JP4410470B2 - 下塗上塗兼用常乾型水性塗料 - Google Patents

下塗上塗兼用常乾型水性塗料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に金属面に対して、仕上り外観と防食性に優れた塗膜を1回もしくは2回の塗装工程で形成しうる下塗上塗兼用常乾型水性塗料に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
従来、建築外装、特に金属屋根材等の金属面に対する塗装には、通常、錆止め塗料を塗装後、アルキド樹脂系塗料、アクリルアルキド樹脂系塗料、シリコンアルキド樹脂系塗料などの上塗り塗料が塗装されている(例えば、特許文献1参照)。かかる塗装工程は、通常、錆止め塗料を一回塗装し、次いで上塗り塗料を1回又は2回塗り重ねるものであり、経済性の点からは、塗料の下塗上塗兼用化、塗装工程の短縮が望まれていた。
【0003】
一方、環境保全や作業環境の改善の面から、様々な塗料分野において、有機溶剤系塗料から水系塗料へと移行しつつあり、上記用途に適用する塗料においても水性化の検討が種々行なわれている。
【0004】
しかしながら、これまで上記塗装に使用されてきた水性錆止め塗料は、得られる塗膜の光沢が低く着色に制限があり、またチョーキングを起こし易く、上塗り塗料を塗装する必要があり、一方これまでの水性上塗塗料では、防錆性に劣り、やはり下塗り塗料を塗装する必要があり、このように1種類の塗料を用いて1回又は2回の塗装で、防食性と仕上り外観の両方に優れた塗膜を形成することは困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−293433号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の基体樹脂成分及び顔料分を含む常乾型水性塗料が防食性と仕上り外観の両方に優れた塗膜を形成することを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、
1.水性アルキド樹脂を基体樹脂成分とし、且つ顔料体積濃度でチタン白を10〜20%及びリン酸亜鉛、リン酸カルシウム、及びトリポリリン酸二水素アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の防錆顔料を4〜6%含有し、塗料中の全顔料体積濃度が17〜25%であり、ドライヤーを含有し、さらに沸点250℃以下の有機溶剤量が2%以下で、塗料pHが3.0〜9.0である常乾型水性塗料であって、得られる塗膜の60°グロスが、20℃・60%RHの雰囲気下で乾燥1日後及び乾燥14日後においていずれも70以上であることを特徴とする下塗上塗兼用常乾型水性塗料、
2.水性アルキド樹脂が、油長が5〜80%のアルキド樹脂を水分散化したものであり、最低造膜温度が5℃以下で、そのエマルション粒子の平均粒子径が400nm以下である1項記載の下塗上塗兼用常乾型水性塗料、
3.フラッシュラスト抑止剤を含有する1又は2項記載の下塗上塗兼用常乾型水性塗料、を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において水性アルキド樹脂は、基体樹脂成分として配合されるものであり、ここで「水性」とは、水溶性及び/又は水分散性を意味し、特に水分散タイプが好適である。
【0009】
上記水性アルキド樹脂は、多塩基酸成分、多価アルコール成分及び油脂肪酸がエステル化された樹脂であって、かつ水性で塗膜形成能を有するものであれば特に制限されるものではない。
【0010】
上記多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸;スルホフタル酸、スルホイソフタル酸及びこれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩や低級アルキルエステル化物などが併用される。また酸成分として、安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸を分子量調整などの目的で併用することができる。
【0011】
上記多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール;ポリオキシエチレン基を有する多価アルコールなどを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。また上記酸成分、アルコール成分の一部をジメチロールプロピオン酸、オキシピバリン酸、パラオキシ安息香酸など;これらの酸の低級アルキルエステル;ε−カプロラクトンなどのラクトン類などのオキシ酸成分に置き換えることもできる。
【0012】
上記油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は5〜80%、特に20〜70%程度の範囲内であることが、得られる塗膜の硬化性、強靱性、肉持ち感などの面から好適である。
【0013】
これらの成分のエステル化反応(エステル交換反応も包含する)は、それ自体既知の方法によって行うことができる。
【0014】
また、アルコール成分の一部としてエポキシ化合物を使用してエポキシ化合物を部分エステル化したエポキシ変性アルキド樹脂;アルキド樹脂に無水マレイン酸を導入してなるマレイン化アルキド樹脂;マレイン化アルキド樹脂と水酸基含有アルキド樹脂とを付加してなるグラフト化アルキド樹脂;アルキド樹脂にスチレン、(メタ)アクリル酸エステルなどのビニルモノマーをグラフト重合させたビニル変性アルキド樹脂、等も本発明のアルキド樹脂に包含される。
【0015】
さらに、特開2002−356545号に示すように、資源のリサイクルのために回収されたポリエチレンテレフタレート(例えば、PETボトル)、産業廃棄物ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸を主原料とするポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル製品(フィルム、繊維、自動車部品、電子部品など)の製造に際して発生する屑などから再生されたテレフタル酸を主原料とするポリエステル樹脂(以下、「再生PES」と略す)を利用して、上述のアルコール成分と多塩基酸成分との混合物中に、この再生PESを溶解させ、解重合するとともに、エステル化反応させることにより得られるアルキド樹脂や、該アルキド樹脂を無水マレイン酸と反応させて得られるマレイン化アルキド樹脂、該アルキド樹脂とエチレン性不飽和基を有さない酸無水物とを反応させて得られる変性アルキド樹脂、等も本発明のアルキド樹脂に包含される。
【0016】
上記アルキド樹脂を水性とするためには、例えば、アルキド樹脂を高酸価のものとし、アミン化合物などの塩基性化合物で中和して水性化する方法、アルキド樹脂中にポリオキシエチレン基などの親水基を導入し、この親水基の働きにより水中に自己乳化させる方法、アルキド樹脂を乳化剤の存在下にてディスパー型攪拌機などのような高速攪拌機を使用し、水中に強制撹拌して水中に分散させる方法、さらにアルキド樹脂を低酸価のものとし、高速攪拌機で得られた水分散アルキド樹脂粒子を、水分散性を向上させ、粒子径をさらに小さくそろえる目的で、微粒化する特定の高エネルギーせん断能力を有する分散機を用いて水中に分散させる方法、これらを併用した方法などを挙げることができる。
【0017】
上記水性アルキド樹脂のうち、得られる塗膜の防食性・耐水性の点から、特に乳化剤は添加しないあるいはできるだけ少なく、かつ低酸価のアルキド樹脂を水分散化したものが好適である。具体的には酸価20以下、好ましくは10未満のアルキド樹脂が好適である。
【0018】
アルキド樹脂のエマルション粒子の平均粒子径は、一般に小さい方が、得られる塗膜の光沢、ガスバリヤー性に有利であり、特に400nm以下、好ましくは100〜300nmが好適である。また、水性アルキド樹脂の最低造膜温度を5℃以下とすることで、塗料化において造膜助剤を配合せず、もしくは少量配合とでき、塗料中の沸点250℃以下の有機溶剤量(VOC)を2%以下にすることが可能となる。
【0019】
本発明では上記の通り得られる水性アルキド樹脂に、必要に応じて、従来公知の常温乾燥型の水性樹脂を所定の性能を低下させない範囲内で併用することができ、該水性樹脂としては、例えばアクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系などが挙げられる。
【0020】
本発明では顔料分として、顔料体積濃度で、チタン白を5〜30%、好ましくは10〜25%含有する。ここで「顔料体積濃度(PVC)」は、塗料中の全樹脂分と全顔料の合計固形分に占めるその顔料分の体積割合である。該チタン白のPVCが5%未満では、塗膜の隠蔽性が劣り、30%を超えると光沢及び耐候性の低下があるので好ましくない。また本発明では、防錆顔料をPVCで2〜8%、好ましくは4〜6%含有することが望ましい。防錆顔料のPVCが2%未満では、塗膜の防食性向上効果があまり無く、8%を超えると、初期光沢及び乾燥経時での光沢低下が著しくなるので好ましくない。さらに本発明では、塗料中の全顔料体積濃度が17〜25%であることが望ましい。ここで「全顔料体積濃度」は、塗料中の全樹脂分と全顔料の合計固形分に占める全顔料分の体積割合である。該全顔料体積濃度が17%未満では塗膜の隠蔽性及び強靱性が劣り、25%を超えると初期光沢が低下するので好ましくない。
【0021】
本発明で使用されるチタン白は、耐候性の点から、ルチル型であることが好ましく、また防錆顔料は、防食性及び光沢の点から、 高分子界面活性剤の存在下で容易に分散可能であることが好ましい。該防錆顔料としては、例えばリン酸亜鉛、リン・ケイ酸亜鉛、りん酸アルミニウム亜鉛、リン酸カルシウム亜鉛、リン酸カルシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸カルシウム、酸化亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウムなどが挙げられ、特にリン酸亜鉛系、リン酸カルシウム系、及びトリポリリン酸二水素アルミニウムから選ばれる少なくとも1種が好適である。
【0022】
顔料分として、さらに必要に応じて上記ルチル型チタン白及び防錆顔料以外の顔料、例えばチタン白以外の着色顔料を併用してもよい。また、炭酸カルシウム、含水ケイ酸マグネシウム、タルク、マイカ、クレ−、バリタなどの体質顔料を併用することができる。通常、顔料組成等の選択によって艶有塗膜から艶消塗膜まで適宜調整することが可能であるが、本発明では、得られる塗膜のつや感や耐候性を低下させる恐れもあるので、チタン白及び防錆顔料以外の顔料の使用量としてはPVCが5%以下の範囲内であることが望ましい。
【0023】
本発明の塗料においては、pHが3.0〜9.0、特にpHが5.0〜8.0が好適である。pHが3.0未満では塗料の長期貯蔵安定性が劣り、pHが9.0以上でも水性アルキド樹脂が加水分解を受けやすくなり長期貯蔵安定性が劣る、また乾燥性が低下するので不適である。
【0024】
本発明においては、ドライヤーを塗料中に配合することで、塗膜の乾燥を促進することが可能である。該ドライヤーとしては、通常、脂肪族カルボン酸塩やナフテン酸塩などの金属石鹸が使用できるが、環境に配慮して鉛を含まないものが好適である。一次ドライヤーとして働くCo、Mn等の金属以外に2次ドライヤーとして働く金属、例えば、Ba、Zr、Ca、Zn、Fe、Cuなどを含むことで、塗膜内部を含む塗膜全体の速乾燥が可能となる。なお、溶剤系塗料に用いられているドライヤーをそのまま適用してもよいが、水及び水分散型樹脂に対する安定性、溶解性を考慮し水性塗料用ドライヤーを用いたほうが好ましい。
【0025】
上記ドライヤーの使用量は、水性アルキド樹脂固形分100重量部に対し1〜5重量部の範囲内が適当である。
【0026】
また水性塗料を金属面に塗装した場合に、金属面の錆が塗膜表面にブリードして点錆などを発生(フラッシュラスト)させるのを防止するために、本発明ではフラッシュラスト抑止剤を必要に応じて配合することができる。該フラッシュラスト抑止剤としては、 水性系における腐食を抑制するものであれば特に制限なく使用でき、例えば水溶性の亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸アンモニウムなどの亜硝酸塩;フィチン酸ナトリウム、フィチン酸カリウムなどのフィチン酸塩;タンニン酸塩;N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、及びこれらのアルカリ金属塩などのポリアミン系キレート剤;4−メチル−γ−オキソ−ベンゼンブタン酸とN−エチルモルフォリンの付加反応物;モノアルキルアミンやポリアミン、第四級アンモニウムイオンなどをトリポリリン酸二水素アルミニウムなどの層状りん酸塩にインターカレートしてなる層間化合物;ヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物、ヒドラゾン化合物などのヒドラジン誘導体などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上併用して使用できる。
【0027】
上記フラッシュラスト抑止剤の添加量は、塗料液中に0.02〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%の範囲内が適当である。
【0028】
本発明の塗料には、さらに必要に応じて顔料分散剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、硬化触媒、沈降防止剤など通常の塗料用添加剤を配合することができる。また有機溶剤(造膜助剤、凍結防止剤等を含む)については、沸点250℃以下の有機溶剤量が塗料中2%以下となる範囲で配合することができる。
【0029】
上記の通り得られる本発明の塗料は、必要に応じて下地処理した各種基材面、特に金属面や旧塗膜面に、直接1回又は2回塗装して仕上げることができる。
【0030】
本発明塗料によって得られる塗膜の60°グロスは、20℃・60%RHの雰囲気下で乾燥1日後及び乾燥14日後においていずれも60以上、好ましくは70以上である。ここで塗膜の60°グロスの測定は、JIS K 5600 4−7鏡面光沢度の試験方法に準じて行なうものであり、その際の試験塗装は隙間150μmのフィルムアプリケーターで行なう。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0032】
水性アルキド樹脂の製造
製造例1
温度計、攪拌機、加熱装置、精留塔及び水分離器を具備した反応装置に、ペンタエリスリトール495部、大豆油脂肪酸1187部、無水フタル酸444部、安息香酸474部、ジブチル錫オキサイド24部及びキシレン120部を仕込み、ついで230℃まで3時間かけて昇温し、230℃で脱水縮合反応を約8時間行い、樹脂酸価約7.0mgKOH/g、不揮発分95%のアルキド樹脂ワニスを得た。得られた不揮発分95%のアルキド樹脂ワニス中のキシレンを減圧除去して得たアルキド樹脂2400部に、トリエチルアミン22部及び「ノイゲンEA―150」(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、HLB15、第一工業製薬株式会社製、商品名)240部を仕込み、均一に混合した後、激しく攪拌しながら脱イオン水2400部を加え、不揮発分48%の水性アルキド樹脂(A―1)を得た。得られたアルキド樹脂の最低造膜温度は0℃、該アルキド樹脂エマルションの平均粒子径は700nm、pHは7.5であった。
【0033】
製造例2
上記で得た水性アルキド樹脂(A−1)を、さらに超高圧エネルギーを加えて流体同士を衝突させる高圧乳化装置にて240MPaの圧力で分散乳化した。3パスにより、平均粒子径300nmの水性アルキド樹脂(A−2)を得た。他の特数値は(A−1)と同一。
【0034】
水性塗料の作成
実施例1〜6及び比較例1〜5
容器に、表1の組成(B)に示される各配合物を順次仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌を続け顔料ペーストを得た。その後、表1の組成(C)に示される各配合物を該顔料ペーストに順次添加し、各水性塗料を得た。これら水性塗料のPVC、VOC及びpHを表1に併せて示す。またこれらを下記性能試験に供した。結果を表2に示す。尚、表1中の(注1)〜(注13)は下記の通りである。
【0035】
(注1)「スラオフ72N」:武田薬品社製、防腐剤
(注2)「ノプコサントK」:サンノプコ社製、顔料分散剤
(注3)「アデカノールUHー438」:アデカ社製、増粘剤
(注4)「チタン白JRー605」:テイカ製、チタン白
(注5)「LFボウセイP−W−2」:キクチカラー社製、リン酸亜鉛系防錆顔料
(注6)「K−WHITE 140W」:テイカ社製、リン酸塩系防錆顔料
(注7)「SNデフォーマー380」:サンノプコ社製、消泡剤
【0036】
(注8)「Uradil AZ 516」:DSMレジン社製、固形分50%水系アルキド樹脂、油長63%、最低造膜温度0℃、該アルキド樹脂エマルションの平均粒子径約200nm
(注9)「Resydrol AY 586w/38WA」:Solutia社製、固形分38%アクリル変性長油水系アルキド樹脂、有機溶剤ブチルグリコール約5.6%含有、油長58%、最低造膜温度0℃、該アルキド樹脂エマルションの平均粒子径約210nm
【0037】
(注10)「ポリゾールAPー3700」:昭和高分子社製、固形分50%水系アクリル樹脂
(注11)「ヨドゾールKA−10K」:日本エヌエスシー社製、増粘剤
(注12)「Additol VXW4940」:Vianova Resins社製、ドライヤー、Co・Ba・Zr含有率夫々3・3・5%
(注13)「DICNATE 3111」:大日本インキ化学工業社製、ドライヤー、Co含有率3%
【0038】
【表1】
Figure 0004410470
【0039】
性能試験方法
(*1)60°グロス:各水性塗料を、6ミルドクターブレードを用いて、ガラス板に塗装し、気温20℃・相対湿度60%の条件下で乾燥させて各塗板を得た。これらの乾燥1日後及び14日後の60°グロスをJIS K 5600 4−7鏡面光沢度の試験方法に準じて調べた。
【0040】
(*2)防食性:素材としてJIS K 5410に規定する鋼板(150×70×0.8mm)をキシレンにて脱脂したものを使用し、これに各水性塗料を上水で約70KUに希釈し、刷毛にて塗布量100g/mとなるように塗装した。さらに乾燥1日後に2回目の塗装を1回目と同様に行ない、気温20℃・相対湿度60%の条件下で7日乾燥させて各試験塗板を作成した。これらをJIS K 5621に規定されている耐複合サイクル防食性試験に36サイクル供して、その塗膜面を下記基準で評価した。
○: 塗膜にさびが認められない
△: 塗膜に一部さびが認められる
×: 塗膜の全面にさびが認められる
【0041】
(*3)乾燥性:各水性塗料を、6ミルドクターブレードを用いて、ガラス板に塗装し、気温10℃・相対湿度60%の条件下で乾燥させて各塗板を得た。これらの24時間後の塗膜の乾燥性を下記基準で評価した。
◎: 硬化乾燥
○: 半硬化乾燥
△: 指触乾燥
【0042】
(*4)貯蔵性:各水性塗料を、1L内面コート缶に約1kg計り取り、40℃で30日貯蔵した後、その塗料状態を下記基準で評価した。
○ : 容器の中の塗料状態が均一である
× : 沈降・ニス浮きが著しい
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、アルキド樹脂を基体樹脂成分とした下塗上塗兼用常乾型水性塗料が得られ、これを用いて特に金属面に対して、1回もしくは2回の塗装工程で仕上り外観と防食性に優れた塗膜を形成できる。
【0044】
【表2】
Figure 0004410470

Claims (3)

  1. 水性アルキド樹脂を基体樹脂成分とし、且つ顔料体積濃度でチタン白を10〜20%及びリン酸亜鉛、リン酸カルシウム、及びトリポリリン酸二水素アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の防錆顔料を4〜6%含有し、塗料中の全顔料体積濃度が17〜25%であり、ドライヤーを含有し、さらに沸点250℃以下の有機溶剤量が2%以下で、塗料pHが3.0〜9.0である常乾型水性塗料であって、得られる塗膜の60°グロスが、20℃・60%RHの雰囲気下で乾燥1日後及び乾燥14日後においていずれも70以上であることを特徴とする下塗上塗兼用常乾型水性塗料。
  2. 水性アルキド樹脂が、油長が5〜80%のアルキド樹脂を水分散化したものであり、最低造膜温度が5℃以下で、そのエマルション粒子の平均粒子径が400nm以下である請求項1記載の下塗上塗兼用常乾型水性塗料。
  3. フラッシュラスト抑止剤を含有する請求項1又は2記載の下塗上塗兼用常乾型水性塗料。
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