[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る位置入力装置付き表示装置(以下、単に表示装置と記す。)の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る表示装置の一部の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る表示装置100は、特に、フラットパネル型の表示装置である。
図1に示したように、本実施の形態に係る表示装置100は、表示装置本体4と、偏光光学素子5と、位置入力装置と、光源であるバックライト6とを備えている。表示装置本体4は、光を出射する第1の光出射面4aと、その反対側の光入射面4bとを有している。偏光光学素子5は、第1の光出射面4aに対向する対向面5aと、対向面5aとは反対側の第2の光出射面5bとを有している。偏光光学素子5は、第1の光出射面4aから出射された光を、その偏光状態を変化させて通過させて第2の光出射面5bから出射させる。本実施の形態では、偏光光学素子5は、偏光板である。以下、偏光光学素子5を、第1の偏光板5とも記す。表示装置本体4と第1の偏光板5は、協働して液晶表示装置を構成する。バックライト6は、出射した光を、表示装置本体4の光入射面4bに入射させる。
表示装置本体4は、複数の画素を含んでいる。また、表示装置本体4は、光入射面4b側から順に設けられた第2の偏光板41、駆動部42、液晶層43、対向電極44およびカラーフィルタ45を備えている。図示しないが、表示装置本体4は、更に、駆動部42と液晶層43の間に配置された第1の配向膜と、液晶層43と対向電極44の間に配置された第2の配向膜とを備えている。第1の光出射面4aは、カラーフィルタ45によって形成されている。光入射面4bは、第2の偏光板41によって形成されている。複数の画素、駆動部42およびカラーフィルタ45については、後で詳しく説明する。
本実施の形態における位置入力装置は、いわゆるタッチパネルである。また、本実施の形態における位置入力装置は、静電容量方式であり、特に投影型静電容量方式である。この位置入力装置は、静電容量を変化させ得る、指等の物体が、表示装置100の表示面上に接触した位置を、静電容量の変化に基づいて検出する。
本実施の形態における位置入力装置は、位置入力装置の少なくとも一部を構成する位置入力装置本体1を有している。本実施の形態では、位置入力装置本体1は、位置入力装置の全体を構成している。
位置入力装置本体1は、互いに反対側に向いた第1の面1aおよび第2の面1bを有している。位置入力装置本体1は、第1の面1aが表示装置本体4の第1の光出射面4aに向き、第2の面1bが第1の偏光板(偏光光学素子)5の対向面5aに向くように、第1の光出射面4aと対向面5aの間に配置されている。第1の光出射面4aから出射された光は、位置入力装置本体1と第1の偏光板5を順に通過して、第2の光出射面5bから出射される。位置入力装置本体1すなわち本実施の形態における位置入力装置の全体は、カラーフィルタ45と第1の偏光板5の間に配置されている。そのため、本実施の形態に係る表示装置100は、オンセル型の位置入力装置付き表示装置に分類される。
表示装置100は、更に、第1の接着層11と第2の接着層12を備えている。第1の接着層11は、表示装置本体4の第1の光出射面4aと、位置入力装置本体1の第1の面1aを接合している。第2の接着層12は、第1の偏光板5の対向面5aと、位置入力装置本体1の第2の面1bを接合している。
表示装置100は、更に、第1の偏光板5の第2の光出射面5bを保護する保護層を備えていてもよい。この場合、表示装置100の表示面は、保護層によって形成される。保護層は、保護層よりも下に位置する表示装置100の構成要素を保護するための層である。
表示装置100は、更に、第1の偏光板5と上記保護層の間に配置された円偏光板を備えていてもよい。円偏光板は、積層された偏光板および1/4波長板によって構成されている。円偏光板は、表示装置100による外光の反射を防止して、コントラストの低下を防止する機能を有している。すなわち、円偏光板を通過して表示装置100内に入射した外光が、表示装置100内(円偏光板を除く)で反射されて、反射光が発生した場合、円偏光板は、この反射光の通過を阻止する。
図1に示した例では、表示装置本体4の第1の光出射面4aと、第1の偏光板5の第2の光出射面5bは、いずれも平面である。しかし、第1の光出射面4aおよび第2の光出射面5bは、いずれも曲面であってもよい。この場合、位置入力装置本体1の第1および第2の面1a,1bも曲面になる。また、表示装置100は、全体が可撓性を有していてもよい。
次に、図2および図3を参照して、位置入力装置本体1について更に詳しく説明する。図2は、位置入力装置本体1の一部を示す断面図である。図3は、位置入力装置本体1の第1および第2の導体層を示す平面図である。図3は、位置入力装置本体1の第1の面1a側から見た状態を表している。また、図3において、2−2線は、図2の断面の位置を示している。位置入力装置本体1は、透明耐熱性材料よりなる透明耐熱性材料層2と、透明耐熱性材料層2の一方の面上に配置されて入力位置検出のために用いられるセンサ部3とを有している。本実施の形態では、位置入力装置本体1の第1の面1aは、センサ部3によって形成され、位置入力装置本体1の第2の面1bは、透明耐熱性材料層2によって形成されている。
透明耐熱性材料層2は、0.5〜50μmの範囲内の厚みを有している。表示装置100の厚みを小さくする観点からは、透明耐熱性材料層2の厚みは小さいほどよい。透明耐熱性材料層2の厚みの上限値である50μmは、ガラス基板に比べて十分小さい値である。透明耐熱性材料層2の厚みの下限値である0.5μmは、透明耐熱性材料層2の損傷を防止する観点から最低限必要な厚みである。透明耐熱性材料層2の厚みは、1〜30μmの範囲内であることが好ましく、3〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
透明耐熱性材料層2には、透明性が高いことと、リタデーションが小さいこと、耐熱性が高いことが求められる。以下、これら3つの性質について順に説明する。始めに、透明性について説明する。第1の光出射面4aから出射された光は、透明耐熱性材料層2を含む位置入力装置本体1と、第1の偏光板5を順に通過して、第2の光出射面5bから出射される。そのため、透明耐熱性材料層2には、表示装置本体4の表示内容を、画質を低下させることなく透過させることができること、すなわち、可視光に対する高い透明性が求められる。具体的には、透明耐熱性材料層2は、440〜780nmの波長領域内の光に対して70%以上の透過率を有していることが好ましい。
次に、リタデーションについて説明する。透明耐熱性材料層2のリタデーションが大きいと、透明耐熱性材料層2の通過の前後で、透明耐熱性材料層2を通過する光の偏光状態が大きく変化する。これにより、第1の偏光板5に入射する光の偏光状態が所望の偏光状態と異なってしまい、その結果、表示装置100の特性が劣化する。具体的には、第1の偏光板5からの光漏れが大きくなる。そのため、透明耐熱性材料層2には、可視光に対するリタデーションが小さいことが求められる。具体的には、透明耐熱性材料層2は、440〜780nmの波長領域内の光に対して10nm以下のリタデーションを有していることが好ましい。なお、リタデーションとは、光の進行方向に直交する2つの軸(進相軸および遅相軸)の屈折率差と材料の厚みの積で表される値である。
次に、耐熱性について説明する。後で説明するが、センサ部3を形成する過程で熱処理が行われるため、透明耐熱性材料層2には、耐熱性が高いことが求められる。具体的には、透明耐熱性材料層2は、300℃以上のガラス転移温度を有していることが好ましい。
透明耐熱性材料層2を形成するための透明耐熱性材料としては、上記の3つの性質に関する好ましい要件を全て満たすことができる点で、ポリイミドが好ましい。このポリイミドは、含フッ素ポリイミドであることがより好ましい。ポリイミドの化学構造については、後で詳しく説明する。なお、透明耐熱性材料層2を形成するための透明耐熱性材料としては、ポリイミドの他に、シルセスキオキサンを基本骨格とした有機無機ハイブリッド材料を用いることができる。このような有機無機ハイブリッド材料としては、例えば、新日鉄住金化学株式会社製のシルプラス(登録商標)がある。
次に、センサ部3について説明する。センサ部3は、透明導電材料よりなる第1の導体層30Aおよび第2の導体層30Bを含んでいる。第1および第2の導体層30A,30Bを構成する透明導電材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO、酸化インジウム亜鉛(IZO(登録商標))が用いられる。
第1の導体層30Aは、複数の第1の電極部31Aと、複数の第1の接続部32Aと、複数の第1の端子部33Aと、複数の第1の信号取り出し配線部34Aとを含んでいる。複数の第1の電極部31Aは、互いに交差する第1の方向と第2の方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。なお、ここでは、図3における左右方向を第1の方向Xとし、図3における上下方向を第2の方向Yとして説明する。本実施の形態では、第2の方向Yは、第1の方向Xに対して垂直である。
複数の第1の接続部32Aは、それぞれ、第1の方向Xに隣接する2つの第1の電極部31Aを接続している。これにより、第1の方向Xに並ぶ1列の複数の第1の電極部31Aが直列に接続されている。以下、直列に接続された1列の複数の第1の電極部31Aを、第1の電極部列と言う。第1の導体層30Aは、並行して第1の方向Xに延びる複数の第1の電極部列を含んでいる。
複数の第1の端子部33Aは、それぞれ、複数の第1の電極部31Aが配置された領域の外側に配置されている。複数の第1の信号取り出し配線部34Aは、それぞれ、対応する第1の電極部列の一端と第1の端子部33Aとを接続している。なお、図3に示した例では、複数の第1の信号取り出し配線部34Aは、それぞれ、対応する第1の電極部列の一端に、第1の接続部32Aと同様の構造の接続部を介して接続されている。複数の第1の端子部33Aは、図示しない制御部との接続に用いられる。
第2の導体層30Bは、複数の第2の電極部31Bと、複数の第2の接続部32Bと、複数の第2の端子部33Bと、複数の第2の信号取り出し配線部34Bとを含んでいる。複数の第1の電極部31Aは、第1の方向Xと第2の方向Yにそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。
複数の第2の接続部32Bは、それぞれ、第2の方向Yに隣接する2つの第2の電極部31Bを接続している。これにより、第2の方向Yに並ぶ1列の複数の第2の電極部31Bが直列に接続される。以下、直列に接続された1列の複数の第2の電極部31Bを、第2の電極部列という。第2の導体層30Bは、並行して第2の方向Yに延びる複数の第2の電極部列を含んでいる。
複数の第2の端子部33Bは、それぞれ、複数の第2の電極部31Bが配置された領域の外側に配置されている。複数の第2の信号取り出し配線部34Bは、それぞれ、対応する第2の電極部列の一端と第2の端子部33Bとを接続している。複数の第2の端子部33Bは、図示しない制御部との接続に用いられる。
図3に示したように、複数の第1の電極部31Aと複数の第2の電極部31Bは、位置入力装置本体1の第1および第2の面1a,1bに垂直な方向から見て、互いに重ならないように互い違いに配置されている。複数の第1の電極部31Aと複数の第2の電極部31Bの平面形状(位置入力装置本体1の第1および第2の面1a,1bに垂直な方向から見た形状)は、例えば正方形である。また、複数の第1の電極部31Aと複数の第2の電極部31Bは、それらの平面形状である正方形の2つの対角線が第1の方向Xと第2の方向Yに向くように配置されている。
複数の第1の接続部32Aと複数の第2の接続部32Bは、第1および第2の面1a,1bに垂直な方向について互いに異なる位置に配置されている。第1および第2の面1a,1bに垂直な方向から見たときに、複数の第1の接続部32Aと複数の第2の接続部32Bは、互いに交差している。
以下、センサ部3が配置された透明耐熱性材料層2の一方の面を配置面2aと呼ぶ。配置面2aの上には、複数の第1の接続部32Aを除く第1および第2の導体層30A,30Bの構成要素が配置されている。センサ部3は、更に、複数の第1の接続部32Aを除く第1および第2の導体層30A,30Bの構成要素と、配置面2aとを覆う第1の絶縁膜35を含んでいる。複数の第1の接続部32Aは、第1の絶縁膜35の表面に沿って配置されている。また、第1の絶縁膜35は、各第1の電極部31Aにおける第1の方向Xの両端の近傍の部分を露出させる複数のコンタクトホール35aを有している。複数の第1の接続部32Aは、コンタクトホール35a内にも配置され、第1の電極部31Aに接触している。これにより、第1の方向Xに隣接する2つの第1の電極部31Aが、1つの第1の接続部32Aによって接続される。
センサ部3は、更に、第1の絶縁膜35と複数の第1の接続部32Aを覆う第2の絶縁膜36を含んでいる。位置入力装置本体1の第2の面1bは、第2の絶縁膜36によって形成されている。第1および第2の絶縁膜35,36は、例えばフォトレジストによって形成されている。なお、第2の絶縁膜36は、センサ部3の必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。この場合、位置入力装置本体1の第1の面1aは、第1の絶縁膜35と複数の第1の接続部32Aによって形成される。
第1および第2の導体層30A,30Bは、複数組の第1の電極部列と第2の電極部列の間の静電容量を監視する図示しない制御部に接続されている。表示装置100の表示面上の任意の位置に、静電容量を変化させ得る、指等の物体が接触すると、その接触位置に最も近い位置で交差する1組の第1の電極部列と第2の電極部列の間の静電容量が変化する。従って、制御部は、複数組の第1の電極部列と第2の電極部列の間の静電容量を監視することによって、表示装置100の表示面上の接触位置を検出することができる。
次に、図1、図4および図5を参照して、表示装置本体4の複数の画素、駆動部42およびカラーフィルタ45について詳しく説明する。図4は、表示装置本体4の駆動部42を示す平面図である。図5は、表示装置本体4のカラーフィルタ45を示す平面図である。
表示装置本体4は、前述の第1の方向Xと第2の方向Yにそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列された複数の画素80を含んでいる。複数の画素80の各々は、互いに異なる色に対応した複数の副画素を含んでいる。本実施の形態では特に、1つの画素80は、赤色(R)に対応した副画素81Rと、緑色(G)に対応した副画素81Gと、青色(B)に対応した副画素81Bとを含んでいる。以下、任意の副画素については、符号81を付して表す。なお、1つの画素80は、副画素81R,81G,81Bのみを含むものに限られない。例えば、1つの画素80は、副画素81R,81G,81Bの他に、黄色(Ye)に対応した副画素や、白色(W)に対応した副画素を含んでいてもよい。
本実施の形態では、表示装置本体4は、アクティブマトリクス方式の構造になっている。この場合、駆動部42は、複数の副画素81に対応する複数の画素電極82と、複数の副画素81に対応する複数の薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す。)83とを有している。表示装置本体4の対向電極44は、全ての画素電極82にわたって対向している。複数の画素電極82および対向電極44は、ITO等の透明導電材料によって形成されている。複数の副画素81の各々は、1つの画素電極82と、1つのTFT83と、画素電極82に対向する対向電極44の一部と、画素電極82と対向電極44の一部との間に配置された液晶層43の一部によって構成されている。
複数の画素電極82と複数のTFT83は、それぞれ、第1の方向Xと第2の方向Yにそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。駆動部42は、更に、並行して第1の方向Xに延びる複数の第1の電極84と、並行して第2の方向Yに延びる複数の第2の電極85とを有している。図4に示したように、第1の光出射面4aに垂直な方向から見たときに、複数の第1の電極84と複数の第2の電極85は、互いに交差している。従って、複数の第1の電極84と複数の第2の電極85は、格子状に配列されている。複数の第1の電極84と複数の第2の電極85によって格子状に区切られた複数の領域が、複数の副画素81に対応する。各TFT83のゲートは、それに対応する第1の電極84に接続され、各TFT83のソースは、それに対応する第2の電極85に接続され、各TFT83のドレインは、それに対応する画素電極82に接続されている。
TFTは、アモルファスシリコンTFTとポリシリコンTFTとに大別される。ポリシリコンTFTでは、プロセス温度の低温化が可能な低温ポリシリコンTFTが主流となっている。複数のTFT83としては、例えば低温ポリシリコンTFTが用いられる。あるいは、複数のTFT83として、酸化物半導体TFTを用いてもよい。
図4に示した例では、表示装置本体4の第1の光出射面4aに垂直な方向から見たときに、各副画素81の外縁の形状は矩形である。副画素81R,81G,81Bの3つの外縁の形状は、全て同じでもよいし、全て異なっていてもよいし、2つが同じで他の1つがそれらと異なっていてもよい。図4には、副画素81R,81G,81Bの3つの外縁の形状が全て同じである例を示している。
駆動部42は、更に、複数の画素電極82、複数のTFT83、複数の第1の電極84および複数の第2の電極85を支持する図示しない第1の支持層を有している。第1の支持層は、第2の偏光板41に接している。
図5に示したように、カラーフィルタ45は、複数の画素80に対応するように配列された複数の画素対応部90を有している。複数の画素対応部90の各々は、複数の副画素81に対応するように配置された複数の副画素対応部を含んでいる。本実施の形態では、1つの画素80が3つの副画素81R,81G,81Bを含んでいることから、1つの画素対応部90は、3つの副画素対応部91R,91G,91Bを含んでいる。以下、任意の副画素対応部については、符号91を付して表す。図5では、隣接する2つの副画素対応部91の境界を破線で示している。第1の光出射面4aに垂直な方向から見たときに、複数の副画素対応部91は、それぞれ、対応する副画素81と重なる位置に配置されている。第1の光出射面4aに垂直な方向から見たときの副画素対応部91R,91G,91Bの外縁の形状は、それぞれ、副画素81R,81G,81Bと同じである。すなわち、副画素対応部91R,91G,91Bのそれぞれの外縁は矩形である。
複数の副画素対応部91は、互いに異なる色の光を透過させる複数の透過部92を含んでいる。副画素対応部91Rの透過部92は赤色(R)の光を選択的に透過させ、副画素対応部91Gの透過部92は緑色(G)の光を選択的に透過させ、副画素対応部91Bの透過部92は青色(B)の光を選択的に透過させる。
カラーフィルタ45は、更に、複数の透過部92を互いに分離するブラックマトリクス93を有している。ブラックマトリクス93は、光を透過させない部分である。ブラックマトリクス93は、並行して第1の方向Xに延びる複数の部分と、並行して第2の方向Yに延びる複数の部分とを有し、全体が格子状をなしている。隣接する2つの副画素対応部91の境界は、ブラックマトリクス93内に位置している。
カラーフィルタ45は、更に、複数の画素対応部90を支持する図示しない第2の支持層を有している。表示装置本体4の第1の光出射面4aは、第2の支持層によって形成されている。
複数の副画素81には、表示装置本体4の光入射面4b側から、バックライト6からの光が入射する。副画素81Rを通過した光は、その副画素81Rに対応する副画素対応部91R内の透過部92を透過して、赤色光として、第1の光出射面4aから出射される。同様に、副画素81Gを通過した光は、その副画素81Gに対応する副画素対応部91G内の透過部92を透過して、緑色光として、第1の光出射面4aから出射される。また、副画素81Bを通過した光は、その副画素81Bに対応する副画素対応部91B内の透過部92を透過して、青色光として、第1の光出射面4aから出射される。
次に、本実施の形態に係る表示装置100の製造方法について説明する。表示装置100の製造方法は、表示装置本体4を作製する工程と、偏光光学素子(第1の偏光板)5を作製する工程と、位置入力装置本体1を作製する工程と、結合工程とを備えている。結合工程は、第1の接着層11によって第1の光出射面4aと第1の面1aを接合し、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面1bを接合して、表示装置本体4、偏光光学素子5および位置入力装置本体1を結合させる。
ここで、表示装置本体4を作製する工程について簡単に説明する。表示装置本体4を作製する工程では、まず、駆動部42とカラーフィルタ45を作製する。次に、駆動部42に対して第1の配向膜を形成し、カラーフィルタ45に対して対向電極44と第2の配向膜を形成する。次に、第1の配向膜と第2の配向膜の間に液晶を封入して液晶層43を形成する。次に、駆動部42に対して第2の偏光板41を貼り合わせて、表示装置本体4を完成させる。
以下、位置入力装置本体1を作製する工程について詳しく説明する。位置入力装置本体1を作製する工程は、支持基材と透明耐熱性材料層2の積層体を形成する工程と、透明耐熱性材料層2の上にセンサ部3を形成して、支持基材上に位置入力装置本体1が形成された構造体を作製する工程とを含んでいる。
始めに、図6を参照して、透明耐熱性材料層2を形成するための透明耐熱性材料がポリイミドである場合を例にとって、上記積層体を形成する工程について説明する。図6は、積層体を形成する工程を説明するための説明図である。この工程では、例えば、支持基材51の上に、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、これをイミド化して透明耐熱性材料層2を形成して、支持基材51と透明耐熱性材料層2の積層体52を形成する。あるいは、溶剤可溶性のポリイミドの樹脂溶液を支持基材51の上に塗布し、その後、溶剤を除去して、積層体52を形成してもよい。支持基材51は、ポリイミドによって構成されていてもよい。この場合には、支持基材51とは別の支持体の上に上記の方法で透明耐熱性材料層2を形成し、次に、透明耐熱性材料層2の上に、透明耐熱性材料層2の形成方法と同様の方法で支持基材51を形成して、積層体52を形成してもよい。
積層体52を形成する工程では、互いに接する支持基材51と透明耐熱性材料層2の2つの面を、後で容易に剥離できる状態にしておく。そのため、支持基材51と透明耐熱性材料層2の接着強度は、1〜500N/mの範囲内であることが好ましい。
支持基材51は、300℃以上のガラス転移温度を有するポリイミドによって構成されていることが好ましい。また、支持基材51は、センサ部3を形成する際のハンドリング性が確保できるような厚みを有していていることが好ましい。あるいは、支持基材51は、図示しない支持部の上に配置されていてもよい。この場合、図示しない支持部は、センサ部3を形成する際のハンドリング性が確保できるような厚みを有していていることが好ましい。
次に、図7ないし図10を参照して、構造体を作製する工程の一例について説明する。図7は、構造体を作製する工程中の一工程を示す平面図である。図8は、図7における8−8線で示す位置の断面を示す断面図である。図9は、図7に示した工程に続く工程を示す平面図である。図10は、図9における10−10線で示す位置の断面を示す断面図である。構造体を作製する工程では、透明耐熱性材料層2の上に、第1および第2の導体層30A,30Bを含むセンサ部3を形成する。以下、第1および第2の導体層30A,30Bが、ITOによって構成されている場合を例にとって説明する。
図7および図8は、積層体52を形成した後の工程を示している。この工程では、まず、透明耐熱性材料層2の上に、後に第1の導体層30Aとなる第1の初期導体層30APの一部と、後に第2の導体層30Bとなる第2の初期導体層30BPを形成する。なお、第1の初期導体層30APの一部というのは、第1の初期導体層30APのうち、後に複数の第1の接続部32Aとなる部分を除いた部分のことである。次に、透明耐熱性材料層2の配置面2a、第1の初期導体層30APの一部および第2の初期導体層30BPを覆うように、第1の絶縁膜35を形成する。
第1の初期導体層30APの一部と第2の初期導体層30BPは、例えばフォトリソグラフィを用いて形成される。すなわち、まず、例えば真空蒸着法やスパッタリング法によって、透明耐熱性材料層2の配置面2a上に導電材料層を形成する。この導電材料層は、アモルファス状態のITOによって形成されている。次に、導電材料層の上に、フォトレジスト層を形成する。次に、第1の初期導体層30APの一部と第2の初期導体層30BPの平面形状に対応するように構成されたフォトマスクを用いて、フォトレジスト層を選択的に露光する。次に、露光後のフォトレジスト層を現像して、フォトレジスト層のうちの不要な部分を除去する。次に、現像後のフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いて、導電材料層を選択的にエッチングする。このエッチングは、例えば、弱酸性のエッチング液を用いたウェットエッチングによって行われる。導電材料層のうち、エッチング後に残った部分が、第1の初期導体層30APの一部と第2の初期導体層30BPになる。
図7および図8において、符号31APを付した部分は、第1の初期導体層30APのうち、後に複数の第1の電極部31Aとなる部分(以下、第1の初期電極部と言う。)である。また、符号31BPを付した部分は、第2の初期導体層30BPのうち、後に複数の第2の電極部31Bとなる部分である。符号32BPを付した部分は、第2の初期導体層30BPのうち、後に複数の第2の接続部32Bとなる部分である。
図9および図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、第1の絶縁膜35に、複数のコンタクトホール35aを形成する。第1の絶縁膜35がフォトレジストよりなる場合には、複数のコンタクトホール35aは、例えば以下のようにして形成される。まず、複数のコンタクトホール35aの位置に対応するように構成されたフォトマスクを用いて、第1の絶縁膜35を選択的に露光する。次に、露光後の第1の絶縁膜35を現像する。これにより、第1の絶縁膜35に、複数のコンタクトホール35aが形成される。
次に、後に複数の第1の接続部32Aとなる複数の第1の初期接続部を形成する。複数の第1の初期接続部は、第1の初期導体層30APの一部および第2の初期導体層30BPと同様に、例えばフォトリソグラフィを用いて形成される。第1の初期接続部は、アモルファス状態のITOによって形成されている。複数の第1の初期接続部は、コンタクトホール35a内にも配置され、第1の初期電極部31APに接触している。複数の第1の初期接続部が形成されることにより、第1の初期導体層30APが完成する。次に、第1の絶縁膜35と複数の第1の初期接続部を覆うように、第2の絶縁膜36を形成する。
次に、第1の初期導体層30APが第1の導体層30Aになり、第2の初期導体層30BPが第2の導体層30Bになるように、第1および第2の初期導体層30AP,30BPに対して熱処理を施す。具体的には、アモルファス状態のITOが多結晶状態のITOになるように、第1および第2の初期導体層30AP,30BPを含む構造体に対して、例えば200℃〜250℃の範囲内の温度でアニール処理を施す。これにより、第1および第2の導体層30A,30Bが形成される。このようにして、第1および第2の導体層30A,30Bが形成されることにより、位置入力装置本体1が完成する。
ここで、上記の第1および第2の導体層30A,30Bの形成方法を第1の方法と言う。第1および第2の導体層30A,30Bの形成方法としては、第1の方法の代わりに、高温での成膜によって、多結晶状態のITOよりなる導電材料層を形成し、この導電材料層をエッチングによってパターニングして、第1および第2の導体層30A,30Bを形成する第2の方法もある。
しかし、第2の方法では、導電材料層のエッチングに強酸性のエッチング液が必要になり、エッチング液の取り扱いが容易ではない。これに対し、第1の方法では、アモルファス状態のITOよりなる導電材料層を、取り扱いが容易な弱酸性のエッチング液を用いたエッチングによってパターニングすることができるという利点がある。ただし、アモルファス状態のITOよりなる導電材料層は、多結晶状態のITOよりなる導電材料層に比べて、抵抗値が大きい。そのため、第1の方法では、アモルファス状態のITOを多結晶状態のITOに変えて、導電材料層の抵抗値を小さくするための熱処理(アニール処理)が必要になる。本実施の形態では、透明耐熱性材料層2の上にセンサ部3を形成するため、センサ部3を形成する工程が熱処理を含むことができる。熱処理が行われる温度を考慮して、透明耐熱性材料層2は、300℃以上のガラス転移温度を有することが好ましい。センサ部3を形成する工程が熱処理を含む場合には、透明耐熱性材料層2の他に支持基材51も耐熱性を有していることが好ましい。具体的には、支持基材51は、300℃以上のガラス転移温度を有することが好ましい。
なお、第1および第2の導体層30A,30を形成する工程は、上述のようなエッチングによるパターニングを行わずに、パターン化された第1および第2の導体層30A,30を直接形成してもよい。具体的には、例えば、リフトオフ法や印刷法を用いて、パターン化された第1の初期導体層30APと第2の初期導体層30BPを形成し、その後、上記の熱処理を行って第1および第2の導体層30A,30を形成してもよい。
また、積層体52を形成する工程と構造体を作製する工程は、ロール・ツー・ロールプロセスによって行われてもよい。図11は、ロール・ツー・ロールプロセスによって行われる場合の、上記各工程を説明するための説明図である。図11には、ロール・ツー・ロール装置の一例を示している。この例では、ロール・ツー・ロール装置は、送出機構221と、巻取機構222と、送出側ロール巻機構223と、巻取側ロール巻機構224とを備えている。送出機構221と巻取機構222の間には、後述する処理を行うプロセス処理部210が設けられている。
積層体52を形成する工程がロール・ツー・ロールプロセスによって行われる場合、積層体52を形成する工程は、それぞれ積層体52となる予定の複数の積層体予定部が一列に並ぶ長尺フィルムを作製する工程を含んでいてもよい。以下、透明耐熱性材料層2がポリイミドよりなる場合を例にとって説明する。この工程では、まず、それぞれ支持基材51となる予定の複数の支持基材予定部が一列に並び、ロール状に巻き取られたフィルムを用意して、このフィルムを、送出側ロール巻機構223にセットすると共に、その一端部を巻取側ロール巻機構224に固定する。送出側ロール巻機構223と巻取側ロール巻機構224の間のフィルムは、送出機構221と巻取機構222によって支持される。次に、ロール・ツー・ロール装置を動作させて、このフィルムを、巻取側ロール巻機構224によって巻き取っていく。そして、フィルムを巻き取りながら、プロセス処理部210において、フィルムの上に、ポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、これをイミド化して、フィルム上に透明耐熱性材料層2を連続的に形成する。これにより、複数の積層体予定部が一列に並ぶ長尺フィルム200が作製される。
また、構造体を作製する工程がロール・ツー・ロールプロセスによって行われる場合、構造体を作製する工程は、長尺フィルム200の複数の積層体予定部の各々における透明耐熱性材料層2の上に、それぞれセンサ部3を形成する工程を含んでいてもよい。この工程では、まず、長尺フィルム200を作製する工程と同様に、ロール状に巻き取られた長尺フィルム200を、送出側ロール巻機構223にセットすると共に、その一端部を巻取側ロール巻機構224に固定する。次に、ロール・ツー・ロール装置を動作させて、長尺フィルム200を、巻取側ロール巻機構224によって、連続的にまたは間欠的に巻き取っていく。そして、長尺フィルム200を巻き取りながら、プロセス処理部210において、複数の積層体予定部の各々における透明耐熱性材料層2の上に、それぞれセンサ部3形成する。なお、真空蒸着法等、真空環境が必要な方法によって導電材料層を形成する場合には、ロール・ツー・ロール装置全体を真空チャンバー内に設置してもよい。
図示しないが、構造体を作製する工程がロール・ツー・ロールプロセスによって行われる場合、構造体を作製する工程は、更に、複数の構造体が得られるように、長尺フィルム200を切断する工程を含んでいてもよい。この工程では、複数の積層体予定部の境界の位置で、長尺フィルム200を切断する。これにより、積層体予定部は積層体52になり、構造体が完成する。
次に、図12ないし図14を参照して、結合工程について説明する。図12は、結合工程中の一工程を示す断面図である。結合工程では、まず、支持基材51上に位置入力装置本体1が形成された構造体(図10参照)を、位置入力装置本体1の第1の面1aが下を向いた姿勢にして表示装置本体4における第1の光出射面4aの上方に位置させ、第1の光出射面4aと第1の面1aの少なくとも一方に、接着剤を塗布した後に、この接着剤を用いて第1の光出射面4aと第1の面1aを接合する。図12は、第1の光出射面4aと第1の面1aを接合した状態を表している。接着剤は、第1の接着層11になる。接着剤としては、例えば、アクリル系またはエポキシ系の透明接着剤が用いられる。
図13は、次の工程を示す。この工程では、支持基材51と透明耐熱性材料層2との境界で、支持基材51を位置入力装置本体1から分離する。
図14は、次の工程を示す。この工程では、まず、第1の偏光板5を、第1の偏光板5の対向面5aが下に向いた姿勢にして位置入力装置本体1における第2の面1bの上方に位置させ、第2の面1bと対向面5aの少なくとも一方に、接着剤または粘着剤を塗布した後に、この接着剤または粘着剤を用いて対向面5aと第2の面1bを接合する。接着剤または粘着剤は、第2の接着層12になる。次に、表示装置本体4の光入射面4b側に、バックライト6を設置して、表示装置100が完成する。
このように、本実施の形態では、結合工程は、第1の接着層11によって第1の光出射面4aと第1の面1aを接合した後に、支持基材51を位置入力装置本体1から分離する工程を実行し、その後、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面1bを接合している。
次に、図7ないし図10に示した構造体を作製する工程および図13に示した支持基材51を分離する工程に適した支持基材51と透明耐熱性材料層2の材料について説明する。図6に示した工程において互いに接する支持基材51と透明耐熱性材料層2の2つの面を後で容易に剥離できる状態にするために、支持基材51と透明耐熱性材料層2の少なくとも一方の材料として、特定の化学構造を有するポリイミドを使用してもよい。一般に、ポリイミドは、原料である酸無水物とジアミンとを重合して得られ、下記の一般式(1)で表すことができる。
式(1)中、Ar1は酸無水物残基である4価の有機基を表し、Ar2はジアミン残基である2価の有機基を表す。耐熱性の観点から、Ar1、Ar2の少なくとも一方は、芳香族残基であることが望ましい。
支持基材51と透明耐熱性材料層2の少なくとも一方の材料として好適に用いられるポリイミドの一つとしては、下記の一般式(2)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドが挙げられる。特に、支持基材51が、この繰返し構造単位を有するものであることが好ましい。
支持基材51と透明耐熱性材料層2の少なくとも一方の材料として用いられるポリイミドは、下記の一般式(3)で表される繰り返し構造単位を有するものであることが、より好ましい。
また、第1および第2の導体層30A,30BがITOによって構成されている場合、第1および第2の導体層30A,30Bの形成工程では、200℃〜250℃の範囲内の温度で熱処理(アニール処理)が行われる。そのため、支持基材51と透明耐熱性材料層2は、このような熱処理に耐え得るものであることが必要である。支持基材51と透明耐熱性材料層2の材料として、上記の式(2)または(3)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドを用いることにより、上記のような熱処理に耐え得ると共に寸法安定性のよい支持基材51と透明耐熱性材料層2を実現することが可能になる。
また、透明耐熱性材料層2には、高い透明性が求められることから、透明耐熱性材料層2の材料として用いられるポリイミドは、含フッ素ポリイミドであることが好ましい。ここで、含フッ素ポリイミドとは、ポリイミド構造中にフッ素原子を有するポリイミドを指し、具体的には、ポリイミド原料である酸無水物とジアミンの少なくとも一方の成分においてフッ素含有基を有するものである。このような含フッ素ポリイミドとしては、例えば、前記の一般式(1)で表されるもののうち、式中のAr1が4価の有機基であり、Ar2が下記一般式(4)または(5)で表される2価の有機基で表されるものが挙げられる。
上記一般式(4)または(5)におけるR1〜R8は、互いに独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5までのアルキル基もしくはアルコキシ基、またはフッ素置換炭化水素基である。また、一般式(4)において、R1〜R4のうちの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素置換炭化水素基である。また、一般式(5)において、R1〜R8のうちの少なくとも1つはフッ素原子またはフッ素置換炭化水素基である。このうち、R1〜R8の好適な具体的としては、−H、−CH3、−OCH3、−F、−CF3等が挙げられる。(4)または(5)において、少なくとも1つの置換基は、−Fまたは−CF3であることが好ましい。
含フッ素ポリイミドを形成する際の一般式(1)中のAr1の具体例としては、以下のような4価の酸無水物残基が挙げられる。
また、透明耐熱性材料層2の透明性や支持基材51に対する剥離性をより向上させること等を考慮すれば、含フッ素ポリイミドを形成する際に、一般式(1)におけるAr2を与える具体的なジアミン残基として好ましいものとしては、以下のものが挙げられる。
透明耐熱性材料層2のうちの支持基材51に接する少なくとも一部を、上記のジアミン残基を用いて形成した含フッ素ポリイミドによって構成することにより、透明耐熱性材料層2を、含フッ素ポリイミド以外の他の構造を有するポリイミドからなる支持基材51に対しても良好な剥離性を示すものにすることができる。具体的には、これにより、支持基材51と透明耐熱性材料層2の接着強度を、1〜500N/mの範囲内、好ましくは5〜300N/mの範囲内、より好ましくは10〜200N/mの範囲内にすることができる。このような範囲内の接着強度は、人の手で容易に、支持基材51と透明耐熱性材料層2を剥離できる程度の大きさである。
透明耐熱性材料層2のうちの支持基材51に接する少なくとも一部の他に、支持基材51のうちの透明耐熱性材料層2に接する少なくとも一部を、上記のジアミン残基を用いて形成した含フッ素ポリイミドによって構成してもよい。これにより、支持基材51に対する透明耐熱性材料層2の剥離性をより一層向上させることができる。
このような含フッ素ポリイミドにおいて、下記の一般式(6)または(7)で表される構造単位のどちらか一方を80モル%以上の割合で有することは、透明性と剥離性の他、熱膨張性が低く寸法安定性に優れることからより好ましい。すなわち、下記の一般式(6)または(7)で表される構造単位を有する含フッ素ポリイミドによれば、25ppm/K以下、好適には10ppm/K以下の線熱膨張係数を有する支持基材51および透明耐熱性材料層2を形成することができる。また、このような構造単位を有する含フッ素ポリイミドは、300℃以上のガラス転移温度を有し、且つ、440〜780nmの波長領域内の光に対して70%以上、好適には80%以上の透過率を有することから、本実施の形態に係る表示装置100を製造する上でより好適である。
上記の一般式(6)または(7)で表される構造単位のどちらか一方を80モル%以上の割合で有する含フッ素ポリイミドは、このような構造単位を有さない他のポリイミドが20モル%未満の割合で添加されてもよい。この添加される他のポリイミドについては、特に制限されるものではなく、一般的な酸無水物とジアミンを使用して得ることができる。一般的な酸無水物のなかでも、好ましく使用される酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。一方の、ジアミンとしては、4,4'−ジアミノジフェニルサルフォン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4'−ジアミノシクロヘキシルメタン、2,2'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビシクロヘキサン等が挙げられる。
以上説明したような各種のポリイミドは、ポリアミド酸をイミド化して得ることができる。ここで、ポリアミド酸の樹脂溶液は、原料であるジアミンと酸二無水物とを実質的に等モル使用し、有機溶媒中で反応させることによって得るのがよい。より具体的には、ポリアミド酸の樹脂溶液は、窒素気流下でN,N−ジメチルアセトアミド等の有機極性溶媒にジアミンを溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で5時間程度反応させることにより得ることができる。塗工時の膜厚均一化と得られるポリイミドフィルムの機械強度の観点から、得られたポリアミド酸の重量平均分子量は、1万から30万であることが好ましい。なお、このようにして得られるポリイミド層の好ましい分子量範囲も、ポリアミド酸の好ましい分子量範囲と同じである。
次に、本実施の形態に係る表示装置100およびその製造方法の効果について説明する。本実施の形態では、位置入力装置本体1すなわち本実施の形態における位置入力装置の全体が、表示装置本体4の第1の光出射面4aと偏光光学素子5の対向面5aの間に配置されていることから、表示装置100は、オンセル型の位置入力装置付き表示装置に分類される。厚い位置入力装置用の基板を必要としないオンセル型は、薄型化に適している。
また、本実施の形態では、位置入力装置本体1は、0.5〜50μmの範囲内の厚みを有する薄い透明耐熱性材料層2と、その上に配置されたセンサ部3によって構成されている。前述のように、透明耐熱性材料層2の厚みの上限値である50μmは、ガラス基板に比べて十分小さい値である。
また、本実施の形態では、位置入力装置本体1は、第1および第2の接着層11,12によって表示装置本体4と第1の偏光板5に接合されている。本実施の形態によれば、良品の表示装置本体4と良品の位置入力装置本体1を用いて表示装置100を構成することができるため、製造コストの低減が可能である。
以上のことから、本実施の形態によれば、薄型化と製造コストの低減を両立させることが可能な表示装置100を実現することができる。
また、本実施の形態に係る表示装置100の製造方法では、支持基材51によって支持された透明耐熱性材料層2の上にセンサ部3を形成する。支持基材51は、後に、位置入力装置本体1から分離される。これにより、本実施の形態によれば、センサ部3を形成する際のハンドリング性を確保しながら、且つ位置入力装置本体1の厚みを大きくすることなく、表示装置本体4とは別個に位置入力装置本体1を作製することができる。表示装置本体4に対する位置入力装置本体1の貼り付け作業は、位置入力装置本体1と支持基材51を一体化した状態で行うことができる。これにより、表示装置本体4に位置入力装置本体1を貼り付ける際の位置入力装置本体1のハンドリング性を確保することができる。従って、本実施の形態によれば、位置入力装置本体1のハンドリング性を確保しながら、薄型化と製造コストの低減を両立させることが可能な表示装置100を製造することができる。
[実施例]
次に、本実施の形態における支持基材51と透明耐熱性材料層2の積層体52の第1ないし第3の実施例について説明する。なお、以下で説明する積層体52の構成は、後述する評価試験のためのものであり、本実施の形態における積層体52の構成は、これらの構成に限られない。第1ないし第3の実施例の積層体52は、いずれも、ポリイミド層よりなる支持基材51とポリイミド層よりなる透明耐熱性材料層2によって構成されている。
第1ないし第3の実施例では、以下のポリアミド酸A,B,Cを用いてポリイミド層を形成した。始めに、ポリアミド酸Aの生成方法について説明する。まず、窒素気流下の300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら、溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に、8.00gの1,4−フェニレンジアミン(PDA)を溶解させた溶液を作成した。次に、この溶液に、22.00gの3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を加えた。そして、この溶液を室温で5時間連続して攪拌することで重合反応させて、その後一昼夜保持することによって、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。この溶液には、高重合度のポリアミド酸Aが生成されていることが確認された。
次に、ポリアミド酸Bの生成方法について説明する。まず、窒素気流下の300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら、溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に、12.08gの2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル(TFMB)を溶解させた溶液を作成した。次に、この溶液に、6.20gのピロメリット酸二無水物(PMDA)と、4.21gの2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)を加えた。そして、この溶液を室温で5時間連続して攪拌することで重合反応させて、その後一昼夜保持することによって、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。この溶液には、高重合度のポリアミド酸Bが生成されていることが確認された。
次に、ポリアミド酸Cの生成方法について説明する。まず、窒素気流下の300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら、溶剤であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に、13.30gの2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビフェニル(TFMB)を溶解させた溶液を作成した。次に、この溶液に、9.20gのピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えた。そして、この溶液を室温で5時間連続して攪拌することで重合反応させて、その後一昼夜保持することによって、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。この溶液には、高重合度のポリアミド酸Cが生成されていることが確認された。
次に、第1ないし第3の実施例の積層体52の作製方法について説明する。始めに、第1の実施例の積層体52の作製方法について説明する。まず、18μmの厚みを有する電解銅箔上に、ポリアミド酸Aの樹脂溶液を塗布した後、130℃で加熱乾燥して、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約4℃/分の速度で昇温しながら熱処理することでポリアミド酸Aをイミド化させて、支持基材51を形成して、支持基材51を有する銅張積層板を得た。支持基材51の厚みは25μmであり、表面粗さRaは1.3nmであり、ガラス転移温度Tgは355℃であった。また、銅張積層板の熱膨張係数は18×10−6/Kであった。なお、表面粗さRa、ガラス転移温度Tgおよび熱膨張係数の評価方法については、後で説明する。
次に、得られた銅張積層板の支持基材51の上に、ポリアミド酸Bの樹脂溶液を、硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥して、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の速度で昇温しながら熱処理することでポリアミド酸Bをイミド化させて、透明耐熱性材料層2を形成して、第1の実施例の積層体52を得た。
次に、第2の実施例の積層体52の作製方法について説明する。第2の実施例では、支持基材51として、125μmの厚みを有するポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン(登録商標)H)を使用した。このポリイミドフィルムの表面粗さRaは70nmであり、ガラス転移温度Tgは428℃であり、熱膨張係数は28.5×10−6/Kであった。まず、このポリイミドフィルム(支持基材51)の上に、ポリアミド酸Bの樹脂溶液を、硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥して、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の速度で昇温しながら熱処理することでポリアミド酸Bをイミド化させて、透明耐熱性材料層2を形成して、第2の実施例の積層体52を得た。
次に、第3の実施例の積層体52の作製方法について説明する。第3の実施例では、支持基材51として、25μmの厚みを有するポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、ユーピレックス(登録商標)−S)を使用した。このポリイミドフィルムの表面粗さRaは15nmであり、ガラス転移温度Tgは359℃であり、熱膨張係数は12.5×10−6/Kであった。まず、このポリイミドフィルム(支持基材51)の上に、ポリアミド酸Cの樹脂溶液を、硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥して、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の速度で昇温しながら熱処理することでポリアミド酸Cをイミド化させて、透明耐熱性材料層2を形成して、第3の実施例の積層体52を得た。
ここで、支持基材51の表面粗さRaの評価方法について説明する。表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)(ブルカー社製、MultiMode 8)を用いて、表面観察をタッピングモードで行うことによって評価した。具体的には、10μm角の視野観察を4回行い、それらの平均値を求めた。なお、表面粗さRaは、JIS B601−1991に規定されている算術平均粗さを意味する。
次に、支持基材51と透明耐熱性材料層2の接着強度、透明耐熱性材料層2の透過率、透明耐熱性材料層2のガラス転移温度Tgおよび透明耐熱性材料層2の熱膨張係数の評価結果について説明する。始めに、接着強度、透過率、ガラス転移温度Tgおよび熱膨張係数の評価方法について説明する。なお、支持基材51のガラス転移温度Tgおよび熱膨張係数の評価方法は、透明耐熱性材料層2の評価方法と同じである。
接着強度は、積層体52を幅10mmの短冊状に切断したサンプルを用いて、東洋精機製作所社製のストログラフR−1(商品名)によって評価した。具体的には、上記サンプルにおける支持基材51と透明耐熱性材料層2の界面について、T字剥離試験法によるピール強度を測定することによって接着強度を評価した。
透過率は、透明耐熱性材料層2に相当するポリイミドフィルム(50mm×50mm)を用いて、分光光度計(株式会社日立製作所製、U−4000)によって評価した。具体的には、上記ポリイミドフィルムにおける440〜780nmにおける光透過率の平均値を求めた。
ガラス転移温度Tgは、透明耐熱性材料層2に相当するポリイミドフィルム(10mm幅)を用いて、粘弾性アナライザ(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製、RSA−II)によって評価した。具体的には、上記ポリイミドフィルムに対して、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大値からガラス転移温度Tgを求めた。
熱膨張係数(CTE)は、透明耐熱性材料層2に相当するポリイミドフィルム(3mm×15mm)を用いて、熱機械分析(TMA)装置によって評価した。具体的には、上記ポリイミドフィルムに対して、5.0gの荷重を加えながら、30℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温させながら引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数を求めた。
表1に、支持基材51と透明耐熱性材料層2の接着強度、透明耐熱性材料層2の透過率、透明耐熱性材料層2のガラス転移温度Tgおよび透明耐熱性材料層2の熱膨張係数の評価結果を示す。また、これらの評価に加えて、作製直後の第1ないし第3の実施例の積層体52について、人手による支持基材51と透明耐熱性材料層2の分離の容易性も評価した。その結果、第1ないし第3の実施例の積層体52のいずれにおいても、支持基材51と透明耐熱性材料層2にダメージを与えることなく、支持基材51と透明耐熱性材料層2を容易に分離することができ、良好な剥離性が確認された。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態に係る表示装置の一部の断面を示す模式図である。本実施の形態では、位置入力装置本体1における透明耐熱性材料層2とセンサ部3の位置関係が、第1の実施の形態と逆になっている。本実施の形態では、位置入力装置本体1の第1の面1aは、透明耐熱性材料層2によって形成されている。また、位置入力装置本体1の第2の面1bは、センサ部3によって形成されている。より詳しく説明すると、第2の面1bは、第1の実施の形態における図2に示した第2の絶縁膜36によって形成されている。位置入力装置本体1の第1および第2の面1a,1bと、表示装置本体4の第1の光出射面4aおよび偏光光学素子5の対向面5aとの位置関係は、第1の実施の形態と同じである。
次に、図16ないし図18を参照して、本実施の形態における結合工程について説明する。図16は、本実施の形態における結合工程中の一工程を示す断面図である。本実施の形態における結合工程では、まず、支持基材51上に位置入力装置本体1が形成された構造体(図10参照)を、位置入力装置本体1の第2の面1bが下を向いた姿勢にして第1の偏光板5における対向面5aの上方に位置させ、対向面5aと第2の面1bの少なくとも一方に、接着剤または粘着剤を塗布した後に、この接着剤または粘着剤を用いて対向面5aと第2の面1bを接合する。図16は、対向面5aと第2の面1bを接合した状態を表している。接着剤または粘着剤は、第2の接着層12になる。
図17は、次の工程を示す。この工程では、支持基材51と透明耐熱性材料層2との境界で、支持基材51を位置入力装置本体1から分離する。
図18は、次の工程を示す。この工程では、位置入力装置本体1と第1の偏光板5の積層体を、位置入力装置本体1の第1の面1aが下に向いた姿勢にして表示装置本体4における第1の光出射面4aの上方に位置させ、第1の光出射面4aと第1の面1aの少なくとも一方に、接着剤を塗布した後に、この接着剤を用いて第1の光出射面4aと第1の面1aを接合する。図18は、第1の光出射面4aと第1の面1aを接合した状態を表している。接着剤は、第1の接着層11になる。その後の工程は、第1の実施の形態と同様である。
このように、本実施の形態では、結合工程は、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面1bを接合した後に、支持基材51を位置入力装置本体1から分離する工程を実行し、その後、第1の接着層11によって第1の光出射面4aと第1の面1aを接合している。
本実施の形態では、表示装置本体4に対する位置入力装置本体1の貼り付け作業は、位置入力装置本体1と偏光光学素子5を一体化した状態で行うことができる。これにより、本実施の形態によれば、表示装置本体4に位置入力装置本体1を貼り付ける際の位置入力装置本体1のハンドリング性を確保することができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図19は、本実施の形態に係る表示装置の一部の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る表示装置100は、第1の実施の形態における表示装置本体4の代わりに、表示装置本体104を備えている。表示装置本体104は、有機EL表示装置である。また、本実施の形態では、第1の実施の形態におけるバックライト6が設けられていない。
表示装置本体104は、光を出射する第1の光出射面104aを有している。本実施の形態では、偏光光学素子5の対向面5aは、第1の光出射面104aに対向している。また、本実施の形態では、偏光光学素子5は、円偏光板である。以下、偏光光学素子5を、円偏光板5とも記す。円偏光板5は、積層された偏光板および1/4波長板によって構成されている。円偏光板5は、表示装置100による外光の反射を防止して、コントラストの低下を防止する機能を有している。すなわち、円偏光板5を通過して表示装置100内に入射した外光が、表示装置100内(円偏光板5を除く)で反射されて、反射光が発生した場合、円偏光板5は、この反射光の通過を阻止する。
表示装置本体104は、複数の画素を含んでいる。また、表示装置本体104は、複数の陽極と複数の駆動回路を含む第1の部分141と、陰極である共通電極を含む第2の部分143と、第1の部分141と第2の部分143の間に配置された有機EL薄膜層142と、第2の部分143における有機EL薄膜層142とは反対側に配置されたカラーフィルタ144とを有している。第1の光出射面104aは、カラーフィルタ144によって形成されている。
本実施の形態では、位置入力装置本体1は、第1の面1aが表示装置本体104の第1の光出射面104aに向き、第2の面1bが円偏光板5の対向面5aに向くように、第1の光出射面104aと対向面5aの間に配置されている。位置入力装置本体1の構成は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、位置入力装置本体1がカラーフィルタ144と円偏光板5の間に配置されている。そのため、本実施の形態に係る表示装置100は、オンセル型の位置入力装置付き表示装置に分類される。
また、本実施の形態では、第1の接着層11は、表示装置本体104の第1の光出射面104aと、位置入力装置本体1の第1の面1aを接合している。第2の接着層12は、円偏光板5の対向面5aと、位置入力装置本体1の第2の面1bを接合している。
図19に示した例では、表示装置本体104の第1の光出射面104aと、円偏光板5の第2の光出射面5bは、いずれも平面である。しかし、第1の光出射面104aおよび第2の光出射面5bは、いずれも曲面であってもよい。
次に、表示装置本体104の構成について詳しく説明する。表示装置本体104の複数の画素の構成および配置は、例えば、第1の実施の形態における図4に示した複数の画素80と同じである。すなわち、表示装置本体104の複数の画素は、互いに交差する第1の方向と第2の方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。複数の画素の各々は、互いに異なる色に対応した複数の副画素を含んでいる。本実施の形態では、複数の副画素の各々は、有機EL素子によって構成されている。
本実施の形態では、表示装置本体104は、アクティブマトリクス方式の構造になっている。この場合、表示装置本体104の第1の部分141は、複数の陽極と、複数の副画素を駆動するための複数の駆動回路とを有している。複数の駆動回路は、それぞれTFTを含んでいる。表示装置本体104の第2の部分143は、全ての陽極にわたって対向するように配置された1つの共通電極を有している。複数の陽極は、光反射特性を有する導電材料によって形成されている。共通電極は、ITO等の透明導電材料によって形成されている。有機EL素子は、1つの陽極と、1つの駆動回路と、陽極に対向する共通電極の一部と、陽極と共通電極の一部との間に配置された有機EL薄膜層142の一部によって構成されている。
複数の陽極と複数の駆動回路の配置は、例えば、第1の実施の形態における図4に示した複数の画素電極82と複数のTFT83の配置と同じである。すなわち、複数の陽極と複数の駆動回路は、互いに交差する第1の方向と第2の方向にそれぞれ複数個ずつ並ぶように配置されている。第1の部分141は、更に、複数の第1の電極と、複数の第2の電極と、複数の電流供給線とを有している。第1および第2の電極の形状および配置は、例えば、第1の実施の形態における図4に示した第1および第2の電極84,85と同じである。複数の電流供給線の各々は、第2の電極に沿って配置されている。複数の駆動回路は、それぞれ、第1および第2の電極と電流供給線と陽極に接続されている。本実施の形態では、複数の陽極、複数の駆動回路、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の電流供給線を合わせた部分を、回路部と呼ぶ。共通電極は、図示しないスルーホール等を介して、回路部に電気的に接続されている。
有機EL素子は、有機EL材料よりなる発光層を含んでいる。本実施の形態では、全ての有機EL素子の発光層は、白色光を発光するものである。有機EL薄膜層142は、全ての有機EL素子にわたって配置され、上記発光層を構成する1つの白色発光層を有している。本実施の形態では、全ての有機EL素子の発光層は、互いに分離されていない。
表示装置本体104の第1の部分141は、更に、回路部を支持する図示しない第3の支持層を有している。第3の支持層は、有機EL薄膜層142との間で回路部を挟む位置に配置されている。
表示装置本体104の第2の部分143は、更に、共通電極を支持する図示しない第4の支持層を有している。第4の支持層は、有機EL薄膜層142との間で共通電極を挟む位置に配置されている。本実施の形態では、第4の支持層は、例えば、透明な多層薄膜によって構成されていてもよい。この多層薄膜において、特にカラーフィルタ144が貼り合わせられる面を構成する膜は、透明な無機材料の膜からなるバリア膜であってもよい。このバリア膜は、外部からの水分や酸素の侵入から、有機EL材料よりなる発光層を保護する。
カラーフィルタ144の構成は、例えば、第1の実施の形態における図5に示したカラーフィルタ45と同じである。すなわち、カラーフィルタ144は、複数の画素対応部を有し、複数の画素対応部の各々は、複数の副画素対応部を含んでいる。第1の光出射面104aに垂直な方向から見たときに、複数の副画素対応部は、それぞれ、対応する副画素と重なる位置に配置されている。
複数の副画素対応部は、互いに異なる色の光を透過させる複数の透過部を含んでいる。カラーフィルタ144は、更に、複数の透過部を互いに分離するブラックマトリクスを有している。透過部およびブラックマトリクスの形状および配置は、例えば、第1の実施の形態における図5に示した透過部92およびブラックマトリクス93と同じである。
カラーフィルタ144は、更に、複数の画素対応部を支持する図示しない第5の支持層を有している。第5の支持層は、第2の部分143との間で複数の画素対応部を挟む位置に配置されている。表示装置本体104の第1の光出射面104aは、第5の支持層によって形成されている。
次に、本実施の形態に係る表示装置100の製造方法について説明する。表示装置100の製造方法は、表示装置本体104を作製する工程と、円偏光板5を作製する工程と、位置入力装置本体1を作製する工程と、第1の接着層11によって第1の光出射面104aと第1の面1aを接合し、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面1bを接合して、表示装置本体104、円偏光板5および位置入力装置本体1を結合させる結合工程とを備えている。位置入力装置本体1を作製する工程は、第1の実施の形態と同じである。
ここで、表示装置本体104を作製する工程について簡単に説明する。表示装置本体104を作製する工程では、まず、例えばガラス基板等の支持体の上に、第1の部分141の第3の支持層を形成する。次に、第3の支持層の上に、複数の画素等の、第3の支持層以外の表示装置本体104の構成要素を形成して、表示装置本体104を完成させる。
次に、本実施の形態における結合工程について簡単に説明する。第1の実施の形態と同様に、位置入力装置本体1を作製する工程では、支持基材51の上に位置入力装置本体1が形成された構造体(図10参照)を作製する。本実施の形態では、結合工程は、第1の実施の形態と同様に、第1の接着層11によって第1の光出射面104aと第1の面1aを接合した後に、支持基材51を位置入力装置本体1から分離する工程を実行し、その後、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面1bを接合することで、表示装置本体104、円偏光板5および位置入力装置本体1を結合させる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態では、表示装置本体104が、白色発光の有機EL素子とカラーフィルタ144を用いる有機EL表示装置である場合を例にとって説明してきた。しかし、本実施の形態における表示装置本体104は、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の光を発生する3種類の有機EL素子を用いて、カラーフィルタ144を用いない有機EL表示装置であってもよい。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図20は、本実施の形態に係る表示装置の一部の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る表示装置100は、第3の実施の形態における位置入力装置本体1の代わりに、第2の実施の形態における位置入力装置本体1を備えている。すなわち、本実施の形態では、位置入力装置本体1の第1の面1aは、透明耐熱性材料層2によって形成されている。また、位置入力装置本体1の第2の面1bは、センサ部3によって形成されている。より詳しく説明すると、第2の面1bは、第1の実施の形態における図2に示した第2の絶縁膜36によって形成されている。位置入力装置本体1の第1および第2の面1a,1bと、表示装置本体104の第1の光出射面104aおよび円偏光板5の対向面5aとの位置関係は、第3の実施の形態と同じである。
次に、本実施の形態における結合工程について簡単に説明する。第3の実施の形態(第1の実施の形態)と同様に、位置入力装置本体1を作製する工程では、支持基材51の上に位置入力装置本体1が形成された構造体(図10参照)を作製する。本実施の形態では、結合工程は、第2の実施の形態と同様に、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面1bを接合した後に、支持基材51を位置入力装置本体1から分離する工程を実行し、その後、第1の接着層11によって第1の光出射面104aと第1の面1aを接合することで、表示装置本体104、円偏光板5および位置入力装置本体1を結合させる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2または第3の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図21は、本実施の形態における位置入力装置の第1および第2の導体層を示す平面図である。図22は、図21に示した第1の導体層を示す平面図である。図23は、図21に示した第2の導体層を示す平面図である。図24は、本実施の形態における位置入力装置の一部を示す断面図である。図21において、24−24線は、図24の断面の位置を示している。
以下、本実施の形態に係る表示装置が、第1の実施の形態に係る表示装置100と異なる点について説明する。本実施の形態では、位置入力装置本体1は、第1の実施の形態におけるセンサ部3の代わりに、センサ部103を有している。センサ部103は、透明耐熱性材料層2の一方の面(配置面2a)の上に配置されている。図24に示した例では、第1の実施の形態と同様に、位置入力装置本体1の第1の面1aは、センサ部103によって形成され、位置入力装置本体1の第2の面1bは、透明耐熱性材料層2によって形成されている。
センサ部103は、導電材料よりなる第1の導体層130Aおよび第2の導体層130Bを含んでいる。図21ないし図23は、位置入力装置本体1の第1の面1a側から見た状態を表している。
第1の導体層130Aは、並行して延びる複数の第1の配線131Aを含んでいる。第2の導体層130Bは、並行して延びる複数の第2の配線131Bを含んでいる。なお、第1および第2の導体層130A,130Bはセンサ部103の一部であることから、センサ部103が第1および第2の配線131A,131Bを含んでいるとも言える。図21および図22に示したように、複数の第1の配線131Aは、互いに第2の方向Yに所定の間隔を開けて配置されている。複数の第1の配線131Aの各々は、大まかには第1の方向Xに延びている。図21および図23に示したように、複数の第2の配線131Bは、互いに第1の方向Xに所定の間隔を開けて配置されている。複数の第2の配線131Bの各々は、大まかには第2の方向Yに延びている。
第1の導体層130Aと第2の導体層130Bは、第1および第2の面1a,1bに垂直な方向について互いに異なる位置に配置されている。図21に示したように、第1および第2の面1a,1bに垂直な方向から見たときに、複数の第1の配線131Aと複数の第2の配線131Bは、互いに交差している。複数の第1の配線131Aと複数の第2の配線131Bの各々は、第1および第2の方向X,Yのいずれとも平行ではない複数の線状部分を含むように蛇行して延びている。
配線131A,131Bは、特に、遮光性の導電材料によって構成されている。配線131A,131Bを構成する遮光性の導電材料としては、例えば、銀や銅等の金属材料や、グラフェンが用いられる。
第1の導体層130Aは、更に、複数の第1の結線部132Aと、複数の第1の端子部133Aと、複数の第1の信号取り出し配線部134Aとを含んでいる。複数の第1の結線部132Aは、それぞれ、複数の第1の配線131Aのうちの2つ以上(図21および図22に示した例では3つ)の配線131Aの各一端部を束ねるように接続している。複数の第1の端子部133Aは、それぞれ、複数の第1の配線131Aが配置された領域の外側に配置されている。複数の第1の信号取り出し配線部134Aは、それぞれ、対応する第1の結線部132Aと第1の端子部133Aとを接続している。複数の第1の端子部133Aは、図示しない制御部との接続に用いられる。
第2の導体層130Bは、更に、複数の第2の結線部132Bと、複数の第2の端子部133Bと、複数の第2の信号取り出し配線部134Bとを含んでいる。複数の第2の結線部132Bは、それぞれ、複数の第2の配線131Bのうちの2つ以上(図21および図23に示した例では3つ)の配線131Bの各一端部を束ねるように接続している。複数の第2の端子部133Bは、それぞれ、複数の第2の配線131Bが配置された領域の外側に配置されている。複数の第2の信号取り出し配線部134Bは、それぞれ、対応する第2の結線部132Bと第2の端子部133Bとを接続している。複数の第2の端子部133Bは、図示しない制御部との接続に用いられる。
結線部132A,132B、端子部133A,133Bおよび信号取り出し配線部134A,134Bは、配線131A,131Bと同じ導電材料によって構成されていてもよいし、異なる導電材料によって構成されていてもよい。
センサ部103は、更に、第1の絶縁層136と第2の絶縁層137とを含んでいる。第1の導体層130Aは、透明耐熱性材料層2の配置面2aの上に配置されている。第1の絶縁層136は、透明耐熱性材料層2の配置面2aと第1の導体層130Aを覆っている。第2の導体層130Bは、第1の絶縁層136の上に配置されている。第2の絶縁層137は、第1の絶縁層136と第2の導体層130Bを覆っている。位置入力装置本体1の第1の面1aは、第2の絶縁層137によって形成されている。第1および第2の絶縁層136,137は、例えばフォトレジストによって形成されている。なお、第2の絶縁層137は、センサ部103の必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。この場合、位置入力装置本体1の第1の面1aは、第1の絶縁層136と第2の導体層130Bによって形成される。
以下、1つの第1の結線部132Aに接続された2つ以上の配線131Aを、第1の配線束と言い、1つの第2の結線部132Bに接続された2つ以上の配線131Bを、第2の配線束と言う。第1の導体層130Aは、複数の第1の配線束を含み、第2の導体層130Bは、複数の第2の配線束を含んでいる。第1および第2の面1a,1bに垂直な方向から見たときに、複数の第1の配線束と複数の第2の配線束は、互いに交差している。
第1および第2の導体層130A,130Bは、複数組の第1の配線束と第2の配線束の間の静電容量を監視する図示しない制御部に接続されている。表示装置100の表示面上の任意の位置に、静電容量を変化させ得る、指等の物体が接触すると、その接触位置に最も近い位置で交差する1組の第1の配線束と第2の配線束の間の静電容量が変化する。従って、制御部は、複数組の第1の配線束と第2の配線束の間の静電容量を監視することによって、表示装置100の表示面上の接触位置を検出することができる。
次に、本実施の形態に係る表示装置の特有の効果について説明する。一般的に、配線131A,131Bを構成する銀や銅等の遮光性の導電材料は、ITO等の透明導電材料に比べて、抵抗値が小さい。そのため、本実施の形態によれば、配線131A,131Bを細くすることができる。また、本実施の形態では、第1の結線部132Aと第1の信号取り出し配線部134Aを介して、2つ以上の第1の配線131Aを1つの端子部133Aに接続し、第2の結線部132Bと第2の信号取り出し配線部134Bを介して、2つ以上の第2の配線131Bを1つの端子部133Bに接続している。これにより、1つの端子部に、ある程度大きな幅を有する1つの配線を接続する場合に比べて、配線131A,131Bを細くすることによって、位置入力装置本体1の開口率を大きくすることができる。また、本実施の形態によれば、2つ以上の第1の配線131Aが1つの端子部133Aに接続され、2つ以上の第2の配線131Bが1つの端子部133Bに接続されていることから、配線131A,131Bを細くしても、端子部133A,133Bから十分な大きさの信号を得ることが可能になる。
ところで、図4に示したように、表示装置本体4の複数の画素80は、互いに交差する第1の方向Xと第2の方向Yにそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。複数の画素80の各々は、複数の副画素81を含んでいる。表示装置本体4の第1の光出射面4a(図1参照)に垂直な方向から見たときに、複数の副画素81の境界を規定する第1および第2の電極84,85は、互いに交差し、第1および第2の電極84,85の各々は、第1および第2の方向X,Yに延びている。もし、位置入力装置本体1の複数の配線が、第1および第2の電極84,85と同様に、それぞれ並行して第1の方向Xと第2の方向Yに直線的に延びていると、電極84,85と複数の配線が光学的に干渉することによってモアレが発生する。
これに対し、本実施の形態では、前述のように、第1および第2の面1a,1bに垂直な方向(第1の光出射面4aに垂直な方向と同じ)から見たときに、複数の第1の配線131Aと複数の第2の配線131Bは、互いに交差し、複数の第1の配線131Aと複数の第2の配線131Bの各々は、第1および第2の方向X,Yのいずれとも平行ではない複数の線状部分を含むように蛇行して延びている。これにより、本実施の形態によれば、電極84,85と配線131A,131Bが光学的に干渉することによってモアレが発生することを防止することができる。
また、図5に示したように、表示装置本体4のカラーフィルタ45は、並行して第1および第2の方向X,Yに延びる複数の部分によって格子状に形成されたブラックマトリクス93を有している。本実施の形態によれば、ブラックマトリクス93と配線131A,131Bが光学的に干渉することによってモアレが発生することを防止することができる。
また、一般的に、配線131A,131Bを構成する銀や銅等の遮光性の導電材料は、ITO等の透明導電材料に比べて、可撓性に優れている。そのため、本実施の形態は、可撓性を有する表示装置を構成するのに適している。
次に、本実施の形態における位置入力装置本体1を作製する工程について説明する。本実施の形態では、積層体52を形成する工程までは、第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、次に、透明耐熱性材料層2の上にセンサ部103を形成して、支持基材51上に位置入力装置本体1が形成された構造体を作製する。
センサ部103を形成する工程では、透明耐熱性材料層2の配置面2aの上に第1の導体層130Aを形成し、透明耐熱性材料層2の配置面2aと第1の導体層130Aを覆うように、第1の絶縁層136を形成し、第1の絶縁層136の上に第2の導体層130Bを形成し、第1の絶縁層136と第2の導体層130Bを覆うように、第2の絶縁層137を形成する。
第1および第2の導体層130A,130Bの形成方法としては、第1の実施の形態における第1および第2の導体層30A,30の形成方法と同様に、導電材料層をエッチングによってパターニングして第1および第2の導体層130A,130Bを形成する方法でもよいし、エッチングによるパターニングを行わずに、パターン化された第1および第2の導体層130A,130Bを直接形成する方法でもよい。本実施の形態では、特に、後者の方法の1つとして、インクジェット法を用いて、金属ナノ粒子を含む導電性ペーストを印刷して、パターン化された第1および第2の初期導体層を形成し、次に、熱処理によって第1および第2の初期導体層を焼結させて、第1および第2の導体層130A,130Bを形成する方法を用いることができる。
なお、本実施の形態に係る表示装置は、第1の実施の形態における表示装置本体4、第1の偏光板5およびバックライト6の代わりに、第3の実施の形態における表示装置本体(有機EL表示装置)104および円偏光板5を備えていてもよい。また、第2および第4の実施の形態と同様に、位置入力装置本体1の第1の面1aは、透明耐熱性材料層2によって形成され、位置入力装置本体1の第2の面1bは、センサ部103によって形成されていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1ないし第4のいずれかの実施の形態と同様である。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図25は、本実施の形態における位置入力装置の第1および第2の導体層を示す平面図である。図26は、図25に示した第1の導体層を示す平面図である。図27は、図25に示した第2の導体層を示す平面図である。図28は、本実施の形態における位置入力装置の一部を示す断面図である。図25において、28−28線は、図28の断面の位置を示している。
以下、本実施の形態に係る表示装置が、第5の実施の形態に係る表示装置と異なる点について説明する。本実施の形態では、センサ部103は、第5の実施の形態における第1および第2の導体層130A,130Bの代わりに、導電材料よりなる第1の導体層230Aおよび第2の導体層230Bを含んでいる。図25ないし図27は、位置入力装置本体1の第1の面1a側から見た状態を表している。
第1の導体層230Aは、透明耐熱性材料層2の配置面2aの上に配置され、第1の絶縁層136によって覆われている。第1の導体層230Aは、複数の第1の電極部231Aと、複数の第1の接続部232Aと、複数の第1の結線部233Aと、複数の第1の端子部234Aと、複数の第1の信号取り出し配線部235Aとを含んでいる。複数の第1の電極部231Aは、互いに交差する第1の方向Xと第2の方向Yにそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。
第1の方向Xに隣接する2つの第1の電極部231Aは、並行して第1の方向Xに延びる複数(図25および図26に示した例では3つ)の第1の接続部232Aによって接続されている。これにより、第1の方向Xに並ぶ1列の複数の第1の電極部231Aが直列に接続されている。以下、直列に接続された1列の複数の第1の電極部231Aを、第1の電極部列と言う。第1の導体層230Aは、並行して第1の方向Xに延びる複数の第1の電極部列を含んでいる。
複数の第1の結線部233Aは、それぞれ、隣接する2つの第1の電極部231Aを接続する複数の第1の接続部232Aと同様の構造の複数の接続部を介して、対応する1つの第1の電極部列の一端に接続されている。複数の第1の端子部234Aは、それぞれ、複数の第1の電極部231Aが配置された領域の外側に配置されている。複数の第1の信号取り出し配線部235Aは、それぞれ、対応する第1の結線部233Aと第1の端子部234Aとを接続している。複数の第1の端子部234Aは、図示しない制御部との接続に用いられる。
第2の導体層230Bは、第1の絶縁層136の上に配置され、第2の絶縁層137によって覆われている。第2の導体層230Bは、複数の第2の電極部231Bと、複数の第2の接続部232Bと、複数の第2の結線部233Bと、複数の第2の端子部234Bと、複数の第2の信号取り出し配線部235Bとを含んでいる。複数の第2の電極部231Bは、第1の方向Xと第2の方向Yにそれぞれ複数個ずつ並ぶように配列されている。
第2の方向Yに隣接する2つの第2の電極部231Bは、並行して第2の方向Yに延びる複数(図25および図27に示した例では3つ)の第2の接続部232Bによって接続されている。これにより、第2の方向Yに並ぶ1列の複数の第2の電極部231Bが直列に接続されている。以下、直列に接続された1列の複数の第2の電極部231Bを、第2の電極部列と言う。第2の導体層230Bは、並行して第2の方向Yに延びる複数の第2の電極部列を含んでいる。
複数の第2の結線部233Bは、それぞれ、隣接する2つの第2の電極部231Bを接続する複数の第2の接続部232Bと同様の構造の複数の接続部を介して、対応する1つの第2の電極部列の一端に接続されている。複数の第2の端子部234Bは、それぞれ、複数の第2の電極部231Bが配置された領域の外側に配置されている。複数の第2の信号取り出し配線部235Bは、それぞれ、対応する第2の結線部233Bと第2の端子部234Bとを接続している。複数の第2の端子部234Bは、図示しない制御部との接続に用いられる。
図25に示したように、複数の第1の電極部231Aと複数の第2の電極部231Bは、位置入力装置本体1の第1および第2の面1a,1bに垂直な方向と同じから見て、互いに重ならないように配置されている。また、複数の第1の電極部231Aと複数の第2の電極部231Bは、それぞれ、複数の線状部分によって構成されている。図25ないし図27に示した例では、1つの電極部は、第1および第2の方向X,Yのいずれとも平行ではない12本の線状部分によってメッシュ状に構成されている。複数の第1の電極部231Aと複数の第2の電極部231Bの各々の外縁の形状は、例えば正方形である。
電極部231A,231Bおよび接続部232A,232Bは、特に、第5の実施の形態における配線131A,131Bと同様に、遮光性の導電材料によって構成されている。結線部233A,233B、端子部234A,234Bおよび信号取り出し配線部235A,235Bは、電極部231A,231Bおよび接続部232A,232Bと同じ導電材料によって構成されていてもよいし、異なる導電材料によって構成されていてもよい。
電極部231A,231Bおよび接続部232A,232Bは、第1の実施の形態における電極部31A,31Bおよび接続部32A,32Bに対応する。表示装置100の表示面上の接触位置の検出方法は、第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態では、1つの電極部は、第1および第2の方向X,Yのいずれとも平行ではない複数の線状部分によってメッシュ状に構成されている。これにより、本実施の形態によれば、第5の実施の形態で説明したように、電極84,85(図4参照)およびブラックマトリクス93(図5参照)と電極部231A,231Bが光学的に干渉することによってモアレが発生することを防止することができる。また、本実施の形態によれば、複数の線状部分の各々を細くすることによって、位置入力装置本体1の開口率を大きくすることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第5の実施の形態と同様である。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図29は、本実施の形態に係る表示装置の断面を示す模式図である。図30は、図29に示した表示装置を示す平面図である。本実施の形態に係る表示装置300は、第1の実施の形態に係る表示装置100と同様に、フラットパネル型の表示装置である。
図29に示したように、本実施の形態に係る表示装置300は、表示装置本体304と、本実施の形態における位置入力装置と、第1の実施の形態で説明した第1の偏光板5、バックライト6、第1の接着層11および第2の接着層12とを備えている。表示装置本体304は、光を出射する第1の光出射面304aと、その反対側の光入射面304bとを有している。表示装置本体304と第1の偏光板5およびバックライト6との位置関係は、第1の実施の形態における表示装置本体4と第1の偏光板5およびバックライト6との位置関係と同じである。表示装置本体304と第1の偏光板5は、第1の実施の形態における表示装置本体4および第1の偏光板5と同様に、協働して液晶表示装置を構成する。
図30において、符号300aは、表示装置300の表示領域を示している。表示領域300aは、第1の光出射面304aのうち、実際に映像の表示に使用できる領域である。
表示装置本体304は、複数の画素を含んでいる。また、表示装置本体304は、光入射面304b側から順に設けられた第2の偏光板341、接着層342、駆動部343、液晶層344、カラーフィルタ346を備えている。接着層342は、第2の偏光板341と駆動部343を接合している。駆動部343は、第1の支持層343Aと、この第1の支持層343Aの上に配置された駆動部本体343Bとを含んでいる。図示しないが、表示装置本体304は、更に、駆動部343と液晶層344の間に配置された第1の配向膜と、液晶層344とカラーフィルタ346の間に配置された第2の配向膜とを備えている。また、表示装置本体304は、更に、シール材345を備えている。シール材345は、図30に示した表示領域300aの外側に配置されて、駆動部343とカラーフィルタ346とを接続している。液晶層344は、駆動部343、シール材345およびカラーフィルタ346によって囲まれた空間内に配置されている。光入射面304bは、第2の偏光板341によって形成されている。
カラーフィルタ346は、第1の実施の形態における図5に示したカラーフィルタ45と同様に、複数の画素対応部90、ブラックマトリクス93および第2の支持層を有している。本実施の形態では、複数の画素対応部90およびブラックマトリクス93を合わせた部分を、カラーフィルタ本体と言い、符号346Aで表す。また、第2の支持層を符号346Bで表す。第1の光出射面304aは、第2の支持層346Bによって形成されている。
本実施の形態における位置入力装置は、第1の実施の形態と同様に、投影型静電容量方式のタッチパネルである。第1の実施の形態で説明したように、位置入力装置は、位置入力装置の少なくとも一部を構成する位置入力装置本体を有している。以下、本実施の形態における位置入力装置本体を、符号301で表す。本実施の形態では、位置入力装置本体301は、位置入力装置の一部を構成している。
位置入力装置本体301は、互いに反対側に向いた第1の面301aおよび第2の面1bを有している。位置入力装置本体301の表示装置本体304および第1の偏光板5に対する位置関係は、第1の実施の形態における位置入力装置本体1の表示装置本体4および第1の偏光板5に対する位置関係と同じである。すなわち、位置入力装置本体301は、第1の面301aが表示装置本体304の第1の光出射面304aに向き、第2の面301bが第1の偏光板5の対向面5aに向くように、第1の光出射面304aと対向面5aの間に配置されている。第1の光出射面304aから出射された光は、位置入力装置本体301と第1の偏光板5を順に通過して、第1の偏光板5の第2の光出射面5bから出射される。
上述のように、位置入力装置の一部を構成する位置入力装置本体301は、カラーフィルタ346と第1の偏光板5の間に配置されている。位置入力装置は、更に、表示装置本体304の内部に設けられて、位置入力装置本体301と協働して位置入力装置を構成する導体層を有している。そのため、本実施の形態に係る表示装置300は、ハイブリッド型の位置入力装置付き表示装置に分類される。導体層については、後で詳しく説明する。
また、本実施の形態では、第1の接着層11は、表示装置本体304の第1の光出射面304aと、位置入力装置本体301の第1の面301aを接合している。第2の接着層12は、第1の偏光板5の対向面5aと、位置入力装置本体301の第2の面301bを接合している。
次に、図29ないし図31を参照して、本実施の形態における位置入力装置について更に詳しく説明する。図31は、図29に示した位置入力装置を示す斜視図である。位置入力装置本体301は、透明耐熱性材料よりなる透明耐熱性材料層302と、透明耐熱性材料層2の一方の面上に配置されて入力位置検出のために用いられるセンサ部303とを有している。本実施の形態では、位置入力装置本体301の第1の面301aは、センサ部303によって形成され、位置入力装置本体301の第2の面301bは、透明耐熱性材料層302によって形成されている。
透明耐熱性材料層302の厚み、性質および材料は、第1の実施の形態における透明耐熱性材料層2の厚み、性質および材料と同じである。本実施の形態では特に、透明耐熱性材料層302は、第1の光出射面304aに垂直な方向(図29における上下方向)から見たときに、第1の光出射面304aの外側に張り出した張り出し部302Pを含んでいる。図29および図30に示した例では、張り出し部302Pは、第1の光出射面304aに対して、図29および図30における右側に張り出している。なお、透明耐熱性材料層302は、第1の光出射面304aに対して、複数の方向に張り出した複数の張り出し部を含んでいてもよい。
図31において、符号330Aは、表示装置本体4の内部に設けられた導体層を示している。この導体層330Aは、位置入力装置本体301と協働して位置入力装置を構成する。以下、この導体層330Aを、第1の導体層330Aと呼ぶ。第1の導体層330Aは、例えば、ITO等の透明導電材料によって形成されている。
図29に示した例では、第1の導体層330Aは、駆動部343に含まれている。しかし、第1の導体層330Aは、カラーフィルタ346に含まれていてもよい。この場合、第1の導体層330Aは、例えば、カラーフィルタ本体346Aと第2の支持層346Bの間に配置される。
ここで、図31に示したように、互いに交差する第1の方向Xと第2の方向Yを定義する。本実施の形態では、第2の方向Yは、第1の方向Xに対して垂直である。第1の導体層330Aは、並行して第1の方向Xに延びる複数の第1の電極部331Aと、配線部332Aと、複数の第1の接続部333Aとを含んでいる。配線部332Aは、表示領域300aの外側に配置されている。複数の第1の接続部333Aは、複数の第1の電極部331Aを配線部332Aに接続している。
センサ部303は、第2の導体層330Bを含んでいる。第2の導体層330Bは、その全体が第1の実施の形態における第1および第2の導体層30A,30Bと同じ透明導電材料によって形成されていてもよいし、その全体が第5の実施の形態における第1および第2の導体層130A,130Bと同じ遮光性の導電材料によって形成されていてもよい。あるいは、第2の導体層330Bは、その一部が透明導電材料によって形成され、残りの部分が遮光性の導電材料によって形成されていてもよい。
第2の導体層330Bは、並行して第2の方向Yに延びる複数の第2の電極部331Bと、センサ部303を位置入力装置本体301の外部の回路に接続するための接続配線部332Bとを含んでいる。接続配線部332Bは、複数の第2の端子部332B1と、複数の第2の接続部332B2とを含んでいる。複数の第2の接続部332B2は、複数の第2の電極部331Bを複数の第2の端子部332B1に接続している。接続配線部332Bは、表示領域300aの外側に配置されている。なお、前述のように、第2の導体層330Bの一部が透明導電材料によって形成される場合には、少なくとも、複数の第2の電極部331Bが透明導電材料によって形成される。また、複数の第2の電極部331Bが遮光性の導電材料によって形成される場合には、複数の第2の電極部331Bは、透明な樹脂材料よりなる絶縁層に埋め込まれていてもよい。
複数の第1の電極部331Aと複数の第2の電極部331Bは、第1および第2の面301a,301bに垂直な方向について互いに異なる位置に配置されている。第1および第2の面301a,301bに垂直な方向から見たときに、複数の第1の電極部331Aと複数の第2の電極部331Bは、互いに交差している。
以下、センサ部303が配置された透明耐熱性材料層302の一方の面を配置面302aと呼ぶ。配置面302aの上には、第2の導体層330Bが配置されている。接続配線部332Bの少なくとも一部は、配置面302aのうちの、張り出し部302Pに含まれる部分の上に配置されている。
センサ部303は、更に、複数の第2の端子部332B2の上に配置された接続部材334Bを含んでいる。接続部材334Bとしては、例えば、異方性導電シートが用いられる。第1の接着層11は、複数の第2の電極部331B、複数の第2の接続部332B2および配置面302aを覆っているが、接続部材334Bを覆っていない。
第1および第2の導体層330A,330Bは、図示しない制御部に接続されている。第1および第2の導体層330A,330Bによる接触位置の検出原理は、第1の実施の形態で説明した第1および第2の導体層30A,30Bによる接触位置の検出原理と同じである。本実施の形態では特に、複数の第1の電極部331Aには、位置入力検出用の交流電圧が入力される。制御部は、第1の電極部331Aとの容量結合によって第2の電極部331Bに誘起される交流電圧を監視し、これにより、複数組の第1の電極部331Aと第2の電極部331Bの間の静電容量を監視する。
次に、図29を参照して、表示装置本体304について詳しく説明する。表示装置本体304は、第1の実施の形態における表示装置本体4と同様に、複数の画素80を含んでいる。複数の画素80の各々は、複数の副画素81を含んでいる(図4参照)。表示装置本体304は、例えばIPS(In-Plane Switching)方式の構造になっていてもよい。この場合、駆動部本体343Bは、複数の副画素81に対応する複数の画素電極と、複数の副画素に対応する複数のTFTと、複数の共通電極とを有している。複数の画素電極および複数の共通電極は、ITO等の透明導電材料によって形成されている。複数の副画素の各々は、例えば、1つの画素電極と、1つのTFTと、1つの共通電極と、これらによって駆動される液晶層344の一部によって構成されている。複数の第1の電極部331Aは、複数の共通電極を兼ねていてもよい。
図29では、便宜上、駆動部本体343Bと第1の導体層330Aを、別個の部分として描いているが、これらは一体化されていてもよい。
なお、表示装置本体304は、例えばIPS(In-Plane Switching)方式の構造に限らず、第1の実施の形態と同様に、複数の画素電極と対向電極との間に液晶層が配置された構造であってもよい。この場合には、カラーフィルタ346に含まれるように第1の導体層330Aを設け、複数の第1の電極部331Aが対向電極を兼ねるようにしてもよい。
駆動部343は、更に、配線部88を有している。配線部88は、駆動部本体343Bおよび第1の導体層330Aを、制御部に接続するために用いられる。第2の偏光板341は、接着層342によって、第1の支持層343Aに接合されている。第1の支持層343Aは、第1の光出射面304aに垂直な方向(図29における上下方向)から見たときに、第1の光出射面304aの外側に張り出した第1の張り出し部343P1および第2の張り出し部343P2を含んでいる。図29に示した例では、第1の張り出し部343P1は、第1の光出射面304aに対して、図29における右側に張り出している。また、第2の張り出し部343P2は、第1の光出射面304aに対して、図29における左側に張り出している。配線部88の一部は第1の張り出し部343P1上に位置し、配線部88の他の一部は第2の張り出し部343P2上に位置している。
次に、本実施の形態に係る表示装置300の使用態様について説明する。始めに、図32を参照して、表示装置300の使用態様の第1の例について説明する。第1の例では、透明耐熱性材料層302の張り出し部302Pが、第1の支持層343Aの第1の張り出し部343P1に近づくように、位置入力装置本体301の一部を折り曲げている。接続配線部332Bの複数の第2の端子部332B1は、接続部材334Bを介して、駆動部343の配線部88のうちの第1の張り出し部343P1上に位置する部分に電気的に接続されている。センサ部303のうちの張り出し部302P上に位置する部分と表示装置本体304との間には、第1の接着層11が介在している。
図32において、符号305は、表示装置300を制御する制御部の少なくとも一部を構成する駆動用LSIを示している。駆動用LSI305は、駆動部343の配線部88のうちの第2の張り出し部343P2上に位置する部分の上に設置されている。
また、図32において、符号306は、フレキシブルプリント配線板を示し、符号307は、フレキシブルプリント配線板306の一端部に接続されたコネクタを示している。また、符号308は、フレキシブルプリント配線板306の他端部と、駆動部343の配線部88のうちの第2の張り出し部343P2上に位置する部分とを接続する接続部材を示している。接続部材308としては、例えば、異方性導電シートが用いられる。コネクタ307は、図示しないプリント基板上の配線に接続されていてもよい。このプリント基板上には、表示装置300を制御する制御部の一部が設置されていてもよい。第1の例によれば、制御部によって、位置入力装置と表示装置本体304の両方を制御することが可能になる。
次に、図33を参照して、表示装置300の使用態様の第2の例について説明する。第2の例では、表示装置300のバックライト6をプリント基板309に接合し、コネクタ307をプリント基板309上の配線に接続している。プリント基板309上には、表示装置300を制御する制御部の一部が設置されてもよい。第2の例では、透明耐熱性材料層302の張り出し部302Pが、プリント基板309に近づくように、位置入力装置本体301の一部を折り曲げている。接続配線部332Bの複数の第2の端子部332B1は、接続部材334Bを介して、プリント基板309の配線に電気的に接続されている。なお、第2の例では、図29に示した第1の支持層343Aの第1の張り出し部343P1が設けられていない。センサ部303のうちの張り出し部302P上に位置する部分と表示装置本体304およびバックライト6との間には、第1の接着層11が介在している。第2の例によっても、制御部によって、位置入力装置と表示装置本体304の両方を制御することが可能になる。
なお、張り出し部302Pが設けられていない場合には、センサ部303を位置入力装置本体301の外部の回路に接続するためには、フレキシブルプリント配線板等の配線用部材を用いて、センサ部303と外部の回路とを接続する必要がある。これに対し、本実施の形態では、張り出し部302Pと配線接続部332Bによって、配線用部材を用いずに、センサ部303を外部の回路に接続することができる。このように、本実施の形態によれば、張り出し部302Pが設けられていない場合に比べて、部品点数を少なくすることができるため、製造コストの低減が可能になる。
次に、本実施の形態に係る表示装置300の製造方法について説明する。表示装置300の製造方法は、表示装置本体304を作製する工程と、第1の偏光板5を作製する工程と、位置入力装置本体301を作製する工程と、結合工程とを備えている。結合工程は、第1の接着層11によって第1の光出射面304aと第1の面301aを接合し、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面301bを接合して、表示装置本体304、第1の偏光板5および位置入力装置本体301を結合させる。
次に、位置入力装置本体301を作製する工程について説明する。位置入力装置本体301を作製する工程は、支持基材と透明耐熱性材料層302の積層体を形成する工程と、透明耐熱性材料層302の上にセンサ部303を形成して、支持基材上に位置入力装置本体301が形成された構造体を作製する工程とを含んでいる。積層体を形成する工程は、第1の実施の形態における積層体を形成する工程と同じである。
ここで、図34ないし図36を参照して、構造体を作製する工程の一例について説明する。図34は、構造体を作製する工程中の一工程を示す平面図である。図35は、図34における35−35線で示す位置の断面を示す断面図である。図36は、図34に示した工程に続く工程を示す平面図である。構造体を作製する工程では、透明耐熱性材料層302の上に、第2の導体層330Bを含むセンサ部303を形成する。第2の導体層330Bの形成方法は、第1の実施の形態で説明した第1および第2の導体層30A,30Bの形成方法と同じである。ここでは、第1および第2の導体層30A,30Bの形成方法の第1の方法を例にとって、構造体を作製する工程について説明する。
図34および図35は、積層体52を形成した後の工程を示している。図35において、符号51は、支持基材を示している。この工程では、透明耐熱性材料層302の配置面302aの上に、後に第2の導体層330Bとなる第2の初期導体層330BPを形成する。
図36は、次の工程を示す。この工程では、まず、第2の初期導体層330BPが第2の導体層330Bになるように、第2の初期導体層330BPに対して熱処理を施す。これにより、センサ部303および位置入力装置本体301が完成し、その結果、構造体53が完成する。
第2の電極部331Bと接続配線部332Bは、同じ材料によって形成されてもよいし、互いに異なる材料によって形成されてもよい。第2の電極部331Bと接続配線部332Bが同じ材料によって形成される場合には、第2の電極部331Bと接続配線部332Bは同時に形成される。第2の電極部331Bと接続配線部332Bが互いに異なる材料によって形成される場合には、第2の初期導体層330BPを形成する工程では、第2の初期導体層330BPのうちの第2の電極部331Bとなる部分と、第2の初期導体層330BPのうちの接続配線部332Bとなる部分は、別々の工程で形成される。
次に、構造体53に、第1の接着層11になる接着剤11Pを配置する。接着剤11Pは、第2の導体層330のうちの複数の第2の端子部332B1(図29参照)を除いた部分を覆うように配置される。構造体53は、後の工程において、透明耐熱性材料層302の配置面302aのうちの張り出し部302Pに属する部分が、表示装置本体304の表面の一部に対向するように折り曲げられる(図32参照)。本実施の形態では、第2の導体層330のうちの張り出し部302P上に位置する部分(複数の第2の端子部332B1を除く)を覆うように、接着剤11Pを配置することにより、第2の導体層330の上記部分と表示装置本体304との間に接着剤11P(第1の接着層11)を介在させることが可能になる。これにより、第2の導体層330の上記部分を保護することが可能になる。なお、上述のように構造体53に接着剤11Pを配置する代わりに、後述する結合工程において表示装置本体304に接着剤11Pを配置してもよい。この場合、表示装置本体304の第1の光出射面304aの上と、表示装置本体304の表面の上記一部の上に、接着剤11Pが配置される。
また、第2の導体層330の接続配線部332Bの複数の第2の端子部332B1の上に接続部材334Bを配置する(図29参照)。なお、このように接続部材334Bを配置する代わりに、後述する接続配線部を外部の回路に接続する工程において表示装置本体304に接続部材334Bを配置してもよい。この場合、駆動部343の配線部88のうちの第1の張り出し部343P1上に位置する部分の上に、接続部材334Bが配置される。接着剤11Pの配置と、接続部材334Bの配置は、どちらを先に行ってもよい。
なお、ここまでは、1つの構造体53に着目して、構造体53を作製する工程と接着剤11Pおよび接続部材334Bを配置する工程について説明してきた。一般的に、構造体53を作製する工程では、複数の構造体53が同時に作製される。そこで、以下、図37ないし図39を参照して、複数の構造体53が同時に作製される場合の一連の工程について簡単に説明する。この場合、積層体52を形成する工程では、それぞれ積層体52となる予定の複数の積層体予定部を含む基礎構造物を形成する。この基礎構造物は、例えば、それぞれ支持基材51となる予定の複数の支持基材予定部を含む1枚のフィルム151の上に、透明耐熱性材料層302を形成することによって形成することができる。構造体53を作製する工程では、複数の積層体予定部の各々における透明耐熱性材料層302の上に、それぞれセンサ部303を形成して、複数の構造体予定部53Pを形成する。
図37は、センサ部303を形成した後の基礎構造物を示している。図38は、次の工程を示す。この工程では、複数の構造体予定部53Pの各々に対して、接着剤11Pと接続部材334Bを配置する。図39は、次の工程を示す。この工程では、複数の構造体53が得られるように、複数の積層体予定部の境界の位置で、基礎構造物を切断する。これにより、積層体予定部は積層体52になり、構造体予定部53Pは構造体53になる。また、切断後のフィルム151は、支持基材51になる。
なお、積層体52を形成する工程と構造体53を作製する工程は、第1の実施の形態と同様に、ロール・ツー・ロールプロセスによって行われてもよい。この場合、積層体52を形成する工程は、それぞれ積層体52となる予定の複数の積層体予定部が一列以上に並ぶ長尺フィルムを作製する工程を含んでいてもよい。構造体53を作製する工程は、長尺フィルムの複数の積層体予定部の各々における透明耐熱性材料層302の上に、それぞれセンサ部303を形成する工程と、複数の構造体53が得られるように、長尺フィルムを切断する工程とを含んでいてもよい。接着剤11Pおよび接続部材334Bを配置する工程は、長尺フィルムを切断する工程の後に行われる。
次に、図40ないし図43を参照して、表示装置本体304を作製する工程と結合工程について説明する。ここでは、図32に示した第1の例に従って表示装置300を使用する場合を例にとって説明する。また、ここでは、複数の表示装置本体304を同時に作製する場合を例にとって説明する。表示装置本体304を作製する工程では、まず、駆動部343とカラーフィルタ346を作製する。駆動部343を作製する工程では、1枚の大型の基板(以下、第1の基板と言う。)の上に、複数の駆動部343の第1の支持層343A以外の構成要素と第1の配向膜を形成する。カラーフィルタ346を作製する工程では、他の1枚の大型の基板(以下、第2の基板と言う。)の上に、複数のカラーフィルタ346の第2の支持層346B以外の構成要素と第2の配向膜を形成する。第1および第2の基板としては、例えばガラス基板(マザーガラス基板とも言う。)が用いられる。
次に、第1の基板の複数の駆動部343の各々または第2の基板の複数のカラーフィルタ346の各々に、シール材345を形成する。次に、第1の基板または第2の基板に対して液晶を滴下して、第1の基板と第2の基板を貼り合せる。これにより、複数の液晶層344が形成される。なお、第1および第2の基板としてガラス基板が用いられている場合、第1の基板と第2の基板を貼り合わせた後に、第1の基板と第2の基板をエッチングして、第1の基板と第2の基板を薄型化してもよい。次に、複数の表示装置本体304が得られるように、第1の基板と第2の基板を貼り合せた構造物を切断する。切断後の第1の基板と第2の基板は、それぞれ、第1の支持層343Aと第2の支持層346Bになる。
図40は、1つの表示装置本体304を示している。なお、図40に示した工程の段階では、表示装置本体304には、第2の偏光板341と接着層342が設けられていない。
図41は、次の工程を示す。この工程では、支持基材51上に位置入力装置本体301が形成された構造体53を、位置入力装置本体301の第1の面301aが下を向いた姿勢にして表示装置本体304における第1の光出射面304aの上方に位置させる。そして、透明耐熱性材料層302に前述の張り出し部302Pが形成されるように、接着剤11P(図36および図39参照)を用いて第1の光出射面304aと第1の面301aを接合する。図41は、第1の光出射面304aと第1の面301aを接合した状態を表している。接着剤11Pは、第1の接着層11になる。
図42は、次の工程を示す。この工程では、まず、透明耐熱性材料層302の張り出し部302Pが、第1の支持層343Aの第1の張り出し部343P1に近づくように、構造体53の一部を折り曲げる。図42に示したように、この工程では、支持基材51も折り曲げられる。なお、第1の接着層11によって、センサ部303のうちの張り出し部302P上に位置する部分と表示装置本体304とを接合してもよい。次に、熱圧着によって、接続配線部332Bの複数の第2の端子部332B1を、接続部材334Bを介して、駆動部343の配線部88のうちの第1の張り出し部343P1上に位置する部分に電気的および機械的に接続する。図42に示した一連の工程は、本発明における接続配線部を外部の回路に接続する工程に対応する。
図43は、次の工程を示す。この工程では、まず、支持基材51と透明耐熱性材料層302との境界で、支持基材51を位置入力装置本体301から分離する。次に、第1の実施の形態と同様に、第2の接着層12によって、第1の偏光板5の対向面5aと、位置入力装置本体301の第2の面301bを接合する。次に、接着層342によって、第2の偏光板341と駆動部343を接合する。次に、表示装置本体304の光入射面304b側に、バックライト6を設置して、表示装置300が完成する。その後、図32に示した駆動用LSI305、フレキシブルプリント配線板306、コネクタ307および接続部材308が設置される。
なお、ここまでは、図32に示した第1の例に従って表示装置300を使用する場合を例にとって説明してきた。図33に示した第2の例に従って表示装置300を使用する場合には、図41に示した工程の後、図42に示した工程を行わずに、図43に示した工程を行う。その後、熱圧着によって、接続配線部332Bの複数の第2の端子部332B1を、接続部材334Bを介して、図33に示したプリント基板309上の配線に電気的および機械的に接続する。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。図44は、本実施の形態に係る表示装置の断面を示す模式図である。本実施の形態に係る表示装置400は、第1の実施の形態に係る表示装置100と同様に、フラットパネル型の表示装置である。
図44に示したように、本実施の形態に係る表示装置400は、表示装置本体404と、本実施の形態における位置入力装置と、第3の実施の形態で説明した円偏光板5と、第1の実施の形態で説明した第1および第2の接着層11,12とを備えている。表示装置本体404は、第3の実施の形態における表示装置本体104と同様に、有機EL表示装置である。表示装置本体404は、光を出射する第1の光出射面404aを有している。表示装置本体404と円偏光板5との位置関係は、第3の実施の形態における表示装置本体104と円偏光板5との位置関係と同じである。
表示装置本体404は、複数の画素を含んでいる。また、表示装置本体404は、複数の陽極と複数の駆動回路を含む第1の部分441と、陰極である共通電極を含む第2の部分443と、第1の部分441と第2の部分443の間に配置された有機EL薄膜層442とを有している。第1の光出射面404aは、第2の部分443によって形成されている。
本実施の形態における位置入力装置は、第1の実施の形態と同様に、投影型静電容量方式のタッチパネルである。本実施の形態における位置入力装置は、位置入力装置の少なくとも一部を構成する位置入力装置本体401を有している。本実施の形態では、位置入力装置本体401は、位置入力装置の全体を構成している。
位置入力装置本体401は、互いに反対側に向いた第1の面401aおよび第2の面401bを有している。位置入力装置本体401の表示装置本体404および円偏光板5に対する位置関係は、第3の実施の形態における位置入力装置本体1の表示装置本体1044および円偏光板5に対する位置関係と同じである。すなわち、位置入力装置本体401は、第1の面401aが表示装置本体404の第1の光出射面404aに向き、第2の面401bが円偏光板5の対向面5aに向くように、第1の光出射面404aと対向面5aの間に配置されている。本実施の形態では、位置入力装置本体401すなわち本実施の形態における位置入力装置の全体は、表示装置本体404の第2の部分443と円偏光板5の間に配置されている。そのため、本実施の形態に係る表示装置400は、オンセル型の位置入力装置付き表示装置に分類される。
また、本実施の形態では、第1の接着層11は、表示装置本体404の第1の光出射面404aと、位置入力装置本体401の第1の面401aを接合している。第2の接着層12は、円偏光板5の対向面5aと、位置入力装置本体401の第2の面401bを接合している。
次に、位置入力装置本体401について詳しく説明する。位置入力装置本体401は、透明耐熱性材料よりなる透明耐熱性材料層402と、透明耐熱性材料層402の一方の面上に配置されて入力位置検出のために用いられるセンサ部403とを有している。本実施の形態では、位置入力装置本体401の第1の面401aは、センサ部403によって形成され、位置入力装置本体401の第2の面401bは、透明耐熱性材料層402によって形成されている。
透明耐熱性材料層402の厚み、性質および材料は、第1の実施の形態における透明耐熱性材料層2の厚み、性質および材料と同じである。本実施の形態では特に、透明耐熱性材料層402は、第7の実施の形態における透明耐熱性材料層302と同様に、第1の光出射面404aに垂直な方向(図44における上下方向)から見たときに、第1の光出射面404aの外側に張り出した張り出し部402Pを含んでいる。図44に示した例では、張り出し部402Pは、第1の光出射面404aに対して、図44における左側に張り出している。なお、透明耐熱性材料層402は、第1の光出射面404aに対して、複数の方向に張り出した複数の張り出し部を含んでいていてもよい。
センサ部403の構成は、第1の実施の形態におけるセンサ部3の構成と同じである。位置入力装置本体401は、更に、センサ部403を位置入力装置本体401の外部の回路に接続するための接続配線部430を有している。接続配線部430は、第1の実施の形態における図3に示した複数の第1の端子部33Aおよび複数の第2の端子部33Bと、複数の第1の信号取り出し配線部34Aの少なくとも一部と、複数の第2の信号取り出し配線部34Bの少なくとも一部によって構成されている。接続配線部430は、センサ部403が配置された透明耐熱性材料層402の一方の面(以下、配置面402aと呼ぶ。)のうちの、張り出し部402Pに含まれる部分の上に配置されている。
センサ部403は、更に、複数の第1の端子部33Aおよび複数の第2の端子部33Bの上に配置された接続部材431を含んでいる。接続部材431としては、例えば、異方性導電シートが用いられる。第1の接着層11は、センサ部403のうちの接続配線部430および接続部材431以外の部分を覆っている。
次に、表示装置本体404の構成について詳しく説明する。表示装置本体404の構成は、カラーフィルタが設けられていない点を除いて、基本的には、第3の実施の形態における表示装置本体104の構成と同じである。表示装置本体404の第1の部分441は、表示装置本体104の第1の部分141と同様に、複数の陽極と、複数の駆動回路と、複数の第1の電極と、複数の第2の電極と、複数の電流供給線とを有している。複数の駆動回路は、それぞれTFTを含んでいる。第1の部分441は、更に、複数の陽極、複数の駆動回路、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の電流供給線を支持する第3の支持層を有している。以下、複数の駆動回路と第3の支持層を合わせた部分を駆動部と呼び、符号441Cで表す。また、複数の陽極、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の電流供給線を合わせた部分を、回路部と呼び、符号441Dで表す。図44では、便宜上、駆動部441Cと回路部441Dを、別個の部分として描いているが、これらは一体化されていてもよい。複数の陽極は、光反射特性を有する導電材料によって形成されている。回路部441Dは、更に、位置入力装置本体401の接続配線部430と第2の部分443の共通電極に接続される配線を含んでいる。
表示装置本体404の第1の部分441は、更に、駆動部441Cおよび回路部441Dを支持する支持層441Aと、駆動部441Cおよび回路部441Dと支持層441Aとの間に介在するバリア膜441Bとを有している。支持層441Aは、例えばポリイミドによって形成されている。バリア膜441Bは、例えば、無機材料よりなる膜と有機材料よりなる膜と無機材料よりなる膜が順に積層された積層膜であり、外部からの水分や酸素の侵入を防止する機能を有している。
支持層441Aは、第1の光出射面404aに垂直な方向(図44における上下方向)から見たときに、第1の光出射面404aの外側に張り出した張り出し部441P1を含んでいる。図44に示した例では、張り出し部441P1は、第1の光出射面404aに対して、図44における左側に張り出している。駆動部441Cおよび回路部441Dの一部は、張り出し部441P1上に位置する。
表示装置本体404の第2の部分443は、全ての陽極にわたって対向するように配置された1つの共通電極443Aと、共通電極443Aと回路部441Dの前記配線とを接続する接続部443Bと、第1の部分441との間に有機EL薄膜層442、共通電極443Aおよび接続部443Bを封止する封止層443Cとを有している。封止層443Cは、例えば、無機材料よりなる膜と有機材料よりなる膜と無機材料よりなる膜が順に積層された積層膜よりなるバリア膜であってもよい。共通電極443Aは、金属材料よりなる半透過薄膜、ITO等の透明導電材料よりなる透過薄膜、またはそれらの積層膜によって形成されている。
有機EL素子は、1つの陽極と、1つの駆動回路と、陽極に対向する共通電極の一部と、陽極と共通電極の一部との間に配置された有機EL薄膜層442の一部によって構成されている。有機EL素子は、有機EL材料よりなる発光層を含んでいる。本実施の形態では、表示装置本体404は、互いに異なる色を発生する複数種類の有機EL素子を含んでいる。例えば、表示装置本体404は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の光を発生する3種類の有機EL素子を含んでいてもよい。この場合、有機EL薄膜層442は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の光を発生する3種類の発光層を含んでいる。
次に、図44を参照して、本実施の形態に係る表示装置400の使用態様について説明する。図44に示した例は、第7の実施の形態で説明した表示装置300の使用態様の第1の例と同様である。すなわち、本実施の形態では、透明耐熱性材料層402の張り出し部402Pが、支持層441Aの張り出し部441P1に近づくように、位置入力装置本体401の一部を折り曲げている。位置入力装置本体401の接続配線部430(複数の第1の端子部33Aおよび複数の第2の端子部33B)は、接続部材431を介して、回路部441Dの配線のうちの張り出し部441P1上に位置する第1の部分に電気的に接続されている。センサ部403のうちの張り出し部402Pの上に位置する部分と表示装置本体404との間には、第1の接着層11が介在している。
図42において、符号405は、表示装置400を制御する制御部の少なくとも一部を構成する駆動用LSIを示している。駆動用LSI405は、回路部441Dのうちの張り出し部441P1上に位置する第2の部分の上に設置されている。
また、図44において、符号406は、フレキシブルプリント配線板を示し、符号407は、フレキシブルプリント配線板406の一端部に接続されたコネクタを示している。また、符号408は、フレキシブルプリント配線板406の他端部と、回路部441Dの配線のうちの張り出し部441P1上に位置する第3の部分とを接続する接続部材を示している。接続部材408としては、例えば、異方性導電シートが用いられる。コネクタ407は、図示しないプリント基板上の配線に接続されていてもよい。このプリント基板上には、表示装置400を制御する制御部の一部が設置されていてもよい。本実施の形態では、制御部によって、位置入力装置と表示装置本体404の両方を制御することが可能になる。
なお、張り出し部402Pが設けられていない場合には、上述の例のようにセンサ部403を位置入力装置本体401の外部の回路に接続するためには、フレキシブルプリント配線板等の配線用部材を用いて、センサ部403と外部の回路とを接続する必要がある。これに対し、本実施の形態では、張り出し部402Pと配線接続部430によって、配線用部材を用いずに、センサ部403を外部の回路に接続することができる。このように、本実施の形態によれば、張り出し部402Pが設けられていない場合に比べて、部品点数を少なくすることができるため、製造コストの低減が可能になる。
次に、本実施の形態に係る表示装置400の製造方法について説明する。表示装置400の製造方法は、表示装置本体404を作製する工程と、円偏光板5を作製する工程と、位置入力装置本体401を作製する工程と、第1の接着層11によって第1の光出射面404aと第1の面401aを接合し、第2の接着層12によって対向面5aと第2の面401bを接合して、表示装置本体404、円偏光板5および位置入力装置本体401を結合させる結合工程とを備えている。
位置入力装置本体401を作製する工程は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、位置入力装置本体401の完成後、支持基材51上に位置入力装置本体401が形成された構造体53に、第1の接着層11になる接着剤が配置される。この場合、接着剤は、センサ部403と接続配線部430のうちの複数の第1の端子部33Aおよび複数の第2の端子部33B(図3参照)を除いた部分を覆うように配置される。構造体53は、後の工程において、透明耐熱性材料層402の配置面402aのうちの張り出し部402Pに属する部分が、表示装置本体404の表面の一部に対向するように折り曲げられる(図44参照)。本実施の形態では、センサ部403と接続配線部430のうちの張り出し部402P上に位置する部分(複数の第1の端子部33Aおよび複数の第2の端子部33Bを除く)を覆うように、接着剤を配置することにより、センサ部403と接続配線部430の上記部分と表示装置本体404との間に接着剤(第1の接着層11)を介在させることが可能になる。これにより、センサ部403と接続配線部430の上記部分を保護することが可能になる。なお、上述のように構造体53に接着剤を配置する代わりに、後述する結合工程において表示装置本体404に接着剤を配置してもよい。この場合、表示装置本体404の第1の光出射面404aの上と、表示装置本体404の表面の上記一部の上に、接着剤が配置される。
また、本実施の形態では、位置入力装置本体401の完成後、複数の第1の端子部33Aおよび複数の第2の端子部33Bの上に、接続部材431が配置される。なお、このように接続部材431を配置する代わりに、後述する接続配線部を外部の回路に接続する工程において表示装置本体404に接続部材431を配置してもよい。この場合、回路部441Dの配線の前記第1の部分の上に、接続部材431が配置される。接着剤の配置と、接続部材431の配置は、どちらを先に行ってもよい。
次に、図45ないし図48を参照して、表示装置本体404を作製する工程と結合工程について説明する。表示装置本体404を作製する工程では、まず、例えばポリイミドフィルムよりなる支持体の上に、複数の画素等の、支持層441Aおよび封止層443C以外の表示装置本体404の構成要素を連続的に形成する。次に、例えば蒸着法やスパッタリング法によって、封止層443Cを構成する複数の膜を連続的に形成する。次に、複数の表示装置本体404が得られるように、上記支持体を切断する。切断後の支持体は、支持層441Aになる。図45は、1つの表示装置本体404を示している。
図46は、次の工程を示す。この工程では、まず、支持基材51上に位置入力装置本体401が形成された構造体53を、位置入力装置本体401の第1の面401aが下を向いた姿勢にして表示装置本体404における第1の光出射面404aの上方に位置させ、透明耐熱性材料層402に前述の張り出し部402Pが形成されるように、前述の接着剤を用いて第1の光出射面404aと第1の面401aを接合する。図46は、第1の光出射面404aと第1の面401aを接合した状態を表している。接着剤は、第1の接着層11になる。
図47は、次の工程を示す。この工程では、まず、透明耐熱性材料層402の張り出し部402Pが、支持層441Aの張り出し部441P1に近づくように、構造体53の一部を折り曲げる。図47に示したように、この工程では、支持基材51も折り曲げられる。なお、第1の接着層11によって、センサ部403のうちの張り出し部402P上に位置する部分と表示装置本体404とを接合してもよい。次に、熱圧着によって、位置入力装置本体401の接続配線部430を、接続部材431を介して、回路部441Dの配線の前記第1の部分に電気的および機械的に接続する。図47に示した一連の工程は、本発明における接続配線部を外部の回路に接続する工程に対応する。
図48は、次の工程を示す。この工程では、まず、支持基材51と透明耐熱性材料層402との境界で、支持基材51を位置入力装置本体401から分離する。次に、第3の実施の形態と同様に、第2の接着層12によって、円偏光板5の対向面5aと、位置入力装置本体401の第2の面401bを接合させる。これにより、表示装置400が完成する。その後、図44に示した駆動用LSI405、フレキシブルプリント配線板406、コネクタ407および接続部材408が設置される。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1、第3または第7のいずれかの実施の形態と同様である。なお、本実施の形態では、表示装置本体404が、互いに異なる色を発生する複数種類の有機EL素子を用いて、カラーフィルタを用いない有機EL表示装置である場合を例にとって説明してきた。しかし、本実施の形態における表示装置本体404は、第3の実施の形態における表示装置本体104と同様に、白色発光の有機EL素子とカラーフィルタを用いる有機EL表示装置であってもよい。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明における位置入力装置は、投影型静電容量方式に限らず、表面型静電容量方式であってもよい。この場合には、センサ部は、透明導電材料よりなる一様な膜状の導体層を含む。この導体層は、透明耐熱性材料層2の配置面2aの上に配置される。
また、本発明における表示装置本体は、各副画素が駆動回路(TFT)を含まないパッシブマトリクス方式の構造であってもよい。