JP2016117805A - 水性樹脂組成物及び水性塗料 - Google Patents

水性樹脂組成物及び水性塗料 Download PDF

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聡一郎 大水
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Abstract

【課題】経時的な粘度変化が小さく、貯蔵安定性に優れ、かつ100℃未満の低温硬化条件においても耐水性、耐酸性、耐アルカリ性等の各種塗膜物性に優れた硬化塗膜が得られる、実用性の極めて高い水性樹脂組成物、及び、該水性樹脂組成物を含有する水性塗料を提供することである。【解決手段】水性樹脂中のカルボキシル基を、ジアミン(A)で中和して、水性媒体中に溶解又は分散して得られることを特徴とする水性樹脂組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、水性塗料に好適な水性樹脂組成物、およびこれを含有する水性塗料に関するものである。
近年、環境問題への意識の高まりから、塗料分野においても揮発性有機化合物(VOC)を多用した溶剤系塗料からVOCを低減した環境対応型塗料への移行が進められている。中でも建築外装用、橋梁、車両、産業機械、ガスタンク、建設機械、船舶、といった一般工業用途では、粉体塗料のように被塗物に熱をかけることが困難であるため、常温乾燥方式に優れる水系塗料への置換が主流である。
従来、水性塗料を設計する際には、バインダーとなる樹脂中へカルボン酸を導入してアンモニアや有機アミンにて中和することにより、樹脂の水への溶解性や分散性を付与する形が一般的であり、例えば、酸基含有アクリル樹脂にジメチルエタノールアミンを組み合わせた水性塗料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、中和剤にアンモニア、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等を用いた場合では、水性樹脂溶液の粘度が経時で低下する(以下、減粘と記す。)現象が起こり、貯蔵安定性の向上が大きな課題となっていた。
また近年、水性樹脂を使用した水性焼付け塗料においては、エネルギー消費削減の観点から低温乾燥化への移行が進められている。しかし、焼付け温度を低くすることで塗膜中にアミンが揮発せずに残存してしまうと、耐水性、耐薬品性等が悪化するという課題も存在していた。
そこで、貯蔵安定性と低温硬化性を両立可能な極めて実用性の高い水性塗料用樹脂が求められていた。
特開2012−21107号公報
本発明が解決しようとする課題は、貯蔵安定性及び低温硬化性に優れる水性樹脂組成物、及びこれを含有する水性塗料を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水性樹脂中のカルボキシル基をジアミンで中和して水性媒体中に溶解又は分散して得られる水性樹脂組成物が、貯蔵安定性及び低温硬化性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、水性樹脂中のカルボキシル基を、ジアミン(A)で中和して、水性媒体中に溶解又は分散して得られることを特徴とする水性樹脂組成物に関する。
本発明の水性樹脂組成物は、貯蔵安定性及び低温硬化性に優れることから、建築外装、橋梁、車両、産業機械、ガスタンク、建設機械、船舶をはじめとする各種一般工業用水性塗料等に好適に使用することができる。
本発明の水性樹脂組成物は、水性樹脂中のカルボキシル基を、ジアミン(A)で中和して、水性媒体中に溶解又は分散して得られるものである。
前記ジアミン(A)としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン;1,4−シクロヘキサンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン;ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等の複素環式ポリアミン;JEFFAMINE(Dシリーズ、EDシリーズ、EDRシリーズ)(HUNTSMAN製)等のアルキレンオキサイド鎖を有するジアミンなどが挙げられる。これらのジアミンの中でも、貯蔵安定性及び塗膜形成時の低温硬化性がより向上することから、アルキレンオキサイド鎖を有するジアミンが好ましく、下記一般式(1)で表されるジアミンが特に好ましい。これらのジアミン(A)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
Figure 2016117805
(一般式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、nは1〜80の整数である。)
また、本発明の水性樹脂組成物の貯蔵安定性がより向上することから、前記水性樹脂を中和する中和剤として、前記ジアミン(A)以外のその他の中和剤として、モノアミン(B)及び/又はアンモニア(水)を併用することが好ましい。
前記モノアミン(B)としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルルアミン、ジプロピルルアミントリプロピルルアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパノール、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられ、これらの中でも、貯蔵安定性及がより向上することから、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミンが好ましい。これらのモノアミン(B)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明で用いる水性樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有する、アクリル樹脂、ビニル変性エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等が挙げられるが、これらの中でも、貯蔵安定性がより向上することから、カルボキシル基を有する、アクリル樹脂、ビニル変性エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
前記カルボキシル基を有するアクリル樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸とその他のビニル重合性単量体とを重合して得られる樹脂が挙げられる。
前記不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸、さらに、マレイン酸、イタコン酸等の酸無水物、これら酸無水物のモノエステル化物を挙げることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。また、これらの不飽和カルボン酸は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリルアミド」とは、メタクリルアミドとアクリルアミドの一方又は両方をいう。
また、前記その他のビニル重合性単量体としては、例えば、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレンおよび/またはスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリルn−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸グリシジルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシブチルアクリルアミド等のアミド基を有する単量体が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。
また、前記アクリル樹脂をイソシアネート等の硬化成分と反応させて硬化させる場合は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体を用いることが好ましい。
これらの単量体を共重合する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、有機溶媒中に重合開始剤を加えて所定温度に昇温後、前記単量体を滴下して重合する方法等が挙げられる。
前記カルボキシル基を有するポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸をカルボキシル基過剰となる条件で反応させたものが挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族の3官能以上のポリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールを併用してもよい。また、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのようなビスフェノール類(ビスフェノールA)のエチレンオキシド付加体やビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンのようなビスフェノール類(ビスフェノールS)のエチレンオキシド付加体等が挙げられる。これらのポリオールは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記ポリカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のカルボン酸等の、末端に2個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸が挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸およびその無水物、テトラヒドロフタル酸およびその無水物などが挙げられる。
また、前記3官能以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
上記したこれらのポリカルボン酸は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ポリエステル樹脂を製造する方法については特に制限はないが、多価カルボン酸と多価アルコールのエステル化反応による種々の製造方法、例えば、溶融法又は溶剤法を用いることができる。
前記溶融法に関しては、例えば、原料である酸成分(ポリカルボン酸)とアルコール成分(ポリオール)を窒素気流中、150〜250℃で加熱し、生成する水を逐次除去しながらエステル化反応を行い、所定の水酸基価、酸価のポリエステル樹脂を得ることができる。
また、前記溶剤法に関しては、例えば、キシレン等の溶剤中で酸成分(ポリカルボン酸)とアルコール成分(多価アルコール)をエステル化反応し、次いで溶剤を留去することによってポリエステル樹脂を得ることができる。また、溶剤として、後述する親水性の有機溶剤を使用し、かかる親水性の有機溶剤中で前記した多価カルボン酸及び多価アルコールをエステル化反応することもできる。これにより、前記したエステル化反応に引き続いて後述する塩基性化合物を添加することで、ポリエステル樹脂の水溶液又は水分散体を得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニル変性エポキシエステル樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸エステルと、不飽和カルボン酸と、その他のビニル重合性単量体とを重合して得られる樹脂が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール系エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン樹脂などが挙げられ、これらを単独で使用することも、2種以上併用することもできる。前記エポキシ樹脂のなかでも、ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することが、耐食性に優れる塗膜を形成できることから好ましい。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が挙げられ、なかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用することが、耐食性により優れる塗膜を得られることから好ましい。前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロン850、1050、3050、4050、7050、HM−091、HM−101(以上、何れもDIC株式会社製)等が挙げられる。前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロン830(DIC株式会社製)等が挙げられる。
前記脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、ユノックス201、289(以上、何れも米国ユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−740、775(以上、何れもDIC株式会社製)等が挙げられる。
前記ポリエチレングリコール系エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート812(オランダ国シェル社製)、エポライト40E、200E、400E(以上、何れも株式会社共栄社製)等が挙げられる。
前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂としては、例えば、BF−1000(アデカアーガス社製)等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、常温での造膜性により優れる水性塗料が得られることから、400〜1000(g/当量)の範囲のエポキシ当量を有するものを使用することが好ましく、400〜800の範囲のエポキシ当量を有するものを使用することがより好ましく、400〜600の範囲のエポキシ当量を有するものを使用することが更に好ましい。
前記エポキシ樹脂由来の構造は、造膜性及び耐食性により優れた塗膜を形成できることから、本発明で使用するビニル変性エポキシエステル樹脂中に15〜75質量%の範囲で含まれることが好ましく、なかでも20〜70質量%の範囲で含まれることがより好ましく、25〜60質量%の範囲で含まれることが更に好ましい。
前記不飽和脂肪酸としては、桐油、アマニ油、大豆油、サフラワー油、ひまし油、脱水ひまし油、トール油、米糠油、綿実油、やし油等の各種の(半)乾性油及び不乾性油の脂肪酸が挙げられる。これらの不飽和脂肪酸は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。
前記カルボキシル基を有するビニル変性エポキシエステル樹脂の原料となる不飽和カルボン酸としては、前記カルボキシル基を有するアクリル樹脂の原料として例示した不飽和カルボン酸を使用することができる。これらの不飽和カルボン酸は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。
また、前記カルボキシル基を有するビニル変性エポキシエステル樹脂の原料となるその他のビニル重合性単量体としては、前記カルボキシル基を有するアクリル樹脂の原料として例示したその他のビニル重合性単量体を使用することができる。これらの単量体は、単独で用いることも、2種以上併用することもできる。
本発明に使用される水性媒体としては、水、親水性有機溶剤、及びこれらの混合物が挙げられる。該親水性有機溶剤としては水と分離することなく混和する水混和性有機溶剤が好ましく、中でも水に対する溶解度(水100gに溶解する有機溶剤のグラム数)が25℃において3g以上の有機溶剤が好ましい。これら水混和性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル(一般名:3−メトキシブタノール)、3−メチル−3−メトキシブタノール(製品名:ソルフィット、株式会社クラレ製)等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。これら水混和性有機溶剤は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記水性樹脂を水性媒体に溶解又は分散する方法としては、種々の方法が適用できるが、例えば、転相乳化法が挙げられる。
前記樹脂を転相乳化法で水性化する方法としては、前記樹脂に前記ジアミン(A)、必要に応じて、前記ジアミン(A)以外のその他の中和剤及び親水性有機溶剤を添加することで、前記樹脂中の酸基の一部又は全部を中和し、さらにその後に水を添加することで水に溶解又は分散する方法が挙げられる。
前記水性樹脂中のカルボキシル基の中和率は、水性樹脂組成物の貯蔵安定性がより向上することから、40〜120モル%の範囲が好ましく、60〜100モル%の範囲がより好ましい。
本発明の水性樹脂組成物には、例えば、塗料配合時に、硬化剤を配合できる。該硬化剤としては、水性樹脂の水酸基と架橋反応可能なものであれば特に制限されないが、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート等を使用することが好ましい。
ここで前記アミノ樹脂とは、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン等の1種または2種以上とホルムアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂、イミノ基を有するメチロール化アミノ樹脂等であり、それらのメチロール基の全部または一部分を炭素数1〜8の1価アルコールでエーテル化したものが好ましく、例えば、ブトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシ・ブトキシ混合メチル化メラミン樹脂等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリオール等の活性水素含有化合物とポリイソシアネートとをイソシアネート基が過剰な比率で反応させて得られるイソシアネート基を有する樹脂等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
また、前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコールと、ジフェニルカーボネートやホスゲン等とを反応して得られたものを使用することができる。
また、前記イソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。
これらのポリイソシアネート中でも、水分散性ポリイソシアネート組成物を用いることが、本発明の水性ポリエステル樹脂と配合した際に、安定性と硬化性に優れ、更に、可使時間の自由度が高い点から好ましい。前記水分散性ポリイソシアネート組成物としては、例えば、ポリイソシアネートの一部を片末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシアルキレングリコールで変性したポリイソシアネート組成物(a)、ポリイソシアネートに含有されるイソシアネート基の一部分を片末端がアルコキシ基で封鎖されたポリオキシアルキレングリコールを脂肪酸エステルで変性した水分散性ポリイソシアネート組成物(b)、或いは、疎水性ポリイソシアネート化合物と親水性の官能基を有するポリイソシアネート化合物を含有する組成物(c)が挙げられる。前記組成物(c)としては、例えば、疎水性ポリイソシアネートと、ポリオキシアルキレン構造とイソシアネート基を含有するビニル系重合体とを含む組成物が挙げられる。
また、前記ブロックイソシアネートとしては、例えば、キシレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネート等の各種環状ジイソシアネート(脂環式ジイソシアネート)、トリレンジイソシアネートもしくは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の各種の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートのような有機ジイソシアネート化合物、これら化合物と多価アルコール、低分子量水酸基含有ポリエステル樹脂、低分子量水酸基含有アルキド樹脂又は水等との付加物;前記した有機ジイソシアネート化合物同士の重合体(イソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物、ウレトジオン化合物をも含む。)を、オキシム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、ジケトン化合物等の公知慣用のブロック化剤でブロック化して得られるブロックイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、イソシアネート基の片末端を、例えば、ポリオキシエチレングリコール等で変性し、片末端をアルコキシ基で封鎖したものや、片末端を活性水素含有基を有するポリオキシアルキレン化合物等で変性したものが好ましい。
本発明の水性樹脂組成物は、顔料、溶剤、及び必要に応じて、その他の樹脂、分散助剤、塩基性中和剤、その他の添加剤などを配合することにより塗料に調製することができる。
前記顔料としては、例えば、アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉、ステンレス粉、クロム粉、雲母状酸化鉄、酸化チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉、光輝性グラファイト等の光輝性顔料;ピンクEB、アゾ系やキナクリドン系等の有機赤系顔料、シアニンブルー、シアニングリーンなどの有機青系顔料、ベンゾイミダゾロン系、イソインドリン系及びキノフタロン系等の有機黄色系顔料;酸化チタン、チタンイエロー、ベンガラ、カーボンブラック、黄鉛、酸化鉄、及び各種焼成顔料等の無機着色顔料等が挙げられる。また、体質顔料を含んでもよい。これらの顔料は、それ自体既知の表面処理、例えば酸・塩基処理、カップリング剤処理、プラズマ処理、酸化/還元処理などが施されたものであってもよい。
これらの顔料の配合割合は、特に制限されるものではないが、顔料分散用樹脂100質量部あたり、10〜3,000質量部、特に15〜2,000質量部、さらに特に15〜1,500質量部の範囲内にあることが、顔料分散性、分散安定性、得られる顔料分散体の着色力の面などから好ましい。
前記溶剤としては、水、有機溶剤、及びこれらの混合物等を挙げることができる。ここで用いる有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノールなどの水溶性有機溶媒;キシレン、トルエン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ペンタンなどの難溶性又は不溶性有機溶剤などが挙げられる。該有機溶剤は1種のみ又は2種以上混合して使用できる。有機溶剤としては水溶性有機溶剤を主体とするものが好適である。また、水と有機溶剤との混合割合は特に制限はないが、有機溶剤の含有量は混合溶液の50質量%以下、特に35質量%以下が望ましい。塗料中の溶剤の配合割合は、特に制限されるものではないが、顔料分散時の粘度、顔料分散性、分散安定性及び生産効率が向上することから、水性樹脂100質量部あたり、50〜5,000質量部の範囲が好ましく、100〜3,000質量部の範囲特に好ましく、100〜2,000質量部の範囲がさらに好ましい。
前記分散助剤としては、例えば、ビックケミージャパン社のDisperbyk184やDisperbyk190などを挙げることができ、また、その他の添加剤としては、消泡剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤などを挙げることができる。これらの配合量は、顔料の分散性やペーストの安定性、レットダウン安定性や塗膜性能がより向上することから、いずれも顔料分散用樹脂100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。
本発明の水性樹脂組成物を含有する塗料は、以上に述べた各成分を、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、LMZミル、DCPパールミルなどの分散機を用いて均一に混合、分散させることにより調製することができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。
(合成例1:アクリル樹脂(M−1)の製造)
還流冷却器、撹拌機、温度計及び窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテルの132質量部を仕込んで、攪拌しながら135℃に昇温した。135℃に到達後、スチレン18質量部、メチルメタクリレート71質量部、ブチルメタクリレート237質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート104質量部、およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート20質量部の混合物を3.5時間かけて滴下した。滴下終了から30分間、同温度にて保持した後、スチレン8質量部、メチルメタクリレート30質量部、ブチルメタクリレート102質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート44質量部、アクリル酸15質量部、およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート9質量部の混合物を1.5時間かけて滴下した。同温度にて3時間保持してアクリル樹脂(M−1)を得た。
(合成例2:ビニル変性エポキシエステル樹脂(M−2)の製造)
攪拌機、温度計、窒素導入管を装えた四つ口フラスコに、脱水ひまし油脂肪酸100質量部と、亜麻仁油脂肪酸300質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「エピクロン1050」)500質量部を仕込んだ。さらに、反応容器内にN,N−ジメチルベンジルアミン0.05質量部を仕込み、攪拌しながら180℃まで昇温した。内部が180℃近傍に達すると脱水が始まり、脱水状態をみながら220℃まで昇温し、エステル化を進行させた。内容物の固形分酸価が4以下になるまで約3時間反応させ、さらにブチルセロソルブの263質量部を加え、エポキシ樹脂の脂肪酸エステルの不揮発分77%溶液を得た。次に、内温を120℃に維持し、スチレンの340質量部、アクリル酸の45質量部の混合物とt−ブチルパーオキシ−2−エチヘキサノエート5質量部とを1時間かけて滴下し、さらに、ジ−t−ブチルパーオキサイドの5質量部を加え、同温度にて5時間保持してエポキシ樹脂の脂肪酸エステルに対しビニル化反応を行い、ビニル変性エポキシエステル樹脂(M−2)を得た。
(合成例3:ポリエステル樹脂(M−3)の製造)
攪拌機、温度計、窒素導入管、脱水トラップ付還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、イソフタル酸248部、無水ヘキサヒドロフタル酸536部、1,6ヘキサンジオール484部、およびトリメチロールプロパン195部を仕込み、240℃まで昇温し、脱水縮合反応を行った。酸価が8以下になるまで反応を行い、165℃まで冷却した時点で、無水トリメリット酸を38部加え1時間反応させた。1時間後冷却し、150℃以下にてジプロピレングリコールモノメチルエーテルを154部加え、十分混合し、ポリエステル樹脂(M−3)を得た。
(実施例1:水性樹脂組成物(1)の調製)
攪拌機、温度計の装備されたフラスコに、合成例1で得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂(M−1)1000質量部を投入して80℃まで昇温した。次いで、ジメチルエタノールアミン20質量部を投入し、十分撹拌して混合した。引き続き、ポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製「ジェファーミンD−230」、一般式(1)のRがメチル基、Rが水素、Rが水素、Rがメチル基、プロピレンオキサイドの平均繰り返し数が2.5)10質量部を投入し、十分撹拌して混合した。さらに、イオン交換水997質量部を投入し、十分撹拌することにより、不揮発分41質量%の水性樹脂組成物(1)を得た。この水性樹脂組成物(1)の25℃における粘度は、650mPa・sであった。
(実施例2:水性樹脂組成物(2)の調製)
攪拌機、温度計の装備されたフラスコに、合成例2で得られたカルボキシル基を有するビニル変性エポキシエステル樹脂(M−2)1000質量部を投入して80℃まで昇温した。次いで、ジメチルエタノールアミン26質量部を投入し、十分撹拌して混合した。引き続き、ポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製「ジェファーミンD−230」、一般式(1)のRがメチル基、Rが水素、Rが水素、Rがメチル基、プロピレンオキサイドの平均繰り返し数が2.5)9質量部を投入し、十分撹拌して混合した。さらに、イオン交換水1216質量部を投入し、十分撹拌することにより、不揮発分37質量%の水性樹脂組成物(2)を得た。この水性樹脂組成物(2)の25℃における粘度は、950mPa・sであった。
(実施例3:水性樹脂組成物(3)の調製)
攪拌機、温度計の装備されたフラスコに、合成例3で得られたカルボキシル基を有するポリエステル樹脂(M−3)1000質量部を投入して80℃まで昇温した。次いで、ジメチルエタノールアミン26質量部を投入し、十分撹拌して混合した。引き続き、ポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製「ジェファーミンD−230」、一般式(1)のRがメチル基、Rが水素、Rが水素、Rがメチル基、プロピレンオキサイドの平均繰り返し数が2.5)9質量部を投入し、十分撹拌して混合した。さらに、イオン交換水1127質量部を投入し、十分撹拌することにより、不揮発分43質量%の水性樹脂組成物(3)を得た。この水性樹脂組成物(3)の25℃における粘度は、525mPa・sであった。
(比較例1:水性樹脂組成物(R−1)の調製)
攪拌機、温度計の装備されたフラスコに、合成例1で得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂(M−1)1000質量部を投入して80℃まで昇温した。次いで、ジメチルエタノールアミン25質量部を投入し、十分撹拌して混合した。さらに、イオン交換水861質量部を投入し、十分撹拌することにより、不揮発分43質量%の水性樹脂組成物(R−1)を得た。この水性樹脂組成物(R−1)の25℃における粘度は、710mPa・sであった。
(比較例2:水性樹脂組成物(R−2)の調製)
攪拌機、温度計の装備されたフラスコに、合成例2で得られたカルボキシル基を有するビニル変性エポキシエステル樹脂(M−2)1000質量部を投入して80℃まで昇温した。次いで、ジメチルエタノールアミン32質量部を投入し、十分撹拌して混合した。さらに、イオン交換水1043質量部を投入し、十分撹拌することにより、不揮発分40質量%の水性樹脂組成物(R−2)を得た。この水性樹脂組成物(R−2)の25℃における粘度は、875mPa・sであった。
(比較例3:水性樹脂組成物(R−3)の調製)
攪拌機、温度計の装備されたフラスコに、合成例3で得られたカルボキシル基を有するポリエステル樹脂(M−3)1000質量部を投入して80℃まで昇温した。次いで、ジメチルエタノールアミン33質量部を投入し、十分撹拌して混合した。さらに、イオン交換水967質量部を投入し、十分撹拌することにより、不揮発分46質量%の水性樹脂組成物(R−3)を得た。この水性樹脂組成物(R−3)の25℃における粘度は、150mPa・sであった。
上記で得られた水性樹脂組成物(1)〜(3)及び(R−1)〜(R−3)について、貯蔵安定性を評価した。
<貯蔵安定性の評価>
上記で得られた水性樹脂組成物を40℃の恒温槽に保管し、1ヶ月後に粘度を測定し、下記の基準で貯蔵安定性を評価した。
粘度変化率(%)=100−[1ヶ月保管後粘度(mPa・s)/初期粘度(mPa・s)×100]
良好:粘度変化率20%未満
不良:粘度変化率20%以上
上記で得られた水性樹脂組成物(1)〜(3)及び(R−1)〜(R−3)の組成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2016117805
(実施例4:水性塗料(1)の調製及び評価)
[水性塗料の調製]
水性塗料の主剤として実施例1で得られた水性樹脂組成物(1)100質量部及び硬化剤(日本サイテックインダストリーズ株式会社製「サイメル327」、メラミン樹脂)11.4質量部を攪拌混合して、水性塗料(1)を得た。次いで、得られた水性塗料(1)を用いて、下記の塗膜評価を行った。
[評価用塗膜の作製]
上記で得られた水性塗料(1)を、ポリプロピレン板に乾燥後の膜厚が20μmとなるように、アプリケーターで塗装した。塗装後、25℃で20分間養生した後、90℃で30分間乾燥し、評価用塗膜を作製した。
[低温硬化性の評価(ゲル分率の測定)]
上記で得られた硬化塗膜を基材から剥がして、50mm×50mmの大きさに切断して秤量した後、アセトンに浸漬し、12時間後に取り出した。取り出した硬化塗膜を108℃で1時間乾燥し、再び秤量した。硬化塗膜のアセトン浸漬前後の質量から、下式に従ってゲル分率を計算し、硬化性を評価した。
ゲル分率(%)=(浸漬後の硬化塗膜質量)/(浸漬前の硬化塗膜質量)×100
(実施例5〜6:水性塗料(2)〜(3)の調製及び評価)
下記の表2に示す配合に変更した以外は実施例4と同様に操作することにより、水性塗料(2)〜(3)を得た後、同様に塗膜評価を行った。
(比較例4〜6:水性塗料(R−1)〜(R−3)の調製及び評価)
下記の表2に示す配合に変更した以外は実施例4と同様に操作することにより、水性塗料(R−1)〜(R−3)を得た後、同様に塗膜評価を行った。
Figure 2016117805
実施例1〜3の水性樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、これらを用いた水性塗料は、低温硬化性に優れることが確認された。
比較例1〜3の水性樹脂組成物は、水性樹脂の中和にジアミン(A)を用いない例であるが、貯蔵安定性が不良であることが確認された。また、これらを用いた水性塗料は、ゲル分率が低く、低温硬化性に劣ることが確認された。

Claims (5)

  1. 水性樹脂中のカルボキシル基を、ジアミン(A)で中和して、水性媒体中に溶解又は分散して得られることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 前記ジアミン(A)が、アルキレンオキサイド鎖を有するジアミンである請求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. 前記アルキレンオキサイド鎖を有するジアミン(A)が、下記一般式(1)で表されるものである請求項2記載の水性樹脂組成物。
    Figure 2016117805
    (一般式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、nは1〜80の整数である。)
  4. 前記水性樹脂が、アクリル樹脂、ビニル変性エポキシエステル樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂である請求項1〜3のいずれか1項記載の水性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴とする水性塗料。
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