JP2016125931A - データグローブ - Google Patents

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保郎 奥宮
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幸司 谷高
鈴木 克典
Katsunori Suzuki
克典 鈴木
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Abstract

【課題】本発明は、着用による違和感が小さく、手の動きを比較的正確に検出できるデータグローブを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のデータグローブは、手袋本体と、この手袋本体の第1指から第5指の少なくとも1指の背側の中手指節間関節近傍に相当する領域に配設される第1の歪センサ及び第2の歪センサを備え、この第1の歪センサが前記領域の近位遠位方向の伸縮を検出し、第2の歪センサが前記領域の左右方向の伸縮を検出するよう構成されているデータグローブである。前記第1の歪センサ及び第2の歪センサが交差するよう配設されているとよい。前記第1の歪センサ及び第2の歪センサの交差角が略垂直であるとよい。前記第1の歪センサ及び第2の歪センサの配設位置が第1指であるとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、データグローブに関する。
人の手の指の動きを検出するために手袋に複数のセンサを配設したデータグローブが市販されている。市販のデータグローブは、通常、手の各関節に相当する部位に曲げセンサが配設され、関節の角度をリアルタイムに検出する。
このようなデータグローブは、ゲーム等に利用される仮想現実(バーチャルリアリティ)技術において手の動きを再現するだけでなく、例えばゴルフスイング等のスポーツ時やピアノ等の楽器演奏時における手の動きを科学的に解析するためにも利用することが検討されている。
特に、プロスポーツ選手やプロミュージシャンの手の動きを解析する場合、わずかな動きの違いが大きな意味を有することがある。しかしながら、従来のデータグローブでは、多数のセンサが配設されているデータグローブの着用による違和感によって通常通りの動きが再現できず、有効なデータが得られないことがある。
また、手袋にその生地の伸縮を検出するセンサを配設することによって、指の曲げ伸ばしを検出するデータグローブも提案されている(例えば特開2000−329511号公報参照)。しかしながら、指の間接の中には、例えば第2指から第4指の中手指節間関節のように、背腹方向の曲げ伸ばしだけでなく、左右方向の搖動が可能な関節もある。従って、前記公報に記載のデータグローブでは、手の動きを正確に検出することができない。
特開2000−329511号公報
前記不都合に鑑みて、本発明は、着用による違和感が小さく、手の動きを比較的正確に検出できるデータグローブを提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた発明は、手袋本体と、この手袋本体の第1指から第5指の少なくとも1指の背側の中手指節間関節近傍に相当する領域に配設される第1の歪センサ及び第2の歪センサを備え、この第1の歪センサが前記領域の近位遠位方向の伸縮を検出し、第2の歪センサが前記領域の左右方向の伸縮を検出するよう構成されているデータグローブである。なお、「背側」とは、関節の曲げ伸ばし方向外側を意味し、その反対側を「腹側」という。また、「中手指節間関節近傍」とは、中手指節間関節を形成する中手骨の中央から基節骨の中央までの領域を意味する。
当該データグローブは、第1指から第5指の少なくとも1指の中手指節間関節(MP関節:指の付け根の関節)の背側において手袋本体の2方向の伸びを測定することにより、その指の曲げ伸ばしと、左右方向の搖動とを検出することができる。従って、当該データグローブは、指の3次元の動きを比較的正確に検出することができる。
前記第1の歪センサ及び第2の歪センサが交差するよう配設されているとよい。このように、歪センサが交差するよう配設されることで、手袋本体の略同じ領域の異なる2方向の伸縮を検出することができ、指の動きをより正確に検出できる。
前記第1の歪センサ及び第2の歪センサの交差角が略垂直であるとよい。このように、第1の歪センサ及び第2の歪センサが略垂直に配置されることによって、背腹方向の曲げ伸ばしと左右方向の搖動とを比較的高精度に検出することができる。ここで、「略垂直」とは、両者の間の角度が60°以上であることをいい、好ましくは80°以上であることをいう。
前記第1の歪センサ及び第2の歪センサの配設位置が第1指(親指)であるとよい。このように、左右方向に搖動することが多い第1指の背腹方向の曲げ伸ばしと左右方向の搖動とを検出することによって、手の動きをより正確に把握することができる。
以上のように、本発明のデータグローブは、着用による違和感が少なく、手の動きを比較的正確に検出できる。
本発明の一実施形態のデータグローブを示す模式的平面図である。 図1のデータグローブを示す模式的裏面図である。 図1のデータグローブの着用状態を示す模式的斜視図である。 図1とは異なる実施形態のデータグローブを示す模式的平面図である。 図1及び図4とは異なる実施形態のデータグローブを示す模式的平面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第1実施形態]
図1乃至図3のデータグローブは、手袋本体1と、この手袋本体1に配設される第1の歪センサ2、第2の歪センサ3、4つの第3の歪センサ4、4つの第4の歪センサ5、及び2つの第5の歪センサ6と、手袋本体1に配設されるフレキシブルプリント回路板7と、手袋本体1に配設され、各歪センサ2,3,4,5、6とフレキシブルプリント回路板7とを接続する複数の配線8とを備える。
第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3は、手袋本体1の第1指(親指)の背側の中手指節間関節(MP関節:指の付け根の関節)近傍に相当する領域の外面側に配設される。第3の歪センサ4は、手袋本体1の第2指から第5指(人差し指から小指)の背側の近位指節間関節(PIP関節:指の第2関節)に相当する領域の外面側それぞれ配設される。第4の歪センサ5は、手袋本体1の第2指から第5指の背側の中手指節間関節(MP関節:指の付け根の関節)に相当する領域の外面側にそれぞれ配設される。第5の歪センサ6は、第2指及び第5指の腹側の基節骨に相当する領域の外面側にそれぞれ配設される。ここで、手袋本体1の「内面」とは、手袋本体1を着用したとき着用者の手に接する側の面をいい、着用時に外部に露出する側の面は「外面」という。
また、当該データグローブは、歪センサ2,3,4,5,6とそれぞれの配線8との接続を強化する剥離防止材9と、手袋本体1の近位指節間関節の間に相当する部分の内面側にそれぞれ近位遠位方向に延設される複数の防伸部10と、手袋本体1の背側の内面側に、防伸部10の間を接続するよう配設される接続部11とをさらに備える。
<手袋本体>
手袋本体1は、着用者の手に着用可能な袋状に、より詳しくは着用者の5本の指を個別に収容する5つの指収容部を有する形状に形成される。この手袋本体1は、例えば掌及び5本の指の腹側部分を覆う腹側生地と、この腹側生地と略同形状で、手の甲及び5本の指の背側部分を覆う背側生地とを縫い合わせて形成される。
手袋本体1の材質としては、ニット、織物、不織布、ゴム、皮革等が挙げられるが、伸縮性を有するものが好ましく、中でもニットが特に好適に用いられる。
手袋本体1の5本の指収容部は、それぞれ着用者の指先、具体的には遠位指節間関節よりも遠位側部分を露出させるよう開口していることによって、指の曲げ伸ばしにより背側の生地の張力により指の曲げ伸ばしを阻害したり、着用者に違和感を与えることを防止している。また、指先を露出することで、指先を使った作業がし易くなり、楽器演奏等も違和感なく行うことができる。
また、図1のデータグローブの手袋本体1は、中手指節間関節に相当する部分の第4の歪センサ5よりも近位側の部分が、第4の歪センサ5の延長線上において左右方向(近位遠位方向と垂直方向)に延在するたるみ1aを有する。具体的には、手袋本体1は、背側生地が腹側生地と接合される際に、手の甲の手首寄りの部分をひだ寄せするようギャザー又はタックを形成するよう縫い縮められている。
このたるみ1aは、手首の曲げ伸ばしにより手袋本体1の背側の生地に作用する近位遠位方向の張力を緩和し、手首の曲げ伸ばしが第4の歪センサ5の検出値に誤差を招来することを防止する。
手袋本体1を形成する生地の幅1cmあたりの10%伸び荷重の下限としては、0.01N/cmが好ましく、0.02N/cmがより好ましく、0.03N/cmがさらに好ましい。一方、手袋本体1を形成する生地の幅1cmあたりの10%伸び荷重の上限としては、0.5N/cmが好ましく、0.25N/cmがより好ましく、0.1N/cmがさらに好ましい。手袋本体1を形成する生地の幅1cmあたりの10%伸び荷重が前記下限に満たない場合、当該データグローブの着用者の手に対する密着性が不足し、歪センサ2,3,4,5,6の位置がずれることにより検出精度が不十分となるおそれがある。逆に、手袋本体1を形成する生地の幅1cmあたりの10%伸び荷重が前記上限を超える場合、歪センサ2,3,4,5,6が指の曲げ伸ばしに対する抵抗力を生じることにより当該データグローブの着用者に違和感を与えるおそれがある。
ここで、「10%伸び荷重」とは、測定対象物を1.1倍の長さに延伸するために必要とされる荷重(張力)を意味する。
<歪センサ>
歪センサ2,3,4,5,6は、帯状に形成され、その長手方向の伸縮により電気的特性(例えば抵抗値、静電容量等)が変化することで、手袋本体1の伸縮を電気的に検出する。
これらの歪センサ2,3,4,5,6は着用者に違和感を与え難いよう、手袋本体1を構成する生地の表面側に積層されることが好ましい。
第1の歪センサ2は、第1指の中手指節間関節(MP関節)の背側に相当する領域の外面側に近位遠位方向に延在するよう配設される。つまり、第1の歪センサ2は、遠位端が基節骨の背側に配置され、近位端が中手骨の背側に配置されるよう手袋本体1に貼着される。具体的には、第1の歪センサ2は、手袋本体1の腹側生地の側縁近傍に、腹側生地と背側生地との縫い目と略平行に配設される。なお、第1指の背側とは、中手指節間関節及び指節間関節の曲げ伸ばし方向外側(伸ばす側)を意味し、当該データグローブ着用時には、第2指から第5指の背側とは異なる向きとなる。よって、この第1の歪センサ2は、第1指の中手指節間関節を曲げると伸長し、第1指の中手指節間関節を伸ばすと収縮する。従って、第1の歪センサ2は、手袋本体1の近位遠位方向の伸縮を検出するよう構成されている。
第2の歪センサ3は、第1指の中手指節間関節の背側に相当する領域の外面側に左右方向に延在するよう配設される。より詳しくは、第2の歪センサ3は、一端が第1指の中手指節間関節と第2指の中手骨との間に相当する位置に配置され、他端が第1指の中手指節間関節の第2指と反対側に配置される。このため、第2の歪センサ3は、主に手袋本体1の背側生地上に延在し、前記他端が手袋本体1の腹側生地の背側生地との合わせ目近傍の腹側生地上に位置するよう配設される。この第2の歪センサ3は、第1指の中手骨が掌側に搖動すると伸長し、甲側に搖動すると収縮する。従って、第2の歪センサ3は、手袋本体1の左右方向の伸縮を検出するよう構成されている。
第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3は、互いに交差するよう配設されることが好ましい。また、第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3の交差角としては、略垂直が好ましい。第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3は、一方の端部に他方が重なるよう、T字状又はL字状に配置されてもよい。
第3の歪センサ4は、第2指から第5指の近位指節間関節(PIP関節:指の第2関節)の背側に相当する領域の外面側に配設される。つまり、第3の歪センサ4は、遠位端が中節骨の背側に配置され、近位端が基節骨の背側に配置されるよう手袋本体1に貼着される。この第3の歪センサ4は、対応する指の近位指節間関節を曲げると伸長し、対応する指の近位指節間関節を伸ばすと収縮する。従って、第3の歪センサ4は、手袋本体1の近位遠位方向の伸縮を検出するよう構成されている。
第4の歪センサ5は、第2指から第5指の背側の中手指節間関節の背側に相当する領域に配設、つまり遠位端が基節骨の背側に配置され、近位端が中手骨の背側に配置されるよう手袋本体1に貼着される。この第4の歪センサ5は、対応する指の中手指節間関節を曲げると伸長し、対応する指の中手指節間関節を伸ばすと収縮する。従って、第4の歪センサ5は、手袋本体1の近位遠位方向の伸縮を検出するよう構成されている。
第5の歪センサ6は、第2指及び第5指の腹側に基節骨に沿うように配設される。この第5の歪センサ6は、対応する指を背側に反らせると伸長し、対応する指を腹側に戻すと収縮する。従って、第5の歪センサ6は、手袋本体1の近位遠位方向の伸縮を検出するよう構成されている。なお、第5の歪センサ6は、中手指節間関節及び近位指節間関節の折り曲げ動作を阻害しないよう、中手指節間関節及び近位指節間関節に重ならないよう配設される。
これら歪センサ2,3,4,5,6としては、伸縮により抵抗値が変化する歪抵抗素子を用いることができ、特に、カーボンナノチューブ(以下、CNTということがある)を用いたCNT歪センサが好適に用いられる。
前記CNT歪センサは、例えば手袋本体1に貼着される伸縮可能なシート状の基材と、この基材の表面側に積層されるCNT膜と、前記CNT膜を保護する保護膜とを備える構成とすることができる。
前記CNT歪センサの基材の平均厚さとしては、例えば10μm以上5mm以下とすることができる。
この基材の材質としては、柔軟性を有する限り特に限定されず、例えば合成樹脂、ゴム、不織布、変形可能な形状又は材質の金属や金属化合物等を挙げることができる。
前記合成樹脂としては、例えばフェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、ポリメチルメタアクリル(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状ポリオレフィン(COP)等を挙げることができる。
前記ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(U)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、塩素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、フッ素ゴム(FKM)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等を挙げることができる。これらのゴムの中でも強度等の点から天然ゴムが好ましい。
また、前記CNT歪センサのCNT膜は、正面視矩形形状を有している。このCNT膜の長手方向の両端部分には電極が形成され、この電極に配線8が導電性接着剤によって接合される。
このCNT膜は、多数のCNT繊維を含有する樹脂組成物で形成される。具体的には、CNT膜は、一方向に配向する複数のCNT繊維からなる複数のCNT繊維束と、この複数のCNT繊維束の周面を被覆する樹脂層とを有する。このようなCNT膜に近位遠位方向に延伸する歪みが加わった場合に、CNT繊維同士の接触具合に変化が起こり、歪センサとして抵抗変化を得ることができる。なお、より効率良く歪みを検出するには、CNT膜中のCNT繊維が伸縮方向に配向されていることが好ましい。
CNT膜の無荷重状態での平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、CNT膜の平均厚さの上限としては、1mmが好ましく、0.5mmがさらに好ましい。CNT膜の平均厚さが前記下限に満たない場合、このような薄膜の形成が困難になるおそれや、伸長時に抵抗が上昇し過ぎるおそれがある。逆に、CNT膜の平均厚さが前記上限を超える場合、伸縮性が不十分となるおそれや、伸縮に対する抵抗変化、つまり検出感度が不十分となるおそれや、着用者に違和感を与えるおそれがある。
なお、CNT膜は、CNT繊維を平面状に略平行に配置した単層構造からなってもよいし、多層構造からなってもよい。但し、ある程度の導電性を確保するためには、多層構造とすることが好ましい。
CNT繊維としては、単層のシングルウォールナノチューブ(SWNT)や、多層のマルチウォールナノチューブ(MWNT)のいずれも用いることができるが、導電性及び熱容量等の点から、MWNTが好ましく、直径1.5nm以上100nm以下のMWNTがさらに好ましい。
また、前記CNT歪センサの樹脂層は、樹脂を主成分とし、複数のCNT繊維束の周面を被覆する層である。樹脂層の主成分としては、前記基板の材料として例示した合成樹脂やゴム等を挙げることができ、これらの中でもゴムが好ましい。ゴムを用いることで、大きな歪みに対してもCNT繊維の十分な保護機能を発揮することができる。
このようなCNT歪センサによって形成される歪センサ2,3,4,5,6の無荷重状態での平均幅の下限としては、0.1mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、歪センサ2,3,4,5,6の平均幅の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。歪センサ2,3,4,5,6の平均幅が前記下限に満たない場合、検出感度が不十分となるおそれや、指の曲げ伸ばしにより歪センサ2,3,4,5,6が断裂するおそれがある。逆に、歪センサ2,3,4,5,6の平均幅が前記上限を超える場合、着用者に違和感を与えるおそれがある。
また、歪センサ2,3,4,5,6の無荷重状態での平均長さの下限としては、3mmが好ましく、5mmがより好ましい。一方、歪センサ2,3,4,5,6の平均長さの上限としては、60mmが好ましく、30mmがより好ましい。歪センサ2,3,4,5,6の平均長さが前記下限に満たない場合、関節の背側に正確に配置することができず、関節の曲げ伸ばしによる歪センサ2,3,4,5,6の伸縮が不十分となり、指の動きを正確に検出できないおそれがある。逆に、歪センサ2,3,4,5,6の平均長さが前記上限を超える場合、第3の歪センサ4と第4の歪センサ5とが干渉して、近位遠位方向に並べて配設できないおそれがある。なお、歪センサ2,3,4,5,6は、長さが互いに異なってもよい。第3の歪センサ4の平均長さ及び第4の歪センサ5の長さが指毎に異なってもよい。
また、歪センサ2,3,4,5,6の10%伸び荷重の下限としては、0.01Nが好ましく、0.03Nがより好ましく、0.05Nがさらに好ましい。一方、歪センサ2,3,4,5,6の10%伸び荷重の上限としては、0.5Nが好ましく、0.3Nがより好ましく、0.2Nがさらに好ましい。歪センサ2,3,4,5,6の10%伸び荷重が前記下限に満たない場合、対応する指の曲げ伸ばし以外の要因で伸縮することにより検出精度が不十分となるおそれがある。逆に、歪センサ2,3,4,5,6の10%伸び荷重が前記上限を超える場合、伸長時の反力が大きくなり、着用者に違和感を与えるおそれがある。
それぞれの歪センサ2,3,4,5,6の無荷重状態での抵抗値の下限としては、例えば10Ωが好ましく、100Ωがより好ましい。一方、歪センサ2,3,4,5,6の無荷重状態での抵抗値の上限としては、100kΩが好ましく、10kΩがより好ましい。歪センサ2,3,4,5,6の無荷重状態での抵抗値が前記下限に満たない場合、伸びを検出するための電流が大きくなり消費電力が大きくなるおそれがある。逆に、歪センサ2,3,4,5,6の無荷重状態での抵抗値が前記上限を超える場合、検出回路の電圧が高くなり、小型化及び省電力化が困難となるおそれがある。
それぞれの歪センサ2,3,4,5,6の伸長による抵抗値の変化率は、十分な検出精度が得られるよう適宜選択されるものであるが、歪センサ2,3,4,5,6の無荷重状態での抵抗値に対する10%延伸した状態での抵抗値の比としては、例えば2倍以上20倍以下とされる。
手袋本体1への歪センサ2,3,4,5,6の貼着は、手袋本体1及び歪センサ2,3,4,5,6の伸縮を阻害しない接着剤が用いられる。このような接着剤としては、例えば湿気硬化型ポリウレタン接着剤等が挙げられる。
<フレキシブルプリント回路板>
フレキシブルプリント回路板7は、可撓性を有する印刷回路基板であり、配線8を不図示のコンピュータ等に接続するためのコネクタ7aが近位端側に実装されている。このフレキシブルプリント回路板7は、コネクタ7aが着用者の手の甲に圧接されて違和感を与え難いよう、遠位端のみが手袋本体1に固定されている。
<配線>
配線8は、手袋本体1の表面に配設され、歪センサ2,3,4,5,6とフレキシブルプリント回路板7とを電気的に接続する。この配線8は、歪センサ2,3,4,5,6の一端をそれぞれフレキシブルプリント回路板7に接続する検出配線部8aと、歪センサ2,3,4,5,6の他端を相互に接続すると共に一括してプリント回路板7に接続するグランド配線部8bとを有する。具体的には、前記検出配線部8aは、第1の歪センサ2の近位端、第2の歪センサ3の内側端、第3の歪センサ4の遠位端、第4の歪センサ5の近位端、第5の歪センサ6の遠位端にそれぞれ接続されている。
これらの配線8は、導電性を有する導電糸(糸状体)により形成することができる。配線8を構成する導電糸としては、鉄等の金属製の導電糸を用いることができ、この金属製の導電糸としてはステンレス糸が好適に用いられる。ステンレス糸によれば、電気抵抗が小さく、また当該データグローブを洗濯した場合にあっても電気抵抗の変化が比較的少ない利点を有する。なお、この配線8を構成する糸としては、絶縁性の糸に導電性材料を塗工した糸や、導電性材料を混紡して形成した糸を用いることも可能である。
この配線8を構成する糸は、10cmあたりの電気抵抗が100Ω未満であることが好ましく、50Ω未満であることがさらに好ましい。これにより、配線8の電気抵抗を小さくすることができ、歪センサ2,3,4,5,6からの検知信号を的確にフレキシブルプリント回路板7に伝達することができる。なお、「10cmあたりの抵抗値」とは、5Vの電圧をかけたときの糸10cm間の抵抗値であり、汎用のテスターを用いて測定することができる。
配線8は、伸縮性を有し、手袋本体1の変形に追従して変形するよう設けられている。具体的には、配線8は、導電性を有する糸を伸縮縫いすることによって形成されている。なお、「伸縮縫い」とは、JIS−B−9003(1999)で規定されるように、「伸縮性のある布地を縫ったとき、布地の伸び縮みによって、縫い目が切れたり、緩んだりしないように縫うこと」を意味する。具体的には、本実施形態の配線8は、カバーステッチ(片面飾り縫い)等によって形成可能である。
この配線8の10%伸び荷重の上限としては、0.1Nが好ましく、0.05Nがより好ましい。一方、この配線8の10%伸び荷重の下限としては、特に限定されない。配線8の10%伸び荷重が前記上限を超える場合、手袋本体1の伸縮を阻害して、着用者に違和感を与えるおそれや、手袋本体1の伸縮を不均一にすることにより歪センサ2,3,4,5,6の位置ずれを招き検出精度が不十分となるおそれがある。
また、本発明の配線8は、手袋本体1に直接導電糸を縫い付けて形成してもよいが、予め伸縮性を有する別の布帛に導電糸を縫い付けたものを、接着剤で手袋本体1に接着することで配設してもよい。配線8を形成した布帛を接着する接着剤としては、例えばホットメルト接着剤等を用いることができる。
<剥離防止材>
剥離防止材9は、歪センサ2,3,4,5,6の端部に形成した電極及びこの電極に接続された配線8を覆うよう配設され、配線8が歪センサ2,3,4,5,6の電極から剥離することを防止する。このような剥離防止材9としては、例えばニット材や織物等が用いられ、接着剤で電極と配線の固定部を覆うように手袋本体1に接着される。
<防伸部>
この防伸部10は、手袋本体1の第2指から第5指の背側の近位指節間関節の間に相当する部分、第2指の近位指節間関節の第1指側の側面に相当する部分、及び第5指の近位指節間関節の第4指と反対側の側面に相当する部分に、それぞれ近位遠位方向に延在するよう配設されている。換言すると、第4の歪センサ5は、それぞれ防伸部10の間に配設されている。
また、防伸部10は、手袋本体1に積層されることにより、手袋本体の伸長を部分的に抑制する。このため、防伸部10は、当該データグローブの着用者が中手指節間関節を曲げたときに皮膚の伸縮量が小さくなる中手指節間関節の間の谷の部分、すなわち掌における指と指との間に該当する部分にそれぞれ位置決めされる。これにより、防伸部10の間に配置される第4の歪センサ5を中手指節間関節の上に比較的正確に配置することができる。この防伸部10の10%伸び荷重としては、歪センサ2,3,4,5,6よりも大きいことが好ましい。
各防伸部10は、近位端が隣接する第4の歪センサ5よりも近位側に位置し、かつ遠位端が隣接する第4の歪センサ5よりも遠位側に位置する。これにより、手袋本体1の生地に左右方向に作用する力が、第4の歪センサ5に近位遠位方向の張力として作用することを防止できる。
また、当該データグローブにおいて、防伸部10は手袋本体1の内面に積層されている。これにより、防伸部10は着用者の手の甲に対して手袋本体1が近位遠位方向に位置ずれすることを防止する滑り止めとしても機能する。
さらに、防伸部10は配線8の重畳して配設されている部分に過剰な力が作用して断裂することを防止する作用も有する。
防伸部10を形成する材料としては、配線8と同様の材料であってもよいし、合成ゴム、天然ゴム等であってもよい。防伸部10は、これらの材料を手袋本体1に塗布することによって形成してもよく、帯状に形成したものを接着剤で接着してもよい。
この防伸部10の左右方向の平均幅の下限としては0.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。一方、前記防伸部10の平均幅の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。前記防伸部10の平均幅が前記下限に満たない場合、防伸部10の強度が不十分となり、第4の歪センサ5の左右方向の位置ずれを十分抑制できないおそれがある。逆に、前記防伸部10の平均幅が前記上限を超える場合、手袋本体1の伸縮を過度に阻害して着用者に違和感を与えるおそれや、第4の歪センサ5の伸縮を阻害することにより検出感度が不十分となるおそれがある。
防伸部10の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、防伸部10の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1mmがより好ましい。防伸部10の平均厚さが前記下限に満たない場合、手袋本体1の伸縮を十分に抑制できないおそれがある。逆に、防伸部10の平均厚さが前記上限を超える場合、着用者に違和感を与えるおそれがある。
防伸部10の10%伸び荷重の下限としては、0.2Nが好ましく、0.5Nがより好ましい。一方、防伸部10の10%伸び荷重の上限としては、5Nが好ましく、2Nがより好ましい。防伸部10の10%伸び荷重が前記下限に満たない場合、手袋本体1の伸縮を十分に抑制できないおそれがある。逆に、防伸部10の10%伸び荷重が前記上限を超える場合、着用者に違和感を与えるおそれがある。
<接続部>
接続部11は、手袋本体1の内面に、前記防伸部10間を、好ましくは防伸部10の近位端近傍部分の間を接続するよう左右方向に延伸して配設されている。この接続部11は、手袋本体1の近位遠位方向の伸縮を部分的に抑制すると共に、着用者の手の甲に対する滑り止めとして機能する。接続部11の10%伸び荷重としては、歪センサ2,3,4,5,6よりも大きいことが好ましい。
この接続部11は、防伸部10と同様の材料及び同様の方法で形成することができる。
この接続部11を配設することによって、いずれかの1本の指が動いた際に隣の指の第3の歪センサ4又は第4の歪センサ5が、手袋本体1の生地の動きにつられて位置がずれてしまうことを防止し、指の動きの検出精度を向上することができる。また、接続部11は、防伸部10の間隔を一定に保ち、防伸部10間の手袋本体1の生地に左右方向の張力が作用して第4の歪センサ5の伸縮に影響することを抑制する。すなわち、接続部11は防振部7を接続して束ねることによって、各指の動きによる第3又は第4の歪センサ4,5の位置ずれや、意図しない指の第3又は第4の歪センサ4,5の伸縮による検出誤差の発生を抑制する。
この接続部11の左右方向の平均幅の下限としては0.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。一方、前記接続部11の平均幅の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。前記接続部11の平均幅が前記下限に満たない場合、接続部11の強度が不十分となり、検出精度を十分に向上できないおそれがある。逆に、前記接続部11の平均幅が前記上限を超える場合、手袋本体1の伸縮を過度に阻害して着用者に違和感を与えるおそれがある。
接続部11の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、接続部11の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1mmがより好ましい。接続部11の平均厚さが前記下限に満たない場合、手袋本体1の伸縮を十分に抑制できないおそれがある。逆に、接続部11の平均厚さが前記上限を超える場合、着用者に違和感を与えるおそれがある。
接続部11の10%伸び荷重の下限としては、0.2Nが好ましく、0.5Nがより好ましい。一方、接続部11の10%伸び荷重の上限としては、5Nが好ましく、2Nがより好ましい。接続部11の10%伸び荷重が前記下限に満たない場合、手袋本体1の伸縮を十分に抑制できないおそれがある。逆に、接続部11の10%伸び荷重が前記上限を超える場合、着用者に違和感を与えるおそれがある。
<利点>
当該データグローブは、第1指の中手指節間関節の背側に配設した第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3を有するので、手袋本体1の第1指の中手指節間関節の背側に相当する領域の2方向の伸びを測定することにより、第1指の曲げ伸ばしと、左右方向の搖動とを検出することができる。従って、当該データグローブは、第1指の3次元の動きを比較的正確に検出することができる。
このように、第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3が第1指に配設されることによって、関節の背腹方向の曲げ伸ばしに加えて、背腹方向に直交する左右方向に搖動することが多い第1指の動きをより正確に検出することができ、ひいてはて全体の動きをより正確に把握することができる。
具体的に説明すると、当該データグローブを用いて鍵盤楽器の演奏時の手の動作を検出した場合、第2の歪センサ3が検出する第1指の左右方向の搖動により、打鍵を検出することができ、第1の歪センサ2が検出する中手指節間関節の曲げ伸ばしにより、第1指が配置される鍵盤の位置の変化、例えば第1指が第2指から第5指の下側を通過する指くぐり動作等を把握することができる。なお、遠位指節間関節は近位指節間関節と略連動して動作するので、個別にセンサを設けなくても、第2の歪センサ3が検出する近位指節間関節の動きから類推することができる。
当該データグローブは、第2指から第5指の近位指節間関節及び中手指節間関節の背側に配置される第3の歪センサ4及び第4の歪センサ5を備えることにより、2指から第5指の動きも比較的正確に検出できる。
さらに、当該データグローブは、第2指及び第5指の腹側の基節骨に相当する領域に第5の歪センサ6を備えることによって、第2指及び第5指を外側に反らせる動き、つまり中手指節間関節を外側に反らせる動きを検出することができる。
また、当該データグローブでは、歪センサ2,3,4,5,6が帯状に形成されることによって、歪センサ2,3,4,5,6が薄く、手に密着できるので、着用者に違和感を与え難い。特に、歪センサ2,3,4,5,6は、一方向に配向する複数のCNT繊維からなる複数のCNT繊維束と、この複数のCNT繊維束の周面を被覆する樹脂層とを有するCNT膜を有することで、薄型で手に密着できると共に反力が小さいので、着用者に違和感を与え難い。このため、当該データグローブを着用してもスポーツや楽器演奏等における繊細な動作を通常通りに行うことができるため、手の自然な動きを比較的正確に検出してデータ化することができる。
また、当該データグローブでは、第1の歪センサ2と第2の歪センサ3とが交差するよう配設されることで、手袋本体1の略同じ領域の異なる2方向の伸縮を検出することができ、指の動きをより正確に検出できる。特に、第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3の交差角が略垂直であることによって、背腹方向の曲げ伸ばしと左右方向の搖動とを比較的高精度に検出することができる。
[第2実施形態]
図4のデータグローブは、第1指の動きを検出することに特化したものである。当該データグローブは、手袋本体20と、手袋本体20の第1指の中手指節間関節近傍に相当する領域に配設される第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3とを備える。また、当該データグローブは、フレキシブルプリント回路板7と、歪センサ2,3及びフレキシブルプリント回路板7間を接続する配線8とを備える。
当該データグローブの手袋本体20は、公知の親指用サポーターのように第1指のみを収容するものであり、第1指を収容する指収容部21と手首の周囲に装着される固定部22とを有する。
このため、第1の歪センサ2及び第2の歪センサ3は、指収容部21に配設され、フレキシブルプリント回路板7は、固定部22の背側に配設される。
当該データグローブの手袋本体20、第1の歪センサ2、第2の歪センサ3、フレキシブルプリント回路板7及び配線8の前記以外の詳細な構成は、図1乃至図3のデータグローブにおける手袋本体20、第1の歪センサ2、第2の歪センサ3、フレキシブルプリント回路板7及び配線8と同様である。このため、これらの構成についての重複する説明は省略する。
当該データグローブを使用して第1指の動きを検出することにより、被検者の動きが腱鞘炎や突き指の起こしやすいものであるか否かを判定することもできる。
[第3実施形態]
図5のデータグローブは、第1指、第2指及び第5指の動きを検出するものである。当該データグローブは、手袋本体1と、手袋本体1の第1指、第2指及び第5指の背側の中手指節間関節近傍に相当する領域にそれぞれ配設される第1の歪センサ2,2a,2b及び第2の歪センサ3,3a,3bと、フレキシブルプリント回路板7と、歪センサ2,2a,2b,3,3a,3b及びフレキシブルプリント回路板7間を接続する配線8とを備える。
当該データグローブにおける手袋本体1、第1の歪センサ2、第2の歪センサ3及びフレキシブルプリント回路板7は、図1のデータグローブにおける手袋本体1、第1の歪センサ2、第2の歪センサ3及びフレキシブルプリント回路板7と同様である。このため、これらの構成についての重複する説明は省略する。
第2指及び第5指の第1の歪センサ2a,2bは、それぞれ手袋本体1の近位遠位方向の伸縮を主に検出する。これにより、これら第1の歪センサ2a,2bは、第2指及び第5指の中手指節間関節の曲げ伸ばしを検出する。
一方、第2指及び第5指の第2の歪センサ3a,3bは、それぞれ手袋本体1の近位遠位方向に直交する左右方向の伸縮を主に検出する。これにより、これら第2の歪センサ3a,3bは、第2指及び第5指の中手指節間関節での左右方向の搖動を検出する。このような第2指及び第5指の左右方向の搖動を検出するために、第2の歪センサ3a,3bは、中手指節間関節の中央よりも遠位側に配設されることが好ましい。
当該データグローブの配線8は、歪センサ2,2a,2b,3,3a,3bの一端をそれぞれフレキシブルプリント回路板7に接続する検出配線部8aと、歪センサ2,2a,2b,3,3a,3bの他端をプリント回路板7に接続するグランド配線部8bとを有する。具体的には、第一の歪センサ2,2a,2bの遠位端をそれぞれ起点とするグランド配線部8bが、同じ指の第2の歪センサ3,3a,3bの他端を経由してプリント回路板7にそれぞれ延伸している。
本実施形態では、手の指を揃えたり指の間を拡げたりする運動を、特に第1指、第2指及び第5指について詳しく検出することができる。第3指及び第4指の間の開閉については、第2指及び第5指の動きから類推できる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらはすべて本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
例として、当該データグローブにおいて、第1の歪センサ及び第2の歪センサは、第3指又は第4指の中手指節間関節近傍に相当する領域に配設されてもよい。つまり、本発明では、少なくともいずれか1指の中手指節間関節近傍に相当する領域に、近位遠位方向の伸縮を主に検出する歪センサと、左右方向の伸縮を主に検出する歪センサとを備えるものであればよい。例えば図1の実施形態の第4の歪センサの近傍に同じ領域の左右方向の伸縮を検出するさらなる歪センサを配設した場合、この第4の歪センサ及びさらなる歪センサは、本発明における第1の歪センサ及び第2の歪センサに該当する。従って、歪センサの前に冠した番号は便宜的なものに過ぎない。なお、「主に検出する」とは、検出値を企図する方向とこれに直交する方向の成分とに分離した場合、企図する方向の成分の方が大きいこと、好ましくは直交方向成分の1.5倍以上であることを意味する。
また、当該データグローブは、第3の歪センサ、第4の歪センサ及び第5の歪センサの一部又は全部を有しないものであってもよい。また、当該データグローブにおいて、防伸部及び接続部も省略できる。
また、当該データグローブにおいて、各歪センサは、手袋本体の伸びを検出できるものであればよく、帯型以外に例えば糸状等の形状を有するものであってもよく、CNT膜を有しないセンサであってもよい。糸状のCNT歪センサとしては、複数のCNT繊維を一方向に配向して糸状に配列したCNT繊維束の外周を弾性を有する樹脂で被覆したものが使用できる。また、CNT歪センサ以外の歪センサとしては、手袋本体の伸縮を検出でき、適度な伸縮性及び可撓性を有するものであればよく、帯状又は紐状に形成されるものであることが好ましい。
また、当該データグローブにおいて、第1の歪センサ及び第2の歪センサは、互いに交差しないよう分離して配設されてもよく、両者間の角度が略垂直でなくてもよい。具体的には、第2の歪センサの他端(第2指から遠い側)を第1の歪センサよりも遠位側の基節骨上に配置してもよく、第2の歪センサの他端を第1の歪センサよりも近位側の中手骨上に配置してもよい。また、第1の歪センサの近位側の一端を第2の歪みセンサよりも遠位側へ配置してもよい。具体的には、近位指節間関節に第1の歪みセンサの位置がかかることで、指先の上下と左右方向の動きを検出することができる。
当該データグローブにおいて、手袋本体は、指収容部の先端が閉じられており、着用者の指先を覆うものであってもよい。
また、当該データグローブは、フレキシブルプリント回路板を介さず配線を外部の処理装置に接続するよう構成されてもよく、フレキシブルプリント回路板に信号を処理する演算装置、無線通信装置等を実装してもよい。
当該データグローブにおいて、手袋本体の背側生地内面の近位指節間関節の歪センサの両端部に相当する位置に滑り止め層を形成してもよい。これにより、測定途中における近位指節間関節の歪センサの近位遠位方向の位置ずれを防止して、近位指節間関節の動きの検出精度を向上できる。滑り止め層の材質としては、例えば合成ゴム、天然ゴム等を用いることができる。
当該データグローブは、中手指節間関節近傍に相当する部分以外にも、指の左右方向の搖動を検出するために、手袋本体の左右方向の伸縮を検出する歪センサを備えてもよい。この場合、関節の動きによって皮膚に張力が作用する位置、つまり手袋本体が伸縮する位置に歪センサを設けることが好ましい。
歪センサは、手袋本体に貼着する他、手袋本体を構成する生地に歪センサを構成する材料、例えばCNTを含む塗料等を塗布することにより形成してもよい。
防伸部間を接続する接続部は、防伸部の近位端に限らず他の位置を接続してもよい。また、隣接する防伸部間を複数の接続部によって接続してもよい。
本発明のデータグローブは、スポーツ選手や楽器奏者の手の動きを解析するために好適に使用することができる。
1 手袋本体
1a たるみ
2,2a,2b,3,3a,3b,4,5,6 歪センサ
7 フレキシブルプリント回路板
7a コネクタ
8 配線
8a 検出配線部
8b グランド配線部
9 剥離防止材
10 防伸部
11 接続部
20 手袋本体
21 指収容部
22 固定部

Claims (4)

  1. 手袋本体と、
    この手袋本体の第1指から第5指の少なくとも1指の背側の中手指節間関節近傍に相当する領域に配設される第1の歪センサ及び第2の歪センサを備え、
    この第1の歪センサが前記領域の近位遠位方向の伸縮を検出し、第2の歪センサが前記領域の左右方向の伸縮を検出するよう構成されているデータグローブ。
  2. 前記第1の歪センサ及び第2の歪センサが交差するよう配設されている請求項1に記載のデータグローブ。
  3. 前記第1の歪センサ及び第2の歪センサの交差角が略垂直である請求項2に記載のデータグローブ。
  4. 前記第1の歪センサ及び第2の歪センサの配設位置が第1指である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のデータグローブ。
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