JP2016117925A - ステンレス製4輪用ディスクブレーキロータおよびその製造方法 - Google Patents

ステンレス製4輪用ディスクブレーキロータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 (a)耐食性良好、(b)ハット形状に加工しやすい、(c)加工後に適正な高強度、(d)工程負荷が少ないことを満足できるステンレス製4輪用ディスクブレーキロータおよびその製造方法を提供する。【解決手段】 マルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織からなるステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ。【選択図】 図1

Description

本発明は、ステンレス鋼製の4輪用ディスクブレーキロータに関するものである。
従来4輪用ディスクブレーキロータには、鋳鉄が用いられてきた。この鋳鉄製ディスクブレーキロータは耐食性が低いため使用中に発錆する。しかし、自動車のディスクブレーキロータが装着される箇所はタイヤのホイールにより目につかない位置であることから、鋳鉄製ディスクブレーキロータの発錆が問題となることはなかった。
さらにディスクブレーキロータはパッドと摩擦することにより制動するため発熱する。発熱により摩擦力が低下するため、ディスクブレーキロータは昇温しにくく発熱後に温度が低下しやすいこと、すなわち比熱、熱伝導率が高いことが要求される。鋳鉄とステンレスの比熱、熱伝導率を比較するとステンレスの方が低いことから、ステンレスのディスクブレーキロータ適用はなされていなかった。
一方、2輪用ディスクブレーキロータにはステンレス鋼が使用されている実績がある。これは、(a)2輪のディスクブレーキにおいては人の目につきやすい位置に装着されることから、発錆が問題となること、(b)2輪では4輪とは異なり、ディスクブレーキは放熱しやすい設計になっていることから4輪ほど熱容量が問題とならないことによる。
特開2003−253340号公報 特開2006−89766号公報 特許第4182865号公報 特許第4496908号公報 特許第4569360号公報 特許第4843969号公報 特許第3942934号公報
上記先行技術はいずれも2輪用ディスクブレーキを念頭においたものであり、耐食性と強度を得るためにマルテンサイト系ステンレス鋼に焼入れ処理、あるいは焼入れ−焼戻し処理を施してディスクブレーキロータに適用することを特徴している。
強度が必要とされる理由は、ディスクブレーキが使用中に変形してしまうとパッドとの接触が悪くなり、制動力が低下してしまうからである。2輪用のステンレス鋼、および4輪用の鋳鉄の実績からビッカ−ス硬度で300HV以上が必要とされている。一方、高硬度すぎると脆くなり、使用中ディスクブレーキロータが割れてしまう可能性があるため適性硬度は300〜600HV程度とされている。
上述したように4輪においては、ディスクブレーキロータ用材としてステンレス鋼の適用はなされていなかった。しかしながら、近年ディスクブレーキロータが人の目につくようなデザインの自動車が販売されるようになってきたことから、ディスクブレーキロータの発錆が問題とされるケースが出てきた。
また、近年、ハイブリッド車、電気自動車に回生協調ブレーキが使用され始めたことからディスクブレーキロータにステンレス鋼が適用できる可能性が出てきた。回生とは、従来損失として捨てられていた運動エネルギーを電気エネルギーに変換することで、回生協調ブレーキとは油圧ブレーキと電気エネルギーを制動に使用する回生ブレーキを併用するものである。制動に電気エネルギーが使用されることから、従来のディスクブレーキに比べロータの熱量容量が小さい材料、すなわち鋳鉄よりも比熱,熱伝導率が小さいステンレス鋼においてもディスクブレーキロータに使用できることになる。
一方、4輪用ディスクブレーキロータは2輪用とは形状が異なることを特徴としている。2輪用のディスクブレーキロータは鋼板を打ち抜き、あるいは打ち抜き後、浅く絞り加工を施した形状であるのに対して、4輪用ディスクブレーキロータは深絞り、いわゆるハット形状をしていることを特徴とする。図1にその形状の例を示す。
鋼板をハット形状に加工する方法としてプレス成形がある。しかし、プレスままではディスクブレーキロータとして必要な強度が不足しているため、プレス後に焼入れ、あるいは焼入れ−焼戻し処理が必要となる。しかし、プレス成形−焼入れ処理、あるいはプレス成形−焼入れ,焼戻し処理でディスクブレーキロータを製造する場合には次のような問題がある。
まずプレス成形は、鋳造品とは異なり、そのままでは所望の形状が得られない。さらにプレス加工品は板素材の塑性異方性のため塑性流動に方向性が出てしまい寸法精度が得られない。そのため所望の形状を得るには仕上げ切削加工を必要とする。仕上げ切削加工を施すと、プレス成形後の応力−ひずみバランスが崩れることによって、さらに寸法精度が低下してしまう問題がある。
また、プレス加工ままではディスクブレーキロータとして必要な強度が不足するので、焼入れ処理、あるいは焼入れ,焼戻し処理で強度を付与する必要がある。しかし、焼入れ処理、あるいは焼入れ,焼戻し処理は工程負荷が増大するばかりではなく、寸法精度、形状にも影響を及ぼす。プレス加工品には残留応力が生じているため、焼入れ処理の際温度を上昇させると、残留応力の開放とともに加工品が変形してしまう。
以上のように、プレス加工でディスクブレーキロータを製造することは、目標の寸法精度、形状を得るという観点から、さらに工程負荷増大という観点から適正な方法とはいえない。
一方で、高い寸法精度、形状を得るための手段として、素材を高温まで加熱しプレス成形して金型で抜熱して冷却するいわゆるホットプレスという方法がある。例えば、ステンレス鋼では下記に開示される特許ではステンレス素材を高温まで加熱し成形し、高い寸法精度を得る方法として、特許文献7が紹介されている。前記特許文献は、ステンレス鋼板を高温まで加熱し、プレスすることで例えばハードディスク用ハブ等の厳しい寸法精度が要求される金型成形品を得ることを特徴としている。
しかし、ステンレス鋼板において目標の形状、高い寸法精度とともにディスクブレーキロータに必要な高強度を得るための方法は開示されていない。
一方で、ホットプレスは高張力鋼板においては高寸法精度とともに高強度を得る手段としてよく知られている。鋼板をオ−ステナイト領域まで加熱し、高温でプレス成形した後に金型による抜熱で急冷してマルテンサイト組織を得ることにより高強度を得ている。
しかし、高張力鋼は加熱時に酸化スケールの生成が著しいため、ホットプレス後にショットブラスト処理あるいは酸洗などの脱スケール処理、あるいはホットプレス前に酸化抑制剤塗布などの処理が必要となり、工程負荷増大を招く。
本発明の目的は、上記のような課題、すなわち(a) 耐食性良好、(b)ハット形状に加工しやすいこと、(c)加工後に適正な高強度であること、(d)工程負荷が少ないことを満足できるステンレス製4輪用ディスクブレーキロータおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、マルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織からなるステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ、あるいは
下式(1)で定義されるACが500以上、かつ下式(2)で定義されるMFが40以上であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ
AC=35Cr+75Si+60Mo+170Nb+620Ti+750Al−250C−280N−120Ni−70Mn−20Cu+500‥(1)
MF=480−474C—408C+61Nb−17Cr−33Mn−21Mo−17Ni−39V ‥(2)
あるいは質量%で、C :0.4%以下、Si:0.30%〜3.00%、Mn:0.2%〜4.0%、Ni:0.1%〜4.0%
Cr:8%〜20%、N :0.30%以下、Mo:0.50%以下、Cu:0.50%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつマルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織からなり、かつ下式(1)で定義されるACが500以上、かつ下式(2)で定義されるMFが40以上であることを特徴とするステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ。
AC=35Cr+75Si+60Mo+170Nb+620Ti+750Al−250C−280N−120Ni−70Mn−20Cu+500‥・(1)
MF=480−474C—408C+61Nb−17Cr−33Mn−21Mo−17Ni−39V・・・(2)
あるいは、質量%で、C :0.4%以下、Si:0.30%〜3.00%、Mn:0.2%〜4.0%、Ni:0.1%〜4.0%、Cr:8%〜20%、N :0.30%以下、Mo:0.50%以下、Cu:0.50%以下を含有し、さらにBを0.010%以下あるいは、Ti,Nb,V,Zrのうち、1種または2種以上をそれぞれ0.01〜0.2%以下含有し残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつマルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織からなり、
かつ下式(1)で定義されるACが500以上、かつ下式(2)で定義されるMFが40以上であることを特徴とするステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ。
AC=35Cr+75Si+60Mo+170Nb+620Ti+750Al−250C−280N−120Ni−70Mn−20Cu+500‥(1)
MF=480−474C—408C+61Nb−17Cr−33Mn−21Mo−17Ni−39V・・・(2)
あるいは、上記(1)式で計算されるAC温度以上に加熱し、その後プレス成形を施し、上記(2)式で計算されるMF温度にまで冷却することを特徴とする4輪用ディスクブレーキロータの製造方法により達成される。
本発明により、強度、耐食性ともに良好なステンレス製4輪用ディスクブレーキロータを得ることができる。
ディスクブレーキロータの外観の模式図である。
本発明の要件に対する基本的な考え方を以下に示す。
金属組織‥ディスクブレーキ用のステンレス鋼としては、マルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織であることが必要である。上述したようにディスクブレーキロータには、高硬度であることが要求される。マルテンサイト組織は、高飽和に固溶したC,N、および高転位密度であることから高強度が得られる。強度と靭性を両立するためマルテンサイト相とフェライト相の混合組織であってもよい。
ACが500以上・・・素材を加熱すると耐力が低下し形状凍結性が向上するとともに、変形抵抗が低減して塑性流動が容易化し、加工性がよくなって寸法精度が向上する。ホットプレスはこの原理を応用して寸法精度を向上させるものである。耐力低下には少なくとも500℃以上に素材を加熱する必要がある。一方でディスクブレーキロータとしては、上述したように高強度が要求される。高強度を発現させるには、組織をマルテンサイト相、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織である必要があり、素材をマルテンサイト変態させることが重要となる。
マルテンサイト変態は、素材をオ−ステナイト化する温度にまで上昇させ、その後素材を急冷することによって起こる。その際にC,Nなどの侵入型固溶元素が過飽和に固溶すること、および多量の転位が導入されることで高強度が得られる。
したがって、マルテンサイト変態を起こすためには高温でオ−ステナイト相となる必要がある。本発明の範囲では下式(1)で計算されるAC以上の温度でオ−ステナイト相とフェライト相の2相組織になり、成分によってはさらに高温にするとオ−ステナイト単相組織となる。以上のことから、ホットプレスで塑性流動を容易化させ、かつマルテンサイト変態を起こし高強度化するためにAC500以上と規定した。
またホットプレスは素材加熱後、高温でプレス成形した後に金型による抜熱で急冷してマルテンサイト組織を得る。しかし、室温でマルテンサイト変態が終了しないとオ−ステナイト相が残留してしまい高強度が得られない。本発明の範囲では下式(2)で計算される温度でマルテンサイト変態が完了する。したがって室温でマルテンサイト変態を完了させ高強度を得るためにMF40以上で規定した。
MF=480−474C—408C+61Nb−17Cr−33Mn−21Mo−17Ni−39V ・・・(2)
さらに本発明はステンレス鋼を基本としておりCrを含有していることから、ホットプレスにて高温加熱した際のスケール生成は高張力鋼板よりは抑制される。そのため、その後の脱スケール処理、あるいはホットプレス前に酸化抑制剤塗布などの処理などの工程負荷は大きくない。
以下、本発明鋼に含まれる合金成分について説明する。
Cは、マルテンサイト組織の生成に寄与するとともに強度向上に有効な元素である。本発明の目的の一つである強度を保持するためにはCは少なくとも0.02%以上含有することが望ましい。しかし反面Cは耐食性、靭性を低下させるので、上限を0.4%とした。
Siは、本発明鋼の主要な特徴である高強度を達成する有用な元素である。この効果を発揮するには少なくとも0.30%以上含有することが好ましい。しかし、その含有量が増加すると靭性を低下させるので、非上限を3.00%とした。
Mnは、マルテンサイト組織の生成に寄与する元素である。0.2%以上の含有が必要であるが、過度の添加は耐食性の低下を招くので4.0%を上限とした。
NiもMnと同様、マルテンサイト組織の生成に寄与する元素である。0.2%以上の含有が必要であるが、高価な元素であるため、過度の添加はコストアップに繋がるため上限を4.0%とした。
Crはステンレスの鋼基本成分であり、耐食性を得るために必要な元素ばかりでなく、ホットプレスにて高温加熱した際のスケール生成を抑制する効果がある。したがって8%以上に規定した。しかし、フェライト生成元素であるため、多量に含有されるとマルテンサイト組織が得られなくなるため上限を20%とした。
Nは本発明鋼の主要な特徴である高強度を得るために必須の元素であるとともにマルテンサイト組織の生成に寄与する元素であるため、約0.02%以上含有させることが望ましい。しかし、約0.3%を超えると健全な鋼塊が得られないのでこれを上限とする。
Moは耐食性をさらに向上させる元素であるが、多量に添加するとマルテンサイト組織を得にくくなること、高価な元素なのでコストアップを招くことから上限を0.5%とした。
Cuはマルテンサイト組織の生成に寄与する元素であるが、多量に添加すると熱間加工性を劣化させるため、上限を0.5%とした。
Bは焼入れ性を向上させ、マルテンサイト組織を得やすくする有用な元素である。しかし耐食性の低下を招くため、上限を0.010%とした。
Ti,Nb,V,Zrは、いずれも炭窒化物を形成し析出硬化により高強度化に寄与する元素である。
本発明では、必要に応じて1種あるいは2種以上選択的に添加できる。上述した効果を発現させるためには、0.01%以上の含有が必要であるが、0.2%を超えると靭性の低下を招くため上限を0.2%とした。
さらにホットプレスは、ステンレス鋼においても適切な成分の材料を規定することにより、(a)プレス成形品を目標形状に高寸法精度に加工することが可能、(b)高強度が得られること、(c)脱スケールが容易で工程負荷が少ないこと等の利点があり、ディスクブレーキロータの製造方法として優れた工程といえる。
表1の組成をもつ各種ステンレス鋼をラボ溶製した。表1において、A1〜A5が本発明で規定する化学成分を有する本発明鋼、B1〜B2が比較鋼である。
Figure 2016117925
本発明鋼A1〜A5および比較鋼B1〜B2について、冷延鋼板の素材作製を行った。各鋼とも100kgの鋼塊を得た後に、抽出温度1230℃で熱間圧延することにより板厚4.0mmの熱間圧延板を製造した。得られた鋼板に酸洗を施し、ホットプレスを施した。
ホットプレスは以下のように行った。鋼板を1000℃まで加熱後、プレス成形した後に金型による抜熱で急冷した。急冷後、弗硝酸に浸漬して酸洗した。ホットプレス後の組織を確認するため、プレス成形品の断面に鏡面研磨後、弗硝酸でエッチングを施し組織を確認した。
また成形品のビッカ−ス硬度を測定し、硬度が300〜600HVの範囲にあるものを○それ以外のものを×とした。さらに1ヶ月間、大気中に暴露して発錆が認められたものを×認められなかったものを○と評価した。
表2に結果を示す。本発明例A−1〜A−10は鋼の成分、AC,MFおよび製造方法ともに本発明の請求範囲にあるため組織はマルテンサイト組織あるいはフェライトとマルテンサイトの混合組織を呈しており、ビッカ−ス硬度、耐食性とも○の評価である。
Figure 2016117925
一方、比較例のB−1は、鋼が本発明の成分範囲にないことから、ビッカ−ス硬度、耐食性とも範囲に×の評価である。B−2は従来鋼の鋳鉄であるが、ビッカ−ス硬度は○の評価であるが、耐食性は×の評価である。

Claims (5)

  1. マルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織からなるステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ。
  2. 下式(1)で定義されるACが500以上、かつ下式(2)で定義されるMFが40以上である、請求項1に記載のステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ。
    AC=35Cr+75Si+60Mo+170Nb+620Ti+750Al−250C−280N−120Ni−70Mn−20Cu+50・・・(1)
    MF=480−474C—408C+61Nb−17Cr−33Mn−21Mo−17Ni−39V・・・(2)
    ただし、各元素記号はそれぞれ合金元素としての含有量(質量%)である。
  3. 質量%で、
    C :0.4%以下
    Si:0.30%〜3.00%
    Mn:0.2%〜4.0%
    Ni:0.1%〜4.0%
    Cr:8%〜20%
    N :0.30%以下
    Mo:0.50%以下
    Cu:0.50%以下
    を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつマルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織からなり、かつ下式(1)で定義されるACが500以上、かつ下式(2)で定義されるMFが40以上であることを特徴とするステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ。
    AC=35Cr+75Si+60Mo+170Nb+620Ti+750Al−250C−280N−120Ni−70Mn−20Cu+50・・・(1)
    MF=480−474C—408C+61Nb−17Cr−33Mn−21Mo−17Ni−39V・・・(2)
    ただし、各元素記号はそれぞれ合金元素としての含有量(質量%)である。
  4. 質量%で、
    C :0.4%以下
    Si:0.30%〜3.00%
    Mn:0.2%〜4.0%
    Ni:0.1%〜4.0%
    Cr:8%〜20%
    N :0.30%以下
    Mo:0.50%以下
    Cu:0.50%以下
    を含有し、さらにBを0.010%以下あるいは、Ti,Nb,V,Zrのうち、1種または2種以上をそれぞれ0.01〜0.2%以下含有し残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつマルテンサイト組織、あるいはマルテンサイト相とフェライト相の混合組織からなり、
    かつ下式(1)で定義されるACが500以上、かつ下式(2)で定義されるMFが40以上であることを特徴とするステンレス鋼板により製造された4輪用ディスクブレーキロータ
    AC=35Cr+75Si+60Mo+170Nb+620Ti+750Al−250C−280N−120Ni−70Mn−20Cu+500・・・ (1)
    MF=480−474C—408C+61Nb−17Cr−33Mn−21Mo−17Ni−39V・・・(2)
    ただし、各元素記号はそれぞれ合金元素としての含有量(質量%)である。
  5. 上記(1)式で計算されるAC温度以上に加熱し、その後プレス成形を施し、上記(2)式で計算されるMF温度にまで冷却することを特徴とする4輪用ディスクブレーキロータの製造方法。
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