JP2016120610A - 孔開きラベル連続体の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】孔開きラベルとして不要とされる内方ラベルカス51の台紙2に対向する底面においてその粘着剤層5の粘着力を低減し、粘着力低減部分を内方ラベルカス51として台紙2から剥離処理することに着目し、ラベル原紙8の厚さ方向における、貫通孔38の周縁が囲む内方領域39に相当する粘着剤層5の領域に、粘着剤層5の活性を少なくとも低減する粘着不活性化層40を形成し、抜き刃49と、抜き刃49の下流側において台紙2の下面側に位置する剥離板55と、を有し、抜き刃49により内方ラベルカス51を形成可能とし、剥離板55により内方ラベルカス51を台紙2から剥離して、貫通孔38を形成した孔開きラベルを台紙2上に仮着した状態で残存可能とする。
【選択図】図1
Description
図6は、孔開きラベル連続体の一例としての一般的な円環状ラベル連続体1の斜視図、図7は、図6のVII−VII線断面図である。
円環状ラベル連続体1は、帯状の台紙2と、台紙2の上層側に仮着した複数枚の円環状ラベル3(孔開きラベル)と、を有する。
ラベル原紙8は、帯状の台紙2に粘着剤層5を介して帯状のラベル基材4を仮着している。
この内方ラベルカス10を除去と同時に、抜き刃9の、台紙2の表面までの長さを有する外方抜き刃9Bによりラベル基材4および粘着剤層5までを切り抜いて形成した外方ラベルカス11を除去して(いわゆる「カス取り」して)、貫通孔3A付きの円環状ラベル3を製造する。
さらに、抜き型費用が高額になるとともに、不要部(内方ラベルカス10)を機械的に除去する費用も高額になるという問題がある。
また、図示は省略するが、たとえば内方ラベルカスとして、台紙2まで切り抜かずに(ラベル基材4および粘着剤層5まで切り抜く、いわゆる「ハーフ抜き」して)、形成した内方ラベルカスを手作業などで台紙2から除去する手法もあるが、製造工数の増大とともに膨大な加工時間を必要とするという問題がある。
図1は、孔開きラベル連続体29の製造装置20の概略側面図であって、孔開きラベル連続体29の製造装置20は、前記ラベル原紙8の供給部21と、表面印刷部22と、台紙分離部23と、裏面印刷部24と、貼り合わせ部25と、ダイカット部26と、外方ラベルカス取り部27と、内方ラベルカス取り部28と、孔開きラベル連続体29の巻取り部30と、を有する。
図2は、内方ラベルカス取り部28の部分を示す斜視図である。
この所定領域とは、内方ラベルカス51(図2において後述)を形成する領域である。
すなわち、当該所定領域は、ラベル原紙8の厚さ方向における、貫通孔38(図2)の周縁が囲む内方領域39に相当する粘着剤層5の領域であって、この所定領域にメジームその他任意のインキを印刷することにより、粘着剤層5の活性を少なくとも低減する粘着不活性化層40(図1の拡大部を参照)を形成する。
ただし、粘着不活性化層40の形成により、ラベル原紙8の移送方向下流側のダイカット部26における切り抜き作用によって内方ラベルカス51が直ちにはがれて周辺の装置部分に付着してしまわないような程度にすることは必要である。
また、内方ラベルカス51の粘着性は、粘着不活性化層40の印刷インキの種類あるいはその印刷面積や、格子状、多列状あるいは網目状などの印刷パターンを選択することにより任意にこれを設定可能である。
なお、粘着不活性化層40は、内方領域39よりわずかに外方側にこれを広げてあることにより、ダイカット部26における切り抜き作用が粘着不活性化層40の領域内で確実に行われることを保証する。
抜き刃49により、ラベル原紙8に孔開きラベル54(図2)の外方側に位置する外方ラベルカス50を形成するとともに、内方領域39における内方ラベル基材4および粘着剤層5を内方領域39の外形線に沿って切断して孔開きラベル54の内方側に内方ラベルカス51を形成可能としている。
すなわち、抜き刃49は、従来の雄抜き型6における抜き刃9(内方抜き刃9A、外方抜き刃9B、図8)とは異なり、外方ラベルカス50および内方ラベルカス51を形成するために同じ切込み長さを有している。
孔開きラベル54は、内方ラベルカス51を取り除かれて、その内方領域39に貫通孔38を有する。
すなわち、内方ラベルカス取り部28は、剥離板55と、吸引機構56と、押さえロール57と、を有する。
剥離板55により、内方ラベルカス51を台紙2から剥離して、貫通孔38を形成した孔開きラベル54を台紙2上に仮着した状態で残存可能とする。
図3は、内方ラベルカス取り部28の平面図、図4は、剥離板55および押さえロール57部分の拡大側面図である。
とくに図4に示すように、剥離板55には、その剥離先端部に内方ラベルカス51ないし貫通孔38の幅と同等の幅を有する転向用フィルム58を貼り付けている。
転向用フィルム58の厚さTを任意に選択することにより、内方ラベルカス51が積層している台紙2の一部の転向角度を調整可能としている。
すなわち、転向用フィルム58による段差により台紙2を介して内方ラベルカス51の部分だけに局部的に剥離方向に突き上げる力が作用し、内方ラベルカス51を孔開きラベル54の他の領域より剥離しやすくしている。
また、転向用フィルム58の幅を調整することにより、孔開きラベル54内での貫通孔38にある内方ラベルカス51が積層する台紙2に合った剥離転向部を形成可能である。
もちろん、転向用フィルム58を設けずに、内方ラベルカス51の幅および位置に合わせた幅を有する剥離板(図示せず)をその位置に配置することにより(すなわち、内方領域39ないし貫通孔38のみにこの剥離板を設けることにより)、上述の作用と同様に、内方ラベルカス51のみを剥離除去することもできる。
すなわち、図5(1)のように、段差部59ないし転向用フィルム58を設けている場合には、剥離板55において、段差部59ないし転向用フィルム58が台紙2の下面から内方ラベルカス51側に突出していることとなる。
したがって、内方ラベルカス51の転向角度αは、孔開きラベル54における内方ラベルカス51以外の領域の転向角度βより小さくなり(α<β、いわば、より鋭角方向にセットされ)、内方ラベルカス51の方がより剥離しやすくなる。
また、図5(2)のように、転向角度が同じであっても、内方ラベルカス51の底面における粘着不活性化層40の形成により、内方ラベルカス51を台紙2からより剥離しやすくすることはできる。
要するに、粘着不活性化層40による内方ラベルカス51の粘着低減度と、内方ラベルカス51が積層する台紙2の一部の転向角度と、を任意に選択することにより、内方ラベルカス51の剥離精度を制御可能である。
かくして、ラベル原紙8の移送にともない、孔開きラベル54の外方ラベルカス50、および孔開きラベル54の内方ラベルカス51を順次、台紙2から除去する。
ラベル原紙8の移送方向において押さえロール57の据付け位置を選択調整することにより、内方ラベルカス51が積層する台紙2の一部の転向角度を調節可能である。
また、図1に仮想線の矢印で示すように、押さえロール57を上下動させて孔開きラベル連続体29(ラベル原紙8)に接離するように制御することにより、内方ラベルカス51の剥離動作の開始および終了のタイミングを調節することができる。同様に、仮想線の矢印で示すように、剥離板55を上下動させることにより上記タイミングを調節することもできる。
ダイカット部26において、抜き刃49により、内方領域39における内方ラベル基材4および粘着剤層5を内方領域39の外形線に沿って切断して内方ラベルカス51を形成し、さらに、内方ラベルカス取り部28において、台紙2の下面側に位置させる剥離板55により、内方ラベルカス51のみを台紙2から剥離して、貫通孔38を形成した孔開きラベル54を台紙2上に仮着した状態で残存させるようにしたので、台紙2から確実に内方ラベルカス51を剥離し、台紙2に従来のような貫通孔2A(図7)などを開けることなく(すなわち、応力集中による台紙切れなどを発生させることなく)、安定して孔開きラベル連続体29を製造することができる。
かくして製造された孔開きラベル連続体29を、その巻取り部30(図1)により巻き取る。
また、孔開きラベルとして外方ラベルカス50が形成されない場合には、外方ラベルカス取り部27を設ける必要はない。
2 台紙
2A 台紙2の貫通孔(図7)
3 円環状ラベル(孔開きラベル)
3A 円環状ラベル3の貫通孔
4 ラベル基材
5 粘着剤層
6 雄抜き型(図8)
7 雌抜き型
7A 雌抜き型7の抜き孔
8 ラベル原紙
9 抜き刃
9A 抜き刃9の内方抜き刃
9B 抜き刃9の外方抜き刃
10 内方ラベルカス
11 外方ラベルカス
20 孔開きラベル連続体29の製造装置(実施例、図1)
21 供給部
22 表面印刷部
23 台紙分離部
24 裏面印刷部
25 貼り合わせ部
26 ダイカット部
27 外方ラベルカス取り部
28 内方ラベルカス取り部
29 孔開きラベル連続体
30 巻取り部
31 ガイドローラー
32 表面印刷機
33 紫外線照射器
34 分離ローラー
35 ラベル基材4および粘着剤層5による積層体
36 裏面印刷機
37 紫外線照射器
38 貫通孔
39 内方領域
40 粘着不活性化層
41 貼り合わせローラー
42、43、44、45、46 ガイドローラー
47 ダイカットローラー
48 アンビルローラー
49 抜き刃
50 外方ラベルカス
51 内方ラベルカス(図1、図2)
52 カス取りローラー
53 カス巻取りローラー
54 孔開きラベル
55 剥離板
56 吸引機構
57 押さえロール
58 転向用フィルム(図4)
59 段差部(図5(1))
60 吸引パイプ
T 転向用フィルム58の厚さ(図4)
α 内方ラベルカス51が積層する台紙2の一部の転向角度(図5(1))
β 孔開きラベル54における、内方ラベルカス51以外の領域の転向角度(図5(1)、α<β)
Claims (12)
- その内方領域に貫通孔を形成した孔開きラベル連続体の製造装置であって、
帯状の台紙に粘着剤層を介してラベル基材を仮着したラベル原紙の厚さ方向における、前記貫通孔の周縁が囲む前記内方領域に相当する前記粘着剤層の領域に、前記粘着剤層の活性を少なくとも低減する粘着不活性化層を形成し、
前記ラベル基材側から前記ラベル基材および前記粘着剤層を切り込み可能な抜き刃と、
この抜き刃の下流側において前記台紙の下面側に位置する剥離板と、を有し、
前記抜き刃により、前記内方領域における内方ラベル基材および前記粘着剤層を前記内方領域の外形線に沿って切断して内方ラベルカスを形成可能とし、
前記剥離板により、この内方ラベルカスを前記台紙から剥離して、前記貫通孔を形成した孔開きラベルを前記台紙上に仮着した状態で残存可能とすることを特徴とする孔開きラベル連続体の製造装置。 - 前記内方ラベルカスは、前記台紙に対する粘着性を、前記孔開きラベルの前記台紙に対する粘着性より小さくしていることを特徴とする請求項1記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記粘着不活性化層は、前記内方領域よりわずかに外方側に広がっていることを特徴とする請求項1または2記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記粘着不活性化層は、前記粘着剤層に印刷を施すことによりこれを形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記剥離板は、前記内方ラベルカスが積層している前記台紙の一部を前記内方ラベルカスに向かって変形可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記内方ラベルカスが積層している前記台紙の一部は、前記剥離板に対する転向角度を、前記孔開きラベルの前記剥離板に対する転向角度より小さくしていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記剥離板は、前記台紙の下面から前記内方ラベルカス側に突出する段差部を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記剥離板には、その剥離先端部に前記貫通孔の幅と同等の幅を有する転向用フィルムを貼り付けていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記剥離板により前記台紙から剥離された内方ラベルカスを吸引可能な吸引機構を設けていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記剥離板の下流側に、前記ラベル基材側から前記台紙側に向かって前記ラベル原紙を押し付ける押さえロールを設けていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- 前記ラベル原紙の移送にともなって、前記孔開きラベルの外方ラベルカス、および前記孔開きラベルの前記内方ラベルカスを順次、前記台紙から除去することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の孔開きラベル連続体の製造装置。
- その内方領域に貫通孔を形成した孔開きラベル連続体の製造方法であって、
帯状の台紙に粘着剤層を介してラベル基材を仮着したラベル原紙の厚さ方向における、前記貫通孔の周縁が囲む前記内方領域に相当する前記粘着剤層の領域に、前記粘着剤層の活性を少なくとも低減する粘着不活性化層を形成し、
前記ラベル基材側から前記ラベル基材および前記粘着剤層を切り込み可能な抜き刃により、前記内方領域における内方ラベル基材および前記粘着剤層を前記内方領域の外形線に沿って切断して内方ラベルカスを形成し、
前記抜き刃の下流側において前記台紙の下面側に位置させる剥離板により、この内方ラベルカスを前記台紙から剥離して、前記貫通孔を形成した孔開きラベルを前記台紙上に仮着した状態で残存させることを特徴とする孔開きラベル連続体の製造方法。
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