JP6023774B2 - 亜鉛めっき鋼材用塗料組成物及びそれを用いた塗装方法 - Google Patents

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Description

この発明は、亜鉛めっき処理された鋼材の表面を塗装するための塗料組成物、及びそれを用いた塗装方法に関する。
送電や通信用の鉄塔、橋梁施設、プラント等のように、亜鉛めっき処理された鋼材を用いた亜鉛めっき鋼材は50年の耐久性があるとされるが、実際は20数年で部分的な腐食が発生することから、10〜15年間隔で塗り替え塗装が行われる(例えば非特許文献1参照)。
従来、このような亜鉛めっき鋼材の塗装には、亜鉛めっき面への付着性に優れるエポキシ樹脂系の塗料が用いられている。エポキシ樹脂系塗料は、一般に主剤と硬化剤とからなる二液型であり、また、耐候性に劣るため上塗り塗料を必要とすることから、二液型塗料を2コートで塗装する仕様が通常である。ところが、鉄塔のような構造物を塗装する際には、高所での作業となることや、塗装時には電力供給等を一時停止する必要があることから、工期を短くすることのできる、一液型でかつ1コート仕上げ可能な塗料が求められる。
例えば、特開2001−198521号公報(特許文献1)や特開2003−342518号公報(特許文献2)では、ケチミン化合物を含有する一液型エポキシ樹脂塗料が提案されており、亜鉛めっき鋼材への付着性が良好なことが示されている。しかしながら、これらの塗料であっても耐候性に劣ることから、1コート仕上げで塗装した場合には耐用年数に課題が残る。
一方、上塗り塗料として一般的なアクリル樹脂系塗料は防錆性に劣っており、また、防錆性に優れるアルキド樹脂系塗料は、亜鉛めっき鋼材に塗装した場合に塗装面に金属石鹸が生成されることから付着性に劣るという課題がある。
特開2001−198521号公報 特開2003−342518号公報
鎌田由佳、外2名、「送電鉄塔用一液形、1コート仕上げ塗料の開発」、DNTコーティング技報、大日本塗料株式会社、2013年10月、No.13、p.2−7
そこで、本発明者らは、一液型でかつ1コート仕上げ可能な亜鉛めっき鋼材用の塗料組成物を開発すべく鋭意検討した結果、アクリル樹脂成分とアルキド樹脂成分とを有した塗膜形成樹脂に対して所定量の防錆顔料を添加することで、亜鉛めっき鋼材への付着性に優れると共に、耐候性及び防錆性に優れた防錆塗膜を形成し得る1コート仕上げ可能な一液型の塗料組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、亜鉛めっき鋼材への付着性に優れると共に、耐候性及び防錆性に優れた防錆塗膜を形成し得る1コート仕上げ可能な一液型の塗料組成物、及びこれを用いて亜鉛めっき鋼材の表面を塗装する方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、亜鉛めっき処理された鋼材の表面を塗装するための塗料組成物であって、(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分とを有する塗膜形成樹脂(A)、及び防錆顔料(B)を含有し、塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分との固形分質量比(a1):(a2)が50:50〜80:20であると共に、塗膜形成樹脂(A)の重量平均分子量が10,000以上であり、また、防錆顔料の配合割合が、塗料組成物の固形分中1〜30質量%であることを特徴とする亜鉛めっき鋼材用塗料組成物である。
また、本発明は、亜鉛めっき処理された鋼材の表面を塗料組成物で塗装する方法であって、(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分とを有する塗膜形成樹脂(A)、及び防錆顔料(B)を含有し、塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分との固形分質量比(a1):(a2)が50:50〜80:20であると共に、塗膜形成樹脂(A)の重量平均分子量が10,000以上であり、また、防錆顔料の配合割合が、塗料組成物の固形分中1〜30質量%である塗料組成物を用いて、1コートで塗装することを特徴とする亜鉛めっき鋼材の塗装方法である。
本発明において、亜鉛めっき鋼材用の塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂(A)は、(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分とを有し、これらの固形分質量比(a1):(a2)は50:50〜80:20、好ましくは60:40〜75:25である。すなわち、(a1)アクリル樹脂成分は得られる塗膜に耐候性を付与し、(a2)アルキド樹脂成分は防錆性を付与するものであり、上記質量比(a1):(a2)の範囲を外れると、耐候性と防錆性を同時に満たす塗膜を得るのが難しくなる。
また、塗膜形成樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は10,000以上、好ましくは25,000以上である。塗膜形成樹脂(A)の重量平均分子量が10,000未満であると、耐候性や防錆性といった塗膜性能を十分に発揮させるのが難しくなる。ここで、塗膜形成樹脂(A)のMwの上限を規定しないのは、樹脂の種類によって変わるためである。すなわち、塗膜形成樹脂(A)が溶剤に溶解した溶解系樹脂の場合には、Mwが大きくなると樹脂の粘度が高くなり、塗料組成物とした際に多量の溶剤を必要とすることから、環境への負荷、乾燥性の面等を考慮するとMwは300,000以下、好ましくは250,000以下、さらに好ましくは200,000以下であるのがよい。一方、塗膜形成樹脂(A)が、後述するような非水ディスパージョン樹脂(NAD樹脂)を含む場合、このNAD樹脂は溶解系樹脂に比べて高い分子量を得ることができる。但し、Mwが1,000,000を超えると、分子量を測定する際に展開溶媒に溶解し難くなることから正確な分子量の測定が困難となる。また、このような極めて高分子量のNAD樹脂は、塗料にした際に塗膜物性には優れるものの貯蔵安定性にやや劣る場合もある。そのため、塗膜形成樹脂(A)がNAD樹脂を含む場合、1,000,000を超えるとMwは実質的に上限を規定することができないが、好ましくは1,000,000以下であり、より好ましくは700,000以下であり、さらに好ましくは500,000以下であるのがよい。なお、塗膜形成樹脂(A)の重量平均分子量は、複数の樹脂により塗膜形成樹脂(A)が構成される場合には、各樹脂の重量平均分子量(Mw)を配合割合に基いて加重平均して求めたものであり、単独の樹脂により塗膜形成樹脂(A)が構成される場合には、その樹脂の重量平均分子量(Mw)である。
塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分については、アクリル単量体を重合させたアクリル樹脂であってもよく、或いは、(a2)アルキド樹脂成分を構成するアルキド樹脂がアクリル変性アルキド樹脂であって、このアルキド樹脂を変性したアクリル単量体が(a1)アクリル樹脂成分を構成してもよい。また、これらのアクリル樹脂とアクリル変性アルキド樹脂とを併用してもよい。このようなアクリル変性のアルキド樹脂を用いることで、樹脂の相溶性が高くなり、塗膜物性や貯蔵安定性がより向上する。ここで、(a1)アクリル樹脂成分としてアクリル樹脂を用いる場合、上述したような塗膜形成樹脂(A)の平均分子量を得るために、好ましくは、アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000以上であるのがよい。なお、Mwの上限を設けない理由は前述のとおりである。
ここで、アクリル樹脂の合成やアルキド樹脂の変性に用いられるアクリル単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、アリルアクリレート、グリシジルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリル酸ソーダ、トリメチロールプロパンアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アクリル酸等のアクリル酸エステルモノマー、並びにメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、テトラエチレングリコールメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸等のメタクリル酸エステルモノマーを挙げることができる。
更に、上記のアクリル系モノマー類に加えて、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基を持つモノマーやアクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のビニルモノマーを共重合成分として用いることができる。なお、アクリル単量体は、これらに特に制限されずに従来公知のものを用いることができる。また、これらのアクリル単量体は1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
また、(a1)アクリル樹脂成分としてアクリル樹脂を製造する方法については、特に制限されないが、例えば、アクリル単量体を含んだ樹脂原料を重合開始剤の存在下、有機溶剤中で公知の方法で重合させることができる。
一方、塗膜形成樹脂(A)における(a2)アルキド樹脂成分としては、多価アルコール成分、及び不飽和脂肪酸成分を縮重合することにより得られるアルキド樹脂を用いることができる。その際、上述した理由と同様に、アルキド樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000以上であるのがよい。
アルキド樹脂を得るのに用いる多価アルコール成分については特に制限はなく、代表的なものを例示すれば、例えば、エチレングリコールや、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の各種のアルキレングリコール類をはじめ、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−ヒドロキシエチルテレフタレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の各種の芳香族ないし脂環式グリコール類等を挙げることができる。加えて、モノエポキシ化合物を該アルコール成分として併用することもでき、また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニットのような、各種のグリコール成分とε−カプロラクトンとの付加物など、種々のポリエステル化合物も挙げることができる。これらの多価アルコール成分は、その1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アルキド樹脂を調整するに際して使用する脂肪酸についても特に制限はなく、代表的なものを例示すれば、例えば、オクチル酸や、パルミチン酸、ステアリン酸、バーサチック酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸をはじめ、ハイジエン、ハイジエン脂肪酸、やし油脂肪酸、水添やし油脂肪酸、トール油脂肪酸、やまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、あまに油脂肪酸、大豆油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等のC8以上の長鎖の飽和−又は不飽和−塩基酸類等を挙げることができ、その1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述したように、(a2)アルキド樹脂成分としてアクリル変性アルキド樹脂を使用することができるが、アクリル変性のアルキド樹脂とすることで、(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分との相溶性が高まり、塗膜にした際に海島構造になり難く、塗膜の耐候性や耐水性等が一層向上する。その際、塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分との固形分質量比(a1):(a2)については、アクリル変性したアクリル単量体分を(a1)アクリル樹脂成分とし、残りのアルキド樹脂を(a2)アルキド樹脂成分として固形分質量比を求めるようにする。また、アルキド樹脂をアクリル変性する場合には、好ましくは、重量平均分子量(Mw)が10,000〜200,000のアルキド樹脂をアクリル変性するのがよい。また、アクリル変性のアルキド樹脂を製造する方法としては、例えば、溶液重合等の公知慣用の重合方法により製造することができる。
また、本発明においては、塗膜形成樹脂(A)の20質量%以上が非水ディスパージョン樹脂からなるのがよい。非水ディスパージョン(Non Aqueous Dispersion:NAD)とは有機溶剤中にポリマー粒子が分散した状態を言い、このような非水ディスパージョン樹脂が配合されることにより、いわゆる通常の溶解系の樹脂では調製が困難な分子量を有する塗料を得ることができる。すなわち、塗膜形成樹脂(A)を構成する樹脂成分を合成する際、単量体が反応溶剤に溶解した状態において、重合が進んで分子量が高くなると反応溶剤中で粒子形態をとり、分散安定化されて、塗料の粘度が高くなることなく樹脂の分子量を高めることができる。そのため、塗膜形成樹脂(A)の20質量%以上、好ましくは50質量%以上が非水ディスパージョン樹脂であることにより、耐候性のほか、耐水性や乾燥性等の塗膜性能を更に高めることができる。なかでもより好ましくは、塗膜形成樹脂(A)における50〜80質量%が非水ディスパージョン型のアクリル変性アルキド樹脂であり、残りが溶解系のアクリル変性アルキド樹脂の場合である。
非水ディスパージョン樹脂を製造する方法については、従来公知のものを使用することができ、特に制限されないが、例えば、脂肪族炭化水素等の単量体は溶解するが重合体は溶解しない非水性有機溶媒中で、エチレン性不飽和基を有する単量体を架橋性の共重合体と反応させ、得られる微粒子共重合体を分散させる方法等を使用することができる。
また、塗膜形成樹脂(A)の配合割合については、特に限定されるものではないが、より確実に耐候性及び防錆性に優れた防錆塗膜を得る観点から、塗料組成物の固形分中20〜50質量%であるのがよく、好ましくは25〜40質量%であるのがよい。本発明では、(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分に相当するもの以外にも塗膜形成に関わるその他の樹脂が塗料組成物に添加されてもよいが、塗膜形成に関わるその他の樹脂は、塗膜形成樹脂(A)の20質量%未満(すなわち、塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分の合計は80質量%以上)となるようにするのがよい。
また、本発明において、防錆顔料(B)の配合割合については、塗料組成物の固形分中1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%である。通常、アルキド樹脂は亜鉛めっきと金属石鹸を形成するため亜鉛めっき鋼材との付着性に劣るが、塗料組成物が防錆顔料を含有すると、亜鉛めっき鋼材の亜鉛めっきと塗膜との界面に防錆皮膜が形成されるようになり、高度な防錆性と付着性を得ることができる。防錆顔料(B)の配合割合が1質量%未満であると、このような防錆皮膜が十分に形成され難くなり、反対に防錆顔料(B)の配合割合が30質量%を超えると、塗膜の耐水性が低下し、十分な付着性が得られなくなる。
防錆顔料(B)としては、例えば、リン酸系防錆顔料、ホウ酸系防錆顔料、モリブデン酸系防錆顔料、バナジン酸系防錆顔料等を挙げることができ、このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、好ましくは、これらのなかから2種を組み合わせて使用するのがよく、より好ましくは、このうちの1種はリン酸系防錆顔料を使用するのがよい。
ここで、リン酸系防錆顔料としては、例えばオルトリン酸亜鉛、オルトリン酸カルシウム、オルトリン酸アルミニウム、オルトリン酸マグネシウムなどのオルトリン酸金属塩、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸錫、ピロリン酸鉄、ピロリン酸チタン、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸マンガンなどのピロリン酸金属塩、トリポリリン酸鉄、トリポリリン酸アルミニウムなどのトリポリリン酸金属塩、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸鉄、メタリン酸錫などのメタリン酸金属塩、さらには、層状リン酸チタン、層状リン酸ジルコニウム、層状リン酸錫などのリン酸金属塩系層状化合物等を挙げることができ、ホウ酸系防錆顔料としては、例えばホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸マグネシウム等を挙げることができ、モリブデン酸系防錆顔料としては、例えばモリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸ニッケル、モリブデン酸コバルト、モリブデン酸ストロンチウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム等を挙げることができ、バナジン酸系防錆顔料としては、例えば五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム等を挙げることができる。
また、本発明における塗料組成物には、有機溶剤(C)を配合することができる。有機溶剤(C)の使用量について特に制限はないが、塗料組成物を亜鉛めっき鋼材に塗装する際の作業性を考慮すると、塗膜形成樹脂(A)の合成に使用される有機溶剤等を含めて、塗料組成物中の全有機溶剤の含有量が25〜50質量%となるのがよく、好ましくは30〜40質量%であるのがよい。
ここで、塗料組成物に配合する有機溶剤(C)については特に制限はないが、例えば、キシレン、トルエン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、n−ブタノール、iso―ブタノール、iso−プロパノール、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ミネラルスピリット、ホワイトスピリット、イソパラフィン、ソルベントナフサ、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200等を挙げることができ、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、塗料組成物には、増粘・沈降防止剤、ダレ止め剤を含むことができる。これらは、レオロジーコントロール剤や遥変剤と称されることもあり、ポリアマイドワックス、ポリエチレンワックス、ベントナイト系などが挙げられる。具体的には、楠本化学社製「6820−20M」、「6820−10M」、「3600N」、「4200−20」、「A630−20X」、共栄社製「ターレン8300−20」、「フローレンRCM−220」、「フローレンRCM−300」、伊藤製油社性「A−S−A TS−023」等を挙げることができ、これらダレ止め剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、塗料組成物中において、増粘・沈降防止剤、ダレ止め剤の含有量は、固形分換算で0.2〜2.5質量%であることが好ましく、0.5〜2.0質量%であることが更に好ましい。ダレ止め剤の含有量が0.2質量%未満であると1回塗りで規定膜厚の塗装が難しく、また、2.5質量%を超えると、塗料の粘度が上がり過ぎるため塗装仕上げが困難となる。
更に、本発明の塗料組成物において、付着強化剤としてシランカップリング剤を含むことができる。上記シランカップリング剤は、通常、同一分子内に2種の官能基を有しており、無機質基材に対する接着力向上、塗料粘度の低減等に寄与することができる。上記シランカップリング剤は、特に限定されるものではないが、例えば、式:
X−Si(OR)3
[Xは、有機質との反応が可能な官能基(例:アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、又はこれらの基を含有する炭化水素基等の基を示し、この炭化水素基にはエーテル結合等が存在していてもよい。)又はアルキル基を示し、ORは、加水分解性基(アルコキシ基、例: メトキシ基、エトキシ基)を示す。]で表わされるものが挙げられる。これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、シランカップリング剤を用いる場合、塗料組成物中におけるシランカップリング剤の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることが更に好ましい。
また、本発明の塗料組成物については、更に必要に応じて、着色顔料、体質顔料等の顔料類、顔料分散剤、消泡剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ドライヤー、皮張り防止剤、レベリング剤等の通常の塗料用添加剤を配合することができる。
本発明において、塗料組成物を塗装する対象の亜鉛めっき鋼材については、好適には亜鉛めっき処理された鋼材を用いた構造物を挙げることができ、例えば、送電や通信用の鉄塔、橋梁施設、各種プラント等を例示することができるが、これらに制限されるものではない。また、塗装対象の亜鉛めっき鋼材は、旧塗膜を除去した後に本発明の塗料組成物を塗装するようにしてもよく、旧塗膜を残したまま塗装するようにしてもよい。すなわち、例えば2〜4種ケレンに素地調整された亜鉛めっき鋼材に対して塗装しても、付着性に優れた塗膜を得ることができる。また、本発明の塗料組成物は一液型であり、かつ1コートにより耐候性及び防錆性等に優れた防錆塗膜を形成することができることから、亜鉛めっき鋼材のなかでも高所作業が求められる鉄塔やプラント等を塗装するのに適したものである。更に、塗料組成物の塗装方法については特に制限されず、例えば、刷毛塗り、ローラー塗装、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装等の公知の塗装手段を利用することができるが、高所作業での低飛散性を考慮した場合には刷毛塗りが適している。
本発明における亜鉛めっき鋼材用塗料組成物は、一液型であって、かつ1コート仕上げ可能であり、しかも、亜鉛めっき鋼材への付着性に優れると共に、耐候性及び防錆性等に優れた防錆塗膜を形成することができる。また、本発明における亜鉛めっき鋼材の塗装方法によれば、上記のような防錆塗膜を1コート仕上げによって得ることができる。
以下、合成例、実施例及び比較例に基づいて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。なお、以下の合成例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
先ず、以下に、本発明の塗料組成物における塗膜形成樹脂(A)に関する合成例を示す。なお、表1〜5中に記載されている「粘度」は、JIS K5600−2−2に記載のガードナー形泡粘度計法で求めたものであり、「加熱残分」は、JIS K5601−1−2に記載の方法で測定した値であって、150℃で30分加熱した後に残存した重量を加熱前の重量に対して求めたものであり、「重量平均分子量」は、TSKgelカラム(東ソー(株)社製)を用い、RIを装備したGPC(東ソー(株)社製;HLC−8220GPC)により、展開溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用い、流速0.35ml/分、温度40℃にて測定を行い求めたものである。なお、GPC測定時の標準物質にはTSK標準ポリスチレン(東ソー(株)社製)を用いた。
[アルキド樹脂(アルキド1〜6)の合成]
<合成例1>
攪拌機、温度計、還流冷却器、脱水装置及び窒素ガス導入管等の備わった反応容器に、樹脂原料(大豆油脂肪酸を40部、ペンタエリスリトールを10部、グリセリンを4部、ネオペンチルグリコールを3部、無水フタル酸を17部)及び反応溶剤(ソルベッソ100を6部)を入れ、窒素雰囲気下で加熱撹拌し、240℃で反応系内の固形分酸価が7になるまで反応を行った後、冷却した。このものに希釈溶剤(ミネラルスピリットを24部)を加えて攪拌し、粘度10ST、加熱残分70%、重量平均分子量8,100のアルキド1を得た。
<合成例2〜6>
合成例1と同様の方法を用い、下記表1に示した配合(数値は質量部。以下同様。)にて反応を行い、目的とするアルキド2〜6を得た。
Figure 0006023774
[アクリル樹脂(アクリル1〜9)の合成]
<合成例7>
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、反応溶剤(ミネラルスピリットを35部)を入れ、加熱撹拌し、110℃に達してから、樹脂原料(スチレンを8部、n−ブチルメタクリレートを15部、i−ブチルメタクリレートを9部、t−ブチルメタクリレートを12部、2−エチルヘキシリアクリレートを5部、メタクリル酸を1部、ヒドロキシエチルメタクリレートを3部)及び反応開始剤(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを2部)を予め混合した混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃を保持したまま、後添加開始剤(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを0.5部)及び後添加希釈溶剤(ミネラルスピリットを2部)を予め混合した混合物を1時間かけて滴下した。更に、110℃で2時間撹拌を続けた後、冷却した。このものに希釈溶剤(ミネラルスピリットを8部)を加えて攪拌し、粘度28ST、加熱残分55%、重量平均分子量7,700のアクリル1を得た。
<合成例8〜15>
合成例7と同様の方法を用い、下記表2に示した配合にて反応を行い、目的とするアクリル2〜9を得た。
Figure 0006023774
[非水ディスパージョンアクリル樹脂(アクリルNAD1〜4)の合成]
<合成例16>
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、中間体(アクリル4を17部)及び反応溶剤(ミネラルスピリットを10部)を入れ、加熱撹拌し、110℃に達してから、樹脂原料(スチレンを10部、メチルメタクリレートを7部、n−ブチルメタクリレートを10部、2−エチルヘキシリアクリレートを5部、アクリロニトリルを3部)及び反応開始剤(ベンゾイルパーオキシドを0.3部)を予め混合した混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃を保持したまま、後添加開始剤(ベンゾイルパーオキシドを1.5部)及び後添加希釈溶剤(ミネラルスピリットを3部)を予め混合した混合物を1時間かけて滴下した。さらに110℃で2時間撹拌を続けた後、冷却した。このものに希釈溶剤(ミネラルスピリットを26部)を加えて攪拌し、粘度76ST、加熱残分50%、重量平均分子量180,300のアクリルNAD1を得た。
<合成例17〜19>
合成例16と同様の方法を用い、下記表3に示した配合にて反応を行い、目的とするアクリルNAD2〜4を得た。
Figure 0006023774
[アクリル変性アルキド樹脂(変性1〜5)の合成]
<合成例20>
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、中間体(アルキド1を27部)及び反応溶剤(ミネラルスピリットを5部)を入れ、加熱撹拌し、110℃に達してから、樹脂原料(メチルメタクリレートを7部、n−ブチルメタクリレートを5部、i−ブチルメタクリレートを9部、t−ブチルメタクリレートを5部、2−エチルヘキシリアクリレートを5部)及び反応開始剤(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを3部)を予め混合した混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃を保持したまま、後添加開始剤(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを1部)及び後添加希釈溶剤(ミネラルスピリットを3部)を予め混合した混合物を1時間かけて滴下した。さらに110℃で2時間撹拌を続けた後、冷却した。このものに希釈溶剤(ミネラルスピリットを28部)を加えて攪拌し、粘度31ST、加熱残分55%、重量平均分子量8,200の変性1を得た。
<合成例21〜24>
合成例20と同様の方法を用い、下記表4に示した配合にて反応を行い、目的とする変性2〜5を得た。
Figure 0006023774
[非水ディスパージョンアクリル変性アルキド樹脂(変性NAD1〜8)の合成]
<合成例25>
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応容器に、中間体(アルキド1を26部)及び反応溶剤(ミネラルスピリットを5部)を入れ、加熱撹拌し、110℃に達してから、樹脂原料(メチルメタクリレートを8部、n−ブチルメタクリレートを5部、i−ブチルメタクリレートを9部、2−エチルヘキシリアクリレートを5部、アクリル酸を1部、ヒドロキシエチルアクリレートを2部)及び反応開始剤(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを3部)を予め混合した混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃を保持したまま、後添加開始剤(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを1部)及び後添加希釈溶剤(ミネラルスピリットを3部)を予め混合した混合物を1時間かけて滴下した。さらに110℃で2時間撹拌を続けた後、冷却した。このものに希釈溶剤(ミネラルスピリットを27部)を加えて攪拌し、粘度18ST、加熱残分55%、重量平均分子量8,800の変性NAD1を得た。
<合成例26〜32>
合成例25と同様の方法を用い、下記表5に示した配合にて反応を行い、目的とする変性NAD2〜8を得た。なお、合成例32の変性NAD8については、GPC測定の際に樹脂が展開溶媒であるTHFに完全に溶解しなかったため、重量平均分子量が測定不能となった。
Figure 0006023774
次に、本発明の塗料組成物の製造例(実施例)及び比較製造例(比較例)を示す。
<製造例1>
上記合成例2で得られたアルキド樹脂(アルキド2)11部、上記合成例8で得られたアクリル樹脂(アクリル2)26部、着色顔料として酸化チタン15部、体質顔料として沈降性硫酸バリウム6.4部及びタルク7部、リン酸系防錆顔料であるトリポリリン酸二水素アルミニウム4.8部、ホウ酸系防錆顔料であるメタホウ酸バリウム4.8部、ダレ止め剤(楠本化成社製:6820−20M)5部、溶剤としてミネラルスピリット13部を予め混合した後に、ボールミルにて60分間分散処理した。この分散処理後の混合物に、ディスパー(塗料攪拌機)にて攪拌しながら、ドライヤーとしてオクチル酸コバルト0.1部及びオクチル酸バリウム0.2部、消泡剤(サンノプコ社製:ダッポーSN351)0.2部、皮張り防止剤(宇部興産社製:MEKオキシム)0.1部、シランカップリング剤(テトラエトキシシラン)0.5部を加えて本発明の実施例に係る亜鉛めっき鋼材用塗料組成物を得た。
<製造例2〜56>
上記製造例1と同様の方法を用い、下記表6〜12に示した配合にて本発明の実施例に係る亜鉛めっき鋼材用塗料組成物を得た。ここで、表6〜12中、アルキド樹脂とアクリル樹脂の樹脂配合割合は、塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分との固形分質量比を示すものである。その際、アクリル変性アルキド樹脂の場合には、上記変性1〜5や変性NAD1〜8の合成例において、未反応の樹脂を分離するような操作をしていないことから、アクリル変性に使用したアクリル単量体の仕込み量を用いて「樹脂配合割合」を算出(すなわち「アクリル単量体の合計量=(a1)アクリル樹脂成分」)している。また、NAD樹脂配合割合は、塗膜形成樹脂(A)における非水ディスパージョン樹脂の割合(質量%)を示すものであり、防錆顔料の配合量は、塗料組成物から溶剤を除いた固形分中の割合(質量%)を示すものである。更に、塗膜形成樹脂の重量平均分子量は、塗料組成物における樹脂成分の重量平均分子量(Mw)を配合割合に応じて加重平均したものである。なお、下記の比較製造例を含めて、リン酸系防錆顔料としてはトリポリリン酸二水素アルミニウムを使用し、ホウ酸系防錆顔料としてはメタホウ酸バリウムを使用し、モリブデン酸系防錆顔料としてはリンモリブデン酸アルミニウムを使用し、バナジン酸系防錆顔料としては五酸化バナジウムを使用した。
Figure 0006023774
Figure 0006023774
Figure 0006023774
Figure 0006023774
Figure 0006023774
Figure 0006023774
Figure 0006023774
上記の製造例1〜56で得られた塗料組成物について、次のようにして試験板を作製し、下記の方法及び基準で塗料組成物の各評価(耐食性、耐水性、付着性、及び耐候性)を行った。結果を表6〜12に併せて示す。
[試験板の作製]
3.2mm×70mm×150mmの溶融亜鉛めっき鋼板の表面を研磨紙(#280)で研磨した後、キシレンにて脱脂した。次いで、この鋼板上に製造例1〜56で得られた塗料組成物を乾燥膜厚が60μmとなるように刷毛塗り塗装し、常温(23℃)で1週間乾燥させ、試験板を得た。
[耐食性]
JIS K 5600-7-9 複合サイクル防食性試験、サイクルAに200サイクル供した後、クロスカット部にカッターナイフを入れ、密着力が低下した塗膜部分をはつり、その最大ハツリ幅を調べて、以下の基準により評価を行った。
◎:最大ハツリ幅がクロスカット部から片側2mm未満
〇:最大ハツリ幅がクロスカット部から片側2〜4mm
△:最大ハツリ幅がクロスカット部から片側4〜5mm
×:最大ハツリ幅がクロスカット部から片側5mmを超える。
[耐水性]
23℃水道水に48時間浸漬させた後、JIS K 5600-5-6 クロスカット法に基づき、素地からのはく離に対する塗膜の耐性を試験し、以下の基準により評価を行った。なお、カットの間隔は、5mm(9マス)、試験は取り出し2時間後に実施した。
◎:分類0または1(はがれ面積 5%未満)
〇:分類2(はがれ面積 5〜15%)
△:分類3(はがれ面積 15〜35%)
×:分類4および5(35%以上のはがれ)
[付着性]
JIS K 5600-5-7 プルオフ法に基づき、溶融亜鉛めっき鋼板と塗膜との付着強さを測定し、以下の基準により評価を行った。
◎:付着強度が3.5MPa以上
〇:付着強度が2.5MPa以上、3.5MPa未満
△:付着強度が2.0MPa以上、2.5MPa未満
×:付着強度が2MPa未満
[耐候性]
サンシャインカーボンアーク灯式の促進耐候性試験に2000時間供した後、分光色彩計を用いて試験板の塗膜表面の色調を測定し、促進耐候性試験前の塗膜表面の色調との差(色差ΔE)を求めて、以下の基準により評価を行った。
◎:ΔE<5
○:8>△E≧5
△:15>△E≧8
×:ΔE≧15、或いは塗膜外観に膨れ等の欠陥が生じた場合。
表6〜12に示したように、本発明の実施例に係る塗料組成物は、いずれも耐食性、耐水性、付着性、及び耐候性に優れた塗膜が得られることが判明した。
また、上記の製造例1〜56で得られた塗料組成物について、以下の方法にて貯蔵安定性の評価を行った。JIS K 5600-2-2記載のストーマー粘度計を用い、50℃恒温槽に2週間貯蔵前後の塗料組成物の23±0.5℃の粘度を計測し、以下の基準により評価を行った。結果を表6〜12に併せて示す。
○:粘度上昇率が15%未満
△:粘度上昇率が15%以上、20%未満
×:粘度上昇率が20%以上、或いは塗料の一部または全体がゲル状態に変化
<比較製造例1〜11>
上記製造例1と同様の方法を用い、下記表13に示した配合にて比較製造例1〜11(比較例1〜11)の塗料組成物を得た。そして、上記実施例と同様にして試験板を作製し、塗料組成物の耐食性、耐水性、付着性、及び耐候性の評価を行った。結果を表13に示す。いずれも本発明の条件を満たさない比較製造例の塗料組成物は、耐食性、耐水性、付着性、及び耐候性の全てを同時に満足する塗膜を得ることはできなかった。
Figure 0006023774
したがって、本発明によれば、亜鉛めっき鋼材への付着性に優れると共に、耐候性及び防錆性に優れた防錆塗膜を形成し得る1コート仕上げ可能な一液型の塗料組成物を得ることができる。

Claims (7)

  1. 亜鉛めっき処理された鋼材の表面を塗装するための塗料組成物であって、(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分とを有する塗膜形成樹脂(A)、及び防錆顔料(B)を含有し、塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分と(a2)アルキド樹脂成分との固形分質量比(a1):(a2)が50:50〜80:20であると共に、塗膜形成樹脂(A)の重量平均分子量が10,000以上であり、また、防錆顔料の配合割合が、塗料組成物の固形分中1〜30質量%であることを特徴とする亜鉛めっき鋼材用塗料組成物。
  2. 塗膜形成樹脂(A)の配合割合が、塗料組成物の固形分中20〜50質量%である請求項1に記載の亜鉛めっき鋼材用塗料組成物。
  3. 塗膜形成樹脂(A)における(a1)アクリル樹脂成分がアクリル樹脂であると共に、(a2)アルキド樹脂成分がアルキド樹脂である請求項1又は2に記載の亜鉛めっき鋼材用塗料組成物。
  4. 塗膜形成樹脂(A)が、(a2)アルキド樹脂成分であるアルキド樹脂を(a1)アクリル樹脂成分を形成するアクリル単量体で変性したアクリル変性アルキド樹脂である請求項1又は2に記載の亜鉛めっき鋼材用塗料組成物。
  5. 塗膜形成樹脂(A)の20質量%以上が非水ディスパージョン樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載の亜鉛めっき鋼材用塗料組成物。
  6. 防錆顔料(B)が、リン酸系防錆顔料、ホウ酸系防錆顔料、モリブデン酸系防錆顔料、及びバナジン酸系防錆顔料からなる群より選ばれたいずれか1種又は2種以上の組み合わせからなる請求項1〜5のいずれかに記載の亜鉛めっき鋼材用塗料組成物。
  7. 亜鉛めっき処理された鋼材の表面を塗料組成物で塗装する方法であって、請求項1〜6のいずれかに記載の塗料組成物を用いて、1コートで塗装することを特徴とする亜鉛めっき鋼材の塗装方法。
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