JP2016117862A - 耐紫外線ポリエステル樹脂組成物、ポリエステルフィルム、および太陽電池用バックシート - Google Patents

耐紫外線ポリエステル樹脂組成物、ポリエステルフィルム、および太陽電池用バックシート Download PDF

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Abstract

【課題】 高い紫外線吸収能を有するポリエステル樹脂組成物であって、特に、耐久性や強度の低下や、長期使用による紫外線吸収剤のブリードアウトを抑えることができる、耐紫外線性を有するポリエステル樹脂組成物、当該ポリエステルフィルムを成形加工してなるポリエステルフィルム、および当該ポリエステルフィルムを使用してなる太陽電池用バックシートを提供する。【解決手段】 反応性官能基を有する紫外線吸収剤(A)と、架橋性化合物(B)とをポリエステル樹脂に混合し、加熱して得られることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、当該ポリエステル樹脂組成物を300μm以下の厚みに成形加工してなることを特徴とするポリエステルフィルム、および当該ポリエステルフィルムを使用してなることを特徴とする太陽電池用バックシート。【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリエステル分子と反応する紫外線吸収剤と架橋剤を併用することにより、高い分子量を保ちつつ紫外線吸収能を付与し、なおかつ紫外線吸収剤のブリードアウトを防止できるポリエステル樹脂組成物、当該ポリエステル樹脂を成形加工してなるポリエステルフィルム、および当該ポリエステルフィルムを使用してなる太陽電池用バックシートに関するものである。
光電変換効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電は、クリーンエネルギーを得る手段として世界中で拡大が続いている。そして、太陽電池セルの変換効率向上に伴い、多くの個人住宅にも太陽光発電システムが設けられるようになってきている。このような太陽光発電システムを実際のエネルギー源として利用するために、複数の太陽電池セルを直列に接続させた構成の太陽電池モジュールが使用されている。
太陽電池モジュールは、太陽電池フロントシート(主にガラス製)/封止材(主にEVA)/光電変換層(セル部と呼ばれる)/封止材(主にEVA)/太陽電池裏面封止材、という構成が代表的である。太陽電池裏面封止材には、例えば特許文献1に記載されているような、フッ素樹脂系フィルムを用いた技術が開示されている。しかし、フッ素樹脂系は効果であるという問題がある。
特許文献2には、安価なポリエステルフィルムと金属酸化物被着樹脂フィルムと白色樹脂フィルムからなる太陽電池裏面封止材に関する発明が記載されている。太陽電池裏面封止材には、太陽光の屋根からの反射光が照射されるが、当該発明の最外層のポリエステルフィルムには、耐紫外線能は考慮されていない。そのため、太陽光による経時劣化が起こるという問題がある。
特許文献3には、ポリエステル分子と反応しない紫外線吸収剤を用いたポリエステルフィルムに関する発明が記載されている。当該発明の紫外線吸収剤はポリエステルと反応しないため、長時間生産を行うと、紫外線吸収剤がポリエステル樹脂の非晶部を移動してフィルム表面に析出し(ブリードアウト)、ロールに転写する恐れがあり、問題がある。また、長時間の使用の間にブリードアウトが起き、風雨で紫外線吸収剤が流されることで、フィルムの耐紫外線能が低下するという問題もある。
そのような問題を解決する方法として、特許文献4では、ポリエステル分子と反応するような紫外線吸収剤を用いることでブリードアウトを防ぐという提案がなされている。しかし、そのような紫外線吸収剤の中には、ポリエステル分子の分解を促進してしまうものもあり、ポリエステル樹脂の分子量、すなわちIV(Intrinsic Viscosity=固有粘度)が低下することで例えばフィルム上に成形する際に製膜が安定しなくなったり、製品として利用するにあたって耐久性に劣ったりする。
特開平11−186575号公報 特開2002−100788号公報 特開2012−256766号公報 特開2014−185244号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、高い紫外線吸収能を有するポリエステル樹脂組成物であって、特に、耐久性や強度の低下や、長期使用による紫外線吸収剤のブリードアウトを抑えることができる、耐紫外線性を有するポリエステル樹脂組成物、当該ポリエステルフィルムを成形加工してなるポリエステルフィルム、および当該ポリエステルフィルムを使用してなる太陽電池用バックシートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の組成を持つポリエステル樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、反応性官能基を有する紫外線吸収剤(A)と、架橋性化合物(B)とをポリエステル樹脂に混合し、加熱して得られることを特徴とするポリエステル樹脂組成物、当該ポリエステル樹脂組成物を300μm以下の厚みに成形加工してなることを特徴とするポリエステルフィルム、および当該ポリエステルフィルムを使用してなることを特徴とする太陽電池用バックシートに存する。
本発明によれば、製品の耐久性や、フィルム原料として用いた際の製膜安定性を維持したまま、紫外線吸収剤のブリードアウトを防止できる耐紫外線ポリエステル樹脂組成物を提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュールを示す模式図
本発明でいうポリエステル樹脂組成物とは、例えば、ポリエステル樹脂そのもの、あるいはポリエステル樹脂に1種類以上の任意の成分を添加して加熱混合することで得られる物質のことを指し、それらをフィルム、板、筐体などに成型加工したものも含まれる。加熱混合のための方法は特に限定しないが、例えばポリエステル樹脂とその他の成分を各種の押出機で混練して連続的に生産する方法や、容器中でバルク的に加熱攪拌して混練する方法が挙げられる。その他、ポリエステルの重合段階でその他の成分を加えておくという方法もある。
また、本発明でいうフィルムとは、押出機の口金から溶融押し出しされる、いわゆる押出法によって押し出された熔融ポリエステルシートを冷却した後、延伸して得られる薄膜状の樹脂成形体である。明確な厚みの定義はないが、一般的に、300μm厚以下のものを指す。
本発明において用いられるポリエステル樹脂は、特に限定されるものではなく、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリエステルを主とするものであり、繰返し構造単位の60%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件であれば、他の第三成分を含有していてもよい。例えば、ポリカーボネートなどポリエステル系樹脂と相溶性のある樹脂との混合が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸成分の例としては、テレフタル酸およびテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えばイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えばp−オキシエトキシ安息香酸など)などを用いることができる。特に、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルを用いることが好ましい。
グリコール成分の例としては、エチレングリコール以外に、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどの1種または2種以上を用いることができる。特に、エチレングリコールを用いることが好ましい。
本発明で使用する紫外線吸収剤(A)は、ポリエステル樹脂からのブリードアウトを防止する観点から、ポリエスエル分子とエステル交換反応を起こしてポリエステル分子内に組み込まれるように、ポリエステル分子と反応する官能基を2つ以上有していることが望ましい。ポリエステル分子と反応しうる官能基の代表的なものとしては、アミン基、ヒドロキシ基、チオール基などが挙げられる。官能基の種類については限定しないが、作業性と環境負荷の観点から、ヒドロキシ基が望ましい。官能基の種類については特に限定されず、1種類のみの使用でも、2種類以上の併用でも構わない。
基本骨格としては、例えば、ベンゾオキサジン系、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系などの各種の適用が可能であるが、反応性紫外線吸収剤の代表タイプとしては、下記化学式(1)に示す2,2’−Methylenebis[6−(2H−benzotriazol−2−yl)−4−(2−hydroxyethyl)phenol](CAS No.:196516−61−7)を用いることができる。紫外線吸収剤は1種類のみの使用でも、2種類以上の併用でも構わない。
ポリエステル樹脂組成物中の紫外線吸収剤の含有量については、上限下限共に限定しないが、好ましくは0.25重量%以上3.50重量%以下、特に好ましくは0.50〜3.00重量%、さらに好ましくは0.80〜2.50重量%の範囲である。紫外線吸収剤の含有量が0.25重量%を下回ると、樹脂組成物に十分な耐紫外線能を付与できなくなるおそれがあり、一方3.50重量%を上回ると、紫外線吸収剤が凝集して樹脂組成物の外観を悪化させる恐れがあるほか、ポリエステルの分子量が低下するために製品の耐久性が劣るおそれがあるほか、フィルム原料に用いると製膜が困難になるおそれもある。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物を製造する際に、紫外線吸収剤(A)をポリエステル樹脂組成物製造系に添加する方法としては、ポリエステル重合時に添加する方法、押出機にその他の原料と共に直接投入する方法、事前にポリエステル樹脂に高濃度で練りこんでマスターバッチ化する方法などが挙げられる。添加する方法は特に限定されないが、紫外線吸収剤をポリエステル分子内に組み込むことでブリードアウトを防ぐという観点から、ポリエステル重合時に添加するのが最も好ましい。
本発明において用いられる架橋性化合物(B)(以下、単に架橋剤と称することがある)の種類は特に限定されないが、例えばカルボジイミド、エポキシ、イソシアネート、オキサゾリンなど一般に知られた架橋剤や、テトラカルボン酸二無水物などが挙げられ、中でもカルボジイミドやテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
カルボジイミド系架橋剤としては日清紡ケミカル社製の「カルボジライト」シリーズ、ラインケミー社製の“Stabaxol”シリーズなどが挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフタル酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。耐熱性の観点から、その構造中に1つ以上のベンゼン環を含み、なおかつ下記化学式(2)のような、それらのベンゼン環にカルボン酸無水物の構造が直接付加している構造を含むものが好ましく、中でも特にピロメリット酸二無水物が好ましい。
本発明における化合物(B)の含有量は、混合前の原料全体の重量に対する重量比で定義される。化合物(B)の種類ごとに架橋反応の効果の大小が異なるため、添加量を一概に限定することはできないが、添加量が少なすぎる場合はIV上昇の効果が不十分となることがあり、過剰な場合は樹脂組成物のゲル化や、製造時および成形加工時に用いる装置の破損のおそれがある。
本発明において原料系に化合物(B)を添加する際の状態については、化合物(B)単体の状態や、あらかじめポリエステル樹脂に高濃度で練り込みペレット化したマスターバッチの状態などが挙げられる他に、ポリエステル樹脂を重合する段階で架橋性化合物を添加することもできるが、特に限定しない。ただし化合物(B)をマスターバッチ化する場合は、原料として取り扱いやすくなるものの、マスターバッチ化の過程で反応を起こすなどして失活してしまう可能性があるため、なるべく低温、低回転数など反応を抑えられる条件でマスターバッチ化することが望ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含んでいてもよい。特許文献9において、テトラカルボン酸二無水物とヒンダードフェノール系酸化防止剤の併用によりポリエステル樹脂の粘度を著しく高める効果があることが報告されており、我々が行った実験においても同様の結果が確認された。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の種類は特に限定しないが、例えばBASF社製のIrganox1010、Irganox1035、Irganox1098、Irganox1330、Irganox1425、Irganox3114、またはADEKA社製のAO−60などが挙げられ、中でもIrganox1010、Irganox1330またはAO−60が好ましく、その中でもIrganox1010またはAO−60がさらに好ましい。
前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤は、架橋剤の半分以下の添加量でも十分に効果を発揮しうる。具体的な添加量については特に限定しないが、0.01重量%以上0.20重量%以下が好ましく、0.05重量%以上0.15重量%以下がさらに好ましい。
本発明の耐紫外線ポリエステル樹脂組成物のIVは、通常0.60dl/g以上であり、好ましくは0.62dl/g以上である。IVが0.60dl/g以上であれば、長期耐久性や耐加水分解性の良好なポリエステル樹脂が得られる。一方、IVが0.60dl/g未満では、架橋性化合物を添加してもIVがほとんど上昇していない、あるいはむしろ下がっている場合があり、架橋性化合物が単なる不純物として働き、ポリエステル樹脂が本来持っている特性である耐熱性、機械的強度などが低下する恐れがある。また、フィルム原料として用いた場合、製膜中にフィルムの破れが頻発して製膜安定性が悪化することがある。IVの上限は特に規定しないが、極端に高いと製造時に押出機に過剰な負担がかかり、最悪の場合押出機を破損させてしまうおそれがあるため、0.90dl/gがおおよそ現実的な上限となる。
なお、本発明のポリエステル樹脂組成物中には、上述した化合物以外に、必要に応じて従来公知の不活性粒子、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、顔料などを添加することができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、300μm以下であり、好ましくは25〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル樹脂組成物を乾燥したペレットを、単軸押出機を用いてダイから押し出し、得られた熔融シートを回転冷却ドラムで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。
その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7.0倍、好ましくは3.5〜6.0倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩化で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記の範囲に収まるように行うことが好ましい。
また、本発明においては、ポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃の範囲に温度コントロールされた状態で製造ライン方向およびそれに直交する方向に同時に延伸して配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩化で熱処理を行い、配向フィルムを得る。上記の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニア方式など、従来公知の延伸方法を採用することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、塗布層を設けてもよく、塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの製造工程中にフィルム表面を処理するインラインコーティングによって設けられてもよく、いったん製造したフィルム表面に系外で塗布する、オフラインコーティングによって設けられてもよい。製膜と同時に塗布を行えるため製造が安価になることから、インラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば逐次二軸延伸法による製造時は、特に縦延伸が終了して横延伸に入る直前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによってポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と塗布が同時に行えると共に、延伸後のポリエステルフィルムの熱処理工程で塗布層を高温で処理することができるため、塗布層上に形成されうる各種の表面機能層との密着性や耐湿熱性などの性能を向上させることができる。また、延伸前にコーティングを行う場合は塗布層の厚みを延伸倍率によって変化させることもでき、オフラインコーティングに比べて、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。すなわち、インラインコーティング、特に延伸前のコーティングによって、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
典型的な太陽電池モジュールは、図1に示すように、互いに配線で接続した複数の太陽電池セルをEVA樹脂などで封入し、受光面を強化白板ガラス、その反対面をバックシートで挟むという構造を取る。
本発明のポリエステルフィルムを前述するバックシートに使用する場合、コスト重視の観点から当該フィルムを単独でバックシートとして用いてもよいし、高性能化の観点から他の材料と組み合わせて積層構造の一部として用いてもよい。いずれの場合にも、太陽電池セル側のEVA樹脂との接着性を高めるために、バックシート最外層にはプライマー層や粘着層を設けてもよい。
本発明のポリエステルフィルムを他の材料と組み合わせてなる太陽電池用バックシートの構造は特に限定しないが、例として、当該フィルムの両面をテドラーRフィルム(デュポン製ポリフッ化ビニルフィルム)で挟む構造、太陽電池セル側をEVA樹脂、外側をナイロン樹脂で挟む構造、太陽電池セル側をEVA樹脂、外側をフッ素樹脂で挟む構造などが挙げられる。ポリエステルフィルムを他の材料と積層する方法についても特に限定せず、例として、別々に成形したフィルムと貼り合せる方法、ポリエステルフィルムの上からコーティングする方法、多層共押出によって最初から積層フィルムとして成形する方法などが挙げられる。この時、異種材料間の接着性を高めるために、各層間にプライマー層や粘着層を設けてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(2)IV測定
ポリエステル樹脂組成物を精秤し、1.0g・dl−1濃度になるようフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1溶液中に加えた。この溶液を110℃で20分間加熱し、ポリエステル樹脂組成物を溶解させた後、容器を30分間水道水に浸して室温まで冷却させた。毛細管粘度計“VMS−022UPC・F10”(離合社製)を用いて、この溶液の流下時間、およびフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン溶液のみ(リファレンス液)の流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数は0.33と仮定した。なお、IVの単位は“dl・g−1”とする。
(2)透過スペクトル測定
本発明のポリエステル樹脂組成物を後述する方法で成形して得られた25μm厚のポリエステルフィルムの透過スペクトルを、分光光度計(島津製作所製UV3100PC)を用いて測定した。測定範囲は波長300〜800nmとし、測定条件は、ハロゲンランプ光源使用、スキャン速度低速、サンプリングピッチ1nmとした。本発明において、波長350nmにおける透過率T350は40%以下であることが好ましい。
(3)耐ブリードアウト性評価
前述のポリエステルフィルムを、85℃85%RH環境下にて500時間エージング処理した。処理後のフィルム表面を指で擦り、指に白色粉末が付着するかしないかを目視で確認した。
(4)ゲル化の有無
押出機から押し出される樹脂溶融物表面の凹凸の有無から評価した。ゲル化した樹脂を用いた製品は表面の平滑性が失われ、外観が損なわれるため、樹脂がゲル化しない条件を検討する必要がある。
実施例および比較例にて用いた原料の製造方法は以下のとおりである。ただし、あくまで本発明を説明するための例示であり、本発明に用いることのできる原料を限定するものではない。
≪ポリエステルAの製造≫
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩0.02重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、エステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.03重量部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04重量部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温して280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、IV=0.66に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してポリエステル樹脂ペレット(プレポリマー)を製造した。このプレポリマーを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ペレット状態のポリエステルAを得た。得られたポリエステルのIVは0.85であった。
≪ポリエステルBの製造≫
ポリエステルAのプレポリマーの製造において、エステル交換反応終了時に、平均粒径2.30μmのシリカ粒子0.1重量部を配合する以外はポリエステルAのプレポリマーと同様の方法でポリエステルBを得た。得られたポリエステルのIVは0.66であった。
実施例1〜6:
上記表1に記載の割合で混合したポリエステル樹脂、反応性UV吸収剤UVA−A(=2,2’−methylenebis[6−(2H−benzotriazol−2−yl)−4−(2−hydroxyethyl)phenol]、下記化学式(3))、PMDA(ピロメリット酸二無水物、ダイセル製)、LA−1(日清紡ケミカル製カルボジイミド系化合物)およびAO−60(ADEKA製ヒンダードフェノール系化合物)を270℃に設定した押出機に送り込んだ。ここで押出機は同方向の二軸押出機を使用した。押出機のポリマーをギヤポンプ、フィルターを介して、口金よりシート状に押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、実質的に非晶質のシートを得た。得られた非晶質シートを縦方向に85℃で3.0倍延伸した後、横方向に125℃で3.0倍延伸し、215℃で熱処理を施し、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。いずれの配合においてもIV値およびT350は良好で、押し出し時のゲル化もなく、高湿熱エージング処理後の白色粉末の析出も確認できなかった。
比較例1:
表1に記載の配合で混合したポリエステル樹脂を実施例1と同様に加工することで、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。IV値は良好で、押し出し時のゲル化もなく、高湿熱エージング処理後の白色粉末の析出も確認できなかったが、T350が80%を超えていた。
比較例2:
表1に記載の配合で混合したポリエステル樹脂およびUVA−Aを実施例1と同様に加工することで、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。T350は良好で、押し出し時のゲル化もなく、高湿熱エージング処理後の白色粉末の析出も確認できなかったが、IV値が劣っていた。
比較例3〜4:
表1に記載の配合で混合したポリエステル樹脂、非反応性UV吸収剤UVA−B(=2,2’−p−phenylenebis(4H−3,1−benzooxazin−4−one)、下記化学式(4))およびPMDAを実施例1と同様に加工することで、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。いずれの配合においてもIV値およびT350は良好で、押し出し時のゲル化もなかったが、高湿熱エージング処理後に白色粉末が析出しており、指で擦ると付着した。
比較例5〜7:
表1に記載の配合で混合したポリエステル樹脂、PMDAおよびAO−60を実施例1と同様に加工することで、厚み25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。IV値は良好で、押し出し時のゲル化もなく、高湿熱エージング処理後の白色粉末の析出も確認できなかったが、T350が80%を超えていた。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステルフィルムに成形加工して、各種用途において好適に利用することができ、特に太陽電池用バックシートとして好適に利用することができる。
1 太陽電池セル
2 配線
3 封止剤(EVA樹脂)
4 バックシート
5 強化白板ガラス
6 ターミナルボックス

Claims (10)

  1. 反応性官能基を有する紫外線吸収剤(A)と、架橋性化合物(B)とをポリエステル樹脂に混合し、加熱して得られることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)を含有する請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物
  3. 紫外線吸収剤(A)の有する反応性官能基がヒドロキシアルキル基である、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 紫外線吸収剤(A)が二つ以上反応性官能基を有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 架橋性化合物(B)がテトラカルボン酸二無水物である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. テトラカルボン酸二無水物が、その構造中に1つ以上のベンゼン環を含み、それらのベンゼン環にカルボン酸無水物の構造が直接付加している請求項5に記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. テトラカルボン酸二無水物がピロメリット酸二無水物である請求項5に記載のポリエステル樹脂組成物。
  8. 架橋性化合物(B)がカルボジイミド系化合物である請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を300μm以下の厚みに成形加工してなることを特徴とするポリエステルフィルム。
  10. 請求項9に記載のポリエステルフィルムを使用してなることを特徴とする太陽電池用バックシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018159695A1 (ja) 2017-02-28 2018-09-07 学校法人慶應義塾 微生物増殖抑制剤、微生物の増殖を抑制する方法、耐紫外線性向上剤、耐紫外線性を向上させる方法、人工タンパク質成形体及びその製造方法、人工タンパク質溶液、並びに、着色剤
KR20220128840A (ko) * 2021-03-15 2022-09-22 도레이첨단소재 주식회사 광학용 폴리에스테르 필름 및 이를 포함하는 적층필름

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