JP2016116494A - 易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法及び易溶解性高タンパク含有粉末 - Google Patents

易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法及び易溶解性高タンパク含有粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】水やその他の液体に湿潤、沈降しやすく、沈降後も液体中で速やかに崩壊し、人手による緩やかな撹拌であっても分散性の良好な易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法及びその製造方法により得られた易溶解性高タンパク含有粉末を提供する。【解決手段】タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒する工程を含む、易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法及びこの製造方法によって製造された易溶解性高タンパク含有粉末である。【選択図】なし

Description

本発明は、易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法及び易溶解性高タンパク含有粉末に関する。
タンパク質は、一般的に水に対する分散性が悪く、水に添加した場合に、粉末の表面だけが濡れて内部まで水が浸透せず、粉末が水面上に浮いたまま湿潤、沈降せず、“ままこ”や“だま”となる。タンパク質を含有する粉末が“ままこ”や“だま”になってしまうと、水中に沈降した場合であっても粉末が崩壊せず、分散性が低下する。
タンパク質や中鎖脂肪酸等を含むスープ、ソース等の食品粉末の水への分散性を改善するために、界面活性剤を添加する方法が提案されている(特許文献1〜7)。
特許文献1には、水に対する分散性の低い食用粉末に、炭素数8〜14の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した水易溶解性粉末食品が提案されている。特許文献1には、原料粉末の全体量2000gに対して、ラクトアルブミンMLA1368g含む原料粉末を使用した粉末食品が使用されている。ラクトアルブミンMLAは、ドライベースでタンパク質を80〜90質量%含む。引用文献1には、ラクトアルブミンMLA中のタンパク質の含有量を換算すると、タンパク質含有量が54.7〜61.6質量%とタンパク質含有量が65質量%未満の原料粉末を使用した水易溶解性粉末食品が開示されている。
特許文献2には、実施例において、原料大豆タンパク粉末に水、ソルビタン脂肪酸エステル、シュガーエステルを界面活性剤として含有する含水液を噴霧することが記載されている。特許文献2に記載された粉末状大豆タンパクは、ミキサーを使用し、軸回転60〜70rpmで5分間の機械的な撹拌により水への分散性若しくは溶解性を確認している。
特許文献3には、炭素数8〜10の中鎖脂肪を含む粉末基材を流動層において糖類溶液及び/又は親水性界面活性剤溶液をバインダーとして造粒したのち乾燥する易溶性の食品の製造法が記載されている。特許文献3の表1には、一例としてコーンパウダー40%、全脂粉乳40%、肉エキス10%を含む粉末基材が記載されている。ここで、コーンパウダー中のタンパク質含有量は、一般的に14.4質量%であり、全脂粉乳のタンパク質含有量は、一般的に26.2質量%である。肉エキスのタンパク含有量は不明である。これらのタンパク質の含有量を換算すると、肉エキスのタンパク質含有量を100質量%としたとしても、特許文献3に記載されている粉末基材は、コーンパウダー、全脂粉乳及び肉エキスのタンパク質を換算し合計したタンパク質含有量が26.3質量%と比較的低いものである。
特許文献4には、タンパク質を85重量%以上の割合で含有する粉末状の乳清タンパク質原料と、タンパク質1重量部に対して、デカグリセリンモノミリステートからなる界面活性剤を0.002〜0.02重量部の割合で添加した水易溶解性の高タンパク粉末栄養組成物が記載されている。特許文献4に記載された水易溶解性の高タンパク粉末栄養組成物は、500rpmで30秒間の比較的強い機械的な撹拌により水易溶解性の改善を確認している。
特許文献5には、粉末スープや粉末ソース類、或いはココア粉末等の水濡れ性が悪く、容易に分散又は溶解しない粉末に対して、エステル化率が40%以上のトリグリセリンベヘン酸エステルを含有した粉末状或いは顆粒状の食品が記載されている。特許文献5に記載された粉末スープは、粉末スープ全体量に対して、スイートコーンパウダー及び脱脂粉乳の合計量が55.5質量%と、タンパク含有粉末の含有割合が比較的低いものである。また、特許文献5に記載された粉末スープは、約10℃の牛乳等の冷たい液体に対しては、薬さじでままこをつぶしながら溶解性を確認するか、スリーワンモーター等を使用して200rpmで10分間、機械的な撹拌により分散性を確認している。
特許文献6には、大豆タンパク含有水溶液を粉末化するに際し、粉末化工程の前に、水易溶性糖類、多価アルコール、または、水に対して拡張湿潤性の高い乳化剤を添加し、粉末化工程の後に常温で固体状である水濡れ性の小さい添加剤(例えばショ糖脂肪酸エステル)を添加する。粉末状大豆タンパクの製造方法が記載されている。特許文献6に記載された粉末状大豆タンパクは、70℃のお湯に対して、ホモミキサーを使用して機械的な撹拌により分散性及びゲル形成能を確認している。
特許文献7には、水への沈降性が悪い顆粒と水への沈降性が良い顆粒をそれぞれ予め用意し、用意した水への沈降性が悪い顆粒と水への沈降性が良い顆粒を混合しながら乳化剤を添加し、乳化剤でコーティングされた混合顆粒を得る、即溶性顆粒の製造方法が記載されている。
特許文献1〜6には、水への溶解性の悪い粉末の溶解性を改善する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1及び3に記載の粉末は、タンパク質含有量が65質量%未満と低い、低タンパク含有粉末の分解性若しくは溶解性を改善するものである。また、特許文献2〜6はいずれも機械的な撹拌により粉末スープ等のタンパク含有粉末の分散性若しくは溶解性の改善を確認したものであるか、人手による撹拌の場合であっても、薬さじでままこをつぶしながら撹拌して分散性若しくは溶解性の改善を確認したものである。特許文献2〜6のいずれかのタンパク含有粉末の分散性若しくは溶解性では、通常の人手による撹拌程度の緩やかな撹拌による、タンパク含有粉末の分散性若しくは溶解性の改善は確認できない。また、特許文献7に開示されている方法は、予め顆粒形態に形成され、性質の異なる2種類の顆粒を乳化剤にて結着し、混合顆粒を形成するものであり、顆粒形態に予め形成されていない粉末の分散性若しくは溶解性を改善するものではない。
特開平6−113755号公報 特開平6−113749号公報 特開昭64−13976号公報 特開2009−242308号公報 特開2005−21016号公報 特開平9−220057号公報 国際公開2006/117958号
本発明は、水やその他の液体に湿潤、沈降しやすく、沈降後も液体中で速やかに崩壊して、人手による撹拌によって良好な分散性を示す易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法及びその製造方法により得られた易溶解性高タンパク含有粉末を提供することを課題とする。
本発明者らは、水又はその他の液体に分散しやすい易溶解性高タンパク含有粉末を提供すべく鋭意検討した。その結果、タンパク含有粉末と糖類を含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒する工程を含むことによって、易溶解性高タンパク含有粉末を製造することができ、かかる課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明を以下に記載する。
[1]タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒する工程を含む、易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[2]タンパク含有粉末がコラーゲン粉末である、[1]記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[3]ジグリセリン脂肪酸エステルが、炭素数12〜18の脂肪酸とジグリセリンとからなるジグリセリン脂肪酸エステルである、[1]又は[2]記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[4]ジグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリンモノオレートである、[1]〜[3]のいずれかに記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[5]ジグリセリン脂肪酸エステルのHLBが3以上10未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[6]糖類が、単糖類、二糖類、及び単糖又は二糖の糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれかに記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[7]高タンパク含有粉末組成物100質量%に対して、ジグリセリン脂肪酸エステルを0.1〜2質量%を添加する、[1]〜[6]のいずれかに記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[8]高タンパク含有粉末組成物中に糖類を2質量%以上含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[9]高タンパク含有粉末組成物中のタンパク質を65〜90質量%含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[10]タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物を流動層造粒装置内で流動させ、ジグリセリン脂肪酸エステルを含有する水溶液を噴霧して造粒する、[1]〜[9]のいずれかに記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
[11][1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法により得られる、易溶解性高タンパク含有粉末。
[12]造粒された易溶解性高タンパク含有粉末の平均粒子径が250〜500μmである、[11]記載の易溶解性高タンパク含有粉末。
本発明は、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒する工程を含むことによって、易溶解性高タンパク含有粉末を製造することができる。本発明の製造方法によって得られた易溶解性高タンパク含有粉末は、水やその他の液体に湿潤、沈降しやすく、人手による緩やかな撹拌であっても、沈降後も液体中で速やかに崩壊して分散性が良好である。
本発明は、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒する工程を含む、易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法である。
タンパク含有粉末としては、例えばコラーゲン粉末、大豆タンパク粉末、ホエー蛋白質(WPC:WheyProteinConcentrate、WPI:WheyProteinIsorate)、乳蛋白質(MPC:MilkProteinConcentrate、MPI:MilkProteinIsorate)が挙げられる。
本発明は、タンパク質含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上と高い割合で含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒し、粉末状又は顆粒状とする。
高タンパク含有粉末組成物中のタンパク質の含有量は、高タンパク含有粉末組成物100質量%中、65質量%以上であり、好ましくは65〜90質量%であり、より好ましくは65〜85質量%であり、さらに好ましくは65〜82質量%である。本発明の製造方法によって得られる易溶解性高タンパク含有粉末は、タンパク質を65質量%以上と高い割合で含む高タンパク含有粉末組成物を用いた場合であっても、水に入れた際に粉末又は顆粒が“ままこ”や“だま”になることなく湿潤、沈降し、さらに人手による緩やかな撹拌であっても水中での崩壊性がよく、分散性に優れる。
タンパク質含有粉末として、コラーゲンは、哺乳動物の体タンパク質中にもっとも多量に存在し、骨、皮、腱、軟骨、骨格筋などに多く含有されている結合組織を構成するタンパク質である。コラーゲンは、肌質の改善効果が期待され、化粧料、医薬品及び食品の原料として広く使用されている。コラーゲンは、さらに経口摂取による吸収性を改善するため粉末状にしたものや、コラーゲンを酵素処理等で低分子化し粉末状等にしたコラーゲンペプチドが化粧料、医薬品及び食品に使用されている。
コラーゲン粉末の原料として、特に限定はされないが、牛骨、豚皮、鶏足、魚鱗、魚皮等の動物由来のものが挙げられる。コラーゲン粉末の製造方法は、特に限定されないが、コラーゲンを溶解し、酵素反応後、脱臭し、噴霧乾燥してコラーゲン粉末を得る方法が挙げられる。コラーゲン粉末は、酵素処理等により分解して低分子化され、体内へ吸収されやすくなったコラーゲンペプチド粉末であることが好ましい。コラーゲン粉末の平均分子量は特に限定されないが、好ましくは平均分子量2000〜8000のコラーゲンペプチド粉末、より好ましくは平均分子量5000以下のコラーゲンペプチド粉末であることが好ましい。コラーゲンペプチド粉末としては、例えばニッピペプタイドPS−1(ニッピ)等が挙げられる。
コラーゲン粉末は、グリセライド、リン脂質、遊離脂肪酸等の脂質、糖たんぱく質、アルブミン等のコラーゲン以外のタンパク質等の不純物を含まないものであることが好ましい。コラーゲン粉末が、脂質を含まない場合には、脂質を比較的多く含む粉末スープ、粉末ソース、ココア粉末等の含脂粉末とは水への分散性が異なる。
コラーゲン粉末は、好ましくは平均粒子径80〜150μmのコラーゲン粉末であり、より好ましくは平均粒子径100〜140μmであり、さらに好ましくは平均粒子径110〜120μmである。コラーゲン粉末の平均粒子径が80〜150μmであると、コラーゲン粉末と糖類とを略均等に混合して、混合粉末とすることができる。また、コラーゲン粉末の平均粒子径が80〜150μmであると、コラーゲン粉末と糖類とを混合した混合粉末に、ジグリセリン脂肪酸エスエルを含む水溶液を加えて造粒する工程において、ジグリセリン脂肪酸エステルが均等に付着し、造粒して、水やその他の液体への分散性の良好な易溶解性コラーゲン粉末を提供することができる。コラーゲン粉末の平均粒子径は、篩い分け法による測定により測定でき、体積基準に基づく平均粒子径である。コラーゲン粉末の平均粒子径は、例えば噴霧乾燥工程により調整することができ、粉砕により調整することもできる。コラーゲン粉末の平均粒子径は、篩い分け法により測定することができる。
コラーゲン粉末の含有量は、コラーゲン粉末と糖類とを含むコラーゲン粉末組成物中のタンパク質含有量が65質量%以上であれば、特に限定されない。コラーゲン粉末組成物中のコラーゲン粉末の含有量は、コラーゲン粉末と糖類とを含むコラーゲン粉末組成物100質量%中、好ましくは65〜95質量%であり、より好ましくは70〜90質量%であり、さらに好ましくは75〜85質量%である。本発明の製造方法によって得られる易溶解性コラーゲン粉末は、コラーゲン粉末を65〜95質量%と多く含むコラーゲン粉末組成物を用いた場合であっても、粉末状又は顆粒状の易溶解性コラーゲン粉末を得ることができる。易溶解性高タンパク含有粉末である易溶解性コラーゲン粉末は、得られた粉末又は顆粒が“ままこ”や“だま”になることなく湿潤、沈降し、さらに水中での崩壊性がよく、人手による緩やかな撹拌であっても優れた分散性を有する。
大豆タンパク粉末は、特に限定されないが、例えば大豆もしくはその脱脂物を水性媒体で抽出したもの、これを酸沈殿してタンパク質を分離した後、中和処理したもの、及びこれらを加熱処理乃至加水分解処理したもの等を使用することができる。大豆タンパク粉末は、好ましくは平均粒子径が70〜100μmであり、より好ましくは70〜80μmである。大豆タンパク粉末の平均粒子径が70〜100μmであると、タンパク含有粉末と糖類とを略均等に混合して、混合粉末とすることができ、ジグリセリン脂肪酸エスエルを含む水溶液を加えて造粒する工程において、ジグリセリン脂肪酸エステルが均等に付着し、造粒して、水やその他の液体への分散性の良好な易溶解性高タンパク含有粉末を提供することができる。大豆タンパク粉末の平均粒子径は、篩い分け法による測定により測定できる。
高タンパク含有粉末組成物中の大豆タンパク粉末の含有量は、高タンパク含有粉末組成物中のタンパク質含有量が65質量%以上であれば、特に限定されない。高タンパク含有粉末組成物中の大豆タンパク粉末の含有量は、大豆タンパク粉末と糖類とを含む高タンパク含有粉末組成物100質量%中、好ましくは65〜95質量%であり、より好ましくは70〜90質量%であり、さらに好ましくは75〜85質量%である。高タンパク含有粉末組成物中の大豆タンパク粉末の含有量が65〜95質量%であると、高い割合でタンパク質を含み、水に入れた際にも人手による緩やかな撹拌で水中での崩壊性がよく、分散性に優れる易溶解性高タンパク含有粉末を製造することができる。
ホエー(乳清)タンパク粉末は、特に限定されないが、ホエー(乳清)をそのまま濃縮、乾燥して粉末したもの等を使用することができる。ホエータンパク粉末は、良質な乳タンパクを含む。ホエータンパク粉末は、好ましくは平均粒子径が75〜100μmであり、より好ましくは75〜85μmである。ホエータンパク粉末の平均粒子径が75〜100μmであると、タンパク含有粉末と糖類とを略均等に混合して、混合粉末とすることができ、ジグリセリン脂肪酸エスエルを含む水溶液を加えて造粒する工程において、ジグリセリン脂肪酸エステルが均等に付着し、造粒して、水やその他の液体への分散性の良好な易溶解性高タンパク含有粉末を提供することができる。ホエータンパク粉末の平均粒子径は、篩い分け法による測定により測定できる。
高タンパク含有粉末組成物中のホエー(乳清)タンパク粉末の含有量は、高タンパク含有粉末組成物中のタンパク質含有量が65質量%以上であれば、特に限定されない。高タンパク含有粉末組成物中のホエー(乳清)タンパク粉末の含有量は、ホエータンパク粉末と糖類とを含む高タンパク含有粉末組成物100質量%中、好ましくは65〜95質量%であり、より好ましくは70〜90質量%であり、さらに好ましくは70〜85質量%である。高タンパク含有粉末組成物中のホエータンパク粉末の含有量が65〜95質量%であると、高い割合でタンパク質を含み、水に入れた際にも人手による緩やかな撹拌で水中での崩壊性がよく、分散性に優れる易溶解性高タンパク含有粉末を製造することができる。
糖類は、単純糖質に相当するものを意味する。糖類には、例えば澱粉、カラギーナン、寒天、アルギン酸、グアーガム、キトサン、キサンタンガム等の多糖類は含まれない。
糖類は、単糖類、二糖類及び単糖又は二糖の糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。単糖類としては、グルコース、フラクトース、エリトロース及びキシロースからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。二糖類としては、シュクロース、マルトース、ラクトース及びパラチノースからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。糖アルコール類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、還元パラチノース、ラクチトール及びマンニトールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。中でも、糖類としては、シュクロース、マルチトールが好ましい。
糖類は、タンパク含有粉末とともに混合され、タンパク含有粉末と糖類とを含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒される。得られた粉末又は顆粒状の易溶解性高タンパク含有粉末は、糖類によって水に対する湿潤性が良好となり、易溶解性高タンパク含有粉末が水中に沈降し、さらに水中での崩壊性も良好となり、分散性に優れる。
糖類の含有量は、高タンパク含有粉末組成物100質量%中、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは2〜38質量%であり、さらに好ましくは2〜35質量%であり、特に好ましくは2〜30質量%である。糖類の含有量が、高タンパク含有粉末組成物100質量%中、好ましくは2質量%以上、より好ましくは2〜38質量%であると、タンパク含有粉末と糖類とがほぼ均一に混合された高タンパク含有粉末組成物を得ることができる。また、糖類の含有量が、高タンパク含有粉末組成物100質量%中、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは2〜38質量%であると、本発明の製造方法によって得られた粉末又は顆粒状の易溶解性高タンパク含有粉末は、水中におけるタンパク含有粉末の水に対する湿潤性が良好となり、水に沈降しやすく、さらに水中でも容易に崩壊するため、分散性に優れる。
ジグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数が12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸とジグリセリンとからなるジグリセリン脂肪酸エスエルであることが好ましい。炭素数が12〜18の脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。ジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノステアレート及びジグリセリンモノオレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ジグリセリン脂肪酸エステルはジグリセリンモノオレートであることがより好ましい。
本発明において使用可能なジグリセリン脂肪酸エステルは、具体的には、ポエムDL−100、ポエムDM−100、ポエムDS−100A、ポエムDO−100V(理研ビタミン株式会社)、サンソフトQ−17B、サンソフトQ−18B、サンソフトQ−18D(太陽化学株式会社)が挙げられる。
ジグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは3以上10未満、より好ましくは4〜9.5、さらに好ましくは7〜9.5である。ジグリセリン脂肪酸エステルのHLBが3以上10未満の場合は、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒して得られた粉末状又は顆粒状の易溶解性コラーゲン粉末組成物の湿潤性、沈降性が良好となり、水中での崩壊性にも優れるため、分散性に優れる易溶解性高タンパク含有粉末を提供することができる。ジグリセリン脂肪酸エステルのHLBが3未満又は10以上では、本発明の方法によって得られる易溶解性高タンパク含有粉末の湿潤性、沈降性が低下し、分散性が低下する場合がある。
HLBは、Hydrophile−Lipophile Balanceの略称であり、界面活性剤等の親水性と疎水性の比率を相対的に数値化した値である。HLBの算出法については、アトラス法、グリフィン法、デイビス法、川上法等によって測定することができる。その他にHLBの測定法としては、標準試料に対象試料を添加して乳化し、実験的に定める乳化法や、高速液体クロマトグラフィーにおける保持時間から決定する方法等が挙げられる。本明細書において、ジグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、デイビス法によって測定した値であることが好ましい。
ジグリセリン脂肪酸エステルの添加量は、タンパク含有粉末と糖類とを含む高タンパク含有粉末組成物100質量%に対して、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.2〜1質量%、さらに好ましくは0.2〜0.8質量%である。ジグリセリン脂肪酸エステルが、高タンパク含有粉末組成物100質量%に対して、0.1〜2質量%添加されると、造粒して得られた粉末状又は顆粒状の易溶解性高タンパク含有粉末の湿潤性、沈降性が良好となり、水中での崩壊性にも優れるため、分散性に優れる易溶解性高タンパク含有粉末を提供することができる。ジグリセリン脂肪酸エステルの添加量が0.1質量%未満では、本発明の方法によって得られる易溶解性高タンパク含有粉末の湿潤性、沈降性が低下し、分散性が低下する場合がある。ジグリセリン脂肪酸エステルの添加量が2質量%を超えると、易溶解性高タンパク含有粉末の風味が低下し、粉末の物性(流動性)が低下する。
ジグリセリン脂肪酸エステルは、水溶液の状態で、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質65質量%以上を含む高タンパク質含有粉末組成物に加えられる。ジグリセリン脂肪酸エステルを含有する水溶液は、濃度は特に限定されないが、水溶液100質量%に対して、ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量が、好ましくは0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.2〜0.7質量%、さらに好ましくは0.3〜0.5質量%である。水溶液中の含まれる溶媒は、種類は特に制限されない。溶媒は、例えば水、アルコール等が挙げられる。
水溶液中のジグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.1〜1.5質量%であると、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を均一に分散させて造粒し、易溶解性高タンパク含有粉末を得ることができる。得られた易溶解性高タンパク含有粉末は、水に対する湿潤性、沈降性が良好であり、水中の崩壊性が良好であり、分散性に優れた易溶解性高タンパク含有粉末を製造することができる。
易溶解性高タンパク含有粉末には、高タンパク含有粉末組成物に含まれるタンパク含有粉末及び糖類、並びにジグリセリン脂肪酸エステルの他に、食品原料として、食物繊維、ビタミン類、アミノ酸類、高タンパク含有粉末組成物に含まれる糖類以外の糖類、多糖類、各種生理活性物質、着色類、酸化防止剤等を含んでいてもよい。食品原料は、1種又は2種以上を組み合わせて適宜選択して配合することができる。
食物繊維は、種類は特に制限されない。食物繊維としては、例えばデキストリン、難消化性デキストリン、リグニン、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、イヌリン、難消化性デンプン、ポリデキストロース、キトサン等が挙げられる。
ビタミン類は、種類は特に制限されない。ビタミン類は、例えばアスコルビン酸(ビタミンC)、リボフラビン、パントテン酸、葉酸、ビタミンB群、その他ビタミンA,D,E,K,P等が挙げられる。
アミノ酸類は、種類は特に制限されない。アミノ酸類としては、例えばバリン、ロイシン、イソロイシン等の分岐鎖アミノ酸、システイン、メチオニン等の含硫アミノ酸、その他各種アミノ酸等が挙げられる。
糖類は、高タンパク含有粉末組成物に含まれる糖類とは、別に添加する糖類であり、高タンパク含有粉末組成物に含まれる糖類と同一の種類の糖類であっても、他の種類の糖類であってもよい。糖類としては、高タンパク含有粉末組成物に含有した糖類と同様の種類の糖類が挙げられる。
多糖類としては、例えば澱粉、カラギーナン、寒天、アルギン酸、グアーガム、キトサン、キサンタンガム等が挙げられる。
各種生理活性物質は、種類は特に制限されない。各種生理活性物質としては、例えばイソフラボン、アントシアニン、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジン、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸、タンニン、カテキン等のポリフェノール類、サポニン、リコペン、セサミン、セラミド、植物ステロール、γ−アミノ酪酸、コエンザイムQ10、ラクトフェリン、DHA、β−カロチン等が挙げられる。
着色類は、種類は特に制限されない。着色類としては、天然又は合成の色素、例えば、食用タール系色素、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、ベニバナ色素、銅クロロフィリンナトリウム等が挙げられる。これらの1種又は2種以上の組み合わせを適宜選択して配合することができる。
酸化防止剤は、種類は特に制限されない。酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素塩、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、EDTAカルシウム二ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の製造方法は、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒する工程を含む。造粒する方法は、特に限定されない。本発明の製造方法は、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物を流動層造粒装置内で流動させて混合し、この高タンパク含有粉末組成物にジグリセリン脂肪酸エステルを含有する水溶液を噴霧して造粒することが好ましい。食品原料として粉体のものは、タンパク含有粉末及び糖類とともに、高タンパク含有粉末組成物に配合して造粒することができる。また、易溶解性に影響がない程度であれば、食品原料をグリセリン脂肪酸エステルを含有する溶液に加えて造粒することができる。
本発明によって製造された易溶解性高タンパク含有粉末の平均粒子径は、好ましくは250〜500μmである。造粒された易溶解性高タンパク含有粉末の体積基準の平均粒子径は、より好ましくは300〜400μmであり、さらに好ましくは300〜350μmである。造粒された易溶解性高タンパク含有粉末は、顆粒状又は粉末状の形態のものを含む。顆粒又は粉末の大きさは特に限定されない。微粒子ハンドブックによれば、粒体の大きさ(粒体)は、数十cm〜数十μm(40〜50μm)と記載され、粉体の大きさの大きさは、数十μm〜3μm近傍と記載されている(神保元二等、「微粒子ハンドブック」、第2版、朝倉書店、1996年12月20日、422頁)。顆粒は、粉と粉とが造粒されて微粒となり、粉と微粒が造粒されて細粒となり、微粒と微粒が造粒され又は細粒と粉とが造粒されて顆粒となるとされている(日本粉体工業協会、造粒便覧、第1版、オーム社、昭和56年7月20日、262頁。)。顆粒は、粒体や粉体よりも平均粒子径が大きいものである。造粒された易溶解性高タンパク含有粉末の平均粒子径は、篩い分け法によって測定することができる。
本発明の製造方法によって製造された易溶解性高タンパク含有粉末は、水に入れた際に粉末又は顆粒が湿潤、沈降し、さらに水中での崩壊性がよく、人手による撹拌であっても、分散性に優れるため、健康や美容の維持及び改善に使用される飲料や食材として好適に使用することができる。
以下に本発明を実施例、比較例及び製造例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。表中の数値の記載は、特に断りのない場合は質量基準である。
実施例、比較例及び製造例において、以下の原料を使用した。
[コラーゲン粉末]
コラーゲンペプチド(ニッピ社製、商品名:ニッピペプタイドS-1)、たんぱく質92.5%含有、平均分子量5000、篩い分け法によって測定した平均粒子径120μm
[大豆タンパク粉末]
分離大豆たん白(不二製油社製、商品名:フジプロCL)、たんぱく質91.6%含有、篩い分け法によって測定した平均粒子径80μm
[ホエータンパク粉末]
乳清たん白分離物(日成共益社製、商品名:Provon190)、たんぱく質90.0%含有、篩い分け法によって測定した平均粒子径85μm
[ジグリセリン脂肪酸エステル]
ジグリセリンモノオレエート(商品名:ポエムDO−100V、理研ビタミン社製)、溶媒:水、水溶液中のジグリセリン脂肪酸エステルの含有量(濃度):0.38質量%、デイビス法によるHLB:7.3
[プルラン]
プルラン(増粘多糖類)(商品名:食品添加物プルラン、林原社製)、溶媒:水、水溶液中のプルランの含有量(濃度):0.26質量%
[ショ糖脂肪酸エステル]
ショ糖ステアリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルS-1570、三菱化学フーズ社製)、溶媒:水、水溶液中のショ糖脂肪酸エステルの含有量(濃度):0.38質量%、デイビス法によるHLB:15
[ソルビタン脂肪酸エステル]
ソルビタンモノオレエート(商品名:エマゾール0−10、花王社製)、溶媒:水、水溶液中のソルビタン脂肪酸エステル濃度):0.38質量%、デイビス法によるHLB:4.3
実施例、比較例及び製造例において、以下の測定を行った。
[平均粒子径]
製造例の高タンパク含有粉末組成物、実施例の造粒された易溶解性高タンパク含有粉末、比較例の造粒された高タンパク含有粉末は、篩い分け法にて平均粒子径を測定した。
〔溶解性評価〕
[沈降性評価]
200mLのガラス製のビーカーに冷水(5℃±1℃)150mLを量り入れ、この冷水中に各粉末7.5gを投入し、撹拌せずに静置し、粉末の沈降性を下記基準にて評価した。
(沈降性の評価基準)
5:5秒以内に全ての粉末が水中に沈降する。
4:15秒以内に全ての粉末が水中に沈降する。
3:30秒以内に全ての粉末が水中に沈降する。
2:1分以上経過しても液面に粉末の一部が残る。
1:1分以上経過してもほぼすべての粉末が液面に残る。
[崩壊性評価]
沈降性を評価した後、200mLのガラス製のビーカー中の冷水(5℃±1℃)150mLと粉末を約200rpmの撹拌速度で人手によりスプーン(薬さじ)で撹拌し、撹拌時間10秒ごとに液面と底面の溶け残り量を確認し、粉末の溶解性を下記基準にて評価した。
(崩壊性の評価基準)
5:10秒の撹拌で液面に粉末の残りがなく、底面の溶け残りがほとんどない。
4:30秒の撹拌で液面に粉末の残りがなく、底面の溶け残りがほとんどない。
3:60秒の撹拌で液面に粉末の残りがなく、底面の溶け残りがほとんどない。
2:60秒の撹拌で液面に粉末の残りがあり、底面にも溶け残りが多い。
1:60秒の撹拌で液面の粉末の残りが多く、底面にも溶け残りが多い。
[溶解性の総合評価]
総合評価は、沈降性の点数と崩壊性の点数とを足した数値とした。
(製造例1〜2)
下記表1に示す配合(配合の数値は質量部である)で、原料の合計量が3000gとなるように原料をリボン式混合機(特寿工作所社製)に投入し、混合時間5分の条件で、混合した。得られた各高タンパク含有粉末組成物について、平均粒子径、溶解性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例1〜4)
下記表1に示す配合(配合の数値は質量部である)で、原料の合計量が3000gとなるように原料を流動層造粒機(大川原製作所社製)に投入し、入口温度95℃±5℃、排風温度50℃±10℃の条件で混合して高タンパク含有粉末組成物とし、混合した高タンパク含有粉末組成物の流動層にジグリセリン脂肪酸エステルを含む溶液2000gを噴霧しながら造粒し、易溶解性高タンパク含有粉末を造粒した。造粒された易溶解性高タンパク含有粉末について、平均粒子径、溶解性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1〜8)
下記表1に示す配合(配合の数値は質量部である)で、原料の合計量が3000gとなるように原料を流動層造粒機(大川原製作所社製)に投入し、入口温度95℃±5℃、排風温度50℃±10℃の条件で混合し、高タンパク含有粉末組成物とし、混合した高タンパク含有粉末組成物の流動層に水、プルラン、ショ糖脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを含む溶液2000gを噴霧しながら造粒し、高タンパク含有粉末を造粒した。比較例1、比較例4、比較例7及び比較例8は、水を噴霧しながら造粒した。造粒された高タンパク含有粉末について、平均粒子径、溶解性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016116494
表1に示すように、実施例1〜4の易溶解性高タンパク含有粉末は、沈降性の評価が3.5以上であり、水中での崩壊性の評価が4以上であり、総合評価が7.5以上と良好である。特に実施例1及び2の易溶解性コラーゲン粉末は、沈降性の評価からが5又は4.5と良好であり、水中での崩壊性も5と良好であり、総合評価が8以上の冷水中においても、200rpm、10〜30秒間程度の人手による撹拌であっても、優れた分散性を有することが確認できた。
製造例1及び2に示すように、コラーゲン粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含むコラーゲン粉末組成物(高タンパク含有粉末組成物)は、湿潤性、沈降性、崩壊性が悪く、“ままこ”や“だま”になりやすい。
比較例1〜3に示すように、コラーゲン粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含むコラーゲン粉末組成物(高タンパク含有粉末組成物)に、水又はジグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を含む溶液を加えて造粒したコラーゲン含有粉末(高タンパク含有粉末)は、沈降性と崩壊性がともに実施例1及び2よりも低下した。
比較例4〜6に示すように、コラーゲン粉末をと糖類ではない澱粉分解物(デキストリン)とを含み、タンパク質を65質量%以上含むコラーゲン粉末組成物に水、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む溶液、又はプルランを含む溶液を加えて造粒したコラーゲン含有粉末(高タンパク含有粉末)は、沈降性と崩壊性がともに実施例1及び2よりも低下した。
比較例7〜8に示すように、タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に水を加えて造粒した高タンパク含有粉末は、沈降性と崩壊性が共に実施例3及び4よりも低下した。
本発明の製造方法によって製造された易溶解性高タンパク含有粉末は、水に入れた際に粉末又は顆粒が湿潤、沈降し、さらに水中での崩壊性がよく、分散性に優れるため、健康や美容の維持及び改善に使用される飲料や食材として好適に使用することができ、産業上有用である。

Claims (12)

  1. タンパク含有粉末と糖類とを含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物に、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む水溶液を加えて造粒する工程を含む、易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  2. タンパク含有粉末がコラーゲン粉末である、請求項1記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  3. ジグリセリン脂肪酸エステルが、炭素数12〜18の脂肪酸とジグリセリンとからなるジグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1又は2記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  4. ジグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリンモノオレートである、請求項1〜3のいずれか1項記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  5. ジグリセリン脂肪酸エステルのHLBが3以上10未満である、請求項1〜4のいずれか1項記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  6. 糖類が、単糖類、二糖類、及び単糖又は二糖の糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  7. 高タンパク含有粉末組成物100質量%に対して、ジグリセリン脂肪酸エステルを0.1〜2質量%を添加する、請求項1〜6のいずれか1項記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  8. 高タンパク含有粉末組成物中に糖類を2質量%以上含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  9. 高タンパク含有粉末組成物中にタンパク質を65〜90質量%含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  10. タンパク含有粉末と糖類を含み、タンパク質を65質量%以上含む高タンパク含有粉末組成物を流動層造粒装置内で流動させ、ジグリセリン脂肪酸エステルを含有する水溶液を噴霧して造粒する、請求項1〜9のいずれか1項記載の易溶解性高タンパク含有粉末の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の製造方法により得られる、易溶解性高タンパク含有粉末。
  12. 易溶解性高タンパク含有粉末の平均粒子径が250〜500μmである、請求項11記載の易溶解性高タンパク含有粉末。
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