JP2016112505A - 流体処理装置及び流体処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応槽内に気相領域と液相領域とが併存する方式において、界面の位置を高精度に制御することなく界面変動による諸問題を同時に解消できる流体処理装置を提供する。
【解決手段】反応槽5の内部には、上部に気相領域60が形成され、下部には気相領域60に連続して液相領域61が形成されている。反応槽5は、耐圧性の外筒57と耐食性を有する内筒58とを有し、内筒58の内周面には全域に亘って触媒59が配置されている。反応槽5の上部から処理対象流体Wと酸化剤としての空気Aとが導入される。処理対象流体Wに含まれる有機物が酸化反応によって分解され、触媒59によって酸化反応が促進される。気相領域60で析出した無機物は液相領域61に落下して溶解し、あるいはスラリーを形成する。無機物は液相領域61の水と共に排出される。気相領域60と液相領域61の界面BSが変動しても、気相領域60における触媒59の酸化反応の促進機能が低下せず、また、反応槽の腐食が抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体処理装置及び流体処理方法に関する。
従来から、ダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの難分解物質、し尿、下水、家畜糞尿、食品工場からの排水などの有機系の処理対象流体を分解、無害化して処理する流体処理装置が知られている。
例えば、超臨界水と酸化剤とを用いて、有機物を含む処理対象流体を酸化反応させて二酸化炭素、水、無機塩などの無害な物質に変換する流体処理装置が知られている。
水の臨界温度以上に加熱され、水の臨界圧力よりも低い圧力の高温高圧水(過熱水蒸気)に酸化剤を加えた流体を反応槽内で触媒に接触させて酸化反応を促進させる流体処理装置も知られている。
この種の流体処理装置で扱う処理対象流体には、金属や塩などの無機物が含まれていることが多く、これらの無機物は反応槽内で固体となって析出する。
無機物としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩などがある。
過熱水蒸気や超臨界水は有機物を溶解する溶解能が高いが、無機物に対する溶解能は低い。このため、無機物が堆積して反応槽が閉塞したり、触媒機能が低下するという問題がある。
特許文献1には、縦型の反応槽の上部に気相領域としての超臨界水領域を、下部に液相領域としての亜臨界水領域をそれぞれ形成し、超臨界水領域で析出した無機物を下部の亜臨界水領域に落下させる構成が開示されている。
無機物のうち、可溶性物質は亜臨界水に溶解し、不可溶性物質は亜臨界水に分散してスラリーを生成するため、いずれにおいても亜臨界水領域に接続された配管を介して反応槽の外部へ排出することができる。
特許文献2には、触媒を用いる方式において、縦型の反応槽の内周面に反応槽の上下方向全体に亘って触媒を配置して中央部を開け、処理対象流体の流路を塞ぐように無機物が堆積するのを回避した構成が開示されている。
具体的に説明すると、図8に示すように、円筒状の反応槽100の内周面に上下方向全体に亘って触媒102が配置されている。
反応槽100の上部から処理対象流体Wと酸化剤Aとが導入され、処理対象流体W中の有機物が酸化反応によって分解され、処理される。触媒102によって酸化反応が促進される。
処理済み流体は反応槽100の底面側から排出口104を介して排出され、熱交換器106によって液化される。処理速度を調整する等の観点から排出口104は反応槽の内径よりも小径に形成されている。符号TFは熱交換流体を、VPは蒸気を示している。
触媒を用いて酸化反応を促進させる方式では、触媒は処理対象流体の酸化分解が行われる気相領域にのみ存在させ、液相領域には触媒を設けないのが一般的である。
これは、気相領域では有機物の物質移動速度が劇的に増大し、有機物が触媒に接触する確率が格段に向上するが、液相領域に触媒を設けても触媒による酸化反応の促進作用はほとんど得られないからである。
上記のように、超臨界水領域等の気相領域で析出した無機物を液相領域(亜臨界水領域)に溶解又は分散させる構成とすれば、反応槽内から無機物を効率的に除去できる。
しかしながら、反応槽内に気相領域と液相領域とが併存する方式では、気相領域と液相領域との界面、すなわち液相領域の液面が上下に変動することを避けられない。
界面が下がると、触媒が存在しない部分まで気相領域が広がることになり、触媒が存在しない箇所では酸化分解の速度が低減することとなる。
ガンマ線レベル計等により界面の位置を検知し、反応槽内の圧力や反応槽から出る処理済み流体の圧力を調整することにより界面の位置を一定に保つことは理論的には可能である。
しかしながら、実際には、高温・高圧下の反応槽内における界面は蒸発と凝集のせめぎあいの相界挙動を呈し、明確なラインとして捉えることは不可能であり、制御の応答遅れ等とも相まって所定の位置に制御することはできない。
一方、この種の流体処理装置では、腐食性物質を含む処理対象流体を処理すると、反応槽内面が腐食するという問題がある。
塩素や硫黄などの腐食性元素を含んでいる処理対象流体を、気相領域と液相領域とが併存する方式の反応槽内で酸化分解すると、液相領域(亜臨界領域)で塩化物イオン、硫酸イオンが生成し、これらのイオンが反応槽を腐食させる。
通常、反応槽は高温、高圧で使用するため、ステンレスなど強度に優れた材料を用いる。しかしながら、塩化物イオン、硫酸イオンに対してステンレス材には耐食性がなく、腐食してしまう。
特に、気相領域と液相領域との界面付近では腐食電池の原理により腐食が顕著である。
特許文献2に記載の装置のように、反応槽の内部全体を気相領域とし、反応槽の内周面全体に亘って触媒を配置する構成においても問題がある。
図8に示すように、反応槽100の内方中央部は無機物の移動用空間として大きく開いているものの、底部は径が絞られており、反応槽の底面100aは無機物108が自重落下して堆積しやすくなっている。
底面に堆積した無機物108が経時的に塊状に成長し、やがては反応槽の下部を閉塞することとなる。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、反応槽内に気相領域と液相領域とが併存する方式において、界面の位置を高精度に制御することなく界面変動による諸問題を同時に解消できる流体処理装置の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、処理対象流体と酸化剤との混合流体中の有機物を分解し、前記処理対象流体を処理するための筒状の反応槽を備え、処理動作中に、前記反応槽の内部空間における前記処理対象流体の導入口側に存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が高い気相領域と、前記反応槽の内部空間における処理済み流体の排出口側に前記気相領域に連続して存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が低い液相領域と、が形成され、前記気相領域に連通する排気管を有する流体処理装置であって、前記反応槽の内周面には、少なくとも前記液相領域に対応する部分に耐食層が設けられているとともに、前記気相領域に対応する部分に触媒が設けられ、前記触媒は、前記気相領域と前記液相領域との界面を越えて前記液相領域内に延びている。
本発明によれば、反応槽内に気相領域と液相領域とが併存する方式において、界面の位置を高精度に制御することなく界面変動による諸問題を同時に解消できる流体処理装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る流体処理装置の概要構成図である。 反応槽の断面図である。 液相領域の液面を検知する構成を示す図である。 反応槽内で液相領域の液面が変動する様子を示す断面図である。 気相領域のみに触媒を配置する構成を示す断面図で、(a)は液面が所定の位置にある場合を示す図、(b)は液面が下がった状態を示す図である。 液面検知の他の例を示す図である。 液相領域を形成する手段の例を示す図である。 従来の反応槽を示す概要断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
図1に基づいて、本実施形態に係る流体処理装置(処理システム)の全体構成の概要を説明する。
流体処理装置1は、処理対象流体供給部2と、酸化剤供給部3と、助燃剤供給部4と、反応槽5と、熱交換部6と、固形分離部7と、液体降圧部8と、気体降圧部9と、流体処理装置1を制御する制御手段とを備えている。
以下、各構成について具体的に説明する。
処理対象流体供給部2は、原水タンク10を有しており、原水タンク10には、有機物を含む処理対象流体Wが貯留されている。原水タンク攪拌機11によって、処理対象流体Wに含まれる浮遊物質SS(Suspended solids)が均等に分散せしめられ、有機物濃度の均一化が図られる。
処理対象流体中の有機物濃度が低い場合、所望の濃度まで濃度調整を行うときは、高濃度化手段12によって処理対象流体の濃縮が行われる。高濃度化手段12としては、膜分離、遠心分離、凝集沈殿の構成を例示できる。
高濃度化手段12では、有機物や固形物をほとんど含まない希薄廃液が排出される。希薄廃液の素性が比較的良好な場合、中水などの用途で再利用ができる。
処理対象流体は、原水供給ポンプ13によって反応槽に向けて圧送される。処理対象流体は圧送される過程で、原水圧力計14で圧力を検知されるとともに、原水流量計15で流量を検知される。処理対象流体は原水供給ポンプ13で流量を調整可能となっている。
原水入口弁16は、逆止弁の役割を担っており、原水供給ポンプから送り出される処理対象流体について、原水供給ポンプ側から反応槽5側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
原水入口弁16を通過した処理対象流体は、原水の流路を囲むように配置された原水予熱器17によって予備加熱が可能となっている。
酸化剤供給部3は、コンプレッサからなる酸化剤圧送ポンプ18を有している。酸化剤圧送ポンプは、酸化剤として取り込んだ空気Aを、処理対象流体の圧力と同程度の圧力まで圧縮しながら、反応槽に向けて送り出す。
空気は圧送される過程で、酸化剤圧力計19で圧力を検知されるとともに、酸化剤流量計20で流量を検知される。空気は酸化剤入口弁21で流量を調節される。
酸化剤入口弁21は、逆止弁の役割を担っており、酸化剤圧送ポンプから圧送されてくる空気について、酸化剤圧送ポンプ側から反応槽側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
酸化剤入口弁21を通過した空気は、空気の流路を囲むように配置された酸化剤予熱器22によって予備加熱が可能となっている。
酸化剤圧送ポンプ18の駆動による空気の圧送量は、処理対象流体W中の有機物を完全に酸化させるのに必要となる化学量論的な酸素量に基づいて決定されている。
より詳しくは、処理対象流体のTOC(全有機炭素:Total Organic Carbon)、全無機態窒素(TN)、全無機態リン(TP)など、処理対象流体中の有機物濃度、窒素濃度、リン濃度などに基づいて、有機物の完全酸化に必要な酸素量が算出される。
具体的には、有機物の完全酸化に必要な酸素量の1.0倍〜3.0倍の酸素量が投入されるように設定される。酸化剤としては、空気の他、酸素、液体酸素、オゾン、過酸化水素水のうちの何れか1つ、あるいは、それらの2種類以上を混合したものを用いることができる。
助燃剤供給部4は、助燃剤タンク23を有しており、助燃剤タンクには、有機物を含む助燃剤ASが貯留されている。
助燃剤としては、比較的安価な水溶性の有機溶剤を例示することができる。あるいは、廃棄物スラリーであってもよい。
助燃剤タンク攪拌機24によって、助燃剤ASに含まれる浮遊物質SS(Suspended solids)が均等に分散せしめられ、有機物濃度の均一化が図られる。助燃剤は、助燃剤供給ポンプ25によって、処理対象流体供給部2に向けて圧送される。
助燃剤は圧送される過程で、助燃剤圧力計26で圧力を検知されるとともに、助燃剤流量計27で流量を検知される。助燃剤は助燃剤供給ポンプ25で流量を調整可能となっている。
助燃剤入口弁28は、逆止弁の役割を担っており、助燃剤供給ポンプから送り出される助燃剤について、助燃剤供給ポンプ側から処理対象流体供給部側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
助燃剤供給部4を設けることによって、処理対象流体中の有機物濃度が低い場合、反応槽へ送液するよりも上流で助燃剤を添加することが可能となり、反応槽内での発熱量を稼ぐことができるので、反応槽内の温度を所望の温度に保つことができる。
原水予熱器17を通過した処理対象流体と、酸化剤予熱器22を通過した空気は個別に反応槽5内に導入され、反応槽内で合流する。
処理対象流体の圧送圧力や、空気の圧送圧力は、反応槽内の圧力とほぼ同じになるように調整される。また、本実施形態では、処理対象流体と空気とが反応槽内で合流する構成としたが、反応槽に入る前に合流するようにしてもよい。
熱交換部6は、熱交換器49、熱交換器31及び熱媒体タンク32を備え、熱媒体タンク32には熱交換流体TFが貯留されている。
熱交換流体TFは熱交換ポンプ33で熱交換器49及び熱交換器31に供給される。熱交換器49は反応槽5の下端部外周面に設置されており、これによって反応槽5の内方下部に液相領域を形成する。熱交換器31の下流直後には、無機物を含む流体の温度を検知する熱交換器出口温度計47が設けられている。熱交換器出口温度計による検知結果が所定の数値範囲内に維持されるように、熱交換ポンプ33の駆動が制御される。
熱交換器49及び熱交換器31を通過して熱せられた熱交換流体は、パイプを通って熱エネルギー利用設備に送られる。熱エネルギー利用設備の一例として、発電機を例示することができる。
発電機では、熱せられたことによって圧力が高まっている熱交換流体を液体から気体の状態にするときに発生する気流によってタービンを回転させることで発電が行われる。
固形分離部7は、第1分離フィルタ入口弁34、第1分離フィルタ35、第1分離フィルタ出口弁36からなる第1分離系統と、第2分離フィルタ入口弁37、第2分離フィルタ38、第2分離フィルタ出口弁39からなる第2分離系統とを有している。
第1分離系統は、さらに第1分岐弁、第1分離フィルタ、第1ドレン弁等から構成されている。第2分離系統も同様に、第2分岐弁、第2分離フィルタ、第2ドレン弁等から構成されている。
反応槽内の液相領域(後述)に分散した無機物は、第1分離フィルタ又は第2分離フィルタにより補足される。第1分離系統と第2分離系統とは、交互に使用されるようになっている。
すなわち、第1分離系統が使用される場合には、第2分離系統の各弁が閉じられ、第2分離系統が使用される場合には、第1分離系統の各弁が閉じられる。
第1分離フィルタ又は第2分離フィルタが詰まると、液体出口圧力計40で計測される圧力が変化するため、これに基づいて第1分離フィルタ又は第2分離フィルタの洗浄、あるいは交換が行われる。
液体降圧部8は、液体出口弁41を有している。液体出口圧力計40で圧力を検知し、任意の圧力範囲となるように液体出口弁41の開度を調整して、連続的に液体を大気圧へと降圧する。
降圧された液体は全有機炭素分析機42でTOC値が分析され、処理水槽へと移送される。TOC分析装置により、閾値を超える濃度の全有機炭素が検出された場合には、TOC分析装置からの出力信号を受け警報が発せられる。
正常に処理されれば、処理済みの水は、活性汚泥による生物処理では除去し切れないごく低分子の有機物もほぼ完全に酸化分解されたものであるため、浮遊物質や有機物は殆ど含まれていない。
そのままの状態でも、用途によっては工業用水として再利用することが可能である。また、限外濾過膜による濾過処理を施せば、LSI洗浄液などに転用することも可能である。
気体降圧部9は、気体出口弁45を有している。反応槽の気相領域(後述)から出る排ガスは気体熱交換器43で冷却され、気体出口圧力計44で圧力を検知される。
任意の圧力範囲となるように気体出口弁45の開度を調整して、連続的に排ガスを大気圧へと降圧する。
降圧された排ガスはガスクロマトグラフで46でガス組成が分析される。未分解の物質が検出された場合、ガスクロマトグラフからの出力信号を受け警報が発せられる。
反応槽5の外周面には、反応槽5内の混合流体を加熱するためのヒータ29が設けられている。反応槽5内の混合流体は、ヒータ29によって加熱されることで昇温することに加えて、有機物が酸化分解されることによる発熱によっても昇温する。
処理対象流体Wが有機物を高濃度に含むものである場合、多量の有機物が酸化分解される際の多量の発熱だけで、混合流体が所望の温度まで昇温することもある。
この場合、装置の立ち上げ時のみ、原水予熱器17及び酸化剤予熱器22、ヒータ29による加熱を行い、酸化分解が開始された後には、これらへの通電をオフにすることができる。
反応槽5内の温度は反応槽温度計30によって検知され、所定の温度よりも高くなった場合には、原水予熱器17、酸化剤予熱器22及びヒータ29をオフにする制御がなされる。
本実施形態における流体処理装置の処理は以下の条件下で行われる。
温度及び圧力の条件として、温度=374.2℃以上、且つ、圧力=22.1MPa以上を採用した場合、水の臨界温度や臨界圧力をそれぞれ超え、且つ空気の臨界温度や臨界圧力もそれぞれ超える状態となる。
超臨界流体中では、有機物が良好に超臨界流体に溶解するとともに、空気に良好に接触することから、有機物の酸化分解が急激に進行する。
あるいは、上記の温度及び圧力の条件として、温度=200℃以上(望ましくは374.2℃以上)、且つ、圧力=22.1MPa未満(望ましくは10MPa以上)且つ、反応温度における飽和蒸気以下の圧力の比較的高圧を採用して、反応槽内で混合流体中の処理対象流体を過熱水蒸気にしてもよい。
図2に基づいて、反応槽5の構成を詳細に説明する。
円筒状で縦型の反応槽5の上端部には、開口を有するフランジ50が固定され、このフランジ50に対して、処理対象流体Wと空気Aとの混合流体を導入する導入口51を有するフランジ52が気密状態で結合されている。また、フランジ52には、反応槽5の内部に連通する排気管56が設けられている。
反応槽5の下端部には、開口を有するフランジ53が固定され、このフランジ53に対して、処理済み流体DFを排出する排出口54を有するフランジ55が気密状態で結合されている。
導入口51と排出口54の径は、反応槽5の内径よりも細くなっている。
導入口51としては、処理対象流体を反応槽内に導入するための処理対象流体流入管と、処理対象流体流入管内に挿入され、空気Aを反応槽内に導入するための小径の酸化剤流入管とからなる2重管構造を有している。
この2重管構造は内外の位置が逆の構成でもよく、反応槽の内外で効率よく混合できれば他の構造でもよい。
反応槽5は、耐圧性に優れた外筒57と、外筒57の内側に密着して収納される耐食性に優れた内筒58とによる2重構造になっている。
処理対象流体の種類によっては、有機塩化物のクロロ基に由来する塩酸や、アミノ酸等のスルホニル基に由来する硫酸が発生して、内筒58の内壁を強い酸性下におくことがある。
このため、内筒58には、耐食性に優れたチタン(Ti)からなる筒が採用されている。Tiからなるものに代えて、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、又はPdからなるものを用いてもよい。
また、Ti、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、及びPdのうち、少なくとも何れか1つを含む合金からなるものを用いてもよい。
これに対し、外筒57は、SUS304、SUS316などのステンレスやインコネル625など、強度に優れた金属材からなる筒である。高圧に耐え得るように、外筒57の厚みは内筒58に比べて大きい。
外筒57と内筒58の熱膨張係数が大きく違う場合は、外筒と内筒の間に隙間を設けて内筒の内部と同じ圧力になるように、隙間に均圧水を充填させる圧力バランス型と呼ばれる構造にしてもよい。
外筒57の材料としては、他に、Fe、Ni、Cr、Moにおける少なくとも何れか1つを含む合金を例示することができる。さらにはセラミック、石英ガラスなどを例示することができる。
これらの中から、必要な条件、すなわち、コストや加工性、選択した触媒物質の被覆のしやすさ、機械強度、反応条件における耐熱性、耐食性を考慮して選択すればよい。
反応槽5の内部には、処理動作中、導入口51側に存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が高い気相領域60と、排出口54側に気相領域60に連続して形成され、反応圧力に対する沸点よりも温度が低い液相領域61とが形成される。
液相領域61は、上述のように熱交換器49の冷却機能によって形成される。排気管56は気相領域60に連通している。気相領域60から出る排ガスEGは気体熱交換器43で冷却され、気体出口圧力計44で圧力を検知される。
反応槽5の気相領域60に対応する内周面、すなわち内筒58の内周面には、触媒59が積層して設けられ、さらに触媒59は、気相領域60と液相領域61との界面BSを越えて液相領域61内に延びている。
本実施形態では、触媒59は内筒58の内周面全体に亘って隙間無く設けられている。ここでは、触媒59は反応槽の内周面に層状ないし膜状に形成した構成を例示している。
触媒59は、円筒状の基材に触媒物質を層状に被覆して形成される触媒部材でもよい。この場合、触媒部材は内筒58よりも若干小径の円筒部材となる。
触媒59としては、少なくともその表面が有機物の酸化分解を促進する触媒物質からなるものである。
反応槽5内の臨界温度よりも高い温度領域である気相領域60で、処理対象流体と酸化剤とを加熱及び加圧状態下で混合し、処理対象流体中の有機物を酸化反応によって分解し、処理対象流体を処理する。
酸化反応に伴い生成する無機物を、反応槽5内の臨界温度よりも低い温度領域である液相領域61へ移動させる。
混合流体は、反応槽内をその長手方向に沿って上方から下方に向けて移動する。気相領域60を下方に移動した混合流体は、有機物がほぼ完全に酸化分解された状態になる。
このとき生成する無機物が自重により、液相領域61へ移動する。無機物の可溶成分は液相領域61の水へ可溶化し、不可溶成分はスラリーを形成する。
無機物を含む処理水DFは、排出口54から反応槽外へと排出される。
反応槽5は下部を円錐型にしてもよい。酸化分解が完了した処理対象流体は、二酸化炭素ガス、窒素ガス、酸化剤の余剰酸素ガスを含んでおり、これらの排ガスEGは排気管56から反応槽外へと排出される。
触媒59を構成する触媒物質としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Zn、Ce、Ti、Mnの何れか、あるいはそれらのうちの少なくとも1つを含む化合物を例示することができる。
但し、従来の充填式などと比較して、表面積はどうしても小さくなるので、処理対象流体の有機物に対する触媒能が高いものが望ましい。
反応槽5の内周面に触媒が存在することによって、反応槽の耐食効果が増す。特に、Pd、Ptは耐食性に優れているため、液相領域61の腐食を低減する効果が大きい。
反応槽5の内面全体に亘って触媒を存在させることにより、腐食が顕著な気相領域60と液相領域61との界面BSが反応槽内を上下に変動しても、優れた防食効果を発揮する。
これにより、触媒59の下層に存在する耐食材としての内筒58の寿命を延ばすことができ、触媒のみを定期的に交換することによって、内筒58の交換なしで処理が可能となる。
過熱水蒸気の条件下で、処理目的が有機物の完全分解である場合には、触媒を設けると効果的である。
触媒の存在により、処理対象流体中の有機物の酸化分解が促され、効率よく燃焼反応が起こる。この結果、有機物の燃焼熱により、反応槽内の温度を維持できるため、気相となる箇所が少なくとも存在する。
また、触媒の存在により、分解されない有機物やアンモニア態窒素が残っていても、酸化分解を促進し、完全に処理することができる。
反応槽5の内部空間は、高温と高圧を維持して反応時間を確保する反応場としてなる。反応槽内の混合流体に加える圧力としては、0.5〜30MPa(望ましくは5〜15MPa)の範囲を例示することができる。
反応槽内の圧力は、排出口54の下流側に配置される液体出口弁41と、排気管56の下流側に配置される気体出口弁45とによって調整される。
液体出口弁あるいは気体出口弁は、反応槽内の圧力が閾値よりも高くなると、自動で弁を開いて反応槽内の混合流体を外部に排出することで、反応槽内の圧力を閾値付近に維持する。
反応槽内の混合流体の温度としては、100〜700℃(望ましくは200〜550℃)を例示することができる。
図3に示すように、反応槽5の外部には、気相領域60と液相領域61との界面BSを検知する液面計としてのガンマ線レベル計62が設置されている。
ガンマ線レベル計62は、反応槽5の外部に配置された遮蔽容器63に収納された線源64と、反応槽5の外部において線源64と相対する位置に配置され、広い測定範囲をカバーするシンチレータを備えた検出器65と、検出器65から検出信号が伝送される変換器66とを有している。
線源64から放射線としての扇形のガンマ線ビームが界面BSを斜めに透過するように照射される。液相領域61内に入射したガンマ線は減衰するため、検出器65での検出量が変化し、その特性により界面BSの位置を検知することができる。
変換器66からのレベル出力は液面コントローラ67に入力される。液面コントローラ67は、界面BSの位置が反応槽5内の所定の位置に保たれるように、液体出口弁41のON・OFF又は開度を調整する。
反応槽5内の圧力を所定の圧力に維持するためには、気体出口圧力計44で系の圧力を測定し、圧力コントローラ68にて気体出口弁45のON・OFF又は開度を調整する。
液面コントローラ67と圧力コントローラ68は、流体処理装置1の全体動作を制御する制御手段が兼ねる構成としてもよい。
界面BSの位置が反応槽内で上方に変動した場合は、液体出口弁41を開くかあるいは開度を大きくする方向に調整するとこで、界面BSの位置を下げることができる。
逆に、界面BSの位置が下方に変動した場合は、液体出口弁41を閉めるかあるいは開度を小さくする方向に調整することで、界面BSの位置を上げることができる。
界面BSの位置を略一定に保つことで、無機物の除去を担う液相領域61を安定的に確保することができる。
流体処理装置1の動作を制御する制御手段には、流量、圧力、温度に関する各計器類からの検知情報、ポンプ等の機器類からの運転状態情報等が入力される。
制御手段はこれらの情報に基づいて、ポンプ、予熱器、流量調節弁、開閉弁などを制御する。
制御手段には、さらに操作・表示用機器として図示しないタッチパネルが備えられ、温度、圧力、流量などの状態、異常発生時の警告や故障内容の表示と、設定値等の入力・変更が可能になっている。
異常発生時には、ポンプの駆動、ヒータの通電をオフにするなどして、また入口弁を閉じるなどして、インターロック制御される。
異常内容としては、機器の故障、流路での詰り、漏れなどがあり、異常圧力、異常温度を制御手段で判断し、タッチパネルで監視できるようになっている。
上記のように、反応槽5の内部には、有機物の酸化分解を促す触媒59が反応槽の内周面全域に亘って配置されている。
触媒59は、気相領域60では触媒作用を発揮し、処理対象流体の酸化分解を促す。一方で、触媒59は、液相領域では耐食作用を発揮し、液相領域で生成する腐食性物質から、内筒58あるいは外筒57を保護する。
触媒59の材料(触媒種)として、Pdを例示することができる。Pdは触媒活性が高い材料であり、かつ、耐食性に優れている。
反応槽の内周面全域に亘ってPdを存在させることにより、液相領域61で腐食物質が生成しても、腐食が低減される。
また、Pdを反応槽内の全域に亘って存在させることにより、気相領域と液相領域の界面BSが上下に変動することによる腐食を抑制することができる。
界面BSの近傍は最も腐食しやすい環境である。界面BSの位置は液面計の検知情報に基づいてコントロールされているが、ポンプの脈動や、圧力変化で界面が液面計の制御速度以上に早く、反応槽内を上下に移動してしまう可能性がある。
触媒59が反応槽内全域に亘って存在していると、界面の位置に関係なく反応槽の耐食性が維持される。
これは、耐食性の観点からは、界面の位置制御の精度が低くても防食機能を得ることができることを意味する。
図4に示すように、界面BSがBS1からBS2の位置に下がっても内筒58又は外筒57が直接腐食性の高い環境下に露出せず常に触媒59が存在するので、耐食性を維持することができる。
また、界面BSが下がっても触媒59が存在するので、触媒59が存在しないことによる気相領域60での触媒による酸化反応の促進作用が得られない部分が存在するという問題も解消できる。
図5に示すように、従来の考え方で気相領域60のみに触媒59を配置した場合、界面BSが下がると、図5(b)に示すように触媒59が存在しない領域Nが存在する。
領域Nでは内筒58又は外筒57が腐食性の高い条件下に晒されるため、腐食が進行する。
また、領域Nは気相領域60の一部となるが、領域Nには触媒59が存在しないため、触媒による酸化反応の促進作用は得られない。
上述のように、界面BSは実際には明確なラインとして捉えることができないので、所定の位置に界面BSを維持することは困難である。
本実施形態の如く、少なくとも界面BSを越えて液相領域61に触媒59を存在させることにより、界面BSの変動があっても耐食機能を得ることができる。
界面BSの位置制御は、無機物を除去する液相領域61を確保する観点からはさほど精度が要求されないが、反応槽の防食の観点からは、界面BSの変動に伴って腐食条件が変化するので精度が要求される。
しかしながら、界面BSの位置制御は実際上困難であり、それ故に、界面BSの位置制御の精度に拘わらず触媒59の存在によって防食機能を得ることができる意義は大きい。
最も腐食しやすい界面近傍の腐食を抑制するという観点からは、触媒59の気相領域60から液相領域61への進入度は液相領域全体に限定されない。
界面BSの変動範囲をカバーできる程度に液相領域に延びている構成としてもよい。
耐食性を有する内筒58は腐食が生じやすい液相領域にのみ設ける構成としてもよい。この場合、界面BSの変動範囲をカバーできる程度に、界面BSを越えて気相領域60内に延びる長さに設定すればさらに望ましい。
気相領域60における触媒59は、必ずしも周方向に連続した層状ないし膜状に形成されていなくてもよい。気相領域60における酸化分解の反応を促進する機能が得られる範囲で、断続的に配置し、あるいは周面に分散させてもよい。
本実施形態では、反応槽5の基本構造を外筒57と内筒58との2重構造としたが、外筒57が耐食性を兼ねる単筒構成であっても、上記と同様の機能を得ることができる。
図2において、反応槽上部の下向き矢印は、処理対象流体Wと空気Aとの混合流体の搬送方向を示している。
処理対象流体Wは、通常は液相(10MPaの場合、室温〜300℃程度)で反応槽内に投入される。
反応槽内に投入された処理対象流体Wは、反応槽内の気相領域を通過する間に周囲から熱(有機物の酸化分解で生じる燃焼熱または、予備加熱ヒータからの熱)を得て、液相状態から気相状態へと状態が変化する。
反応槽内の気相領域60では、処理対象流体中の有機物の物質移動速度が気体分子のように劇的に増大するため、有機物が層状の触媒59に接する確率が格段に向上する。
すなわち、気相領域60での挙動を模式的に示すと、分子状の有機物mは触媒59から離れていても高速でランダムに移動して触媒59に接触する。
処理対象流体中の水の気相化は連鎖的に高速進行するため、有機物の処理速度が高められ、且つ、短時間のうちに処理が完了する。
反応槽5の気相領域60の軸方向あるいは長手方向の大きさは、反応槽内において処理対象流体中の水の状態が液相から気相に変わる部位から、液相領域までの距離が、少なくとも反応槽の内径の半径よりも長くなるように設定されている。
処理対象流体中の水の状態が液相から気相に変わる部位は、例えば、反応槽内に上下方向に間隔おいて設置した複数の熱電対による温度モニタの温度変化で判断することができる。
具体的な処理時間(処理対象流体が反応槽を通過する時間)は、2秒〜30分である。このような処理時間となるように、反応槽5内に投入する処理対象流体Wの量が調整される。
本実施形態では、液相領域61の液面を検知する液面計としてガンマ線レベル計62を例示したが本発明はこれに限定されない。
図6に示すように、反応槽5の内部の温度を検知する温度検知手段70で液面を検知するようにしてもよい。気相領域60と液相領域61とでは温度に差があるので、温度変動をモニタしながら液面の変動を把握する。
反応槽5の上下方向に間隔をおいて温度検知手段70を複数設ける構成とすれば、液面位置の正確性を高めることができる。
液相領域61を形成する手段として、反応槽5の外周面に熱交換器49を設ける構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。
図7に示すように、反応槽5の内部に熱交換器49を設置してもよい。この場合、熱交換器49の形状はコイル状であってもよい。また、冷却水(圧力水)を直接反応槽内に投入して、反応槽内部に液相領域を形成するようにしてもよい。この場合、冷却水は反応槽内部に液相を確実に形成するような温度、流量にすればよい。
[実施例]
(実施例1)
図1で示した流体処理装置1を用い、下記条件で運転を行った。
<実験条件>
処理対象流体;有機物としてメタノール12wt%、無機物としてシリカ・アルミナ1wt%、腐食物質として塩素300ppmの混合液
酸化剤;空気
空気予熱温度;400℃
処理流体予熱温度;200℃
圧力;10MPa
反応温度;480±20℃
気相領域滞留時間;約60秒
反応槽構造;外筒はインコネル625製、内筒はチタン製の縦型円筒形
触媒種;PdO(酸化パラジウム)
運転時間;100時間
処理済み液のTOC分析装置による全有機炭素量は、9mg/L以下の範囲を保っており、処理対象流体中の有機物が効率良く酸化分解されていることがわかった。
また、無機物は良好にフィルタで捕集され、反応槽内にはほとんど堆積していなかった。運転後、反応槽内の触媒表面を観察したところ、顕著な腐食がなかったことから、PdOによる装置の耐食性が確保されていることがわかった。
(実施例2〜6)
実施例2〜6では、図1で示した流体処理装置1を用いて、腐食性物質である塩素の濃度を変化させた実験と、塩素の代りに硫黄を用いた実験と、腐食性物質として塩素と硫黄を混合させたものを用いた実験とを実施した。実験条件を表1に示す。
Figure 2016112505
表1以外の実験条件は実施例1と同様である。それぞれの試験後、反応槽内の触媒表面の観察を行った結果、触媒表面に腐食は観察されなかった。
また、どの条件下でも、実施例1と同様に処理済み液のTOC分析装置による全有機炭素量は、9mg/L以下の範囲を保っており、処理対象流体中の有機物が効率良く酸化分解されていることがわかった。
(比較例)
図2の反応槽とは異なる反応槽を用いて、実施例1と同じ実験条件で運転を行った。ここで用いた反応槽は、図5に示すように、触媒が反応槽内の気相領域のみ存在しているものである。
反応槽内の液相領域には触媒が存在せず、耐食材(内筒58)が存在している。実験後に反応槽内を観察したところ、触媒と耐食材の継ぎ目部分で腐食が観測された。
これは、触媒と耐食材、すなわち異なる金属同士を密着させている隙間に、塩化物イオンが移動・蓄積して周辺のphを低下させるために起こる、隙間腐食である可能性が高い。
このことから、触媒は反応槽の内部空間全域に亘って存在させた方が良いことがわかった。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
W 処理対象流体
A 酸化剤としての空気
5 反応槽
41 弁としての液体出口弁
49 熱交換器
51 導入口
54 排出口
56 排気管
58 耐食層としての内筒
59 触媒
60 気相領域
61 液相領域
62 液面計としてのガンマ線レベル計
67 制御手段としての液面コントローラ
特許第2726293号公報 特開2014−136204号公報

Claims (10)

  1. 処理対象流体と酸化剤との混合流体中の有機物を分解し、前記処理対象流体を処理するための筒状の反応槽を備え、
    処理動作中に、前記反応槽の内部空間における前記処理対象流体の導入口側に存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が高い気相領域と、前記反応槽の内部空間における処理済み流体の排出口側に前記気相領域に連続して存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が低い液相領域と、が形成され、
    前記気相領域に連通する排気管を有する流体処理装置であって、
    前記反応槽の内周面には、少なくとも前記液相領域に対応する部分に耐食層が設けられているとともに、前記気相領域に対応する部分に触媒が設けられ、
    前記触媒は、前記気相領域と前記液相領域との界面を越えて前記液相領域内に延びている流体処理装置。
  2. 請求項1に記載の流体処理装置において、
    前記耐食層が前記反応槽の内周面全体に設けられているとともに、前記耐食層に積層して前記反応槽の内周面全体に前記触媒が層状に設けられている流体処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の流体処理装置においいて、
    前記気相領域と前記液相領域との界面を検知する液面計と、
    前記液面計の検知情報に基づいて、前記排出口の下流側に配置される弁の開閉を調整する制御手段と、
    を有する流体処理装置。
  4. 請求項3に記載の流体処理装置において、
    前記液面計が、前記反応槽を放射線が透過する量の変化によって界面の変化を検知する構成を有する流体処理装置。
  5. 請求項3に記載の流体処理装置において、
    前記液面計が、前記反応槽内の温度の変化によって界面の変化を検知する構成を有する流体処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の流体処理装置においいて、
    前記液相領域が、前記反応槽の外部に設けられた熱交換器により形成される流体処理装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の流体処理装置においいて、
    前記液相領域が、前記反応槽の内部に設けられた熱交換器により形成される流体処理装置。
  8. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の流体処理装置においいて、
    前記液相領域が、圧力水を前記反応槽の内部に投入することにより形成される流体処理装置。
  9. 処理対象流体と酸化剤との混合流体中の有機物を分解し、前記処理対象流体を処理するための筒状の反応槽を備え、
    処理動作中に、前記反応槽の内部空間における前記処理対象流体の導入口側に存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が高い気相領域と、前記反応槽の内部空間における処理済み流体の排出口側に前記気相領域に連続して存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が低い液相領域と、が形成される流体処理装置であって、
    前記気相領域に対応する部分に触媒が設けられ、
    前記触媒は、前記気相領域と前記液相領域との界面を越えて前記液相領域内に延びている流体処理装置。
  10. 反応槽内で、処理対象流体と酸化剤とを混合し、前記処理対象流体中の有機物を酸化反応によって分解する流体処理方法において、
    前記反応槽内に、
    前記処理対象流体の導入口側に存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が高い気相領域と、処理済み流体の排出口側に前記気相領域に連続して存在し、反応圧力に対する沸点よりも温度が低い液相領域と、を形成し、
    前記気相領域に触媒を設けて酸化反応を促進させるとともに、
    前記触媒を前記気相領域と前記液相領域との界面を越えて前記液相領域内に配置し、少なくとも前記界面近傍の腐食を抑制する流体処理方法。
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