JP2015016401A - 廃液処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特許文献1に記載の廃液処理装置とは異なる新規な構成により、槽内温度を一定の範囲内に制御する。【解決手段】低濃度廃液W1を反応槽30に向けて圧送する圧送手段たる第1圧送系統(1、2、3、4、5、6)と、高濃度廃液W2を反応槽30に向けて圧送する圧送手段たる第2圧送系統(7、8、9、10、11、12)と、槽内温度計34による検知結果が所定の範囲内になるように、それら圧送手段についてそれぞれ単位時間あたりの廃液圧送量を個別に制御する制御装置100とを設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、廃液と酸化剤との混合流体を加熱及び加圧しながら、廃液中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽と、反応槽中の前記混合流体の温度を検知する温度検知手段とを備える廃液処理装置に関するものである。
従来より、し尿、下水、集落廃水、家畜糞尿、食品工場廃水などの有機性廃液を処理して浄化する方法として、活性汚泥を用いた生物処理を行う方法が一般的に用いられてきた。ところが、この方法では、活性汚泥中の微生物の活動を妨げる高濃度有機溶剤廃液をそのままの濃度で処理したり、生物分解ができないプラスチック微粒子を含む廃液を処理したりすることができなかった。また、油など、微生物による分解速度が遅い難分解性有機物を多く含む廃液を処理することもできなかった。
一方、近年、例えば特許文献1に記載の廃液処理装置で採用されている方法のように、廃液と空気等の酸化剤とを加熱及び加圧しながら廃液中の有機物を酸化分解することで、廃液を浄化する方法の開発が行われるようになった。特許文献1に記載の廃液処理装置では、反応槽の中で廃液と酸化剤とを加熱及び加圧して、廃液中の水を超臨界水又は亜臨界水にする。超臨界水は、液体と気体との中間の性質を帯びた状態の水であり、その状態は、温度が水の臨界温度を超えるとともに圧力が水の臨界圧力を超えることによって起こる。また、亜臨界水は、超臨界水よりも液体に近い性質を帯びた状態であり、その状態は、温度が水の臨界温度を超え、且つ圧力が水の臨界圧力よりもやや低い値になることによって起こる。反応槽の中においては、超臨界水又は亜臨界水の中で有機物が一瞬のうちに酸化分解される。かかる構成では、高濃度有機溶剤廃液をそのままの濃度で処理したり、プラスチック微粒子を含む廃液を処理したり難分解性有機物を多く含む廃液を処理したりすることができる。
このように廃液中の水を超臨界水又は亜臨界水にして廃液を浄化する方法においては、反応槽中における廃液と酸化剤との混合流体の温度(以下、槽内温度ともいう)を一定の範囲内に制御することが、反応槽内で有機物を確実に酸化分解する上で重要な要素になる。ところが、反応槽内では、廃液中の有機物の酸化分解に伴う発熱が多量に起こることから、反応槽内への有機物の圧送量が変動すると、槽内温度を一定の範囲内に制御することが困難になる。
そこで、特許文献1に記載の廃液処理装置では、反応槽に対し、有機物を含む流体として、廃液の他に、高温高圧の環境下で非常に迅速に酸化分解されるメタノールを圧送する。そして、槽内温度を検知し、その検知結果が目標温度よりも低い場合にはメタノールの圧送量を増加させる一方で、検知結果が目標温度よりも高い場合にはメタノールの圧送量を減少させる。このようにメタノールの圧送量を増減させることで、反応槽への有機物の圧送量を目標温度の維持に適した値にして、槽内温度を一定の範囲内に制御している。
なお、本発明者らは、反応槽の中で廃液と酸化剤との混合流体を加熱及び加圧して過熱蒸気の状態にすることによっても、超臨界や亜臨界の状態にする場合と同様に、有機物を良好に酸化分解し得ることを実験によって見出した。過熱蒸気の状態にする場合にも、超臨界や亜臨界の状態にする場合と同様に、槽内温度を一定の範囲内に制御することが重要である。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特許文献1に記載の廃液処理装置とは異なる新規な構成により、槽内温度を一定の範囲内に制御することができる廃液処理装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、廃液と酸化剤との混合流体を加熱及び加圧しながら、廃液中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽と、前記反応槽中の前記混合流体の温度を検知する温度検知手段とを備える廃液処理装置において、互いに有機物濃度の異なる複数の廃液をそれぞれ個別に前記反応槽に向けて圧送する複数の圧送手段と、前記温度検知手段による検知結果が所定の範囲内になるように、複数の前記圧送手段についてそれぞれ単位時間あたりの廃液圧送量を個別に制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
本発明においては、特許文献1に記載の廃液処理装置とは異なる新規な構成により、槽内温度を一定の範囲内に制御することができる。
実施形態に係る廃液処理装置を示す概略構成図。 同廃液処理装置の制御装置を示すブロック図。 反応槽内に圧送される廃液のメタノール濃度と槽内温度との関係の一例を示すグラフ。 同廃液処理装置の制御装置によって実施される廃水圧送処理の処理フローを示すフローチャート。 同廃液処理装置において、廃水圧送処理の実施中における槽内温度の経時変化の一例を示すグラフ。 第1変形例に係る廃液処理装置の粉砕装置を示す概略構成図。
以下、本発明を適用した廃液処理装置の一実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る廃液処理装置の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る廃液処理装置を示す概略構成図である。同図において、反応槽30は、廃液と、酸化剤たる空気との混合流体を加熱及び加圧して、廃液中の有機物を酸化分解して廃液を浄化するものである。
図2は、実施形態に係る廃液処理装置の制御装置を示すブロック図である。この制御装置は、各種のセンシングデータを受信して演算処理に利用したり、ポンプなどの各動力の駆動を制御したりするものである。そして、タッチパネル101、データレコーダ102、プログラマブルコントローラ103、温調部104、ポンプ制御部105、複数のサーマルリレー106、複数のインバータ107などを具備している。
プログラマブルコントローラ103は、廃液処理装置に設けられている各種センサによる各種センシングデータに基づいて、各種の動力機器やヒーターを制御するように、必要作シーケンスがプログラミングを記憶している。そして、異常発生時には、各種ポンプの駆動をオフしたり、ヒーターの通電をオフしたり、各種の弁を閉じたりするなどして、予期せぬ暴走をくい止めるためのインターロック制御を実施する。異常内容としては、機器の故障、流路での詰り、漏れなどがあり、それらは異常圧力や異常温度の発生に基づいてプログラマブルコントローラ103によって判断され、判断結果が101タッチパネルに表示されるようになっている。
タッチパネル101は、センシングデータに基づく温度、圧力、流量などの情報、異常発生時の警告及び異常内容などを表示したり、操作者による入力情報を受け付けたりするものである。また、データレコーダ102は、センシングデータを記録したり、表示したりするものである。なお、反応槽内(厳密には入口弁〜出口弁まで)の圧力は、制御装置100によって制御されるのではなく、後述するように出口弁(背圧弁)45によって調節される。
後述する廃液予熱器13や酸化剤予熱器20に具備されるヒーターに対しては、それぞれ専用のサーマルリレー106によって電源の供給がオンオフ制御され、このオンオフ制御は温調部104によってなされる。また、後述する第1廃液供給ポンプ3、第2廃液供給ポンプ9、酸化剤供給ポンプ15などのポンプに対しては、それぞれ専用のインバータ107によって駆動量(単位時間あたりの回転数)が調整される。そして、各種のインバータ107による駆動量の設定や、ポンプに対する電源のオンオフについては、ポンプ制御部105によって制御される。
図1において、酸化剤としての空気は、酸化剤圧送手段によって反応槽30内に圧送される。そして、酸化剤圧送手段は、酸化剤供給ポンプ15、酸化剤圧力計16、酸化剤流量調節器17、酸化剤流量制御装置18、酸化剤入口弁19などを具備している。
酸化剤供給ポンプ15は、酸化剤として取り込んだ空気Aを、反応槽30に対する廃液の流入圧力と同程度の圧力まで圧縮しながら吐出する。吐出された空気Aは、その圧力が酸化剤圧力計16によって検知された後、酸化剤流量調節器17に流入して、単位時間あたりにおける流量が所定の値に調整されながら、酸化剤流量調節器17から流出する。酸化剤流量調節器17からの酸化剤の単位時間たりにおける流量は、酸化剤流量制御装置18に具備される図示しない流量計によって検知される。酸化剤流量制御装置18は、流量計によって検知される値が所定の設定流量からずれた場合には、酸化剤流量調節器17の動力を駆動制御して、その値を設定流量に近づける。これにより、設定流量に調整された酸化剤は、酸化剤予熱器20によって予備加熱され、且つ、予備加熱後の温度が予熱後酸化剤温度計21によって検知された後に、反応槽30内に流入する。
酸化剤としては、空気の他、酸素ガス、オゾンガス、過酸化水素水の何れか1つ、あるいは、それらの2種類以上を混合したものを用いることも可能である。酸化剤の設定流量は、廃液中の有機物を完全に酸化させるのに必要となる化学量論的な酸素量に基づいて決定されている。より詳しくは、廃液のCOD(Chemical Oxygen Demand)、全窒素(TN)、全リン(TP)など、廃液(厳密には後述する混合廃液)中の有機物濃度、窒素濃度、リン濃度などに基づいて、有機物の完全酸化に必要な酸素量が算出される。
なお、酸化剤の比率を1.2〜1.5倍程度まで若干高めに設定しておけば、予期しない流量変動があっても、所望の量の酸化剤を反応槽30内に確実に供給することができる。また、酸化剤として、気体からなるものだけを用いる場合には、酸化剤供給ポンプ15としてエアコンプレッサーを用い、その入口側の圧力を調節することで、酸化剤流量調節器17からの吐出流量を調節するようにしてもよい。また、液体からなる酸化剤を用いる場合には、廃液と同じように酸化剤供給ポンプ15の駆動量によって流量を調節するようにしてもよい。
廃液は、廃液圧送手段によって反応槽30内に圧送されるが、この廃液圧送手段については、後に詳述する。反応槽30内に流入する直前の廃液は、廃液予熱器13によって予備加熱され、且つ、予備加熱後の温度が予熱後廃液温度計14によって検知された後に、反応槽30内に流入する。
廃液予熱器13や酸化剤予熱器20は、制御装置100によって、そのヒーターの作動が制御される。制御装置100は、予熱後酸化剤温度計21による検知結果を、プログラマブルコントローラにより、サーマルリレーなどを介して、ヒーターに流す電流値やオンオフ時間にフィードバックする。これにより、反応槽30に流入される直前の酸化剤が所定の温度まで昇温される。酸化剤の予備加熱について説明したが、廃液も同様に、予熱後廃液温度計14による検知結果に基づくフィードバック制御によって予熱後廃液温度計14によって予備加熱されて、所定の温度まで昇温する。
なお、廃液処理装置が定常運転の状態になると、反応槽30内では、有機物の酸化分解に伴う発熱により、廃液と酸化剤との混合流体の温度(槽内温度)が上昇する。廃液の有機物濃度が比較的高い場合には、その上昇がかなり大きくなる。このため、定常運転時には、酸化剤や廃液の予備加熱温度を運転開始時よりも低くしたり、場合によっては予備加熱を停止させたりすることも可能である。予備加熱温度をより低くしたり停止したりすることで、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
反応槽30は、高温と高圧を維持しつつ、流入した廃液と酸化剤との反応時間として所定の時間を確保できる程度の容量の空間を具備している。廃液圧送手段によって圧送される廃液は、反応槽30に接続されている廃液流入管を経由して反応槽30内に流入する。また、酸化剤圧送手段によって圧送される空気Aは、廃液流入管よりも大きな径の酸化剤流入管を経由して反応槽30内に流入する。反応槽30内に流入した廃液と空気Aとは、互いに混合しながら、槽内を鉛直方向の上方から下方に向けて移動する。
反応槽30内における温度及び圧力の条件として、温度=374.2℃以上、且つ、圧力=22.1MPa以上を採用した場合、水の臨界温度や臨界圧力をそれぞれ超え、且つ空気Aの臨界温度や臨界圧力もそれぞれ超える。このため、廃液として廃水を用いる場合には、混合流体が液体と気体との中間的な性質を帯びる超臨界流体になる。かかる超臨界流体中では、有機物が良好に超臨界流体に溶解するとともに、酸化剤である空気に良好に接触することから、有機物の酸化分解が急激に進行する。
反応槽30内における温度及び圧力の条件として、温度=200℃以上(望ましくは374.2℃以上)、且つ、圧力=21.8MPa未満(望ましくは10MPa以上)の比較的高圧を採用して、反応槽30内で混合流体中の廃液を過熱蒸気にしてもよい。この場合、後述する触媒の触媒作用も利用することで、有機物を完全に分解することが可能である。
なお、空気Aと混合される前の廃液内では、高温及び高圧の環境により、有機物が急速に溶解されながら、急激に加水分解及び熱分解される。空気Aと混合されると、それらの分解に加えて、酸化分解が起こって、有機物が効率良く除去されていく。
反応槽30の上下方向における中央付近から後端部にかけての領域には、触媒槽35が設けられており、触媒槽35内には触媒が充填されている。反応槽30の上下方向における中央付近まで移動した混合流体は、触媒槽35の中に進入する。触媒槽35の中では、反応槽30の前段の領域で酸化分解し切れなかった有機物やアンモニア態窒素の酸化分解が、触媒の作用によって促される。即ち、触媒槽35内の触媒は、少なくともその表面が、有機物やアンモニア態窒素の酸化分解を促す物質からなる。そして、酸化分解による発熱を促進することで、廃液の浄化をより確実なものにするとともに、反応槽30内の温度を高温に維持する効果も奏する。
触媒の少なくとも表面の材料としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Cu、Zn、Ni、Co、Ce、Ti又はMnを例示することができる。また、それらのうち、少なくとも何れか1つを含む化合物でもよい。触媒として二酸化マンガン粒を用いる場合には、チタン製のカゴ状容器に充填したものを触媒槽35とする。あるいは、チタン等のハニカム構造体の表面にパラジウムなどを担持させて、触媒槽35としてもよい。
反応槽30の下端には、出口継手(不図示)を介して、処理流体搬送管41が接続されている。反応槽30内において、触媒槽35を通過した混合流体は、有機物や無機化合物がほぼ完全に酸化分解された状態になる。そして、処理流体搬送管41に進入し、反応槽30から排出される。
廃液の種類によっては、有機塩化物のクロロ基に由来する塩酸や、アミノ酸等のスルホニル基に由来する硫酸が発生して、反応槽30の内壁を強い酸性下におくことがある。この場合、反応槽30の構造として、耐圧性に優れた外筒と、これの内側に収納される耐食性に優れた内筒とを具備する二重構造を採用することが望ましい。
内筒としては、少なくともその表面が耐食性に優れたチタンからなるものを例示することができる。内管の表面材料としては、チタンに代えて、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、又はPdでもよい。また、Ti、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、及びPdのうち、少なくとも何れか1つを含む合金からなるものでもよい。また、外筒としては、ステンレス(SUS304、SUS316)、インコネル625など、強度に優れた金属材からなる肉厚の筒を例示することができる。
外筒と内筒とで熱膨張係数が大きく異なる場合には、外筒と内筒の間に隙間(図示せず)を設け、その間隙を内筒の内部と同じ圧力にするように、隙間に均圧用流体を圧送する構造にするとよい。
反応槽30内における酸化反応に有効な容積と廃液の流量とに基づいて、確保すべき反応時間を推定することが可能である。一例として反応槽30の有効容積が、内径100[mm]×長さ5000[mm]である場合に、廃液の反応槽30に対する流入速度を20[kg/h]にすると、およそ30[sec]の反応時間を確保することができる。
処理流体搬送管41の外面には、熱交換器42が装着されている。熱交換器42の本体は、処理流体搬送管41の外面を覆う外管で構成され、外管と処理流体搬送管41の外面との間の空間を水などの熱交換流体で満たしている。熱交換流体は、熱交換ポンプ47によって熱交換器42内に送られる。反応槽30の運転時には、非常に高温の処理済み流体が処理流体搬送管41の内部に流れ込むため、処理流体搬送管41から熱交換器42内の熱交換流体に熱が移動する。これにより、処理流体搬送管41内の処理済み流体は冷却され、熱交換流体は熱せられる。
冷却後の処理済み流体の温度は、出口温度計43によって測定され、この結果に基づいて所定の温度範囲になるように制御される。具体的には、出口温度計43による検知結果が所定の上限温度に達した場合には、制御装置100により、熱交換ポンプ47の駆動量が増加されて熱交換器42への熱交換流体の供給量が増やされる。これにより、熱交換器42による冷却機能が高められることで、処理済み流体の温度が上限温度よりも低下する。これに対し、出口温度計43による検知結果が所定の下限温度に達した場合には、制御装置100により、熱交換ポンプ47の駆動量が減少されて熱交換器42への熱交換流体の供給量が減らされる。これにより、熱交換器42による冷却機能が低減されることで、処理済み流体の温度が加減温度よりも上昇する。かかる構成では、熱交換量を適切に調整して処理流体搬送管41内の流体の温度を一定範囲に維持することができる。
熱交換器42内で熱せられた熱交換流体は、図示しない発電設備のタービン駆動や、別の乾燥工程などの加熱源として利用される。なお、図1では処理流体搬送管41を反応槽30と別体としているが、反応槽30と一体に形成した処理流体搬送部とし、この処理流体搬送部に熱交換器42を取り付けてもよい。
反応槽30内の混合流体(廃液及び空気A)に加える圧力としては、5〜30[Mpa]の範囲を例示することができる。この圧力は、処理流体搬送管41の出口側に接続された出口弁45によって調整される。出口弁45は、反応槽30内の圧力が設定値よりも高くなると、自動で弁を開いて処理済み流体を自らよりも下流側に排出する。これにより、反応槽30を含む入口弁から出口弁45までの間の圧力が所定の範囲内に維持される。出口弁45としては、背圧弁からなるものを例示することができる。出口圧力計44を見ながら、出口弁45の作動圧力を調整することができる。
処理流体搬送管41内では、処理済み流体中の水分が冷却されて、超臨界状態あるいは過熱蒸気状態の水から、液体状態の処理水に態様を変化させる。一方、処理済み流体中の二酸化炭素等の気体成分は、超臨界状態あるいは過熱蒸気状態から気体状態に態様を変化させる。処理水と気体とは、気液分離器48によって分離される。分離後の気体は、図示しないガスクロマトグラフによって未分解の物質を含んでいるか否かが確認された後、大気中に放出される。また、分離後の処理水は、処理水タンクに貯留される。この貯留の直前に、一部の処理水は、TOC(全有機炭素)分析装置によって、TOC濃度が測定される。
処理水は、活性汚泥による生物処理では除去し切れない難分解性有機化合物もほぼ完全に酸化分解された状態になっているため、有機物だけでなく、浮遊物質も殆ど含まない。酸化分解しないごく僅かな無機物が含まれているだけである。そのままの状態でも、用途によっては工業用水として再利用することが可能である。また、限外濾過膜による濾過処理を施せば、LSI洗浄液などに転用することも可能である。気液分離器48によって分離された気体は、二酸化炭素及び窒素ガスを主成分とするものである。
図3は、反応槽30内に圧送される廃液のメタノール濃度と槽内温度との関係の一例を示すグラフである。このグラフは、次のような実験に基づいて作成されたものである。即ち、メタノール水溶液だけからなる廃液を廃液予熱器13によって400[℃]まで予備加熱する条件下で一定の圧送速度で反応槽30内に圧送する。同時に、空気Aを酸化剤予熱器20によって400[℃]まで予備加熱する条件下で一定の圧送速度で反応槽30内に圧送する。このようにして定常運転を行っている状態で、廃液のメタノール濃度を徐々に増加させていき、各濃度における槽内温度を槽内温度計34によって測定した。グラフに示されるように、廃液中のメタノール濃度が1[wt%]異なるだけで、槽内温度が100[℃]以上も異なってくることがわかる。これは、廃液の圧送量が一定である場合に、廃液中のメタノール濃度が増加すると、反応槽30への単位時間あたりにおける有機性炭素の流入量が増加して、有機性炭素の酸化分解に伴う発熱量が増加する結果、混合流体中の温度が上昇するからである。なお、空気Aの圧送量については、廃液のメタノール濃度の変化にかかわらず、全てのメタノールを酸化分解できるほど十分な量に設定している。
図3のグラフは、メタノール水溶液だけからなる廃液を用いた場合の特性を示しているが、メタノールだけでなく、様々な種類の有機物を含有する廃液であっても、同様に、有機物の濃度の変化に伴って槽内温度が変化する。実施形態に係る廃液処理装置のように、廃液を反応槽30中で超臨界状態や過熱蒸気状態にして廃液中の有機物を酸化分解するものにおいては、槽内温度を一定の範囲内に制御することが、有機物を確実に酸化分解する上で重要な要素になる。ところが、前述したように廃液中の有機物の濃度によって槽内温度が大きく変動してしまうと、槽内温度を一定の範囲内に制御することが困難になってしまう。
このような温度変化を抑える方法の1つとして、廃液中の有機物の濃度変化に応じて、廃液や空気Aの予備加熱温度を調整することが考えられる。例えば、廃液中の有機物が通常よりも高くなった場合には、廃液や空気Aの予備加熱温度を下げることで、槽内温度を一定に保つことができる。しかしながら、実際には、予備加熱温度の設定値を変更してから、予備加熱後の廃液や空気Aの温度を実際にその設定値と同じ値にするまでの間には、大きなタイムラグがある。これは、ヒーターに対する電流量やデューティを変更してから、実際にヒーターの発熱温度が設定値になるまでにタイムラグがあるためである。タイムラグがあることで、その間、槽内温度も目標温度からずれてしまう。つまり、予備加熱温度の調整によって槽内温度を一定に保つ方法では、応答性が悪いため、温度が不安定になってしまう。
次に、実施形態に係る廃液処理装置の特徴的な構成について説明する。
廃液は、有機物を1種類だけ含むものであるとは限らない。むしろ、浄化を目的とする場合には、廃液として、様々な種類の有機物を含むものを処理対象とするのが一般的である。しかしながら、どのような種類の有機物を含んでいる廃液であっても、TOCなど、有機性炭素の含有量を示すパラメータ(以下、有機性炭素量という)と、発熱量との間に、良好な相関を示すのが一般的である。このため、廃液の有機性炭素量が一定である場合には、反応槽30中の混合流体の圧力を一定に保つ条件において、次のことが可能である。即ち、その廃液中の有機物を反応槽30内で完全に酸化分解させたときに発生する熱量(Q)を、廃液の有機性炭素量に基づく計算によって求めることが可能である。そして、その熱量(Q)に基づいて、次のような計算を行うことが可能である。
「Q=Q+Q
なお、この計算式において、Qは、反応槽30中の混合流体を超臨界状態又は過熱蒸気状態に保つために必要な熱量である。また、Qは、廃液や空気Aの予備加熱に必要な熱量である。また、Qは、廃液中の有機物を完全に酸化分解したときに発生する熱量である。
このような計算式が成り立つことは、次に列記するパラメータをそれぞれ一定に保つことで、槽内温度を一定に維持できることを意味している。
(1)廃液や空気Aの予備加熱温度。
(2)反応槽30内の圧力。
(3)廃液の圧送速度。
(4)空気Aの圧送速度。
(5)廃液の有機性炭素量。
これらのうち、上記(1)〜(4)は、シーケンスプログラムや機械的な制御によって容易に一定に保つことが可能である。これに対し、上記(5)の有機性炭素量は、長期間に渡って一定の値に保ち続けることは不可能である。工場などの廃液発生源から発生する廃液の有機性炭素量は、常に一定ではないからである。しかしながら、例えば1日分の廃液など、ある一定の期間内に発生する廃液を貯留混合したもの(以下、「貯留廃液」という)では、その有機性炭素量がある一定の範囲内に収まることが多い。このような「貯留廃液」は、反応槽30内における発熱量がある一定の範囲内に収まる。よって、次のようにすることで、槽内温度を目標温度に保つことが可能な有機性炭素量(以下、「目標炭素量」という)の「貯留廃液」をつくり出すことができる。即ち、有機性炭素量(例えばTOC)が「目標炭素量」よりも少ない「貯留廃液」と、有機性炭素量が「目標炭素量」よりも多い「貯留廃液」とをストックしておき、それらを所定の混合比で混合するのである。
また、粉状又はスラリー状の有機廃棄物、あるいはメタノールなどの高濃度有機溶液が取得できる場合には、「貯留廃液」に対して必要に応じてそれらを添加することで、有機性炭素量が「目標炭素量」よりも多い「貯留廃液」をつくり出すことが可能である。更には、必要に応じて「貯留廃液」に水を混ぜることで、有機性炭素量が「目標炭素量」よりも少ない「貯留廃液」を容易につくり出すことが可能である。そして、それらを所定の混合比で混合すれば、有機性炭素量が「目標炭素量」に調整された「貯留廃液」をつくり出すことができる。なお、以下、有機性炭素量が「目標炭素量」よりも多い「貯留廃液」を、特に「高濃度廃液」という。また、有機性炭素量が「目標炭素量」よりも少ない「貯留廃液」を、特に「低濃度廃液」という。
理論的には、有機性炭素量が「目標炭素量」に調整された「貯留廃液」を、所定の予備加熱温度、所定の圧力、且つ、所定の圧送速度で反応槽30に圧送すれば、槽内温度を目標温度に保つことが可能である。但し、実際には、搬送中の管内での熱損量や、有機性炭素量の調整誤差などにより、実際の温度と目標温度とにずれが生じる。このようなずれが生じても、次のような制御を行えば、反応槽30内の混合流体を容易に目標温度に保つことが可能である。即ち、「高濃度廃液」と「低濃度廃液」とを貯留廃液として予め準備しておき、所定の混合比になる圧送速度で個別に反応槽30に向けて圧送しながら、槽内温度と目標温度とのずれに基づいてそれぞれの圧送速度を補正して混合比を微調整する制御である。そこで、実施形態に係る廃液処理装置の制御装置100は、このような制御を行うようになっている。
図1において、廃液圧送手段は、第1圧送系統と、第2圧送系統とを有している。そして、第1圧送系統は、第1廃液貯留タンク1、第1攪拌機2、第1廃液供給ポンプ3、第1廃液圧力計4、第1廃液流量計5、第1廃液入口弁6などを具備している。また、第2圧送系統は、第2廃液貯留タンク7、第2攪拌機8、第2廃液供給ポンプ9、第2廃液圧力計10、第2廃液流量計11、第2廃液入口弁12などを具備している。
第1圧送系統において、第1廃液貯留タンク1には、「低濃度廃液」W1が貯留されている。この「低濃度廃液」W1は、第1攪拌機2によって撹拌されることで、廃液中に含まれる浮遊物質が均等に分散されて、有機性炭素量(有機物濃度)の均一化が図られる。また、第2圧送系統において、第2廃液貯留タンク7には、「高濃度廃液」W2が貯留されている。この「高濃度廃液」W2は、第2攪拌機8によって撹拌されることで、廃液中に含まれる浮遊物質が均等に分散されて、有機性炭素量の均一化が図られる。
「低濃度廃液」W1や「高濃度廃液」W2は、次に掲げる有機性廃棄物の少なくとも何れか1つに由来するものである。
(a)紙やトナーの製造工程等で発生する有機物を高濃度に含む廃水。
(b)有機性廃溶剤。
(c)廃油等の食品廃棄物。
(d)廃棄トナーなどのプラスチック微粒子。
(e)古紙や廃木材などセルロース系廃棄物の粉砕物。
上記(a)は、大量の水を含んでいて、有機性炭素量が目標とする「微低濃度」よりも更に低くなっていることがある。この場合、有機性炭素量が目標とする「微低濃度」よりも高くなっている上記(a)、(b)又は(c)の有機性炭素量を目標とする「微低濃度」まで下げるために、それらに混合して使用することができる。このように、有機性炭素量が比較的多い上記(a)と、有機性炭素量が比較的多い上記(a)、(b)又は(c)との混合により、「低濃度廃液」W1を得ることができる。
上記(b)や(c)は、有機性炭素量が目標とする「微高濃度」よりも更に高くなっていることがある。この場合、その有機性炭素量を目標とする「微高濃度」まで下げるために、水や、低炭素量の上記(a)を混合する。これにより、「高濃度廃液」W2を得ることができる。
上記(d)や上記(e)については、水、又は低炭素量の上記(a)に添加して使用する。これにより、「高濃度廃液」W2を得ることができる。なお、低炭素量の上記(a)に対し、メタノールを添加することで、「低濃度廃液」W1を調整してもよい。但し、メタノールを使用するランニングコストを増加させてしまう。よって、低炭素量の上記(a)については、上記(b)又は(c)の有機性炭素濃度を薄めるために用いるか、上記(d)又は(e)の添加によって上記「低濃度廃液」W1を得るために用いることが望ましい。
第1廃液貯留タンク1内の「低濃度廃液」W1は、第1廃液供給ポンプ3によって吸引されながら、第1廃液入口弁6に向けて吐出される。そして、第1廃液圧力計4によって圧力が検知され、且つ第1廃液流量計5によって流量が検知された後に、第1廃液入口弁6を通過する。
一方、第2廃液貯留タンク7内の「高濃度廃液」W2は、第2廃液供給ポンプ9によって吸引されながら、第2廃液入口弁12に向けて吐出される。そして、第2廃液圧力計10によって圧力が検知され、且つ第2廃液流量計11によって流量が検知された後に、第2廃液入口弁12を通過する。
第1廃液入口弁6を通過した「低濃度廃液」W1と、第2廃液入口弁12を通過した「高濃度廃液」W2とは、互いに合流してから廃液予熱器13によって予備加熱された後、反応槽30内に流入する。なお、第1廃液供給ポンプ3や第2廃液供給ポンプ9としては、高圧ダイアフラム式ポンプ、高圧プランジャーポンプなど、一般的な高圧用スラリーポンプとして使用されるものを例示することができる。
「低濃度廃液」W1の有機性炭素濃度と、「高濃度廃液W2」の有機性炭素濃度とは大きな差がないので、それらの混合によって混合後の廃液の有機性炭素濃度をほぼ「目標炭素量」にする上で、両者の混合比には大差がない。このため、第1廃液供給ポンプ3による圧送量と、第2廃液供給ポンプ9による圧送量とには大差がないことから、それらポンプとして、互いに同一仕様のポンプを選定することができる。実施形態に係る廃液処理装置では、同一仕様のポンプを採用している。
第1廃液供給ポンプ3による圧送量は第1廃液供給ポンプ3の回転速度によって決まり、その回転速度は制御装置100によって制御される。制御装置100は、第1廃液供給ポンプ3の回転速度を制御することで、第1廃液供給ポンプ3による「低濃度廃液」W1の単位時間あたりの圧送量を制御する。同様にして、第2廃液供給ポンプ9の回転速度を制御することで、第2廃水供給ポンプ9による「高濃度廃液」W2の単位時間あたりの圧送量を制御する。以下、これらの制御のための処理を、廃水圧送処理という。
図4は、制御装置100によって実施される廃水圧送処理の処理フローを示すフローチャートである。制御装置100は、廃水圧送処理において、まず、槽内温度計34による槽内温度の検知結果を取得し(S1)、その結果について所定のトリガー上限値を超えているか否かを判定する(S2)。そして、トリガー上限値を超えている場合には(S2でY)、その結果と目標値(目標温度)とのずれ量Mに対応する分だけ、合計圧送量における「低濃度廃液」W1の圧送量の比率を増加させる(S3)。合計圧送量は、第1廃液供給ポンプ3による「低濃度廃液」W1の単位時間あたりの圧送量と、第2廃水供給ポンプ9による「高濃度廃液」W2の単位時間あたりの圧送量とを合計した値である。この合計圧送量については、槽内温度にかかわらず、一定に維持するようになっている。
制御装置100は、予めの実験に基づいて構築された、槽内温度の目標値(目標温度)からのずれ量Mと、そのずれ量Mを補正するための供給ポンプ回転数補正量Mとの関係を示すアルゴリズムを記憶している。供給ポンプ回転数補正量Mは、第1廃液供給ポンプ3や第2廃液供給ポンプ9の回転数を補正する量である。
現状の槽内温度が目標値からずれていて、そのずれ量Mの絶対値がα[℃]であったとする。この場合、次のようにすれば、槽内温度を目標値まで変化させることができる。即ち、まず、ずれ量Mの絶対値であるαと、前述のアルゴリズムとに基づいて供給ポンプ回転数補正量Mを求める。そして、ずれ量Mの符号が+である場合、即ち、槽内温度が目標値よりも高い場合には、第1廃液供給ポンプ3の回転数を回転数補正量Mだけ増加させる。同時に、第2廃液供給ポンプ9の回転数を回転数補正量Mだけ低下させる。これにより、「低濃度廃液」の圧送量をずれ量Mに対応する分だけ増加させるとともに、「高濃度廃液」の圧送量をずれ量Mに対応する分だけ低下させることで、槽内温度をずれ量Mgに対応する分だけ低下させて目標値まで低下させることができる。一方、ずれ量Mの符号が−である場合、即ち、槽内温度が目標値よりも低い場合には、第2廃液供給ポンプ9の回転数を回転数補正量Mだけ増加させる。同時に、第1廃液供給ポンプ3の回転数を回転数補正量Mだけ低下させる。これにより、「高濃度廃液」の圧送量をずれ量Mに対応する分だけ増加させるとともに、「低濃度廃液」の圧送量をずれ量Mに対応する分だけ低下させることで、槽内温度をずれ量Mgに対応する分だけ増加させて目標値まで上昇させることができる。
そこで、制御装置100は、上記S3の工程において、ずれ量Mとアルゴリズムとに基づいて求めた回転数補正量Mの分だけ第1廃液供給ポンプ3の回転数を増加させるとともに、第2廃液供給ポンプ9の回転数を回転数補正量Mだけ低下させる。これにより、ずれ量Mに相当する分だけ、合計圧送量における「低濃度廃液」W1の圧送量の比率を増加させるのである。
上記S3の工程を実施した制御装置100は、次に、運転終了の要否について判定し、運転終了の必要がない場合には(S6でN)、制御フローを上記S1にループさせる。これに対し、運転終了の必要がある場合には(S6でY)、一連の制御フローを終了させる。
また、制御装置100は、上記S2の工程において、機内温度についてトリガー上限値を超えていないと判定した場合には(S2でN)、次に、機内温度についてトリガー下限値を下回っているか否かを判定する(S4)。そして、下回っていない場合には(S4でN)、制御フローを上記S6に進める。これに対し、下回っている場合には(S4でY)、ずれ量Mに対応する分だけ、合計圧送量における「高濃度廃液」W2の圧送量の比率を増加させる(S5)。具体的には、ずれ量Mとアルゴリズムとに基づいて求めた回転数補正量Mの分だけ第2廃液供給ポンプ9の回転数を増加させるとともに、第1廃液供給ポンプ3の回転数を回転数補正量Mだけ低下させる。これにより、ずれ量Mに対応する分だけ、合計圧送量における「高濃度廃液」W2の圧送量の比率を増加させて、槽内温度を目標値まで上昇させることができる。
図5は、実施形態に係る廃液処理装置において、廃水圧送処理の実施中における槽内温度の経時変化の一例を示すグラフである。この例では、時間t1にて、槽内温度がトリガー上限値を超えるが、それに伴って「低濃度廃液」W1の圧送量の比率が増加されることで、槽内温度が速やかに目標値まで低下している。また、時間t2にて、槽内温度がトリガー下限値を下回るが、それに伴って「高濃度廃液」W2の圧送量の比率が増加されることで、槽内温度が速やかに目標値まで上昇している。
このように、実施形態に係る廃液処理装置では、特許文献1に記載の廃液処理装置とは異なる構成により、機内温度を容易に目標温度付近に維持することができる。
反応槽の容量については、次のようにして設計されるのが一般的である。即ち、まず、廃液の有機性炭素濃度の平均値と、予備加熱温度と、槽内温度の目標値とに基づいて、槽内温度を目標値まで上昇させるのに必要な反応槽への廃液の投入量を算出する。そして、廃液の有機性炭素濃度が平均値よりも低くなるときが出現することや、空気Aなどの酸化剤の投入量も考慮して、前述の投入量よりもある程度多めの容量を算出し、その結果を反応槽の容量とする。そして、反応槽への廃液の圧送速度については、反応槽内で廃液を有機物のほぼ完全な酸化分解に要する時間分だけ滞留させる値に設定する。これにより、反応槽内で廃液中の有機物をほぼ完全に酸化分解させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の廃液処理装置においては、次に説明する理由により、有機物の酸化分解不良を引き起こすおそれがある。即ち、特許文献1に記載の廃液処理装置は、廃液の圧送量及び圧送速度を一定に維持しつつ、槽内温度と目標値とのずれ量(マイナスのずれ量)に応じた分だけメタノールを圧送することで、目標値よりも低くなっている槽内温度を目標値まで上昇させる。メタノールの濃度について、特許文献1には具体的な記載がないが、100[%]など、高濃度のメタノールを用いる場合には、メタノールの圧送を実施しているときだけ、非常に多量の有機性炭素を反応槽内に前もって廃液とは混合せずに直接送り込むことになる。メタノールは、高温高圧下で容易に酸化分解する物質であることから、ある瞬間に高濃度のメタノールを反応槽内に送り込んでも、酸化剤の量が足りている限り、送り込まれたメタノールはほぼ全てが完全に酸化分解される。しかしながら、反応槽内の混合流体における全域のうち、高濃度のメタノールによって有機性炭素濃度を著しく高くしている高濃度領域を局所的に発生させ、その高濃度領域においてメタノールの酸化分解による昇温を集中させてしまう。これにより、高濃度領域の温度が目標値を大きく超える一方で、他の領域の温度が目標値を大きく下回ってしまい、それによって他の領域において有機物の酸化分解不良を引き起こすおそれがある。
また、前述したような局所的な昇温の発生を回避する狙いで、低濃度のメタノール水溶液を用いて、反応槽内におけるメタノールの分散を図ったとする。すると、槽内温度が目標値を大きく下回った場合には、多量のメタノール水溶液を反応槽に送り込む必要がある。反応槽への廃液の圧送量及び圧送速度については、既に述べたように、反応槽内における廃液の必要滞留時間に基づいて設定しており、その必要滞留時間を確保する上で、メタノール水溶液の送り込みは考慮していない。このため、多量のメタノール水溶液を反応槽に送り込むと、反応槽内における廃液の滞留時間として、必要滞留時間を確保することができなくなる。そして、廃液を有機物の酸化分解に要する必要滞留時間よりも短い時間だけしか反応槽内に滞留させることができずに、有機物の酸化分解不良を引き起こすおそれがある。
このように、引用文献1に記載の廃液処理装置においては、メタノールとして、高濃度のメタノール、低濃度のメタノール水溶液の何れを用いる場合であっても、有機物の酸化分解不良を引き起こすおそれがある。
一方、実施形態に係る廃液処理装置では、既に述べたように、槽内温度の検知結果にかかわらず、合計圧送量については一定に維持しており、且つ、廃水とは別に、メタノールなどの助燃剤を反応槽30に送り込んでいない。このため、槽内温度の検知結果にかかわらず、反応槽30内における廃水(W1+W2)の滞留時間として、必要滞留時間を確実に確保している。かかる構成では、槽内温度が目標値を大きく下回った際における有機物の酸化分解不良の発生を回避することができる。
なお、実施形態に係る廃液処理装置は、図示しない助燃剤供給ポンプや助燃剤入口弁などからなる助燃剤圧送手段と、図示しない清水供給ポンプや清水入口弁などからなる清水圧送手段とを、図1において「1」を○印で囲んだ記号(丸1)で示される位置に接続している。これは次に説明する理由による。即ち、装置の立ち上げ時には、反応槽30内で十分な酸化分解反応が起こっていないことから、槽内温度が目標値を大きく下回っている。この状態で廃液を通常通りに送り込むと、廃液中の有機性固形物の多くが未分解のまま反応槽30内から排出されてしまい、気液分離器48などに悪影響を及ぼしてしまう。そこで、装置の立ち上げ時には、廃液の代わりに、助燃剤圧送手段及び清水圧送手段により、所定の濃度に調整された助燃剤水溶液を反応槽30内に送り込んで、槽内温度を目標値まで立ち上げる。この際、未分解の助燃剤を反応槽30から排出しても、助燃剤は固形物を含んでいないことから、気液分離器48に悪影響を及ぼすことがない。槽内温度を目標値まで立ち上げたら、助燃剤圧送手段及び清水圧送手段を停止させるとともに、廃液圧送手段を軌道して、圧送物を除電剤水溶液から廃液(W1+W2)に切り替える。
次に、実施形態に係る廃液処理装置の一部の構成を他の構成に変形した各変形例に係る廃液処理装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係る廃液処理装置の構成は、実施形態と同様である。
[第1変形例]
第1変形例に係る廃液処理装置では、槽内の圧力を約10[MPa]に維持するように出口弁45を調整している。また、廃水や空気Aの予備加熱温度をそれぞれ290[℃]に設定し、槽内温度の目標値を470[℃]に設定し、槽内温度のトリガー下限値を455[℃]に設定し、且つ、トリガー上限値を485[℃]に設定している。なお、第1変形例に係る廃液処理装置では、槽内温度がおおむね450〜490[℃]の範囲に維持されていて、且つ、流量が一定に維持されていれば、次のようになることが予めの実験によって確かめられている。即ち、反応槽30内の混合流体を過熱蒸気状態にしつつ、混合流体中の有機物をほぼ完全に酸化分解し得る。このため、前述した温度範囲を逸脱させないように、トリガー下限値=455[℃]、トリガー上限値=485[℃]に設定している。何らかの理由により、槽内温度が下側異常温度である400[℃]を下回ったり、上側異常温度である550[℃]を上回ったりした場合には、制御部が装置を緊急停止させるようになっている。
また、第1実施例に係る廃液処理装置では、「低濃度廃液」W1と、「高濃度廃液」W2との合計圧送量を20[kg/h]に設定し、且つW1、W2の圧送量の初期値を何れも10[kg/h]に設定している。
「低濃度廃液」W1、「高濃度廃液」W2は、何れも、製紙工程から発生する、染料とバインダなどの有機物を含む廃水に、有機物としてセルロース繊維を多く含む古紙粉砕物を混入させて得られたものである。また、この古紙粉砕物は、図6に示される粉砕装置によって得られるものである。
同図において、粉砕装置は、市販のシュレッダーなどからなる紙細断機200、遊星ボールミル201、分級器202、回収器203、集塵機204などを有している。シート状の損紙や古紙は、まず、紙細断機200によって細かい紙片に細断された後、遊星ボールミルによって細かく粉砕される。紙片を粉砕するのは非常に困難であるが、遊星ボールミルであれば、紙片を繊維のレベルにまで粉砕することが可能である。このような紙粉は、繊維同士でからみついて凝集することなく、廃水中に良好に拡散する。得られた紙粉は、分級器202によって約150[μm]以下のものが分級されて回収器203に回収されて、廃液に添加される紙粉として用いられる。この紙粉の添加によって有機性炭素濃度が調整された廃液は、紙粉の濃度が20[wt%]未満であれば、市販のスラリー圧送ポンプによる圧送が可能である。
紙粉の添加によって有機性炭素濃度が調整された廃液に含まれる有機性炭素(例えばTOC分析装置によって検出されるもの)の発熱量は、1[wt%]あたり約200[kJ/kg]である。水を予備加熱温度の290[℃]から槽内温度の目標値である470[℃]まで上昇させるのに必要な熱量は、約2000[kJ/kg]であることから、槽内温度を目標値に保つための有機性炭素の目標濃度は約10[wt%]である。また、400[℃]の水を470[℃]に昇温させるのに必要な熱量は約200[kJ/kg]であり、550[℃]の水を470[℃]まで下げる際に約200[kJ/kg]の熱量が節約される。200[kJ/kg]の熱量は、約1[wt%]の有機性炭素に相当すること。よって、槽内温度を下側異常温度(400℃)から上側異常温度(550℃)までの範囲に維持するためには、混合廃液(W1+W2)の有機性炭素濃度を、概ね9〜11[wt%]の範囲内に維持すればよいことになる。
廃液の有機性炭素濃度を理論通りの濃度に調節するだけでは、様々な誤差により、有機物を確実に酸化分解し得る温度範囲(450〜490℃)に槽内温度を維持することができない。このため、次のような制御を行う。即ち、制御装置100は、廃液の有機性炭素濃度の理論値に基づいて、第1廃液供給ポンプ3や第2廃液供給ポンプの回転数を制御するようになっている。具体的には、まず、槽内温度の検知結果がトリガー上限値(485℃)を超えていたり、トリガー下限値(455℃)を下回っていたりする場合に、その検知結果と目標値(470℃)とのずれ量Mに基づいて、ずれ量Mに対応する有機性炭素濃度を算出する。例えば、ずれ量Mが−20[℃]である場合、そのずれを補正し得る有機性炭素濃度(温度を20℃だけ上昇させ得る有機性炭素濃度)は、0.25[wt%]である。制御装置100は、この値をずれ量Mに対応する有機性炭素濃度として算出する。
次に、制御装置100は、ずれ量Mに対応する有機性炭素濃度の変動を発生させるポンプ回転数の補正量を供給ポンプ回転数補正量Mとして求める。例えば、「低濃度廃液」W1の有機性炭素濃度を8[wt%]に調整し、且つ、「高濃度廃液」W2の有機性炭素濃度を12[wt%]に調整しているとする(それぞれプラスマイナス1wt%の誤差を許容)。すると、それら廃液の圧送量を同量ずつ増減させて混合廃液の有機性炭素濃度を1[wt%]だけ変化させるには、一方の廃液の増加量、他方の廃液の減少量がそれぞれ5[kg/h]になる。よって、上述のように、ずれ量Mを補正し得る有機性炭素濃度が0.25[wt%]である場合には、それぞれの廃液の圧送量を5×0.25=1.25[kg/h]ずつ変化させればよい。有機性炭素濃度の符号が+であるので、即ち、濃度を上昇させる必要があるので、「高濃度廃液」W2の圧送の変化量を1.25[kg/h]にするとともに、「低濃度廃液」W1の圧送の変化量を−1.25[kg/h]にすればよい。
また、例えば、「低濃度廃液」W1の有機性炭素濃度を5[wt%]に調整し、且つ、「高濃度廃液」W2の有機性炭素濃度を15[wt%]に調整しているとする。すると、それら廃液の圧送量を同量ずつ増減させて混合廃液の有機性炭素濃度を1[wt%]だけ変化させるには、一方の廃液の増加量、他方の廃液の減少量がそれぞれ2[kg/h]になる。よって、上述のように、ずれ量Mを補正し得る有機性炭素濃度が0.25[wt%]である場合には、それぞれの廃液の圧送量を2×0.25=0.5[kg/h]ずつ変化させればよい。濃度を上昇させる必要があるので、「高濃度廃液」W2の圧送の変化量を0.5[kg/h]にするとともに、「低濃度廃液」W1の圧送の変化量を−0.5[kg/h]にすればよい。
制御装置100は、廃液の圧送の変化量と、それを実現するために必要な供給ポンプ回転数補正量Mとの関係を示すアルゴリズムを記憶している。そして、前述のようにして「低濃度廃液」W1、「高濃度廃液W2」についてそれぞれ圧送の変化量を求めたら、その変化量を前述のアルゴリズムに基づいて供給ポンプ回転数補正量Mに変換する。そして、得られた供給ポンプ回転数補正量Mに基づいて、第1廃液供給ポンプ3の回転数や第2廃液供給ポンプ9の回転数を補正する。これにより、槽内温度を目標の470[℃]に近づけることができる。
なお、「低濃度廃液」W1の有機性炭素濃度や、「高濃度廃液」W2の有機性炭素濃度は、それぞれ所望の濃度に厳密に調整されるとは限らない。但し、所望の濃度に対してプラスマイナス1[wt%]程度の誤差であれば、前述のようにして有機性炭素濃度に基づいて各供給ポンプの回転数を補正しても、槽内温度を目標値に精度良く近づけることができる。
このように槽内温度を目標値に近づけても、その後、管内での熱損失などに起因して槽内温度が目標値から徐々にずれていくと、やがて、槽内温度がトリガー上限値(485℃)を上回ったり、トリガー下限値(455℃)を下回ったりする。すると、制御装置100により、同様の供給ポンプ回転数の補正が行われて、槽内温度が再び目標値に近づけられる。
[第2実施例]
混合廃液の有機性炭素濃度が比較的高い場合、定常運転時には、有機性炭素の酸化分解に伴う発熱量だけで、槽内温度を目標温度に維持することが可能である。そこで、第2実施例に係る廃液処理装置では、混合廃液の有機性炭素濃度を比較的高くするように、「低濃度廃液」W1や「高濃度廃液」W2の有機性炭素濃度が調整されていることを前提にして、定常運転時には廃液や空気Aの予備加熱を省略する。
第1変形例に係る廃液処理装置と同様に、槽内の圧力を約10[MPa]に維持するように出口弁45を調整している。また、槽内温度の目標値を470[℃]に設定し、槽内温度のトリガー下限値を455[℃]に設定し、且つ、トリガー上限値を485[℃]に設定している。また、「低濃度廃液」W1と、「高濃度廃液」W2との合計圧送量を20[kg/h]に設定し、且つW1、W2の圧送量の初期値を何れも10[kg/h]に設定している。
低濃度廃液」W1、「高濃度廃液」W2は、第1変形例と同様に、染料とバインダなどの有機物を含む廃水に、有機物としてセルロース繊維を多く含む古紙粉砕物を混入させて得られたものである。
水を平均的な室温20[℃]から槽内温度の目標値である470[℃]まで上昇させるのに必要な熱量は、約3200[kJ/kg]であり、これを有機性炭素量に換算すると約16[wt%]である。また、400[℃]の水を470[℃]まで昇温させるのに約200[kJ/kg]の熱量が必要になり、550[℃]の水を470[℃]まで下げるのに約200[kJ/kg]の熱量が節約される。このため、有機性炭素濃度については、15〜17[wt%]の範囲内に制御する必要がある。
「低濃度廃液」W1の有機性炭素濃度を14[wt%]に調整し、且つ、「高濃度廃液」W2の有機性炭素濃度を18[wt%]に調整しているとする(それぞれプラスマイナス1wt%の誤差を許容)。すると、それら廃液の圧送量を同量ずつ増減させて混合廃液の有機性炭素濃度を1[wt%]だけ変化させるには、一方の廃液の増加量、他方の廃液の減少量がそれぞれ5[kg/h]になる。よって、ずれ量Mを補正し得る有機性炭素濃度が0.25[wt%]である場合には、それぞれの廃液の圧送量を5×0.25=1.25[kg/h]ずつ変化させればよい。有機性炭素濃度の符号が+であるので、即ち、濃度を上昇させる必要があるので、「高濃度廃液」W2の圧送の変化量を1.25[kg/h]にするとともに、「低濃度廃液」W1の圧送の変化量を−1.25[kg/h]にすればよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
廃液(例えばW1、W2)と酸化剤(例えば空気A)との混合流体を加熱及び加圧しながら、廃液中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽(例えば反応槽30)と、前記反応槽中の前記混合流体の温度を検知する温度検知手段(例えば槽内温度計34)とを備える廃液処理装置において、互いに有機物濃度の異なる複数の廃液をそれぞれ個別に前記反応槽に向けて圧送する複数の圧送手段(例えば廃液圧送手段の第1圧送系統、第2圧送系統)と、前記温度検知手段による検知結果が所定の範囲内になるように、複数の前記圧送手段についてそれぞれ単位時間あたりの廃液圧送量を個別に制御する制御手段(例えば制御装置100)とを設けたことを特徴とするものである。
かかる構成では、互いに有機物濃度の異なる複数の廃液の反応槽に対する圧送量を個別に制御するという、特許文献1に記載の廃液処理装置とは異なる新規な構成により、槽内温度を一定の範囲内に制御することができる。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、複数の前記圧送手段として、所定の目標濃度よりも高い有機物濃度の廃液を圧送する圧送手段(例えば第2圧送系統)と、前記目標濃度よりも低い有機物濃度の廃液を圧送する圧送手段(例えば第1圧送系統)との両方を備えることを特徴とするものである。
[態様C]
態様Cは、態様A又はBにおいて、複数の前記圧送手段にそれぞれ対応する複数の前記廃液圧送量について、それぞれ所定の合計圧送量に対する比率を異ならせるように、それら複数の前記廃液圧送量をそれぞれ個別に制御することで、それぞれの前記廃液圧送量の値にかかわらず、前記合計圧送量を一定にする処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様D]
態様Dは、態様A〜Cの何れかにおいて、前記廃液の有機物濃度を調整するために前記廃液に添加する有機物として、有機廃棄物由来の有機性粉末又は有機性スラリーを用いることを特徴とするものである。
W1:低濃度廃液(廃液)
W2:高濃度廃液(廃液)
A:空気(酸化剤)
1:第1廃液貯留タンク(圧送手段の一部)
3:第1廃液供給ポンプ(圧送手段の一部)
7;第2廃液貯留タンク(圧送手段の一部)
9:第2廃液供給ポンプ(圧送手段の一部)
30:反応槽
34:槽内温度計(温度検知手段)
100:制御装置(制御手段)
特許第3896861号公報

Claims (4)

  1. 廃液と酸化剤との混合流体を加熱及び加圧しながら、廃液中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽と、前記反応槽中の前記混合流体の温度を検知する温度検知手段とを備える廃液処理装置において、
    互いに有機物濃度の異なる複数の廃液をそれぞれ個別に前記反応槽に向けて圧送する複数の圧送手段と、前記温度検知手段による検知結果が所定の範囲内になるように、複数の前記圧送手段についてそれぞれ単位時間あたりの廃液圧送量を個別に制御する制御手段とを設けたことを特徴とする廃液処理装置。
  2. 請求項1の廃液処理装置において、
    複数の前記圧送手段として、所定の目標濃度よりも高い有機物濃度の廃液を圧送する圧送手段と、前記目標濃度よりも低い有機物濃度の廃液を圧送する圧送手段との両方を備えることを特徴とする廃液処理装置。
  3. 請求項1又は2の廃液処理装置において、
    複数の前記圧送手段にそれぞれ対応する複数の前記廃液圧送量について、それぞれ所定の合計圧送量に対する比率を異ならせるように、それら複数の前記廃液圧送量をそれぞれ個別に制御することで、それぞれの前記廃液圧送量の値にかかわらず、前記合計圧送量を一定にする処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする廃液処理装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの廃液処理装置において、
    前記廃液の有機物濃度を調整するために前記廃液に添加する有機物として、有機廃棄物由来の有機性粉末又は有機性スラリーを用いることを特徴とする廃液処理装置。
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