JP2016123222A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機の巻線に異常が生じた場合であっても、回転電機を駆動可能である電力変換装置を提供する。
【解決手段】第1インバータ20は、コイル11〜13の一端111、121、131および第1電源41と接続され、第2インバータ30は、コイル11〜13の他端112、122、132および第2電源42と接続される。制御信号生成部61、62は、第1インバータ20および第2インバータ30の駆動を制御する。異常検出部65は、相内短絡異常、相間短絡異常、および、断線異常を含む巻線異常を検出する。制御信号生成部61、62は、検出された巻線異常に応じ、全相を用いる全相駆動制御、または、停止相以外の相を用いる減相駆動制御により、第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。これにより、巻線異常の種類に応じ、巻線異常が生じていてもモータジェネレータ10を駆動することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力変換装置に関する。
従来、3相電動モータを制御する技術が知られている。例えば特許文献1では、各相コイルのうち1相の通電異常が検出されると、残りの2相を用いてモータ駆動を継続する。
特開2013−233932号公報
しかしながら、特許文献1では、各相コイルの一端が結線されており、各相コイルに対して1つのインバータを備える構成であるため、例えばモータコイル2相が短絡する相間短絡が生じた場合、モータを駆動することができない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転電機の巻線に異常が生じた場合であっても、回転電機を駆動可能である電力変換装置を提供することにある。
本発明の電力変換装置は、複数相の巻線を有する回転電機の電力を変換するものであって、第1インバータと、第2インバータと、制御部と、を備える。
第1インバータは、巻線の各相に対応して設けられる第1スイッチング素子を有し、巻線の一端および第1電圧源と接続される。
第2インバータは、巻線の各相に対応して設けられる第2スイッチング素子を有し、巻線の他端および第2電圧源と接続される。
制御部は、インバータ制御手段、および、異常検出手段を有する。
インバータ制御手段は、第1インバータおよび第2インバータを制御する。
異常検出手段は、相内短絡異常、相間短絡異常、および、断線異常を含む巻線異常を検出する。相内短絡異常は、巻線の1相内にて短絡する異常である。相間短絡異常は、巻線の2相間が短絡する異常である。断線異常は、巻線の1相が断線する異常である。
インバータ制御手段は、検出された巻線異常に応じ、全相を用いる全相駆動制御、または、巻線異常に係る1相を停止相とし、停止相以外の相を用いる減相駆動制御により、前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御する。
本発明では、1つの回転電機に対して2つのインバータを設ける構成において、検出された巻線異常に応じて第1インバータおよび第2インバータを制御することで、回転電機の駆動を制御する。これにより、巻線異常の種類に応じ、適切に回転電機の駆動を制御することができ、巻線異常が生じていても回転電機を駆動することができる。
本発明の一実施形態による電力変換装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態によるモータジェネレータの駆動領域を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による片側駆動動作を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による反転駆動動作を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による巻線異常に応じた駆動モード切替処理を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態による相間短絡異常時の制御を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による2相にて反転駆動する場合のスイッチング素子のオンオフ作動を説明するタイムチャートである。 本発明の一実施形態による2相にて片側駆動する場合のスイッチング素子のオンオフ作動を説明するタイムチャートである。 本発明の一実施形態による3相駆動時および2相駆動時の電流を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による断線異常時の制御を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による相内短絡時の2相駆動制御を説明する説明図である。 本発明の一実施形態による相内短絡時の3相駆動制御を説明する説明図である。 参考例による相間短絡時の短絡電流を説明する説明図である。
以下、本発明による電力変換装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による電力変換装置を図1〜図12に基づいて説明する。
図1に示すように、回転電機駆動システム1は、電力変換装置5、および、モータジェネレータ10を備える。
モータジェネレータ10は、例えば電気自動車やハイブリッド車両等の電動自動車に適用され、図示しない駆動輪を駆動するためのトルクを発生する、所謂「主機モータ」である。モータジェネレータ10は、駆動輪を駆動するための電動機としての機能、および、図示しないエンジンや駆動輪から伝わる運動エネルギによって駆動されて発電する発電機としての機能を有する。本実施形態では、モータジェネレータ10が電動機として機能する場合を中心に説明する。
モータジェネレータ10は、3相交流の回転機であって、U相コイル11、V相コイル12、および、W相コイル13を有する。U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13が「巻線」に対応し、以下適宜、U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13を「コイル11〜13」という。
電力変換装置5は、モータジェネレータ10の電力を変換するものであって、第1インバータ20、第2インバータ30、電流センサ51〜53、および、制御部60等を備える。
第1インバータ20は、コイル11〜13への通電を切り替える3相インバータであり、6つのスイッチング素子であるU1上アーム素子21、V1上アーム素子22、W1上アーム素子23、U1下アーム素子24、V1下アーム素子25、および、W1下アーム素子26を有する。以下適宜、U1上アーム素子21、V1上アーム素子22、W1上アーム素子23、U1下アーム素子24、V1下アーム素子25、および、W1下アーム素子26を「(第1)スイッチング素子21〜26」という。
U1上アーム素子21はU1下アーム素子24の高電位側に接続され、V1上アーム素子はV1下アーム素子25の高電位側に接続され、W1上アーム素子23は、W1下アーム素子26の高電位側に接続される。以下適宜、高電位側に接続されるU1上アーム素子21、V1上アーム素子22、および、W1上アーム素子23を「第1上アーム素子21〜23」、低電位側に接続されるU1下アーム素子24、V1下アーム素子25、および、W1下アーム素子26を「第1下アーム素子24〜26」という。
第1インバータ20は、コイル11、12、13の一端111、121、131と第1電圧源としての第1電源41との間に接続される。具体的には、U1上アーム素子21とU1下アーム素子24との接続点27がU相コイル11の一端111に接続され、V1上アーム素子22とV1下アーム素子25の接続点28がV相コイル12の一端121に接続され、W1上アーム素子23とW1下アーム素子26との接続点29がW相コイル13の一端131に接続される。また、第1上アーム素子21〜23の高電位側を接続する高電位側配線46が第1電源41の正極と接続され、第1下アーム素子24〜26の低電位側を接続する低電位側配線47が第1電源41の負極と接続される。
第2インバータ30は、コイル11〜13への通電を切り替える3相インバータであり、6つのスイッチング素子であるU2上アーム素子31、V2上アーム素子32、W2上アーム素子33、U2下アーム素子34、V2下アーム素子35、および、W2下アーム素子36を有する。以下適宜、U2上アーム素子31、V2上アーム素子32、W2上アーム素子33、U2下アーム素子34、V2下アーム素子35、および、W2下アーム素子36を「(第2)スイッチング素子31〜36」という。
U2上アーム素子31はU2下アーム素子34の高電位側に接続され、V2上アーム素子32はV2下アーム素子35の高電位側に接続され、W2上アーム素子33はW2下アーム素子36の高電位側に接続される。以下適宜、高電位側に接続されるU2上アーム素子31、V2上アーム素子32およびW2上アーム素子を「第2上アーム素子31〜33」、低電位側に接続されるU2下アーム素子34、V2下アーム素子35およびW2下アーム素子36を「第2下アーム素子34〜36」という。
第2インバータ30は、コイル11、12、13の他端112、122、132と第2電圧源としての第2電源42との間に接続される。具体的には、U2上アーム素子31とU2下アーム素子34との接続点37がU相コイル11の他端112に接続され、V2上アーム素子32とV2下アーム素子35との接続点38がV相コイル12の他端122に接続され、W2上アーム素子33とW2下アーム素子36との接続点39がW相コイル13の他端132に接続される。また、第2上アーム素子31〜33の高電位側を接続する高電位側配線48が第2電源42の正極と接続され、第2下アーム素子34〜36の低電位側を接続する低電位側配線49が第2電源42の負極と接続される。
このように、本実施形態では、第1インバータ20および第2インバータ30がコイル11〜13の両側に接続される。
本実施形態では、スイッチング素子21〜26、31〜36は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)であるが、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)やその他の素子を用いてもよい。
第1電源41は、リチウムイオン電池等の充放電可能な直流電源であり、第1インバータ20と接続され、第1インバータ20を経由してモータジェネレータ10と電力を授受可能に設けられる。
第2電源42は、リチウムイオン電池等の充放電可能な直流電源であり、第2インバータ30と接続され、第2インバータ30を経由してモータジェネレータ10と電力を授受可能に設けられる。
本実施形態では、第1電源41にて印加可能な電圧である第1電源電圧Vb1と、第2電源42にて印加可能な電圧である第2電源電圧Vb2とが等しいものとする。
第1コンデンサ43は、高電位側配線46と低電位側配線47とに接続される。第1コンデンサ43は、第1電源41から第1インバータ20側への電流、または、第1インバータ20から第1電源41側への電流を平滑化する平滑コンデンサである。
第2コンデンサ44は、高電位側配線48と低電位側配線49とに接続される。第2コンデンサ44は、第2電源42から第2インバータ30側への電流、または、第2インバータ30側から第2電源42側への電流を平滑化する平滑コンデンサである。
U相電流センサ51は、U相コイル11に通電される電流であるU相電流Iuを検出する。V相電流センサ52は、V相コイル12に通電される電流であるV相電流Ivを検出する。W相電流センサ53は、W相コイル13に流れる電流であるW相電流Iwを検出うする。電流センサ51、52、53は、例えばホールICにより構成され、第1インバータ20とコイル11〜13との間に設けられる。以下、電流センサ51、52、53により検出されるU相電流Iu、V相電流Iv、および、W相電流Iwに係る検出値を、「電流検出値Iu_s、Iv_s、Iw_s」という。
制御部60は、通常のコンピュータ等として構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、I/O、および、これらの構成を接続するバスライン等を備える。制御部60における各処理は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
制御部60は、機能ブロックとして、第1制御信号生成部61、第2制御信号生成部62、および、異常検出部65を有する。
第1制御信号生成部61は、トルク指令値trq*や電流指令値Iu*、Iv*、Iw*等のモータジェネレータ10の駆動に係る指令値等に基づき、第1インバータ20のスイッチング素子21〜26のオンオフ作動を制御する第1制御信号を生成し、スイッチング素子21〜26のゲートに出力する。これにより、第1制御信号生成部61は、第1インバータ20を制御する。
第2制御信号生成部62は、トルク指令値trq*や電流指令値Iu*、Iv*、Iw*等のモータジェネレータ10の駆動に係る指令値等に基づき、第2インバータ30のスイッチング素子31〜36のオンオフ作動を制御する第2制御信号を生成し、スイッチング素子31〜36のゲートに出力する。これにより、第2制御信号生成部62は、第2インバータ30を制御する。
制御信号生成部61、62は、第1インバータ20および第2インバータ30を制御することで、モータジェネレータ10の駆動を制御する。
異常検出部65は、電流指令値Iu*、Iv*、Iw*と、電流検出値Iu_s、Iv_s、Iw_sとの比較により、コイル11〜13の異常である巻線異常を検出する。巻線異常には、コイル11〜13が断線する「断線異常」、および、コイル11〜13の絶縁皮膜の破損に起因する「絶縁異常」が含まれ、これらの異常は、モータジェネレータ10の製造過程や経時劣化によって生じる虞がある。絶縁異常には、コイル11〜13と、コイル11〜13が巻回される図示しないステータとの間の絶縁不良、および、コイル11〜13内での絶縁不良が含まれる。コイル11〜13内での絶縁不良には、いずれかの相内の2箇所が短絡する「相内短絡異常」、および、異なる2相間が短絡する「相間短絡異常」が含まれる。
なお、絶縁不良による短絡は、完全に導通している状態に限らず、絶縁されているべき箇所にて通電が許容されているような状態を含む。また、断線異常は、完全に断線されている状態に限らず、所望の電流を通電できない状態を含む。
また、巻線異常には、ステータに巻回されている箇所で生じる絶縁異常および断線異常に限らず、コイル11〜13と接続されるケーブルや端子等における絶縁異常や断線異常も含まれるものとする。
本実施形態の回転電機駆動システム1は、車体グランドには接続されておらず、回転電機駆動システム1全体が、グランドに対して絶縁されている。そのため、異常が生じていることを報知する必要はあるものの、コイル11〜13とステータとの間にて1箇所の絶縁不良が生じたとしても、回転電機駆動システム1の駆動を継続可能であり、回転電機駆動システム1の駆動力を用いた走行を継続可能である。
以下、巻線異常として、主に断線異常、相内短絡異常、および、相間短絡異常について説明する。
異常検出部65は、巻線異常が生じている場合、巻線異常の種類(断線異常、相内短絡異常、または、相間短絡異常)を特定するとともに、異常が生じている相を特定する。第1制御信号生成部61および第2制御信号生成部62では、巻線異常の種類に応じ、第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。
巻線異常の種類に応じた駆動制御については、後述する。
まず、回転電機駆動システム1が正常である場合の通常制御について説明する。本実施形態では、モータジェネレータ10の回転数およびトルクに応じ、駆動動作を切り替える。図2に示すように、モータジェネレータ10の回転数およびトルクが第1閾値L1未満の領域を低負荷領域A1、回転数およびトルクが第1閾値L1以上、第2閾値L2未満の領域を高負荷領域A2とする。第1閾値L1は、第1電源41または第2電源42の電力にて出力可能な最大値とする。第2閾値L2は、第1電源41および第2電源42の電力にて出力可能な最大値とする。
モータジェネレータ10の回転数およびトルクが低負荷領域A1である場合、第1インバータ20および第2インバータ30の動作を片側駆動動作とする。片側駆動動作は、1電源駆動動作と捉えることもできる。
第1電源41の電力によりモータジェネレータ10を駆動する第1片側駆動動作では、第2制御信号生成部62は、第2上アーム素子31〜33の全相、または、第2下アーム素子34〜36の全相の一方をオン、他方をオフすることにより、第2インバータ30を中性点化する。また、第1制御信号生成部61は、モータジェネレータ10の駆動に係る指令値に基づき、第1インバータ20をPWM制御により制御する。
図3(a)に示す例では、第2上アーム素子31〜33の全相がオン、第2下アーム素子34〜36の全相がオフされることにより、第2インバータ30が中性点化される。また、第1インバータ20において、U1上アーム素子21、V1下アーム素子25、および、W1下アーム素子26がオンされると、図3(a)中の矢印Y1で示す経路の電流が流れる。図3では、オンである素子を実線、オフである素子を破線で示す。また、図3中においては、電流センサ51〜53および制御部60等、一部の構成や符号の記載を適宜省略した。後述の図4等も同様である。
第2電源42の電力によりモータジェネレータ10を駆動する第2片側駆動動作では、第1上アーム素子21〜23の全相、または、第1下アーム素子24〜26の全相の一方をオン、他方をオフすることにより、第1インバータ20を中性点化する。また、モータジェネレータ10の駆動に係る指令値に基づき、第2インバータ30をPWM制御により制御する。
図3(b)に示す例では、第1上アーム素子21〜23の全相がオン、第1下アーム素子24〜26の全相がオフされることにより、第1インバータ20が中性点化される。また、第2インバータ30において、U2上アーム素子31、V2下アーム素子35、および、W2下アーム素子36がオンされると、図3(b)中の矢印Y2で示す経路の電流が流れる。
スイッチング素子31〜36の熱劣化等に応じ、第2上アーム素子31〜33がオンされる状態と、第2下アーム素子34〜36がオンされる状態とを適宜切り替えてもよい。第1インバータ20を中性点化する場合も同様である。
また、第1電源電圧Vb1と第2電源電圧Vb2とが等しいので、モータジェネレータ10に印加される電圧は、第1片側駆動動作と第2片側駆動動作とで等しい。そのため、スイッチング素子21〜26、31〜36の熱劣化等に応じ、第1片側駆動動作と第2片側駆動動作とを適宜切り替えてもよい。中性点化しない方のインバータ20、30は、PWM制御に限らず、どのように制御してもよい。他の制御時も同様、PWM制御に限らず、どのような制御としてもよい。
なお、第1電源電圧Vb1と第2電源電圧Vb2とが異なる場合、電圧が低い方で駆動要求を満たせるときには、高電圧側を中性点化し、低電圧側で駆動する。これにより、スイッチング損失を低減することができる。
モータジェネレータ10の回転数およびトルクが高負荷領域A2である場合、第1インバータ20および第2インバータ30の動作を反転駆動動作とする。反転駆動動作は、2電源駆動動作と捉えることもできる。
反転駆動動作では、制御信号生成部61、62は、モータジェネレータ10の駆動要求に応じた第1基本波F1に基づいて第1インバータ20の駆動を制御し、駆動要求に応じた第2基本波F2に基づいて第2インバータ30の駆動を制御する。
例えば、制御信号生成部61、62は、第1基本波F1とキャリア波との比較によるPWM制御により第1制御信号を生成し、第2基本波F2とキャリア波との比較によるPWM制御により第2制御信号を生成する。PWM制御には、基本波F1、F2の振幅がキャリア波の振幅より小さい「正弦波PWM制御」、および、基本波F1、F2の振幅がキャリア波より大きい「過変調PWM制御」を含むものとする。
反転駆動動作において、第1基本波F1と第2基本波F2とは、位相が反転されている。換言すると、第1基本波F1と第2基本波F2とは、位相が略180[°]ずれている。これにより、第1電源41と第2電源42とが直列接続されている状態とみなすことができ、第1電源電圧Vb1と第2電源電圧Vb2との和に相当する電圧をモータジェネレータ10に印加可能である。
なお、第1基本波F1と第2基本波F2との位相差は、180[°]とするが、第1電源電圧Vb1および第2電源電圧Vb2の和に相当する電圧をモータジェネレータ10に印加可能な程度のずれは許容される。
第1基本波F1の振幅と第2基本波F2の振幅とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。第1基本波F1と第2基本波F2の振幅および波形が等しい場合、各相にてオンされる素子が第1インバータ20と第2インバータ30とで上下反対となる。
図4に示す例では、U1上アーム素子21、V1下アーム素子25、W1下アーム素子26、V2上アーム素子32、W2上アーム素子33、および、U2下アーム素子34がオンされ、このとき、矢印Y3で示す経路の電流が流れる。
また、第1基本波F1と第2基本波F2とは、ともに正弦波である場合のように同様の波形であってもよいし、例えば第1インバータ20または第2インバータ30の一方を正弦波PWM制御し、他方を過変調PWM制御するといった場合のように、異なる波形であってもよい。また、振幅を無限大とみなし、基本波F1、F2の半周期ごとにオンオフが切り替えられる矩形波制御としてもよい。矩形波制御は、180度通電制御ともいえる。また、矩形波制御に替えて、基本波F1、F2に基づく120度通電制御としてもよい。
なお、反転駆動動作にて、振幅や波形が異なる場合、各相にてオンされる素子は、第1インバータ20と第2インバータ30とで、必ずしも上下反対にならない。
図3および図4にて示すように、制御信号生成部61、62は、正常時には、U相、V相およびW相を用いる3相駆動制御によりインバータ20、30を制御する。
ここで、巻線異常が生じた場合について説明する。コイル11〜13内にて絶縁不良が生じると、絶縁不良箇所の発熱による破損状態の悪化や、制御の破綻により、モータジェネレータ10の駆動を継続できなくなる虞がある。図13に示す回転電機駆動システム900は参考例であって、モータ910に対して1つのインバータ920、電源941およびコンデンサ943が設けられる。モータ910の巻線911、912、913は、一端にインバータ920が設けられ、他端が中性点915で結線される。
モータ910において、相間短絡X9が生じると、矢印Y9で示す短絡電流が流れ、モータジェネレータ10を駆動することができない。また、近年ハイブリッド車両の主機モータ等に多く採用されているロータが磁石を有するタイプのモータでは、ロータの回転に伴って誘起電圧が発生し、中性点を経由して短絡電流が流れるため、誘起電圧によって逆トルクが発生する。短絡電流は、ロータの回転数が大きくなるほど大きくなり、更なる絶縁不良を引き起こすことでコイル11〜13自体の損傷に至る虞がある。
モータジェネレータ10が主機モータとして用いられている場合、何らかの異常が生じたとしても、一時的にモータジェネレータ10の駆動を継続することで退避走行可能であることが望ましい。
本実施形態では、モータジェネレータ10に対して2つのインバータ20、30を設けているため、巻線不良が生じた場合であっても、モータジェネレータ10の駆動を継続可能である。
ここで、異常状況に応じた駆動モードの切り替えを図5に示すフローチャートに基づいて説明する。図5に示す駆動モード切替処理は、制御部60にて実行される。本実施形態では、異常検出部65がステップS103〜S107の処理を行い、第1制御信号生成部61および第2制御信号生成部62がその他の処理を行う。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で記す。)では、モータジェネレータ10の最大回転数Rmaxを初期値R0とする。初期値R0は、回転電機駆動システム1にて出力可能な最大回転数とする。
S102では、図2〜図4にて説明した通常制御とする。通常制御においては、モータジェネレータ10の回転数およびトルクに応じ、片側駆動動作、または、両側駆動動作とする。通常制御では、片側駆動動作または両側駆動動作のいずれであっても、全ての相を用いる3相駆動とする。
S103では、巻線異常判定を行い、生じている巻線異常の種類、および、巻線異常が生じている相を特定する。
S104では、巻線異常があるか否かを判断する。巻線異常がないと判断された場合(S104:NO)、S102に戻る。巻線異常があると判断された場合(S104:YES)、S105へ移行する。
S105〜S107は、巻線異常の種類を判別するステップである。S105〜S107の処理順は、変更してもよい。
S105では、生じている異常が相間短絡異常か否かを判断する。生じている異常が相間短絡異常であると判断された場合(S105:YES)、S108へ移行する。生じている異常が相間短絡異常ではないと判断された場合(S107:NO)、S106へ移行する。
S106では、生じている異常が断線異常か否かを判断する。生じている異常が断線異常であると判断された場合(S106:YES)、S110へ移行する。生じている異常が断線異常ではないと判断された場合(S106:NO)、S107へ移行する。
S107では、生じている異常が相内短絡異常か否かを判断する。生じている異常が相間短絡異常であると判断された場合(S107:YES)、S111へ移行する。生じている異常が相間短絡異常ではないと判断された場合(S107:NO)、S113へ移行する。
生じている異常が相間短絡異常であると判断された場合(S105:YES)に移行するS108では、停止相を決定する。停止相は、相間短絡異常が生じている相のうちの一方とする。例えば、図6に示す例のように、U相コイル11とV相コイル12とが短絡箇所X1にて短絡している場合、短絡相がU相およびV相であって、U相またはV相を停止相とする。以下、停止相がU相である場合を例に説明する。
S109では、相間短絡異常時における退避走行制御である第1退避走行制御とする。第1退避走行制御では、停止相以外の2相を用いた2相駆動制御とする。本実施形態における2相駆動制御には、2相を用いた片側駆動、および、2相を用いた両側駆動が含まれる。
図7は、2相を用いた反転駆動のスイッチング状態を示している。
図7(a)に示すように、制御信号生成部61、62は、2相駆動時には、停止相であるU相の全てのスイッチング素子21、24、31、34をオフにする。これにより、短絡箇所X1を切り離すことができるので、短絡箇所X1に短絡電流が流れない。
図7(b)、(c)に示すように、第1制御信号生成部61は、第1インバータ20において、V1上アーム素子22とW1上アーム素子23のオンオフが反対となるように制御する。すなわち、第1制御信号生成部61は、V1上アーム素子22がオンのとき、W1上アーム素子23がオフ、V1上アーム素子22がオフのとき、W1下アーム素子がオンとなるように制御する。
図7(d)、(e)に示すように、第2制御信号生成部62は、第2インバータ30において、V2上アーム素子32とW2上アーム素子33のオンオフが反対となるように、モータジェネレータ10の駆動に係る指令値に基づいて制御する。すなわち、第2制御信号生成部62は、V2上アーム素子32がオンのとき、W2上アーム素子33がオフ、V2上アーム素子32がオフの時、W2上アーム素子33がオンとなるように制御する。
なお、V相およびW相の下アーム素子25、26、35、36は、対応する上アーム素子とオンオフが反対となるように制御される。
2相を用いた反転駆動では、正常時における3相を用いた反転駆動にて説明したのと同様、第1インバータ20の制御に係る第1基本波F1の位相と第2インバータ30の制御に係る第2基本波F2の位相とが反転されていればよく、振幅や波形は異なっていてもよい。なお、図7(b)〜(e)は、基本波F1、F2の振幅および波形が等しい場合の例であり、例えばV1上アーム素子22、W1下アーム素子26、W2上アーム素子33、および、V2下アーム素子35がオンのとき、図6中に矢印Y4で示す経路の電流が流れる。
図8は、第1インバータ20側を中性点化した場合の片側駆動のスイッチング状態を示している。
図8(a)に示すように、制御信号生成部61、62は、反転駆動時と同様、2相駆動時には、停止相であるU相の全てのスイッチング素子21、24、31、34をオフにする。
図8(b)、(c)に示すように、第1制御信号生成部61は、中性点化する第1インバータ20において、V1上アーム素子22およびW1上アーム素子23をオン、V1下アーム素子25およびW1下アーム素子26をオフにする。
図8(d)、(e)に示すように、第2制御信号生成部62は、第2インバータ30において、V2上アーム素子32とW2上アーム素子33のオンオフが反対となるように制御する。すなわち、V2上アーム素子32がオンのとき、W2上アーム素子33がオフ、V2上アーム素子32がオフの時、W2上アーム素子33がオンとなるように制御する。
なお、中性点化されるインバータにおいて、オンされるアームを、適宜切り替えてもよい。また、反転駆動とするか、片側駆動とするかは、モータジェネレータ10の回転数およびトルクに応じ、正常時とは別途に設定されるマップに基づいて選択される。後述する断線異常時および相間短絡異常時についても同様である。
図9(a)は、3相駆動時の電流波形を示し、図9(b)は、2相駆動時の電流波形を示す。図9に示すように、3相駆動時と2相駆動時とでは、電流位相が異なる。図9(b)に示すように、2相駆動を行うと、W相電流Iwは、V相電流Ivを反転した電流となる。また、2相駆動時には、V相電流IvとW相電流Iwとの和がゼロとなる。すなわち、V相電流Ivがゼロのとき、W相電流Iwもゼロとなり、q軸電流Iqが変動する。q軸電流Iqの変動によるトルク変動があるものの、停止相を切り離して2相駆動制御を行うことにより、モータジェネレータ10の駆動を行うことができる。
なお、3相駆動を行う場合、図9(a)に示すように、全ての相の電流がゼロとなるタイミングがなく、q軸電流Iqの変動は小さい。
図5に戻り、生じている異常が断線異常であると判断された場合(S106:YES)に移行するS110では、断線異常時における退避走行制御である第2退避走行制御とする。第2退避走行制御では、断線している相を停止相とし、停止相以外の2相を用いた2相駆動とする。
図10は、U相コイル11がB1にて断線した場合の例である。U相コイル11が断線した場合、断線相であるU相を停止相とし、制御信号生成部61、62は、停止相であるU相の全てのスイッチング素子21、24、31、34をオフにする。また、制御信号生成部61、62は、断線していないV相およびW相を2相駆動制御する。2相駆動の詳細は、相間短絡異常時と同様であり、2相を用いた片側駆動としてもよいし、反転駆動としてもよい。図10には、2相を用いた反転駆動の例を示しており、例えば、V1上アーム素子22、W1下アーム素子26、W2上アーム素子33、および、V2下アーム素子35がオンのとき、矢印Y5で示す経路の電流が流れる。
生じている異常が相内短絡異常であると判断された場合(S107:YES)に移行するS111では、モータジェネレータ10の最大回転数Rmaxを制限値R1とする。制限値R1は、初期値R0よりも小さい。すなわちR1<R0である。相内短絡異常の場合、短絡電流を流さないようにすることができないため、制限値R1は、短絡電流が流れても支障がない程度の値に設定される。なお、通電経路として、比較的近い2点が短絡した場合は誘起電圧が低く、短絡電流が小さい。一方、比較的遠い2点が短絡した場合には誘起電圧が高く、短絡電流が大きい。また、短絡箇所の導通状態によっても短絡電流の大きさは異なる。そのため、制限値R1は、誘起電圧や短絡電流の大きさに応じて可変としてもよい。
なお、相間短絡異常時には、短絡相の1相を停止相として切り離すことにより、短絡電流を流すことなくモータジェネレータ10を駆動することができるので、最大回転数Rmaxを制限する必要がない。したがって、相間短絡異常時の最大回転数Rmaxを初期値R0とする。断線異常時も同様、最大回転数Rmaxを初期値R0とする。
S112では、相内短絡異常時における退避走行である第3退避走行制御とする。第3退避走行制御では、モータジェネレータ10の最大回転数Rmaxが制限値R1以下の範囲で、3相駆動または2相駆動とする。図11および図12に示すように、本実施形態では、U相コイル11が短絡箇所X2にて相内短絡した場合を例に説明する。
図11は、相内短絡異常時に2相駆動する例を示している。図11に示すように、U相コイル11が相内短絡した場合、制御信号生成部61、62は、短絡相であるU相の全てのスイッチング素子21、24、31、34をオフにする。また、制御信号生成部61、62は、短絡していないV相およびW相を2相駆動制御する。2相駆動の詳細は、相間短絡異常時と同様であり、2相を用いた片側駆動としてもよいし、反転駆動としてもよい。図11には、2相を用いた反転駆動の例を示しており、例えば、V1上アーム素子22、W1下アーム素子26、W2上アーム素子33、および、V2下アーム素子35がオンのとき、矢印Y6で示す経路の電流が流れる。なお、相内短絡異常時に2相駆動制御する場合、短絡相の電流がゼロにならないため、図9(b)の波形とは異なる波形となる。
これにより、短絡電流を許容できる回転数範囲内において、短絡相を用いることなく、より安全にモータジェネレータ10の駆動を継続することができる。
図12は、相内短絡異常時に3相駆動する例を示している。3相駆動の詳細は、最大回転数Rmaxの上限が異なる以外は正常時と同様であり、3相を用いた片側駆動としてもよいし、反転駆動としてもよい。図12には、3相を用いた反転駆動の例を示しており、例えば、U1上アーム素子21、V1下アーム素子25、W1下アーム素子26、V2上アーム素子32、W2上アーム素子33、および、U2下アーム素子34がオンのとき、矢印Y7で示す経路の電流が流れる。
相内短絡時の3相駆動では、短絡箇所にも電流を流すことになるため、例えばU1コイル11が相内短絡している場合、U相コイル11のインダクタンスは、正常時より小さくなる。そのため、正常時と同様の電流指令にすると、U相電流Iuが大きくなるが、電流フィードバック制御を行うことで、相電流Iu、Iv、Iwを所望の値に収束させることが可能である。なお、フィードフォワード制御等を行う場合、相内短絡に起因するU相コイル11のインダクタンスの低下分を補正して演算することが望ましい。
相内短絡時の3相駆動では、最大回転数Rmaxが制限値R1の範囲内にて、トルク変動を抑えた状態にて、モータジェネレータ10の駆動を継続することができる。また、2相駆動では、ロータの停止位置によってはモータジェネレータ10を起動することができないが、3相駆動では、ロータの停止位置によらず、モータジェネレータ10を起動可能である。そのため、相内短絡時において、例えば始動時は3相駆動とし、始動後は2相駆動に切り替えるように制御してもよい。
生じている異常が相間短絡異常、断線異常、または、相内短絡異常のいずれでもない場合(S105〜S107:NO)に移行するS113は、巻線異常の種類が特定できない、あるいは、多重故障が生じている場合であって、退避走行ができないため、全てのスイッチング素子21〜26、31〜36をオフにし、惰性走行とする。
以上詳述したように、本発明の一実施形態による電力変換装置5は、複数相のコイル11、12、13を有するモータジェネレータ10の電力を変換するものであって、第1インバータ20と、第2インバータ30と、制御部60と、を備える。
第1インバータ20は、コイル11、12、13の各相に対応して設けられる第1スイッチング素子21〜26を有し、コイル11、12、13の一端111、121、131および第1電源41と接続される。
第2インバータ30は、コイル11、12、13の各相に対応して設けられる第2スイッチング素子31〜36を有し、コイル11、12、13の他端112、122、132および第2電源42と接続される。
制御部60は、制御信号生成部61、62を、および、異常検出部65を有する。
制御信号生成部61、62は、第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。
異常検出部65は、相内短絡異常、相間短絡異常、断線異常を含む巻線異常を検出する。相内短絡異常は、巻線の1相内にて短絡する異常である。相間短絡異常は、巻線の2相間が短絡する異常である。断線異常は、巻線の1相が断線する異常である。
制御信号生成部61は、検出された巻線異常に応じ、全相を用いる全相駆動制御、または、巻線異常に係る1相を停止相とし、停止相の第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を全てオフにし、停止相以外の相を用いる減相駆動制御により、第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。
本実施形態では、1つのモータジェネレータ10に対して2つのインバータ20、30を設ける構成において、検出された巻線異常に応じて第1インバータ20および第2インバータ30を制御することで、モータジェネレータ10の駆動を制御することができる。これにより、巻線異常の種類に応じ、適切にモータジェネレータ10の駆動を制御することができ、巻線異常が生じていてもモータジェネレータ10を駆動することができる。特に、モータジェネレータ10を電動車両の主機モータに適用した場合、巻線異常が生じた場合であっても、退避走行を行うことができる。
制御信号生成部61、62は、巻線異常が相間短絡異常である場合、短絡相の一方を停止相とする減相駆動制御(本実施形態では2相駆動制御)により第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。
短絡相の1相を停止相とし、停止相のスイッチング素子を全てオフすることで、停止相を切り離しすことができる。また、停止相以外を用いた減相駆動制御とすることで、相間短絡異常が生じた場合であっても、短絡電流を流すことなく、モータジェネレータ10を駆動することができる。
制御信号生成部61、62は、巻線異常が断線異常である場合、断線相を停止相とする減相駆動制御により第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。
これにより、断線異常が生じた場合であっても、断線相を用いない減相駆動制御とすることで、断線異常が生じた場合であっても、モータジェネレータ10の駆動を継続することができる。
制御信号生成部61、62は、巻線異常が相内短絡異常である場合、全相駆動制御、または、短絡相を停止相とする減相駆動制御により、第1インバータ20および第2インバータ30を制御する。
これにより、相内短絡異常が生じた場合であっても、モータジェネレータ10を駆動することができる。
制御信号生成部61、62は、巻線異常が相内短絡異常である場合、モータジェネレータ10の回転数が、巻線異常が生じていないときのモータジェネレータ10の最大回転数である初期値R0より小さい制限値R1以下となるように、第1スイッチング素子21〜26および第2スイッチング素子31〜36を制御する。
巻線異常が相内短絡異常である場合、短絡電流の通電を停止することができない。そこで本実施形態では、相内短絡時には、モータジェネレータ10の最大回転数Rmaxを制限して、モータジェネレータ10の駆動を継続する。これにより、相内短絡箇所の過熱や異常状態の更なる悪化を抑制することができる。
本実施形態では、制御信号生成部61、62が「インバータ制御手段」を構成し、異常検出部65が「異常検出手段」を構成する。また、モータジェネレータ10の最大回転数Rmaxに係る初期値R0が「正常時最大回転数」に対応し、制限値R1が「異常時最大回転数」に対応する。
(他の実施形態)
(ア)異常検出手段
上記実施形態では、電流指令値と電流検出値との比較により、巻線異常の判定を行う。他の実施形態では、巻線異常の判定方法は、電流指令値と電流検出値との比較に限らず、どのような方法としてもよい。
また、上記実施形態では、電流検出値は、第1インバータと巻線との間に設けられる電流センサから取得される。他の実施形態では、電流センサは、第2インバータと巻線との間等、第1インバータと巻線との間以外の箇所に設けてもよい。また、上記実施形態では、電流センサは3相に設けられる。他の実施形態では、電流センサの一部を省略してもよく、例えば、電流センサを2相に設け、他1相の電流検出値は、3相和=0より求めてもよい。また、電流センサを省略し、制御部にて内部的に実電流を推定するようにしてもよい。
(イ)電源
上記実施形態では、第1電源および第2電源は、ともにリチウムイオン電池であり、第1電圧と第2電圧とが等しい。他の実施形態では、第1電源および第2電源の少なくとも一方をリチウムイオンバッテリ以外の鉛蓄電池、燃料電池、または、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタであってもよい。また、第1電源および第2電源の種類および電圧は異なっていてもよい。さらにまた、第1電源または第2電源の一方を、エンジン等の駆動源により駆動されて発電する発電機等としてもよい。
(ウ)回転電機
上記実施形態では、回転電機はモータジェネレータである。他の実施形態では、回転電機は、発電機の機能を持たない電動機であってもよいし、電動機の機能を持たない発電機であってもよい。また、上記実施形態の回転電機は3相である。他の実施形態では、回転電機は、4相以上としてもよい。また、上記実施形態では、回転電機駆動システムは、グランドと接続されていないが、他の実施形態では、回転電機駆動システムを、グランドと接続してもよい。
また、上記実施形態では、回転電機が電動車両の主機モータである。他の実施形態では、回転電機は、主機モータに限らず、例えばスタータ機能とオルタネータ機能とを併せ持つ、所謂ISG(Integrated Starter Generator)や、補機モータであってもよい。また、電力変換装置を車両以外の装置に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
5・・・電力変換装置
10・・・モータジェネレータ(回転電機)
11〜13・・・コイル(巻線)
20・・・第1インバータ
21〜26・・・第1スイッチング素子
30・・・第2インバータ
31〜36・・・第2スイッチング素子
60・・・制御部
61、62・・・制御信号生成部(インバータ制御手段)
65・・・異常検出部(異常検出手段)

Claims (5)

  1. 複数相の巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置であって、
    前記巻線の各相に対応して設けられる第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)および第1電圧源(41)と接続される第1インバータ(20)と、
    前記巻線の各相に対応して設けられる第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)および第2電圧源(42)と接続される第2インバータ(30)と、
    前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御するインバータ制御手段(61、62)、および、前記巻線の1相内にて短絡する異常である相内短絡異常、前記巻線の2相間が短絡する異常である相間短絡異常、および、前記巻線の1相が断線する異常である断線異常を含む巻線異常を検出する異常検出手段(65)を有する制御部(60)と、
    を備え、
    前記インバータ制御手段は、検出された前記巻線異常に応じ、全相を用いる全相駆動制御、または、前記巻線異常に係る1相を停止相とし、前記停止相の前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を全てオフにし、前記停止相以外の相を用いる減相駆動制御により、前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記インバータ制御手段は、前記巻線異常が前記相間短絡異常である場合、短絡相のうちの一方を前記停止相とする前記減相駆動制御により前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記インバータ制御手段は、前記巻線異常が前記断線異常である場合、断線相を前記停止相とする前記減相駆動制御により前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記インバータ制御手段は、前記巻線異常が前記相内短絡異常である場合、前記全相駆動制御、または、短絡相を前記停止相とする前記減相駆動制御により、前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記インバータ制御手段は、前記巻線異常が前記相内短絡異常である場合、前記回転電機の回転数が、前記巻線異常が生じていないときの前記回転電機の最大回転数である正常時最大回転数より小さい異常時最大回転数以下となるように、前記第1インバータおよび前記第2インバータを制御することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
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