JP6512925B2 - 屋根用塗装仕上げ方法 - Google Patents

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Description

本発明は特に屋外屋根に適した塗装仕上げ方法に関する。
屋根は、通常、建築物等の最上部に位置し、雨水や太陽の直射日光からその屋根の下にある居住空間などを所定の環境に維持する役割を果たしている。このため屋根は、厳しい自然環境の影響を直接受けるために、他の建築物内外壁面と比較して最も悪条件に晒されている。従って屋根に塗装された塗膜は経年によって劣化しやすく、外観が見劣りし易いものであり、塗り替え塗装が必要とされている。
ところで、近年はユーザーの趣向の多様化に伴い、屋根材にも高い意匠性が求められている。
従来、屋根塗装は高級感のある艶有り塗装仕上げが好まれていたが、落ち着いた印象の艶消し塗装仕上げも好まれてきており、上記した屋根の塗り替え塗装として艶消し塗装仕上げの要望も増えてきている。
一般に、艶消し塗装仕上げとするための艶消し塗料は、樹脂の屈折率差を利用する方法;ワックス類を添加する方法;シリカや体質顔料等の艶消し顔料を添加し、塗膜表面に凹凸を形成させる方法等によって設計される。
しかしながら、艶有り塗料と艶消し塗料のそれぞれについて、幅広いユーザーの趣向に適った塗色全色を揃えるとなると、全部で40以上など相当種類の塗料の在庫が必要となり、塗料製造業者や販売業者に、保管スペース確保や在庫管理に対する労力を要するなどの問題があった。
一方、特許文献1には、窯業系の屋根面に、エナメル塗料を塗装した後、艶消しクリヤー塗料を塗装する複層塗膜形成方法が開示されている。かかる文献記載の方法によれば、耐ブロッキング性及び補修性に優れた艶消し複層塗膜が得られるものであるが、金属屋根に対する塗装では、長期の耐久性とツヤムラに問題があり、その改善が望まれていた。
特開2013−208513号公報
本発明の目的は、ツヤムラの発生を抑制でき、発色性と透明感を備えた深みのある艶消し外観を安定して形成可能な屋外屋根用塗装仕上げ方法を提供することにある。
本発明者らは上記した課題に対して鋭意検討した結果、屋外屋根に対して、特定の性状値を有する着色塗膜を形成した後、シリカと特定の微粒子を特定量含む艶消しクリヤーを塗装することによって、ツヤムラの抑制された安定した艶消し外観の塗膜が得られることを見出し、本発明に到達した
即ち本発明は、
屋根面に、アルキド変性アクリル樹脂を含有するバインダー樹脂及び着色顔料を含有し、乾燥膜厚が25μmの時の隠蔽率が80%以上である着色塗料を塗装して、光沢度が70以上の艶有り着色塗膜を形成する工程(I)、
該工程(I)で得られた艶有り着色塗膜面に、平均粒子径が110を超えて且つ500nm以下の非水樹脂分散液、シリカ及びシリカ以外の微粒子を含み、塗料中に含まれる樹脂固形分100質量部に対して、シリカが10質量部以下、微粒子が10質量部以上、非水樹脂分散液固形分が50質量部を超える範囲内にある艶消しクリヤー塗料を塗装し、常温乾燥させて艶消しクリヤー塗膜を形成する工程(II)を含むことを特徴とする屋外屋根の塗装仕上げ方法、該方法で得られた艶消し外観を有する塗装物品、に関する。
本発明の塗装仕上げ方法によれば、屋根に対してツヤムラが抑制され、発色性と透明感を備えた深みのある艶消し外観を安定して与え、例えば金属屋根など環境温度の影響を受けやすい材質に対しても長期耐久性などの性能に優れた保護塗膜を形成させることができる。また、本発明方法の利点として、それぞれの塗色に対して品揃えとして艶有りタイプと艶消しタイプの両方を備える必要がないので、塗料製造業者や販売業者の保管スペースを確保できる点がある。
本発明方法が適用される屋根の材質としては、例えば、瓦、スレート、金属、セメントモルタル等の種々の基材が挙げられ、旧塗膜が設けられたものであってもよい。また、次工程(1)で得られる着色塗膜との密着性や防水性付与のために、下塗り塗膜を備えたものであってもよい。
<工程(1)>
本発明の第1の工程は屋根面に、着色塗料を塗装する工程である。
本発明において、上記着色塗膜は、光沢度が70以上にある艶有り着色塗膜であることを特徴とするものであり、好ましい光沢度は75〜90である。
着色塗膜の光沢度が70未満では、本発明方法で得られる複層塗膜にツヤムラが発生し、好ましくない。
本明細書において光沢度は、JIS K 5600−4−7(1999)の「60度鏡面光沢度」に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を、試験板の長手方向に約2.5cm間隔でn=10で測定して「平均値」を求めた値とする。
上記艶有り着色塗膜を形成させるための着色塗料としては、バインダー樹脂及び着色顔料を含む組成物であり、材料、製法等特に制限されないが、乾燥膜厚が25μmの時の隠蔽率が80%以上にあることを特徴とするものであり、好ましくは90〜100%にあることが適している。
乾燥膜厚が25μmの時の隠蔽率が80%未満となる着色塗料を用いたのでは、本発明方法で得られる複層塗膜に経年での塗膜剥離が生じやすくなり、好ましくない。
本明細書において隠蔽率は、JIS K 5600 4−1の方法B(隠ぺい率試験紙)に準じ、乾燥膜厚が25μmとなるように作成された試験片(塗布済み隠ぺい率試験紙)の白地(YW)及び黒地(YB)上の箇所を無作為に夫々4箇所選び、その箇所の三刺激値を測定し、平均の三刺激値YW及びYBを計算する。その後、YB/YWを100分率で算出した値を隠ぺい率とする。
着色塗料に含まれ得るバインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これら樹脂は水系であっても溶剤系であってもよく、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、これら樹脂の複数からなる変性樹脂であることもできる。
特に本発明では、アルキド変性アクリル樹脂が適している。
かかる樹脂を使用することによって、次工程の艶消しクリヤー塗料塗装工程で、着色塗料の色モドリがおき難く、発色性と深みのある艶消し感を共に有する複層塗膜が得られるからである。
アルキド変性アクリル樹脂としては、特に制限はなく従来公知の樹脂を使用できるが、例えば、酸成分、多価アルコール成分及び(メタ)アクリレート成分を構成モノマー成分とする樹脂を挙げることができる。
酸成分としては、分子中にカルボキシル基を有する化合物であり、その成分の一部として乾性油脂肪酸を含むことが適している。着色塗料の色戻り抑制効果が向上するからである。
かかる乾性油脂肪酸としては、酸化硬化性を有する脂肪酸であり、具体例としては、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、酸成分には、ヤシ油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の不乾性油脂肪酸;カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸等の二塩基酸;安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸等の一塩基酸;無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などの乾性油脂肪酸以外の酸成分を含ませることができ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
酸成分に含まれる乾性油脂肪酸の含有量としては、アルキド変性アクリル樹脂固形分質量を基準として乾性油脂肪酸の量が1〜40質量%、好ましくは3〜35質量%の範囲内が望ましい。本発明方法で形成される複層塗膜の耐候性の観点からである。
多価アルコール成分としては、分子中に水酸基を少なくとも2個有する化合物であり、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(メタ)アクリレート成分は、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐状のアルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリロイルモノマー;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基含有(メタ)アクリロイルモノマー;(メタ)アクリルアミド;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖含有(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリロイルモノマー;(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリロイルモノマー;イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等のイソシアナト基含有(メタ)アクリロイルモノマー;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリロイルモノマー;ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の酸化硬化性基含有(メタ)アクリロイルモノマー;アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有(メタ)アクリロイルモノマー:等が挙げられる。
また、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら(メタ)アクリレート成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記(メタ)アクリレート成分には、該成分と共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを併用することができる。
かかる他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物;トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する多ビニル化合物;アリルアルコール;マレイン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクロレイン、ホルミルスチロール、炭素数4〜7のビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等)、アセトアセトキシアリルエステル等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー;アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー;フルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル、パーフルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル等のフルオロビニルエーテル;エポキシ基含有重合性不飽和モノマー又は水酸基含有重合性不飽和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物等の酸化硬化性基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記アルキド変性アクリル樹脂としては、公知の方法で得られるものであり、例えば、酸成分及び多価アルコール成分を用いて製造したアルキド樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基又は水酸基に、これらの基と反応性を有する基、例えばカルボキシル基、水酸基又はエポキシ基を有するアクリル樹脂を反応させてなる変性樹脂や、アルキド樹脂に(メタ)アクリレート成分を含む重合性不飽和モノマー成分をパーオキサイド系重合開始剤を使用してグラフト重合してなる変性樹脂等を挙げることができる。
本発明においてはアルキド変性アクリル樹脂が水酸基を有するものであることが好ましい。
着色塗料が水酸基を有するアルキド変性アクリル樹脂を含むことによって、本発明方法で得られる複層塗膜の下地及び層間付着性に優れる効果がある。
アルキド変性アクリル樹脂が水酸基を有する場合、好ましい固形分水酸基価としては5〜40mgKOH/g、好ましくは8〜30mgKOH/gである。
上記アルキド変性アクリル樹脂の重量平均分子量としては、特に制限されるものではないが、一般的に10,000〜120,000範囲にあり、好ましくは15,000〜80,000の範囲にあることが望ましい。
なお、本明細書において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
着色塗料に含まれる着色顔料としては特に限定されず、モノアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等の有機系着色顔料、黄色酸化鉄、ベンガラ、チタンイエロー、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機系着色顔料、グラファイト系顔料、アルミナフレーク顔料等の着色扁平顔料が挙げられる。
着色顔料の含有量としては、顔料の種類によって大きく異なるが一般に、着色塗料に含まれる樹脂固形分100質量部を基準として、1.0〜200質量部、好ましくは1.5〜150質量部の範囲内にあることができる。
上記着色塗料は、その他の成分として、必要に応じて、例えば、硬化剤、有機溶剤、体質顔料、造膜助剤、顔料分散剤、表面調整剤、硬化触媒、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤、粘性調整剤等を含むことができる。
これらのうち硬化剤としては非水分散型樹脂に含まれる官能基と反応可能な官能基を少なくとも2個有する化合物であればよいが、例えば水酸基と反応可能な官能基を有する化合物として、ポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物としては1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であって、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物、アロファネート付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物、アロファネート付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
着色塗料がポリイソシアネート化合物を含む場合、着色塗料に含まれる水酸基含有樹脂固形分100質量部に対して、ポリイソシアネート化合物が5〜40質量部、好ましくは10〜30質量部の範囲内にあることが適当である。
また、上記着色塗料又は後述の艶消しクリヤー塗料に含まれる好適な有機溶剤としては弱溶剤を挙げることができる。「弱溶剤」は、当技術分野で周知な用語であり、一般的には溶解力の弱い溶剤を意味する。上記弱溶剤には、労働安全衛生法による有機溶剤の分類において、第3種有機溶剤と列挙されるものが含まれる。第3種有機溶剤の例として、ガソリン、灯油、コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレピン油、ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット及びミネラルターペンを含む)が挙げられる。
上記弱溶剤は市販されており、上記弱溶剤の市販品として、例えば、「スワゾール1000」及び「スワゾール1500」(以上、丸善石油株式会社製)、「ソルベッソ150」、「ソルベッソ200」、「HAWS」及び「LAWS」(以上、シェルジャパン社製)、「エッソナフサNo.6」及び「エクソールD30」(商品名、エクソンモービル化学社製)、「ペガゾール3040」(商品名、エクソンモービル化学社製)、「Aソルベント」、「クレンゾル」及び「イプゾール100」(出光興産株式会社製)、「ミネラルスピリットA」、「ハイアロム2S」及び「ハイアロム2S」(以上、新日本石油化学株式会社製)、「リニアレン10」及び「リニアレン12」(以上、出光石油化学株式会社製)、「リカソルブ900」、「リカソルブ910B」及び「リカソルブ1000」(以上、新日本理化株式会社製)等が挙げられる。
また、体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、クレー、タルク、焼成カオリン等が挙げられる。
上記着色塗料は含まれる材料によって一液型もしくは主剤成分と硬化剤成分とからなる多液型とすることができる。
上記着色塗料の塗装方法としては特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアスプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター等、当業者によってよく知られているものが挙げられる。
得られた着色塗膜の乾燥は常温乾燥で行うことができるが必要に応じて強制乾燥又は加熱乾燥させることもできる。
着色塗料の塗装は一回で又は複数回塗り重ねることができ、一回の塗装における乾燥時間としては4時間〜7日間、好ましくは16〜24時間の範囲内、指触乾燥程度まで乾燥させることが適している。
<工程(II)>
本発明の第2の工程は、上記工程(I)で得られた着色塗膜上に、艶消しクリヤー塗料を塗装して艶消しクリヤー塗膜を形成する工程(II)である。
上記艶消しクリヤー塗料は、非水樹脂分散液、シリカ、シリカ以外の微粒子を含む。
本発明における非水樹脂分散液としては、樹脂の粒子が有機溶媒中に安定に分散された分散液のことをいい、一般的にNAD(Non Aquaous Dispersion)と呼ばれる分散液であり、例えば高分子分散安定剤及び有機溶剤の存在下で少なくとも1つの重合性不飽和モノマーを重合することによって製造される。
上記非水樹脂分散液は、艶消しクリヤー塗料に含まれる樹脂成分固形分中に占める非水樹脂分散液固形分の割合が60質量%以上、好ましくは65〜90質量%の範囲内になるように含まれることが本発明方法で得られる複層塗膜のツヤムラと塗膜ハガレを抑制することができ、適している。
本発明においては上記非水樹脂分散液の平均粒子径が80〜500nmであることを特徴とする。
平均粒子径が80nm未満では艶消しクリヤー塗料を塗り重ねた場合にツヤムラが発生しやすく、一方500nmを超えると、塗膜の緻密性が損なわれ経年でのワレが生じやすくなることから好ましくない。
本明細書において、非水樹脂分散液の平均粒子径は、「COULTER N4型」(ベックマン・コールター社製)を用いて、コールターカウンター法により20℃の条件下で測定した値である。
非水樹脂分散液としては平均粒子径が上記範囲にある限りその樹脂種としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これら樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ、また、これら樹脂の複数からなる変性樹脂であることもできる。本発明では、アクリル樹脂系の非水樹脂分散液が適している。
かかるアクリル樹脂系の非水樹脂分散液を製造するための高分子分散安定剤の製造原料及び重合性不飽和モノマーとしては、上記アルキド変性アクリル樹脂の説明で(メタ)アクレート成分及び該(メタ)アクリレート成分に共重合可能なモノマーである他の重合性不飽和モノマーとして例示した中から適宜選んで使用することができる。
上記非水樹脂分散液としては、水酸基を有する樹脂であることが好ましい。これにより、本発明方法で得られる複層塗膜の層間付着性向上に効果がある。
非水樹脂分散液が水酸基を有する樹脂分散液である場合は、樹脂の水酸基価が5〜40mgKOH/g、好ましくは10〜30mgKOH/gの範囲内にあることが適当である。
上記艶消しクリヤーに含まれるシリカとしては、粉末状シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
粉末状シリカとしては、アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50(いずれも日本アエロジル社製)、シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122(いずれも旭硝子社製)、E220A、E220(いずれも日本シリカ工業社製)、SYLYSIA470(富士シリシア化学社製)等が挙げられる。
コロイダルシリカは、シリカを分散媒に分散させたものである。分散媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール等の多価アルコール系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン系溶剤;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のモノマー化合物がある。
コロイダルシリカとしては、メタノールシリカゾル、「IPA−ST」、「IPA−ST−ZL」、「MEK−ST」、「NBA−ST」、「XBA−ST」、「DMAC−ST」、「PGM−ST」、「ST−UP」、「ST−OUP」、「ST−20」、「ST−40」、「ST−C」、「ST−N」、「ST−O」、「ST−50」、「ST−OL」(いずれも日産化学工業社製)等が挙げられる。
上記シリカの平均粒子径としては、一般に0.1〜50μm、好ましくは0.5〜25μmの範囲内にあることが本発明で形成される複層塗膜の艶消し感の点から適している。
本発明で用いられる微粒子としては、シリカ以外の微粒子であって、多孔質や無孔質の球状、鱗片状、花弁状が例示されるが、具体的には、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミノ酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂およびこれらの共重合体からなる有機系微粒子;酸化チタン微粉末、酸化アルミニウム微粉末、酸化ジルコニウム微粉末などの金属酸化物微粉末;ケイ酸アルミニウム微粉末、ケイ酸マグネシウム微粉末などのケイ酸化合物微粉末;炭酸カルシウム微粉末、炭酸バリウム微粉末などの炭酸金属塩微粉末;窒化チタン微粉末、窒化ケイ素微粉末などの窒化物微粉末;石膏微粉末、クレー微粉末、タルク微粉末、天然雲母微粉末等を挙げることができる。
本発明では、無孔質の有機系微粒子が適している。
これら微粒子の平均粒子径としては、塗膜外観、塗膜物性、遮熱効果の点から、1〜150μmの範囲内、好ましくは5〜100μmが好ましい。
本明細書においてシリカ及び微粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、最長径と最短径の算術平均値をその粒子の平均粒子径とし、無作為に選んだ50個の粒子の平均粒子径を測定、算出し、これらを平均して求めるものとする。
上記シリカ並びに微粒子の配合量としては、艶消しクリヤーに含まれる樹脂固形分100質量部を基準としてシリカが10質量部以下、好ましくは7.5質量部以下、微粒子が10質量部以上、好ましくは20〜35質量部の範囲内にあることが適している。
シリカの量が10質量部を超えると、複層塗膜が白ボケしやすく、発色性、透明感が不足する艶消し外観となるため好ましくない。
微粒子の量が10質量部未満では、十分な艶消し感とならず好ましくない。
上記艶消しクリヤー塗料は、その他の成分として、必要に応じて、例えば、非水樹脂分散液以外の併用樹脂、硬化剤、体質顔料、造膜助剤、顔料分散剤、表面調整剤、硬化触媒、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤、粘性調整剤、有機溶剤等を含むことができる。
上記非水樹脂分散液以外の併用樹脂として、アルキド変性アクリル樹脂を挙げることができる。
艶消しクリヤーに含まれ得るアルキド変性アクリル樹脂としては、上記着色塗料において説明したごときアルキド変性アクリル樹脂の中から適宜選んで使用することができる。
また、本発明では艶消しクリヤーに含まれるアルキド変性アクリル樹脂と、着色塗料に含まれるアルキド変性アクリル樹脂は異なっていても同一であってもよい。着色塗料、艶消し塗料の両方がアルキド変性アクリル樹脂、好ましくは水酸基を有するアルキド変性アクリル樹脂を含むことによって、アルキド変性アクリル樹脂と非水樹脂分散液に含まれる水酸基により、下地への付着性が向上する、或いは着色塗膜と艶消しクリヤー塗膜との層間付着性が向上する効果がある。
また、硬化剤としては非水樹脂分散液に含まれる官能基と反応可能な官能基を少なくとも2個有する化合物であればよいが、例えばポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であって、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物、アロファネート付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物、アロファネート付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
艶消し塗料がポリイソシアネート化合物を含む場合、艶消し塗料に含まれる水酸基含有樹脂固形分100質量部に対して、ポリイソシアネート化合物が5〜40質量部、好ましくは10〜30質量部の範囲内にあることが適当である。
上記艶消しクリヤー塗料は含まれる材料によって一液型もしくは主剤成分と硬化剤成分とからなる多液型とすることができる。
上記艶消しクリヤー塗料の塗装方法としては特に限定されず、例えば上記着色塗料と同様に行うことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
<アルキド変性アクリル樹脂溶液の製造>
製造例1
反応容器に、アルキド樹脂溶液36.5部(*)及び「スワゾール1000」(注)23部を配合し、攪拌しながら120℃まで昇温した。
次いで、反応容器内液を同温度で保持、攪拌しながら、下記モノマー組成物及び開始剤溶液をジそれぞれ3時間かけて滴下し、反応させた。
その後冷却させ、「スワゾール1000」で固形分が50%になるまで希釈し、水酸基を有するアルキド変性アクリル樹脂溶液(A−1)を得た。重量平均分子量は50000であった。固形分水酸基価は9.9mgKOH/gであった。

モノマー組成物
スチレン 23部
メチルメタクリレート 17.7部
2−エチルヘキシルアクリレート 10部
i−ブチルメタクリレート 22.5部
ヒドロキシエチルメタクリレート 2.3部
アクリル酸 0.8部

開始剤溶液
ターシャリーブチルパーオキサイド 5部
「スワゾール1000」(注) 10部

(*)アルキド樹脂溶液:あまに油脂肪酸/無水フタル酸/ペンタエリスリトール/グリセリン=477部/147部/133部/4部、希釈溶剤「スワゾール1000」、固形分65%、
(注)「スワゾール1000」:商品名、丸善石油化学社製、芳香族炭化水素系溶剤。
<非水樹脂分散液の製造>
製造例2
撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコにミネラルスピリット35.2部、及び高分子分散安定剤(A)溶液(注)37.9部を仕込んで窒素を吹き込みながら100℃まで昇温させた。次いで、下記モノマー組成物181.6部を4時間かけて滴下した。滴下終了後30分間熟成し、その後更にミネラルスピリット10.5部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3部の混合物を1時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後1時間熟成することにより、38%非水樹脂ディスパージョンを得た。次いで、得られた非水樹脂ディスパージョンを130℃に加熱後、真空減圧ポンプを用いて固形分が50%となるまでミネラルスピリットを留去し非水樹脂分散液(A−1)を得た。固形分50%、平均粒子径350nm、コア/シェル比は70/30であった。固形分水酸基価は10.8mgKOH/gであった。
モノマー組成物
メチルメタクリレート 19.7部
メチルアクリレート 47.5部
ヒドロキシエチルメタクリレート 2.5部
高分子分散安定剤(A)溶液 37.9部
ミネラルスピリット 73.3部
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル 0.7部。
(注)高分子分散安定剤(A)溶液
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、ミネラルスピリット69.5部を仕込み、窒素を吹き込みながら110℃に昇温後、同温度にて、i−ブチルメタクリレート30部、t−ブチルメタクリレート35部、2−エチルヘキシルメタクリレート35部、ミネラルスピリット7.3部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0部からなるモノマー混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間熟成し、その後さらにミネラルスピリット12.6部、及び2,2´―アゾビスイソブチロニトリル0.9部の混合物を1時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後1時間熟成させたのち、ミネラルスピリット、及び酢酸エチルで希釈し、固形分40%の高分子分散安定剤(A)溶液を得た。得られた高分子分散安定剤は重量平均分子量20,000であった。
製造例3
製造例2において、フラスコに仕込む高分子分散安定剤(A)溶液を37.9部から67.9部に、モノマー組成物に含まれる高分子分散安定剤(A)溶液の量を37.9部から7.9部に変更し、固形分を35%とする以外は同様にして非水樹脂分散液溶液(A−2)を得た。平均粒子径110nm、コア/シェル比は70/30であった。
製造例4
製造例2において、フラスコに仕込む高分子分散安定剤(A)溶液を37.9部から7.9部に、モノマー組成物に含まれる高分子分散安定剤(A)溶液の量を37.9部から67.9部に変更する以外は同様にして非水樹脂分散液溶液(A−3)を得た。固形分50%、平均粒子径550nm、コア/シェル比は70/30であった。
<着色塗料の製造>
製造例5〜9
下記表1記載の配合組成にて着色塗料(E−1)〜(E−5)を製造した。尚、表1には各着色塗料(E−1)〜(E−5)から形成された各着色塗膜の隠ぺい率を明細書記載の方法にて測定し、併記した。
Figure 0006512925

(注)ディスパロン6900−10X:商品名、楠本化成社製、表面調整剤、
(注)HALS292:商品名、BASF社製、光安定化剤、
(注)BYK051:商品名、ビックケミージャパン社製、消泡剤、
(注)TSS−100:旭化成社製、商品名「デュラネートTSS−100」、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、
(注)SPARWITE W−5HB:商品名、ウィルバー、エリス社製、硫酸バリウム、体質顔料、
(注)MA−220::商品名、三菱化学社製、カーボンブラック。
<艶消しクリヤー塗料の製造>
製造例10〜19
下記表2記載の配合組成にて艶消しクリヤー塗料(K−1)〜(K−9)を製造した。
Figure 0006512925
(注)ACEMATT TS−100:商品名、エボニック社製、平均粒子径4μm、
(注)テクポリマー MB30X−20:商品名、積水化成品工業社製、架橋ポリメタクリル酸メチルの真球状微粒子、平均粒子径20μm。
<試験塗板の作成>
実施例1
磨き軟鋼板(90×300×0.8mm)に、「スーパーザウルス」(商品名、関西ペイント(株)製、2液型エポキシ樹脂下塗り塗料)を、中毛ローラーにより塗布量が0.1kg/mとなるように塗装し、23℃・50%RHで24時間乾燥させた。
ついで、着色塗料(E−1)を中毛ローラーにより塗布量が0.1kg/mとなるように塗装し、23℃・50%RHで24時間乾燥させ、光沢が85である艶有り着色塗膜を得た。その後、該着色塗膜上に、艶消しクリヤー塗料(K−1)を中毛ローラーで塗布量が0.1kg/mとなるように塗装し、23℃・50%RHで7日間乾燥させ試験板を作成した。
実施例2〜6及び比較例1〜7
上記実施例1において、着色塗料及び艶消しクリヤーの組み合わせを下記表3に記載の通りとする以外は実施例1と同様にして試験塗板を得た。各試験塗板について、外観評価と性能評価を行った。結果を表3に併せて示す。
Figure 0006512925

(*)光沢(60°G):上記で得られた各試験塗板の光沢度を明細書記載の方法で測定した。値が低いほど艶消し度合いが大きいことを示す。
(*)ツヤムラ:上記で得られた各試験塗板のツヤムラを下記基準にて目視評価した。
◎:ツヤムラはほとんど認められない、
○:斜めから見ると若干ツヤムラは認められるもののほとんど気にならない、
△:正面から見てもツヤムラが認められる、
×:ツヤムラが顕著。
(*)透明感:上記で得られた各試験塗板の透明感を下記基準にて目視評価した。
〇:着色層の色が維持されている、
×:白く濁り、着色層の色が白くボケている。
(*)塗膜ワレ:各種試験塗板を20℃の水中に18時間浸漬した後、直ちに−20℃の恒温槽中で3時間冷却し、次いで50℃の恒温槽中で3時間加温する計24時間を1サイクルとする温冷繰り返し試験に供した。3サイクル後の塗膜表面の状態を目視にて観察した。
◎:ワレが全く認められない、
○:わずかにワレが認められるが、50cm離れて見るとわからない、
△:ワレが認められ、50cm離れてもわかる、
×:全面に著しいワレが認められる。
(*)塗膜ハガレ:塗膜ワレの試験で用いた暴露試験後の試験塗板を下記評価基準で評価した。
◎:塗膜ハガレが全く認められない、
○:わずかに塗膜ハガレが認められるが、50cm離れて見るとわからない、
△:塗膜ハガレが認められ、50cm離れてもわかる、
×:全面に著しい塗膜ハガレが認められる。

Claims (7)

  1. 屋根面に、アルキド変性アクリル樹脂を含有するバインダー樹脂及び着色顔料を含有し、乾燥膜厚が25μmの時の隠蔽率が80%以上である着色塗料を塗装して、光沢度が70以上の艶有り着色塗膜を形成する工程(I)、
    該工程(I)で得られた艶有り着色塗膜面に、平均粒子径が110を超えて且つ500nm以下の非水樹脂分散液、シリカ及びシリカ以外の微粒子を含み、塗料中に含まれる樹脂固形分100質量部に対して、シリカが10質量部以下、微粒子が10質量部以上、非水樹脂分散液固形分が50質量部を超える範囲内にある艶消しクリヤー塗料を塗装し、常温乾燥させて艶消しクリヤー塗膜を形成する工程(II)を含むことを特徴とする屋外屋根の塗装仕上げ方法。
  2. 屋根面の屋根材が金属板である請求項1記載の塗装仕上げ方法。
  3. 着色塗料が、ポリイソシアネート化合物をさらに含む請求項1又は2に記載の塗装仕上げ方法。
  4. 艶消しクリヤー塗料に含まれる樹脂成分固形分中に占める非水樹脂分散液固形分の割合が65質量%以上である請求項1ないしのいずれか1項に記載の塗装仕上げ方法。
  5. 艶消しクリヤー塗料が、アルキド変性アクリル樹脂をさらに含む請求項1ないしのいずれか1項に記載の塗装仕上げ方法。
  6. 艶消しクリヤー塗料が、ポリイソシアネート化合物をさらに含む請求項1ないしのいずれか1項に記載の塗装仕上げ方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法で得られた艶消し外観を有する塗装物品。
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