JP2016113704A - 農業用被覆資材 - Google Patents

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壮彦 権藤
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Abstract

【課題】べたがけシートに要される保温性、風抜け性に優れた農業用資材を提供する。【解決手段】連続繊維により構成される不織布であり、該連続繊維が芯部がポリエステル系重合体、鞘部がポリオレフィン系重合体からなり、鞘部の重合体の融点が芯部の重合体の融点よりも50℃以上低い芯鞘複合型であり、該連続繊維の単繊維繊度が10〜20デシテックスであり、連続繊維同士が2〜7本集束してなる集束糸が不織布中に10%以上存在していることを特徴とする農業用被覆資材。【選択図】図1

Description

本発明は、農業用被覆資材に関するものである。
従来から、発芽や育苗を促したり、栽培中の農作物を霜・雨・雹等から守る等の目的で、土壌および農作物や苗に直に触れるようにシートで被覆するべたがけ栽培が行われている。そして、この被覆シートは、べたがけシートと呼ばれるものである。べたがけシートは、農作物の成長速度や出荷時期を調整するために、覆っていたシートを剥がしたり、また覆ったりして、作物の状況を確認しながら、適宜、シートを取り付けたり取り外したりすることもある。
このようなべたがけシートとしては、ポリエチレン製等のフィルムを割繊化した不織布や、ポリエステル等によって構成される連続繊維からなる不織布が用いられており、特に連続繊維からなる不織布は、通気性や通水性があり、かつ透光性・保温性にも優れるという理由から多く用いられる。例えば、特許文献1には、複合フィラメントからなる不織布であって紫外線吸収剤が含有されることにより、耐候性と保温性が良好なべたがけシートに用いられる農業用不織シートが提案されている。
特開平2−139468号公報
特許文献1記載のシートをべたがけシートとして敷設して使用中に、シートが風によって煽られるという現象が起こる。この現象は、シート自体は繊維間空隙を有するため通気性は有するものの、敷設時にシートの繊維間空隙を風が十分に通り抜けずに抵抗を受けて煽られることにより生じると考える。一般に、通気性を測定するときは、数cm〜十数cmの試験片を用いて、この試験片の外周をしっかり固定した状態で強制的に通気した量を測るものであり、実際の敷設における通気(通風)とは固定状態が異なることもあり、一定の通気性を有するシートであっても、風の通り抜けやすさや風に対する抵抗が問題になるのである。
本発明は、べたがけシートに要される保温性、風抜け性に優れた農業用資材を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を達成するものであって、連続繊維により構成される不織布であり、該連続繊維が芯部がポリエステル系重合体、鞘部がポリオレフィン系重合体からなり、鞘部の重合体の融点が芯部の重合体の融点よりも50℃以上低い芯鞘複合型であり、該連続繊維の単繊維繊度が10〜20デシテックスであり、連続繊維同士が2〜7本集束してなる集束糸が不織布中に10%以上存在していることを特徴とする農業用被覆資材を要旨とするものである。
本発明の農業用被覆資材は、芯鞘型複合連続繊維により構成される不織布からなる。連続繊維を構成する芯部は、ポリエステル系重合体、鞘部はポリオレフィン系重合体からなる。
芯部を構成するポリエステル系重合体としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリン−2,6ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と、アルコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のジオール化合物とから合成されるホモポリエステルないしは共n重合ポリエステルがあり、上記ポリエステルにパラオキシ安息香酸、5−ソジュームスルフオイソフタール酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAなどが添加あるいは共重合されていてもよい。
鞘部を構成するポリオレフィン系重合体としては、炭素原子数が2〜16の脂肪族α−モノオレフイン、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンのホモポリオレフィン又は共重合ポリオレフィンなどがある。脂肪族α−モノオレフインは、他のオレフィンおよび、または少量(重合体重量の約10重量%まで)の他のエチレン系不飽和モノマー、たとえばブタジエン、イソプレン、ペンタジエン−1,3、スチレン、α−メチルスチレンの如き類似のエチレン系不飽和モノマーと共重合されていてもよい。特にポリエチレンの場合は、重合体重量の約10重量%までのプロピレン、ブテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1または類似の高級α−オレフィンと共重合させたものが好ましい。
なお、ポリエステル系重合体およびポリオレフィン系重合体には、本発明の目的を阻害しない範囲で、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤などの任意の添加物が添加されていてもよい。
特に艶消し剤として、酸化チタンなどの白色顔料を入れることは、光の散乱を促進し、結果、温度低下を抑制できるため好適である。
また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤も耐候性を向上させるため入っていることが好ましい。
芯部と鞘部の組合せとしては、上記の重合体から、融点差が50℃以上あるものを選択する。すなわち、芯部を構成するポリエステル系重合体の融点よりも鞘部を構成するポリオレフィン系重合体の融点が50℃以上低いものを選択する。
不織布においては、熱圧着部を有することにより構成繊維同士が一体化して、不織布として形態を保持しているものがよい。熱圧着部は、熱エンボス加工により形成されるものであるが、熱圧着部においては、鞘部は溶融または軟化して接着に寄与するが、芯部は熱の影響を完全に受けて溶融するのではなく繊維形態を維持させて、不織布の引裂強力を向上に寄与する。このように熱圧着部において、鞘部は溶融または軟化し、一方、芯部は繊維形態を維持させるために、両者の融点に50℃以上の差を設けることにより、熱エンボス加工の際に、芯部を熱の影響を受けさせずに、かつ鞘部を確実に溶融させて熱圧着部での熱接着固定をすることができる。
連続繊維における芯鞘複合比率(質量比)は、芯部/鞘部=70/30〜50/50がよい。鞘部よりも芯部の比率を同等以上にすることにより、機械的物性に優れ、実用的な強度が維持できる。なお、芯部の比率が70質量%を超えると、接着成分となる鞘部の比率が小さくなるため、熱圧着部での接着強力が低下する傾向となるため、芯部の比率の上限は70質量%がよい。
不織布を構成する連続繊維の単繊維繊度は10〜20デシテックスである。10デシテックス以上とすることにより、後述する集束糸の状態ではなく、連続繊維が単繊維として主として存在する領域が偏在したとしても、良好な風抜け性を得ることができる。また、10デシテックス未満の細い繊度のものは、紡糸工程での糸条の冷却が早いため、紡糸工程で融着により集束させることが容易ではなく、冷却前に融着による集束をするならば紡糸の初期段階にて行う必要があり、そうすると得られた集束糸は十分に延伸がなされていないため、糸物性に劣り、不織布物性も劣るものとなるため、実用に要する機械的強度を備えた資材を得ることができない。一方、単繊維繊度が20デシテックス以下とすることにより、不織布製造工程における製糸工程で、良好な操業性により繊維を得ることができる。すなわち、連続繊維からなる不織布の製造方法として一般的に知られる所謂スパンボンド法によって、20デシテックスを超える太繊度の連続繊維を良好な操業性により得ることは容易でないからである。
本発明における不織布には、構成繊維である連続繊維同士が2〜7本集束してなる集束糸が10%以上存在している。単繊維繊度が10〜20デシテックスである連続繊維を2本以上集束させることにより、すなわち、複数の連続繊維を集束させた箇所を設けることにより、不織布中に、より大きい開孔を多数設けることができる。そして、より大きい開孔が設けられることによって、不織布には、高い風抜け性を付与することができる。集束本数の上限を7本とすることにより、不織ウェブ化した際に構成繊維となる連続繊維や連続繊維が集束した集束糸を適度に分散させることができ、極端に大きな開孔を形成させることを防ぎ、農業用被覆資材として実用的な保温性を確保することができる。
不織布において、集束糸が存在している割合は10%以上である。集束糸の存在割合が10%未満では、集束糸を存在させる効果を発揮できない。不織布を構成する繊維のすべてが集束糸であってもよいが、不織布の目付が小さい場合に、繊維が存在しない領域が大きくなり、不織布化の手段として後述する熱エンボス加工を採用した場合に、エンボスロールの凸部に当接する箇所に存在する繊維が少なく、ひどい場合は繊維が存在しない領域も発生し、そうすると熱エンボス加工によって良好に繊維同士を結合することができず、不織布の形態安定性が劣る傾向となる。また、集束してなる個所は、使用中に摩擦されやすく、強い摩擦によって解除されることがあり、解除により自由になった繊維が毛羽として発生しやすくなる。したがって、不織布中には、構成繊維が、適度に単繊維の状態で存在していることが好ましい。集束糸の存在割合の上限は、不織布の目付にもよるが80%程度がよく、より好ましくは60%程度である。
本発明において、不織布中に集束糸が存在する割合は、以下の方法により算出する。
マイクロスコープを用いて、サンプルサイズ2.2mm×3.1mm、倍率100倍にて、不織布を撮影し、撮影された写真中に存在する繊維の全本数および集束している繊維の本数を数えた。なお、「集束している繊維の数」は、熱圧着部分以外の領域に存在する繊維であって、他の繊維との集束箇所が存在していれば、集束に寄与しているため集束糸とみなして、集束糸を構成する繊維の数を数えた。また、撮影は、不織布表面をランダムに5カ所を撮影し、撮影した5カ所の写真画像より繊維本数をそれぞれ数えて、下記式によりそれぞれの集束割合の求め、それらの平均値を集束糸の存在割合とした。
集束割合(%)=(集束している繊維の合計本数)/(全繊維の数)×100
本発明における不織布の目付は、10〜30g/mであることが好ましい。目付を10g/m以上とすることにより、農業用被覆資材として実用的な強度、保温性を確保することができ、一方、30g/m以下とすることにより良好な風抜け性を維持するとともに、透光性も確保できる。
不織布は、熱エンボスロールを用いた熱エンボス加工が施されて熱圧着部が形成されることにより、形態安定性を付与することが好ましい。熱エンボス加工においては、該熱圧着部は、連続する凸部が凹部を囲繞し、凸部に囲繞された多数の凹部が存在するパターン彫刻がなされたエンボスロールを用いて形成されることが好ましい。本発明の農業用資材は、上記したように、十分な風抜け性を具備することを考慮して、構成繊維の単繊維繊度が従来使用されていた農業資材よりも大きい繊度を設定し、かつ、構成繊維同士を集束させているため、個々の繊維と繊維の間、繊維と集束糸の間、集束糸と集束糸との間は、十分な空隙が確保されており、資材を構成する単位面積あたりの構成繊維本数が相対的に少なく、これは上記した好ましい目付範囲10〜30g/mを採用するとより顕著である。不織布を得る際に、繊維が堆積してなる不織ウェブに熱エンボス加工を施すが、このように単位面積あたりの構成繊維本数が相対的に少ない不織ウェブに対して、連続する凸部が凹部を囲繞し、凸部に囲繞された多数の凹部が存在するパターン彫刻がなされたエンボスロールを用いて行うとよい。熱エンボス加工では、不織ウェブにおいて、エンボスロールの凸部と当接する箇所に熱圧着部が形成されるが、繊度が比較的大きい繊維によって構成される不織ウェブは、二次元的に見たときに、繊維が存在しない箇所や領域を多く有しているが、連続した凸部を有するエンボスロールを用いることによって、凸部との当接箇所、領域を確実に形成させ、良好に構成繊維同士を熱接着固定する熱圧着部を形成するからである。また、凸部が連続していることにより、得られる不織布の形態安定性も向上する。凸部が散点状に形成されてなるエンボスロールを用いると、凸部の大きさや面積率にもよるが、そもそも不織ウェブを構成する連続繊維が規則正しく堆積、配列しているものではなくランダムに堆積しているので、エンボスロールの散点状の凸部とがランダムに存在する繊維が当接する箇所(熱圧着部)もまた規則的に形成されないため一定の形態安定性を有する不織布が得られにくいが、本発明では、連続した凸部を有するエンボスパターンのエンボスロールを用いることにより、このような現象が生じにくく、形態安定性の良好な不織布を得ることができる。
連続する凸部が凹部を囲繞し、凸部に囲繞された多数の凹部が存在するパターンとしては、例えば、図1に示すごとく格子状のパターンが挙げられる。凸部が連続線により形成されて、連続線(凸部)に囲まれた多数の凹部が形成される。他の例を図2に示す。図2は、連続する領域からなる凸部が凹部を囲繞して、凸部に囲繞された多数の楕円形状の凹部が形成されている。このような凹部の形状は適宜設計すればよく、円形、楕円形、三角や四角等の多角形等さまざまな形状が挙げられる。また、個々の凹部の面積は0.2〜2mm程度、凹部の密度は15〜70個/cm程度がよい。エンボスロールの全表面に対して凸部が占める面積の比率(凸部の面積率)は、得られる不織布に形成される熱圧着部と非熱圧着部(繊維が単に堆積してなる領域)とのバランスを考慮して、20〜50%がよい。20%以上とすることにより、不織ウエブにおける繊維の存在箇所と良好に当接させて、形態安定性に優れる不織布を得ることができる。また、上限は50%とすることにより、得られる不織布において熱圧着部以外の領域(繊維が堆積してなる領域)も確保することにより、不織布に柔軟性と実用的な機械的強力を具備させ、通風性が良好な資材を得ることができる。
熱エンボス加工に用いるエンボス装置は、上記した凹凸の彫刻パターンを有するエンボスロールとフラットロールとからなる装置を用いるとよい。
エンボス加工を施した不織布には、本発明の目的を阻害しない範囲で、親水剤、帯電防止剤など任意の剤が塗布等により付着していてもよい。
本発明の農業用被覆資材を構成する不織布は、以下の方法により製造できる。まず、不織布を構成する芯鞘複合型の連続繊維は、一般に使用されている芯鞘型複合紡糸口金を用いて溶融紡糸すればよい。例えば、溶融した熱可塑性重合体を紡糸孔へ導くための導入部分の上部で、溶融した鞘部の重合体の中央部分に溶融した芯部の重合体を注入するような構造を持ったものが多用されている。また、不織布は、いわゆるスパンボンド法により製造することができる。たとえば、空気圧を利用して連続繊維束を引き取りながら延伸し,コロナ放電等の方法で静電気的に開繊し、移動する捕集面上に堆積することでウエブ化したのち熱エンボス加工を施す。
引き取る際の牽引速度は、2000〜5000m/分に設定することが好ましく、3000〜5000m/分であることがさらに好ましい。牽引速度が2000m/分未満であると、繊維において十分に分子配向が促進されず、得られる不織布の寸法安定性が劣りやすくなる。一方、牽引速度が5000m/分を超えると紡糸安定性に劣りやすくなる。
本発明において、構成繊維の集束は、スパンボンド法による紡糸工程において行う。いわゆるスパンボンド法では、熱可塑性重合体を溶融させて紡糸口金のノズル孔から押し出す(溶融押出)〜押し出された糸条物に冷却風を吹き付ける等により冷却する(冷却)〜冷却固化した糸条を牽引のためのエアサッカーのジェットに導入する(ジェット導入)〜牽引〜開繊〜不織ウェブとして堆積〜不織ウェブに熱処理を施し一体化して不織布化(不織布化)の各工程を経て不織布となるが、(1)紡糸工程における冷却工程中、(2)ジェット導入直前、(3)ジェット導入直後のいずれかの段階で集束させるのがよく、より詳細には、完全に固化する直前の段階で繊維同士を接触させて集束させるのがよい。通常、冷却・固化は急冷により行うが、やや緩やかに冷却することによって完全固化する時点をとらえやすくし、紡糸口金ノズルの単孔間距離および冷却条件を適宜選択することにより、完全固化直前で隣り合う2〜7本の繊維同士を接触、凝着により集束させ、エアサッカーにより牽引する。なお、緩やかに冷却する方法としては、冷却ゾーンの温度は温度範囲を25〜35℃の範囲内に設定することや、冷却のための吹付け風量を通常の設定より少なくすることが挙げられる。
本発明の農業用被覆資材は、べたがけ用シートとして用いることにより、特に機能を良好に発揮しうる。また、べたがけシート以外の被覆資材、例えば、直に被覆するのではなくトンネル状に被覆する資材やハウス内の天井部分等にカーテンのごとく被覆する被覆資材、地面を被覆するマルチング資材等の農業用被覆資材としても用いることができる。
本発明の農業用被覆資材は、保温性、透光性、柔軟性を保持しながらも、敷設時に風によって煽られることなく良好に形態維持できる適度な剛性も有し、特にべたがけ用シートとして好適に使用できる。
熱エンボス加工に用いるエンボスロールのパターンの一例を示す。 熱エンボス加工に用いるエンボスロールのパターンの他の例を示す。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例において、各特性値の測定を次の方法により実施した。
(1)目付(g/m):10cm×10cmの試料片10点を作成し、標準状態における各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算して、不織布の目付(g/m)とした。
(2)単繊維繊度(デシテックス):JIS L 1013 に準じて測定した。
(3)引裂強力(N/5cm幅):JIS−L1096に記載のペンジュラム法に準じて測定した。すなわち、幅5cm×長さ10cmの試料片を5枚作製してタテ方向(MD)の引裂強力を測定し、それらの測定値の平均値を引裂強力(N/5cm幅)とした。
(4)風抜け性:不織布から150mm(MD)×150mm(CD)の試験片を40点採取した。採取したサンプルを8枚毎に重ねて、5等分し、JIS L 1096に記載のA法(フラジール法)で通気度〔cm3/cm2/秒〕を測定した。各試験片の通気度の平均値を求め、小数点第1位を四捨五入して不織布の風抜け性として3段階評価した。
○:300〔cm3/cm2/秒〕以上
△:200〔cm3/cm2/秒〕以上300〔cm3/cm2/秒〕未満
×:200〔cm3/cm2/秒〕未満
実施例1
ポリエステル系重合体として、融点258℃、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを使用した。ポリオレフィン系重合体として融点128℃、メルトインデックス値25g/10分の高密度ポリエチレンを使用した。鞘/芯=35/65(質量比)となるように個別に計量した後、個別のエクトル−ダー型押出機を用いて溶融し、芯鞘形複合断面となるように溶融紡糸した。その紡糸糸条を冷却した後、エアーサッカーにより3500m/分の速度で引き取った。冷却ゾーンでは、風量を調整し、冷却ゾーン内の温度を25〜35℃の範囲になるように設定し、エアサッカーのジェットへ導入直前で、繊維同士を接触させ凝着により集束させた。
引き取った繊維は、公知の開繊器にて開繊させ、移動する捕集面上に捕集・堆積させて連続繊維からなる不織ウエブとした。さらに、この不織ウエブを、エンボスロールとフラットロールとからなる熱エンボス装置に通して熱圧着部を形成した。エンボスロールの彫刻パターンが、凸部が連続して凹部を囲繞してなり、個々の凹部が楕円形であり、楕円形の長軸が、互い違いに配置されてなる彫刻パターン(図2に示すごときパターン)であり、個々の凹部の面積が0.42mm、凹部の密度が64個/cm、エンボスロールの全表面に対して凸部が占める面積の比率(凸部の面積率)が27%のエンボスロールを用い、熱エンボス加工温度:123℃、線圧:200Nとして熱エンボス加工を施して目付15g/mの不織布を得た。(写真1参照) また、不織布における集束糸の存在割合は39%、構成繊維である芯鞘型複合連続繊維の単繊維繊度は15デシテックスであった。集束糸の存在割合(%)は、上記した方法により算出し、マイクロスコープは、キーエンス社製VHX‐500Fを用いた。
比較例1
実施例1において、冷却ゾーンにおいては通常の急冷により、集束糸を発生させずに紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
比較例2
実施例1において、溶融紡糸時の吐出量を変えて芯鞘型複合連続繊維の単繊維繊度を7dtexとしたこと、冷却ゾーンにおいては通常の急冷により、集束糸を発生させずに紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の不織布を得た。
得られた実施例1、比較例1、2の不織布の物性を表1に示す。
Figure 2016113704
実施例1の不織布は、実用的な引裂強さを有し、特に、比較例1〜2に比べて優れた風抜け性を具備するものであり、風が強い場所や霜が降りやすい場所において、農作物を良好に被覆できることが期待できるものであった。
また、実施例1、比較例1〜2の不織布を適宜の大きさに裁断して農業用被覆資材とし、屋外の試験用畝(ネギ栽培)にべた掛けによる敷設をした(敷設期間:2週間)。本発明の被覆資材(実施例1)によって被覆したネギは、被覆のない路地栽培のものと比較して生育が格段に良化した。また、敷設期間中、観察していたところ、実施例1の農業用被覆資材は、比較例のものと比べて、風が吹いても煽られることなく、良好に地面を覆っていた。さらには、実施例1の被覆資材が敷設された箇所は、霜が降りた日に、比較例1、2と比較して、霜による影響が現れにくかった。従来より、寒冷地では、被覆資材内に霜が発生すると、被覆資材の高い断熱効果によって、被覆資材内において霜発生による低温化状態を維持してしまうという現象が発生し、霜が発生する時期には、寒冷地では、逆にべた掛けの使用を避ける傾向にあった。しかしながら、本発明の農業用被覆資材では、被覆資材内に霜が発生しても、その後、適度に有する通気性によって外気を適度に取り込むことができ、霜の影響による低温化が保持されにくいと考える。したがって、本発明の農業用被覆資材は、特に、北海道等の寒冷地において良好な使用が期待できるものであった。

Claims (3)

  1. 連続繊維により構成される不織布であり、該連続繊維が芯部がポリエステル系重合体、鞘部がポリオレフィン系重合体からなり、鞘部の重合体の融点が芯部の重合体の融点よりも50℃以上低い芯鞘複合型であり、該連続繊維の単繊維繊度が10〜20デシテックスであり、連続繊維同士が2〜7本集束してなる集束糸が不織布中に10%以上存在していることを特徴とする農業用被覆資材。
  2. 不織布を構成する繊維同士は、熱圧着部を有することにより一体化しており、該熱圧着部は、熱エンボスロールを用いた熱エンボス加工により形成されたものであって、熱エンボス加工において、連続する凸部が凹部を囲繞し、凸部に囲繞された多数の凹部が存在するパターン彫刻がなされたエンボスロールが用いられることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の農業用被覆資材。
  3. 農作物あるいは苗に直に触れるように覆って敷設するシートであり、請求項1または2に記載の農業用被覆資材によって構成されることを特徴とするべたがけシート。

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