JP2017182991A - 導電性パタン製造方法 - Google Patents

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Shigeki Shino
成樹 志野
赤岩 昌治
Shoji Akaiwa
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Abstract

【課題】導電性パタン間での短絡や断線が生じない、導電性パタン製造方法を提供する。
【解決手段】無電解銀めっき処理時において、該導電性パタン前駆体は直線状に搬送されており、搬送上流側の床面からの高さが搬送下流側より高く、かつ該導電性パタン前駆体の搬送角度が水平面である床面と平行な方向に対し20度以上90度以下であり、アンモニア性硝酸銀溶液を搬送上流側の表側にて、還元剤溶液を搬送下流側の表側にて付与せしめることを特徴とする導電性パタン製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、良好な導電性を有する導電性パタンが得られ、かつ導電性パタン間での短絡や断線が生じない、導電性パタン製造方法に関する。
従来、光透過性のタッチパネル、電磁波シールド材、ヒーター等においては、酸化スズ(SnO)、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性材料からなる薄膜(透明導電性薄膜)が用いられている。これらの薄膜は透明ではあるがシート抵抗値は100Ω/□以上であった。近年、透明導電性材料の低抵抗値化や低価格化が求められており、この透明導電性薄膜を金属細線から構成されるメッシュ様の導電性パタンに代替する検討が進んでいる。現在、メッシュを構成する金属細線の幅が20μm程度のものが、プラズマディスプレイパネル用の光透過性電磁波シールド材として量産され、タッチパネル用の光透過性電極としては、パタンの視認性(難視認性)の問題から、金属細線の幅は5μm以下、かつシート抵抗値が100Ω/□以下の十分な導電性を有するメッシュ様の導電性パタンが求められている。
現在、金属細線から構成されるメッシュ様の導電性パタンの形成方法としては、感光性レジスト層を金属箔上に設け、感光・現像工程からなる所謂フォトリソグラフィー法により任意のパタンでレジスト開口部を有するレジストパタンを形成した後、エッチングによりレジスト開口部の金属箔を溶解・除去し、金属箔を所望のパタンに加工するサブトラクティブ法が主に用いられているが、上記のようなファインピッチ化の要望から、エッチングする金属箔(主に銅箔)や感光性レジスト層の薄層化が急務となっている。
一方、ファインピッチ化の別の手段として、サブトラクティブ法に替えて、支持体上に薄層の下地金属層と下地金属層上に感光性レジスト層を形成し、感光性レジスト層を露光・現像によりレジストパタンとした後、電解めっき法によりレジスト開口部の下地金属層上に金属層を析出させ、所望の厚みとした後、レジストパタンおよびレジストパタンで保護された下地金属層を除去することにより、導電性パタンを形成する、いわゆるセミアディティブ法が提案されている。例えば特開2007−287953号公報(特許文献1)では支持体表面に第1金属層としてスパッタ金属層を形成し、上記セミアディティブ法を用い導電性パタンを形成する方法が開示されている。しかしながら、下地金属層であるスパッタ金属層を除去するエッチング工程が数回必要であり、また支持体表面のエッチングも行わなければならず、工程が多くなるため生産性は低いものであった。このような生産性を改善することを目的として、特開2010−45227号公報(特許文献2)では、下地金属層として写真製法によって得られた銀薄膜層を用い、その上に感光性レジスト層を設けた導電性材料前駆体が開示されている。しかしながら導電性パタンの形成には、依然としてエッチング工程が必要であり、十分満足できるものではなかった。
一方、エッチング工程を必要としないものとしては、特開平8−239773号公報(特許文献3)、特開平9−205270号公報(特許文献4)、特開平10−18044号公報(特許文献5)等に、プラスチックフィルム上に、膨潤性の水性樹脂、金属化合物の微粒子及び架橋剤を含有する無電解めっき用下地層を設け、これに無電解めっきを施すことで下地金属層を設け、その上に感光性レジスト層を設けた感光性シートが開示されており、該金属化合物の微粒子として、硫化パラジウムや硫化スズ等の金属硫化物が例示されている。これらの感光性シートを用いた導電性パタン形成方法においては、感光性レジスト層を露光・現像によりレジストパタンとした後に、露出した下地金属層に電解めっきが施され、その後、接着剤層が設けられた絶縁性支持体の接着層上に、めっき層(あるいはめっき層とレジスト画像)を転写させることで導電性パタンを形成するが、絶縁性支持体へのめっき層の転写や、その後のプラスチックフィルムの剥離等、煩雑な工程を経る必要があり、生産性の改善には至っていなかった。
上記したような生産性を解決する技術として、特開2014−197531号公報(特許文献6)が知られている。同公報には支持体上に水溶性高分子化合物、架橋剤および金属硫化物を含有する下地層と、感光性レジスト層をこの順に有する導電性パタン前駆体を用い、レジストパタン開口部に無電解銀めっき処理を行う方法が記載されている。この技術によって、高い生産性にて導電性材料が生産でき、また良好な導電性と、支持体との優れた密着性を有する導電性材料が得られる。しかしながら、導電性パタン間に短絡や断線が生じ易いという課題があった。なお、無電解銀めっき処理である銀鏡めっきを自動で行い、均一な薄膜を安定して提供可能な装置として、特開2005−152827号公報(特許文献7)が知られている。
特開2007−287953号公報 特開2010−45227号公報 特開平8−239773号公報 特開平9−205270号公報 特開平10−18044号公報 特開2014−197531号公報 特開2005−152827号公報
本発明の課題は、導電性パタン間での短絡や断線が生じない、導電性パタン製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の導電性パタンの製造方法により達成された。
1.支持体と、該支持体上の少なくとも一方の面に下地層と、該下地層上にレジストパタンを有する導電性パタン前駆体のレジストパタン開口部に、少なくとも無電解銀めっき処理を行う導電性パタン製造方法であって、該無電解銀めっき処理時において、該導電性パタン前駆体は直線状に搬送されており、搬送上流側の床面からの高さが搬送下流側より高く、かつ該導電性パタン前駆体の搬送角度が水平面である床面と平行な方向に対し20度以上90度以下であり、アンモニア性硝酸銀溶液を搬送上流側の表側にて、還元剤溶液を搬送下流側の表側にて付与せしめることを特徴とする導電性パタン製造方法。
本発明によって、導電性パタン間での短絡や断線が生じない、導電性パタン製造方法を提供することができる。
レジストパタンを片面に有するロール様の導電性パタン前駆体を用いた際の、本発明の一実施態様を示す概略図である。 レジストパタンを両面に有するロール様の導電性パタン前駆体を用いた際の、本発明の一実施態様を示す概略図である。 レジストパタンを両面に有する枚葉の導電性パタン前駆体を用いた際の、本発明の一実施態様を示す概略図である。 片面ロールツーロールタイプにおける無電解銀めっき処理ボックスの概略上面図である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性パタン製造方法に用いる導電性パタン前駆体(支持体と、該支持体上の少なくとも一方の面に下地層と、該下地層上にレジストパタンを有する導電性パタン前駆体)は、支持体の少なくとも片面に、水溶性高分子化合物、架橋剤および金属硫化物を含有する下地層と、該下地層上に感光性レジスト層を有する感光性材料を露光・現像することにより得ることができる。
上記した支持体は、下地層および該下地層上の感光性レジスト層を少なくとも片面に保持するための支持体、および後述する導電性パタンを保持するための支持体であり、樹脂等からなる基材だけではなく、その上に形成される易接着層等も含む。また支持体には耐傷性を目的としたハードコート層(HC層)や、反射率低減を目的としたアンチリフレクション層(AR層)等公知の層を含んでもよい。支持体の厚さは、20〜300μmであることが好ましい。基材としては絶縁性および可撓性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等からなるフィルムや、紙をポリオレフィン樹脂で被覆したレジンコート紙等を挙げることができる。なお、導電性パタンを有する導電性材料に光透過性が求められる場合、支持体は光透過性支持体であることが好ましく、また光透過性支持体の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましい。
支持体は易接着層を有することが好ましい。易接着層は支持体上の少なくとも一方の面に設ける下地層の面質、および支持体と下地層の密着性を向上させることができる。易接着層は、合成樹脂あるいは水溶性ポリマーを含有することが好ましく、かかる合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。また合成樹脂としては水分散性のポリマー(エマルジョンやラテックス)を利用することが好ましい。水溶性ポリマーとしては、例えばゼラチンやポリビニルアルコール等が挙げられる。更に易接着層はシリカ等のマット剤、イソシアネート、エポキシ等の架橋剤、滑剤、顔料、染料、界面活性剤、紫外線吸収剤を含有していてもよい。
また支持体の両面にレジストパタン開口部(レジストパタンにより被覆されておらず、下地層が露出している部分)を設ける場合には、下地層および該下地層上の感光性レジスト層を支持体の両面に形成し、支持体を構成する基材には感光性レジストの露光に用いる波長の光を透過しない材料を選択すれば良い。このような基材としてはカーボンブラック等の顔料や紫外線吸収剤が混練されたフィルム、例えば紫外線吸収ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを例示することができる。
次に下地層について説明する。本発明において下地層は水溶性高分子化合物と架橋剤および金属硫化物を含有することが好ましい。これにより支持体と導電性パタンの密着性を高め、また良好な導電性を有する導電性パタンを得ることができる。下地層が含有する水溶性高分子化合物としては水溶性のアニオン性高分子化合物、ノニオン性高分子化合物、及び両性高分子化合物等が挙げられる。アニオン性高分子化合物としては、天然由来の化合物、あるいは合成された化合物のいずれでも用いることができ、例えば−COO基、−SO 基等を有するものが挙げられる。具体的なアニオン性の天然高分子化合物としてはアラビアゴム、アルギン酸、ペクチン等があり、半合成品としてはカルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルローズ、リグニンスルホン酸等がある。また、合成品としては無水マレイン酸系(加水分解したものも含む)共重合体、アクリル酸系(メタクリル酸系も含む)重合体及び共重合体、ビニルベンゼンスルホン酸系重合体及び共重合体、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等がある。ノニオン性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等がある。両性の高分子化合物としてはゼラチン等がある。
上記した水溶性高分子化合物の中でも、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコールが好ましく、特に下地層がポリビニルアルコールを含有する場合、優れた密着性に加え、とりわけ優れた導電性を有する導電性パタンを得ることが可能となる。ポリビニルアルコールは下地層の皮膜形成性及び皮膜強靱性の観点から、完全または部分鹸化されたポリビニルアルコールが好ましく、中でも鹸化度が80%以上のポリビニルアルコールが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。本発明で用いられるポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
下地層は、支持体に対する導電性パタンの密着性を向上させることを目的として、水溶性高分子化合物に加えてウレタンポリマーラテックスを含有してもよい。ウレタンポリマーラテックスは、ウレタンポリマーエマルジョン、ポリウレタンラテックス、ポリウレタンエマルジョン、水性ウレタン樹脂等とも表記される。下地層が含有するウレタンポリマーラテックスはポリオールとポリイソシアネートから合成されるウレタンポリマーの微粒子を含有する。用いられるポリオールとしてポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。ウレタンポリマーラテックス中のウレタンポリマー微粒子の平均粒子径は0.01〜0.3μmであることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1μmである。なお、本発明において下地層に用いるウレタンポリマーラテックスは、下地層の塗液に用いる段階ではウレタンポリマー微粒子の水分散物であるが、下地層は塗布後乾燥され固体の塗膜となるため、下地層中でウレタンポリマーラテックスは、水分散物の状態やウレタンポリマー微粒子の粒子形状を保持している必要はない。
下地層が含有する架橋剤としては、25℃の水に対する溶解量が0.5質量%以上である架橋剤が好ましく、例えばクロム明ばん等の無機化合物、ホルムアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルデヒド類、尿素、エチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−s−トリアジン塩等の活性ハロゲンを有する化合物、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、N,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基を二個以上有する化合物、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)の2・6・7章、5・2章、9・3章などに記載の架橋剤等の、公知の高分子用架橋剤を用いることができる。中でも下地層が含有する水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコールを用いた場合、多価アルデヒド化合物を架橋剤として使用することが好ましい。架橋剤として多価アルデヒド化合物を用いた場合、とりわけ優れた導電性を有する導電性パタンを得ることが可能となる。
多価アルデヒド化合物の代表例としては、例えばグリオキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド、スクシンアルデヒド、ヘプタンジアール、オクタンジアール、ノナンジアール、デカンジアール、ドデカンジアール、2,4−ジメチルヘプタンジアール、4−メチルヘキサンジアールなどの脂肪族ジアルデヒドやテレフタルアルデヒド、フェニルマロンジアルデヒドなどの芳香族ジアルデヒド、更にはそれらとメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類が反応したアセタール化合物、及びN,N′,N″−(3,3′,3″−トリスルホミルエチル)イソシアヌレートなどのトリアルデヒド化合物が挙げられる。特に好ましい多価アルデヒド化合物はジアルデヒド化合物であり、特にグルタルアルデヒド及びグリオキザールが好適である。多価アルデヒド化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。下地層における架橋剤の含有量は、水溶性高分子化合物の含有量に対して1〜200質量%であることが好ましい。
下地層が含有する金属硫化物は、主に重金属の硫化物の微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)である。金属硫化物の代表例としては、例えば、金、銀等のコロイド粒子や、パラジウム、亜鉛、スズ等の水溶性塩と硫化物を反応させて得られた金属硫化物等が挙げられ、中でも硫化パラジウムが好ましい。下地層に用いる金属硫化物の含有量は、固形分で導電性パタン前駆体の1m当たり0.1〜10mgであることが好ましい。
下地層は、例えば上記した成分を含有する塗液を支持体上に塗布して形成することができ、ディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スリットダイコーティング、スプレーコーティングなどの公知の塗布方式で塗布することができるが、下地層を均一に塗布するという観点から、エアーナイフコーティング、グラビアコーティング(特に小径グラビアコーティング)、スリットダイコーティングが好ましい。また、塗布方式に合わせ、増粘剤、界面活性剤等の各種塗布助剤を用いることもできる。下地層は、皮膜の架橋を促進させるために皮膜形成後、30〜50℃の温度で3〜7日間加温することが望ましい。
本発明における感光性レジスト層は、ドライフィルムレジストをラミネートすることにより設けてもよいが、パタンの微細化の観点から、感光性液状レジストが塗布された感光性レジスト層であることが好ましい。また下地層との接触による経時変化を低減する観点から、ポジ型感光性レジスト層であることがより好ましい。
ポジ型感光性レジスト層としては、感光して溶解可能となった部分を、アルカリ水溶液を主成分とする現像液で溶解除去できる水処理可能なものが好ましく用いられる。特にキノンジアジド系ポジ型フォトレジスト層が好ましい。キノンジアジド系ポジ型フォトレジスト層は、アルカリ可溶性樹脂と光分解成分であるフォトセンシタイザーを含有する。アルカリ可溶性樹脂としてはクレゾールノボラック樹脂が好ましく、フォトセンシタイザーとしてはナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが好ましい。本発明において、ポジ型感光性レジスト層には、例えば強度を向上させるなどの目的で、アルカリ可溶性樹脂と相溶性のあるエポキシ樹脂やアクリル樹脂、可塑剤としてのポリビニルエーテル類、その他安定剤、レベリング剤、染料、顔料などを含有させてもよい。
上記ポジ型感光性レジスト層の乾燥膜厚としては、10μm以下であることが好ましく、5μm以下、さらには3μm以下であることがより好ましい。下限は必要なレジスト性能を確保する点、および塗布の均一性という観点から、0.5μm以上であることが好ましい。
感光性レジスト層の塗布は下地層と同様の塗布方式で実施することができ、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スリットダイコーティング、スプレーコーティングなどの公知の塗布方式で塗布することができるが、感光性レジスト層を均一に塗布するという観点から、エアーナイフコーティング、グラビアコーティング(特に小径グラビアコーティング)、スリットダイコーティングが好ましい。また、塗布方式に合わせ、増粘剤、界面活性剤等の各種塗布助剤を用いることもできる。なお、感光性レジスト層は塗布を行った後、60〜150℃で乾燥させることが好ましい。
次に、上記した下地層上にレジストパタンを有する導電性パタン前駆体の製造方法について説明する。本発明の導電性パタン製造方法に使用する該導電性パタン前駆体は、上述した感光性材料を露光後、現像することにより得ることができる。
露光方式としては、必要なサイズの光束を任意のパタンが描画されたマスクを介して感光性材料へ照射する、所謂マスク露光方式と、レーザー光をポリゴンミラーあるいはデジタルミラーデバイス(DMD)を用いて任意のパタンを照射する、レーザー直描方式に大別することができる。マスク露光方式には、マスクと感光性材料を密着して露光するコンタクト露光方式、マスクと感光性材料を1〜100μmの間隔を開けて露光するプロキシミティ露光方式、ミラーやレンズを用いて投影し露光する投影(プロジェクション)露光方式を挙げることができる。ここで任意のパタンとして、静電容量型タッチパネル用電極を例に取ると、かかるパタンは金属細線から構成されるメッシュ様のファインピッチな導電性パタンおよび周辺トレース配線を形成するための細線パタンを有し、メッシュ様部分は少なくとも正方形、菱形あるいは六角形等の格子パタンによって形成される。メッシュ様部分は、導電性や光透過性等を考慮して、線幅を1〜20μm、線間隔を100〜1000μmとする。また周辺トレース配線としてはライン&スペースで10〜200μmピッチに設定される。
次に露光された感光性レジスト層を有する感光性材料に対して現像処理が行われる。現像処理は、環境負荷低減の観点から、アルカリ性水溶液を使用することが好ましい。かかるアルカリ性水溶液としては、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等を含有するアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもでき、pHが11〜14であるアルカリ性水溶液を例示することができる。任意のパタンに露光された感光性レジスト層を現像処理し、水洗することで、下地層上に任意のパタンで下地層が露出したレジストパタン開口部を有する導電性パタン前駆体を得ることができる。
本発明における支持体と該支持体上に下地層と該下地層上にレジストパタンを有する導電性パタン前駆体は、ロール様あるいは枚葉の何れの形態でも良い。
本発明の導電性パタン製造方法では、上記のようにして得られた導電性パタン前駆体に無電解銀めっき処理を施すことで、レジストパタン開口部の下地層上に優先的に銀を積層せしめ、導電性パタンを形成する。無電解銀めっき処理は銀鏡めっきとも呼称され、一般的にアンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液は同時かつ同一箇所に付与される。しかしながら、前述のレジストパタンを有する導電性パタン前駆体に対してアンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液を同時かつ同一箇所に付与せしめると、レジストパタン開口部以外の感光性レジスト層表面にも無電解銀めっき処理が、レジストパタン開口部よりは少ないながらも施されてしまい、この感光性レジスト層表面に形成された銀めっき層は、後の工程で該レジスト層を剥離しても完全な除去が困難な層であるため、導電性パタン間の短絡や断線を誘発する。
本発明における無電解銀めっき処理では、導電性パタン前駆体が直線状に搬送されており、搬送上流側の床面からの高さが搬送下流側より高く、かつ該導電性パタン前駆体の搬送角度が、水平面である床面と平行な方向に対し20度以上90度以下であり、アンモニア性硝酸銀溶液を搬送上流側の表側にて、還元剤溶液を搬送下流側の表側にて付与せしめる。このようにして形成された銀めっき層は、レジスト開口部に十分な導電性を有する導電性パタンを形成しつつも、感光性レジスト層表面に形成される銀めっき層が非常に薄く感光性レジスト層表面からの脱離が容易となり、導電性パタン間の断線や短絡が減少する。
以下、本発明に好適に用いられる無電解銀めっき装置を、図面を用いて説明する。
図1は、レジストパタンを片面に有するロール様の導電性パタン前駆体を用いた際の、本発明の一実施態様を示す概略図である。図1において、ロール様の導電性パタン前駆体2は、巻き出し軸1に装着され、図中、矢印の方向に連続的に巻き出されて搬送される。巻き出し軸1には、張力制御手段3(例えば、パウダーブレーキ)が接続されており、搬送される導電性パタン前駆体2の張力が制御される。搬送はモータ5により回転駆動される駆動ロール4および搬送ロール6a〜6dにより行われる。
搬送ロール6a〜6dにより搬送される導電性パタン前駆体2は、搬送ロール6bおよび6c間にて直線状に搬送され、搬送上流側(搬送ロール6b側)の床面からの高さ(図中、床面は図示していない)は、搬送下流側(搬送ロール6c側)よりも高く、該導電性パタン前駆体2の搬送角度(図中、水平面である床面と平行な方向として示した一点鎖線と、導電性パタン前駆体2の搬送ラインが交わる角度θ)は30°である。
30°の搬送角度で搬送される導電性パタン前駆体2は、処理部13に案内される。処理部13は搬送上流側より順に、界面活性剤水溶液噴霧用スプレーガン7、液切り用エアナイフ8および8′が設けられた前処理ボックス14、無電解銀めっき用アンモニア性硝酸銀溶液噴霧用スプレーガン9、無電解銀めっき用還元剤溶液噴霧用スプレーガン10が設けられた無電解銀めっき処理ボックス15、水洗用スプレーガン11、液切り用エアナイフ12および12′が設けられた水洗処理ボックス16を有しており、かかる処理部13において、アンモニア性硝酸銀溶液を導電性パタン前駆体2の搬送上流側の表側にて、還元剤溶液を導電性パタン前駆体2の搬送下流側の表側にて付与する。なお本発明において表側とは、搬送される導電性パタン前駆体2の上面側の面(前記した搬送角度θと、導電性パタン前駆体2を介して対向する、対向角度θを形成する側の面)であり、本発明では搬送角度が90°の場合も表側に含むものとする。処理部13において無電解銀めっき処理が終了した導電性パタン前駆体2は、搬送ロール6cにより搬送方向を水平に変化させ、温風乾燥機17および17′が設置される乾燥部18に案内され、乾燥される。巻き取り軸19には該軸を駆動回転できる張力制御手段20(例えば、トルクモータ)が取り付けられている。本発明は、搬送上流側の表側にてアンモニア性硝酸銀溶液を、搬送下流側の表側にて還元剤溶液を付与し、導電性パタン前駆体の搬送角度を20度以上90度以下とすることによって、導電性パタン間での短絡が生じない導電性パタン製造方法を見出したものである。搬送角度が20°を下回る場合や搬送角度が90°を超える場合、および還元剤溶液を搬送上流側にて付与した場合などでは、後述する実施例に示したように、導電性パタン間で生じる断線や短絡を低減することはできない。
図2は、レジストパタンを両面に有するロール様の導電性パタン前駆体を用いた際の、本発明の一実施態様を示す概略図である。水平面である床面と平行な方向に対する導電性パタン前駆体の搬送角度が90°である場合、無電解銀めっきを施す導電性パタン前駆体の何れの面も、搬送角度が90°を超えることがない。このような場合、導電性パタン前駆体2の両面に対し、同時に無電解銀めっきを施すことが可能である。図2はこの様子を示したものである。
図2において、ロール様の導電性パタン前駆体22は、巻き出し軸21に装着され、図中、矢印の方向に連続的に巻き出されて搬送される。巻き出し軸21には、張力制御手段23(例えば、パウダーブレーキ)が接続されており、搬送される導電性パタン前駆体22の張力が制御される。搬送はモータ25により回転駆動される駆動ロール24および搬送ロール26a〜26dにより行われる。搬送ロール26a〜26dにより搬送される導電性パタン前駆体22は、搬送ロール26bおよび26c間にて直線状に搬送される。この時の導電性パタン前駆体22の搬送角度θは90°である。
90°の搬送角度で搬送される導電性パタン前駆体22は、処理部33に案内される。処理部33は搬送上流側より順に、界面活性剤水溶液噴霧用スプレーガン27および27′、液切り用エアナイフ28および28′を含む前処理ボックス34、無電解銀めっき用アンモニア性硝酸銀溶液噴霧用スプレーガン29および29′、無電解銀めっき用還元剤溶液噴霧用スプレーガン30および30′を含む無電解銀めっき処理ボックス35、水洗用スプレーガン31および31′、液切り用エアナイフ32および32′を含む水洗処理ボックス36を有する。処理部33において無電解銀めっき処理が終了した導電性パタン前駆体22は、搬送ロール26cにより搬送方向を水平に変化させ、温風乾燥機37および37′が設置される乾燥部38に案内され、乾燥される。巻き取り軸39には該軸を駆動回転できる張力制御手段40(例えば、トルクモータ)が取り付けられている。
図3は、レジストパタンを両面に有する枚葉の導電性パタン前駆体を用いた際の、本発明の一実施態様を示す概略図である。図3において、枚葉の導電性パタン前駆体41は、図示しない枠に取り付けられ、上から下へと垂直にリニアアクチュエータ42により搬送される。処理装置49内には搬送上流側より順に、界面活性剤水溶液噴霧用スプレーガン43および43′、液切り用エアナイフ44および44′を含む前処理ボックス50、無電解銀めっき用アンモニア性硝酸銀溶液噴霧用スプレーガン45および45′、無電解銀めっき用還元剤溶液噴霧用スプレーガン46および46′を含む無電解銀めっき処理ボックス51、水洗用スプレーガン47および47′、液切り用エアナイフ48および48′を含む水洗処理ボックス52を有する。無電解銀めっき処理が終了した導電性パタン前駆体41は、処理装置49より取り出される。
次に、上記した処理部13、処理部33、および処理装置49内で行われる無電解銀めっき処理について説明する。
無電解銀めっき処理に用いる還元剤溶液としては、グルコース、グリオキザール等のアルデヒド化合物、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジンまたはヒドラジン水和物等のヒドラジン化合物等の還元剤、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウムに代表される強アルカリ剤を含有する還元剤溶液が挙げられ、かかる還元剤溶液は、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウム等を含有してもよい。
アンモニア性硝酸銀溶液は、無電解銀めっき処理における金属銀の析出速度を速めるためにいくつかの添加剤を含有することもできる。例えば、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミノアルコール化合物、グリシン、アラニン、グリシンナトリウム等のアミノ酸またはその塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、レジストパタン開口部の下地層上に、より均一に銀を積層させるという観点から、無電解銀めっき処理を行う直前に、該導電性パタン前駆体の表面に、前処理として、水、あるいは界面活性剤水溶液を付与してもよい。かかる界面活性剤としては、公知の界面活性剤を広く用いることができる。
本発明の導電性パタン製造方法における、無電解銀めっき処理時間としては5〜300秒が好ましい。これによりレジストパタン開口部の下地層上に積層される金属の厚みは、0.1〜1μm程度に調整することができる。
上記した無電解銀めっき処理を行った後、液切り、水洗、乾燥を行うことが好ましい。液切り方法としては、スポンジロール等により挟む方法や、エアナイフを設ける方法等があるが、エアナイフに代表される非接触による方法を用いることが好ましい。水洗は液切りの前後どちらでもよい。
本発明の導電性パタン製造方法において、上記無電解銀めっき処理後、感光性レジスト層の剥離処理を行うことが好ましい。剥離処理の前に、感光性レジスト層の膨潤・溶解性を向上させるために、感光性レジスト層に対し感光性レジスト層を露光可能な波長の光で副露光を行っても良い。剥離処理は、感光性レジスト層を膨潤させる有機溶剤および・またはアルカリ性水溶液等からなる剥離液をスプレーにより吹き付け、感光性レジスト層を膨潤・溶解させ、除去する処理である。環境負荷低減の観点から、剥離液にはアルカリ性水溶液を使用することが好ましい。かかるアルカリ性水溶液としては、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等を含有するアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもでき、pHが11〜14であるアルカリ性水溶液を例示することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
≪導電性パタン前駆体1の作製≫
支持体として、ポリビニルアルコールを含有する易接着層を有する厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(全光線透過率90%)を用いた。フィルム幅は500mm、フィルム長さは100mとした。下記硫化パラジウムゾルを調製し、該硫化パラジウムゾルを用いて下記下地層1の塗液を作製した。塗布装置には、直径が60mm、斜線角度が45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmの斜線グラビアロールを用いリバース回転かつキスタッチで塗布を行う塗布ヘッドを有する塗布装置を用い、前記した易接着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムの易接着層上に、該塗液を塗布・乾燥し、ロール様に巻き取り、その後40℃の加温庫にて1週間加温した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 48g
蒸留水 1000g
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000g
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<下地層1の塗液/1mあたり>
PVA217(株式会社クラレ製ポリビニルアルコール 鹸化度88%、重合度1700) 12mg
タイポールNPS−436(泰光油脂化学工業株式会社製界面活性剤)
12mg
1N.水酸化ナトリウム 110mg
グルタルアルデヒド 18mg
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
このようにして形成された下地層1上に、クレゾールノボラック樹脂、およびナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを含有するキノンジアジド系ポジ型感光性液状レジストを前記した塗布装置を用いて塗布し、90℃で2分間乾燥しロール状に巻き取り、乾燥膜厚1.5μmの感光性レジスト層が設けられたロール様の感光性材料1を得た。
<レジストパタン開口部を有する導電性パタン前駆体1の作製>
上記のようにして得られた感光性材料1をロールツーロールタイプの露光装置を用いて露光を行った。ロールツーロールタイプの露光装置は、ロール様の感光性材料1の巻き出し部、露光部、ロール様の感光性材料1の巻き取り部からなる。マスクには外形450mm×450mmのソーダガラスマスクを用い、線幅が3μm、線間隔が300μmの格子パタンからなる8mm×400mのストライプ様の導電性パタンが、0.1mm間隔で49本描画され、画像部以外は全て遮光部としたものを用いた。露光には超高圧水銀灯の発光を赤外線領域を透過する誘電体多層膜からなる凹面ミラー(ダイクロイックミラー)により集光しフライアイレンズを通過させた後、凹面ミラー光学系を通過させることで疑似平行光とした光源を用いた。1露光単位と次の露光単位との間隔は500mmとし、かかる露光を繰り返し実施した。露光後のロール様の感光性材料1は、ロールツーロールタイプの現像装置を用いて現像を行った。ロールツーロールタイプの現像装置は、ロール様の感光性材料1の巻き出し部、現像槽、水洗槽、エアナイフ、乾燥機、および巻き取り部を有している。現像槽並びに水洗槽においてはシャワーノズルを用い、現像液および水洗水の吹き掛けを行った。現像液には1%炭酸ナトリウム水溶液を用いた。現像液の温度は30℃、現像時間は30秒として現像処理を行い、レジストパタン開口部を有するロール様の導電性パタン前駆体1を得た。レジストパタン開口部のレジスト層は完全に除去され、下地層が露出していた。
<導電性パタン1の作製>
図1に示した無電解銀めっき装置であって、搬送上流側の床面からの高さが搬送下流側より高く、かつ該導電性パタン前駆体の搬送角度θが水平面である床面と平行な方向に対し40度である無電解銀めっき装置1を用いて、無電解銀めっきを行った。図4は片面ロールツーロールタイプにおける無電解銀めっき処理ボックスの概略上面図であり、該無電解銀めっき処理ボックス62内に導電性パタン前駆体1(61)が矢印の方向に搬送され、2本のスプレーガン63からは下記のアンモニア性硝酸銀溶液を、2本のスプレーガン64からは下記の還元剤溶液を噴霧した。スプレーガンの噴霧パタンは、図4の領域65および領域66に示されるように設定した。すなわちアンモニア性硝酸銀溶液が搬送上流側の表側、還元剤溶液が搬送下流側の表側に付与されるようにした。各スプレーガンに供給されるアンモニア性硝酸銀溶液、および還元剤溶液の液量は何れも100ml/分、ロール様の導電性パタン前駆体1の搬送速度は1m/分、無電解銀めっき時間は30秒とした。前処理ボックス54並びに水洗処理ボックス56においては、0.5質量%タイポールNPS−436(泰光油脂化学工業株式会社製界面活性剤)水溶液および水洗水を付与した。
<アンモニア性硝酸銀溶液>
C液 硝酸銀 20g
脱イオン水 1000g
D液 28%アンモニア水溶液 100g
モノエタノールアミン 5g
脱イオン水 1000g
C液とD液を1:1で混合し、アンモニア性硝酸銀溶液を調液した。
<還元剤溶液>
硫酸ヒドラジン 10g
モノエタノールアミン 5g
水酸化ナトリウム 10g
脱イオン水 1000gに溶解し、還元剤溶液を調液した。
次に、剥離装置を用い、感光性レジスト層の剥離処理を行った。剥離装置は、導電性パタン前駆体の巻き出し部、剥離槽、水洗槽、液切り用エアナイフ、乾燥機、および導電性パタンの巻き取り部をこの順に有する。剥離槽並びに水洗槽においてはシャワーノズルを用い、剥離液および水洗水の吹き掛けを行った。剥離液には5%水酸化ナトリウム水溶液を用い、剥離液温度30℃、剥離時間60秒として剥離処理を行い、ロール様の導電性パタン1を得た。
<導電性パタン2の作製>
導電性パタン1の作製において、2本のスプレーガン63からは上記の還元剤溶液を、2本のスプレーガン64からは上記のアンモニア性硝酸銀溶液を噴霧するようにし、還元剤溶液が搬送上流側、アンモニア性硝酸銀溶液が搬送下流側に付与されるようにした以外は導電性パタン1の作製と同様にして、ロール様の導電性パタン2を得た。
<導電性パタン3の作製>
導電性パタン1の作製において、処理部における導電性パタン前駆体1の搬送角度θが70度の無電解銀めっき装置2を用いる以外は、導電性パタン1の作製と同様にして、ロール様の導電性パタン3を得た。
<導電性パタン4の作製>
導電性パタン1の作製において、処理部における導電性パタン前駆体1の搬送が水平(搬送角度θが0°)の無電解銀めっき装置3を用いる以外は、導電性パタン1の作製と同様にして、ロール様の導電性パタン4を得た。
<導電性パタン5の作製>
導電性パタン1の作製において、搬送上流側の床面からの高さが搬送下流側よりも低く、処理部における導電性パタン前駆体1の搬送角度θが110°の無電解銀めっき装置4を用いる以外は、導電性パタン1の作製と同様にして、ロール様の導電性パタン5を得た。
<短絡数>
ロール様の導電性パタン1〜5が有する任意の位置の1露光単位中に存在する49本のストライプパターンの間の48カ所について、隣り合うストライプパターン間に導通があれば短絡とし、10露光単位中における480カ所の短絡数を集計した結果を表1に示す。
<断線数>
ロール様の導電性パタン1〜5が有する任意の位置の1露光単位中に存在する49本のストライプパターンを切り離し、両端の導通を測定し、導通が無ければ断線とした。10露光単位中における490本のストライプパターンの断線数を集計した結果を表1に示す。
以上の結果より、短絡および断線が改善された導電性パタンを作製できることが判る。
1 巻き出し軸
2 導電性パタン前駆体
6a〜6d 搬送ロール
9 無電解銀めっき用アンモニア性硝酸銀溶液噴霧用スプレーガン
10 無電解銀めっき用還元剤溶液噴霧用スプレーガン
13 処理部
15 無電解銀めっき処理ボックス
18 乾燥部
19 巻き取り軸

Claims (1)

  1. 支持体と、該支持体上の少なくとも一方の面に下地層と、該下地層上にレジストパタンを有する導電性パタン前駆体のレジストパタン開口部に、少なくとも無電解銀めっき処理を行う導電性パタン製造方法であって、該無電解銀めっき処理時において、該導電性パタン前駆体は直線状に搬送されており、搬送上流側の床面からの高さが搬送下流側より高く、かつ該導電性パタン前駆体の搬送角度が水平面である床面と平行な方向に対し20度以上90度以下であり、アンモニア性硝酸銀溶液を搬送上流側の表側にて、還元剤溶液を搬送下流側の表側にて付与せしめることを特徴とする導電性パタン製造方法。
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