JP2015175720A - 輪列機構、ムーブメント及び時計 - Google Patents

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【課題】歯車の慣性に起因するふらつきや運針ムラ等を抑制した上で、薄型化及び組付性の向上を実現できるとともに、指針の慣性モーメントに応じた摺動抵抗を付与することができる輪列機構、ムーブメント及び時計を提案する。【解決手段】五番車40に噛み合うとともに、車軸60の両端部が地板20及び輪列受29にそれぞれ回転可能に支持された四番車41と、地板20及び輪列受29間に保持されるとともに、四番車41を押圧する押圧部材70と、地板20に形成された挿通孔73内に挿通されるとともに、押圧部材70を四番車41に向けて押し付ける押さえ位置に向けて移動可能とされたピン部材71と、地板20の外側に組み付けられ、押さえ位置に向けてピン部材71を移動させるとともに、地板20の外側へのピン部材71の移動を規制する文字板11と、を備えることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、輪列機構、ムーブメント及び時計に関する。
動力源から動力が伝達され、互いに噛み合って回転する歯車間には、回転方向に意図して設けられた隙間である、いわゆる「バックラッシュ」が設定されている。そして、バックラッシュによって、噛み合う歯車の歯面間の摩擦が適度に抑えられるため、歯車が回転するようになっている。
このようにバックラッシュは、歯車同士を回転させるために必要不可欠なものであるが、バックラッシュとして設定された隙間に起因して、歯車同士が隙間の範囲を意図せずに回転してしまう、いわゆる「がたつき」を生じさせてしまうことがある。
この「がたつき」によって、例えば、秒針が取り付けられた四番車等では、秒針が、意図せずに時計方向又は反時計方向に回転してしまういわゆる「ふらつき」という現象が生じてしまう。
具体的に説明すると、秒針が取り付けられた四番車等では、秒針と四番車が一体化することにより、歯車全体の慣性モーメントが増加する。この増加した慣性モーメントによって、四番車は、動力源からの動力の伝達が停止(例えば、アナログクォーツ式時計におけるロータの回転の停止)された後でも、バックラッシュとして設定された隙間を時計方向又は反時計方向へ回転させられてしまう。この現象が「ふらつき」である。
このふらつきは、四番車の慣性モーメントが小さい場合(例えば、比較的小さく、軽い秒針が取り付けられた場合等)には発生しないこともあるが、例えば、大きく、重い秒針が四番車に取り付けられる等して、慣性モーメントが大きくなると、発生する頻度も増加することが知られている。
近年、市場要求等からデザインの多様性が求められており、これを実現するために、ムーブメントに、より大きく、重い指針を搭載することが求められている。
より大きく、重い指針を搭載することによって、四番車に作用する慣性モーメントがさらに増加すると、四番車は、バックラッシュとして設定された隙間の分だけ回転した後もさらに回転を続ける。さらに、四番車は、後続する輪列(例えば、五番車等)の歯先に衝突して、この輪列を回転させた後に、衝突によって輪列から受ける反力(反作用)により、反対方向へ回転して、停止することもある。このようにバックラッシュとして設定された隙間と輪列に衝突して反対方向に回転する範囲を、四番車が時計方向又は反時計方向へ回転させられることによって「ふらつき」が大きくなってしまう。
さらに、より大きく、重い指針を搭載することによって回転する四番車に大きな慣性モーメントが作用すると、バックラッシュとして設定された隙間の範囲で、この四番車が不作為に停止するため、四番車の停止位置が安定せず、秒針の指示のムラが大きくなり、運針ムラにつながってしまう。
そこで、指針のふらつきや運針ムラ等を抑制するための運針ムラ抑制機構が提案されている。運針ムラ抑制機構としては、例えば下記特許文献1に示されるように、指針歯車を軸方向における輪列受側に押さえ付ける指針抑制ばねを備える構成が開示されている。具体的に、指針抑制ばねは、一端部において輪列受と地板との間に挟持された屈曲部と、他端部において軸方向における地板側から輪列受側に向けて指針歯車を押圧する押圧部と、を有している。
この構成によれば、地板に対して輪列受を組み付ける際に、輪列受が指針抑制ばねの屈曲部を押圧しながら地板に組み付けられることで、指針抑制ばねに付勢力が付与される。これにより、指針抑制ばねの押圧部により、指針歯車が輪列受に向けて押さえ付けられることで、指針歯車に対して指針抑制ばねに付勢力に応じた摺動抵抗が付与される。その結果、運針停止時において、指針歯車が慣性によってバックラッシュを詰める方向に回転するのを抑制でき、上述した指針のふらつきや運針ムラ等を抑制することができると考えられる。なお、下記特許文献1では、指針歯車が伝達歯車に噛合し、かつ指針歯車の軸部(ほぞ)が輪列受の軸支孔内に挿入された状態で、輪列受が屈曲部に接触するように、軸部の長さが設定されている。
特開2003−215267号公報
ところで、近時では、軸部の軸長を短くする等して、時計(ムーブメント)の更なる薄型化を図ることが検討されている。
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、軸部が短くなると、地板に輪列受が組み付けられる前(輪列受の軸支孔内に軸部が挿入される前)に、輪列受が指針抑制ばねの屈曲部に接触することで、指針歯車が輪列受側に押さえ付けられるおそれがある。その結果、指針歯車と伝達歯車との噛み合いが外れたり、指針歯車の軸部が輪列受の軸支孔内に挿入されなかったりする等、組付性が低下するおそれがある。
また、指針歯車には、時計のデザインに応じて様々な指針が取り付けられる。すなわち、指針歯車には、慣性モーメントが異なる様々な指針が取り付けられる。
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、ムーブメント(輪列機構)の組み付け時点で指針抑制ばねに付勢力が付与されるため、指針の慣性モーメントに応じた所望の摺動抵抗を指針歯車に付与することが難しい。
本発明は、歯車の慣性に起因するふらつきや運針ムラ等を抑制した上で、薄型化及び組付性の向上を実現できるとともに、指針の慣性モーメントに応じた摺動抵抗を付与することができる輪列機構、ムーブメント及び時計を提案することを目的とする。
上記の課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明の輪列機構は、伝達歯車に噛み合うとともに、車軸の両端部が第1支持体及び第2支持体にそれぞれ回転可能に支持された歯車と、前記第1支持体及び第2支持体間に保持されるとともに、前記歯車を押圧する押圧部材と、前記第1支持体及び第2支持体間のうち、何れか一方の支持体に形成された挿通孔内に挿通されるとともに、前記押圧部材を前記歯車に向けて押し付ける押さえ位置に向けて移動可能とされたピン部材と、前記一方の支持体の外側に組み付けられ、前記押さえ位置に向けて前記ピン部材を移動させるとともに、前記一方の支持体の外側への前記ピン部材の移動を規制する規制部材と、を備えることを特徴としている。
この構成によれば、押圧部材によって歯車を押圧することで、歯車に対して押圧部材の押圧力に応じた摺動抵抗が付与される。これにより、運針停止時において、歯車が、慣性によって歯車と伝達歯車との間に設定されたバックラッシュ間で回転するのを抑制できる。その結果、ふらつきや運針ムラ等を抑制することが可能となる。
特に、一方の支持体の外側に組み付けられる規制部材によってピン部材を押さえ位置に向けて移動させることで、第1支持体及び第2支持体を組み付けた後に押圧部材によって歯車を押圧することができる。言い換えると、車軸が第1支持体及び第2支持体に組み付けられる前に、押圧部材によって歯車が押圧されるのを抑制できるので、第1支持体及び第2支持体を組み付ける際に歯車ががたつくのを抑えることができる。これにより、車軸の軸長を短くする等、薄型化を図った上で、組付性の向上を図ることができる。
また、前記押圧部材は、弾性変形可能とされ、前記ピン部材は、前記押さえ位置において、前記押圧部材を前記歯車に向けて付勢させてもよい。
この構成によれば、ピン部材は、押さえ位置において、押圧部材を歯車に向けて付勢させるため、歯車に対して安定した押圧力を付与することができる。
また、前記一方の支持体と前記規制部材との間には、前記押さえ位置に向けた前記ピン部材の移動量を調整する調整機構が配設されてもよい。
この構成によれば、ピン部材の移動量を調整することで、押圧部材の押圧力を調整することができる。これにより、車軸に取り付けられる指針に応じて押圧部材の押圧力を調整できるので、時計のデザイン(指針の慣性モーメント)に応じた負荷トルクを付与することができる。
そして、第1支持体及び第2支持体の組付後に押圧部材の押圧力を調整できるので、客先のニーズに応じた汎用性の高い輪列機構を提供できる。
また、前記調整機構は、前記一方の支持体の外側から前記ピン部材に着脱可能に取り付けられるキャップを備えてもよい。
この構成によれば、キャップの着脱に応じて、ピン部材の移動量を調整することができるため、ピン部材や押圧部材の変更を伴うことなく、押圧部材の押圧力を変更することができる。また、例えば長さの異なる複数のキャップを予め用意し、これら複数のキャップの中から任意のキャップを選択してピン部材に装着することで、ピン部材の移動量(押圧部材の押圧力)を調整することができる。
また、前記調整機構は、前記ピン部材に形成された雄ねじ部と、前記前記一方の支持体の外側から前記雄ねじ部に螺着されるナットと、を備えてもよい。
この構成によれば、ピン部材に対するナットの回転量を調整するだけで、ピン部材の移動量を調整することができる。そのため、より簡単に押圧部材の押圧力を調整できる。
また、前記一方の支持体は、地板であり、前記規制部材は、前記地板の外側に組み付けられる文字板または日車押さえであってもよい。
この構成によれば、既存の文字板または日車押さえをピン部材の規制部材として用いることで、部品点数の増加を抑制できる。
また、前記一方の支持体は、輪列受であり、前記規制部材は、前記輪列受の外側に組み付けられる電池プラス端子であってもよい。
この構成によれば、既存の電池プラス端子をピン部材の規制部材として用いることで、部品点数の増加を抑制できる。
本発明のムーブメントは、上記本発明の輪列機構と、前記輪列機構に回転力を付与する動力源と、を備えることを特徴とする。
本発明の時計は、上記本発明のムーブメントを備えることを特徴とする。
この構成によれば、運針ムラ等が抑制された高品質で、かつ薄型の時計及びムーブメントを提供することができる。
本発明によれば、歯車の慣性に起因するふらつきや運針ムラ等を抑制した上で、薄型化及び組付性の向上を実現できるとともに、指針の慣性モーメントに応じた摺動抵抗を付与することができる。
本発明の実施形態に係る時計を示す外観図である。 ムーブメントを表側から見た平面図である。 第1実施形態に係るムーブメントの断面図である。 時計の組立工程を示す説明図であって、図3に相当するムーブメントの断面図である。 第2実施形態に係るムーブメントの断面図である。 時計の組立工程を示す説明図であって、図5に相当するムーブメントの断面図である。 第3実施形態に係るムーブメントの断面図である。 時計の組立工程を示す説明図であって、図7に相当するムーブメントの断面図である。 第4実施形態に係るムーブメントの断面図である。 時計の組立工程を示す説明図であって、図9に相当するムーブメントの断面図である。 第5実施形態に係るムーブメントの断面図である。 時計の組立工程を示す説明図であって、図11に相当するムーブメントの断面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、アナログクォーツ式の時計を一例として説明する。
<第1実施形態>〔時計〕
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、指針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。
時計の基盤を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、本発明の実施形態に係る時計1を示す外観図である。
図1に示すように、時計1のコンプリートは、ケース裏蓋(不図示)及びガラス2からなる時計ケース3の内部に、ムーブメント10、文字板11及び指針12〜14を備える。
文字板11は、少なくとも時に関する情報を示す目盛り等を有する。指針12〜14は、時を示す時針12、分を示す分針13及び秒を示す秒針14を含む。
〔時計用ムーブメント、輪列機構〕
図2はムーブメント10を表側から見た平面図であり、図3はムーブメント10の部分断面図である。
図2、図3に示すように、ムーブメント10は、地板20及び輪列受29(第1支持体、第2支持体、一方の支持体)を備える。地板20は、ムーブメント10の基盤を構成する。
図1に示すように、地板20の裏側には、上述した文字板11がガラス2を通じて視認可能に配置される。文字板11と地板20との間には、日車15や図示しない日回し車、日ジャンパ等を含むカレンダー機構16が配置される。本実施形態の時計1は、文字板11に形成された日窓11aを通して日車15の一部が視認可能とされることで、日付を確認できるようになっている。なお、カレンダー機構16は、文字板11と地板20との間に配置された円板状の日車押さえ17(図3参照)によって地板20の裏側から支持される。
図2に示すように、地板20の表側には、電池21や、水晶ユニット22、回路基板25、ステップモータ(動力源)35、輪列機構23等が配設される。
水晶ユニット22は、内部に所定の周波数で発振する図示しない水晶振動子を有し、そのリード部22aが地板20の表側に形成された回路基板25に接続される。
回路基板25は、プラスパターンが電池プラス端子28(図3参照)を介して上述した電池21のプラス極に導通され、マイナスパターンが図示しない電池マイナス端子を介して電池21のマイナス極に導通される。なお、電池プラス端子28は、輪列受29を表側から覆うように配置されるとともに、図示しない止めねじによって地板20及び輪列受29に共締めされる。
回路基板25には、集積回路26が実装される。この集積回路26は、例えばC−MOS、またはPLAで構成され、水晶振動子の振動に基づいて基準信号を出力する発振部(オシレータ)と、この発振部の出力信号を分周する分周部(デバイダ)と、分周部の出力信号に基づいてステップモータ35を駆動するモータ駆動信号を出力する駆動部(ドライバ)と、を内部に有する。
ステップモータ35は、磁心に巻いたコイルワイヤを含むコイルブロック30と、このコイルブロック30の磁心の両端部分と接触するように配置されたステータ31と、このステータ31のロータ穴31aに配置されたロータ32と、が配置される。
ロータ32は、地板20及び輪列受29に対して回転可能に支持されている。すなわち、ロータ32の上軸部が輪列受29の軸受部に軸支され、ロータ32の下軸部が地板20の軸受部に軸支される。
輪列機構23は、五番車(伝達歯車)40や、四番車(歯車)41、三番車42、二番車43、日の裏車55、筒車44、運針ムラ抑制機構36(図3参照)等を備える。なお、以下の説明では、四番車41(車軸60)の軸心Oの延在方向を軸方向とし、軸方向に沿う輪列受29側(表側)を上方、地板20側(裏側)を下方という場合がある。
図3に示すように、五番車40は、五番歯車40a及び五番上かな40bを有し、地板20及び輪列受29に対して回転可能に支持される。すなわち、五番車40の上軸部が輪列受29の軸受部に軸支され、五番車40の下軸部が地板20の軸受部に軸支される。五番歯車40aは、図2に示すように、ロータ32のロータかな32dに噛み合う。これにより、五番車40はロータの回転に伴って回転する。
四番車41は、五番車40と三番車42(図2参照)との間に配置され、車軸60と、車軸60に形成された四番下かな61と、車軸60に固定された四番歯車62を有する。
車軸60は、地板20及び輪列受29に対して軸心O回りに回転可能に支持される。
車軸60は、四番下かな61が二番車43の上方開口端よりも上方に位置した状態で、この二番車43の内部に回転可能に挿通される。車軸60の上軸部60aは、輪列受29に形成された軸支孔29aに軸支される。なお、輪列受29のうち、軸支孔29aの周囲には、下方に向けて突出するとともに、軸支孔29aを囲繞する突出部29bが形成される。
車軸60の下軸部60bは、二番車43よりも下方に突出し、この突出した部分に秒針(指針)14が取り付けられる。四番下かな61は、三番車42の三番歯車42a(図2参照)に噛み合う。
四番歯車62は、四番下かな61の上方に位置し、車軸60に対して例えば打ち込み等によって固定される。四番歯車62は、五番車40の五番上かな40bに噛み合う。これにより、四番車41は、五番車40の回転に伴って回転する。
図2に示すように、三番車42は、三番歯車42a及び三番下かな(不図示)を有し、地板20及び輪列受29に対して回転可能に支持される。三番歯車42aは、四番車41の四番下かな61(図3参照)に噛み合う。これにより、三番車42は四番車41の回転に伴って回転する。
図3に示すように、二番車43は、四番車41の軸心Oと同軸に配置され、地板20に配設された円筒部52に対して回転可能に取り付けられる。二番車43は、三番車42の三番下かなに噛み合う二番歯車43aを有する。これにより、二番車43は、三番車42の回転に伴って回転する。
二番車43は、下端部に分針13が取り付けられるとともに、1時間に1回転するように構成される。なお、分針13は、四番車41に取り付けられる秒針14よりも文字板11側に位置する。
筒車44は、四番車41の軸心Oと同軸に配置されて、円筒部52に回転可能に外挿される。筒車44は、日の裏車55(図2参照)等を介して二番車43に噛み合う筒歯車44aを有する。これにより、筒車44は、日の裏車55に基づいて回転する。
筒車44は、下端部に時針12が取付けられるとともに、12時間に1回転するように構成される。なお、時針12は、分針13よりも文字板11側に位置する。
なお、図2に示すように、地板20に形成された図示しない巻真案内穴には、巻真24が回転可能に支持される。巻真24は、分針13及び時針12を回転させて、時刻表示(時及び分の表示)を修正する時刻合わせに用いられる。巻真24の先端部には、時計ケース3の側方に位置する竜頭27が取付けられる。巻真24は、その延在方向に段階的に引出操作可能とされ、図示しないおしどりや、かんぬき、かんぬきばね等の切替装置により、延在方向の位置が決められる。
日の裏車55は、巻真24を引き出した状態で回転させたときに、図示しないつづみ車等を介して回転する。そして、日の裏車55が回転することにより、二番車43及び筒車44が回転するように構成される。これにより、時刻合わせが可能である。
〔運針ムラ抑制機構〕
ここで、図3に示すように、本実施形態の運針ムラ抑制機構36は、地板20及び輪列受29間に保持されるとともに、四番車41を押圧する弾性変形可能な押圧部材70と、押圧部材70を四番車41に向けて付勢させるピン部材71と、上述した文字板(規制部材)11と、を備える。
押圧部材70は、ムーブメント10の外周側から内周側に向けて一方向に沿って延びる細長い金属板であって、その厚さ方向(上下方向)に沿って弾性変形可能とされる。押圧部材70は、延在方向の両端部が輪列受29及び四番車41に上方から各別に支持されるとともに、延在方向の中央部がピン部材71によって下方から支持されることで、上方に向けて突の湾曲状に撓んだ状態で保持される。
具体的に、押圧部材70において、延在方向の基端部は輪列受29に形成された輪列受側支持部72に上方から支持される。一方、押圧部材70において、延在方向の先端部には、車軸60が挿通される貫通孔70aが形成される。押圧部材70の先端部は、貫通孔70a内に車軸60が挿通された状態で、二番車43と四番下かな61との間に保持される。これにより、押圧部材70の先端部が上方に向けて付勢され、四番下かな61を介して四番車41が輪列受29に向けて押し上げられる。なお、この状態で四番歯車62の上面は、輪列受29における上述した突出部29bの下端面に摺接する。
ピン部材71は、上下方向に延びる棒状とされ、地板20及び日車押さえ17に形成された挿通孔73内に上下動可能に挿通される。なお、挿通孔73は、平面視において、上述した押圧部材70の中央部と重なる位置に形成されるとともに、地板20及び日車押さえ17を上下方向に貫通する。
ピン部材71は、上端面が押圧部材70に下方から係合(当接)して、押圧部材70を押し上げる押さえ位置と、押圧部材70との係合が解除された押さえ解除位置(図4参照)と、の間を上下方向に移動可能とされる。また、ピン部材71のうち、地板20及び輪列受29間に突出する部分(以下、単に上端部という)には、その径方向外側に向けて張り出すストッパ部74が形成される。ストッパ部74は、図4に示す押さえ解除位置において、地板20の上面に上方から当接して、ピン部材71の下方移動を規制する。
文字板11は、上述したように日車押さえ17やカレンダー機構16を間に挟んで地板20の裏側に配置される。文字板11の上面には、ピン部材71の下端面が当接しており、ピン部材71の押さえ解除位置に向けた下方移動が規制される。これにより、ピン部材71が押さえ位置に位置決めされる。
このように、押圧部材70は、基端部が輪列受側支持部72に上方から支持されるとともに、中央部がピン部材71によって下方から押し上げられることで、先端部が四番下かな61に下方から押し付けられる。すなわち、押圧部材70は、基端部を支点、中央部を作用点、先端部を力点として、地板20及び輪列受29間で梃子のように保持される。
[時計の組立工程]
次に、上述した時計1の組立工程について説明する。なお、以下の説明では、組立工程のうち、ムーブメント10の組立工程の終了後から説明する。図4は、時計1の組立工程を示す説明図であって、図3に相当するムーブメント10の断面図である。
図4に示すように、ムーブメント10の組立工程の終了後においては、ピン部材71が押さえ解除位置に位置するとともに、押圧部材70が地板20及び輪列受29間に自然長の状態で保持される。具体的に、ピン部材71は、押さえ解除位置において、上端面が押圧部材70から下方に離間するとともに、下端部が挿通孔73を通してムーブメント10(日車押さえ17)よりも下方に突出している(図4中の外側突出部C1)。なお、ピン部材71は、ストッパ部74が地板20の上面に上方から当接することで、下方移動が規制される。
一方、押圧部材70は、先端部が二番車43と四番下かな61との間に保持されるとともに、中央部が地板20に形成された地板側支持部77に下方から支持される。また、図示の例において、押圧部材70の基端部は、輪列受側支持部72から下方に離間している。
そして、ムーブメント10の組立工程の終了後、押圧部材70に付勢力を付与する付勢力付与工程を行う。本実施形態の付勢力付与工程は、地板20の裏側に文字板11を取り付ける文字板取付工程によって行うことができる。
具体的に、図3に示すように、文字板取付工程において、文字板11を地板20側に向けて接近させると、文字板11がピン部材71の下端面に当接するとともに、文字板11によってピン部材71が上方に向けて押し込まれる。すると、ピン部材71の上端面が押圧部材70の中央部に下方から当接するとともに、押圧部材70がピン部材71によって上方に向けて押し上げられる。
押圧部材70がピン部材71により上方に向けて押し込まれると、押圧部材70のうち、先端部が四番下かな61に下方から当接するとともに、四番下かな61を介して四番車41を上方に向けて押し上げる。その後、四番歯車62が輪列受29の突出部29bに下方から当接することで、四番車41の上方移動が規制されるとともに、押圧部材70の先端部の上方移動が規制される。
一方、押圧部材70の基端部は、上述した輪列受側支持部72に下方から当接することで、その上方移動が規制される。
そして、押圧部材70の両端部の上方移動が規制された状態で、ピン部材71がさらに上方に向けて押し上げられると、押圧部材70は中央部が上方に向けて膨出するように弾性変形する。これにより、押圧部材70の先端部を四番下かな61に向けて付勢させることができる。その後、文字板11が地板20に突き当たった時点で、ピン部材71の上方移動が停止して、上述した押さえ位置となる。この状態で、文字板11を地板20に固定することで、ピン部材71の下方移動が文字板11によって規制される。
なお、文字板取付工程(付勢力付与工程)におけるピン部材71の移動量は、押さえ解除位置における外側突出部C1の上下方向における長さに相当する。したがって、外側突出部C1の長さに応じてピン部材71の移動量が決定され、押圧部材70の変位量(付勢力)が決定されるようになっている。
その後、四番車41、二番車43、及び筒車44に指針12〜14をそれぞれ取り付ける等、各種工程を経ることで、時計1の組立工程が終了する。
このように、本実施形態では、押圧部材70の先端部が四番下かな61を介して四番車41を押圧することで、四番歯車62に対して押圧部材70の押圧力に応じた摺動抵抗が付与される。これにより、運針停止時において、四番車41が、慣性によって四番歯車62と五番上かな40bとの間に設定されたバックラッシュ間で回転するのを抑制できる。その結果、ふらつきや運針ムラ等を抑制することが可能となる。
特に、本実施形態では、地板20の裏側に取り付けられる文字板11によってピン部材71を押さえ位置に向けて移動させることで、地板20及び輪列受29を組み付けた後に押圧部材70によって四番車41を押圧することができる。言い換えると、車軸60が地板20及び輪列受29に組み付けられる前に、押圧部材70によって四番車41が押圧されるのを抑制できるので、地板20及び輪列受29を組み付ける際に四番車41ががたつくのを抑えることができる。これにより、車軸60の軸長を短くする等、薄型化を図った上で、組付性の向上を図ることができる。
さらに、ピン部材71の押さえ位置において、押圧部材70が四番下かな61に向けて付勢されるため、四番車41に対して安定した押圧力を付与することができる。
また、本実施形態では、既存の文字板11をピン部材71の規制部材として用いることで、部品点数の増加を抑制できる。さらに、文字板取付工程において、押圧部材70に付勢力を付与することができるので、付勢力付与工程に伴う組立工数の増加を抑制できる。
そして、本実施形態の輪列機構23を具備する時計1及びムーブメント10によれば、運針ムラ等が抑制された高品質で、かつ薄型の時計1及びムーブメント10を提供することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係るムーブメント100の断面図である。本実施形態の運針ムラ抑制機構136では、ピン部材71の移動量(押圧部材70の付勢力)を調整する調整機構132を備える点で、上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成においては、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すムーブメント100(運針ムラ抑制機構136)において、調整機構132はピン部材71に着脱可能に装着されるキャップ133を備える。キャップ133は、有底筒状とされ、ピン部材71を下方から覆う。したがって、ピン部材71は、押さえ位置において、キャップ133の底部を介して文字板11に当接する。なお、本実施形態の挿通孔173は、上端部に位置する小径部173aと、下端部に位置するとともに小径部173aに対して内径が拡大した大径部173bと、を有する。そして、挿通孔173の大径部173b内に、キャップ133が収容されるようになっている。
図6は、時計1の組立工程を示す説明図であって、図5に相当するムーブメント100の断面図である。
このように構成されたムーブメント100では、図6に示すように、ムーブメント10の組立工程の終了後、ピン部材71の下端部にキャップ133を装着する。これにより、押さえ解除位置において、ピン部材71の下端部に加えて、キャップ133の底部がムーブメント100(地板20の下面)よりも下方に突出することになる(図5中の外側突出部C2)。すなわち、キャップ133は、ピン部材71及びキャップ133の底部を合わせた上下方向における長さを、底部の上下方向における長さ(厚さ)分だけ増加させる機能を有する。
この場合、上述した文字板取付工程(付勢力付与工程)において、文字板11により押し上げられるピン部材71の移動量が、ピン部材71のみの状態(キャップ133を取り外した状態)に比べて、キャップ133における底部の厚さ分だけ増加する。これにより、押圧部材70の変位量を増加させることができるので、押圧部材70の付勢力を増加できる。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、キャップ133の着脱に応じて、付勢力付与工程でのピン部材71の移動量を調整することができる。これにより、ピン部材71や押圧部材70の変更を伴うことなく、押圧部材70の付勢力を変更することができる。
特に、本実施形態では、底部の厚さが異なる複数のキャップ133を予め用意し、これら複数のキャップ133の中から任意のキャップ133を選択してピン部材71に装着することで、ピン部材71の移動量(押圧部材70の付勢力)を調整することができる。これにより、車軸60に取り付けられる秒針14に応じて押圧部材70の付勢力を調整できるので、時計1のデザイン(秒針14の慣性モーメント)に応じた摺動抵抗を付与することができる。
そして、地板20及び輪列受29の組付後に押圧部材70の付勢力を調整できるので、客先のニーズに応じた汎用性の高いムーブメント100を提供できる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、第3実施形態に係るムーブメント200の断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成においては、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すムーブメント200(運針ムラ抑制機構236)において、調整機構232は、ピン部材271の外周面に形成された雄ねじ部232aと、雄ねじ部232aに螺着されたナット232bと、を有する。雄ねじ部232aは、ピン部材271の外周面のうち下半部に形成される。なお、本実施形態において、挿通孔173の小径部173a及びピン部材271の上半部は、平面視形状が非真円形とされ、地板20に対するピン部材271の相対回転が規制される。なお、非真円形とは、多角形状や、長円形状等に限らず、真円の一部に弦を有する形状も含まれるものとする。
ナット232bは、ピン部材271に対する回転量に応じて、ピン部材271に対して上下方向に移動可能に構成される。本実施形態において、ピン部材271は、押さえ位置において、ナット232bを介して文字板11に当接する。
図8は、時計1の組立工程を示す説明図であって、図7に相当するムーブメント200の断面図である。
このように構成されたムーブメント200では、図8に示す押さえ解除位置において、ピン部材271の下端部に加えてナット232bがムーブメント200(地板20の下面)よりも下方に突出することになる(図7中の外側突出部C3)。すなわち、ナット232bは、ピン部材271及びナット232bを合わせた上下方向における長さを、ナット232bにおけるピン部材271の下端面よりも下方への突出した分だけ増加させる機能を有する。
そして、本実施形態では、ムーブメント200の組立工程の終了後であって、文字板取付工程(付勢力付与工程)を行う前に、ピン部材271に対するナット232bの回転量を調整する。これにより、ピン部材271及びナット232bの外側突出部C3の長さが調整される。その後、上述した実施形態と同様の方法により、地板20に文字板11を取り付けることで、ピン部材271が押さえ位置に移動して、押圧部材70に付勢力が付与される。
このように、本実施形態では、上述した第2実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、ナット232bの回転量を調整するだけで、ピン部材271の移動量を調整することができる。そのため、より簡単に押圧部材70の付勢力を調整できる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図9は、第4実施形態に係るムーブメント300の断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成においては、同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態のムーブメント300(運針ムラ抑制機構336)において、調整機構332は、ピン部材371に形成された雄ねじ部332aと、雄ねじ部332aに螺着されたナット332bと、を有する。
雄ねじ部332aは、ピン部材371の外周面のうち下半部に形成される。なお、本実施形態において、挿通孔373及びピン部材371の上半部は、平面視形状が非真円形とされ、地板20に対するピン部材371の相対回転が規制される。
ナット332bは、日車押さえ17及び地板20間において、回転可能で、かつムーブメント300に対する上下方向への移動が規制された状態で保持される。すなわち、本実施形態の日車押さえ17は、ナット332bを介してピン部材371の下方移動を規制する規制部材を構成する。また、日車押さえ17には、ナット332bの外周部分の一部を露出させる切欠き部17aが形成され、ナット332bが切欠き部17aを通して回転操作可能とされる。
このように構成されたムーブメント300においては、ムーブメント10を組立工程の終了後であって、文字板取付工程の前に、押圧部材70に付勢力を付与する付勢力付与工程を行う。具体的には、図10に示すように、日車押さえ17の切欠き部17aを通して、ナット332bをピン部材371に対して回転させる。すると、ナット332bに対してピン部材371が上昇することで、ピン部材371が上述した押さえ位置となる。すなわち、押圧部材70は、基端部が輪列受側支持部72に上方から支持されるとともに、中央部がピン部材371によって下方から押し上げられることで、先端部が四番下かな61に下方から押し付けられる。
このとき、ピン部材371の移動量は、ナット332bの回転量に応じて決定されるので、ナット332bの回転量を調整することで、押圧部材70の付勢力を調整できる。
したがって、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、ピン部材371の下方移動を日車押さえ17により規制した状態で、押圧部材70の付勢力を調整できる。この場合、文字板取付工程の前段階(ムーブメント300の状態)で押圧部材70に付勢力を付与することができるので、文字板取付工程で押圧部材70に付勢力を付与する構成に比べて、組付性を向上させることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図11は、第5実施形態に係るムーブメント400の断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成においては、同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態のムーブメント400において、運針ムラ抑制機構436は、上述した押圧部材70と、押圧部材70を四番車41に向けて付勢させるピン部材471と、上述した電池プラス端子28と、押圧部材70の付勢力を調整する調整機構432と、を備える。
押圧部材70は、延在方向の両端部が四番車41及びピン部材471に上方から各別に支持されるとともに、中央部が地板20に形成された地板側支持部77に下方から支持されることで、上方に向けて突の湾曲状に撓んだ状態で保持される。
ピン部材471は、輪列受29に形成された挿通孔473内に上下動可能に挿通される。ピン部材471の下半部及び挿通孔473は、平面視形状が非真円形とされ、輪列受29に対するピン部材471の相対回転が規制される。なお、挿通孔473は、平面視において、上述した押圧部材70の基端部に重なる位置に形成されるとともに、輪列受29を上下方向に貫通する。
調整機構432は、ピン部材471の上半部に形成された雄ねじ部432aと、雄ねじ部432aに螺着されたナット432bと、を有する。
ナット432bは、電池プラス端子28及び輪列受29間において、回転可能で、かつムーブメント400に対する上下方向への移動が規制された状態で保持される。すなわち、本実施形態の電池プラス端子28は、ナット432bを介してピン部材471の上方移動を規制する規制部材を構成する。また、電池プラス端子28には、ナット432bの外周部分の一部を露出させる切欠き部28aが形成され、ナット432bが切欠き部28aを通して回転操作可能とされる。
このように構成されたムーブメント400においては、図12に示すように、ムーブメント10を組立工程の終了後であって、例えば文字板11や指針12〜14を取り付けた後に押圧部材70に付勢力を付与する付勢力付与工程を行う。すなわち、付勢力付与工程を行う直前においては、ピン部材471が押さえ解除位置に位置するとともに、押圧部材70が地板20及び輪列受29間に自然長の状態で保持される。
そして、付勢力付与工程では、電池プラス端子28の切欠き部28aを通して、ナット432bをピン部材471に対して回転させる。すると、ナット432bに対してピン部材471が下降することで、ピン部材471によって押圧部材70の基端部が下方に向けて押し込まれる。
押圧部材70の基端部がピン部材471により下方に向けて押し込まれると、押圧部材70が中央部(地板側支持部77に支持された部分)を支点にして、梃子のように回動する。すると、押圧部材70の先端部が四番下かな61を介して四番車41を上方に向けて押し上げる。これにより、押圧部材70の先端部を四番車41に向けて付勢させることができる。
このとき、ピン部材471の移動量は、ナット432bの回転量に応じて決定されるので、ナット432bの回転量を調整することで、押圧部材70の付勢力を調整できる。
このように、本実施形態では、上述した第4実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、地板20の裏側に文字板11や指針12〜14を取り付けた後であっても、地板20の表側からピン部材471の移動量(押圧部材70の付勢力)が調整できる。この場合、取り付けられた秒針14の運針を確認しながら、押圧部材70の付勢力を調整することもできるので、秒針14の慣性モーメントに応じた最適な摺動抵抗を付与することができる。
また、メンテナンス時等においても、指針12〜14や文字板11を取り外すことなく、押圧部材70の付勢力を調整できるので、メンテナンス性の向上も図ることができる。
さらに、既存の電池プラス端子28をピン部材471の規制部材として用いることで、部品点数の増加を抑制できる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、秒針14が取り付けられる四番車41に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らない。例えば四番車41に噛み合う三番車42や五番車40に適用しても構わない。
なお、五番車40に適用した場合、一つはロータからの回転トルクが抑制されることで、四番車41の回転速度も抑制されるため、慣性による回転角も小さくなる。二つ目は運針後の四番車41の慣性で五番車40とのバックラッシュが詰まり、五番車40を回転させる力が働くが、押圧部材の付勢力により回転が抑制されるため四番車41のオーバランも抑制される。
また、三番車42に適用した場合には、運針後の四番車41の慣性で三番車42が回転するが、この回転が押圧部材の付勢力により抑制されるため、四番車41のオーバランを抑制する。その結果、運針ムラ等を抑制することが可能である。その他、クロノグラフ秒が取り付けられる歯車等、各種歯車に本発明を適用することが可能である。
さらに、上述した各実施形態では、アナログクォーツ式の時計に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、機械式時計に本発明を適用しても構わない。
また、上述した実施形態では、四番車41を軸方向に押圧する構成について説明したが、これに限らず、軸方向に直交する径方向に向けて四番車41を押圧する構成であっても構わない。
さらに、上述した実施形態では、四番下かな61を介して四番車41を押圧する構成について説明したが、これに限られない。
また、例えば、上述した実施形態では、押圧部材70を四番下かな61に向けて付勢させる構成について説明したが、これに限らず、押圧部材70が四番下かな61を単に押圧可能な構成としても構わない。
また、上述した第1実施形態では、ピン部材の規制部材として文字板11を用いる場合について説明したが、これに限らず、電池プラス端子28等の既存部材、また既存部材とは別部品で規制部材を設けても構わない。
さらに、上述した実施形態では、ピン部材の上端面または下端面により押圧部材70を押し上げ、または押し下げる構成について説明したが、これに限られない。例えば、ピン部材を押圧部材70に係止させた状態で、押圧部材70を引き上げたり、引き下げたりして押圧部材70に付勢力を付与しても構わない。
また、上述した第3〜5実施形態では、ムーブメント(地板20または輪列受29)に対するピン部材の相対回転を規制した状態で、ナットを回転させる構成について説明したが、これに限らず、ムーブメント(地板20または輪列受29)に対するナットの相対回転を規制した状態で、ピン部材を回転させる構成にしても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…時計
10,100,200,300,400…ムーブメント
11…文字板(規制部材)
14…秒針(指針)
20…地板(第1支持体、第2支持体、一方の支持体)
23…輪列機構
29…輪列受(第1支持体、第2支持体、一方の支持体)
35…ステップモータ(動力源)
40…五番車(伝達歯車)
40…四番車(歯車)
70…押圧部材
71,271,371,471…ピン部材
73,173,373,473…挿通孔
132,232,332,432…調整機構
133…キャップ
232a…雄ねじ部
232b…ナット

Claims (9)

  1. 伝達歯車に噛み合うとともに、車軸の両端部が第1支持体及び第2支持体にそれぞれ回転可能に支持された歯車と、
    前記第1支持体及び第2支持体間に保持されるとともに、前記歯車を押圧する押圧部材と、
    前記第1支持体及び第2支持体間のうち、何れか一方の支持体に形成された挿通孔内に挿通されるとともに、前記押圧部材を前記歯車に向けて押し付ける押さえ位置に向けて移動可能とされたピン部材と、
    前記一方の支持体の外側に組み付けられ、前記押さえ位置に向けて前記ピン部材を移動させるとともに、前記一方の支持体の外側への前記ピン部材の移動を規制する規制部材と、を備えることを特徴とする輪列機構。
  2. 前記押圧部材は、弾性変形可能とされ、
    前記ピン部材は、前記押さえ位置において、前記押圧部材を前記歯車に向けて付勢させることを特徴とする請求項1記載の輪列機構。
  3. 前記一方の支持体と前記規制部材との間には、前記押さえ位置に向けた前記ピン部材の移動量を調整する調整機構が配設されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の輪列機構。
  4. 前記調整機構は、前記一方の支持体の外側から前記ピン部材に着脱可能に取り付けられるキャップを備えることを特徴とする請求項3記載の輪列機構。
  5. 前記調整機構は、
    前記ピン部材に形成された雄ねじ部と、
    前記前記一方の支持体の外側から前記雄ねじ部に螺着されるナットと、を備えることを特徴とする請求項3記載の輪列機構。
  6. 前記一方の支持体は、地板であり、
    前記規制部材は、前記地板の外側に組み付けられる文字板または日車押さえであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の輪列機構。
  7. 前記一方の支持体は、輪列受であり、
    前記規制部材は、前記輪列受の外側に組み付けられる電池プラス端子であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の輪列機構。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の輪列機構と、
    前記輪列機構に回転力を付与する動力源と、を備えることを特徴とするムーブメント。
  9. 請求項8に記載のムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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