JP2010079140A - ディスプレイ用光学フィルム及びディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材1の一方の面に、ブラックストライプの遮光パターン7(または5)と電磁波シールド機能を有する導電性薄膜からなるメッシュパターン4(または2)とが形成されるとともに、透明基材1の他方の面に、導電性薄膜からなるメッシュパターンの表示電極15が形成されてなる。遮光パターン7(または5)、電磁波シールド機能を有するメッシュパターン4(または2)、及び表示電極15は、導電性薄膜で形成された細線パターン、または導電性薄膜で形成された細線パターンの上にメッキ層が積層されてなるメッキ積層パターンである。
【選択図】図3
Description
例えば、特許文献1には、電磁波遮蔽性を有する金属メッシュと、近赤外線吸収能を有する近赤外線吸収剤含有接着層と、反射防止層と、ネオン光吸収層とを積層したプラズマディスプレイ用光学フィルターが開示されている。
しかし、特許文献4においては、PTAにおいてブラックストライプに関する記載が無く、ブラックストライプの遮光パターンと電磁波シールド材のメッシュパターンの両方を一緒に形成して複合パターンとすることは、全く開示されていない。
しかし、ブラックストライプと電磁波シールド材と表示電極とを、それぞれ異なる基材に形成した後に貼り合せるのは、基材が無駄になると供に製造コストが嵩むという問題があった。
また、別々の基材の貼り合せによるのでは、画面サイズが大型になる程、ブラックストライプと電磁波シールド材と表示電極との位置合わせ精度を維持するのが困難であるという問題があった。
また、前記電磁波シールド機能を有するメッシュパターンの表面が黒化処理されてなることが好ましい。
また、前記遮光パターン、電磁波シールド機能を有するメッシュパターン、及び表示電極は、導電性薄膜で形成された細線パターン、または導電性薄膜で形成された細線パターンの上にメッキ層が積層されてなるメッキ積層パターンであることが好ましい。
また、前記遮光パターン、及び電磁波シールド機能を有するメッシュパターンの表面が黒化処理されてなることが好ましい。
前記のディスプレイは、プラズマチューブアレイ表示装置であることが好ましい。
(1)基材2枚分、及び貼合用粘着剤の材料費のコスト削減が図れる。
(2)電磁波シールドフィルム、ブラックストライプの遮光フィルム、表示電極フィルムの各フィルムを貼り合せて積層する工程費用の削減が図れる。
(3)基材2枚分、及び貼合用粘着剤が省けるので、光線透過率が向上して画像が明るく表示される。
(4)表示電極の形成が、同一の基材の他面においてレジストパターンを用いてフォトリソグラフ法によるので、別々の基材の貼り合せによるのと比べ、表示電極の位置合わせ精度を高く維持できる。
(5)表示電極がメッシュパターンからなるので、光線透過率が高い。
以上のことから、本発明によれば、基材フィルムの枚数が少なくて光線透過率が高いと供に、表示電極の位置合わせ精度を高く維持して製造できるディスプレイ用光学フィルムを提供することが可能である。
図1は、本発明のディスプレイ用光学フィルムが用いられた、PTAの部分斜視断面図である。図2は、本発明のディスプレイ用光学フィルムを示す概略平面図である。図3は、図2におけるA−A矢視図であり、本発明のディスプレイ用光学フィルムを示す概略断面図である。図4は、図3におけるB部の部分拡大図であり、図4(a)は、導電性薄膜からなる遮光パターン及び金属メッシュパターンを示す断面図、図4(b)は、導電性薄膜の上にメッキ層が積層されたメッキ層積層パターンからなる遮光パターン及び金属メッシュパターンを示す断面図である。図5は、図3におけるC−C矢視図であり、表示電極のメッシュパターンの一例を示す平面図である。図6は、機能層を有する、本発明のディスプレイ用光学フィルムの一例を示す断面図である。図7は、従来技術によるディスプレイ用光学フィルムが用いられた、PTAの部分斜視断面図である。図8は、従来技術による、PTAの前面板の概略構成の一例を示す断面図である。図9は、本発明のディスプレイ用光学フィルムの別の例を示す概略断面図である。
または、図4(b)に示すように、透明基材1の一方の面に、導電性薄膜からなるブラックストライプの遮光パターン5の上にメッキ層6が積層されて遮光パターン7が形成され、導電性薄膜からなる細線メッシュパターン2とその上にメッキ層3が積層されて電磁波シールド機能を有する金属メッシュパターン4が形成されている。
この複合パターンの形状を決定するに当たっては、電磁波シールド機能を有する金属メッシュパターン4(または2)は、ブラックストライプの遮光パターン(または5)の直線に対して、一定のバイアス角度を持たせて配設することにより、モアレの発生を最小限に抑えるようにしている。
また、ブラックストライプの遮光パターン、及び電磁波シールド機能を有する金属メッシュパターンの表面が黒化処理されていることが、観察者から視て反射光を減少させることができるので好ましい。
また、ブラックストライプの遮光パターン、及び電磁波シールド機能を有する金属メッシュパターンの表面が黒化処理されていない場合は、金属メッキ層の金属光沢により輝いて見え、ディスプレイの表示画像が白っぽくなるという不具合が生じる。
また、図1は、本発明のディスプレイ用光学フィルムが用いられた、PTA20の部分斜視断面図である。
なお、本発明では、金属メッシュパターン4(または2)の線幅を10〜60μmとし、ピッチ間隔を250〜500μmとすることにより、全光線透過率を50〜70%程度に確保することが可能となる。また、本発明では、全光線透過率を高めるため、表示電極15(走査電極13及び維持電極14)を、図5に示すような金属メッシュパターン19とするのが好ましい。
図6と図8とを比較すると、本発明に係わるディスプレイ用光学フィルムでは、透明基材11、34と、粘着剤層16、37とが削減されている。
また、ブラックストライプの遮光パターンと金属メッシュパターンとを別々の基材に設ける場合に比べて、ブラックストライプの遮光パターンと金属メッシュパターンとが、同一面の上で交差した複合パターンを形成する方が、ディスプレイ用光学フィルム10の表面抵抗率が低下する。このため、同じ表面抵抗率を確保する場合には、金属メッシュパターン4(または2)のピッチ間隔を拡げることが可能となり、全光線透過率を向上させることができる効果を奏する。
このため、大画面においては、図8に示した従来技術による遮光パターン35が形成されたフィルム36と表示電極15が形成されたフィルム11を貼り合せたディスプレイ用光学フィルムと比べて、本発明によるディスプレイ用光学フィルムでは、パターン形成用の遮蔽マスクの位置合わせにより、表示電極の位置に対する遮光パターンの位置合わせ精度を高く維持して製造できる。
本発明で使用できる接着性樹脂(粘着剤層)としては、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化性樹脂、可視光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを挙げることができる。
なおエネルギー線硬化樹脂の場合は、エネルギー線照射後に必要に応じて加熱処理を行うことにより、硬化の完全化を図ることもでき、その逆に加熱処理を行ってからエネルギー線照射を行なっても構わず、二種以上のエネルギー線照射を組み合わせても構わない。
エネルギー線硬化粘着性樹脂に用いる樹脂化合物としては、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、などの単官能の(メタ)アクリレート成分;多価アルコールのジ、トリまたはポリ(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの多官能の(メタ)アクリレート成分;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミドなどの官能基含有モノマー成分;酢酸ビニル、スチレン、アクリルウレタン系オリゴマーなどが挙げられる。
本発明に使用される透明基材1、21は、可視領域で透明性を有し、一般に全光線透過率が90%以上のものが好ましい。中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性に優れることから透明基材1として好ましい。透明基材1に使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さ50〜300μmの単層フィルム又は前記樹脂からなる複数層の複合フィルムが挙げられる。
図6に示した、本発明のディスプレイ用光学フィルムに使用される粘着剤層24を構成する粘着剤としては、可視領域で透明であれば(すなわち、十分な透過率を有すれば)特に限定されず、硬化型樹脂でも良いし、熱可塑性樹脂でも良い。透明性の観点からは、アクリル系樹脂が好適に用いられる。
本発明に適用できる遮光パターンと金属メッシュパターンが複合されたパターン、及び表示電極のメッシュパターンの作製方法は特に限定されないが、導電性の金属薄膜からなる細線パターン、または導電性の金属薄膜からなる細線パターンの上にメッキ層を積層したメッキ積層パターンにより作製する方法が好適である。
図4は、本発明に係わるディスプレイ用光学フィルムを構成する遮光パターン7(または5)と金属メッシュパターン4(または2)の部分断面図である。
電磁波シールド機能を有する細線メッシュパターン2、金属メッシュパターン4、及び
表示電極15のメッシュパターン19において、メッシュパターンの線幅は、いずれも10〜60μmが好ましく、さらには15〜40μmであることがより好ましい。線幅を10μm未満の微細線にすると、導電性薄膜を形成するための、例えばフォトリソ法で用いる露光マスクなどの製造コストが著しく上昇するので好ましくない。逆に線幅を太くして60μmを超えると、導電性は高くなるが透視性は低下するので好ましくない。
図4(a)及び図4(b)において、遮光パターン7(または5)の線幅は、いずれも100〜1000μmが好ましく、さらには300〜1000μmであることがより好ましい。線幅を100μm未満の微細線にすると遮蔽効果が少なく、逆に線幅を太くして1000μmを超えると、遮蔽効果は高くなるが透視性は低下するので好ましくない。
この導電性薄膜は、特開昭58−108786号公報(特許文献5)に開示されている方法に準じた剥離(リフトオフ)法や、通常のフォトリソ−エッチング法により形成することができる。フォトレジストパターンまたは溶剤溶解性の印刷材料を印刷したパターンのいずれかを遮蔽マスクとして用いて金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着を行った後に遮蔽マスクを除去して形成した剥離(リフトオフ)法による導電性薄膜、金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着により製膜された薄膜をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜、金属箔をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜のいずれかであることが好ましい。
この場合、このメッキ積層パターンは、特開平6−112628号公報(特許文献6)に開示されている方法に準じて、透明基材の上に、スパッタまたは真空蒸着による導電性薄膜を形成し、フォトレジストパターンを遮蔽マスクとして用いて電解メッキを行い、金属メッキ層を積層した後、フォトレジストパターンを溶解除去した後、さらにエッチング処理を行い金属メッキ層の積層されていない部分の導電性薄膜を除去して形成される。
なお、遮光パターン及び金属メッシュパターンが同一面の上で交差した複合パターンとされる場合、以下の細線メッシュパターンを含む導電性薄膜の形成とは、遮光パターン及び細線メッシュパターンが同一面の上で交差した複合パターンの導電性薄膜の形成である。
本発明で使用される導電性薄膜で形成されたパターンは、フォトレジストパターンまたは溶剤溶解性の印刷材料を印刷したパターンのいずれかを遮蔽マスクとして用いて金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着を行った後に遮蔽マスクを除去して行なう、剥離(リフトオフ)法により形成した導電性薄膜、金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着により製膜された薄膜をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜、透明基材に貼り合せた金属箔をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜のいずれかであることが好ましい。
まず、基材上にレジストを塗布した後、熱処理(プリベーク)を行い、レジストから溶媒を除去する。次に、フォトマスクを用いてレジストに所望のパターンを露光した後、レジストパターンを現像して遮蔽マスクとなるレジストパターンを形成する。次に、基材とレジストパターンからなる遮蔽マスクの上に、全面に渡って蒸着膜を形成した後、レジスト剥離剤を用いて遮蔽マスクとその上に乗っている蒸着膜とを同時に除去し、基材の上に残された蒸着膜からなる細線メッシュパターンを含む導電性薄膜を得る。
まず、基材上に溶剤溶解性の樹脂を主成分とする印刷材料で遮蔽マスクとなる部分を印刷する。次に、基材の上と印刷材料からなる遮蔽マスクの上に、全面に渡って蒸着膜を形成した後、溶剤を用いて遮蔽マスクとその上に乗っている蒸着膜とを同時に除去して、基材の上に残された蒸着膜からなる細線メッシュパターンを含む導電性薄膜を得る。
本発明で使用される、導電性薄膜で形成された細線パターンの上に金属メッキ層を積層するときに用いるメッキ法は、遮光パターン及び電磁波シールド用の細線メッシュパターンが組み合わされて形成された複合パターン、及び表示電極のメッシュパターンのように、連続のパターンが2次元的に配設された場合では、無電解メッキ法、電解メッキ法あるいは両者を組み合わせたメッキ法のいずれでも可能である。
本発明において、金属メッキ法は公知の方法で行うことができるが、例えば無電解メッキ法は、銅、ニッケル、銀、金、スズ、はんだ、あるいは銅/ニッケルの多層あるいは複合系などの従来公知の方法を使用でき、これらについては、「無電解めっき 基礎と応用;日刊工業新聞社、1994年5月30日初版」等の文献を参照することができる。
メッキに使用するメッキ槽の型式は、竪型、横型のいずれであっても構わないが、所定のメッキ滞留時間を確保できるように長さを決定する。
本発明のディスプレイ用光学フィルムは、前述のとおり、導電性薄膜からなる遮光パターンと細線メッシュパターンが組み合わされた複合パターン及び表示電極のメッシュパターン、または、その細線パターンの上にメッキ層を積層したメッキ積層パターンが用いられるが、図3の透明基材1に金属箔を接着剤により貼り合せた後、公知技術であるフォトリソ法によりエッチングして形成した、遮光パターンと金属メッシュパターンとが複合したパターン及び表示電極のメッシュパターンを使用することもできる。導電性の金属箔であれば、材質は特に制限されなくて、銅、アルミ、錫などの箔を使用することができる。その中でも、価格が安価であり、エッチング処理の腐食速度が速い点から、銅箔が好適に使用される。
銅箔がエッチングされた箇所に露出される透明基材1の表面は、銅箔の表面が有する凸凹が接着剤層に転写されていて、接着剤層の凸凹表面が露出するため透過光が散乱されることから光線透過率が低下してしまう問題を有する。この問題を解決するには、金属メッシュの凸凹面を、透明な樹脂や粘着剤で埋め、加圧しながら高温に保持して行なう透明化処理を施す必要がある。
また、銅箔を用いた場合は、金属素材の光沢色である茶色を目立たなくするために、視認側の表面を黒化処理するのが好ましい。
前記金属メッキ層の表面に黒化処理を施すことにより、反射率を低下させるための黒化層を形成してもよい。黒化層は、光を反射しにくい暗色の層であればよく、真黒だけでなく、例えば黒っぽい茶色や黒っぽい緑色等でもよい。黒化層の形成により、金属細線が一層目立ちにくくなり、本発明のディスプレイ用光学フィルムを有する前面板を前面パネルに貼り付けて用いる場合にディスプレイの画面が見やすくなるため、好ましい。
黒化層は、黒色インクの塗布によるインキ処理、ルテニウムやニッケル、スズなどの表面が黒色を呈する金属のメッキによる黒化メッキ処理、金属細線の化成処理(酸化処理等)などにより形成することができる。このうち化成処理では、金属層の表面に金属酸化物の薄膜が形成されることにより、黒色を呈するようになる。
導電性薄膜の作製方法として、フォトレジストパターンまたは溶剤溶解性の印刷材料を印刷したパターンのいずれかを遮蔽マスクとして用いて金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着を行った後に遮蔽マスクを除去して行なう、剥離(リフトオフ)法により形成した導電性薄膜、金属または金属酸化物のスパッタまたは真空蒸着により製膜された薄膜をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜、透明基材に貼り合せた金属箔をフォトリソ法によりエッチングして形成した導電性薄膜、などによる作製方法を示した。
図3に示した、本発明のディスプレイ用光学フィルム10に、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層のうち、1つ以上の機能層を積層して、複合機能を有するディスプレイ用光学フィルターを作製することができる。
ディスプレイに使用される光学フィルターは、ディスプレイの画面サイズに裁断された各種の機能性フィルムを、枚葉で貼り合せて行なう方法と、ロール体で用意された長尺の各種の機能性フィルムをロールtoロールで連続して貼り合せて行ない、光学フィルターの作製されたロール状の長尺フィルムとし、ディスプレイの画面サイズに応じて裁断する方法のいずれを用いても作製することができる。
本発明に係わる長尺のディスプレイ用光学フィルムと、各種の機能性フィルムを積層して長尺の光学フィルターを作製する方法は、次のように行なわれる。
まず、剥離処理された表面が平滑な長尺の剥離フィルムの片面に、光学機能層として近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層などの機能層から必要とされる機能層を選択して積層した後、ロール状に巻いて光学積層フィルムのロール体を作製する。
次に、作製したロール体から巻き戻して供給される長尺のディスプレイ用光学フィルムと、ロール体から巻き戻して供給される長尺の光学積層フィルムとを、粘着剤層を介して貼り合せて長尺の積層フィルムからなる光学フィルターが作製される。
本発明では、必要に応じて、ロール体から巻き戻して供給される長尺の少なくとも近赤外線吸収層を有する光学機能性フィルムを用いることができる。
近赤外線吸収層は、近赤外線吸収剤層を含む両面粘着フィルムであることが好ましい。この場合には、当該両面粘着フィルムを構成する粘着剤層のうち光学機能性フィルムの外面に露出されるほうの粘着剤層を、光学フィルム10と光学機能性フィルムとを貼り合せる粘着剤層として利用することができる。
この近赤外線吸収層用の両面粘着フィルムを構成する両面の透明樹脂からなる剥離フィルム(セパレーター)を剥がして、例えば、ロール体から巻き戻して供給される、紫外線吸収剤が混入された長尺の透明基材や透明樹脂層と貼り合せる際、両面粘着フィルムのセパレーターは、片側のみ剥がしてあればよく、反対面のセパレーターは両面粘着フィルムと合わせたままで良い。
また、前記近赤外線吸収色素は、850nm〜1100nmの吸収波長帯において、それぞれ異なる波長帯域に吸収能の極大値を有する長波長用の吸収色素と短波長用の吸収色素との2種類からなることが好ましい。
近赤外線吸収色素が分散された透明樹脂層の機能としては、波長領域850〜1100nmの近赤外線透過率を15%以下、好ましくは10%以下に低下させるものであることが望ましい。
近赤外線吸収色素の具体例としては、インモニウム塩系化合物、ジインモニウム塩系化合物、アミニウム塩系化合物、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、アミノチオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、トリアリールメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化インジウムをドープした酸化錫、周期表の4族、5族または6族に属する金属の酸化物若しくは炭化物若しくはホウ化物等が挙げられる。
前記長波長用の近赤外線吸収色素がジインモニウム塩系化合物の中から選択された1種であり、かつ、前記短波長用の近赤外線吸収色素がフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物の中から選択された1種または2種類以上の色素であることが好ましい。
上記バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)は80〜160℃であることが好ましい。これにより、バインダー樹脂自体の耐候性が向上することになり、近赤外線吸収性塗膜の近赤外線吸収性能が持続すると共に、近赤外線吸収性塗膜自体の耐候性や物性がより向上することとなる。好ましくは、−50〜130℃であり、より好ましくは、20〜110℃であり、更に好ましくは、40〜100℃である。
このようなクエンチャーとしては、金属錯体系の材料が挙げられ、例えば、みどり化学社製の商品名「MIR101」、住友精化社製の商品名「EST5」等が挙げられる。
酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物等があり、これらを1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
上記近赤外線吸収剤層の厚さとしては、使用用途等により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。例えば、乾燥時の厚さを1〜50μm、好ましくは、1〜20μmである。
紫外線吸収層は、外部光による近赤外線吸収層の劣化を防ぐため、近赤外線吸収層よりも視覚側に設けられる。紫外線吸収層は、必要に応じて光学フィルターの適切な位置に一層または複数層設けることができる。
紫外線吸収層を形成する方法としては、透明基材や透明樹脂層、粘着剤層の中に紫外線吸収剤を混入させる方法、紫外線吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接または他の層を介して塗布する方法などが挙げられる。
ネオン光吸収層は、必要に応じて光学フィルターの適切な位置に一層または複数層設けることができる。ネオン光吸収層は、ディスプレイの発光するネオン光(吸収波長580〜620nm)を、ネオン光吸収剤を用いて除去することにより画像の赤色をより鮮明にするためのものである。ネオン光吸収層を形成する方法としては、透明基材や透明樹脂層、粘着剤層の中にネオン光吸収剤を混入させる方法、ネオン光吸収剤を含有する塗工液を透明基材上に直接または他の層を介して塗布する方法などが挙げられる。前記ネオン光吸収剤としては、例えば、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の色素のうち、波長580〜620nmの範囲に極大吸収波長を有する適当な色素が挙げられる。これらのネオン光吸収剤は、1種類、または2種類以上複合して用いることができる。
ディスプレイ用光学フィルターとして必要とされる機能性層としては、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層などが挙げられるが、求められる機能水準に応じて複数の機能性層を積層することが一般に行なわれる。
ここで、反射防止層は、光学フィルターの外側からの可視光線の反射を防ぐためのものであって、単層の場合は、透明基材に比べて屈折率の低い物質、例えば、ポリシロキサン構造を有するフッ素含有有機化合物、MgF2、SiO2等の薄膜を形成する。
反射防止層の膜厚は、光学的膜厚d(nm)を、d=λ/4(但し、λは設計波長で500〜580nm)と設定して単層の反射防止層を形成する。
また多層からなる場合は、透明基材に比べて高屈折率の物質、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ITOなどの薄膜と、透明基材に比べて低屈折率の物質、例えば酸化ケイ素の薄膜を交互に積層する。
このような金属酸化物薄膜の形成方法は特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、湿式塗布法などの公知の方法を用いて行なうことができる。
透明基材フィルムに直接又は他の層を介して、公知の方法にてハードコート層用の樹脂組成物を塗布して形成することにより耐磨耗性、耐擦傷性を付与することができる。
ハードコート層は、ハードコート剤を必要に応じて溶剤に溶解した液を、基材に塗布、乾燥、硬化させることにより形成することができる。
ハードコート剤としては、特に制限されることなく、熱硬化型ハードコート剤、紫外線硬化型ハードコート剤などの公知の各種ハードコート剤を用いることができる。
熱硬化型ハードコート剤としては、例えば、シリコーン樹脂系、アクリル樹脂系、メラミン樹脂系等ハードコート剤を用いることができる。シリコーン樹脂系ハードコート剤は従来のアクリル樹脂系ハードコート剤と比べ硬度、耐候性、耐擦傷性の点で優れている。
紫外線硬化型ハードコート剤の場合には、紫外線照射を行い硬化させる。紫外線照射は、キセノンランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等のランプを用いることができる。
ハードコート層の膜厚みは0.05〜5μm、好ましくは、0.5〜3μm程度の膜厚とすることにより、反射防止フィルムに耐磨耗性、耐擦傷性を付与することができる。
反射防止層の上に最外層として防汚層をコートする場合は、反射防止層の表面にフッ素系、シリコーン系の防汚コート剤を塗布した後、余分な塗布液を拭き取ることで防汚層を形成させることができる。
防汚層は、反射防止層を保護し、かつ、防汚性能を高めるものである。
防汚コート剤としては、フッ素系樹脂あるいはシリコーン系樹脂を用いることができる。例えば、反射防止層の低屈折率層をSiO2により形成した場合には、フルオロアルキルシランなどのフルオロシリケート系撥水性塗料が好ましく用いられる。
防汚層は、防汚コート剤を溶剤によって希釈したものを、スクリーン印刷、マイクログラビアコーター等によって塗工することに形成することができる。
また、ハードコート層に防汚機能を持たせる方法としては、ハードコート層中のハードコート剤、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂系ハードコート剤にフッ素系の紫外線硬化型防汚添加剤を少量添加することにより、表面機能材料としてフッ素系化合物の特長である撥水・撥油性に加え、優れた防汚性(指紋付着防止)をハードコート層の表面へ付与することができる。
本発明においては、機能性層の表面または内部に帯電防止層を形成することが好ましい。これにより、光学フィルターの表面に静電気の作用で塵・埃が付着するのを防止することができる。
機能性層の表面に塵・埃が付着するのを完全に防止するためには、表面抵抗率を1×1010(Ω/□)以下、更に好ましくは1×108(Ω/□)以下にする必要がある。
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が例示される。
これらの界面活性剤を含む液を樹脂フィルムの上に直接塗布する方法等によって帯電防止層の薄膜を形成することができる。
この帯電防止層は、前記の導電性の金属酸化物微粒子を含有したハードコート層の上に形成することもできる。
帯電防止剤の塗工方法としては、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、ディップコーター、スクリーン印刷などの公知の方法を適宜選定して用いることができる。
図3に示した、本発明に係わるディスプレイ用光学フィルム10は、透明基材1の一方の面に、ブラックストライプの遮光パターン7(または5)が、導電性の金属で形成されてなり、前記遮光パターンと電磁波シールド機能を有する金属メッシュパターン4とが、同一面の上で交差した複合パターンを形成している。透明基材1の他方の面には、導電性薄膜からなるメッシュパターンの表示電極15が形成されている。
一般的に、フィルム基材を用いてロールtoロールで生産するのが、生産性を高めるものとされている。
電極枠の寸法、配置パターンは、ディスプレイの画面サイズに応じて変更する必要がある。ディスプレイの画面サイズは、代表的には42インチ、50インチ、60インチ、65インチなどがある。
ディスプレイ1台ごとの枚葉のディスプレイ用光学フィルムを形成するには、ロール体の長尺の光学フィルムを電極枠の外形寸法で裁断する。
また、図3に示す本発明によるディスプレイ用光学フィルム10は、必要に応じて、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層のうち、1つ以上の機能層を積層し、例えば、図6に示すように透明基材21と反射防止層22からなるARフィルム23を粘着剤層24で貼り合せ、光学フィルターとして使用することができる。
この場合、電磁波シールド機能を有するメッシュパターン4(または2)は、透明基材1の上でブラックストライプの遮光パターン7(または5)の上をまたがって、ディスプレイ画面の全面にわたり形成することができるので、遮光パターンや表示電極に対し電磁波シールド材の位置合わせが不要になる。また、ブラックストライプを印刷等で形成する場合においても、他面に表示電極13が形成される同一の透明基材1に対して印刷等を行うので、位置合わせ精度を高くすることができる。
本実施の形態例のPTA表示装置の基本構成は、従来のPTAと同様に、赤色ガス放電管17a,緑色ガス放電管17b,青色ガス放電管17cの3本を基本単位とし、これらの発光管17a,17b,17cを、その軸方向と直交する方向に、規則的に多数アレイ配置した発光管アレイを備える。そして、発光管アレイの観察者側には表示電極15が配置され、背面側にはアドレス電極18が配置される。
アドレス電極18は、光透過性を必要としないので、その形状に制約はなく、例えばライン状パターンの金属膜で形成されている。
背面基材12は、PTA表示装置を発光管17a,17b,17cの軸方向と直交する方向に曲げられるようにするため、樹脂シートや樹脂フィルム等、可撓性を有する基材が好ましい。
Claims (10)
- 透明基材の一方の面に、ブラックストライプの遮光パターンと電磁波シールド機能を有する導電性薄膜からなるメッシュパターンとが形成されるとともに、前記透明基材の他方の面に、導電性薄膜からなるメッシュパターンの表示電極が形成されてなることを特徴とするディスプレイ用光学フィルム。
- 前記電磁波シールド機能を有するメッシュパターン、及び表示電極は、導電性薄膜で形成された細線パターン、または導電性薄膜で形成された細線パターンの上にメッキ層が積層されてなるメッキ積層パターンであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 前記電磁波シールド機能を有するメッシュパターンの表面が黒化処理されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 前記ブラックストライプの遮光パターン、及び前記電磁波シールド機能を有するメッシュパターンが、同一面の上で交差した複合パターンとして導電性薄膜により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 前記遮光パターン、電磁波シールド機能を有するメッシュパターン、及び表示電極は、導電性薄膜で形成された細線パターン、または導電性薄膜で形成された細線パターンの上にメッキ層が積層されてなるメッキ積層パターンであることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 前記遮光パターン、及び電磁波シールド機能を有するメッシュパターンの表面が黒化処理されてなることを特徴とする請求項4または5に記載のディスプレイ用光学フィルム。
- さらに、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、反射防止層、ハードコート層、防汚層、帯電防止層のうち、1つ以上の機能層を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 請求項1から7のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルムを備えたディスプレイ。
- プラズマチューブアレイ表示装置用であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のディスプレイ用光学フィルム。
- 前記ディスプレイがプラズマチューブアレイ表示装置であることを特徴とする請求項8に記載のディスプレイ。
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