JP6048793B2 - 流体浄化装置 - Google Patents

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本発明は、二重筒構造の反応槽における内筒体と外筒体との間に内筒体を外側から加圧するための加圧用流体を圧送しながら、内筒体に浄化対象流体及び酸化剤を圧送して、内筒体内の浄化対象流体を浄化する流体浄化装置に関するものである。
従来より、し尿、下水、集落廃水、家畜糞尿、食品工場廃水などの廃水を浄化する方法としては、活性汚泥を用いた生物処理を行う方法が一般的に用いられてきた。ところが、この方法では、活性汚泥中の微生物の活動を妨げる高濃度有機溶剤廃水をそのままの濃度で処理したり、生物分解ができないプラスチック微粒子を含む廃水を処理したりすることができなかった。また、油など、微生物による分解速度が遅い難分解性有機物を多く含む廃水を処理することもできなかった。
一方、近年、廃水と空気等の酸化剤との混合流体を加熱及び加圧しながら混合流体中の有機物を酸化分解して廃水を浄化する流体浄化装置の開発が行われるようになった。この種の流体浄化装置では、反応槽の中で廃水と酸化剤との混合流体を加熱及び加圧することで、混合流体中の有機物を化学的に酸化分解する。このような酸化分解においては、生物処理では不可能であった高濃度有機溶剤廃水、プラスチック微粒子含有廃水、難分解性有機物含有廃水なども、良好に浄化することができる。
このような流体浄化装置における反応槽としては、特許文献1に記載の圧力バランス型反応槽が知られている。この圧力バランス型反応槽900は、図1に示されるように、円筒状の外筒体901と、これの内側に配設された円筒状の内筒体902とを具備する二重筒構造になっている。外筒体901は、高圧に耐えるように十分に厚みのあるステンレス材からなるものである。また、内筒体902は、ニッケル合金などの高耐食性金属からなるものである。内筒体902内では、有機物の酸化分解に伴って硫酸や塩酸が中間生成物として発生することから、内筒体902の材料として鉄やステンレスなどの一般的な金属を使用すると、内筒体902をごく短時間のうちに腐食させてしまう。このため、内筒体902の材料として、ニッケル合金などの高耐食性金属を使用しているのである。
外筒体901の下蓋には、外筒体901の内側における外筒体901と内筒体902との間に形成される筒間空間に、酸化剤としての空気を圧送するための送気管903が貫通している。また、内筒体902は、その下端部を外筒体901の下蓋に貫通させた状態で、下蓋によって片持ち支持されている。そして、内筒体902の自由端側にある上端壁には、流入管904を受け入れるための貫通口902aが形成されている。外筒体901の内側では、外筒体901の外側から外筒体上蓋を貫通して外筒体901の内側に進入した流入管904の端部が、内筒体902の上端壁に設けられた貫通口902aを通って内筒体902の内側に進入している。流入管904を経由して圧送されてくる廃水は、内筒体902の内部に流入した後、内筒体902内を鉛直方向上側から下側に向けて移動する。
かかる構成の圧力バランス型反応槽900内において、酸化剤としての空気は次のように移動する。即ち、外筒体901の下蓋に設けられた送気管903を経由して外筒体901と内筒体902との間の筒間空間に圧送された空気は、その筒間空間内を下側から上側に向けて移動して外筒体901の上蓋の付近に至る。上蓋の付近では、内筒体902の上端壁に設けられた貫通口902aと、貫通口902aよりも小径の流入管904との間に間隙が形成されている。そして、外筒体901と内筒体902との間の筒間空間は、その間隙を介して内筒体902の内側の空間と連通している。筒間空間内において、外筒体901の上蓋の付近まで移動した空気は、貫通口902aと流入管904との間隙を通って内筒体902内に流入した後、廃水と混合されて、内筒体902内を上側から下側に向けて移動する。
外筒体901と内筒体902との間の筒間空間と、内筒体902とは互いに連通していることから、筒間空間内の気圧と、内筒体902内における空気と廃水との混合流体の圧力とはほぼ同じになる。このため、内筒体902の内外に圧力差をほとんど発生させることなく、内筒体902内の混合流体に大きな圧力をかけることができる。これにより、高価な高耐食性金属からなる内筒体902を厚みの小さな非耐圧仕様のものにして、低コスト化を図ることができる。
しかしながら、高価な耐食性金属からなる内筒体902であっても、その腐食を完全に防止することは困難である。廃水中の有機物濃度が安定しないなどの理由により、内筒体902の中に多量の有機物が内筒体902の中に圧送されて、内筒体902の中で多量の硫酸や塩酸が発生すると、内筒体902が徐々に腐食していく。そして、腐食によって内筒体902にスルーホールや亀裂などが発生して、硫酸や塩酸を含む流体が内筒体902内から筒間空間に漏れ出すと、一般的な金属からなる外筒体901を急激に腐食させることになる。内筒体902内や筒間空間内は高圧に維持されていることから、腐食によって外筒体901にスルーホールや亀裂などが発生してしまうと、高温高圧の流体が外筒体901の外に激しく噴出して作業員に危険を及ぼすおそれがある。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、反応槽の外筒体の腐食損傷箇所から高温高圧の流体を噴出させてしまう危険性を低減することができる流体浄化装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、筒状の外筒体と、これの内側に配設された内筒体とからなる二重筒構造を具備し、前記内筒体の中で浄化対象流体に含まれる有機物の酸化分解反応を発生させるための反応槽と、前記内筒体の中に浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段と、前記内筒体の中に酸化剤を圧送する酸化剤圧送手段と、前記内筒体と前記外筒体との間の筒間空間に前記内筒体を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段と、前記内筒体内の流体を加熱する加熱手段とを有し、前記内筒体の中で浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら筒長手方向の一端側から他端側に向けて送る過程で前記浄化対象流体中の有機物を酸化分解し、この酸化分解によって浄化された浄化済み流体を筒長手方向の他端側で前記内筒体内から排出する流体浄化装置において、前記内筒体の腐食損傷箇所を介した前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知する漏洩検知手段と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段と、前記内筒体の中における筒長手方向の一端側に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加熱手段による加熱を停止させ、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施する処理を実施する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
本発明においては、腐食による損傷が反応槽の内筒体に発生し、その損傷箇所を介して内筒体内の流体が内筒体と外筒体との間の筒間空間に漏洩すると、その漏洩が漏洩検知手段によって検知されて警報が発せられる。この警報により、流体浄化装置を停止させたり、内筒体と外筒体との間の筒間空間から酸を含む流体を除去したり、内筒体を交換したりする作業を作業員などに促すことで、酸を含む流体を外筒体に接触させてしまう時間の短縮化を図る。これにより、酸を含む流体を接触させることによる外筒体の損傷の発生を低減して、反応槽の外筒体の腐食損傷箇所から高温高圧の流体を噴出させてしまう危険性を低減することができる。なお、流体浄化装置を停止させたり、酸を含む流体を筒間空間から除去したりする工程については、作業員の代わりに、装置に実施させることも可能である。
特許文献1に記載の圧力バランス型反応槽を示す断面図。 参考形態に係る流体浄化装置を示す概略構成図。 同流体浄化装置の給送二重管を示す縦断面図。 同流体浄化装置の反応槽を示す縦断面図。 同流体浄化装置の給送搬送管と反応槽との接続部を示す縦断面図。 同流体浄化装置の反応槽と搬送管との接続部を示す縦断面図。 実施形態に係る流体浄化装置のプログラマブルシーケンサーによって実施される緊急措置処理の各工程を示すフローチャート。 変形例6に係る流体浄化装置の反応槽及び搬送管を示す縦断面図。
以下、本発明を適用した流体浄化装置の一実施形態について説明する前に、本発明を理解する上で参考になる参考形態について説明する。
まず、参考形態に係る流体浄化装置の基本的な構成について説明する。図2は、参考形態に係る流体浄化装置を示す概略構成図である。参考形態に係る流体浄化装置は、原水タンク1、攪拌機2、原水供給ポンプ3、原水圧力計4、原水入口弁5、酸化剤圧送ポンプ6、酸化剤圧力計7、酸化剤入口弁8、熱交換器9、熱媒体タンク10、熱交換ポンプ11などを備えている。また、出口圧力計12、出口弁13、給送二重管15、搬送管16、反応槽20、反応槽ヒーター23、温度計24、原水タンク弁30、第1清水タンク31、第1清水タンク弁32、予備加熱ヒーター33なども備えている。更には、熱媒体弁34、第2清水タンク35、第2清水タンク弁36、均圧水ポンプ37、均圧水弁38、均圧水冷却装置39、均圧水圧力計40、圧力調整弁41、漏洩検知センサー42、図示しない制御部なども備えている。
制御部は、漏電ブレーカー、マグネットスイッチ、サーマルリレーなどの組み合わせからなる給電回路を、次に列記する機器の分だけ有している。即ち、攪拌機2、原水供給ポンプ3、酸化剤圧送ポンプ6、熱交換ポンプ11、反応槽ヒーター23、原水タンク弁30、第1清水タンク弁32、予備加熱ヒーター33、第2清水タンク弁36、均圧水ポンプ37、及び均圧水冷却装置39である。そして、プログラマブルシーケンサーからの制御信号によって給電回路のマグネットスイッチをオンオフすることで、それら機器に対する電源のオンオフを個別に制御する。
原水圧力計4、酸化剤圧力計7、出口圧力計12、均圧水圧力計40はそれぞれ、圧力の検知結果に応じた値の電圧を出力する。また、反応槽20の温度計24は、反応槽における後述の内筒の先端側領域の温度を検知してその検知結果に応じた電圧を出力する。また、漏洩センサー40は、内筒からの流体の漏洩を検知して、その検知信号を出力する。それらの測定機器から出力される電圧は、それぞれ図示しないA/Dコンバーターによって個別にデジタルデータに変換された後、センシングデータとしてプログラマブルシーケンサーに入力される。プログラマブルシーケンサーは、それらのセンシングデータに基づいて、各種の機器の駆動を制御する。
原水タンク1には、分子量の比較的大きな有機物を含む廃水が未処理の状態で貯留されている。廃水は、有機溶剤廃水、製紙工程で生ずる製紙廃水、及びトナー製造工程で生ずるトナー製造廃水のうち、少なくとも何れか1つからなるものである。製紙廃水やトナー製造廃水には、難分解性の有機物が含まれている可能性がある。
攪拌機2は、浄化対象流体としての廃水を撹拌することで、廃水中に含まれる浮遊物質(Suspended solids)を均等に分散せしめて、有機物濃度の均一化を図っている。廃水を圧送するための高圧ポンプからなる原水供給ポンプ3には、原水タンク弁30を介して原水タンク1が接続されている。また、第1清水タンク弁32を介して第1清水タンク31も接続されている。原水タンク弁30や第1清水タンク弁32は、モータバルブからなり、制御部からの指令によって弁を自動で開閉することができる。通常運転時には、第1清水タンク弁32が閉じられているとともに、原水タンク弁30が開かれている。これにより、原水供給ポンプ3が原水タンク1内の廃水を吸引して、後述する給送二重管15に向けて圧送する。
原水供給ポンプ3の吐出管に接続されている原水入口弁5は、逆止弁の役割を担っており、原水供給ポンプ3から圧送されてくる廃水について、原水供給ポンプ3側から後述する給送二重管15側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
コンプレッサーからなる酸化剤圧送ポンプ6は、酸化剤として取り込んだ空気を、廃水の流入圧力と同程度の圧力まで圧縮しながら、酸化剤入口弁8を介して給送二重管15に送り込む。酸化剤入口弁8は、逆止弁の役割を担っており、酸化剤圧送ポンプ6から圧送されてくる空気について、酸化剤圧送ポンプ6側から給送二重管150側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
給送二重管15は、図3に示されるように、外管15aとこれの内側に配設された内管15bとからなる二重管構造になっている。そして、原水供給ポンプ(図2の3)から圧送されてくる廃水Wを内管15bと外管15aとの間の空間に受け入れて、後述する反応槽(図2の20)内に流入させる。また、酸化剤圧送ポンプ(図2の6)から圧送されてくる空気を内管15b内に受け入れて、後述する反応槽に流入させる。
図2において、原水供給ポンプ3の駆動による廃水の流入圧力は、原水入口弁5よりも上流側に配設された原水圧力計4によって検知されて、センシングデータとして制御部のプログラマブルシーケンサーに入力される。原水供給ポンプ3が駆動しているときの廃水の流入圧力と、反応槽20内の圧力とは、ほぼ同じになる。
酸化剤圧送ポンプ6の駆動による空気の流入圧力は、酸化剤入口弁8よりも上流側に配設された酸化剤圧力計7によって検知されて、センシングデータとして制御部のプログラマブルシーケンサーに入力される。酸化剤圧力計7が駆動しているときの空気の流入圧力と、反応槽20内の圧力とは、ほぼ同じになる。
酸化剤圧送ポンプ6の駆動による空気の圧送量は、廃水中の有機物を完全に酸化させるのに必要となる化学量論的な酸素量に基づいて決定されている。より詳しくは、廃水のCOD(Chemical Oxygen Demand)、全窒素(TN)、全リン(TP)など、廃水W中の有機物濃度、窒素濃度、リン濃度などに基づいて、有機物の完全酸化に必要な酸素量が算出され、その結果に基づいて、空気の圧送量が設定されている。
空気の流入量の設定は作業員によって行われるが、廃水W中に含まれる有機物の種類が経時で安定しており、濁度、光透過度、電気伝導度、比重などの物性と、前述の酸素量との相関関係が比較的良好である場合には、その物性をセンサー等で検知した結果に基づいて、前述の制御範囲を自動で補正する処理を実施するように、プログラマブルシーケンサーを構成してもよい。
酸化剤としては、空気の他、酸素ガス、オゾンガス、過酸化水素水の何れか1つ、あるいは、それらの2種類以上を混合したもの、を用いることも可能である。
図2に示されるように、給送二重管15の外面には、給送二重管15内の空気Aや廃水Wを予備加熱するための予備加熱ヒーター33が取り付けられている。給送二重管15内において、空気Aや廃水Wは、予備加熱ヒーター33によって予備加熱された後に、反応槽20内に圧送される。
図4は、反応槽20を示す縦断面図である。反応槽20は、外筒21と、これの内側に配設された内筒22とからなる二重筒構造を具備している。給送二重管15と、反応槽20の外筒21における図中左側の端部とは、入口カップリング17によって連結されている。そして、反応槽20内においては、給送二重管15が反応槽20の内筒22と連通しているが、内筒22と外筒21との間の筒間空間には連通しないようになっている。
内筒22は、酸に強いチタン(Ti)からなる筒である。チタンからなるものに代えて、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pd、Zr、V、Ni、Co、Moからなるものを用いてもよい。また、Ti、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pd、Zr、V、Ni、Co及びMoのうち、少なくとも何れか1つを含む合金からなるものを用いてもよい。また、セラミックや石英ガラスからなるものを用いてもよい。
外筒21は、ステンレス(SUS304、SUS316)、インコネル625、ニッケル合金など、強度に優れた金属材からなる筒である。反応槽20の内部の圧力は、0.5〜30MPa、望ましくは5〜30MPaという高圧に制御される。このような高圧に耐え得るように、外筒21の厚みは肉厚になっている。これに対し、内筒22は、耐圧性よりも耐食性が求められることから、優れた耐食性を発揮するチタンが材料として採用されている。
給送二重管15の内管15bと外管15aとの間の空間内で反応槽20に向けて圧送される廃水Wや、給送二重管15の内管15b内で反応槽20に向けて圧送される空気Aは、反応槽20の内筒22内における図中左側端部に流入する。そして、廃水Aと空気Aとは互いに混合して混合流体になりながら、内筒22内を図中左側から右側に向けて移動する。
反応槽20の外筒21には、均圧水流入部21aや、均圧水排出部21bが形成されている。均圧水流入部21aは、外部から送られてくる均圧水を反応槽20の内筒22と外筒21との間の筒間空間内に受け入れるためのものである。また、均圧水排出部22bは、前述の筒間空間内から反応槽20の外に均圧水を排出するためのものである。
図2において、均圧水ポンプ37は、第2清水タンク35内に貯留されている清水や、反応槽20の内筒と外筒との間の筒間空間から排出された均圧水を吸引して、反応槽20の筒間空間に圧送するものである。圧送された均圧水は、逆止弁からなる均圧水弁38を経由した後、反応槽20の筒間空間内に流入する。
反応槽20の筒間空間を筒長手方向に沿って流れる均圧水は、やがて、筒間空間から排出されて反応槽20の外に出る。そして、均圧水冷却装置39と圧力調整弁41とを経由した後、均圧水ポンプ37に再び吸引されて、反応槽20の筒間空間内に戻る。
通常運転時には、第2清水タンク35と均圧水ポンプ37との間に介在している第2清水タンク弁36が閉じられている。プログラマブルシーケンサーは、均圧水圧力計40によって検知される均圧水の圧力が所定の第2閾値よりも高く、且つ第1閾値よりも低くなった場合には、圧力が第1閾値よりも高くなるまでモータバルブからなる第2清水タンク弁36を開く。これにより、反応槽20の筒間空間や均圧水ポンプ37などからなる均圧水循環経路に一定量の均圧水が流れるようにする。
図4において、反応槽20の内筒22内では、廃水W中の有機物が分解されるのに伴って、有機塩化物のクロロ基に由来する塩酸や、アミノ酸等のスルホニル基に由来する硫酸が発生して、内筒22の内壁を強い酸性下におくことがある。このため、内筒22には、耐食性に優れたチタンからなる筒が採用されているのである。但し、チタンは非常に高価な材料であるため、内筒22の厚みを高圧に耐え得る値まで大きくすると、非常にコスト高になってしまう。そこで、内筒22の外側に外筒21を配設し、チタンよりも安価なステンレス等からなる外筒21によって必要な耐圧性を発揮させるようにしている。内筒22と外筒21との間の筒間空間における均圧水の圧力については、内筒22内の混合流体の圧力と同じ値に維持するか、あるいは混合流体の圧力に近い値に維持することが望ましい。均圧水の圧力と内筒22内の混合流体の圧力との差を許容範囲内に維持するのであれば、均圧水の圧力を混合流体の圧力よりも高くしても低くしてもよい。
内筒22内の混合流体に加える圧力としては、0.5〜30MPa(望ましくは5〜30MPa)の範囲を例示することができる。内筒22内の圧力は、出口弁(図2の13)によって調整される。この出口弁は、内筒22内の圧力が所定の閾値よりも高くなると、自動で弁を開いて内筒22内の混合流体を外部に排出することで、内筒22内の圧力を閾値付近に維持する。
内筒22内の混合流体は、高圧であることに加えて、高温になっている。その温度は、100〜700℃、望ましくは200〜550℃である。流体浄化装置の運転が開始されるときには、内筒22内の廃水Wと空気Aとの混合流体は、圧力がかけられているが、温度はそれほど高くなっていない。そこで、運転開始時には、プログラマブルシーケンサーが反応槽ヒーター(図3の23)を発熱させて、内筒22内の混合流体の温度を200〜700℃まで昇温させる。
反応槽ヒーターをオンにすると、その熱が外筒21と、筒間空間内の均圧水と、内筒22とを介して、内筒22内の混合流体に伝わる。運転開始時には、筒間空間内の均圧水に一定の圧力をかけた状態で、均圧水ポンプ(図2の37)を停止させて均圧水の循環搬送を停止させる。このため、外筒21から筒間空間内の均圧水に伝わった熱が効率良く、内筒22と、内筒22内の混合流体とに伝わる。
なお、図2において、通常運転時には、反応槽20から排出された均圧水を冷却する均圧水冷却装置39は停止している。このため、反応槽20から排出された均圧水は、均圧水冷却装置39内を素通りするだけで、冷却されることなく、反応槽20の筒間空間内に再送される。
図4において、内筒22内の混合流体中で有機物の酸化分解が開始されると、その酸化分解に伴って熱が発生する。廃水Wが有機物を高濃度に含むものである場合、多量の有機物が酸化分解される際の多量の発熱だけで、混合流体が所望の温度まで昇温することもある。この場合、装置の立ち上げ時のみ、反応槽ヒーター23による加熱を行い、酸化分解が開始された後には、反応槽ヒーター23に対する電源をオフにすることができる。そこで、プログラマブルシーケンサーは、温度計(図2の24)による検知結果が所望の温度以上になった場合には、反応槽ヒーター23をオフにする。
なお、外筒21の外周面に熱交換器を設けた場合には、この熱交換器のオンオフによっても、内筒22内の混合流体の温度を調整することが可能になる。
内筒22を図中左側から右側に向けて移動する混合流体の中では、有機物の酸化分解が急速に進行していく。そして、内筒22の図中右側端部付近まで移動した混合流体(W+A)は、有機物や無機化合物がほぼ完全に酸化分解された状態になっている。反応槽20の図中右側端部(後端部)には、出口カップリング18を介して、搬送管16が接続されている。有機物の酸化分解によって浄化された混合流体は、反応槽20の内筒内から搬送管16に排出される。
内筒22内の温度及び圧力の条件として、温度=374.2℃以上、且つ、圧力=21.8MPa以上を採用した場合、水の臨界温度や臨界圧力をそれぞれ超え、且つ空気の臨界温度や臨界圧力もそれぞれ超える状態であるため、混合流体が液体と気体との中間的な性質を帯びる超臨界流体になる。かかる超臨界流体中では、有機物が良好に超臨界流体に溶解するとともに、空気に良好に接触することから、有機物の酸化分解が急激に進行する。
また、内筒22内の温度及び圧力の条件として、温度=200℃以上(望ましくは374.2℃以上)、且つ、圧力=21.8MPa未満(望ましくは10MPa以上)の比較的高圧を採用して、内筒22内で混合流体中の廃水を高温高圧蒸気にしてもよい。
搬送管16内では、浄化された混合流体中の水分が冷却されて、超臨界状態、あるいは高温高圧蒸気状態、から液体状態に態様を変化させる。一方、混合流体中の酸素や窒素は、超臨界状態から気体状態に態様を変化させる。なお、搬送管16の内側には、耐食性に優れた金属材料からなる耐食層が被覆されている。
図2において、搬送管16の外壁には、熱交換器9が装着されている。熱交換器9の本体は、搬送管16の外壁を覆う外管で構成され、外管と搬送管16の外壁との間の空間を水などの熱交換流体で満たしている。そして、熱交換器9は、搬送管16の外壁と熱交換流体との熱交換を行う。
反応槽20の運転時には、非常に高温の液体が搬送管16の内部に流れるため、搬送管16から熱交換器9内の熱交換流体に熱が移動して、熱交換流体が熱せられる。熱交換器9内における熱交換流体の搬送方向は、いわゆる向流型の熱交換を行うように、搬送管16内の液体の搬送方向とは逆方向になっている。即ち、出口弁13側から反応槽20側に向けて熱交換流体を送っている。これは、熱媒体タンク10内の熱交換流体を吸引しながら熱交換器9に送る熱交換ポンプ11によって行われる。
熱交換器9を通過して熱せられた熱交換流体は、図示しないパイプを通って発電機に送られる。発電機では、熱せられたことによって圧力を高めている熱交換流体を液体から気体の状態にするときに発生する気流によってタービンを回転させることで発電が行われる。なお、熱交換器9を通過した熱交換流体の一部を分岐パイプによって流入管26や原水タンク1まで搬送して、廃水Wの予備加熱に利用してもよい。
出口弁13の近傍には、搬送管16の温度、又は搬送管16内の液体の温度を検知する図示しない出口温度計が設けられている。制御部のプログラマブルシーケンサーは、出口温度計による検知結果を所定の上限温度以下にするように、熱交換ポンプ11の駆動を制御する。具体的には、出口温度計による検知結果が所定の上限温度に達したときには、熱交換ポンプ11の駆動量を増加して熱交換器9への熱交換流体の供給量を増やすことで、熱交換器9による冷却機能を高める。これにより、液体を上限温度以下の温度にした状態で、熱交換器9に流入させるようにする。
また、熱交換器9の近傍には、熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度を検知する図示しない熱交換温度計が設けられている。熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度は、所定の下限温度以上であることが望ましい。そこで、制御部のプログラマブルシーケンサーは、熱交換温度計による検知結果を所定の下限温度以下にするように、熱交換ポンプ11の駆動を制御する。
具体的には、熱交換温度計による検知結果が所定の下限温度まで低下したときには、熱交換ポンプ11の駆動量を減少させて熱交換器9への熱交換流体の供給量を低下させる。これにより、熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度を上昇させるようにする。但し、出口温度計による検知結果に基づく熱交換ポンプ11の駆動量の調整が、熱交換温度計による検知結果に基づく熱交換ポンプ11の駆動量の調整よりも優先して行われる。このため、出口温度計による検知結果が所定の上限温度以上になっており、且つ、熱交換温度計による検知結果が所定の下限温度以下になっている場合には、前者の検知結果による駆動量の調整が優先されて、駆動量が増やされる。
廃水W中の有機物濃度が比較的高い場合には、有機物の酸化分解によって多量の熱が発生する。このため、運転初期には反応槽ヒーター23を作動させるものの、有機物の酸化分解が開始された後には、有機物の酸化分解によって発生する熱により、廃水と空気との混合流体の温度を、所望の温度まで自然に昇温することができるようになる場合もある。そこで、制御部のプログラマブルシーケンサーは、内筒22の先端側領域の温度を検知する温度計24による検知結果が、所定の温度よりも高くなった場合には、加熱手段としての反応槽ヒーター23をオフにする。これにより、無駄なエネルギーの消費を抑えることができる。
搬送管16を通り過ぎた混合流体は、図示しない気液分離器によって処理水とガスとに分離され、処理水は図示しない処理水タンクに貯留される。また、ガスは大気中に放出される。
処理水は、活性汚泥による生物処理では除去し切れないフェノールなどの難分解性の有機物もほぼ完全に酸化分解されたものであるため、浮遊物質や有機物は殆ど含まれていない。酸化できない無機物が含まれているだけである。そのままの状態でも、用途によっては工業用水として再利用することが可能である。また、限外濾過膜による濾過処理を施せば、LSI洗浄液などに転用することも可能である。気液分離器14によって分離されたガスは、二酸化炭素、窒素、及び酸素ガスを主成分とするものである。
図5は、給送搬送管15と反応槽20との接続部を示す縦断面図である。給送管1と反応槽20とは入口カップリング17によって連結されている。給送搬送管15における外管15aと内管15bとは別体になっていて、外管15a内に挿入された内管15bが入口カップリング17の穴に貫通せしめられることで、入口カップリング17に保持される。
図6は、反応槽20と搬送管16との接続部を示す縦断面図である。同図において、反応槽20の外筒21の長手方向における処理対象流体排出側の端部には、排出側壁が筒横断面方向に延在する姿勢で設けられている。また、内筒22の長手方向における全域のうち、処理対象流体排出側端部には、筒外周面から突出する突出部22aが筒外周面の全周に渡って延在する姿勢で設けられている。外筒21内に挿入された内筒22は、出口カップリング18により、外筒21の外側で自らの突出部22aが外筒21の排出側壁に向けて押さえ付けられることで、外筒21の排出側壁に支持される。
内筒22内には、触媒25が投入されている。この触媒25は、内筒22内における有機物の酸化分解を促進するものである。触媒25としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Cu、Zn、Ni、Co、Ce、Ti、MnおよびCのうち、少なくとも何れか1つの元素を含むものを用いることが望ましい。
2において、圧力調整弁41を通過した後、均圧水ポンプ37に吸引される前の流体は、漏洩検知センサー42によってその所定の特性が検知される。参考形態に係る流体浄化装置においては、漏洩検知センサー42として、電気伝導率を検知する電気伝導率計からなるものを用いている。
図4において、長期間の運転に伴って内筒22の腐食が徐々に進行していき、内筒22に部分的な損傷(スルーホールや亀裂)が発生したとする。すると、内筒22内の混合流体の一部が、その損傷箇所を通って内筒22内から内筒22と外筒21との間の筒間空間に進入する。混合流体中には、上述したように、硫酸や塩酸が混じっていることがある。筒間空間に進入した混合流体中の硫酸や塩酸が外筒21に触れると、ステンレス等からなる外筒21が急激に腐食してしまう。
そこで、参考形態に係る流体浄化装置では、図2に示されるように、反応槽20から排出された均圧水の電気伝導率を漏洩検知センサー42によって検知している。反応槽20の内筒(22)に腐食による損傷が発生して内筒(22)内の混合流体が筒間空間に漏洩すると、均圧水中に硫酸や塩酸が混じるようになる。均圧水は、通常であれば清水だけからなるので、電気伝導率は極めて低い値になっている。この均圧水に硫酸や塩酸が混入すると、漏洩検知センサー42によって検知される電気伝導率が急に高くなる。これにより、内筒(22)から筒間空間への混合流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される電気伝導率が所定の閾値よりも高くなったことに基づいて、混合流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、警報を発信する。より詳しくは、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させる。
この点灯により、混合流体の漏洩が発生したことを知った作業者は、流体浄化装置を停止させたり、内筒(22)と外筒(21)との間の筒間空間から硫酸や塩酸を含む均圧水を除去したり、内筒22を交換したりする。これにより、硫酸や塩酸を含む均圧水を接触させることによる外筒(21)の損傷の発生を低減して、反応槽20の外筒の腐食損傷箇所から高温高圧の流体を噴出させてしまう危険性を低減することができる。
なお、漏洩検知センサー42に用いる電気伝導度計としては、東亜DKK(株)社製のCM−30Rを例示することができる。
反応槽20を水平方向に延在させる横置きの姿勢で配設した例について説明したが、鉛直方向に延在させる縦置きの姿勢で配設してもよい。また、水平方向や鉛直方向からそれぞれ傾斜させた傾斜姿勢で配設してもい。縦置きの姿勢や傾斜姿勢において、上方から下方に混合流体を流してもよいし、重力に逆らって混合流体を下方から上方に流してもよい。
次に、参考形態に係る流体浄化装置の一部の構成を他の構成に置き換えた各変形例の流体浄化装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係る流体浄化装置の構成は、参考形態と同様である。
[変形例1]
変形例1に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、pH計からなるものを用いている。かかるpH計としては、日機装(株)社製の9794型を例示することができる。
反応槽20の内筒(22)に腐食による損傷が発生して内筒(22)内の混合流体が筒間空間に漏洩すると、均圧水中に硫酸や塩酸が混じるようになる。均圧水は、通常であれば清水だけからなるので、pHは7付近の値になっている。この均圧水に硫酸や塩酸が混入すると、漏洩検知センサー42によって検知されるpHが急に低くなる。これにより、内筒(22)から筒間空間への混合流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知されるpHが所定の閾値よりも低くなったことに基づいて、混合流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
[変形例2]
変形例2に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、吸光度計からなるものを用いている。反応槽20の内筒(22)に腐食による損傷が発生して内筒(22)内の混合流体が筒間空間に漏洩すると、均圧水中に廃水が混じるようになる。均圧水は、通常であれば清水だけであり透明度が高いので、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度は非常に低い値になっている。この均圧水に廃水が混入すると、廃水中の浮遊物質により、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度が急に高くなる。これにより、内筒(22)から筒間空間への混合流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度が所定の閾値よりも高くなったことに基づいて、混合流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
[変形例3]
変形例3に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、ICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)発光分析装置からなるものを用いている。ICP発光分析装置は、被検液体中に含まれる元素の組成を分析するものである。反応槽20の内筒(22)に腐食による損傷が発生して内筒(22)内の混合流体が筒間空間に漏洩すると、均圧水中に微量のチタンが混入するようになる。内筒(22)を構成しているチタンが硫酸や塩酸によって混合流体中に溶解されて均圧水中に流れ出るからである。
均圧水は、通常であれば清水だけでありチタンを全く含んでいない。内筒のチタンが混合流体中に溶け出してそれが均圧水に混入すると、漏洩検知センサー42によってチタンが検知されるようになる。これにより、内筒(22)から筒間空間への混合流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によってチタンが検出されたことに基づいて、混合流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
[変形例4]
変形例4に係る流体浄化装置では、漏洩を検知するための専用の漏洩検知センサー42を設けていない。その代わりに、均圧水圧力計40を漏洩検知センサーとして兼用している。
また、変形例4に係る流体浄化装置においては、反応槽20の内筒22と外筒21との間の筒間空間内における均圧水の圧力を、内筒22内における混合流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。このために、均圧水に関連する上述した第1閾値を、内筒22内における混合流体の圧力目標値よりも少し高めの値に設定している。
腐食による損傷が内筒(22)に発生して内筒と外筒(21)との間の筒間空間と、内筒とが損傷箇所で連通すると、圧力のより高い筒間空間から内筒に多くの均圧水が流れ込み始める。内筒22内に流れ込んだ均圧水は、やがて内筒から搬送管16内に排出される。このようにして均圧水が排出されるようになると、均圧水圧力計40によって検知される圧力が急激に低下する。
上述したように、均圧水圧力計40によって検知される圧力が第1閾値を下回ると、第2清水タンク弁36が開かれて、均圧水の循環経路内に清水が補充されるようになる。しかしながら、反応槽20の内筒に損傷が発生して均圧水が内筒内に流れ出すようになると、均圧水の循環経路内に補充される清水の量よりも、筒間空間から内筒内に流れ出る均圧水の量が多くなる。このため、均圧水圧力計40によって検知される圧力が低下し続けて、やがて第1閾値よりも低い所定の第2閾値を下回るようになる。これにより、内筒(22)から筒間空間への混合流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される圧力が所定の第2閾値よりも低くなったことに基づいて、混合流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
[変形例5]
変形例5に係る流体浄化装置では、変形例4に係る流体浄化装置と同様に、反応槽20の内筒22と外筒21との間の筒間空間内における均圧水の圧力を、内筒22内における混合流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。また、漏洩検知センサー42として、流量計からなるものを用いている。変形例4で述べたように、腐食による損傷が内筒(22)に発生して内筒と外筒(21)との間の筒間空間と、内筒とが損傷箇所で連通すると、圧力のより高い筒間空間から内筒に多くの均圧水が流れ込み始める。そして、第2清水タンク35から均圧水の循環経路内に補充される清水の量よりも、筒間空間から内筒内に流れ出る均圧水の量が多くなる。これにより、循環経路内における均圧水の流量が急激に低下する。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される流量度が所定の閾値よりも少なくなったことに基づいて、混合流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
[変形例6]
図4において、反応槽20内で触媒25を通り過ぎた混合流体は、通常であれば、有機物の分解過程で生じた塩酸、硫酸、硝酸などの酸を少しだけ含有している状態になる。ところが、一時的に多量の有機物が反応槽20に流入するなどの理由により、反応槽20内における酸の発生量が一時的に大きく増加すると、触媒25を通り過ぎた混合流体中に、多くの酸が残留することがある。酸を多く含む混合流体が反応槽20から搬送管16に送られると、搬送管16の耐食層と基層とを容易に腐食させて、反応槽16に穴を開けてしまうおそれがある。
そこで、変形例6に係る流体浄化装置では、搬送管16についても、その損傷を迅速に検出できるようにしている。なお、変形例6に係る流体浄化装置においても、変形例4に係る流体浄化装置と同様に、反応槽20の内筒22と外筒21との間の筒間空間内における均圧水の圧力を、内筒22内における混合流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。
図8は、変形例6に係る流体浄化装置の反応槽20及び搬送管16を示す縦断面図である。変形例6に係る流体浄化装置においては、搬送管16として、反応槽20と同様の二重筒構造を具備するものを用いている。つまり、搬送管16は、外筒16bと、これの内部に配設された内筒16aとを具備している。搬送管16の内筒16aは、反応槽20の内筒22と同じ材料からなっている。
搬送管16の内筒16aと、反応槽20の内筒22とは、互いに連通するように、互いの端部が出口カップリング18の内部で突き当てられている。また、出口カップリング18の内部においては、搬送管16の外筒16bの端部と、反応槽20の外筒21の端部とが、パッキンを介して互いに突き当たっている。これにより、反応槽20の筒間空間と、搬送管16の筒間空間とが互いに連通している。
反応槽20の内筒20内を図中左側から右側に向けて移動した混合流体は、搬送管16の内筒16aにおける図中左側の端部に流入する。そして、搬送管16の内筒16a内を図中左側から右側に向けて移動した後、内筒16aから排出される。
均圧水は、搬送管16の図中左側の端部付近において、搬送管16にける内筒16aと外筒16bとの間の筒間空間に送られた後、同筒間空間内を図中右側から左側に向けて移動する。そして、同筒間空間の図中左側端部まで移動すると、反応槽20の筒間空間における図中右側端部に流入する。その後、反応槽20の筒間空間内を図中右側から左側に向けて移動した後、同筒間空間の図中左側端部付近にて、同筒間空間から排出されて、均圧水冷却装置(39)に至る。
かかる構成において、反応槽20の内筒22と、搬送管16の内筒16aとのうち、何れか一方に、腐食による損傷が発生して内筒(22又は16a)内の混合流体が筒間空間に漏洩すると、均圧水中に硫酸や塩酸が混じるようになる。これにより、漏洩検知センサー(42)によって検知される電気伝導率が急に高くなることで、内筒(22又は16a)から筒間空間への混合流体の漏洩が検知される。かかる構成では、搬送管16の腐食損傷箇所から高温高圧の流体を噴出させしまう危険性を低減することができる。
に、本発明を適用した実施形態について説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施形態に係る流体浄化装置の構成は、参考形態と同様である。
流体浄化装置において、反応槽20の大きさは、流体浄化装置が設置される施設から排出される廃水の量や、流体浄化装置の1日あたりの運転時間などに基づいて決定される。1日あたりの運転時間が短くなるほど、単位時間あたりに処理しなければならない廃水の量が多くなるので、反応槽20を大きくする必要がある。コストの観点からすれば、夜間も運転して1日あたりの運転時間をできるだけ長くすることが望ましい。
ところが、夜間は作業員が不在になる。このため、内筒(22)の損傷による混合流体の筒間空間への漏洩が夜間に発生すると、筒間空間内に漏洩した混合流体を筒間空間から除去する作業が翌朝まで行われずに、外筒(21)の腐食を大きく進行させてしまうおそれがある。
そこで、実施形態に係る流体浄化装置においても、変形例4に係る流体浄化装置と同様に、反応槽20の内筒22と外筒21との間の筒間空間内における均圧水の圧力を、内筒22内における混合流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。そして、実施形態に係る流体浄化装置では、内筒から筒間空間への混合流体の漏洩が検知された場合に、筒間空間から混合流体を除去する工程を、プログラマブルシーケンサーの制御によって自動で行うようになっている。図7は、内筒から筒間空間への混合流体の漏洩が検知された場合にプログラマブルシーケンサーによって実施される緊急措置処理の各工程を示すフローチャートである。
筒間空間への混合流体の漏洩が検知されたことに基づいて緊急措置処理を開始したプログラマブルシーケンサーは、まず、原水タンク弁30を閉じた後(ステップ1:以下、ステップをSと記す)、第1清水タンク弁32を開く(S2)。これにより、原水供給ポンプ3によって反応槽20の内筒内に圧送される流体を、廃水から清水に切り替える。この切り替えにより、反応槽20内での有機物の酸化分解反応を停止させても、浄化されていない廃水を排出してしまうことがなくなる。
次に、プログラマブルシーケンサーは、酸化剤圧送ポンプ6を停止させる(S3)ことで、反応槽20内への空気の圧送を停止させる。この停止により、やがて反応槽20の内筒内の酸素がなくなって、内筒内での有機物の酸化分解反応が停止する。
プログラマブルシーケンサーは、酸化剤圧送ポンプ6を停止させると、次に、予備加熱ヒーター33及び反応槽ヒーター23をそれぞれ強制停止させる(S4)。これにより、ヒーターによる加熱で反応槽20内の混合流体や均圧水を昇温せしめてしまうことが回避される。
ヒーターの強制停止によって外部からの加熱を停止させたプログラマブルシーケンサーは、次に、均圧水冷却装置39を作動させて均圧水の循環経路内で均圧水の冷却を開始した後(S5)、均圧水ポンプ37の駆動速度を増加させる(S6)。これにより、循環経路内における均圧水の流速を速めて、反応槽20の内筒の損傷箇所を介した筒間空間から内筒内への均圧水の逆流量を増加させる。筒間空間内の均圧水が内筒の損傷箇所を介して内筒内に逆流することで、均圧水に混じってしまった混合流体が少しずつ内筒に戻される。これとともに、後述する理由により、第2清水タンク35内の清水が循環経路内の均圧水に適宜補充されることで、均圧水における混合流体濃度が徐々に低下していく。即ち、均圧水に混じってしまった混合流体が徐々に除去されていく。
次いで、プログラマブルシーケンサーは、循環経路内における均圧水の圧力が上述した第1閾値よりも低い場合には(S7でY)、第2清水タンク弁36を開いて循環経路内の均圧水に清水を補充する(S8)。これに対し、均圧水の圧力が第1閾値以上である場合には(S7でN)、第2清水タンク弁36を閉じて清水の補充を停止させる(S9)。
その後、プログラマブルシーケンサーは、反応槽20内の温度について、50℃以上であるか否かを判定する(S10)。そして、50℃以上である場合には(S10でY)、処理フローを上述したS7にループさせる。これに対し、50℃以上でない場合には(S10でN)、S11以降の工程を実施する。このような処理フローにより、反応槽20内の温度が50℃未満になるまで、反応槽20の内筒や、均圧水の循環経路に清水が供給され続ける。
反応槽20内の温度が50℃未満になると(S10でN)、プログラマブルシーケンサーは、出口弁13を大きく開放して(S11)、出口弁13による圧力規制を解除することで、反応槽20の内筒内の圧力を下げる。また、圧力調整弁41も大きく開放して(S12)、圧力調整弁による圧力規制を解除することで、均圧水の循環経路内における均圧水圧力を下げる。その後、内筒内の圧力と、循環経路内の圧力とがそれぞれ常圧まで下がると(S13でY、及びS14でY)、原水供給ポンプ3及び均圧水ポンプ37を停止させて(S15)、一連の処理フローを終了する。
かかる構成では、筒間空間内の均圧水から硫酸や塩酸を殆ど除去し、筒間空間内の均圧水や、内筒内の流体の圧力や温度を下げた状態で、流体浄化装置を自動停止させる。これにより、作業員がいないときに反応槽20の内筒の損傷が発生して筒間空間への混合流体の漏洩が発生しても、筒間空間に混入してしまった硫酸や塩酸を自動で除去して、酸による外筒(21)の腐食の発生をより確実に抑えることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
筒状の外筒体(例えば外筒21)と、これの内側に配設された内筒体(例えば内筒22)とからなる二重筒構造を具備し、前記内筒体の中で浄化対象流体(例えば廃水W)に含まれる有機物の酸化分解反応を発生させるための反応槽(例えば反応槽20)と、前記内筒体の中に浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段(例えば原水供給ポンプ3)と、前記内筒体の中に酸化剤を圧送する酸化剤圧送手段(例えば酸化剤圧送ポンプ6)と、前記内筒体と前記外筒体との間の筒間空間に前記内筒体を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段(例えば均圧水ポンプ37)と、前記内筒体内の流体を加熱する加熱手段(例えば反応槽ヒーター23)とを有し、前記内筒体の中で浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら筒長手方向の一端側から他端側に向けて送る過程で前記浄化対象流体中の有機物を酸化分解し、この酸化分解によって浄化された浄化済み流体を筒長手方向の他端側で前記内筒体内から排出する流体浄化装置において、
前記内筒体の腐食損傷箇所を介した前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知する漏洩検知手段(例えば漏洩検知センサー42)と、前記漏洩検知手段によって液体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段(例えばプログラマブルシーケンサー)とを設けたことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における電気伝導率の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、電気伝導率計を利用して内筒から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様C]
態様Cは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、におけるpHの変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への液体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、pH計を利用して内筒から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様D]
態様Dは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における吸光度の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、吸光度計を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様E]
態様Eは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における元素組成の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、ICP発光分析装置を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様F]
態様Fは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段(例えば圧力調整弁41)を設けるとともに、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における圧力変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、圧力計を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様G]
態様Gは、態様Aにおいて、前記加圧用流体圧送手段によって前記筒間空間における筒長手方向の一端側又は他端側に圧送された加圧用流体を、筒長手方向における反対側から前記筒間空間の外に排出する加圧用流体排出手段(例えば均圧水排出部21b)と、前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段(例えば圧力調整弁41)とを設けるとともに、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における流量変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、流量計を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様H]
態様Hは、態様A〜Gの何れかにおいて、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加熱手段(例えば反応槽ヒーター23)による加熱を停止させる処理を実施する制御手段(例えばプログラマブルシーケンサー)を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、漏洩が検知された場合に、加熱手段を停止させることで、反応槽内の流体の温度低下を促すことができる。
[態様I]
態様Iは、態様Hにおいて、前記内筒体の中における筒長手方向の一端側に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段(例えば原水供給ポンプ3)を設けるとともに、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、内筒内から筒間空間への流体の漏洩が検知された場合に、反応槽への浄化対象流体の供給を停止させることで、浄化されない浄化対象流体を反応槽から排出することなく、筒間空間からの酸の除去操作を行うことができる。また、冷却用流体としての清水を内筒内に供給することで、内筒内の流体の温度を迅速に下げることができる。
[態様J]
態様Jは、態様H又はIにおいて、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加圧用流体圧送手段による加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させる処理と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記酸化剤圧送手段による酸化剤の圧送を停止させる処理とを実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、流体の漏洩が検知された場合に、酸化剤の圧送を停止することで、反応槽内での有機物の酸化分解反応を迅速停止させて、酸化分化に伴う酸の発生を停止させることができる。また、加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させることで、内筒の損傷箇所を介した筒間空間から内筒への加圧用流体(例えば均圧水)の逆流を促して、筒間空間内から酸を除去することができる。
3:原水供給ポンプ(浄化前流体圧送手段)
6:酸化剤圧送ポンプ(酸化剤圧送手段)
20:反応槽
21:外筒(外筒体)
22:内筒(内筒体)
23:反応槽ヒーター(加熱手段)
37:均圧水ポンプ(加圧用流体圧送手段)
42:漏洩検知センサー(漏洩検知手段)
W:廃水(浄化対象流体)
A:空気(酸化剤)
特開2003−175326号公報

Claims (8)

  1. 筒状の外筒体と、これの内側に配設された内筒体とからなる二重筒構造を具備し、前記内筒体の中で浄化対象流体に含まれる有機物の酸化分解反応を発生させるための反応槽と、前記内筒体の中に浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段と、前記内筒体の中に酸化剤を圧送する酸化剤圧送手段と、前記内筒体と前記外筒体との間の筒間空間に前記内筒体を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段と、前記内筒体内の流体を加熱する加熱手段とを有し、前記内筒体の中で浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら筒長手方向の一端側から他端側に向けて送る過程で前記浄化対象流体中の有機物を酸化分解し、この酸化分解によって浄化された浄化済み流体を筒長手方向の他端側で前記内筒体内から排出する流体浄化装置において、
    前記内筒体の腐食損傷箇所を介した前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知する漏洩検知手段と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段と、前記内筒体の中における筒長手方向の一端側に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加熱手段による加熱を停止させ、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施する処理を実施する制御手段とを設けたことを特徴とする流体浄化装置。
  2. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における電気伝導率の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  3. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、におけるpHの変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  4. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における吸光度の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  5. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における元素組成の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  6. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段を設けるとともに、
    前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における圧力変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  7. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記加圧用流体圧送手段によって前記筒間空間における筒長手方向の一端側又は他端側に圧送された加圧用流体を、筒長手方向における反対側から前記筒間空間の外に排出する加圧用流体排出手段と、
    前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段とを設けるとともに、
    前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における流量変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの流体浄化装置において、
    前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加圧用流体圧送手段による加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させる処理と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記酸化剤圧送手段による酸化剤の圧送を停止させる処理とを実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置
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