磁波シールド材ロール体15となる。
なお、必要であれば水洗浄槽5と電解メッキ槽6との間に無電解メッキ槽(図示せず)を配置し、露光・現像により生成した現像銀メッシュパターンの上に無電解メッキをした後、さらに電解メッキ槽6に移送して電解メッキを行う構成でも良い。このようにメッキ工程において無電解メッキと電解メッキを併用することにより、より性能の高い電磁波シールドフィルムを得ることができる。
本発明では、電解メッキ槽6における電解メッキの際には、ロールシート3上において長手方向に連続して設けられた電解メッキ用給電層(以下、「連続給電層」という場合がある。)を通じ、現像銀メッシュパターンに対して給電を行う。
連続給電層23は、ロールシート3が電解メッキ槽6に導入された箇所の前後において陰極となる給電ロール7、7に接触する。これにより、電解メッキの際には、図1の連続給電層23を通じて電解電流がメッシュパターン22に給電され、現像銀メッシュパターン及び/又はその上に形成された無電解メッキ層の上に、電解メッキによるメッキ層が形成される。
本発明では、図7に示すように、露光・現像済みの原反ロール体2からロールシート3を連続的に繰り出し、移送ロール4、4、…の連続送りにて電解メッキ槽6に移送し、連続して間断なく電解メッキを行うため、図1に示すロールシート20のように、長尺の透明基材21の少なくとも一方の面に設けられた金属メッシュパターン22が、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられ、透明基材21の長手方向に連続した一定幅の連続給電層23、23が金属メッシュパターン22の幅方向の両外側に接して設けられたものが用いられる。
図7における原反ロール体2は、長尺の透明基材21の少なくとも一方の面に、現像銀メッシュパターンと、透明基材21の長手方向に連続して設けられた一定幅の金属メッシュ又は金属薄膜からなる連続給電層23を形成したものである。現像銀メッシュパターンを透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けるため、本発明では、連続露光装置により連続したメッシュパターンが焼付けされた後に現像する。
本発明において、電解メッキ法に用いるメッキ金属の種類は、銅、ニッケル、銀、金、半田、あるいは銅/ニッケルの多層あるいは複合系などの従来公知のものを使用できるが、メッキが容易で、かつ導電性に優れ、さらに厚膜にメッキでき、低コスト等の理由により、銅またはニッケルを用いることが好ましい。
銅またはニッケルの電解メッキの表面には、ニッケル系黒化処理液を用いて黒化処理を行い、メッキ表面の金属光沢を抑えて、ディスプレイの画像コントラストを高めることができる。
(金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン)
金属の蒸着膜による導電性金属の薄膜のメッシュパターンの作製においても、上記の写真製法によるメッシュパターンの形成と同様な、透明基材、細線メッシュパターンが用いられる。
ここでは、重複した説明を避けるため、金属の蒸着膜による導電性金属の薄膜のメッシュパターンに特有の項目についてのみ、以下に説明する。
本発明に用いられる蒸着の方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができるが、操作の簡便さから真空蒸着法が好適に使用される。
蒸着の膜厚みが0.01〜0.2μmである真空蒸着膜の上に、メッキ膜厚みが2〜20μmの電解メッキを処理する。
蒸着する金属の種類としては、銅または銀が好適に用いられる。
蒸着の膜厚みが0.2μmよりも厚い場合は、処理時間が大幅に長くなりコスト高となる。
本発明では、透明基材の一方の面に蒸着膜を形成した後、公知のフォトリソグラフ法を用いてエッチング処理を行い、金属の蒸着膜によるメッシュパターンの原反を作製する。
すなわち、金属の蒸着膜層上にフォトレジストを塗布し、当該フォトレジスト上にマスクフィルムを密着させながら露光し、露光部分を現像液にて溶解除去して洗浄乾燥後、エッチング液を塗布してエッチング処理を行う。さらに、有機溶剤を用いて残存するフォトレジストを除去し、金属の蒸着膜による導電性金属の薄膜のメッシュパターンを作製する。
フォトレジストには、水溶性カゼインなどを用いることができる。エッチング液としては、塩化第二鉄、塩化第二銅などを用いることができる。
金属の蒸着膜による導電性金属の薄膜のメッシュパターンの作製においても、上記の写真製法によるメッシュパターンの形成と同様な、透明基材、細線メッシュパターンが用いられ、薄膜のメッシュパターンの形成された原反ロール体が作製され、さらに、電解メッキされた原反ロール体が作製される。
(導電性ペーストインキ又は無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターン)
印刷による導電性金属の薄膜のメッシュパターンの作製においても、上記の写真製法によるメッシュパターンの形成と同様な、透明基材、細線メッシュパターンが用いられる。
ここでは、重複した説明を避けるため、印刷メッシュパターンに特有の項目についてのみ、以下に説明する。
本発明に適用できる、印刷による導電性金属の薄膜のメッシュパターンの作製は、例えば、輪転式凹版オフセット印刷によりおこなう。導電性ペーストインキを用いて印刷し、細線メッシュパターンを作製する。
なお、導電性ペーストインキの中に無電解メッキの触媒核を含有させてメッシュパターンを印刷する場合は、電解メッキ加工に先立って無電解メッキ加工を施し、その上に電解メッキを施すことにより、さらに導電性に優れた金属メッキされたメッシュパターンとなる。
輪転式凹版オフセット印刷による場合、凹版胴に供給されたペーストインキをシリコンゴム製のブランケットに写し、ブランケットと圧胴の間に通された透明基材フィルムにペーストインキを転写させることにより、透明基材の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられた細線メッシュパターンが印刷される。また、凹版の線幅、深さ、ピッチを所定の範囲で設定することにより、メッシュパターンの線幅、厚み、ピッチを調整し、電磁波シールド性、視認性、及び光透過性に優れたメッシュパターンを得ることができる。
本発明に用いる導電性ペーストインキは、メッシュパターンを印刷し、硬化させた後に無電解メッキ及び/又は電解メッキ加工を施すことから、通常は金属粉末をバインダーとなる樹脂成分に混ぜ込んだ導電性ペーストが用いられる。導電性ペーストインキの中に無電解メッキの触媒核を含有させてメッシュパターンを印刷する場合は、電解メッキ加工に先立って、無電解メッキ加工を施すことにより、電解メッキ加工を容易に行なえるようになる。
前記の金属粉末としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉が用いられるが、導電性、価格の点から銅または銀の微粉末を用いるのが好ましい。
印刷するメッシュパターンの細線幅は、視認性の観点から10〜40μm程度であるのが好ましいことから、金属粉末の粒子径は、0.01〜2μmが好ましい。
例えば、印刷された細線の線幅が10〜20μmと狭く、細線の厚みが2〜10μmと薄い条件においては、金属粉末の粒子径が2μmよりも大きいと、導電性を高めるのが困難となる。
印刷した薄膜のメッシュパターンの金属光沢を消して外光の反射を抑えディスプレイの画像コントラストを高めるために、カーボンブラックなどの黒色顔料を混ぜ込むのが好ましい。黒色顔料は、導電性ペーストインキ中に0.1〜10重量%で含有させるのが好ましい。
導電性ペーストインキに用いられる樹脂成分としては、好ましくは、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられる。また、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂などの熱硬化型であってもよい。
導電性ペーストインキは、これらの樹脂成分に金属粉末、及び黒色顔料、さらに必要に応じて触媒核、を混ぜ込んだ後にアルコールやエーテルなどの有機溶剤を加えて粘度調整を行なう。
印刷による導電性金属の薄膜のメッシュパターンの作製においても、上記の写真製法によるメッシュパターンの形成と同様な、透明基材、細線メッシュパターンが用いられ、薄膜のメッシュパターンの形成された原反ロール体が作製され、さらに、電解メッキされた原反ロール体が作製される。
本発明において、電解メッキ法は、銅、ニッケル、銀、金、半田、あるいは銅/ニッケルの多層あるいは複合系などの従来公知の方法を使用できるが、メッキが容易で、かつ導電性に優れ、さらに厚膜にメッキでき、低コスト等の理由により、銅またはニッケルを用いることが好ましい。
(電極枠の形成方法)
次に、電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠を、金属メッシュパターンの長手方向に所定の間隔を介して配置して形成する方法を説明する。
ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠の形成方法は、図1において、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられた金属メッシュパターン22の上に、印刷された導電性ペースト、または貼合された導電性粘着シートのいずれかの方法で電極枠24を、金属メッシュパターン22の長手方向に一定の間隔を介して積層し、図3に示す長尺の積層フィルム25を形成することにより行なう。
(導電性ペーストを用いた印刷による電極枠)
本発明は、図1に示す電磁波シールドフィルム20において、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられた金属メッシュパターン22の上に、導電性ペーストを用いて印刷する方法を用いて電極枠24を積層し、図3に示す長尺の積層フィルム25を得るものである。
当該金属メッシュパターンは、導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンとその上に無電解メッキ及び/又は電解メッキしたメッキ層とを有する金属メッシュパターンである。また、当該導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンは、写真製法により生成された現像銀メッシュパターン、金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン、導電性ペーストインキを印刷して生成された印刷メッシュパターン、及び無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターンからなる群の中から選択されたいずれか1つの方法で形成されている。
本発明に用いる導電性ペーストは、電極枠として金属メッシュパターンの電極となるものであるから、通常は金属粉末をバインダーとなる樹脂成分に混ぜ込んだ導電性ペーストが用いられる。前記の金属粉末としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉が用いられるが、導電性、価格の点から銅または銀の微粉末を用いるのが好ましい。
印刷した電極枠に含まれる金属粉末に起因する金属光沢を消して外光の反射を抑え、ディスプレイの画像コントラストを高めるために、導電性ペーストの中にカーボンブラックなどの黒色顔料を混ぜ込むのが好ましい。黒色顔料は、導電性ペーストの中に0.1〜10重量%で含有させるのが好ましい。
印刷する電極枠の線幅は5〜20mm程度であり、金属メッシュパターンの細線幅に比べて幅広であることから、導電性ペーストに用いる金属粉末は、特別な超微粒子である必要性はなく、金属粉末の粒子径は0.1〜10μmであればよい。
印刷した電極枠の厚みは、特に制限されないが、1μm〜1mm程度である。
導電性ペーストに用いられる樹脂成分としては、好ましくは、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられる。また、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂などの熱硬化型であってもよい。
導電性ペーストは、これらの樹脂成分に金属粉末、及び黒色顔料を混ぜ込んだ後にアルコールやエーテルなどの有機溶剤を加えて粘度調整を行なう。
導電性ペーストを塗布して電極枠を形成する方法は特に制限されないが、簡便さからスクリーン印刷にて印刷するのが好ましい。
(導電性粘着シートの貼り付けによる電極枠)
本発明は、図1に示す電磁波シールドフィルム20において、透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続して設けられた金属メッシュパターン22の上に、導電性粘着シートからなる電極枠24を貼り合せて積層し、図3に示す長尺の積層フィルム25を得るものである。
当該金属メッシュパターンは、導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンとその上に電解メッキしたメッキ層とを有する金属メッシュパターンである。
また、当該導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンは、写真製法により生成された現像銀メッシュパターン、金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン、導電性ペーストインキを印刷して生成された印刷メッシュパターン、無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターンの中から選択されたいずれかの方法で形成されている。
本発明に使用する導電性粘着シートは、少なくとも導電性粒子を混ぜた導電性の粘着剤を剥離用の基材に塗布した導電性粘着シートであって、金属箔の一方の面に導電性粒子を混ぜた導電性の粘着剤を塗布して剥離用の基材を積層した導電性粘着シートとしてもよい。
剥離用の基材を剥がして金属メッシュパターンの上に貼り合せて積層し電極枠とするものである。
すなわち、本発明では、電極枠として、導電性の粘着剤のみを用いてもよいし、導電性の粘着剤に金属箔を積層したものを用いてもよい。
なお、導電性粘着シートとして、導電性の粘着剤に金属箔を積層した場合には、必要な期間に渡って、金属メッシュパターンに接しないで電極枠の表面となる電極面を保護するため、糊残りを避けることができる粘着力の弱い粘着剤を用いて、保護フィルムを電極面に貼り合せて置くのが好ましい。
上記の導電性粒子は、金属粒子、導電性メッキを施したプラスチック樹脂、導電性メッキを施したガラス粒子などを用いることができる。導電性粒子は、導電性、価格の点から、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉が用いられるが、特に、銅または銀の微粉末が好適に用いられる。
金属メッシュパターンの上に積層した導電性の粘着剤に混ぜた金属粉末に起因する金属光沢及び、積層した金属箔の金属光沢を消して外光の反射を抑え、ディスプレイの画像コントラストを高めるために、導電性の粘着剤の中にカーボンブラックなどの黒色顔料を混ぜ込むと共に、金属箔の表面を黒化処理することで、電極枠が得られる。
上記の導電性粘着シートに用いられる粘着剤としては、特に限定されず、従来公知の粘着剤を用いることができるが、アクリル系の粘着剤が好適に用いられる。
上記金属箔としては、導電性や価格の点から銅箔が好適に用いられる。金属箔の厚みは、3〜100μmである。3μmよりも薄い金属箔は、基材及び金属メッシュパターンに貼り合せるのが困難であって、取扱いが難しいからである。また、100μmよりも厚い金属箔は、腰が強くなり過ぎて柔軟性に欠けるからである。金属箔の厚みは、6〜50μmがより好ましい。
導電性の粘着剤を基材に積層した導電性粘着シートの場合、導電性の粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、電極枠の外観を黒色としながら導電性を発揮させるためには、2〜100μm程度の厚みが好ましい。導電性粘着シートの厚みが2μmよりも薄いと、電極枠の外観を黒色にするために、黒色顔料の含有量を過剰に多くする必要あり、100μmよりも厚いと、均一な膜厚みに塗布するのが困難である。導電性の粘着剤層の厚みは、5〜50μmがより好ましい。
(近赤外線吸収フィルム)
本発明では、ロール体から巻き戻して供給される長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムが使用される。
近赤外線吸収フィルムは、近赤外線吸収用の両面粘着フィルムであることが好ましい。
この近赤外線吸収用の両面粘着フィルムを構成する両面の透明樹脂からなる剥離フィルム(セパレーター)を剥がして、図4に示すように、ロール体31から巻き戻して供給される近赤外線吸収フィルム32の透明基材の少なくとも一方の面に、前記透明基材21の長手方向に繋ぎ目無く連続した金属メッシュパターン22が設けられた電磁波シールドフィルム20とを貼り合せて、長尺の積層フィルム33を形成する。
ここで、長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムの横幅寸法は、貼り合せる電磁波シールドフィルムの横幅寸法と同じである必要はなく、少なくとも電磁波シールドフィルムに配設されているディスプレイ画面に応じた電極枠を完全に覆うことができるような横幅寸法を有していれば良い。
近赤外線吸収用の両面粘着フィルム32を電磁波シールドフィルム20と貼り合せる際、両面粘着フィルムのセパレーターは、電磁波シールドフィルムと貼り合せる片側のみ剥がしてあればよく、反対面のセパレーターは両面粘着フィルムと合わせたままで良い。
近赤外線吸収用の両面粘着フィルムは、近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の両面に、粘着剤層と透明樹脂からなる剥離フィルムとを順に積層してなることが好ましい。
また、前記近赤外線吸収色素は、850nm〜1100nmの吸収波長帯において、それぞれ異なる波長帯域に吸収能の極大値を有する長波長用の吸収色素と短波長用の吸収色素との2種類からなることが好ましい。
前記長波長用の近赤外線吸収色素がジインモニウム塩系化合物の中から選択された1種であり、かつ、前記短波長用の近赤外線吸収色素がフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物の中から選択された1種または2種類以上の色素であることが好ましい。
(近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層)
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の機能としては、波長領域850〜1100nmの近赤外線透過率を15%以下、好ましくは10%以下に低下させるものであることが望ましい。
近赤外線吸収色素の具体例としては、インモニウム塩系化合物、ジインモニウム塩系化合物、アミニウム塩系化合物、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、アミノチオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、トリアリールメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化インジウムをドープした酸化錫、周期表の4族、5族または6族に属する金属の酸化物若しくは炭化物若しくはホウ化物等が挙げられる。
近赤外線吸収色素は、850nm〜1100nmの吸収波長帯において、それぞれ異なる波長帯域に吸収能を有する長波長用の近赤外線吸収色素と短波長用の近赤外線吸収色素との2種類以上の色素からなることが好ましい。
前記長波長用の近赤外線吸収色素がジインモニウム塩系化合物の中から選択された1種であり、かつ、前記短波長用の近赤外線吸収色素がフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物の中から選択された1種または2種類以上の色素であることが好ましい。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層は、透明樹脂からなるバインダーに近赤外線吸収色素を分散して形成することができる。
上記バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)は80〜160℃であることが好ましい。これにより、バインダー樹脂自体の耐候性が向上することになり、近赤外線吸収性塗膜の近赤外線吸収性能が持続すると共に、近赤外線吸収性塗膜自体の耐候性や物性がより向上することとなる。好ましくは、−50〜130℃であり、より好ましくは、20〜110℃であり、更に好ましくは、40〜100℃である。
上記バインダー樹脂の種類としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂や、(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、アルキルポリシロキサン系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等の変性シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテルポリマー等のフッ素系樹脂等が挙げられ、熱可塑性樹脂でもよく、熱硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂でもよい。また、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の合成ゴム又は天然ゴム等の有機系バインダー樹脂;シリカゾル、アルカリ珪酸塩、シリコンアルコキシドやそれらの(加水分解)縮合物、リン酸塩等の無機系結着剤等の従来公知のバインダー樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、比較的低温で乾燥して近赤外線吸収性塗膜を形成することができる点で、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等の変性シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテルポリマー等のフッ素系樹脂であることが好ましい。なお、アクリル系樹脂とメタクリル系樹脂をアクリル系樹脂ともいう。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層を形成する際に、上述した以外の配合物として、例えば、溶剤や添加剤等を1種又は2種以上含んでいてもよい。このような溶剤としては、特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド等の1種又は2種以上の有機溶剤が挙げられる。
また、添加剤としては、フィルムやコーティング膜等を形成する樹脂組成物に一般に使用される従来公知の添加剤等を用いることができ、例えば、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾル等の無機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、シランカップリング剤、粘性改質剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、可塑剤、潤滑剤、防錆剤、有機及び無機系紫外線吸収剤、無機系熱線吸収剤、有機・無機防炎剤、静電防止剤等が挙げられる。
色素の耐久性を向上するためにクエンチャーや酸化防止剤を配合することもできる。
このようなクエンチャーとしては、金属錯体系の材料が挙げられ、例えば、みどり化学社製の商品名「MIR101」、住友精化社製の商品名「EST5」等が挙げられる。
酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物等があり、これらを1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層を塗布する方法としては、例えば、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カーテンフローコート、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、ブレードコート、バーコート、リバースコート、ダイコート、スプレーコート、静電塗装等の方法が挙げられる。これらの場合には、近赤外線吸収性樹脂組成物に上述した有機溶剤を適宜混合させて塗布することができる。
上記近赤外線吸収剤層の厚さとしては、使用用途等により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。例えば、乾燥時の厚さを1〜50μm、好ましくは、1〜20μmである。
(紫外線吸収層)
紫外線吸収層は、外部光による近赤外線吸収層の劣化を防ぐため、近赤外線吸収層よりも視覚側に設けられる。紫外線吸収層は、必要に応じて光学フィルターの適切な位置に一層または複数層設けることができる。
紫外線吸収層を形成する方法としては、透明基材や透明樹脂層、粘着剤層の中に紫外線吸収剤を混入させる方法、紫外線吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接または他の層を介して塗布する方法などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤のいずれも使用可能であるが、50%透過率での波長が350〜420nmのものが好ましく、より好ましくは360nm〜400nmである。50%透過率での波長が350nmより低波長の紫外線吸収剤は、紫外線遮断能が弱く、同波長が420nmより高波長の紫外線吸収剤は着色が強くなり、好ましくない。
有機系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、フェニルサリチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾエート等のヒドロキシベンゾエート系化合物等が挙げられる。無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
(機能性層の積層)
ディスプレイ用光学フィルターに必要とされる機能性層としては、反射防止層、ハードコート層、防汚層、防眩層、帯電防止層などが挙げられるが、求められる機能水準に応じて複数の機能性層を積層することが一般に行なわれる。
本発明では、長尺の積層フィルムの金属メッシュパターンの上に、導電性ペーストを印刷するか、または、導電性粘着シートを貼合することにより電極枠を形成すると共に、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に機能性層を積層し、長尺の光学フィルターを形成する。
前記機能性層を積層するには、電極枠内の金属メッシュパターンの上に熱硬化性樹脂又はエネルギー線硬化性樹脂を塗布し、硬化させて接着性樹脂層を形成した後、前記接着性樹脂層の上に、事前に準備したディスプレイの画面サイズに応じた電極枠の内側寸法で裁断されている枚葉の機能性フィルムを貼り合せて行なうか、又は、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させることにより行なう。なお、熱硬化性樹脂又はエネルギー線硬化性樹脂の代わりに、電極枠内の金属メッシュパターンの上に粘着剤層を形成して、該粘着剤層の上に機能性層を積層するようにしても良い。
また、機能性層を積層する別の方法は、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に、事前に準備したディスプレイの画面サイズに応じた電極枠の内側寸法で裁断されていて貼合用の粘着剤層を有する枚葉の機能性フィルムを貼り合せて行なうか、又は、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させることにより行なう。
本発明で使用できる接着性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化性樹脂、可視光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを挙げることができる。
投入するエネルギーにより硬化する透明樹脂であれば特に限定されものではない。
投入するエネルギーとしては、加熱や、活性エネルギー線(紫外線、電子線、場合により可視光線など)が挙げられる。
なお活性エネルギー線照射の場合は、活性エネルギー線照射後に必要に応じて加熱処理を行うことにより、硬化の完全化を図ることもでき、その逆に加熱処理を行ってからエネルギー線照射を行なっても構わず、二種以上のエネルギー線照射を組み合わせても構わない。
熱硬化性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびそれらの変性樹脂を挙げることができる。
エネルギー線硬化性樹脂に用いる樹脂化合物としては、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、などの単官能の(メタ)アクリレート成分;多価アルコールのジ、トリまたはポリ(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの多官能の(メタ)アクリレート成分;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミドなどの官能基含有モノマー成分;酢酸ビニル、スチレン、アクリルウレタン系オリゴマーなどが挙げられる。
(反射防止層)
ここで、反射防止層は、光学フィルターの外側からの可視光線の反射を防ぐためのものであって、単層の場合は、透明基材に比べて屈折率の低い物質、例えば、ポリシロキサン構造を有するフッ素含有有機化合物、MgF、SiO等の薄膜を形成する。
反射防止層の膜厚は、光学的膜厚d(nm)を、d=λ/4(但し、λは設計波長で500〜580nm)と設定して単層の反射防止層を形成する。
また多層からなる場合は、透明基材に比べて高屈折率の物質、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ITOなどの薄膜と、透明基材に比べて低屈折率の物質、例えば酸化ケイ素の薄膜を交互に積層する。
このような金属酸化物薄膜の形成方法は特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、湿式塗布法などの公知の方法を用いて行なうことができる。
(ハードコート層)
透明基材フィルムに直接又は他の層を介して、公知の方法にてハードコート層用の樹脂組成物を塗布して形成することにより耐磨耗性、耐擦傷性を付与することができる。
ハードコート層は、ハードコート剤を必要に応じて溶剤に溶解した液を、基材に塗布、乾燥、硬化させることにより形成することができる。
ハードコート剤としては、特に制限されることなく、熱硬化型ハードコート剤、紫外線硬化型ハードコート剤などの公知の各種ハードコート剤を用いることができる。
熱硬化型ハードコート剤としては、例えば、シリコーン樹脂系、アクリル樹脂系、メラミン樹脂系等ハードコート剤を用いることができる。シリコーン樹脂系ハードコート剤は従来のアクリル樹脂系ハードコート剤と比べ硬度、耐候性、耐擦傷性の点で優れている。
また、紫外線硬化型ハードコート剤としては、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系等のラジカル重合性ハードコート剤、エポキシ樹脂系、ビニルエーテル樹脂系等のカチオン重合性ハードコート剤等のハードコート剤を用いることができる。
紫外線硬化型ハードコート剤の場合には、紫外線照射を行い硬化させる。紫外線照射は、キセノンランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等のランプを用いることができる。
ハードコート層には、さらに必要に応じて、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種の添加剤を含ませてもよい。各種添加剤は、ハードコート剤中に添加して塗布することができる。
ハードコート層の膜厚みは0.05〜5μm、好ましくは、0.5〜3μm程度の膜厚とすることにより、反射防止フィルムに耐磨耗性、耐擦傷性を付与することができる。
(防汚層)
反射防止層の上に最外層として防汚層をコートする場合は、反射防止層の表面にフッ素系、シリコーン系の防汚コート剤を塗布した後、余分な塗布液を拭き取ることで防汚層を形成させることができる。
防汚層は、反射防止層を保護し、かつ、防汚性能を高めるものである。
防汚コート剤としては、フッ素系樹脂あるいはシリコーン系樹脂を用いることができる。例えば、反射防止層の低屈折率層をSiOにより形成した場合には、フルオロアルキルシランなどのフルオロシリケート系撥水性塗料が好ましく用いられる。
防汚層は、防汚コート剤を溶剤によって希釈したものを、スクリーン印刷、マイクログラビアコーター等によって塗工することに形成することができる。
また、防汚層の厚さは反射防止層の機能を阻害しないように設定しなければならず、好ましくは1〜30nm、更に好ましくは5〜15nmであることが好ましい。
また、ハードコート層に防汚機能を持たせる方法としては、ハードコート層中のハードコート剤、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂系ハードコート剤にフッ素系の紫外線硬化型防汚添加剤を少量添加することにより、表面機能材料としてフッ素系化合物の特長である撥水・撥油性に加え、優れた防汚性(指紋付着防止)をハードコート層の表面へ付与することができる。
(防眩層)
防眩層を有する機能性層とすることにより、外光を乱反射させることでディスプレイ画面に蛍光灯などの映り込みを緩和することができる。
ハードコート層表面に微細な凹凸を形成する方法には、表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムを用いて賦型を行なうか、樹脂粒子などのマット材をハードコート剤に添加することによって行なうことができる。
あるいは、ハードコート層中に、有機物あるいは無機物のフィラー(微粒子)を含有させることで、ハードコート層表面に凹凸を付与することにより防眩層を形成することもできる。
賦型フィルムは、離型性のあるPETフィルム等の樹脂フィルム上に微細な凹凸を設けたもの、又はPETフィルム等の樹脂フィルム上に樹脂粒子、ガラス粒子を含有した樹脂を塗布して微細な凹凸層を設け、賦型層を形成したものを用いることができる。
前記マット材には、例えば、透明度が高い樹脂粒子が好適に用いられる。マット材の屈折率をできるだけハードコート剤の樹脂の屈折率に近いものにすると、塗膜の透明性が損なわれずに、しかも防眩性を増すことができる。
このような樹脂粒子としては、アクリル樹脂粒子、ポリカーボネート樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子などが挙げられる。これらの樹脂粒子の粒径は、1〜12μmが好適に使用される。
(帯電防止層)
本発明においては、機能性層の表面または内部に帯電防止層を形成することが好ましい。これにより、光学フィルターの表面に静電気の作用で塵・埃が付着するのを防止することができる。
機能性層の表面に塵・埃が付着するのを完全に防止するためには、表面抵抗率を10-10(Ω/□)以下、更に好ましくは10-8(Ω/□)以下にする必要がある。
一般的には、機能性層の最外層である反射防止層に、帯電防止剤を含有させて帯電防止層を兼ねさせることができる。また、ハードコート層の上に帯電防止剤を塗布して帯電防止層を形成することができる。あるいは、ハードコート層に帯電防止剤を含有させて帯電防止機能を付与して帯電防止層を兼ねさせてもよい。
帯電防止剤としては、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物微粒子、導電性ポリマーの微粒子、界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が例示される。
これらの界面活性剤を含む液を樹脂フィルムの上に直接塗布する方法等によって帯電防止層の薄膜を形成することができる。
この帯電防止層は、前記の導電性の金属酸化物微粒子を含有したハードコート層の上に形成することもできる。
帯電防止剤の塗工方法としては、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、ディップコーター、スクリーン印刷などの公知の方法を適宜選定して用いることができる。
(枚葉の機能性フィルム)
電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に機能性層を積層する方法は、事前に準備しておいた、表面が平滑な透明基材の上に必要とされる機能性層を積層し、電極枠の内側寸法にて裁断された枚葉の機能性フィルムを、接着剤層を介して電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に積層して行うことが挙げられる。
例えば、表面が平滑な透明な基材の片面に、機能性層としてハードコート層、帯電防止層、反射防止層、防汚層を順に積層した後、電極枠の内側寸法にて裁断して枚葉の機能性フィルムを作製する。次に、電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に形成された、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠内の金属メッシュパターンの上に、熱硬化性樹脂又はエネルギー線硬化性樹脂を塗布し、硬化させて接着性樹脂層を形成した後、前記接着性樹脂層の上に前記の枚葉の機能性フィルムを、接着剤層を介して貼り合せることにより機能性層を積層する。
また、枚葉の機能性フィルムの透明基材の機能性層を形成しない面に粘着剤層を設けておいて、電極枠内の金属メッシュパターンの上に、直接に、その粘着剤層を介して貼り合せることにより機能性層を積層しても良い。
機能性層の基材として用いられる透明な基材の材質として、特に限定されることはないが、可撓性を有する樹脂フィルムが軽量であり、取扱いも容易であることから好適に用いられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム等が挙げられる。
(枚葉の機能性層転写フィルム)
電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に機能性層を積層する別の方法は、事前に準備しておいた、表面が平滑な離型フィルム上に必要とされる機能性層を積層し、電極枠の内側寸法にて裁断された枚葉の機能性層転写フィルムを、接着剤層を介して電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に転写した後、剥離フィルムを剥がして行う。
例えば、表面が平滑な離型フィルム上に、機能性層として防汚層、反射防止層、ハードコート層、粘着剤層を順に積層した後、電極枠の内側寸法にて裁断して枚葉の機能性層転写フィルムを作製する。次に、電磁波シールドフィルムの金属メッシュパターンの上に形成された、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠内の金属メッシュパターンの上に、熱硬化性樹脂又はエネルギー線硬化性樹脂を塗布し、硬化させて接着性樹脂層を形成した後、前記接着性樹脂層の上に前記枚葉の機能性層転写フィルムを、接着剤層を介して貼り合せることにより機能性層を転写させる。
また、枚葉の機能性層転写フィルムに設けた粘着剤層を介して、電極枠内の金属メッシュパターンの上に、直接に貼り合せることにより機能性層を転写させても良い。
離型フィルムの材質として、特に限定されることないが、可撓性を有する樹脂フィルムが軽量であり、取扱いも容易であることから好適に用いられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム等が挙げられる。離型フィルムとしては、樹脂フィルムの他に、布、紙等を用いることもできる。
(ディスプレイ用電磁波シールドフィルム)
本発明において、ロール体の電磁波シールドフィルムを使用してディスプレイ用光学フィルターを製造する場合、金属メッシュパターン22の上には、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠24を積層する(図3を参照)。電磁波シールドフィルムにおける電極枠の寸法、配置パターンは、ディスプレイの画面サイズに応じて変更する必要がある。ディスプレイの画面サイズは、代表的には42インチ、50インチ、60インチ、65インチなどがある。
ディスプレイ用光学フィルターにおいては、ディスプレイのブラックマトリックスパターンと光学フィルターの電磁波シールドのための金属メッシュパターンとの干渉により発生するモアレを最小にするため、電極枠24に対する金属メッシュパターン22のバイアス角度θを調節する必要がある(図3を参照)。
ディスプレイの解像度に応じて、電極枠24に対する金属メッシュパターン22のバイアス角度θの最適値が決まるからである。
ディスプレイの解像度の代表例を次に挙げる。
・ VGA: 640× 480= 31万画素
・ XGA:1024× 768= 79万画素
・SXGA:1280×1024=131万画素
・ HD:1280×1080=138万画素
・フルHD:1920×1080=207万画素
なお、金属メッシュパターンは、ディスプレイパネルの解像度に応じた最適なバイアス角度となるように、かつ、配設される電極枠の対向する2辺が前記透明基材の長手方向に対して平行になるように形成されていることが必要である。
ディスプレイ1台ごとの枚葉のディスプレイ用光学フィルターを形成するには、長尺の光学フィルターを電極枠の外形寸法で裁断する。
図5,図6に、長尺の光学フィルターを裁断して得られたディスプレイ用光学フィルター60の一例を示す。電磁波シールドフィルム20の金属メッシュパターン22の上には、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠24が形成され、電極枠24内の金属メッシュパターン22の上に、熱硬化性樹脂又はエネルギー硬化性樹脂層を塗布し、硬化させた接着性樹脂層51を介して機能性層50が積層されるとともに、電磁波シールドフィルム20の裏面には、両面粘着の近赤外線吸収フィルムが積層されている。両面粘着の近赤外線吸収フィルムは、例えば紫外線吸収剤入り粘着剤層41、近赤外線吸収剤層42、粘着剤層43、セパレーター44を備える積層体である。ディスプレイ用光学フィルター60をディスプレイの前面パネルに貼り合せるときは、セパレーター44を剥がして露出した粘着剤層43を前面パネルの前面側に向け、押圧することで、容易に貼り合せることができる。
本発明によれば、従来の製造方法では対応できない、複数種類のディスプレイ画面サイズに応じた電磁波シールドフィルムを製造する場合において、ディスプレイ用の電磁波シールドフィルムの製造工程の途中で、製造するディスプレイ画面サイズごとの生産計画を変更しても柔軟に対応でき、電磁波シールドフィルムを安定した品質で安価に製造すると共に、全体として生産性が高く安価に製造することができるディスプレイ用光学フィルターの製造方法、及びディスプレイ用光学フィルターを提供することができる。
本発明に用いられるロール体から巻き戻した電磁波シールドフィルムであって、導電性薄膜の上にメッキされた連続メッシュパターン及び給電層の配置の一例を示す部分平面図である。 従来技術における、例えばPDP用の電磁波シールドフィルムにおけるメッシュパターン、電極枠、及び給電層の配置の一例を示す部分平面図である。 本発明における、電極枠の形成された長尺の積層フィルムの一例を示す部分平面図である。 ロール体から巻き戻して供給される電磁波シールドフィルムに、ロール体から巻き戻して供給される長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムを、貼り合せて長尺の積層フィルムを形成する工程を示す概念図である。 枚葉化された光学フィルターの一例を示す平面図である。 図5におけるA−A矢視図であり、枚葉化された光学フィルターの一例を示す断面図である。 電解メッキ装置の一例の示す概略構成図である。 無電解メッキ装置の一例の示す概略構成図である。
符号の説明
1…電解メッキ装置、2…原反ロール体、3…ロールシート、4…移送ロール、5…水洗浄槽、6…電解メッキ槽、7…給電ロール、8…陽電極板、9…電解メッキ液、10…受け槽、11…循環ポンプ、12…フィルター、13…水洗浄槽、14…乾燥器、15…電磁波シールドフィルムのロール体、16…無電解メッキ装置、17…無電解メッキ槽、18…無電解メッキ液、20…ロール体から巻き戻した電磁波シールドフィルム、21…透明基材、22…金属メッシュパターン、23…連続給電層、24…電極枠、25…電極枠の形成された長尺の積層フィルム、30…電磁波シールドフィルムのロール体、31…近赤外線吸収フィルムのロール体、32…近赤外線吸収フィルム、33…積層フィルム、34…ロール、35…ロール、36…ロール、41…紫外線吸収剤入り粘着剤層、42…近赤外線吸収剤層、43…粘着剤層、44…セパレーター、50…機能性層、51…接着性樹脂層、60…ディスプレイ用光学フィルター。

Claims (10)

  1. ロール体の電磁波シールドフィルムを使用したディスプレイ用光学フィルターの製造方法であって、少なくとも次の(1)、(2)、(3)の工程:
    (1)ロール体から巻き戻して供給される長尺の透明基材の一方の面に、前記透明基材の長手方向に繋ぎ目無く連続した金属メッシュパターンが設けられ、且つ、前記透明基材の長手方向に連続した一定幅の連続給電層が前記金属メッシュパターンの両外側に接して設けられた電磁波シールドフィルムの、前記金属メッシュパターンの設けられていない基材面側と、ロール体から巻き戻して供給される長尺の近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムとを、貼り合せて長尺の積層フィルムを形成する工程、
    (2)前記長尺の積層フィルムの金属メッシュパターンの上に、導電性ペーストを印刷するか、または、導電性粘着シートを貼合することによりディスプレイの画面サイズに応じた電極枠を、金属メッシュパターンの長手方向に所定の間隔を介して配置して形成すると共に、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に機能性層を積層し、長尺の光学フィルターを形成する工程、
    (3)前記長尺の光学フィルターを前記電極枠の外形寸法で裁断し、ディスプレイ1台ごとの枚葉の光学フィルターを形成する工程、
    を含むことを特徴とするディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  2. 前記機能性層を積層する工程は、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に熱硬化性樹脂又はエネルギー線硬化性樹脂を塗布し、硬化させて接着性樹脂層を形成した後、前記接着性樹脂層の上に、事前に準備したディスプレイの画面サイズに応じた電極枠の内側寸法で裁断されている枚葉の機能性フィルムを貼り合せる工程、又は、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させる工程のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  3. 前記機能性層を積層する工程は、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上に、事前に準備したディスプレイの画面サイズに応じた電極枠の内側寸法で裁断されていて貼合用の粘着剤層を有する枚葉の機能性フィルムを貼り合せる工程、又は、事前に準備した枚葉の機能性層転写フィルムを貼り合せることにより機能性層を転写させる工程のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  4. 前記近赤外線吸収フィルムは、少なくとも1種以上の近赤外線吸収剤を含有した透明樹脂層の両面に粘着剤層を積層した近赤外線吸収用の両面粘着フィルムであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  5. さらに、前記枚葉の積層フィルムに形成した機能性層の上に、片面に積層された粘着剤層を有する透明な保護フィルムを貼り合わせて積層する工程を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  6. 前記金属メッシュパターンは、ディスプレイパネルの解像度に応じた最適なバイアス角度となるように、かつ、配設される電極枠の対向する2辺が前記透明基材の長手方向に対して平行になるように形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  7. 前記金属メッシュパターンは、導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンとその上に無電解メッキ及び/又は電解メッキしたメッキ層とを有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  8. 前記導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンは、写真製法により生成された現像銀メッシュパターンからなり、露光した部分に現像銀が発現するネガ型の現像方法、又は、露光しない部分に現像銀が発現するポジ型の現像方法のどちらかの方法により生成された現像銀メッシュパターンであることを特徴とする請求項7に記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  9. 前記導電性金属の薄膜からなるメッシュパターンは、金属の蒸着により生成された蒸着膜メッシュパターン、導電性ペーストインキを印刷して生成された印刷メッシュパターン、無電解メッキ触媒を含有するペーストを印刷して生成された印刷メッシュパターンの中から選択されたいずれかであることを特徴とする請求項7に記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルターの製造方法を用いて製造されたディスプレイ用光学フィルターであって、
    透明基材の少なくとも一方の面に連続した金属メッシュパターンが設けられ、且つ、前記透明基材の長手方向に連続した一定幅の連続給電層が前記金属メッシュパターンの両外側に接して設けられ、前記金属メッシュパターンの上には、印刷された導電性ペースト、または、貼合された導電性粘着シートのいずれかからなる、ディスプレイの画面サイズに応じた電極枠が形成され、前記電極枠内の金属メッシュパターンの上には機能性層が積層され、前記透明基材の機能性層の形成されていない面には、近赤外線吸収剤層を有する近赤外線吸収フィルムが貼合されていることを特徴とするディスプレイ用光学フィルター。
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