JPH02139468A - 農業用不織シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は９作物に直接かけて使用するいわゆるべたがけ
用や作物の上方にアーチ状に敷設するトンネル用に主と
して用いられる保温を目的とした農業用不織シートに関
するものである。

（従来の技術） 農業用途に用いられている不織布としては１通常の生活
資材や衣料用途に用いられている不織布と同様、ポリエ
ステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
熱可塑性重合体が単独あるいは２種類以上組み合わせて
使用されている。しかし１農業用の不織布は、その使用
目的の特殊性により。

通常の不織布に要求される特性以外に透光性１透水性、
保温性等の種々の性能が要求される。また。

その不織布は、太陽光線に直接または間接的に長時間曝
されて使用されるものであるので先に述べた性能以外に
耐候性も要求されるものである。

（発明が解決しようとする課題） 先に列挙したような熱可り性重合体は、単独では十分な
耐候性を持たないことが多く、何らかの耐候剤を使用し
ているのが現状である。これらは。

原料の熱可塑性重合体を重合し、ペレット化する際に耐
候剤を添加する場合もあるし、また、不織布にする際に
新たに添加する場合もある。前述の熱可塑性重合体のう
ちポリオレフィン系のポリエチレンやポリプロピレンの
場合は、融点が比較的低く、耐候剤の熱分解を考慮する
ことがないので添加に際し１問題点は少ない。特に、不
織布の原料として多く利用されているポリプロピレンに
ついては多くの研究がなされており、必要十分な量の耐
候剤を添加すれば実用上問題のない耐候性を得ることは
可能である。

ところが、他の比較的融点の高い熱可塑性重合体である
ナイロンやポリエステルでは添加した耐候剤が溶融紡糸
の際の高温度で分解してしまうことが多いため十分な効
果を有する耐候剤が見出されておらず、不織布にした場
合の優れた性能のものは、得られていない。特に、最も
融点の高いポリエステルについては種々検討が行われて
いるが。

実用に耐えるレベルには達していないのが現状である。

このようにオレフィン系の不織布の耐候性については、
優れた性能を有するが、保温性については、ポリエステ
ルの不織布に比べると著しく劣っている。これは、保温
性に重要な赤外線に対する挙動がポリオレフィンとポリ
エステルでは大きく異なっているためと考えられ、これ
は、原料ポリマーの違いによる木質的なものである。

本発明は、農業用保温材料として十分な性能を持ち、か
つ長期間の使用に耐える耐候性をもつ不織布を提供する
ことを目的とするものである。

（課題を解決するだめの手段及び作用）本発明者らは、
このような課題を解決するために鋭意研究の結果、ポリ
エチレンテレフタレートを使用し、かつ、耐候剤のうち
紫外線吸収剤をフィラメント表面に重点的に配分するこ
とで両性能を満足できることを見い出し１本発明に至っ
た。すなわち５本発明は、ポリエチレンテレフタレート
を芯成分とし、ポリエチレンテレフタレートより融点が
２０℃以上低い熱可塑性重合体を鞘成分とする複合繊維
からなる不織布であって、前記複合繊維が長繊維フィラ
メントからなり、かつ、該複合ｌ６Ｊｉ維の鞘成分に紫
外線吸収剤が含有されている複合繊維からなる農業用不
織シートを要旨とするものである。

以下１本発明をさらに詳しく述べる。

本発明の農業用不織シートを構成する芯鞘フィラメント
の鞘成分となる熱可塑性重合体は、ポリエチレンテレフ
タレートの融点より２０℃以上低いものであれば、特に
制限されるものではなく９通常不織布に使用されるポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロン、さらには芯成分
と同しエチレンテレフタレート単位を含む共重合ポリエ
チレンテレフタレートであってもよい。特に、鞘成分を
ポリエチレンテレフタレートよりも大幅に融点の低い熱
可塑性重合体にした場合は２結成分に該不織布を固定す
るための接着成分としての機能を併せて持たせることが
でき、不織布製造と及び不織布の強度上好ましい結果が
得られる。また、良好な耐候性能を得ることが比較的容
易なポリオレフィン系の重合体を使用することはさらに
好ましい。

この場合、鞘成分に紫外線吸収剤以外の耐候剤。

例えば紫外線安定剤や酸化防止剤を添加することも問題
はない。共重合ポリエチレンテレフタレート重合体とし
ては、ポリエチレンテレフタレートと他のポリエステル
、例えばポリエチレンイソフタレートやポリエチレンア
ジペートなどとの共重合物がこれに該当する。芯成分の
ポリエチレンテレフタレートは１通常繊維用途に利用さ
れているものが使用できる。芯成分にも鞘成分と同様、
紫外線吸収剤を含む耐候剤を添加してもよい。しかし、
これらの耐候剤のうち芯成分に紫外線吸収剤を添加する
ことは、耐候性能の点から考えると、太陽光線が繊維表
面層から吸収されるため、芯成分に添加するよりも鞘成
分に紫外線吸収剤に集中的に添加した方が同じ量の紫外
線吸収剤でより効果を発揮できるものである。そのため
鞘成分にのみ紫外線吸収剤を添加すればよい。すなわち
８繊維表面に紫外線吸収剤を重点的に配合することで太
陽光線のエネルギーを表面部分の吸収剤で受は止め、繊
維の芯成分であるポリエチレンテレフタレート迄エネル
ギーが到達しに＜＜、耐候性の面で良好となる。また、
芯成分のポリエチレンテレフタレートの寄与で保温性も
良好となる。

本発明で使用される紫外線吸収剤としては１通常、熱可
塑性樹脂の紫外線吸収剤として用いられているベンゾト
リアゾール系、置換ベンゾフェノン系、ヒンダードアミ
ン系等が挙げられるが９本発明ではこれらに限定される
ものではない。

本発明の不織シートを構成するフィラメントは７結成分
が至るところで芯成分を包み込んでいるような芯鞘構造
でなければならない。また、その断面形状は芯、鞘とも
円形でかつ近似的に同心円構造を持・つ最も一般的な芯
鞘構造がよい。不織シートを構成するフィラメントの繊
度は１本来使用目的に応じて決められるべきものである
が、繊度があまり小さいと相対的に耐候性が悪くなるの
で通常は、２〜１０デニ一ル程度の範囲の中で選ぶのが
よい。また、芯成分に対する鞘成分の割合も同様に使用
目的によって決められるが、鞘成分は、不織布の接着剤
としての機能ばかりでなく内部の芯成分を紫外線から守
る役目をするものである。よって、鞘成分が余り少ない
場合、十分な耐候性を得ることができないので好ましく
ない。通常は、芯成分に対する鞘成分の重量比が０．５
〜３程度がよく。

この範囲の中で目的に応じた割合を選べばよい。

鞘成分に添加する紫外線吸収剤の量についても使用する
薬剤の種類や目的とする耐候性の程度に応じて適当に選
ぶ必要がある。

本発明の不縁シートを構成する芯鞘構造腹合繊維は９通
常、工業的に使用されている芯鞘型複合紡糸口金を用い
て製造することができる。例えば溶融した熱可塑性樹脂
を紡糸孔へ導くための導入部分の上部で、溶融した鞘成
分の樹脂の中九部分に溶融した芯成分の樹脂を注入する
ような構造を持ったものが多用されている。また、紡糸
したフィラメントを不織シートにする方法については。

いわゆるスパンボンド法と総称されている方法が利用で
きる。たとえば、空気圧を利用してフィラメント束を引
き取りながら延伸し、コロナ放電等の方法で静電気的に
開繊し、移動する多孔質帯状体の上に堆積する、二とで
ウェブ化したのち部分的に熱圧接することで固定すると
いうような方法が−・−船釣である。

（実施例） 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。

先ず、初めに以下の実施例および比較例で示したシート
の耐候性、保温性の評価法について説明する。

（１）耐候性 耐候性評価は１幅方向に１　ｍ　＋長さ方向に５ｍに切
り出したシートを地表よりり１０ｃｍの高さに水平に設
置した木製の枠に長さ方向が地面に対し水平方向になる
ように張り付けたまま屋外に放置し、４週間毎に左側よ
り１ｍづつ切り取ってシートの横方向の引張り強力を測
定した。すなわち、暴露時間に対するその強力の変化を
算出することで耐候性の評価とした。不織シートの横方
向引張り強力の評価法としては、　ＪＩＳ　Ｌ１０９６
６．１２　Ｂ法に準じて行った。

（２）保温性 保温性の評価は９幅方向に２　ｍ　＋長さ方向に５ｍに
切り出したシートを９幅１ｍ、最も高い部分が地表より
５０ｃｍの高さになるように地表に弓状に設置した枠に
シートの長さ方向が水平方向と一致するようにトンネル
状に取り付け、該トンネル中央部と外部の地表より２５
ｃｍの部分の温度を自記記録温度計により測定し、外部
温度と内部温度の差について２４時間での平均値を求め
た。

その平均値の大きい方が保温性が良好となる。

（３）ポリマーの融点、固有粘度 ポリマーの融点の測定値に゛ついては、パーキンエルマ
ー社製ＤＳＣ２型の示差走差熱量計を用い、昇温速度２
０’Ｃ／分で測定した融解吸熱ピークの最大値を示す温
度を融点とした。ポリエチレンテレフタレートの固有粘
度は、フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶媒を用
い、濃度０−５　ｇ　／　１００ｍ　ｔ！の条件で測定
した。

実施例１ 固有粘度が０．７のポリエチレンテレフタレートを芯成
分とし、密度が０．９７３ｇ／ｃｍ３．ＡＳＴＭ−Ｄ　
１２３８（Ｅ）法によるメルトインデックス値が２５ｇ
／１０分７融点が１３４℃である高密度ポリエチレンに
チハガイギー社のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤（
商品名；チヌビン３２８）を該ポリエチレンの１．５１
５℃％を添加したものを鞘成分とする２成分芯鞘構造で
、単糸繊度が３．０デニール、芯成分に対する鞘成分の
重量比が１．０のフィラメントを紡糸し、空気圧で延伸
し、開繊した後、移動する多孔質帯状体に堆積しウェブ
化した。このウェブを１１０℃に加熱した一対のロール
からなる熱圧接装置により部分的に熱圧接し、最終的に
目付が１５ｇ／ｍ”である不織シートを得た。性能結果
を第１表に示す。

第１表 比較例１ 鞘成分のポリエチレンに紫外線吸収剤を含まないこと以
外は実施例１と同じ構成の芯鞘型２成分複合繊維を紡糸
し、実施例１と同様に最終的に目付が１５ｇ／ｍ”であ
る不織シートを得た。結果を第１表に示す。

比較例２ 実施例１および比較例１と同じポリエチレンテレフタレ
ートからなる単糸デニール３．０の単一成分フィラメン
トを紡糸し、実施例１と同様の方法で堆積、ウェブ化し
、このウェブを２２０℃に加熱した一対のロールにより
部分的に熱圧接し、最終的に目付１５ｇ／ｍ”である不
織シートを得た。結果を第１表に示す。

比較例３ 密度が０．９０２ｇ／ｃｍ”、＾ＳＴ？Ｉ−Ｄ−１２３
８（Ｅ）法によるメルトインデックス値が３０ｇ／１０
分、融点が１６９℃であるポリプロピレンにチバガイギ
ー社のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤（商品名：チ
ヌビン３２８）を該ポリエチレンの０．７５重量％添加
し、単糸繊度が３．０デニールのフィラメントを紡糸し
、実施例１に準じてウェブ化した。このウェブを１３３
℃に加熱した一対のロールからなる熱圧接装置により部
分的に熱圧接し、最終的に目付が１５ｇ／ｍ”の不織シ
ートを得た。結果を第１表に示す。

表より明らかなように１本発明の不織シートは。

保温性能と耐候性能の両方とも優れたものであった。

（発明の効果） 本発明の不織シートは、芯鞘型複合繊維からなる不織布
であって９問題となる耐候性についても鞘部分に紫外線
吸収剤を含有させることで保温性能と耐候性能のいずれ
も優れたものとなり、農業用シートとして広く用いられ
るものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし，ポリ
   エチレンテレフタレートより融点が２０℃以上低い熱可
   塑性重合体を鞘成分とする複合繊維からなる不織布であ
   って，前記複合繊維が長繊維フイラメントからなり，か
   つ，該複合繊維の鞘成分に紫外線吸収剤が含有されてい
   る複合繊維からなる農業用不織シート。