JP2014178805A - 入力装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示装置上に配される薄型の入力装置を簡便にかつ効率良く製造することができる方法を提供する。
【解決手段】第1及び第2のポリイミド層を有したポリイミド積層体を支持基板として用い、この支持基板の片側に入力位置検出用電極を備えた検出電極付き基板を用いて入力装置を製造する際、透明接着層を介して、表示装置上に検出電極付き基板を接着させた後、又は、検出電極付き基板を透明保護板に貼り合せた上で、透明接着層を介して表示装置上に検出電極付き基板を接着させる前に、第1のポリイミド層10と第2のポリイミド層20との界面を利用して、第2のポリイミド層を分離して取り除き、支持基板を薄肉化する入力装置の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置上に配される静電容量結合方式の入力装置を製造する方法に関する。
近年、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置の入力手段として、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、表示装置の表示面上に配置されることで、表示内容に対し極めて直接的な入力を可能にしている。このため、タッチパネルには表示装置の表示内容を画質低下なく透過させる必要があり、透明性が重要な要素となる。
タッチパネルの主な方式としては、光の変化を検出する方式と、電気的な特性の変化を検出する方式とに大別される。このうち、電気的な特性の変化を検出する方式として、抵抗膜方式と静電容量結合方式が知られており、更に、この静電容量結合方式には、表面型と投影型の2方式がある。なかでも、スマートフォン等で欠かせない機能となったマルチタッチ認識(多点認識)への対応に適している観点から、投影型が注目を浴びている。
この静電容量結合方式における投影型のタッチパネルは、例えば特許文献1に示されているように、互いに所定の形状のパターン電極が形成された2つのフィルム基材を用いて、接着層を介してこれらを貼り合せることで作製されている。
ところで、近年のタブレット型携帯端末等のように、入力装置としてタッチパネルを備えた表示装置では、薄型化の進展が著しく、タッチパネルについても薄型化と共に光学特性の向上が強く要望されている。しかしながら、上記特許文献1のように、2つのフィルム基材を貼り合せるとその分厚みが増してしまい、しかも取り扱い性(ハンドリング性)などを考慮すると、フィルム基材自体の厚みを薄くするには限度がある。加えて、フィルム基材の積層によって厚みが増すと、その分だけ表示装置からの映像光の透過率が低下してしまうことから、表示装置が表示する映像の画質を劣化させてしまうおそれがある。
そこで、例えば特許文献2には、フィルム基材の両面に静電容量結合方式の電極を設けてタッチパネルを得る方法が提案されている。しかしながら、フィルム基材の両面に電極を形成する際のハンドリング性等を勘案すると、やはり、フィルム基材自体がある程度の厚みや強度を有していなければならない。
また、特許文献3には、ガラス基板の一方面に絶縁層と入力位置検出用電極とを積層させた後、接着剤層を介してプラスチック製のカバー材を貼り合せて、次いで、フッ酸系エッチング液に浸漬してガラス基板を溶解して除去し、薄型・軽量化を図ったタッチパネルを製造する方法が記載されている。しかしながら、ガラス基板をエッチングで溶解して除去するには時間が掛かってしまうほか、エッチング液による電極や配線の溶解が懸念される。
特開2008−152640号公報 特開2010−238052号公報 特開2011−198207号公報
近年急速に普及・拡大しているスマートフォン等のような携帯端末では、入力装置としてのタッチパネルが欠かせないものとなっている。そして、これらの携帯端末の薄型化に伴い、タッチパネルも薄型化、光学特性の向上、及び低価格化が強く要望されている。ところが、従来の方法では、タッチパネルに使用されるフィルム基材の厚みを更に薄くしていくと、ハンドリング性が悪くなるばかりか、所定のパターン電極を正確に形成するのが困難になったり、場合によっては製造途中で皺や破け、伸びが発生するなど、生産上での支障をきたすおそれがある。これに対して、例えば特許文献3に記載されるような方法によって薄型・軽量化を図ろうとしても、手間や時間を要してしまい製造コストを抑えるのは難しい。
そこで、本発明者らは、静電容量結合方式の入力装置であるタッチパネルの薄型・軽量化について鋭意検討した結果、ポリイミド層同士での界面を利用して薄肉化が可能なポリイミド積層体を支持基板として用いることで、ハンドリング性の低下や生産上の問題等を全て解決しながら、簡便にかつ容易に薄型の入力装置を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、薄型の入力装置を簡便にかつ効率良く製造することができる方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、支持基板の片側に入力位置検出用電極を備えた検出電極付き基板を用いて、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置上に配される静電容量結合方式の入力装置を製造する方法であって、前記支持基板が、入力位置検出用電極側に位置する第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に位置する第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体からなり、i)透明接着層を介して、表示装置上に検出電極付き基板の入力位置検出用電極側を接着させた後、又は、ii)検出電極付き基板の入力位置検出用電極側に透明保護板を貼り合せた上で、透明接着層を介して表示装置上に検出電極付き基板の支持基板側を接着させる前に、支持基板における第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面を利用して、第2のポリイミド層を分離して取り除き、支持基板を薄肉化することを特徴とする入力装置の製造方法である。
本発明では、支持基板の片側に入力位置検出用電極を備えた検出電極付き基板を用いて入力装置を製造するにあたり、入力位置検出用電極側に位置する第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に位置する第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体を支持基板として用いる。このポリイミド積層体からなる支持基板は、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面を利用して第2のポリイミド層を分離し、取り除くことが可能なものである。
ここで、第1及び第2のポリイミド層の界面を利用して、第2のポリイミド層を分離して取り除くことができるようにするためには、これらのポリイミド境界面を剥離し易い状態にする必要がある。その手段として、好適には、第1又は第2のポリイミド層の少なくともいずれか一方に、特定の化学構造を有するポリイミドを使用するのがよい。
一般に、ポリイミドは、原料である酸無水物とジアミンとを重合して得られ、下記一般式(1)で表すことができる。
Figure 2014178805
式中、Ar1は酸無水物残基である4価の有機基を表し、Ar2はジアミン残基である2価の有機基であり、耐熱性の観点から、Ar1、Ar2の少なくとも一方は、芳香族残基であるのが望ましい。
本発明における第1及び/又は第2のポリイミド層に好適に用いられるポリイミドとしては、そのひとつとして、例えば、下記繰り返し構造単位(a)を有するポリイミドが挙げられ、なかでも、第2のポリイミド層がこのような繰返し構造単位を有するものであるのがよい。
Figure 2014178805
このような繰返し構造単位のうち、より好ましくは、下記繰り返し構造単位(b)を有するポリイミドである。
Figure 2014178805
本発明において、第2のポリイミド層は最終的には分離され、残った第1のポリイミド層側が入力装置を構成する。つまり、第2のポリイミド層は、表示装置上に入力装置を積層する過程で取り除かれるが、それまでの間は第1のポリイミド層と一体となって厚みを確保し、ハンドリング性を担保したり、伸びや破けを防止するなどの補助材としての役割を担う。
また、検出電極付き基板における入力位置検出用電極が、後述するように、例えばITO(tin-doped indium oxide)等のような透明導電膜を支持基板の片側に成膜した後、弱酸等を用いて所定の電極形状にエッチングし、更にその抵抗率を下げる等の目的でアニール処理する場合、一般に200℃〜300℃程度の温度で熱処理されることから、第2のポリイミド層がこのアニール処理に耐え得るものであるのが好適である。そのため、第2のポリイミド層が、上記(a)や(b)のような繰返し構造単位を有するポリイミドであれば、ガラス転移温度(Tg)が300℃以上の耐熱性ポリイミド面を形成して、第1のポリイミド層との界面での分離を容易にすることができると共に、上記のようなアニール処理に対する耐熱性や寸法安定性を備えることができて好ましい。また、この第2のポリイミド層をキャスト法によって形成する場合には、第1及び第2のポリイミド層の界面を形成する第2のポリイミド層の表面はRaが100nm以下の表面粗さにすることができることから、第1及び第2のポリイミド層の界面での剥離性をより良好にすることができる。
一方、最終的に入力装置を構成する部品となる第1のポリイミド層については、上記のようなアニール処理に耐え得る耐熱性と共に、高い透明性が求められる。そのため、第1のポリイミド層については、好ましくは、含フッ素ポリイミドを用いて形成するのがよい。ここで、含フッ素ポリイミドとは、ポリイミド構造中にフッ素原子を有するものを指し、ポリイミド原料である酸無水物、及びジアミンの少なくとも一方の成分において、フッ素含有基を有するものである。このような含フッ素ポリイミドとしては、例えば、上記一般式(1)で表されるもののうち、式中のAr1が4価の有機基であり、Ar2が下記一般式(2)又は(3)で表される2価の有機基で表されるものが挙げられる。
Figure 2014178805
上記一般式(2)又は一般式(3)におけるR1〜R8は、互いに独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5までのアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素置換炭化水素基であり、一般式(2)にあっては、R1〜R4のうち少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基であり、また、一般式(3)にあっては、R1〜R8のうち少なくとも一つはフッ素原子又はフッ素置換炭化水素基である。このうち、R1〜R8の好適な具体的としては、−H、−CH3、−OCH3、−F、−CF3などが挙げられるが、式(2)又は式(3)において少なくとも一つの置換基が、−F又は−CF3の何れかであるのが好ましい。
含フッ素ポリイミドを形成する際の一般式(1)中のAr1の具体例としては、例えば、以下のような4価の酸無水物残基が挙げられる。
Figure 2014178805
加えて、含フッ素ポリイミドを形成する際、ポリイミドの透明性や第2のポリイミド層との剥離性をより向上させることなどを考慮すれば、一般式(1)におけるAr2を与える具体的なジアミン残基として、好ましくは、以下のものが挙げられる。すなわち、これらを用いることで、含フッ素ポリイミド以外の他の構造を有するポリイミドからなる第2のポリイミド層との界面においても良好な剥離性を示すことができ、好適には、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面における接着強度が1N/m以上500N/m以下、より好適には5N/m以上300N/m以下、更に好適には10N/m以上200N/m以下にすることができ、人の手で容易に剥離できる程度の分離性を備える。勿論、第2のポリイミド層についても、このような含フッ素ポリイミドを使用してもよく、その場合には、第1及び第2のポリイミド層の界面での剥離性はより一層向上する。
Figure 2014178805
このような含フッ素ポリイミドにおいて、次に挙げる一般式(4)又は(5)で表される構造単位のどちらか一方を80モル%以上の割合で有する場合には、透明性と剥離性のほか、熱膨張性が低く寸法安定性に優れることからより好ましい。すなわち、下記一般式(4)又は(5)で表される構造単位を有するポリイミドであれば、熱膨張係数が25ppm/K以下、好適には10ppm/K以下のポリイミド層とすることができる。また、これらの構造単位を有するポリイミドは、300℃以上のガラス転移温度(Tg)を示し、かつ、440nmから780nmの波長領域での透過率が70%以上、好適には80%以上を示すことから、入力装置を形成する上でより有利である。
Figure 2014178805
ここで、ポリイミドを一般式(4)又は(5)の構造に係るポリイミドとした場合、そのポリイミド以外に最大20モル%未満の割合で添加されてもよいその他のポリイミドについては、特に制限されるものではなく、一般的な酸無水物とジアミンを使用することができる。なかでも好ましく使用される酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。一方の、ジアミンとしては、4,4'−ジアミノジフェニルサルフォン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4'−ジアミノシクロヘキシルメタン、2,2'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4'−ジアミノビシクロヘキサン等が挙げられる。
上記で説明したような各種ポリイミドは、ポリアミド酸をイミド化して得ることができる。ここで、ポリアミド酸の樹脂溶液は、原料であるジアミンと酸二無水物とを実質的に等モル使用し、有機溶媒中で反応させることによって得るのがよい。より具体的には、窒素気流下にN,N−ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒にジアミンを溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で5時間程度反応させることにより得ることができる。塗工時の膜厚均一化と得られるポリイミドフィルムの機械強度の観点から、得られたポリアミド酸の重量平均分子量は1万から30万が好ましい。なお、ポリイミド層の好ましい分子量範囲もポリアミド酸と同じ分子量範囲である。
第1及び第2のポリイミド層を有したポリイミド積層体を得る手段については特に制限はないが、連続製造が可能であることから、予め第2のポリイミド層を形成する長尺状のポリイミドフィルムを用意しておき、これをロール・ツー・ロールプロセスで搬送しながら、第1のポリイミド層を形成するポリアミド酸の樹脂溶液を塗布するキャスト法を採用するのが好適である。第1のポリイミド層を形成するポリアミド酸の樹脂溶液を塗布した後には、第2のポリイミド層の長尺ポリイミドフィルムごと150〜160℃程度で加熱処理して樹脂溶液中に含まれる溶剤を除去し、更に高温で加熱処理してポリアミド酸をイミド化させる。イミド化に際して行う加熱処理は、例えば、160℃程度の温度から350℃程度の温度まで連続的又は段階的に昇温を行うようにすればよい。なお、予め第1のポリイミド層を形成する長尺状ポリイミドフィルムを用意し、第2のポリイミド層を形成するポリアミド酸の樹脂溶液を塗布するようにしてもよい。
前述したように、第2のポリイミド層は入力装置を直接構成するものではないため、検出電極付き基板としてハンドリング性を向上させることなどを考慮しながら、その厚みを適宜設定することができる。一般に、フィルム基板としては100μm程度の厚みがあれば、製造上で特に不都合になることはない。そのため、本発明においては、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体としての合計の厚みが100μm以上であれば、例えば、後述するように、第1のポリイミド層側の表面に透明導電膜を成膜し、エッチング処理やアニール処理等を行って、所定の電極形状を有した入力位置検出用電極を形成することができ、第2のポリイミド層の厚みとしては任意に設定することができる。また、第2のポリイミド層の背面側に更に銅箔やガラス等を備えたポリイミド積層体を使用するようにしてもよい。
一方、第1のポリイミド層については、第2のポリイミド層側が補助材の役割をするため、その厚みはより薄くすることができる。すなわち、第1のポリイミド層の厚みを100μm未満にすることが可能であり、好適には50μm以下、更に好適には30μm以下まで薄くすることができる。なお、入力位置検出用電極の絶縁性を担保することなどを考慮すれば、第1のポリイミド層の厚みの下限は3μmである。
また、本発明の検出電極付き基板における入力位置検出用電極については、静電容量結合方式の入力装置を形成するものであればよく、公知のものを採用することができる。すなわち、一般には、ある方向に所定の間隔を有して複数の電極部が配列された第1電極と、それとは異なる方向に所定の間隔を有して複数の電極部が配列された第2電極とを有して、これらの電極に係る各電極部の配列方向が互いに交差するようにしながら連結されて、投影型静電容量結合方式のモザイク状のパターン電極が具備されるようにすればよい。
このような入力位置検出用電極を形成するにあたっては、所定の電極形状となるようにパターニングされた透明導電膜を用いるようにすればよい。すなわち、例えば、ITO(tin-doped indium oxide)、SnO、ZnO、IZO等のような透明導電膜を第1のポリイミド層の表面に成膜した後、弱酸等を用いて所定の電極形状となるようにエッチングしてもよく、或いは、第1のポリイミド層の表面にレジストパターンを形成し、これをマスクとして上記のような透明導電膜を成膜するようにしてもよい。また、これらの透明導電膜は、電子ビーム蒸着法、スパッタ蒸着法、物理気相成長法、導電ペースト材を用いたスクリーン印刷法等により成膜することができる。ここで、一般的には、透明導電膜の厚みは100nm程度以下であり、特に厚みが限定されることはないが、薄型の入力装置を形成することを考慮すれば、10〜50nm程度の膜厚で形成するのが望ましい。
上記のようにして成膜した透明導電膜をエッチングしたり、マスクを介して透明導電膜を成膜するなどしてパターニングすることで、同一平面において、第1電極又は第2電極のいずれか一方は電極部同士が配線部によって連結した形状にすることができるが、残りの電極の電極部を電気的に接続するためには、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のようなレジストからなる層間絶縁膜を成膜した上で、コンタクトホールを形成し、再度透明導電膜を成膜してパターニングするなどして、残りの電極の電極部を配線部によって連結させることができる。また、この配線部を形成した後には、必要に応じて、入力位置検出用電極の表面を覆うように、上記の樹脂等を用いて絶縁層を形成するようにしてもよい。
ここで、ITO等のような透明導電膜では、成膜後はアモルファス状態であって抵抗値が結晶状態よりも高い。そのため、パターニングされた透明導電膜をアニール処理して結晶化させ、その抵抗を下げてパターン電極を形成するのがよい。このアニール処理の温度については、透明導電膜の種類によっても異なるため、適宜設定することができるが、例えばITOの場合は、一般に200〜250℃程度で行うようにするのが望ましい。本発明においては、上述したような第1及び第2のポリイミド層を形成するポリイミドであれば、いずれもこれらのアニール処理の温度よりも高いガラス転移温度(Tg)を備えることから、アニール処理に対する十分な耐熱性を有している。
アニール処理された検出電極付き基板は、透明接着層を介して、液晶ディスプレイ、有機ELパネル、電子ペーパー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ディスプレイ等のような表示装置上に積層させて、入力装置を形成する。その際、本発明においては、i)検出電極付き基板を表示装置の表示面側に積層した後、又は、ii)検出電極付き基板を表示装置の表示面側に積層する前に、支持基板における第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面を利用して、第2のポリイミド層を分離して取り除き、支持基板を薄肉化する。すなわち、i)透明接着層を介して、表示装置上に検出電極付き基板の入力位置検出用電極側を接着させた後、又は、ii)検出電極付き基板の入力位置検出用電極側に透明保護板を貼り合せた上で、透明接着層を介して表示装置上に検出電極付き基板の支持基板側を接着させる前に、第2のポリイミド層を分離して取り除く。
ここで、i)のように表示装置の表示面側に検出電極付き基板を積層した後であれば、第2のポリイミド層側を分離して取り除いても、表示装置側に残された入力位置検出用電極や第1のポリイミド層が皺になったり、破けたりするようなことはない。一方、ii)については、外部衝撃や各種損傷等から保護する目的で、入力装置の表面に強化ガラス、アクリル板等からなる透明保護板を設ける場合である。このような透明保護板に透明接着層を介して検出電極付き基板の入力位置検出用電極側を貼り合せた状態であれば、第2のポリイミド層側を分離して取り除いても、i)と同様、透明保護板側に残された入力位置検出用電極や第1のポリイミド層が皺になったり、破けたりするようなことはなく、透明接着層を介して、表示装置上に検出電極付き基板の支持基板側を接着させることができる。
上記i)、ii)で用いる透明接着層については特に制限はなく、例えばアクリル系やエポキシ系等の透明接着剤からなるものであってもよく、或いは、透明な接着シートを用いるようにしてもよい。より薄型の入力装置を得る観点からは、透明接着剤の厚みは薄い方が良いが、特に厚みが制限されることはなく、例えば、透明接着剤を用いて10〜50μm程度の厚さの透明接着層を形成するのが好ましい。また、透明保護板の厚みについて特に制限はないが、一般には100μm〜1mm程度の厚さのものが使用される。なお、透明接着剤や透明接着シート等を用いて透明接着層を形成するのは、透明導電膜のアニール処理が施された後であるため、透明接着層に関して、アニール処理に対する耐熱性については特段考慮する必要はない。透明保護板についても同様である。
第2のポリイミド層を分離して取り除き、支持基板が薄肉化されて得られた本発明の入力装置では、第1のポリイミド層を上述したポリイミドにより形成することで、低熱膨張性でありながら、可視光領域における透過率が高くて透明性に優れる。また、耐熱性が高くて、寸法安定性にも優れ、しかも、表面平滑性に優れて、面内方向のリタデーションも小さくできることから、表示装置上に配される入力装置として好適である。
本発明のように、第1及び第2のポリイミド層を有したポリイミド積層体を支持基板とした検出電極付き基板を用いて、検出電極付き基板を表示装置の表示面側に積層する前や後に第2のポリイミド層側を分離して取り除き、支持基板を薄肉化することで、ハンドリング性の低下や生産上の問題等を解決しながら、薄型の入力装置を効率良く製造することができる。
図1は、第1及び第2のポリイミド層を有したポリイミド積層体の断面模式図である。 図2は、投影型静電容量結合方式のタッチパネルにおけるパターン電極の様子を示す平面模式図である。 図3は、一部を除いた第1電極及び第2電極が同一面内に形成された様子を示す平面模式図である。 図4は、図3におけるa-a'断面図である。 図5は、第1電極及び第2電極が形成された様子を示す平面模式図である。 図6は、図5におけるb-b'断面図である。 図7は、透明接着層を介して検出電極付き基板に透明保護板を貼り合せた様子を示す断面模式図である。 図8は、図7に示した状態から第2のポリイミド層を分離して取り除く様子を示す断面模式図である。
以下、本発明について、図面を用いながら具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
図1には、ポリイミドフィルムからなる第2のポリイミド層20の上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布してイミド化させた第1のポリイミド層10を有するポリイミド積層体の断面図が示されている。第2のポリイミド層20は、例えば厚さ100μmで形成され、第1のポリイミド層10は、例えば厚さ20μmで形成される。そして、図2には、ポリイミド積層体上に入力位置検出用電極を備えた投影型静電容量結合方式のタッチパネル70の平面図が示されている。
図2では、入力位置検出用電極を形成するパターン電極の様子が示されており、一方向(x方向)に所定の間隔を有して複数のひし形電極部が配列されて、それらを連結する配線部を有した第1電極51と、他方向(y方向)に所定の間隔を有して複数のひし形電極部が配列されて、それらを連結する配線部を有した第2電極52とが備えられている。また、この入力位置検出用電極には、第1電極51用の信号取り出し配線31と、第2電極52用の信号取り出し配線32と、第1及び第2電極がそれぞれ外部と接続できるようにした端子41、42とが備えられている。なお、第1電極51と第2電極52との配線が交差する領域の第1電極側の配線部61は、第1電極51と第2電極52との配線が交差する領域の第2電極側の配線部62とは異なる層で形成されている。以下、ポリイミド積層体を支持基板として、このようなタッチパネルを形成する方法について説明する。
先ず、ポリイミド積層体における第1のポリイミド層10の表面には、ITO等の透明導電膜が蒸着法等の手段によって成膜され、次いで、透明導電膜のパターニングを行う。この透明導電膜は、例えば厚さ50nmで成膜される。図3には、この透明導電膜のパターニングによって、例えば、第1電極51と第2電極52の配線とが交差する領域の第1電極側の配線部61以外のパターンが上記透明導電膜を利用して同層に形成された様子が示されている。
透明導電膜のパターン形成にあたっては、例えば半導体の製造と同様にフォトリソグラフを用いて行うことができる。形成したい電極等のパターンのマスクを準備し、透明導電膜上に成膜されたレジストにパターンを転写した後、不要なレジストを除去してITO等の透明導電膜をエッチングすることにより形成できる。ここでは、第1電極側の配線部61は電気的に短絡しないように、第1の絶縁層(層間絶縁膜)80を介した別の層を利用して、次の工程で形成される。図4には、図3におけるa-a'断面図が示されている。第1電極側の配線部61以外は、図4に示す如く、第2電極側の配線部62(図示外)を含めて同層の透明導電膜で形成される。
図5には、第1電極51と第2電極52の配線が交差する領域において、第1電極側の配線部61を追加した状態の様子が示されている。また、図6には、図5におけるb-b'断面図が示されている。この第1電極側の配線部61を形成するためには、先ず、上記でパターニングした透明導電膜の表面に対して、ポリイミド樹脂等のようなレジストからなる第1の絶縁層80を成膜する。この第1の絶縁層80は、例えば厚さ1μmで成膜される。次いで、配線部61を設ける位置に対応させて、このレジストからなる第1の絶縁層80にコンタクトホール形状をマスク転写した後、エッチング等の手段でコンタクトホール90を形成し、第1電極の電極部同士を配線部61で接続できる状態にする。
次に、第1の絶縁層80にコンタクトホール90が開いた状態において、配線部61を形成するための透明導電膜を成膜する。この透明導電膜は、先の成膜で使用したものと同じものを用いることができ、例えば厚さ50nmで成膜される。次いで、配線部61を形成するためのパターンに対応したマスクを用いて、レジストに配線部61のパターンを転写し、配線部61以外の透明導電膜を除去することで、第1電極のひし形電極部同士が電気的に接続されて、入力位置検出用電極のパターン形成が完了する。なお、パターン形成が完了した後、異物等によるショート、損傷等による断線からの保護等の目的から、上記と同様のレジスト材料等からなる第2の絶縁層81を例えば厚さ2μmで形成し、保護層として利用するようにしてもよい。但し、この第2の絶縁層81は必ずしも必要ではないため、その形成を省略することもできる。
上記のようなパターン形成にはITO等の透明導電膜が利用されるが、例えばITOを蒸着法等で成膜した時点ではアモルファス状態であって、その抵抗値も高い。そのため、透明導電膜からパターン形成した後は、例えば200℃〜250℃程度の温度でアニール処理を実施することで、ITOの結晶化が始まり抵抗値を下げることができる。本発明では、ポリイミド積層体がこのようなアニール温度に対して十分な耐熱性を有しているため、第1電極51及び第2電極52等のパターンを形成した後は、ポリイミド積層体ごとアニール処理することができ、これによって入力位置検出用電極を備えた検出電極付き基板1とすることができる。
上記で得られた検出電極付き基板1を用いて、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置上に配される入力装置を形成するにあたっては、先ず、図7に示したように、検出電極付き基板1の入力位置検出用電極側に透明接着層100を介して透明保護板200を貼り合せる。この透明保護板200としては、例えば厚さ500μmの強化ガラス等を用いることができ、透明接着層100には、アクリル系やエポキシ系等の透明接着剤を用いて、例えば厚さ50μmで設けることができる。
図7には、検出電極付き基板1に透明接着層100を介して透明保護板200を貼り合わせた状態が示されている(図5におけるb-b'断面を示したもの)。この時点では、検出電極付き基板1における支持基材20は、第1のポリイミド層10と第2のポリイミド20とが一体化された状態のままであるが、上記と同様の透明接着層を介して図示外の表示装置上に検出電極付き基板の支持基板側を接着させる前に、図8に示したように、第1のポリイミド層10と第2のポリイミド層20との界面を利用して、第2のポリイミド層20を分離して取り除き、支持基板を薄肉化すれば、薄型のタッチパネル(入力装置)を形成することができる。
上記では検出電極付き基板1を最初に貼り合わせる対象物を透明保護板とする実施形態を示したが、検出電極付き基板1を最初に液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のような表示装置に貼り合せるようにしてもよい。すなわち、上記と同様の透明接着層を介して、図示外の表示装置上に検出電極付き基板1の入力位置検出用電極側(図6の場合では第2の絶縁層81側)を接着させた後、第1のポリイミド層10と第2のポリイミド層20との界面を利用して、第2のポリイミド層20を分離して取り除き、支持基板を薄肉化すれば、先の場合と同様に薄型のタッチパネルを形成することができる。先の実施形態を含めて、このように表示装置上に入力装置を積層する過程で支持基板の薄肉化をすることで、少なくとも検出電極付き基板1を製造する際にはハンドリング性が確保されると共に、皺や伸び、破けといった損傷からも保護して、薄型の入力装置を得ることができる。
以下、評価試験例に基づいて、本発明についてより具体的に説明する。なお、下記内容は評価試験のためのものであり、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
先ず、下記においてポリイミドを合成する際の原料モノマーや溶媒の略語、及び、評価試験における各種物性の測定方法とその条件について以下に示す。
〔略語について〕
・DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
・PDA:1,4−フェニレンジアミン
・TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル
・DADMB:4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル
・1,3−BAB:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
・BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・6FDA:2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
〔表面粗さ(Ra)〕
ブルカー社製の原子間力顕微鏡(AFM)「Multi Mode8」を用いて表面観察をタッピングモードで行った。10μm角の視野観察を4回行い、それらの平均値を求めた。表面粗さ(Ra)は、算術平均粗さ(JIS B0601-1991)を表す。
〔剥離強度〕
東洋精機製作所社製ストログラフR−1を用いて、ポリイミド積層体を幅10mmの短冊状に切断したサンプルにおける第1のポリイミド層と第2のポリイミド層における界面について、T字剥離試験法によるピール強度を測定することにより評価した。
〔透過率(%)〕
第1のポリイミド層からなるポリイミドフィルム(50mm×50mm)について、U4000形分光光度計を使って440nmから780nmにおける光透過率の平均値を求めた。
〔ガラス転移温度Tg〕
第1又は第2のポリイミド層からなるポリイミドフィルムのガラス転移温度を次のようにして測定した。粘弾性アナライザ(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
〔熱膨張係数(CTE)〕
第1又は第2のポリイミド層からなるポリイミドフィルムを3mm×15mmのサイズに切り出し、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数(×10-6/K)を測定した。
合成例1(ポリイミドA)
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらPDA8.00gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液BPDA22.00gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Aが生成されていることが確認された。
合成例2(ポリイミドB)
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB12.08gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA6.20gと6FDA4.21gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Bが生成されていることが確認された。
合成例3(ポリイミドC)
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながらTFMB13.30gを溶剤DMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA9.20gを加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸Cが生成されていることが確認された。
[ポリイミド積層体Iの作製]
厚み18μmの電解銅箔上に、合成例1で得たポリアミド酸Aの樹脂溶液を塗布した後、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約4℃/分の昇温速度で熱処理することでイミド化し、厚み25μmの第2のポリイミド層(表面粗さRa=1.3nm、Tg=355℃)を有する銅張積層板(熱膨張係数18×10-6/K)を得た。
得られた銅張積層板の第2のポリイミド層上に、合成例2で得たポリアミド酸Bの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥し、樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理することでポリアミド酸をイミド化させて第1のポリイミド層を形成し、第1及び第2のポリイミド層を有するポリイミド積層体Iを得た。得られたポリイミド積層体Iにおける第1及び第2のポリイミド層での界面における剥離強度、得られた透明ポリイミドフィルム(第1のポリイミド層)の透過率、及び熱膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
[ポリイミド積層体IIの作製]
第2のポリイミド層として厚さ125μmのポリイミドフィルム(カプトンH、東レ・デュポン株式会社製:表面粗さRa=70nm、Tg=428℃、熱膨張係数28.5ppm/K)を使用し、この上に合成例2で得たポリアミド酸Bの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布し、その後、130℃で加熱乾燥することで樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理しポリアミド酸をイミド化させて第1のポリイミド層を形成し、第1及び第2のポリイミド層を有するポリイミド積層体IIを得た。得られたポリイミド積層体IIにおける第1及び第2のポリイミド層での界面における剥離強度、得られた透明ポリイミドフィルム(第1のポリイミド層)の透過率、及び熱膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
[ポリイミド積層体IIIの作製]
第2のポリイミド層として厚さ25μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産株式会社製:表面粗さRa=15nm、Tg=359℃、熱膨張係数12.5ppm/K)を使用し、この上に合成例3で得たポリアミド酸Cの樹脂溶液を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布し、その後、130℃で加熱乾燥することで樹脂溶液中の溶剤を除去した。次に、160℃から360℃まで約20℃/分の昇温速度で熱処理しポリアミド酸をイミド化させて第1のポリイミド層を形成し、第1及び第2のポリイミド層を有するポリイミド積層体IIIを得た。得られたポリイミド積層体IIIにおける第1及び第2のポリイミド層での界面における剥離強度、得られた透明ポリイミドフィルム(第1のポリイミド層)の透過率、及び熱膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
[ポリイミド積層体I〜IIIの分離性の評価]
製造直後のポリイミド積層体I〜IIIにつき、第1及び第2のポリイミド層の界面を利用して、各ポリイミド層を人手により分離し、分離の容易性を確認したところ、いずれの積層体についても分離されるポリイミド層にダメージを与えることなく容易に分離することができ、良好な剥離性を示した。
Figure 2014178805
1 検出電極付き基板
10 第1のポリイミド層
20 第2のポリイミド層
31 第1電極の配線
32 第2電極の配線
41 第1電極の外部との接続端子
42 第2電極の外部との接続端子
51 第1電極
52 第2電極
61 第1電極の配線部
62 第2電極の配線部
70 タッチパネル
80 第1の絶縁層(層間絶縁膜)
81 第2の絶縁層
90 コンタクトホール
100 透明接着層
200 透明保護板

Claims (7)

  1. 支持基板の片側に入力位置検出用電極を備えた検出電極付き基板を用いて、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置上に配される静電容量結合方式の入力装置を製造する方法であって、
    前記支持基板が、入力位置検出用電極側に位置する第1のポリイミド層と、この第1のポリイミド層の背面側に位置する第2のポリイミド層とを有したポリイミド積層体からなり、
    i)透明接着層を介して、表示装置上に検出電極付き基板の入力位置検出用電極側を接着させた後、又は、ii)検出電極付き基板の入力位置検出用電極側に透明保護板を貼り合せた上で、透明接着層を介して表示装置上に検出電極付き基板の支持基板側を接着させる前に、支持基板における第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面を利用して、第2のポリイミド層を分離して取り除き、支持基板を薄肉化することを特徴とする入力装置の製造方法。
  2. 検出電極付き基板における入力位置検出用電極が、支持基板の片側にパターニングされた透明導電膜をアニール処理して得られたものである請求項1に記載の入力装置の製造方法。
  3. 第1及び第2のポリイミド層の界面での接着強度が1N/m以上500N/m以下である請求項1又は2に記載の入力装置の製造方法。
  4. 第1のポリイミド層が含フッ素ポリイミドからなり、440nmから780nmの波長領域での透過率が70%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の入力装置の製造方法。
  5. 第1のポリイミド層の熱膨張係数が25ppm/K以下である請求項4に記載の入力装置の製造方法。
  6. 第1及び第2のポリイミド層の界面を形成する第2のポリイミド層の表面は、表面粗さ(Ra)が100nm以下であると共に、ガラス転移温度(Tg)が300℃以上の耐熱性ポリイミド面を有する請求項1〜5のいずれかに記載の入力装置の製造方法。
  7. 第2のポリイミド層が、下記構造単位を有するポリイミドからなる請求項6に記載の入力装置の製造方法。
    Figure 2014178805
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