JP6896967B2 - 人体動作検出用ウェア - Google Patents
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一方、布帛を繰り返し伸縮させても断線や基布損傷を抑制できるように構成した伸縮伝送線が配置された布帛が提案されている(特許文献2)。この布帛において、伸縮伝送線には、直径0.03mmの銅線100本を束ねた集合線4本を直径1.8mmの組紐まわりに撚り合わせ、更にそのまわりに仮撚加工糸を二重(二層)に撚り合わせることで構成させたもののみが例示されている。
即ち、本発明に係る人体動作検出用ウェアは、人が着用して、人体の動作を検出する人体動作検出用ウェアであって、前記人体における第1の部位に対応するウェアの位置に設けられ、前記第1の部位についての第1の物理量を検出する第1の検出手段と、前記第1の部位と関節を介した第2の部位に対応する前記ウェアの位置に設けられ、前記第2の部位についての第2の物理量を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段から出力された信号および前記第2の検出手段から出力された信号の少なくともいずれかの信号が電気的に流れる導電用ハーネスとを含み、前記導電用ハーネスが前記ウェアに接合されている。
さらに好ましくは、前記第1の検出手段は、前記第2の部位の基準面として前記第1の部位を用いるために、前記基準面として用いられる、絶対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力し、前記第2の検出手段は、前記第2の部位について、前記基準面に対する相対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力するように構成することができる。
さらに好ましくは、前記導電用ハーネスと、前記第1の検出手段、前記第2の検出手段および前記制御手段の少なくともいずれかとが、前記ウェアを構成する布帛に接合されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記ウェアは手袋であって、前記第1の検出手段は、前記手袋の手甲部に設けられ、手甲を基準面として絶対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力するセンサであって、前記第2の検出手段は、前記手袋の手指部に設けられ、前記基準面に対する手指についての相対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力するセンサであって、少なくともいずれかのセンサから出力された信号が電気的に流れる導電用ハーネスが、前記手袋を構成する布帛に接合されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記導電用ハーネスは、導電糸と弾性糸とを混用して製編された導電部と非導電糸のみによって製編された非導電部とを有し、前記導電部は少なくとも前記導電糸が編地中を表裏間方向にジグザグ状となる配置で設けられていると共に前記弾性糸が編地の表裏面の面方向に沿って引き締め力を生じて前記導電糸のジグザグ状配置を保形する配置で設けられており、前記導電部には前記導電糸として金属線を採用した構成経路が設けられ、前記非導電部には前記非導電糸として合成繊維を採用した構成経路が設けられているように構成することができる。
図1は、本発明に係る導電性伸縮編地1の第1実施形態を示した両面編目図である。この導電性伸縮編地1は、例えば図2に示すような導電用ハーネス2(単にハーネス2と記載する場合がある)を製造する際において、その構成要素の一つとして使用することができる。
図2に示した例では本発明編地1が細帯状であって且つハーネス2の表裏面に露出する状態に形成され、2本の本発明編地1,1の相互間には互いの短絡を防止するための非導電部3が設けられたものとしてある。
また本発明編地1は、帯状とせず、線状に形成することも可能であるし、ハーネス2の帯幅方向及び帯長手方向の全部を形成する広幅のものとして形成することもできる(これらについては後述する)。要は、本発明編地1の配置や形成数は何ら限定されるものではない。またハーネス2自体も、そもそも帯紐状に形成することが限定されるものではなく、正方形や長方形などの四角形に形成すること等も可能である。
一般に、給電用と比較して、信号用の場合は電流が低いことが一般的であるので、より高抵抗値まで許容可能である
一方、「伸縮性」とは、非伸長時(常態)からの伸長と、この伸長状態からの解放による即時復元との両方を備えた特性を言う。本発明編地1と非導電部3,4とで、伸縮性を同じ強度にするか強弱の差をつけるかは適宜変更可能である。例えば、編地全体としてシワや波打ち等が目立たないようにしたり、伸張負荷時に導電糸10がダメージを受けないように伸縮性を抑えたりすることを目標として、それぞれの伸縮性を設定すればよい。
また組成組織の選択によっても伸長度を適宜変更することができることは言うまでもない。この場合、殊に本発明編地1の編みを設計する際には、後述する導電糸10のループ長と弾性糸11の弾性率、ドラフト(短繊維束を引き伸ばして細くすること)との調整が大きな要因となる。
本発明編地1に採用し得る編組織は、例えばスムース編(両面編又はインターロックとも言う)とする。スムース編は、ゴム編を2枚重ね合わせてお互いの凹凸の溝を埋め合ったような編組織である。すなわち、図1(a)の上面側を編地表面側とおき、同下面側を編地裏面側とおいて説明すると、導電糸10は、編地表面側の導電糸オールドループ10aと絡んで第1ループP1を形成し、編地裏面側へ移行する。そして編地裏面側の導電糸オールドループ10bと絡んで第2ループP2を形成し、以後同様に編地表面側で第3ループP3を形成し、編地裏面側で第4ループP4を形成するといったことを繰り返す。従って導電糸10は、本発明編地1の編地中を表裏間方向にジグザグ状となる配置で設けられている。
また、本発明編地1の伸長を解除すると、クロス部13では弾性糸11だけが収縮による引き締め力を生じ、この引き締め力を受けて導電糸10がクロス部13からその両外側のループへと押し込める挙動が生じる。このときの弾性糸11による引き締め力が、非伸縮時の本発明編地1において、導電糸10のジグザグ状配置を保形させ、厚さ方向のボリュウムを持たせる作用を奏することになる。
この説明から明らかなように、導電糸10は実質的に伸縮するものではないので、コース方向で使用された全長は変化せず、もとよりその外径も変化しない。のみならず、導電糸10はコース方向に並ぶループ同士が接触することがなく、複数のコース間で絡まったり接触したりすることもない。従って、電気抵抗も不変となるものである。
なお、「コース方向」は編組織において繋がったループを形成しつつ進む方向であって「コース」と同じ方向とおく。編地地面上でコース方向と垂直に交差する方向は「ウエール」又は「ウエール方向」とおく。また「コース間」はウエール方向で隣接するコースとコースとの間である。
弾性糸11には、ポリウレタンやゴム系のエラストマー材料、或いは「芯」にポリウレタンやエラストマー材料を用い「カバー」にナイロンやポリエステルを用いたカバリング糸などを採用することができる。
以上、詳説したところから明らかなように、本発明編地1は、伸縮性及び柔軟性が豊富で伸長を繰り返した際の復元性をも備えた編地でありながら、伸長時と非伸長時とで電気抵抗の変化が皆無又は抑制される特性を備えている。そのため、複数の基板間を配線するような場合にあって、各基板の配置により配線経路が複雑な曲がりを有するものとなっていたり、配線する段階まで配線長さや配線経路が確定していなかったり、基板同士が配線後に移動したりするとき、或いは基板と動体との間に配線する状況下において動体の動作で配線距離に大きな伸縮変動が繰り返し起こったりするとき等にも、好適な配線部材として使用可能である。
本発明編地1は、弾性糸11による面方向の引き締め力(収縮力)に付随させることにより、編地の伸長状態と非伸長状態との間で導電糸10を挙動させるものである。そのため本発明編地1では、豊富な伸縮性(例えば200%以上)を発現させながらも導電糸10として金属線を使用することができる点が、特徴点の一つである。
第2実施形態との違いは、導電糸10によって編地の表裏間方向にジグザグ状に形成された経路と、弾性糸11によって編地の面方向に沿って引き締め力を生じるように形成された経路とが絡まって、これら導電糸10と弾性糸11とが互いに移動自在(伸縮動作を自由に許容される状態)で、収縮側で保持されている点にある。この図4は編地の断面構造を示したものであり、実際には、導電糸10のループ21や弾性糸11のループ20は、それぞれ編地の表面や裏面で畦状に繋がった突条を形成している。そのため、いずれかのループが編地の肉厚中央へ向けてすっぽ抜けるようなことは起こらない(これを互いの経路が「絡まって」いると説明した)。
[実施例]
以下に、本発明編地1の実施例を例示するが、これらは技術的な理解を助けるために開示するものであり、本発明の技術的範囲は以下の例示に限定されるものではない。
(実施例1)
導電糸10として線径50μmの銅線4本を用い、弾性糸11として235dtのポリウレタンを用いて、スムース(図1参照)により製編した。
(実施例2)
導電糸10として線径40μmのニッケル線1本を用い、弾性糸11として235dtのポリウレタンを用いて、スムース(図1参照)により製編した。ニッケル線は耐候性がよいために、特に、環境が重視される部分で使用する場合に適したものであると言うことができる。
(実施例3)
導電糸10として線径50μmの銅線3本と110dtのポリウレタンとによる複合糸を用い、弾性糸11に235dtのポリウレタンを用いて、スムース(図1参照)により製編した。
(実施例4)
導電糸10として線径50μmの銅線3本を用い、弾性糸11として235dtのポリウレタンを用いて、ダンボールニット(図3参照)により製編した。
(実施例5)
導電糸10として線径50μmの銅線3本を用い、弾性糸11として235dtのポリウレタンを用いてインレイを行い、フライスインレイ(図6参照)により製編した。
(実施例6)
導電糸10として線径50μmの銅線3本と110dtのポリウレタンとによるプレーティング編を用い、フライス(ゴム編)により製編した。フライスによる編組織は編地厚のボリュウムが十分あるので、プレーティング編により挿入したポリウレタンに弾性糸11としての作用を期待することができる。
(比較例)
導電糸10として線径50μmの銅線3本と110dtのポリウレタンとによるプレーティング編を用い、シングル(平編)により製編した。シングルによる編組織は編地厚としてボリュウムが不十分であるので、プレーティング編により挿入したポリウレタンに弾性糸11としての作用を期待することはできない。すなわち、この比較例は、弾性糸11を不採用としたものであると言うことができる。
なお、伸縮動作を繰返し行う場合では、導電糸10に与える影響を考慮して、その振幅を最大伸びの1/2程度として行うのが好ましい。そのため、表1中に示した最大伸びについては、振幅の設定にもよるが、大きい数値が得られるものが好ましいと言うことができる。
なお、帯幅方向中央の非導電部3と帯幅方向外側の非導電部4とは、コース数及び使用素材を同じとした。また帯幅方向の両側縁部を縁取るように、それぞれ2コースずつ、溶着ポリウレタンによる被覆コースを設けて、取り扱い性の向上を図った。
例えば、本発明編地1は筒状生地として製編することが限定されるものではなく、非筒のシート状として製編してもよい。従って、丸編機や横編機など、汎用の編機によって製編することができる。
本発明編地1は、導電糸10をウエール方向で隣接させて少なくとも2コース設けることが必要であるが、コース数をどの程度に増やすかの限定は一切ない。そのため、本発明編地1として、線状に形成することも可能であるし幅広の帯状に形成することも可能である。従って、図2に示したようなハーネス2として、その帯幅方向及び帯長手方向の全部を本発明編地1として形成することもできる。
その他、導電糸10及び弾性糸11とは別に、伸び止め用の編糸(非弾性糸とすることが好ましいが撚りや編組織により伸長を制限させた糸としてもよい)を混用することも可能である。非導電部3,4の編糸、編設計で伸び止めをするのがよい。
上述したように、本発明に係る導電性伸縮編地1は、図2に示すような導電用ハーネス2を製造する際において、その構成要素の一つとして使用することができ、この導電用ハーネス2は、給電用、信号用、医療用などを含めて、衣料用(ウエアラブル素材等として)など、多くの利用分野を有する。以下においては、このような利用分野において、この導電用ハーネス2を採用するにあたって、実際に配線部材としての導電用ハーネス2を生地(布帛、基布)に配して使用する場合における、電子機器等との接続技術(導電用ハーネス)、配線部材の取り回し技術(導電用ハーネス構造)、十分な耐久性を実現することができる生地への取付構造(導電用ハーネス取付構造)について、詳しく説明する。
図7(a)に示す導電用ハーネスおよび図7(b)に示す導電用ハーネス構造における金属線(導電糸10)は、半田溶融性を備えた絶縁材で被覆された金属素線で形成され(一般的にはエナメル導線または上述したエナメル線と呼ばれることが多い)、図7(a)に示す導電用ハーネスおよび図7(b)に示す導電用ハーネス構造においては、金属小片(金属ピン30)と金属素線とが(構造的(機械的)にも電気的にも)接合されていることを特徴とする。なお、この接合方法は特に限定されるものではなく接着剤等による(半田付け以外による)接合であっても構わないが、以下においては、金属小片(金属ピン30)と金属線(導電糸10)の金属素線とは半田付けにより接合されているとして説明する。また、以下においては、金属素線の素材は限定されるものではないが、以下においては、金属素線は銅線であるとして説明する。
さらには、後述する導電用ハーネス取付構造において熱融着テープまたは熱融着接着剤が用いられる場合には、この絶縁材(被覆材)の融点は、特に限定されるものではないが、その熱融着素材の融点(アイロン中温である150℃程度)よりも高く、かつ、半田の溶融温度(おおよそ170℃〜250℃であってここでは200℃程度とする)よりも低い、180℃程度であることが好ましい。
まず、導電糸10と金属ピン30との位置関係について説明する。導電性伸縮編地1を編成する(側面視でも平面視でもループを形成する)導電糸10に対して金属ピン30の胴部31の位置が、(1)側面視では図7(a)および図7(b)に示すように導電糸10の異なるループ(ここでは、第2ループP2および第3ループP3)に接触する位置、かつ、(2)平面視では図8に示すように導電糸10のループ10R内に挿入する位置、であるように、導電性伸縮編地1(を編成する導電糸10)に金属ピン30が挿入される。なお、図7および図8は模式的な図であって、さらに、図8はフライス編みの場合の一例を示しているに過ぎない。
次に、本発明に係る導電用ハーネスまたは導電用ハーネス構造を、電気的にも構造的(機械的)にも十分な耐久性を実現して生地(布帛、基布)に取り付ける技術である、本発明に係る導電用ハーネス取付構造について説明する。
剥離紙を付けたままの熱融着テープを、剥離紙が設けられていないテープ面を導電用ハーネスまたは導電用ハーネス構造の取付面に当ててアイロン中温で熱を付与するために数秒程度プレスして、温度が下がったら剥離紙を取り外して、剥離紙を取り外したテープ面を生地に当ててアイロン中温で熱を付与するために数秒程度プレスする。温度が下がると、生地−熱融着テープ−導電用ハーネスが層状に形成されて、伸縮性を備えた熱融着テープにより、導電用ハーネスまたは導電用ハーネス構造の取付面の全体が生地に密着されて接着されていることになる。
また、熱融着テープではなく、熱融着用接着剤を導電用ハーネス2の取付面の全体的にまたは点状(ドット状)に塗布して、上述と同じように、アイロン中温で熱を付与してプレスして導電用ハーネスまたは導電用ハーネス構造の取付面の全体を生地に密着させるようにしても構わない。さらに、熱融着テープであっても熱融着用接着剤であっても、点状(ドット状)に加えて、クモの巣状やネット状(網目状)であっても構わない。
図11に示すように、この具体例は、指先(5指とも)の開いた手袋(作業用グローブ50)に、本発明に係る導電用ハーネス取付構造を用いて、本発明に係る導電用ハーネス構造を取り付けたものであって、作業用グローブ50を装着した作業者の手の動きを検出する。このような手袋の他に、本発明に係る導電用ハーネス取付構造を用いて、本発明に係る導電用ハーネスまたは導電用ハーネス構造を取り付ける対象物としては、限定されるものではないが、衣服、帽子、カバン等がある。
(A)金属ピン30Aにより上側導電用ハーネス2Uにおいて導電糸10により編成された編地1Aと下側導電用ハーネス2Dにおいて導電糸10により編成された編地1Aとが接合されるように、
(B)金属ピン30Bにより上側導電用ハーネス2Uにおいて導電糸10により編成された編地1Bと下側導電用ハーネス2Dにおいて導電糸10により編成された編地1Bとが接合されるように、
(C)金属ピン30Cにより上側導電用ハーネス2Uにおいて導電糸10により編成された編地1Cと下側導電用ハーネス2Dにおいて導電糸10により編成された編地1Cとが接合されるように、
(D)金属ピン30Dにより上側導電用ハーネス2Uにおいて導電糸10により編成された編地1Dと下側導電用ハーネス2Dにおいて導電糸10により編成された編地1Dとが接合されるように、
上側導電用ハーネス2Uの表面と下側導電用ハーネス2Dの裏面とを貫通して、金属ピン30A、30B、30C、30Dが、それぞれ上側導電用ハーネス2Uおよび下側導電用ハーネス2Dに設けられている。
図11は、本発明に係る人体動作検出用ウェアの具体例である作業用グローブ50を示し、図12は、その制御ブロック図である。これらの図を参照して、人体動作検出用ウェアとしての作業用グローブ50を説明する。図12の領域Bは図11の領域Bに対応する。
この作業用グローブ50は、人がその手に着用して、人体の手指の動作を検出する人体動作検出用ウェアである。人体における第1の部位(ここでは手甲)に対応するウェアの位置(ここでは作業用グローブ50の手甲部)に設けられ、第1の部位についての第1の物理量を検出する第1の検出手段(ここでは角度、角速度および角加速度を検出するセンサの一例であるジャイロセンサ72)と、第1の部位と関節を介した第2の部位(ここでは第1手指(親指)および第2手指(人差し指))に対応するウェアの位置(ここでは作業用グローブ50の親指部および人差し指部)に設けられ、第2の部位についての第2の物理量を検出する第2の検出手段(ここでは速度および加速度を検出するセンサの一例である加速度センサモジュール60Fおよび加速度センサモジュール60S)と、第1の検出手段から出力された信号および第2の検出手段から出力された信号の少なくともいずれかの信号(ここでは第2の検出手段から出力された信号)が電気的に流れる導電用ハーネス2とを含み、上述したように、この導電用ハーネス2がウェアである作業用グローブ50に接着されている。なお、限定されるものではないが、この作用用グローブ50においては、第1の部位と第2の部位との間にある関節は、指の根元の関節であって手の甲に5本ある中手骨と指の根元の骨であって5本ある基節骨との間のMP(metacarpal phalangeal joint)関節であるとする。
さらに詳しくは、第1の検出手段(ここではジャイロセンサ72)は、第2の部位(ここでは手指)の基準面として第1の部位(ここでは手甲)を用いるために、基準面として用いられる、絶対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力する。そして、第2の検出手段(ここでは加速度センサモジュール60Fおよび加速度センサモジュール60S)は、第2の部位(ここでは手指)について、基準面に対する相対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力する。
上述したように第1の検出手段の一例であるジャイロセンサモジュール72は、図11に示すように作業用グローブ50の手甲部に設けられ、手甲を基準面として絶対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための角度、角速度または角加速度を示す信号を処理ユニット70の演算ユニット78に出力する。
以上のように、第1の検出手段は、ジャイロセンサを含むものであれば特に限定されるものではなく、ジャイロセンサのみで構成されるセンサモジュールであっても、ジャイロセンサと加速度センサとにより構成されるセンサモジュールであっても、ジャイロセンサと加速度センサと地磁気センサとにより構成されるセンサモジュールであっても、ジャイロセンサとこれら例示した加速度センサおよび地磁気センサ以外のセンサとにより構成されるセンサモジュールであっても、構わない。
第1番目の代替センサは、本出願人の出願に係る特願2015−140652号に記載した電気抵抗の可変特性を備えた導電性伸縮編地を用いたストレッチセンサである。この導電性伸縮編地は、編組織においてループが繋がって進む方向をコース方向又はコースと定義する編地であって、ループが導電糸によって形成されていると共に、弾性糸がコース方向で引き締め力を生じる配置で設けられており、編地の非伸長時には弾性糸による引き締め力によりコース方向で隣接する導電糸のループ同士が接触状態を保持する一方で編地のコース方向への伸長時には導電糸のループ同士が弾性糸による引き締め力に抗して離反可能となっていることを特徴とする。
このような作業用グローブ50を物流センターのピッキング作業員が着用するとピッキング作業者の摘む動作を検出できる。たとえば、棚のロケーション管理(棚の位置情報の管理とその棚に載置された商品状態の管理)とともに、この作業用グローブ50によりピッキング作業者の摘む動作を検出する。このようにすると、棚から指定された商品をピッキングする際に、ピッキング作業者が商品を棚から摘む動作を検出でき、ピッキング指示と比較することにより棚からのピッキングミスを検出することができ、ピッキング作業者にそのミスを警報等で知らせることができる。
たとえば、上述したように導電用ハーネス2がウェアである作業用グローブ50に接着されていると説明したが、導電用ハーネスがウェアに接合されていればよく、接着であっても縫合等の他の接合方法であっても構わず、接着にも縫合にも限定されるものではない。また、第1の検出手段(ジャイロセンサモジュール72を例示)、第2の検出手段(加速度センサモジュール60を例示)および制御手段(処理ユニット70を例示)についてのウェアである作業用グローブ50への接合方法も、接着にも縫合にも限定されるものではなく、どのような接合方法であっても構わない。
2 ハーネス
3 非導電部
4 非導電部
10 導電糸
10a 導電糸オールドループ
10b 導電糸オールドループ
11 弾性糸
11a 弾性糸オールドループ
11b 弾性糸オールドループ
13 クロス部
20 ループ
20a 平編ループ
20b 平編ループ
21 ループ
30 金属ピン
40 生地(布帛、基布)
50 作業用グローブ
60 加速度センサユニット
70 処理ユニット
110 上半身用ウェア
120 下半身用ウェア
130 上腕用ウェア
140 脚用ウェア
150 靴下
Claims (9)
- 人が着用して、人体の動作を検出する人体動作検出用ウェアであって、
前記人体における第1の部位に対応するウェアの位置に設けられ、前記第1の部位についての第1の物理量を検出する第1の検出手段と、
前記第1の部位と関節を介した第2の部位に対応する前記ウェアの位置に設けられ、前記第2の部位についての第2の物理量を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段から出力された信号および前記第2の検出手段から出力された信号の少なくともいずれかの信号が電気的に流れる導電用ハーネスとを含み、
前記第1の検出手段および前記第2の検出手段はいずれも前記導電用ハーネスに電気的に接続されており、
前記導電用ハーネスが前記ウェアに接合され、
前記導電用ハーネスは、導電糸と弾性糸とを含んで製編された導電部と非導電糸のみによって製編された非導電部とを有し、
前記導電部には前記導電糸として金属線を採用した構成経路が設けられ、
前記金属線と、前記第1の検出手段から出力された信号および前記第2の検出手段から出力された信号のうちの前記導電用ハーネスに電気的に流れる信号を出力する前記第1の検出手段および前記第2の検出手段の少なくとも1つが有する金属ピンとが半田付けで接続された、人体動作検出用ウェア。 - 前記第2の検出手段は、前記第1の物理量が基準として用いられる、第2の物理量を検出する、請求項1に記載の人体動作検出用ウェア。
- 前記第1の検出手段は、前記第2の部位の基準面として前記第1の部位を用いるために、前記基準面として用いられる、絶対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力し、
前記第2の検出手段は、前記第2の部位について、前記基準面に対する相対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力する、請求項1または請求項2に記載の人体動作検出用ウェア。 - 前記第1の検出手段および前記第2の検出手段の少なくともいずれかと前記導電用ハーネスにより接続され、前記人体動作検出用ウェアを制御する制御手段をさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の人体動作検出用ウェア。
- 前記導電用ハーネスと、前記第1の検出手段、前記第2の検出手段および前記制御手段の少なくともいずれかとが、前記ウェアを構成する布帛に接合された、請求項4に記載の人体動作検出用ウェア。
- 前記ウェアが、上腕用衣類、上半身用衣類、靴下、脚用衣類、下半身用衣類のいずれかである、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の人体動作検出用ウェア。
- 前記ウェアは手袋であって、
前記第1の検出手段は、前記手袋の手甲部に設けられ、手甲を基準面として絶対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力するセンサであって、
前記第2の検出手段は、前記手袋の手指部に設けられ、前記基準面に対する手指についての相対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力するセンサであって、
少なくともいずれかのセンサから出力された信号が電気的に流れる導電用ハーネスが、前記手袋を構成する布帛に接合された、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の人体動作検出用ウェア。 - 前記第1の検出手段は、ジャイロセンサを含み、
前記第2の検出手段は、前記手袋の第1手指部および第2手指部にそれぞれ設けられ、前記基準面に対する第1手指および第2手指についての相対的な位置および傾きの少なくともいずれかを検出するための信号を出力する2個の加速度センサである、請求項7に記載の人体動作検出用ウェア。 - 前記導電用ハーネスは、
導電糸と弾性糸とを混用して製編された導電部と非導電糸のみによって製編された非導電部とを有し、
前記導電部は少なくとも前記導電糸が編地中を表裏間方向にジグザグ状となる配置で設けられていると共に前記弾性糸が編地の表裏面の面方向に沿って引き締め力を生じて前記導電糸のジグザグ状配置を保形する配置で設けられており、
前記非導電部には前記非導電糸として合成繊維を採用した構成経路が設けられている、
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の人体動作検出用ウェア。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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