JP2016114508A - 輪列機構、ムーブメント及び時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】運針ムラを抑制でき、耐久性及び組付性に優れた輪列機構を提供する。【解決手段】輪列機構23は、ステップモータの回転力を伝達する輪列に組み込まれた四番車41と、磁力により四番車41に対して接近離間する躍制レバー70と、躍制レバー70に設けられ、四番車41の側面41cを四番車41の径方向における外側から内側に向かって押圧する摺接部73と、を備える。四番車41の側面41cよりも径方向の内側には、磁性材料により形成された軸受63を備え、躍制レバー70は、回動軸P2周りに回動自在に支持されるとともに、回動軸P2から離間する方向に延出する腕部71を備えている。腕部71は、摺接部73と、軸受63により吸引されて摺接部73を四番車41の側面41cに向かって押圧する磁石75と、を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、輪列機構、ムーブメント及び時計に関するものである。
動力源から動力が伝達され、互いに噛み合って回転する歯車間には、回転方向に意図して設けられた隙間である、いわゆる「バックラッシュ」が設定されている。そして、バックラッシュによって、噛み合う歯車の歯面間の摩擦が適度に抑えられるため、歯車が回転するようになっている。
このようにバックラッシュは、歯車同士を回転させるために必要不可欠なものであるが、バックラッシュとして設定された隙間に起因して、歯車同士が隙間の範囲を意図せずに回転してしまう、いわゆる「がたつき」を生じさせてしまうことがある。
この「がたつき」によって、例えば、秒針が取り付けられた四番車等では、秒針が、意図せずに時計方向または反時計方向に回転してしまういわゆる「ふらつき」という現象が生じてしまう。
具体的に説明すると、秒針が取り付けられた四番車等では、秒針と四番車が一体化することにより、歯車全体の慣性モーメントが増加する。この増加した慣性モーメントによって、四番車は、動力源からの動力の伝達が停止(例えば、アナログクォーツ式時計におけるロータの回転の停止)された後でも、バックラッシュとして設定された隙間を時計方向または反時計方向へ回転させられてしまう。この現象が「ふらつき」である。
このふらつきは、四番車の慣性モーメントが小さい場合(例えば、比較的小さく、軽い秒針が取り付けられた場合等)には発生しないこともあるが、例えば、大きく、重い秒針が四番車に取り付けられる等して、慣性モーメントが大きくなると、発生する頻度も増加することが知られている。
近年、市場要求等からデザインの多様性が求められており、これを実現するために、ムーブメントに、より大きく、重い指針を搭載することが求められている。
より大きく、重い指針を搭載することによって、四番車に作用する慣性モーメントがさらに増加すると、四番車は、バックラッシュとして設定された隙間の分だけ回転した後もさらに回転を続ける。さらに、四番車は、後続する輪列(例えば、五番車等)の歯先に衝突して、この輪列を回転させた後に、衝突によって輪列から受ける反力(反作用)により、反対方向へ回転して、停止することもある。このようにバックラッシュとして設定された隙間と輪列に衝突して反対方向に回転する範囲を、四番車が時計方向または反時計方向へ回転させられることによって「ふらつき」が大きくなってしまう。
そこで、指針のふらつきや運針ムラ等を抑制するための運針ムラ抑制機構が提案されている。例えば、下記特許文献1には、指針車を指針抑制ばねにより径方向に押さえ付けることで、指針車に対して摺動抵抗(制動力)を付与する構成が開示されている。
特開2006−242793号公報
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、指針抑制ばねにより指針車を押さえ付けることで、指針車に制動力を付与する構成であるが、指針抑制ばねが板ばねとなっているため、ばね力の調節が困難である。ばね力が必要以上に大きくなった場合には、指針車における指針抑制ばねとの摺動箇所が摩耗し易くなるおそれがある。また、指針抑制ばねが組み付け時等に塑性変形すると、指針車に対する制動力の大きさが適正でなくなり、運針ムラを十分に抑制できない。したがって、運針ムラを抑制するにあたっては、耐久性及び組付性を向上させるという点で改善の余地がある。
そこで本発明は、運針ムラを抑制でき、耐久性及び組付性に優れた輪列機構、ムーブメント及び時計を提供するものである。
本発明の輪列機構は、動力源の回転力を伝達する輪列に組み込まれた歯車体と、磁力により前記歯車体に対して接近離間する押さえ部材と、前記押さえ部材に設けられ、前記歯車体の側面を前記歯車体の径方向における外側から内側に向かって押圧する摺接部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、摺接部が歯車体を押圧することで、歯車体に対して制動力を付与することができるため、歯車体の慣性による運針ムラを抑制できる。このとき、歯車体に対する制動力が磁力により付与されるため、磁力の大きさで制動力を容易に調節できる。したがって、摺接部は、押さえ部材が板ばねにより構成された従来技術と比較して、適切な荷重で安定して歯車体を押圧することができる。これにより、歯車体と摺接部との摺動箇所における摩耗を低減させることができる。また、押さえ部材には、板ばねを用いる必要がないため、組付性が向上する。したがって、運針ムラを抑制でき、耐久性及び組付性に優れた輪列機構が得られる。
上記の輪列機構において、前記歯車体の前記側面よりも前記径方向の内側には、磁性体が設けられ、前記押さえ部材は、回動軸周りに回動自在に支持されるとともに、前記回動軸から離間する方向に延出する腕部を備え、前記腕部は、前記摺接部と、前記磁性体により吸引されて前記摺接部を前記歯車体の前記側面に向かって押圧する磁石と、を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、押さえ部材を回動させる磁石と、歯車体を押圧する摺接部と、がともに腕部に配置されているため、押さえ部材を小型化することができる。
上記の輪列機構において、前記歯車体よりも前記径方向の外側には、磁性体が設けられ、前記押さえ部材は、回動自在に支持されるとともに、前記回動軸から離間する方向に延出する第1腕部及び第2腕部を備え、前記第1腕部は、前記摺接部を備え、前記第2腕部は、前記磁性体により吸引されて前記摺接部を前記歯車体の前記側面に向かって押圧する磁石を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、摺接部を備える第1腕部とは異なる第2腕部に磁石が配置されているため、第2腕部の形状を変化させることで、磁石を任意の位置に配置することができる。これにより、磁性体の配置及び第2腕部の形状を変えることができ、レイアウト性を向上させることができる。
上記の輪列機構において、前記摺接部は、前記歯車体の歯部に対して係脱可能な凸部を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、磁力により摺接部が歯車体の側面を押圧することで、凸部が歯車体の歯部に係合するため、バックラッシュとして設定された隙間により歯車体が回転するのを抑制できる。したがって、運針ムラを確実に抑制できる。
上記の輪列機構において、前記摺接部は、樹脂材料により形成され、前記歯車体は、金属材料により形成されている、ことを特徴とする。
一般に、異種材料である金属材料と樹脂材料との間における摩擦係数は、同種材料間における摩擦係数よりも低下することが知られている。本発明によれば、互いに摺動する摺接部が樹脂材料により形成され、歯車体が金属材料により形成されているため、摺接部と歯車体とが同種材料により形成される構成と比較して、摩擦による摩耗が少なくなる。したがって、耐久性を向上させることができる。
上記の輪列機構において、前記歯車体は、秒針が取り付けられる四番車である、ことを特徴とする。
本発明によれば、慣性モーメントが比較的大きい秒針が取り付けられた四番車に対して制動力を付与することで、秒針の運針ムラを確実に抑制することができる。
本発明のムーブメントは、上記の輪列機構を備えることを特徴とする。
本発明の時計は、上記のムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、運針ムラを抑制でき、耐久性及び組付性に優れたムーブメント及び時計が得られる。
本発明によれば、摺接部が歯車体を押圧することで、歯車体に対して制動力を付与することができるため、歯車体の慣性による運針ムラを抑制できる。このとき、歯車体に対する制動力が磁力により付与されるため、磁力の大きさで制動力を容易に調節できる。したがって、摺接部は、押さえ部材が板ばねにより構成された従来技術と比較して、適切な荷重で安定して歯車体を押圧することができる。これにより、歯車体と摺接部との摺動箇所における摩耗を低減させることができる。また、押さえ部材には、板ばねを用いる必要がないため、組付性が向上する。したがって、運針ムラを抑制でき、耐久性及び組付性に優れた輪列機構が得られる。
第1実施形態に係る時計を示す外観図である。 第1実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図である。 第1実施形態に係るムーブメントの部分断面図である。 第1実施形態に係る四番車及び躍制レバーを示す平面図である。 第2実施形態に係るムーブメントの部分断面図である。 第2実施形態に係る四番車及び躍制レバーを示す平面図である。 第3実施形態に係る四番車及び躍制レバーの平面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、アナログクォーツ式の時計を一例として説明する。
[第1実施形態]
(時計)
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、指針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。
時計の基盤を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、第1実施形態に係る時計を示す外観図である。
図1に示すように、時計1のコンプリートは、ケース裏蓋(不図示)及びガラス2からなる時計ケース3の内部に、ムーブメント10、文字板11及び指針12〜14を備える。
文字板11は、少なくとも時に関する情報を示す目盛り等を有する。指針12〜14は、時を示す時針12、分を示す分針13及び秒を示す秒針14を含む。
(時計用ムーブメント、輪列機構)
図2は、第1実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図である。図3は、第1実施形態に係るムーブメントの部分断面図であり、図2のIII−III線における断面図である。
図2及び図3に示すように、ムーブメント10は、地板20と輪列受29とを備える。地板20は、ムーブメント10の基盤を構成する。図1に示すように、ムーブメント10には、地板20に形成された図示しない巻真案内穴を通して巻真24が回転可能に組み込まれる。巻真24は、分針13及び時針12を回転させて、時刻表示(時及び分の表示)を修正する時刻合わせに用いられる。巻真24の先端には、時計ケース3の側方に位置する竜頭53が取付けられる。
地板20の裏側には、文字板11がガラス2を通じて視認可能に配置される。
図2に示すように、地板20の表側には、電池21や、水晶ユニット22、回路基板25、ステップモータ35(請求項の「動力源」に相当。)、輪列機構23等が配設される。
水晶ユニット22は、内部に所定の周波数で発振する図示しない水晶振動子を有し、そのリード部22aが地板20の表側に形成された回路基板25に接続される。
回路基板25は、プラスパターンが電池プラス端子27(図3参照)を介して上述した電池21のプラス極に導通され、マイナスパターンが図示しない電池マイナス端子を介して電池21のマイナス極に導通される。
回路基板25には、集積回路26が実装される。この集積回路26は、例えばC−MOS、またはPLAで構成され、水晶振動子の振動に基づいて基準信号を出力する発振部(オシレータ)と、この発振部の出力信号を分周する分周部(デバイダ)と、分周部の出力信号に基づいてステップモータ35を駆動するモータ駆動信号を出力する駆動部(ドライバ)と、を内部に有する。
ステップモータ35は、磁心に巻いたコイルワイヤを含むコイルブロック30と、このコイルブロック30の磁心の両端部分と接触するように配置されたステータ31と、このステータ31のロータ穴31aに配置されたロータ32と、が配置される。
ロータ32は、地板20及び輪列受29(図3参照)に対して回転可能に支持されている。すなわち、ロータ32の上軸部が輪列受29の軸受部に軸支され、ロータ32の下軸部が地板20の軸受部に軸支される。
ロータ32は、1秒ごとに1ステップ回転するようになっており、ロータかな32aを介して後述する五番車40に回転力を付与する。
図2及び図3に示すように、輪列機構23は、ロータ32の回転に基づいて回転する五番車40と、五番車40の回転に基づいて回転する四番車41(請求項の「歯車体」に相当。)と、四番車41の回転に基づいて回転する三番車42と、三番車42の回転に基づいて回転する二番車43と、二番車43の回転に基づいて回転する日の裏車(不図示)と、日の裏車の回転に基づいて回転する筒車44と、四番車41の側面41c(図4参照)を押圧する躍制レバー70(請求項の「押さえ部材」に相当。)と、を備える。なお、以下の説明では、四番車41(車軸60)の軸心P1の延在方向を軸方向とし、軸方向に沿う輪列受29側(表側)を上方、地板20側(裏側)を下方という場合がある。また、軸心P1に直交する方向を径方向とする。
五番車40は、五番歯車40aと、五番上かな40bと、を有し、地板20及び輪列受29に対して回転可能に支持される。五番歯車40aは、ロータ32のロータかな32aに噛み合う。これにより、五番車40はロータ32の回転に伴って回転する。
四番車41は、五番車40と三番車42との間に配置され、軸心P1周りに回転可能とされる。具体的に、四番車41は、車軸60と、車軸60に対して同軸となるように設けられた四番歯車41aと、四番下かな41bと、を備える。
車軸60は、四番下かな41bが二番車43の上方開口端上に回転可能に位置した状態で、二番車43の内部に挿通される。また、車軸60の上軸部60aは、輪列受29に配設された軸受63に軸支される。軸受63は、例えば鉄等の磁性材料により形成されるとともに、四番車41の側面41cよりも径方向の内側に配置されている。
車軸60の下軸部60bは、二番車43よりも下方に突出し、この突出した部分に秒針14(図1参照)が取り付けられる。
四番下かな41bは、例えば車軸60に一体で形成されるとともに、三番車42の三番歯車42aに噛み合う。
四番歯車41aは、四番下かな41bの上方に位置し、車軸60に対して例えば打ち込み固定によって固定される。四番歯車41aは、磁化しない非磁性体材料により形成され、例えば銅等が好適である。四番歯車41aは、五番車40の五番上かな40bに噛み合っている。これにより、四番車41は、五番車40の回転に伴って回転する。
三番車42は、車軸65と、車軸65に対して同軸となるように設けられた三番歯車42aと、図示しない三番下かなと、を備える。車軸65は、地板20及び輪列受29に対して回転可能に支持される。三番歯車42aは、四番車41の四番下かな41bに噛み合う。これにより、三番車42は四番車41の回転に伴って回転する。
二番車43は、四番車41の軸心P1に対して同軸となるように設けられ、地板20に配設された円筒部52に回転可能に取り付けられる。二番車43は、三番車42の三番下かな(不図示)に噛み合う二番歯車43aを有する。これにより、二番車43は、三番車42の回転に伴って回転する。この際、二番車43は、1時間に1回転するように設定され、下端部に分針13(図1参照)が取り付けられる。なお、分針13は、四番車41に取り付けられる秒針14よりも文字板11側に位置する。
筒車44は、四番車41の軸心P1に対して同軸となるように設けられ、円筒部52に回転可能に取付けられる。筒車44は、図示しない日の裏車等を介して二番車43に噛み合う筒歯車44aを有する。この際、筒車44は、12時間に1回転するように設定されるとともに、時針12(図1参照)が取付けられる。なお、時針12は、分針13よりも文字板11側に位置する。
図4は、第1実施形態に係る四番車及び躍制レバーを示す平面図である。
図4に示すように、躍制レバー70は、磁力により四番車41に対して接近離間することで、四番車41の側面41cを押圧するための部品である。躍制レバー70は、輪列受29に対して軸心P1の軸方向に平行な回動軸P2周りに回動自在に支持され、四番車41よりも外側に設けられている。躍制レバー70は、回動軸P2から離間する方向に沿って延出する腕部71を有する。
図3及び図4に示すように、腕部71は、回動軸P2を通る四番歯車41aの接線に沿うように延在し、四番歯車41aよりも上方において、先端が軸心P1に向かって突出している。
腕部71は、四番車41の側面41cを径方向における外側から内側に向かって押圧する摺接部73と、軸受63により吸引されて摺接部73を四番車41の側面41cに向かって押圧する磁石75と、を備える。
摺接部73は、腕部71の先端の下面に形成されている。摺接部73は、例えば樹脂材料により、直方体状に形成されている。摺接部73は、四番車41の側面41cよりも径方向における外側に配置されている。摺接部73のうち、四番車41の側面41cに接する摺接面73aは、平面状に形成されている。なお、摺接面73aは、四番車41の側面41cに沿う凹曲面状に形成されてもよい。
磁石75は、腕部71の先端に配置されている。磁石75は、円盤状に形成されて腕部71の先端に埋設されるとともに、四番歯車41aの上方に配置されている。
ここで、四番歯車41aの上端部を支持する軸受63は、磁性材料により形成されている。このため、四番歯車41aの上方に配置された磁石75と軸受63との間には、磁石75の磁力による吸引力が発生する。また、磁石75は、四番車41の外側に設けられた回動軸P2から延出した腕部71の先端に設けられている。このため、磁石75の吸引力により躍制レバー70には、回動軸P2を中心とする腕部71の先端が軸心P1に向かう方向(図4における時計回り方向)にトルクが発生する。このトルクにより、腕部71の摺接部73は、四番車41の側面41cを押圧する。摺接面73aが四番車41の側面41cに摺接することにより発生する摩擦力は、秒針(図1)が取り付けられた四番車41の回転に対する制動力となる。
このように、本実施形態の輪列機構23は、ステップモータ35の回転力を伝達する輪列に組み込まれた四番車41と、磁力により四番車41に対して接近離間する躍制レバー70と、躍制レバー70に設けられ、四番車41の側面41cを押圧する摺接部73と、を備える。
この構成によれば、摺接部73が四番車41を押圧することで、四番車41に対して制動力を付与することができるため、四番車41の慣性による運針ムラを抑制できる。このとき、四番車41に対する制動力が磁力により付与されるため、磁力の大きさで制動力を容易に調節できる。したがって、摺接部73は、躍制レバー70が板ばねにより構成された従来技術と比較して、適切な荷重で安定して四番車41を押圧することができる。これにより、四番車41と摺接部73との摺動箇所における摩耗を低減させることができる。また、躍制レバー70には、板ばねを用いる必要がないため、組付性が向上する。したがって、運針ムラを抑制でき、耐久性及び組付性に優れた輪列機構23が得られる。
また、躍制レバー70の摺接部73は、各歯車のうち、慣性モーメントが比較的大きい、秒針14が取り付けられた四番車41を押圧して制動力を付与するため、秒針14の運針ムラを確実に抑制することができる。
また、四番車41の側面41cよりも径方向の内側に、磁性材料により形成された軸受63が設けられ、躍制レバー70は、回動軸P2周りに回動自在に支持されるとともに、回動軸P2から離間する方向に延出する腕部71を備えている。腕部71は、四番車41の側面41cに摺接する摺接部73と、軸受63により吸引されて摺接部73を四番車41の側面41cに向かって押圧する磁石75と、を備えている。
この構成によれば、躍制レバー70を回動させる磁石75と、四番車41を押圧する摺接部73と、がともに腕部71に配置されているため、躍制レバー70を小型化することができる。
ここで、一般に、異種材料である金属材料と樹脂材料との間における摩擦係数は、同種材料間における摩擦係数よりも低下することが知られている。本実施形態では、互いに摺動する摺接部73が樹脂材料により形成され、四番車41が金属材料により形成されているため、摺接部73と四番車41とが同種材料により形成される構成と比較して、摩擦による摩耗が少なくなる。したがって、輪列機構23の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、上述の輪列機構23を備えることで、運針ムラを抑制でき、耐久性及び組付性に優れたムーブメント10及び時計1とすることができる。
[第2実施形態]
(時計用ムーブメント、輪列機構)
図5は、第2実施形態に係るムーブメントの部分断面図であり、図2のIII−III線に相当する部分おける断面図である。図6は、第2実施形態に係る四番車及び躍制レバーを示す平面図である。
図4に示す第1実施形態では、磁石75が摺接部73を備えた腕部71に配置されていた。これに対して、図6に示す第2実施形態では、磁石75が摺接部73を備えた第1腕部171とは異なる第2腕部172に配置されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5及び図6に示すように、躍制レバー170は、回動軸P2周りに回動自在に支持されている。躍制レバー170は、回動軸P2から離間する方向に延出する第1腕部171及び第2腕部172を備えている。
第1腕部171は、回動軸P2を通る四番歯車41aの接線に沿うように延在し、四番歯車41aよりも上方において、先端が軸心P1に向かって突出している。第1腕部171の先端の下面には、摺接部73が形成されている。摺接部73は、躍制レバー170に、図6における回動軸P2を中心とする時計回り方向(以下、「CW方向」という。)のトルクが発生することで、四番車41の側面41cを押圧する。
第2腕部172は、第1腕部171と一体的に形成され、四番車41から離間する方向に向かって延在している。第2腕部172の先端には、磁石75が埋設されている。
図6に示すように、ムーブメント10は、四番車41の径方向の外側に、磁性材料により形成された例えば電池プラス端子27等の磁性体を有する。電池プラス端子27は、磁石75に対して、回動軸P2を中心とするCW方向に配置されている。電池プラス端子27と磁石75とが磁力により引き合い、第2腕部172には、回動軸P2を中心とするCW方向にトルクが発生する。その結果、第2腕部172と一体的に形成された第1腕部171にも、回動軸P2を中心とするCW方向にトルクが発生し、摺接部73が四番車41の側面41cを押圧する。これにより、摺接面73aと四番車41の側面41cとの間に摩擦力が発生し、四番車41の回転に対する制動力となる。
このように、本実施形態の輪列機構123では、四番車41よりも径方向の外側に、磁性材料により形成された電池プラス端子27が設けられている。躍制レバー170は、回動自在に支持されるとともに、回動軸P2から離間する方向に延出する第1腕部171及び第2腕部172を備えている。第1腕部171は、四番車41の側面41cに摺接する摺接部73を備えている。第2腕部172は、電池プラス端子27により吸引されて摺接部73を四番車41の側面41cに向かって押圧する磁石75を備えている。
この構成によれば、摺接部73を備える第1腕部171とは異なる第2腕部172に磁石75が配置されているため、第2腕部172の形状を変化させることで、磁石75を任意の位置に配置することができる。これにより、電池プラス端子27の配置及び第2腕部172の形状を変えることができ、輪列機構123のレイアウト性を向上させることができる。
また、磁石75は、四番車41を挟んで、ステップモータ35とは反対側に配置されている(図2及び図6参照)。これにより、磁石75の磁界がステップモータ35に作用して運針精度が低下することを防止できる。
なお、本実施形態では、磁石75を吸着させる磁性体として、電池プラス端子27を用いたが、これに限定されず、磁性材料により形成されたムーブメントを構成する各種部材を用いることができる。
[第3実施形態]
(時計用ムーブメント、輪列機構)
図7は、第3実施形態に係る四番車及び躍制レバーの平面図である。
図4に示す第1実施形態では、摺接部73の摺接面73aは平面状に形成されていた。これに対して、図7に示す第3実施形態では、摺接部273の摺接面273aは、凸部273bを有する点で、第1実施形態と異なっている。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示すように、輪列機構223は、四番車241と、躍制レバー270と、を備えている。なお、本実施形態の四番車241における四番歯車241aの歯数は「60」に設定されている。
躍制レバー270は、第1腕部171の先端の下面に、摺接部273を有する。摺接部273は、四番車241の側面241cに摺接する摺接面273aに、四番歯車241aの歯部241dに対して係脱可能な凸部273bを有する。凸部273bは、摺接面273aから四番車241に向かって突出し、四番歯車241aの隣り合う歯部241d同士の間に入り込むことで、歯部241dに係合する。
躍制レバー270は、磁石75の引力により四番車241の側面241cに押圧されているため、磁石75が電池プラス端子27に最も接近しているときに押圧の荷重は最大となり、最も離間しているときに押圧の荷重は最小となる。すなわち、凸部273bが軸心P1に最も接近している状態(歯部241dへの係合時)が摺接部273による押圧の荷重が最大となり、凸部273bが軸心P1から最も離間している状態が摺接部273による押圧の荷重が最小となる。このため、凸部273bは、歯部241dに対して容易に係脱できるので、歯部241dに係合することで、四番車241に対して制動力を付与することができる。
このように、本実施形態の輪列機構223では、摺接部273が、四番車241の歯部241dに対して係脱可能な凸部273bを有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、磁力により摺接部273が四番車241の側面241cを押圧することで、凸部273bが四番車241の歯部241dに係合するため、バックラッシュとして設定された隙間により四番車241が回転するのを抑制できる。したがって、運針ムラを確実に抑制できる輪列機構223が得られる。
しかも、凸部273bが軸心P1から最も離間している状態が摺接部273による押圧の荷重が最小となるため、運針時の摩擦による摺動箇所の摩耗を低減することができる。
さらに、本実施形態では、秒針14が取り付けられた四番車241の四番歯車241aの歯数は「60」に設定されているため、凸部273bは毎秒1回ずつ歯部241dに係合する。これにより、躍制レバー270はジャンパとして機能し、毎秒の運針停止時において、四番車241がバックラッシュ間で回転するのを抑制できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、躍制レバー70,170,270は、四番車41,241を押圧しているが、これに限定されず、例えば五番車40等の歯車を押圧する構成であってもよい。
また、上記実施形態においては、押さえ部材として、回動自在に支持された躍制レバー70,170,270が用いられているが、これに限定されるものではない。押さえ部材は、例えばスライド機構により、軸心P1の径方向に沿って四番車41,241に対して接近離間し、四番車41,241の側面41c,241cを押圧する構成であってもよい。
また、上記実施形態においては、アナログクォーツ式の時計に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、機械式時計に本発明を適用しても構わない。この場合、上記実施形態では、動力源としてステップモータ35が用いられているが、機械式時計では、動力源として香箱車に収容されたぜんまいが用いられる。
また、上記実施形態においては、磁石75は、軸受63または電池プラス端子27により吸引されているが、これに限定されるものではない。例えば、四番車を軟磁性材料により形成、または表面に軟磁性材料をめっきし、磁石75が四番車に吸引される構成としてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…時計 10…ムーブメント 14…秒針 23,123,223…輪列機構 27…電池プラス端子(磁性体) 35…ステップモータ(動力源) 41,241…四番車(歯車体) 41c,241c…四番車の側面(歯車体の側面) 63…軸受(磁性体) 70,170,270…躍制レバー(押さえ部材) 71…腕部 73…摺接部 75…磁石 171…第1腕部 172…第2腕部 241d…四番車の歯部(歯車体の歯部) 273b…凸部 P2…回動軸

Claims (8)

  1. 動力源の回転力を伝達する輪列に組み込まれた歯車体と、
    磁力により前記歯車体に対して接近離間する押さえ部材と、
    前記押さえ部材に設けられ、前記歯車体の側面を前記歯車体の径方向における外側から内側に向かって押圧する摺接部と、
    を備えることを特徴とする輪列機構。
  2. 前記歯車体の前記側面よりも前記径方向の内側には、磁性体が設けられ、
    前記押さえ部材は、回動軸周りに回動自在に支持されるとともに、前記回動軸から離間する方向に延出する腕部を備え、
    前記腕部は、
    前記摺接部と、
    前記磁性体により吸引されて前記摺接部を前記歯車体の前記側面に向かって押圧する磁石と、
    を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の輪列機構。
  3. 前記歯車体よりも前記径方向の外側には、磁性体が設けられ、
    前記押さえ部材は、回動自在に支持されるとともに、前記回動軸から離間する方向に延出する第1腕部及び第2腕部を備え、
    前記第1腕部は、前記摺接部を備え、
    前記第2腕部は、前記磁性体により吸引されて前記摺接部を前記歯車体の前記側面に向かって押圧する磁石を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の輪列機構。
  4. 前記摺接部は、前記歯車体の歯部に対して係脱可能な凸部を有する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の輪列機構。
  5. 前記摺接部は、樹脂材料により形成され、
    前記歯車体は、金属材料により形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の輪列機構。
  6. 前記歯車体は、秒針が取り付けられる四番車である、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の輪列機構。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の輪列機構を備えることを特徴とするムーブメント。
  8. 請求項7に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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