JP2016117003A - アイソレータ - Google Patents
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Abstract
Description
このアイソレータでは、その天井部に気体供給室が設けられており、この気体供給室内に複数の給気ファンが設置されている。これらの給気ファンは、圧力センサの検出結果に基づいてアイソレータ本体を所定の陽圧に維持するようになっている。給気ファンが設置された気体供給室の下面側の、アイソレータの内部への気体流入部に、HEPAフィルタが取り付けられており、給気ファンによって外部からアイソレータ内に送られる空気は、このHEPAフィルタを通過して浄化されるようになっている。
また、アイソレータの下部側壁に、気体排出室が設けられ、アイソレータの内部から気体排出室へ気体が流出する部分にHEPAフィルタが取り付けられている。そして、アイソレータ内から気体排出室に排出される気体は、このHEPAフィルタによって浄化される。
また、気体供給室には、エア供給通路が接続されており、給気ファンの作動によって、このエア供給通路から前記HEPAフィルタを介してアイソレータ内に外部のエアを導入することができる。また、気体排出室には、エア排出通路が接続されており、前記給気ファンの作動によって、アイソレータ本体内に導入されたエアをこのエア排出通路から外部に排出することができる。
図2に示すように、アイソレータは、その内部に作業室1を備えている。この作業室1は空気供給口2と空気排出口3とを備え、作業室1内には空気供給口2から空気が供給され、空気排出口(第1吸込口)3から作業室1内の空気が排出されるようになっている。なお、図2において矢印で空気の流れを示している。
また、作業室1内の無菌環境を確保するために、空気供給口2より下方の天井部にHEPAフィルタなどの微粒子捕集用のフィルタ4が設けられ、このフィルタ4を通して空気が作業室1に供給されるようになっている。
また、アイソレータの筐体には排気ファン7が吸気ファン5と対向して設けられており、アイソレータ内の空気は、HEPAフィルタなどの微粒子捕集用のフィルタ8によって塵等の微粒子が除去されたうえで、外部に排気されるようになっている。
また、アイソレータは、グローブ11や多機能ロボット12を備えており、作業室1での作業は、作業者がグローブ11に外部から腕を挿入して行ったり、多機能ロボット12を使用して行ったりしている。
例えば、無菌アイソレータとして使用するときには、内部を外部の空気圧より高圧(陽圧)とすることで、空気は内部から外部へ流れるため、筐体の気密構造に破損が生じた場合であっても、外部から浮遊菌等が内部に侵入しないようにしている。
一方、封じ込めアイソレータとして使用するときには、内部を外部の空気圧より低圧(陰圧という)として使用することで、空気は外部から内部へ流れるため、筐体の気密構造に破損が生じた場合であっても、内部の化学物質等が外部環境を汚染することがないようにしている。
このような圧力の制御は、吸気ファン5および排気ファン7を制御することにより、行い、また、作業室1の無菌性は循環ファン10によって空気供給口2から吹き出された空気がフィルタ4を通って清浄化され、この清浄化された清浄空気が下方に流れて、空気排出口3から排出されることで維持される。
一方、取り扱われる自己細胞由来の細胞加工品は必ずしも無菌ではないため加工操作により発生するエアロゾルにより重要区域、例えば前記アイソレータの作業室を汚染させる可能性がある。つまり、図2に示すように、アイソレータの作業室1内の所定の位置で細胞加工操作のために培養容器13を開放すると、ピペット操作や細胞加工操作により、この培養容器13から発生するエアロゾルが、作業室1を下方に向けて流れる空気によって拡散する可能性がある。
このため、同一設備(アイソレータ)で細胞加工操作を行うに毎に、予め定められたチェンジオーバー手順にしたがって除染、消毒を行い、相互汚染防止を図っている。
また、チェンジオーバー手順とは、ある患者の細胞加工作業時にエアロゾルや液滴が付着した可能性のある表面を除染・消毒する手順であり、室内や安全キャビネットの作業台等の環境、培養容器やピペット等の細胞に直接接触している器具、作業者の手袋等を一連の手順にしたがって除染・消毒することを意味する。
細胞加工の特徴として、多患者、小ロット(細胞)であることよりチェンジオーバー手順を頻繁に行う必要があり、実細胞加工操作時間に対し、チェンジオーバー手順に多大な時間がかかる問題があった。
したがって、作業室内でのエアロゾルの拡散を防止でき、チェンジオーバー手順も殆ど行う必要がない。
したがって、作業室内でのエアロゾルの拡散を防止でき、チェンジオーバーも殆ど行う必要がない。
図1は実施の形態に係るアイソレータ20の概略構成を示す断面図である。この図に示すアイソレータ20が図2に示した従来のアイソレータと主に異なる点は、作業室1内に作業エリア21を設けた点、第2吸込口22を設けた点等であるので、以下ではこの点を中心に説明し、図2に示すアイソレータと共通構成部分には同一符号を付して、その説明を省略ないし簡略化する。
なお、図1において空気の流れ(気流)を矢印で示している。
筐体20aの上部には、吸気ファン5と排気ファン7とが対向して設けられており、吸気ファン5によって外気を筐体20a内に吸込み、排気ファン7によって筐体20a内の空気を外部に排気するようになっている。
また、フィルタ(第2空気清浄部)26は、フィルタ(第1空気清浄部)4より低圧損となっている。このため、循環ファン10によってチャンバ25内に吹き出された空気のうちフィルタ(第2空気清浄部)26を通って下方に吹き出される空気の流速の方がフィルタ(第1空気清浄部)4を通って下方に吹き出される空気の流速より速くなる。
なお、フィルタ(第1空気清浄部)4およびフィルタ(第2空気清浄部)26によって、循環流路9を流れる空気を清浄する空気清浄手段24が構成されている。
また、隔壁28と筐体20aの図1における右側の壁との間には循環流路9が設けられており、第1吸込口3から吸い込まれた空気は循環ファン10によって循環し、再びチャンバ25に吹き出されるようになっている。
吸込チャンバ32の上部開口部には、複数のスリットが形成されたスリット板が設けられており、このスリット板の複数のスリットが第2吸込口22を構成している。なお、スリット板は断面視逆台形状に形成されており、作業エリア21で取り扱われる培養容器13が不意に落下しても、スリット板で止まり、吸込チャンバ32内に吸い込まれないようになっている。
したがって、作業室1内でのエアロゾルの拡散を防止でき、チェンジオーバー手順も殆ど行う必要がない。
3 第1吸込口
4 フィルタ(第1空気清浄部)
9 循環流路
13 培養容器
20 アイソレータ
21 作業エリア
22 第2吸込口
24 空気清浄手段
26 第2空気清浄部
30 吹出ダクト
Claims (4)
- 清浄空気が供給され、かつ外部に対して気密性を有する作業室と、この作業室内の空気を吸い込む第1吸込口とを備えたアイソレータにおいて、
前記作業室に設けられて、清浄空気が供給される作業エリアと、
この作業エリアに設けられて、当該作業エリア内の空気および前記作業室から前記作業エリアに流入する空気を吸い込む第2吸込口とを備えたことを特徴とするアイソレータ。 - 前記第1吸込口および前記第2吸込口から吸い込まれた空気を前記作業室および前記作業エリアに循環させる循環流路と、
この循環流路を流れる空気を清浄する空気清浄手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。 - 前記空気清浄手段は、前記作業室の天井部に設けられた第1空気清浄部と、
前記作業エリアの上方に位置する天井部に設けられた第2空気清浄部とを備え、
前記第2空気清浄部が前記第1空気清浄部より低圧損となっていることを特徴とする請求項2に記載のアイソレータ。 - 前記作業エリアの上方に位置する天井部に、当該天井部から前記作業エリアの直上まで延び、前記第2空気清浄部からの清浄空気を前記作業エリアに吹き出す吹出しダクトが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のアイソレータ。
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