JPH04359970A - 水性速乾性プライマー組成物 - Google Patents

水性速乾性プライマー組成物

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JPH04359970A
JPH04359970A JP16366291A JP16366291A JPH04359970A JP H04359970 A JPH04359970 A JP H04359970A JP 16366291 A JP16366291 A JP 16366291A JP 16366291 A JP16366291 A JP 16366291A JP H04359970 A JPH04359970 A JP H04359970A
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JP
Japan
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weight
parts
water
resin
acid
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Withdrawn
Application number
JP16366291A
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English (en)
Inventor
Hatsuo Inagaki
稲垣 波津生
Keiji Yamauchi
山内 恵司
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性速乾性プライマー
組成物に係り、詳しくは建築資材用途等に使用される軽
量形鋼やデッキプレート等の防錆用として用いられる水
溶性でかつ、速乾性を有するプライマーの組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建築資材用途に使用される鋼材は、従来
においては、無塗装のまま現場に運ばれ、そこで組立て
られ、そして防錆プライマーが塗装される場合もあった
。しかしながら、最近では、工期及び品質等の問題から
、現場に運搬されて組み立てられる前に予め工場でプラ
イマーを塗装する場合が多くなってきている。特に軽量
形鋼やデッキプレートについては、工場で塗装され、そ
の後数組に結束されて現場に運ばれ、そこで組立てる場
合がほとんどである。このプライマーに対しては速乾性
であって速やかに塗膜硬度が発現することが要求されて
おり、この用途には例えばJIS  K5535に規定
されているラッカープライマーが使用される場合が多い
。この塗料は金属地膚塗りに適した塗料であり、ニトロ
セルロースを主な塗膜形成要素とし、自然乾燥で短時間
に塗膜を形成するように設計されており、ニトロセルロ
ースの他に樹脂、可塑剤等を溶剤に溶解して作ったビヒ
クルに顔料を分散して調整されるものである。このラッ
カープライマーは、乾燥時間(h)が2以内とその品質
が規定されているように、速乾性という点では良好な性
能を有するものの、加熱残分(%)については、それが
JIS規格では35以上と規定されているものの実際の
塗料設計上は最大でも約40程度までが限度である。 更に塗料を使用する際にはスプレーガンを使用し、この
場合JIS  K5400  3・4(3)によって流
下時間が15〜20秒の範囲に入るようにシンナーで希
釈して使用することが必要であり、吹付時の塗料固型分
は実質上20%以下となってしまう。つまり多くの有機
溶剤を使用する必要がある。
【0003】また平成2年5月からは、改正された消防
法が、施行されている。特に塗料については、従前は自
治省令別表第一に基づいて危険物ランクの判定を行えば
よかったが、この制度が廃止となり、塗料個々の引火点
等を測定することによって得られる危険性確認試験結果
に基づいて危険物ランクの判定を行う必要がある。そこ
で、上記の判定手段の強化に伴い、引火点の低い溶剤を
多く含有する塗料は、その貯蔵量等がこれ迄以上に制限
されることとなり、従って工場作業等の円滑な実施に支
障を来たさない程度に相当量の塗料の貯蔵が可能となる
ような、安全性の高い塗料に対する要望が増えつつある
。一方、さび止め塗料については、JIS  K562
1〜5629で規定されており、その中でまた大きく1
種及び2種に分けられている。1種はボイル油をビヒク
ルとしたものと規定され、また2種はワニスをビヒクル
としたものと規定されており、乾燥時間(h)は1種が
20〜24以内で、2種が10〜16以内と規定されて
いる。ところで、一般に、さび止め効果と乾燥時間とは
相反する性質のものとされており、金属素地の状態及び
処理にもよることも多いが、1種の方が2種に比較して
さびを防止する性能が大きい。
【0004】更に、これらのさび止め塗料には、鉛丹P
b3 O4、亜酸化鉛Pb2 O、塩基性クロム酸鉛m
PbO・nPbCrO4 、シアナミド鉛PbCN2 
、亜鉛末Zn、ジンククロメートK2 ・4ZnO・4
CrO3 ・3H2 O又はZnCrO4 ・4Zn(
OH)2 、鉛酸カルシウムCa2 PbO4 の鉛又
はクロムを含む金属顔料を防錆顔料として含み、これら
の物質は毒物及び劇物取締法で規制されているものが多
い。そこで、これらの代替として各種の無公害防錆顔料
が開発され、特開昭64−38482号公報や特開昭6
4−40563号公報等ではオルトリン酸アルミニウム
・メタリン酸アルミニウムを防錆顔料として含有する防
錆塗料組成物が提案されている。しかし、いずれも防錆
効果は有しているものの、鉛、クロムを含有する塗料と
比較すると決して十分とは言えないものであった。
【0005】更に近年、無公害及び省資源、更に前記の
安全性等の社会的要求から、水系塗料の開発に力が注が
れている。その1つの手段としてエマルションタイプの
塗料があり、特にアクリル樹脂のエマルションではその
モノマー組成からガラス転移点(Tg)を自由に設計で
き、分子量も大きいので塗膜硬度が大きく、乾燥性は比
較的優れてはいるものの、造膜性が悪く一般に耐水性、
耐食性が劣るという欠点を有している。更にJIS  
K5621  5・9法に定められているように付着安
定性即ち、さび止め塗料の上にJIS  K5516合
成樹脂調合ペイントを上塗し試験したときにはがれを生
じないという試験に合格するのは必難と言える。
【0006】また、別の手段としてポリマー中にカルボ
キシル基(−COOH)を含有させ、これをアンモニア
又はアミン等で中和して水可溶性にする方法がある。ポ
リマーとしては、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂等が考えられる。この様にして得られ
た樹脂は、カルボキシル基の数を多くし中和するアンモ
ニアやアミンの量が多くなるように設計することにより
水溶解性を増大させることができるが、逆に初期の耐水
性が悪くなるという欠点を有し、また、耐水性を良くす
るためにカルボキシル基の数を減少し、中和するアンモ
ニアやアミン量を少なくすると、耐水性は増大するもの
の、水溶解性が低下するという、互いに相反する性質が
ある。特に、常温乾燥型塗料においては、塗装後、乾燥
まで時間がかかり、初期耐水性において劣るというのが
通常である。かかる観点から本発明者らは、特願平2−
76636号において、既に特定の水分散型アルキド樹
脂と無公害防錆顔料酸化モリブテンとを組合せた水性速
乾性プライマー組成物を提案している。ところが、この
組成物は、防錆性及び乾燥点という点においては優れて
いるものの、工場において塗装後数分で被塗物を結束し
、積重ねた場合、塗膜に傷がつき易いという問題点を残
していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた如く、無公
害顔料を使用し、付着安定性と防錆力に優れ、かつ速乾
性であり、水溶性でかつ塗膜硬度が早期に発現するプラ
イマーについては各種の試みがなされているものの、未
だ満足する組成は提案されていない。従って、本発明の
目的は、速乾性であって、優れた付着安定性や防錆性能
を有し、しかも、水溶性である無公害なプライマー組成
物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の
水分散型アルキド樹脂と、特定のアクリルエマルション
樹脂をビヒクルとし、酸化モリブテンを含む防錆顔料を
使用することにより、これらの課題を解決し得ることを
見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、ビヒクル
及び顔料を主成分とする水性プライマー組成物において
ビヒクルとして(a)脂肪酸又はそのトリグリセライド
で変性されており、その変性量が20〜50重量%であ
り、更に3価アルコールとしてトリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレート及び/又はトリス(ヒドロキ
シメチル)イソシアヌレートが10〜50重量%使用さ
れ、その酸価が30以下のアルキド樹脂中のカルボキシ
ル基の少なくとも一部を中和して得られる水分散型樹脂
及び(b)アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
、アクリル酸、メタクリル酸又はスチレンの1種以上を
成分とする重合性ビニルモノマーを重合開始剤の存在下
で共重合して得られるTg点25℃〜60℃のエマルシ
ョン樹脂を使用しその配合量が(a)100重量部(固
形分)に対して(b)20〜50重量部であり、更に防
錆顔料が一般式xABOm ・yMoO3 ・ZH2 
O又はxAx By OZ ・yMoO3 ・ZP2 
O5 (但し、A≠Bであり、且つA及びBはCa、A
l又はZnを示し、m、x、y及びZは1、2又は3で
ある)で表される顔料を塗料固形分中に1〜30重量部
含有せしめられていることを特徴とする水性速乾性プラ
イマー組成物である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
水性速乾性プライマー組成物は、ビヒクルとして特定の
物質で変性された水分散型アルキド樹脂と特定のTg点
を有するエマルション樹脂とを使用することに最大の特
徴を有する。先ず、本発明においてビヒクルの(a)成
分として用いられる水分散型アルキド樹脂は、多塩基酸
と多価アルコールとを縮合させて得られる一種のポリエ
ステル樹脂であり、更に多塩基礎の一部を植物油等から
得られる樹脂酸又は、その多価アルコールの一部を脂肪
酸のトリグリセライドである油と他のアルコールとのエ
ステル交換反応から得られた多価アルコールで変性して
得られる樹脂である。そして水酸基数とカルボキシル基
数の比が1.0/1〜1.6/1となるように配合し、
縮合反応させて得られた酸価が30以下の樹脂中のカル
ボキシル基の少なくとも一部を中和して得られる中和樹
脂を水に分散して得られるものである。この発明におい
て、使用される水分散型アルキド樹脂は、不飽和基、即
ち、空気乾燥性を有する油脂あるいはそれらより分離さ
れた脂肪酸で変性されたもので、その変性量が20〜5
0重量%、好ましくは30〜40重量%のものである。 この目的で使用される油脂あるいは脂肪酸としては、不
飽和基を有する従来公知の種々の油脂あるいは脂肪酸を
使用できるが、好ましくは大豆油、アマニ油、サフラワ
ー油、脱水ヒマシ油あるいはこれらの油脂から分離され
た脂肪酸が挙げられる。また、このアルキドに使用され
る脂肪酸はそのトリグリセライドでもよい。その理由は
、油を原材料としてアルキド樹脂を合成する場合には、
先ず油、即ち、脂肪酸のトリグリセライドと多価アルコ
ールとをリサージ等の触媒を用いてエステル交換反応を
させた後、その他の多塩基酸や多価アルコールをそれに
添加して合成することも可能であるからである。更に、
上記変性量については、それが20重量%より少ないと
指触乾燥は速いが、空気乾燥後の最終硬度が不十分とな
り、反対に50重量%より多いと指触乾燥が遅くなり耐
積重ね性が不十分となる。
【0009】アルキド樹脂中のその他の多塩基酸として
は、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメ
チレンテトラヒドロ無水フタル酸、マレイン酸、フマル
酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、無水トリメ
リット酸等が塗膜性能の見地より選択使用できる。
【0010】次に、本発明においてそのアルキド樹脂を
製造する際の多価アルコール成分としては、3価アルコ
ールであるトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート及び/又はトリス(ヒドロキシメチル)イソシア
ヌレートを10〜50重量%使用することが必須であり
、10重量%未満では硬度の立ち上がりと乾燥性が不十
分であり、また50重量%を超えるとゲル化し易くなる
と共に、未反応物ができる。アルキド樹脂中のその他の
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメ
チルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
、ジペンタエリスリトール等が塗膜性能の見地より選択
使用できる。
【0011】またこのアルキド製造方法としては、水酸
基数/カルボキシル基数の比が1.0/1〜1.6/1
になるように、更に好ましくは1.0/1〜1.4/1
になるように配合し、窒素気流中で200〜250℃で
、酸価30以下まで反応させる。酸価30超では耐水性
、耐アルカリ性が不十分となる。そして、上記アルキド
樹脂中のカルボキシル基の一部又は全部を中和する。 その程度としてはてpH6以上が好ましい。中和剤とし
ては、アンモニア、トリエチルアミン、ジメチルアミノ
エタノール、モルホリン、2−アミノ−2−メチルプロ
パノール等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物、重炭酸ソーダ等の重
炭酸塩等がある。また、上記アルキド樹脂を中和し水分
散化する前に、水に可溶である溶剤を添加することは、
分散性を良くする上で更に好ましい。このような溶剤と
して、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、3−メチル−3−メトキシブタノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert
−ブタノール等のアルコール類や、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリ
コールモノアルキルエーテル類や、ジエチレングリコー
ルモノメチルエータル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエ
チレングリコールモノアルキルエーテル等がある。
【0012】次にビヒクルの(b)成分として用いるエ
マション樹脂であるが、モノマーとしてアクリル酸また
メタクリル酸またアクリル酸エステル例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリルブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル等があり、ま
たメタクリル酸エステル例えばメチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i
−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタア
クリルアミド等があり、その他エチレン等不飽和基を有
するモノマーの中からTg点等を考慮して選択すること
ができる。本発明においては、耐傷つき性の点において
Tg点は25〜60℃のエマルション樹脂がよく、特に
好ましくは30〜50℃である。
【0013】次にこれらのモノマーを用いてエマルショ
ンを合成する方法であるが、重合開始剤としては、通常
の乳化重合で用いられているものが使用でき、これらと
しては過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビ
スイソブチロニトリルおよびその塩酸塩があげられ、ま
たt−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロ
パ−オキサイド等の有機過酸化物も必要に応じて使用で
き、更にこれら過硫酸塩または過酸化物と鉄イオンなど
の金属イオン及びナトリウムスルホオキシレートホルム
アルデヒド、ピロ亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸な
どの還元剤を組合せて用いる公知のレドックス系開始剤
も用いることができる。また製造時に用いる乳化剤とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキ
ルフェニルポリオキシエチレンサルフェートナトリウム
などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン・ポ
リオキシプロピレンブロック共重合体などのノニオン性
界面活性剤など通常の乳化重合に用いられているものを
あげることができる。これらの界面活性剤は、重合性ビ
ニルモノマーに対して0.5〜3重量%(固形分)で使
用することが好ましい。界面活性剤の量が0.5重量%
より少ないと安定性に欠ける結果となり、3重量%超で
は耐水性の低下をもたらす。乳化重合時の濃度は最終エ
マルションの濃度が30〜60重量%になるようにする
のが好ましく、重合性ビニルモノマー及びラジカル生成
開始剤は一括仕込み、連続滴下法、分割添加法など公知
のいずれの方法も用いることができるモノマー中に界面
活性剤を加えてモノマーエマルションを開始剤の存在下
に水中に滴下する方法がより好ましい。乳化重合の温度
も、公知の乳化重合が行われる範囲でよく常圧下で行う
ことができる。
【0014】また、ビヒクルとして用いられる水分散型
樹脂(a)成分に対して用いられるエマルション樹脂成
分(b)の量であるが(a)成分100重量部(固形分
)に対して(b)成分は20〜50重量部が好ましく、
中でも25〜35重量部が特に好ましい、25重量部よ
り少ないと、塗膜硬度の初期立上がり性に欠け、また5
0重量部よりも多いと耐水性及び上塗りとの付着安定性
に劣る結果となる。次に本発明で使用される防錆顔料で
あるが、酸化モリブデンを含む顔料が使用され、一般式
xABOm ・yMoO3 ・ZH2 O又はXAx 
By Oz ・yMoO3・ZP2 O5 (但し、A
≠Bであり、且つA及びBはCa、Al又はZnを示し
、m、x、y及びZは1、2又は3である)で表わされ
るモリブデン酸塩系の防錆顔料が使用される。これらの
防錆顔料は、無公害であり、アルカリ環境下で浸透して
くる水分によってイオンが金属表面に運ばれ、その表面
で各種のモリブデン酸の錯化合物や縮合イオンを含む不
動態化膜を形成し、錆の発生を防ぐものと考えられる。 更に大きな利点としては、この様な防錆顔料を含む塗膜
は、傷ついた個所から錆が発生するのを防止する効果が
大きく、その周辺部のブリスターの発生を極力抑え、耐
水性、耐薬品性等についてもクロメート系や鉛系のもの
よりも優れている。また本発明において防錆顔料は塗料
固形分中に1〜30重量部、好ましくは15〜25重量
部である。この防錆顔料の配合割合が1重量部未満では
防錆性に劣り、また30重量部超では耐水性が劣る結果
となる。
【0015】本発明の水性速乾性プライマー組成物は、
必要に応じて着色顔料、例えば二酸化チタン、カーボン
ブラック、酸化鉄や、更には塗膜の補強効果を与える目
的でその他の顔料、例えば硫酸バリウム、含水硅酸マグ
ネシウム、硅酸アルミニウム、炭酸カルシウム等を単独
で若しくは2種以上併用して使用してもよい。また、ア
ルキド樹脂成分の不飽和成分を硬化する目的で、乾燥剤
である金属塩、例えばナフテン酸マンガン、ナフテン酸
コバルト、ナフテン酸鉛等を単独で又は2種以上で併用
して使用してもよい。更に、その他の添加剤として、例
えば顔料分散剤、沈殿防止剤、レベリング剤、消泡剤等
を配合することもできる。また、本発明の水性速乾性プ
ライマー組成物は、その蒸発速度を考慮して、水に可溶
な溶剤、例えばアルコール、エチレングリコールモノア
ルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエ
ーテル等や水の1種又は2種以上を併用し、ビヒクルで
ある(a)及び(b)に防錆顔料を必要により顔料等の
その他の添加剤を加え、サンドグラインダーミルやアト
ライター等で混練することにより、容易に製造すること
ができる。以上のようにして得られた組成物は、速乾性
で耐積重ね性、付着性、防錆性に優れており、スプレー
作業性等の塗装性も良好である。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を更に詳細に説明する。 水溶性樹脂の調製 製造例−1 撹拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入装置付き反応
器に大豆油脂肪酸(日清製油(株)製)305重量部、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(四
国化成工業(株)製)278重量部、トリメチロールエ
タン80重量部、ネオベンチルグリコール12重量部、
イソフタル酸277重量部、ポリエチレングリコール(
分子量5,000)45重量部を仕込み、窒素気流中、
反応水を系外に除去しながら反応を行った結果、酸価1
5の樹脂を得た。このようにして得られた樹脂100重
量部に対して、エチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル30重量部さらにトリエチルアミン1.4重量部
を加え、50〜60℃で水を119重量部加え、加熱残
分が40%で粘度55ポアズ/25℃の水分散型アルキ
ド樹脂を得た。この樹脂は脂肪酸で変性されており、そ
の変性量は32.1重量%であり、また、トリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが27.8重量%
使用されており、数平均分子量Mnは2,550であっ
た。得られた樹脂を水分散型アルキド樹脂Aとした。
【0017】
【製造例−2】攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導
入装置付き反応器に脱水ヒマシ油(伊藤製油(株)製)
281重量部、トリメチロールエタン118重量部、エ
ステル交換反応用触媒として水酸化リチウム、一水和物
0.02重量部加え、窒素気流中240℃にて2時間エ
ステル交換を行った後、更にトリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレート(四国化成工業(株)製)13
6重量部、シクロヘキサンジメタノール81重量部、イ
ソフタル酸321重量部、ポリエチレングリコール(分
子量2,000)63重量部を仕込み、反応水を系外に
除去しながら230℃で反応を行った結果、酸価13の
樹脂を得た。このようにして得られた樹脂100重量部
に対して、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル30重量部さらにトリエチルアミン1.4重量部を加
え、50〜60℃で水を119重量部加え、加熱残分が
40%で粘度110ポアズ/25℃の水分散型アルキド
樹脂を得た。この樹脂は脂肪酸のトリグリセライドで変
性されており、その変性量は29.1%であり、またト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート13.
6重量%使用されており、数平均分子量Mnは2,88
0であった。得られた樹脂を水分散型アルキド樹脂Bと
した。
【0018】
【製造例−3】攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導
入装置付反応器に水488重量部、アルキルジフェニル
エーテルジ硫酸ナトリウム塩(日本乳化剤(株)製商品
名:ニューコール271A)8重量部、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製商
品名:ニューコール806)3重量部を仕込んだ後、窒
素気流中、78℃に加熱した。その後過硫酸ナトリウム
2重量部を添加後、これにメチルメタクリレート105
重量部、スチレン100重量部、ブチルアクリレート1
11重量部、メタクリル酸20重量部からなる重合性ビ
ニルモノマーを3時間にわたってこの中に均一に滴下し
た。この間温度は78〜80℃に保った。滴下終了後1
5分間更に78〜80℃に温度を保った後、メチルメタ
アクリレート65重量部、ブチルアクリレート35重量
部、スチレン14重量部からなる重合性モノマーを45
分間にわたってこの中に均一に滴下した。滴下終了後、
水10重量部、過硫酸ナトリウム0.3重量部、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル(前記)を加え
、更に80℃で1時間保持させた。冷却後、アンモニア
水(28%)を3重量部加えて中和した。固形分45重
量%、粘度400cps/25℃pH=8.2のエマル
ション樹脂を得た。この樹脂は、示差走査熱量計(DS
C)による原点測定結果は35℃であった。得られた樹
脂をエマルション樹脂Cとした。
【0019】
【製造例−4】攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導
入装置付き反応器に水300重量部を仕込んだ後、窒素
気流中80℃に加熱した。その後、過硫酸ナトリウム5
重量部を添加後、水220重量部にポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテルサルフェートのNa塩(日本乳
化剤(株)製商品名:ニューコール560SN)と7.
5重量部加え、更にメチルメタクリレート225重量部
、ブチルアクリレート125重量部、スチレン90重量
部、アクリル酸10重量部を加えて撹拌し作成したモノ
マーエマルションを内温80〜85℃に保ちながら3時
間にわたってこの中に均一に滴下した。滴下終了後、更
に80℃に1時間保持させた。冷却後、アンモニア水(
28%)を2重量部加えて中和した。固形分45重量%
、粘度350cps/25℃、pH=8.3のエマルシ
ョン樹脂を得た。この樹脂はDSCによるTg点、測定
結果は40℃であった。得られた樹脂をエマルション樹
脂Dとした。
【0020】
【製造例−5】(本発明とは異なる水分散型アルキド樹
脂) 製造例−1と同様の装置に大豆油脂肪酸(日清製油(株
)製)336重量部、トリメチロールエタン167重量
部、ペンタエリスリトール82重量部、無水フタル酸3
58重量部、ポリエチレングリコール(分子量2,00
0)57重量部で仕込み、反応水を系外に除去しながら
230℃で反応を行った結果、酸価15の樹脂を得た。 このようにして得られた樹脂100重量部に対して、エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテル30重量部
、さらにトリエチルアミン1.4重量部を加え、50〜
60℃で水を110重量部加え、加熱残分が40%で粘
度80ポアズ/25℃の水分散型アルキド樹脂を得た。 得られた樹脂を水分散型アルキド樹脂Eとした。
【0021】
【製造例−6】(本発明とは異なる水可溶型アルキド樹
脂) 製造例−1と同様の装置に大豆油脂肪酸(日清製油(株
)製)282重量部、トリメチロールプロパン283重
量部、イソフタル酸253重量部、安息香酸123重量
部を仕込み、反応水を系外に除去しながら反応を行い、
酸価6まで反応させ、さらにこれに無水トリメリット酸
を59重量部加えて190℃で反応を行った結果、酸価
40の樹脂を得た。このようにして得られた樹脂100
重量部に対して、エチレングリコールモノイソプロピル
エーテル30重量部を加えてから、室温まで冷却後、こ
れにアンモニア水(28%)を5.2重量部加えて中和
後、水114重量部を加え、加熱残分が40%で粘度6
0ポアズ/25℃の水可溶型アルキド樹脂を得た。得ら
れた樹脂を水可溶型アルキド樹脂Fとした。
【0022】
【製造例−7】(本発明とは異なるエマルション樹脂)
製造例−4と同様の装置に水300重量部を仕込んだ後
、窒素気流中80℃に加熱した。その後、過硫酸ナトリ
ウム5重量部を添加後、水220重量部にポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルサルフェートのNa塩(
日本乳化剤(株)製商品名:ニューコール560SN)
を7.5重量部加え、更にメチルメタクリレート225
重量部、2エチルヘキシルアクリレート125重量部、
スチレン90重量部、アクリル酸10重量部を加えて撹
拌したモノマーエマルションを内温80〜85℃に保ち
ながら3時間にわたってこの中に均一に滴下した。 滴下終了後、更に80℃に1時間保持させた。冷却後ア
ンモニア水(25%)を2重量部加えて中和した。固形
分45重量%、粘度330cps/25℃、pH=8.
3のエマルション樹脂を得た。この樹脂は、DSCによ
るTg点測定結果は21℃であった。得られたエマルシ
ョン樹脂をエマルション樹脂Gとした。
【0023】防錆顔料 リンモリブデン酸アルミニウムとして菊池色素工業(株
)製のPM−303W(組成:Al2 O3 ・MoO
3 −P2 O5 、水溶分:0.2%、吸油量:35
、pH:6.8、SG:3.0)をまたモリブデン酸カ
ルシウムとして、菊池色素工業(株)製のMC−100
WR(組成:CaO・MoO3 ・H2 O、水溶分:
0.4%、吸油量:30、pH:8.7、SG:3.2
)を使用した。また他の防錆顔料としてはストロンチウ
ムクロメート(菊池色素工業(株)製、組成:SrCr
O4 )及び塩基性硅クロム酸鉛(菊池色素工業(株)
製S−100、組成:mPbO・nPbCrO4 ・S
iO2 )をそれぞれ使用した。
【0024】
【実施例1〜4及び比較例1〜8】 塗料の調整 表1に示す組合せで配合し、公知の攪拌機で充分撹拌し
た後、卓上サンドミル(カンペハピオ(株)製)を用い
て分散処理した。分散の程度はJIS  K5400 
 4・4で定められたつぶゲージを用い、その読みが2
0以下になるまで行った。
【0025】
【表1】
【0026】試験片の調整 上記各実施例及び比較例で作成した塗料を板厚1mmの
銅板に膜厚25±3μmとなるようにスプレー塗装し、
試験片とした。
【0027】塗膜試験方法 (a)乾燥時間……JIS  K5400  5・8法
に基づいて試験を行い、指触乾燥
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、水性でかつ速乾性で無
公害なプライマー組成物を提供することができ、その実
用上の効果は極めて顕著である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】    ビヒクル及び顔料を主成分とする
    水性プライマー組成物においてビヒクルとして、(a)
    脂肪酸又はそのトリグリセライドで変性されており、そ
    の変性量が20〜50重量%であり、更に3価アルコー
    ルとしてトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
    ートが及び/又はトリス(ヒドロキシメチル)イソシア
    ヌレートが10〜50重量%使用され、その酸価が30
    以下のアルキド樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一
    部を中和して得られる水分散型樹脂及び(b)アクリル
    酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタ
    クリル酸又はスチレンの1種以上を成分とする重合性ビ
    ニルモノマーを重合開始剤の存在下で共重合して得られ
    るTg点25℃〜60℃のエマルション樹脂を使用し、
    その配合量が(a)100重量部(固形分)に対して(
    b)20〜50重量部であり、更に、防錆顔料が一般式
    xABOm ・yMoO3 ・ZH2 O又はxAx 
    By Oz ・yMoO3 ・ZP2 O5 (但し、
    A≠Bであり、且つA及びBはCa、Al又はZnを示
    し、m、x、y及びZは1、2又は3である)で表され
    る顔料を塗料固形分中に1〜30重量部含有せしめられ
    ていることを特徴とする水性速乾性プライマー組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104059512A (zh) * 2014-05-28 2014-09-24 安徽日昇木竹制品有限公司 一种环保型木蜡油
CN104312364A (zh) * 2013-11-14 2015-01-28 青岛伊森化学有限公司 一种防锈油漆及其制备方法
CN105273117A (zh) * 2015-10-17 2016-01-27 佛山市顺德区巴德富实业有限公司 一种防闪锈的苯丙乳液及其制备方法
CN110358400A (zh) * 2019-07-23 2019-10-22 上海工程技术大学 一种基于单分散聚丙烯酸树脂的水性快干卷钢涂料及其制备方法

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CN110358400B (zh) * 2019-07-23 2021-04-09 上海工程技术大学 一种基于单分散聚丙烯酸树脂的水性快干卷钢涂料及其制备方法

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