JP2014023974A - 流体浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状の外筒21と、これの内側に配設された内筒22とからなる二重筒構造を具備し、内筒22の中で廃水Wに含まれる有機物の酸化分解反応を発生させるための反応槽20を有する流体浄化装置において、内筒22の腐食損傷箇所を介した内筒22内から内筒22と外筒21との間の筒間空間内への流体の漏洩を検知する漏洩検知手段と、この漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段とを設けた。
【選択図】図4
Description
まず、実施形態に係る流体浄化装置の基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係る流体浄化装置を示す概略構成図である。実施形態に係る流体浄化装置は、原水タンク1、攪拌機2、原水供給ポンプ3、原水圧力計4、原水入口弁5、酸化剤圧送ポンプ6、酸化剤圧力計7、酸化剤入口弁8、熱交換器9、熱媒体タンク10、熱交換ポンプ11などを備えている。また、出口圧力計12、出口弁13、給送二重管15、搬送管16、反応槽20、反応槽ヒーター23、温度計24、原水タンク弁30、第1清水タンク31、第1清水タンク弁32、予備加熱ヒーター33なども備えている。更には、熱媒体弁34、第2清水タンク35、第2清水タンク弁36、均圧水ポンプ37、均圧水弁38、均圧水冷却装置39、均圧水圧力計40、圧力調整弁41、漏洩検知センサー42、図示しない制御部なども備えている。
図2において、圧力調整弁41を通過した後、均圧水ポンプ37に吸引される前の流体は、漏洩検知センサー42によってその所定の特性が検知される。実施形態に係る流体浄化装置においては、漏洩検知センサー42として、電気伝導率を検知する電気伝導率計からなるものを用いている。
[変形例1]
変形例1に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、pH計からなるものを用いている。かかるpH計としては、日機装(株)社製の9794型を例示することができる。
変形例2に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、吸光度計からなるものを用いている。反応槽20の内筒(22)に腐食による損傷が発生して内筒(22)内の混合流体が筒間空間に漏洩すると、均圧水中に廃水が混じるようになる。均圧水は、通常であれば清水だけであり透明度が高いので、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度は非常に低い値になっている。この均圧水に廃水が混入すると、廃水中の浮遊物質により、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度が急に高くなる。これにより、内筒(22)から筒間空間への混合流体の漏洩が検知される。
変形例3に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、ICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)発光分析装置からなるものを用いている。ICP発光分析装置は、被検液体中に含まれる元素の組成を分析するものである。反応槽20の内筒(22)に腐食による損傷が発生して内筒(22)内の混合流体が筒間空間に漏洩すると、均圧水中に微量のチタンが混入するようになる。内筒(22)を構成しているチタンが硫酸や塩酸によって混合流体中に溶解されて均圧水中に流れ出るからである。
変形例4に係る流体浄化装置では、漏洩を検知するための専用の漏洩検知センサー42を設けていない。その代わりに、均圧水圧力計40を漏洩検知センサーとして兼用している。
変形例5に係る流体浄化装置では、変形例4に係る流体浄化装置と同様に、反応槽20の内筒22と外筒21との間の筒間空間内における均圧水の圧力を、内筒22内における混合流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。また、漏洩検知センサー42として、流量計からなるものを用いている。変形例4で述べたように、腐食による損傷が内筒(22)に発生して内筒と外筒(21)との間の筒間空間と、内筒とが損傷箇所で連通すると、圧力のより高い筒間空間から内筒に多くの均圧水が流れ込み始める。そして、第2清水タンク35から均圧水の循環経路内に補充される清水の量よりも、筒間空間から内筒内に流れ出る均圧水の量が多くなる。これにより、循環経路内における均圧水の流量が急激に低下する。
図4において、反応槽20内で触媒25を通り過ぎた混合流体は、通常であれば、有機物の分解過程で生じた塩酸、硫酸、硝酸などの酸を少しだけ含有している状態になる。ところが、一時的に多量の有機物が反応槽20に流入するなどの理由により、反応槽20内における酸の発生量が一時的に大きく増加すると、触媒25を通り過ぎた混合流体中に、多くの酸が残留することがある。酸を多く含む混合流体が反応槽20から搬送管16に送られると、搬送管16の耐食層と基層とを容易に腐食させて、反応槽16に穴を開けてしまうおそれがある。
次に、実施形態に係る流体浄化装置に、より特徴的な構成を付加した実施例の流体浄化装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係る流体浄化装置の構成は、実施形態と同様である。
流体浄化装置において、反応槽20の大きさは、流体浄化装置が設置される施設から排出される廃水の量や、流体浄化装置の1日あたりの運転時間などに基づいて決定される。1日あたりの運転時間が短くなるほど、単位時間あたりに処理しなければならない廃水の量が多くなるので、反応槽20を大きくする必要がある。コストの観点からすれば、夜間も運転して1日あたりの運転時間をできるだけ長くすることが望ましい。
[態様A]
筒状の外筒体(例えば外筒21)と、これの内側に配設された内筒体(例えば内筒22)とからなる二重筒構造を具備し、前記内筒体の中で浄化対象流体(例えば廃水W)に含まれる有機物の酸化分解反応を発生させるための反応槽(例えば反応槽20)と、前記内筒体の中に浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段(例えば原水供給ポンプ3)と、前記内筒体の中に酸化剤を圧送する酸化剤圧送手段(例えば酸化剤圧送ポンプ6)と、前記内筒体と前記外筒体との間の筒間空間に前記内筒体を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段(例えば均圧水ポンプ37)と、前記内筒体内の流体を加熱する加熱手段(例えば反応槽ヒーター23)とを有し、前記内筒体の中で浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら筒長手方向の一端側から他端側に向けて送る過程で前記浄化対象流体中の有機物を酸化分解し、この酸化分解によって浄化された浄化済み流体を筒長手方向の他端側で前記内筒体内から排出する流体浄化装置において、
前記内筒体の腐食損傷箇所を介した前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知する漏洩検知手段(例えば漏洩検知センサー42)と、前記漏洩検知手段によって液体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段(例えばプログラマブルシーケンサー)とを設けたことを特徴とするものである。
態様Bは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における電気伝導率の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、電気伝導率計を利用して内筒から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
態様Cは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、におけるpHの変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への液体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、pH計を利用して内筒から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
態様Dは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における吸光度の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、吸光度計を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
態様Eは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における元素組成の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、ICP発光分析装置を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
態様Fは、態様Aにおいて、前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段(例えば圧力調整弁41)を設けるとともに、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における圧力変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、圧力計を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
態様Gは、態様Aにおいて、前記加圧用流体圧送手段によって前記筒間空間における筒長手方向の一端側又は他端側に圧送された加圧用流体を、筒長手方向における反対側から前記筒間空間の外に排出する加圧用流体排出手段(例えば均圧水排出部21b)と、前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段(例えば圧力調整弁41)とを設けるとともに、前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における流量変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、流量計を利用して内筒内から筒間空間への流体の漏洩の有無を検知することができる。
態様Hは、態様A〜Gの何れかにおいて、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加熱手段(例えば反応槽ヒーター23)による加熱を停止させる処理を実施する制御手段(例えばプログラマブルシーケンサー)を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、漏洩が検知された場合に、加熱手段を停止させることで、反応槽内の流体の温度低下を促すことができる。
態様Iは、態様Hにおいて、前記内筒体の中における筒長手方向の一端側に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段(例えば原水供給ポンプ3)を設けるとともに、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、内筒内から筒間空間への流体の漏洩が検知された場合に、反応槽への浄化対象流体の供給を停止させることで、浄化されない浄化対象流体を反応槽から排出することなく、筒間空間からの酸の除去操作を行うことができる。また、冷却用流体としての清水を内筒内に供給することで、内筒内の流体の温度を迅速に下げることができる。
態様Jは、態様H又はIにおいて、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加圧用流体圧送手段による加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させる処理と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記酸化剤圧送手段による酸化剤の圧送を停止させる処理とを実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、流体の漏洩が検知された場合に、酸化剤の圧送を停止することで、反応槽内での有機物の酸化分解反応を迅速停止させて、酸化分化に伴う酸の発生を停止させることができる。また、加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させることで、内筒の損傷箇所を介した筒間空間から内筒への加圧用流体(例えば均圧水)の逆流を促して、筒間空間内から酸を除去することができる。
6:酸化剤圧送ポンプ(酸化剤圧送手段)
20:反応槽
21:外筒(外筒体)
22:内筒(内筒体)
23:反応槽ヒーター(加熱手段)
37:均圧水ポンプ(加圧用流体圧送手段)
42:漏洩検知センサー(漏洩検知手段)
W:廃水(浄化対象流体)
A:空気(酸化剤)
Claims (10)
- 筒状の外筒体と、これの内側に配設された内筒体とからなる二重筒構造を具備し、前記内筒体の中で浄化対象流体に含まれる有機物の酸化分解反応を発生させるための反応槽と、前記内筒体の中に浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段と、前記内筒体の中に酸化剤を圧送する酸化剤圧送手段と、前記内筒体と前記外筒体との間の筒間空間に前記内筒体を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段と、前記内筒体内の流体を加熱する加熱手段とを有し、前記内筒体の中で浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら筒長手方向の一端側から他端側に向けて送る過程で前記浄化対象流体中の有機物を酸化分解し、この酸化分解によって浄化された浄化済み流体を筒長手方向の他端側で前記内筒体内から排出する流体浄化装置において、
前記内筒体の腐食損傷箇所を介した前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知する漏洩検知手段と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段とを設けたことを特徴とする流体浄化装置。 - 請求項1の流体浄化装置において、
前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における電気伝導率の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。 - 請求項1の流体浄化装置において、
前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、におけるpHの変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。 - 請求項1の流体浄化装置において、
前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における吸光度の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。 - 請求項1の流体浄化装置において、
前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における元素組成の変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。 - 請求項1の流体浄化装置において、
前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段を設けるとともに、
前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における圧力変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。 - 請求項1の流体浄化装置において、
前記加圧用流体圧送手段によって前記筒間空間における筒長手方向の一端側又は他端側に圧送された加圧用流体を、筒長手方向における反対側から前記筒間空間の外に排出する加圧用流体排出手段と、
前記筒間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内筒体内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段とを設けるとともに、
前記筒間空間内の流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出された流体、における流量変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。 - 請求項1乃至7の何れかの流体浄化装置において、
前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加熱手段による加熱を停止させる処理を実施する制御手段を設けたことを特徴とする流体浄化装置 - 請求項8の流体浄化装置において、
前記内筒体の中における筒長手方向の一端側に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段を設けるとともに、
前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置 - 請求項8又は9の流体浄化装置において、
前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加圧用流体圧送手段による加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させる処理と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記酸化剤圧送手段による酸化剤の圧送を停止させる処理とを実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置
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