JP2014004523A - 流体浄化装置 - Google Patents

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綾 宇津木
Shogo Suzuki
章悟 鈴木
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浩 近藤
Shozo Murata
省蔵 村田
Noriaki Okada
典晃 岡田
Hideyuki Miyazawa
秀之 宮澤
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Abstract

【課題】内筒22や外筒21の熱伸縮による疲労を従来よりも抑えることができる流体浄化装置を提供する。
【解決手段】外筒21とこれの内側に配設された内筒22とからなる二重構造を具備するとともに、廃水Wを内筒22の内部に流入するために、自らの先端部を内筒22の先端部に挿入している流入管26とを有し、内筒22の先端部で空気Aと廃水Wとを加熱及び加圧しながら混合し、混合流体中の有機物を酸化分解する流体浄化装置において、内筒22の単位長さあたりの容積について、内筒22の長手方向における先端側領域の容積を、内筒22の長手方向における後端側領域の容積よりも小さくした。
【選択図】図4

Description

本発明は、有機物を含む浄化対象流体と、酸化剤との混合流体を加圧及び加熱しながら浄化対象流体中の有機物を酸化分解して浄化対象流体を浄化するための反応槽を備える流体浄化装置に関するものである。
この種の流体浄化装置の反応槽としては、特許文献1に記載の圧力バランス型反応槽が知られている。この圧力バランス型反応槽900は、図1に示されるように、外筒体901と、これの内側に配設された内筒体902とからなる二重筒構造を具備している。外筒体901の後端壁(図中で下端にある壁)には、外筒体901の内側における外筒体901と内筒体902との間の筒間空間905に対して、酸化剤としての空気を圧送するための送入口901aが設けられている。内筒体902は、図中下側に位置している後端部を外筒体901の後端壁(下端壁)に貫通させた状態でその後端壁によって片持ち支持されている。内筒体902の先端(図中の上端)には、流入管904を受け入れるための貫通口902aが形成されている。外筒体901の外部から外筒体901の先端壁を貫通して外筒体901の内側に進入した流入管904の先端部が、前述の貫通口902aを通じて内筒体902の内部に進入している。
外筒体901の後端壁に設けられた送入口901aを経由して外筒体901と内筒体902との間の筒間空間905に圧送された空気は、筒間空間905内を下方から上方に向けて移動した後、貫通口902aの内壁と流入管904との間の間隙を通って内筒体902内に進入する。内筒体902内では、流入管904を通じて圧送されてくる処理対象流体としての廃水と、前述の間隙を通って流入してくる空気とが混合される。そして、混合流体が加熱及び加圧されながら内筒体902内をその先端側から後端側(図中上側から下側)に向けて送られる過程で、混合流体中の有機物が酸化分解される。このような酸化分解においては、活性汚泥による生物処理では不可能であった高濃度有機溶剤廃水やプラスチック微粒子含有廃水でも、浄化することができる。
しかしながら、この圧力バランス型反応槽900では、内筒体902の先端部が特に高温になって、伸縮による金属疲労を引き起こし易いという問題があった。具体的には、内筒体902の先端部では、流入管904を通じて圧送されてくる廃水と、筒間空間905を通じて圧送されてくる空気とが混ざり合いながら、有機物の酸化分解が急速に始まる。廃水中の有機物濃度が高濃度であると、内筒体902の先端部で多量の有機物が酸化分解されて発熱することから、先端部の領域が特に高温になってしまうのである。また、内筒体902の熱が筒間空間905内の空気を介して外筒体901に伝わることから、外筒体901も先端部の領域が特に高温になって金属疲労を引き起こし易くなる。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内筒体や外筒体の熱伸縮による疲労を従来よりも抑えることができる流体浄化装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、外筒体とこれの内側に配設された内筒体とからなる二重構造を具備するとともに、浄化対象流体を前記内筒体の内部に流入するために、自らの先端部を前記内筒体の先端部に挿入している流入管とを有し、前記内筒体の先端部で酸化剤と前記流入管から排出される浄化対象流体とを加熱及び加圧しながら混合し、得られた混合流体を前記内筒体の先端側から後端側に向けて送る過程で、混合流体中の有機物を酸化分解して前記浄化対象流体を浄化するための反応槽を備える流体浄化装置において、前記内筒体の単位長さあたりの容積について、前記内筒体の長手方向における先端側領域の容積を、前記内筒体の長手方向における後端側領域の容積よりも小さくしたことを特徴とするものである。
本発明においては、内筒体の長手方向の先端側領域における単位長さあたりの容積が、先端側領域の単位長さあたりの容積よりも小さくなっていることから、内筒体の先端側領域内で後端に向けて送られる混合流体の流速が、内筒体の後端側領域内で後端に向けて送られる混合流体の流速よりも速くなる。これにより、内筒体の先端側領域の混合流体をより迅速に内筒体の後端側領域に移動させることで、内筒体の先端側領域において酸化分解される有機物の量を減らして発熱量を減少させるとともに、内筒体の後端側領域において酸化分解される有機物の量を増やして発熱量を増加させる。このようにして、内筒体の先端側領域と後端側領域とで発熱量の均一化を図ることで、内筒体の先端側領域や外筒体の先端側領域の昇温量をより低くして、内筒体や外筒体の熱伸縮による疲労を従来よりも抑えることができる。
特許文献1に記載の圧力バランス型反応槽を示す概略構成図。 実施形態に係る流体浄化装置を示す概略構成図。 同流体浄化装置の反応槽の内筒を示す斜視図。 同反応槽を示す縦断面図。 先端側を分解した状態の同反応槽を示す分解断面図。 流体浄化実験装置を示す概略構成図。
以下、本発明を適用した流体浄化装置の一実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る流体浄化装置の基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係る流体浄化装置を示す概略構成図である。実施形態に係る流体浄化装置は、原水タンク1、攪拌機2、原水供給ポンプ3、原水圧力計4、原水入口弁5、酸化剤圧送ポンプ6、酸化剤圧力計7、酸化剤入口弁8、熱交換器9、熱媒体タンク10、熱交換ポンプ11、出口圧力計12、出口弁13、気液分離器14、反応槽20、図示しない制御部などを備えている。
制御部は、漏電ブレーカー、マグネットスイッチ、サーマルリレーなどの組み合わせからなる給電回路を、攪拌機2、原水供給ポンプ3、酸化剤圧送ポンプ6、酸化剤圧送ポンプ6、熱交換ポンプ11にそれぞれ個別に対応する分だけ有している。そして、プログラマブルシーケンサーからの制御信号によって給電回路のマグネットスイッチをオンオフすることで、それら機器に対する電源のオンオフを個別に制御する。
原水圧力計4、酸化剤圧力計7、出口圧力計12はそれぞれ、圧力の検知結果に応じた値の電圧を出力する。また、反応槽20の第1温度計24は、後述する内筒22の先端側領域の温度を検知してその検知結果に応じた電圧を出力する。また、反応槽20の第2温度計27は、後述する内筒22の後端側領域の温度を検知してその検知結果に応じた電圧を出力する。それらの測定機器から出力される電圧は、それぞれ図示しないA/Dコンバーターによって個別にデジタルデータに変換された後、センシングデータとしてプログラマブルシーケンサーに入力される。プログラマブルシーケンサーは、それらのセンシングデータに基づいて、各種の機器の駆動を制御する。
原水タンク1には、分子量の比較的大きな有機物を含む廃水Wが未処理の状態で貯留されている。廃水Wは、有機溶剤廃水、製紙工程で生ずる製紙廃水、及びトナー製造工程で生ずるトナー製造廃水のうち、少なくとも何れか1つからなるものである。製紙廃水やトナー製造廃水には、難分解性の有機物が含まれている可能性がある。
攪拌機2は、浄化対象流体としての廃水Wを撹拌することで、廃水中に含まれる浮遊物質(Suspended solids)を均等に分散せしめて、有機物濃度の均一化を図っている。原水タンク1内の廃水Wは、高圧ポンプからなる原水供給ポンプ3によって連続的に圧送されて、原水入口弁5を介して反応槽20に高圧流入する。原水入口弁5は、逆止弁の役割を担っており、原水供給ポンプ3から圧送されてくる廃水Wについて、原水供給ポンプ3側から後述する反応槽20側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
反応槽20は、外筒21と、これの内部に配設された内筒22とによる二重筒構造になっている。原水入口弁5を通過した廃水Wは、後述する流入管(図3の26)を通って、反応槽20の内筒22の内部に流入する。
原水供給ポンプ3の駆動による廃水Wの流入圧力は、原水入口弁5よりも上流側に配設された原水圧力計4によって検知されて、センシングデータとして制御部のプログラマブルシーケンサーに入力される。原水供給ポンプ3が駆動しているときの廃水Wの流入圧力と、内筒22内の圧力とは、ほぼ同じになる。プログラマブルシーケンサーは、原水供給ポンプ3を駆動しているときに原水圧力計4から送られてくる圧力の検知結果に基づいて、内筒22内の圧力の適否を判断する。
コンプレッサーからなる酸化剤圧送ポンプ6は、酸化剤として取り込んだ空気を、廃水Wの流入圧力と同程度の圧力まで圧縮しながら、酸化剤入口弁8を介して反応槽20に送り込む。酸化剤入口弁8は、逆止弁の役割を担っており、酸化剤圧送ポンプ6から圧送されてくる空気について、酸化剤圧送ポンプ6側から反応槽20側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
反応槽20内に圧送された空気は、外筒21と内筒22との間にある筒間空間に進入した後、内筒22における長手方向の先端から内筒22内に流入する。そして、流入管によって内筒22内に送り込まれた廃水Wと混合されて混合流体になる。
酸化剤圧送ポンプ6の駆動による空気の流入圧力は、酸化剤入口弁8よりも上流側に配設された酸化剤圧力計7によって検知されて、センシングデータとして制御部のプログラマブルシーケンサーに入力される。酸化剤圧力計7が駆動しているときの空気の流入圧力と、反応槽20内の圧力とは、ほぼ同じになる。プログラマブルシーケンサーは、酸化剤圧送ポンプ6を駆動しているときに酸化剤圧力計7から送られてくる圧力の検知結果にも基づいて、反応槽20内の圧力の適否を判断する。
酸化剤圧送ポンプ6の駆動による空気の圧送量は、廃水中の有機物を完全に酸化させるのに必要となる化学量論的な酸素量に基づいて決定されている。より詳しくは、廃水のCOD(Chemical Oxygen Demand)、全窒素(TN)、全リン(TP)など、廃水W中の有機物濃度、窒素濃度、リン濃度などに基づいて、有機物の完全酸化に必要な酸素量が算出され、その結果に基づいて、空気の圧送量が設定されている。
空気の流入量の設定は作業員によって行われるが、廃水W中に含まれる有機物の種類が経時で安定しており、濁度、光透過度、電気伝導度、比重などの物性と、前述の酸素量との相関関係が比較的良好である場合には、その物性をセンサー等で検知した結果に基づいて、前述の制御範囲を自動で補正する処理を実施するように、プログラマブルシーケンサーを構成してもよい。
酸化剤としては、空気の他、酸素ガス、オゾンガス、過酸化水素水の何れか1つ、あるいは、それらの2種類以上を混合したもの、を用いることも可能である。
図3に示されるように、内筒22の外面には、内筒22内の混合流体を加熱するためのヒーター23が巻き付けられている。図2において、内筒22内の混合流体は、ヒーター23によって加熱されることで昇温することに加えて、有機物が酸化分解されることによる発熱によっても昇温する。廃水Wが有機物を高濃度に含むものである場合、多量の有機物が酸化分解される際の多量の発熱だけで、混合流体が所望の温度まで昇温することもある。この場合、装置の立ち上げ時のみ、ヒーター23による加熱を行い、酸化分解が開始された後には、ヒーター23に対する電源をオフにすることができる。
内筒22内の混合流体に加える圧力としては、0.5〜30MPa(望ましくは5〜30MPa)の範囲を例示することができる。内筒22内の圧力は、後述する出口弁13によって調整される。出口弁13は、内筒22内の圧力が閾値よりも高くなると、自動で弁を開いて内筒22内の混合流体を外部に排出することで、内筒22内の圧力を閾値付近に維持する。
内筒22内の混合流体の温度としては、100〜700℃(望ましくは200〜550℃)を例示することができる。温度の調整は、上述したヒーターのオンオフによって行われる。なお、外筒21の外周面にも熱交換器を設けた場合には、この熱交換器のオンオフによっても、内筒22内の混合流体の温度を調整することが可能になる。
温度及び圧力の条件として、温度=374.2℃以上、且つ、圧力=21.8MPa以上を採用した場合、水の臨界温度や臨界圧力をそれぞれ超え、且つ空気の臨界温度や臨界圧力もそれぞれ超える状態であるため、混合流体が液体と気体との中間的な性質を帯びる超臨界流体になる。かかる超臨界流体中では、有機物が良好に超臨界流体に溶解するとともに、空気に良好に接触することから、有機物の酸化分解が急激に進行する。
温度及び圧力の条件として、温度=200℃以上(望ましくは374.2℃以上)、且つ、圧力=21.8MPa未満(望ましくは10MPa以上)の比較的高圧を採用して、内筒22内で混合流体中の廃水を高温高圧蒸気にしてもよい。
内筒22内においては、混合流体を高温且つ高圧の状態にすることで、混合流体中の有機物の酸化分解を促す。有機物が酸化分解された混合流体は、反応槽20から排出される。そして、急激に冷却されたのち、出口弁113で減圧されてから、気液分離器114によって液体と気体に分離される。
図4は、反応槽20を示す縦断面図である。内筒22は、酸に強いチタン(Ti)からなる筒である。チタンからなるものに代えて、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pd、Zr、V、Ni、Co、Moからなるものを用いてもよい。また、Ti、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pd、Zr、V、Ni、Co及びMoのうち、少なくとも何れか1つを含む合金からなるものを用いてもよい。また、セラミックや石英ガラスからなるものを用いてもよい。
外筒23は、ステンレス(SUS304、SUS316)、インコネル625、ニッケル合金など、強度に優れた金属材からなる筒である。反応槽20の内部の圧力は、0.5〜30MPa、望ましくは5〜30MPaという高圧に制御される。このような高圧に耐え得るように、外筒23の厚みは肉厚になっている。これに対し、実施形態に係る流体浄化装置における内筒22は、耐圧性よりも耐食性が求められることから、優れた耐食性を発揮するチタンが材料として採用されている。
原水供給ポンプ(図2の3)によって反応槽20に向けて圧送される廃水Wは、原水入口弁(図2の5)を経由した後、原水入口弁の出口側に接続されている給送管15に進入する。この給送管15は、入口継手17により、反応槽20の入口側に設けられている流入管26に接続されている。給送管15から反応槽20内に圧送された廃水Wは、反応槽20において、流入管26を通って内筒22内に流入する。そして、内筒20内のその長手方向に沿って図中左側から右側に向けて移動する。
一方、酸化剤導入ポンプ(図2の6)によって反応槽20内に圧送された空気Aは、外筒21と内筒22との間の筒間空間に流入する。そして、筒間空間をその長手方向に沿って図中右側から左側に向けて移動する。内筒22は、図中左側の端部に、筒断面の中心線を中心とし、且つ筒内径とほぼ同じ径の先端開口を有している。廃水Wを内筒22内に流入するための流入管26の先端部は、この先端開口を通じて内筒22内に挿入されている。流入管26の先端部の外径は、内筒22の内径よりも遙かに小さいため、内筒22内においては、流入管26の外周面と、内筒22の内周面との間に間隙が形成されている。外筒21と内筒22との間の筒間空間の図中左端まで移動した空気Aは、内筒22よりも図中左側に回り込んだ後、その隙間を通って内筒22内に進入する。
内筒22内は、高圧であることに加えて、高温になっている。その温度は、100〜700℃、望ましくは200〜550℃である。流体浄化装置の運転が開始されるときには、内筒22内の廃水Wと空気Aとの混合流体は、圧力がかけられているが、温度はそれほど高くなっていない。そこで、運転開始時には、プログラマブルシーケンサーがヒーター(図3の23)を発熱させて、内筒22内の混合流体の温度を200〜700℃まで昇温させる。
内筒22内において有機物の酸化分解が開始され、内筒22内の混合流体の温度が高温に維持されるようになると、内筒22と外筒21との間の筒間空間内で、内筒22の外周面やヒーター(23)に接触しながら図中右側から左側に進む空気Aが、内筒22の外周面やヒーターからの熱伝導によって予備加熱されながら、内筒22内に流入するようになる。
内筒22内では、有機塩化物のクロロ基に由来する塩酸や、アミノ酸等のスルホニル基に由来する硫酸が発生して、内筒22の内壁を強い酸性下におくことがある。このため、内筒22には、耐食性に優れたチタンからなる筒が採用されているのである。但し、チタンは非常に高価な材料であるため、内筒22の厚みを高圧に耐え得る値まで大きくすると、非常にコスト高になってしまう。そこで、内筒22の外側に外筒21を配設し、チタンよりも安価なステンレス等からなる外筒21によって必要な耐圧性を発揮させるようにしている。内筒22と外筒21との間の筒間空間の圧力は圧送される空気Aによって内筒22内の圧力とほぼ同じ値になるため、肉薄のチタンからなる内筒22に対しては、大きな圧力がかからないようになっている。
内筒22の後端部(図中右側端部)付近まで移動した混合流体(W+A)は、有機物や無機化合物がほぼ完全に酸化分解された状態になっている。内筒22の後端部(流体搬送方向の下流側端部)には、出口継手18を介して、内筒22内で浄化された混合流体を搬送するための搬送管16が接続されている。有機物の酸化分解によって浄化された混合流体は、この搬送管16に進入する。
搬送管16内では、浄化された混合流体中の水分が冷却されて、超臨界状態、あるいは高温高圧蒸気状態、から液体状態に態様を変化させる。一方、混合流体中の酸素や窒素は、超臨界状態から気体状態に態様を変化させる。搬送管16を通り過ぎた混合流体は、気液分離器14によって処理水とガスとに分離され、処理液は処理液タンクに貯留される。また、ガスは大気中に放出される。
処理水は、活性汚泥による生物処理では除去し切れないフェノールなどの難分解性の有機物もほぼ完全に酸化分解されたものであるため、浮遊物質や有機物は殆ど含まれていない。酸化できない無機物が含まれているだけである。そのままの状態でも、用途によっては工業用水として再利用することが可能である。また、限外濾過膜による濾過処理を施せば、LSI洗浄液などに転用することも可能である。気液分離器14によって分離されたガスは、二酸化炭素、窒素、及び酸素ガスを主成分とするものである。
図2において、搬送管16の外壁には、熱交換器9が装着されている。熱交換器9の本体は、搬送管16の外壁を覆う外管で構成され、外管と搬送管16の外壁との間の空間を水などの熱交換流体で満たしている。そして、搬送管16の外壁と熱交換流体との熱交換を行う。反応槽20の運転時には、非常に高温の液体が搬送管16の内部に流れるため、搬送管16から熱交換器9内の熱交換流体に熱が移動して、熱交換流体が熱せられる。熱交換器9内における熱交換流体の搬送方向は、いわゆる向流型の熱交換を行うように、搬送管16内の液体の搬送方向とは逆方向になっている。即ち、出口弁13側から反応槽20側に向けて熱交換流体を送っている。これは、熱媒体タンク10内の熱交換流体を吸引しながら熱交換器9に送る熱交換ポンプ11によって行われる。熱交換器9を通過して熱せられた熱交換流体は、図示しないパイプを通って発電機に送られる。発電機では、熱せられたことによって圧力を高めている熱交換流体を液体から気体の状態にするときに発生する気流によってタービンを回転させることで発電が行われる。
なお、熱交換器9を通過した熱交換流体の一部を分岐パイプによって流入管26や原水タンク1まで搬送して、廃水Wの予備加熱に利用してもよい。
搬送管16における出口弁13の近傍には、搬送管16の温度、又は搬送管16内の液体の温度を検知する図示しない出口温度計が設けられている。制御部のプログラマブルシーケンサーは、出口温度計による検知結果を所定の上限温度以下にするように、熱交換ポンプ11の駆動を制御する。具体的には、出口温度計による検知結果が所定の上限温度に達したときには、熱交換ポンプ11の駆動量を増加して熱交換器9への熱交換流体の供給量を増やすことで、熱交換器9による冷却機能を高める。これにより、液体を上限温度以下の温度にした状態で、熱交換器9に流入させるようにする。
また、熱交換器9の近傍には、熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度を検知する図示しない熱交換温度計が設けられている。熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度は、所定の下限温度以上であることが望ましい。そこで、制御部のプログラマブルシーケンサーは、熱交換温度計による検知結果を所定の下限温度以下にするように、熱交換ポンプ11の駆動を制御する。具体的には、熱交換温度計による検知結果が所定の下限温度まで低下したときには、熱交換ポンプ11の駆動量を減少させて熱交換器9への熱交換流体の供給量を低下させる。これにより、熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度を上昇させるようにする。但し、出口温度計による検知結果に基づく熱交換ポンプ11の駆動量の調整が、熱交換温度計による検知結果に基づく熱交換ポンプ11の駆動量の調整よりも優先して行われる。このため、出口温度計による検知結果が所定の上限温度以上になっており、且つ、熱交換温度計による検知結果が所定の下限温度以下になっている場合には、前者の検知結果による駆動量の調整が優先されて、駆動量が増やされる。
廃水W中の有機物濃度が比較的高い場合には、有機物の酸化分解によって多量の熱が発生する。このため、運転初期にはヒーター23を作動させるものの、有機物の酸化分解が開始された後には、有機物の酸化分解によって発生する熱により、廃水Wと空気Aとの混合流体の温度を、所望の温度まで自然に昇温することができるようになる場合もある。そこで、制御部のプログラマブルシーケンサーは、内筒22の先端側領域の温度を検知する第1温度計24や、内筒22の後端側領域の温度を検知する第2温度計27による検知結果が、所定の温度よりも高くなった場合には、加熱手段としてのヒーター23をオフにする。これにより、無駄なエネルギーの消費を抑えることができる。
次に、実施形態に係る流体浄化装置の特徴的な構成について説明する。
図4に示される外筒21や内筒22の断面形状は何れも真円である。外筒21の直径は、外筒21の先端側(流体搬送方向上流側=図中左側)から後端側(流体搬送方向下流側=図中右側)に向けて一定になっている。これに対し、内筒21では、長手方向の先端側領域の径が、後端側領域の径よりも小さくなっている。そして、内筒22の先端側領域における単位長さあたりの容積が、先端側領域の単位長さあたりの容積よりも小さくなっている。かかる構成では、内筒22の先端側領域内で後端に向けて送られる混合流体の流速が、内筒22の後端側領域内で後端に向けて送られる混合流体の流速よりも速くなる。これにより、内筒22の先端側領域(小径領域)の混合流体をより迅速に内筒22の後端側領域(大径領域)に移動させることで、内筒22の先端側領域において酸化分解される有機物の量を減らして発熱量を減少させるとともに、内筒22の後端側領域において酸化分解される有機物の量を増やして発熱量を増加させる。このようにして、内筒22の先端側領域と後端側領域とで発熱量の均一化を図ることで、内筒22の先端側領域や外筒21の先端側領域の昇温量をより低くして、内筒22や外筒21の熱伸縮による疲労を従来よりも抑えることができる。
反応槽20の先端側領域においては、内筒22の外径が後端側領域よりも小さくなっているのに対し、外筒21の内径が後端側領域と同じになっている。これにより、先端側領域では、内筒22の外壁と外筒21の内壁との間により多くの空気Aが介在することから、内筒22の外壁から空気Aを介した外壁21への熱伝導が抑えられる。外筒21については、このように熱伝導が抑えられることによっても、従来に比べて昇温量をより低くして熱伸縮による疲労を抑えることができる。
なお、内筒22内に送入されている流入管26の先端については、内筒22の先端側領域(小径領域)と後端側領域(大径領域)とのうち、先端側領域に位置させている。これにより、先端側領域で空気Aと廃水Wとを混合することができる。
流入管26については、外筒21に対して着脱可能に保持させている。図5は、先端側を分解した状態の反応槽(20)を示す分解断面図である。同図において、外筒21は、その先端に入口管部21aを有している。また、処理対象流体を内筒22内に流入するための流入管26の長手方向における全域のうち、外筒21の外側に位置する領域には、管外周面から法線方向に突出する突出部26aが管外周面の全周に渡って延在する姿勢で設けられている。流入管26は、外筒21の入口管部21aの貫通口に挿入された状態で、突出部26aを入口管21aの先端側壁に当接させている。そして、処理対象流体を入口管部21aに給送するための給送管15と、入口管21aとを連結させる入口継手17により、流入管26の突出部26aが入口管21aの先端側壁に押さえ付けられていることで、流入管26が外筒21に対して着脱可能に保持されている。入口継手17を緩めることにより、給送管15と入口管21aとを分離するとともに、流入管26を外筒21から取り外すことができる。かかる構成では、流入管26を長さの異なるものに交換することで、流入管26の先端部の内筒22への挿入量を容易に変化させる。これにより、内筒22の先端側領域内において、筒長手方向における廃水Wと空気Aとの混合開始位置を容易に調整することができる。
図4において、内筒22の長手方向における全域のうち、後端側領域には、管状の触媒25が内筒22の径方向に複数重ねた状態で配設されている。この触媒25は、廃水W中に含まれている有機物やアンモニア態窒素の酸化分解を促進する材料からなる。かかる材料としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Cu、Zn、Ni、Co、Ce、Ti又はMnを例示することができる。また、それらのうち、少なくとも何れか1つを含む化合物でもよい。廃水W中に含まれる有機物の殆どは、内筒22の長手方向における前半の領域で酸化分解されるが、前半の領域を通過しても酸化分解されない有機物やアンモニア態窒素は、この触媒25によって酸化分解が促進される。かかる構成では、難分解性の有機物が廃水W中に含まれていても、それを良好に酸化分解することができる。
廃水Wの有機物濃度が非常に高い場合には、内筒22内で廃水W中有の有機物の酸化分解によって発生する熱量が、新たに内筒22内に流入してくる廃水Wや空気Aを所望の温度まで昇温させるのに必要な熱量を上回ることもある。この場合、そのままでは、内筒22、外筒21、内筒22内の混合流体の温度がそれぞれ上昇の一途を辿ってしまう。そこで、制御部のプログラマブルシーケンサーは、第1温度計(24)や第2温度計(27)による検知結果が、所定の上限温度よりも高くなった場合には、原水供給ポンプ(3)によって原水Wを内筒22内に送る給送速度を低下させるか、あるいは、原水供給ポンプの駆動を一時的に停止させる処理を実施する。このとき、酸化剤圧送ポンプ6も、駆動速度を低下させるか、駆動を一時停止させる。これにより、内筒22や外筒21の過剰な昇温を防止することができる。
なお、筒の長手方向を水平方向に沿わせる横型の姿勢で反応槽(20)を配設した例について説明したが、筒の長手方向を鉛直方向に沿わせる縦型の姿勢や、筒の長手方向を鉛直方向や水平方向から傾けた傾斜方向に沿わせる傾斜型の姿勢で、反応槽(20)を配設してもよい。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
図6は、本発明者らによって試作された流体浄化実験装置を示す概略構成図である。この流体浄化実験装置は、原水タンク101、原水供給ポンプ103、原水圧力計104、原水入口弁105、酸化剤タンク150、酸化剤圧送ポンプ106、酸化剤圧力計107、酸化剤入口弁108、熱交換器109、出口圧力計112、出口弁113、気液分離器114、反応槽120、触媒123、酸化剤ヒーター128、酸化剤タンク150などを備えている。これらのうち、実施形態に係る流体浄化装置に備えられる機器と同じ名称のものは、その機器と同じ機能を担うものである。なお、酸化剤ヒーター128は、酸化剤を予備加熱するためのものである。また、酸化剤タンク150は、酸化剤としての過酸化水素水を貯留するものである。
反応槽120の内筒122は、実施形態に係る流体浄化装置の内筒(22)と同様に、先端側領域の径が後端側領域の径よりも小さくなっていることで、先端側領域の単位長さあたりにおける容積が後端側領域の単位面積あたりにおける容積よりも小さくなっている。これにより、混合流体の流速は、先端側領域の方が後端側領域よりも速くなる。
内筒122の先端側領域は、内径が4.4mmであり、長さが120mmであり、全体容積が1.824mlであり、長さ1cmあたりの容積が0.152mlである。これに対し、内筒122の後端側領域は、内径が10.22mmであり、長さが120mmであり、全体容積が9.844mlであり、長さ1cmあたりの容積が0.82mlである。
原水タンク101には、廃水として、メタノール溶液を貯留した。また、酸化剤タンク150には、酸化剤として、30wt%の過酸化水素水を貯留した。また、触媒123としては、MnOからなるものを5g充填した。
出口弁113の調整により、原水供給ポンプ103によって圧送されるメタノール溶液の流入圧力や、酸化剤圧送ポンプ106によって圧送される過酸化水素水の流入圧力が約10MPaになるようにした。これにより、内筒122内の混合流体の圧力や、筒間空間内の過酸化水素水の圧力が10MPaになるようにした。過酸化水素水の単位時間あたりの流入量については、それに含有される酸素がメタノールの酸化分解に必要な化学両論量の1.2倍になるように調整した。そして、過酸化水素水を反応槽20に流入する前に酸化剤ヒーター128によって430℃まで予備加熱することで、水と酸素ガスに熱分解した。それら2つの流体は、内筒122内でメタノールと混合されることで混合流体の温度を約400℃にして、有機物の酸化分解反応を促進する。
反応槽20から排出された処理済み混合流体は、熱交換器109によって一瞬で約25℃まで冷却された後、気液分離器114によって液体成分と気体成分とに分離される。
かかる条件でメタノールの酸化分解処理を行っている最中に、第1温度計124によって内筒122の先端側領域の温度(以下、先端側温度という)を測定するとともに、第2温度計127によって内筒122の後端側領域の温度(以下、後端側温度という)を測定した(実験1)。すると、先端側温度=399.4℃、後端側温度=391.9℃という結果が得られた。内筒122内において、先端側から後端側にかけて酸化分解反応が均等に行われたことから、先端側と後端側とで大きな温度差を発生させることなく、内筒122の温度を400℃未満に維持することができた。
次に、本発明者らは、メタノール溶液の流入速度と、過酸化水素水の流入速度とをそれぞれ1.65倍にした条件で、同様の実験を行った(実験2)。すると、先端側温度=400.3℃、後端側温度=391.7℃という結果が得られた。内筒122内において、先端側から後端側にかけて酸化分解反応が均等に行われたことから、先端側と後端側とで大きな温度差を発生させることなく、内筒122の温度を400℃付近に維持することができた。
次に、本発明者らは、反応槽20内の圧力を15MPaに高めた点の他は、実験1と同じ条件で、同様の実験を行った(実験3)。すると、先端側温度=400.8℃、後端側温度=392.1℃という結果が得られた。内筒122内において、先端側から後端側にかけて酸化分解反応が均等に行われたことから、先端側と後端側とで大きな温度差を発生させることなく、内筒122の温度を400℃付近に維持することができた。
次に、本発明者らは、酸化剤の予備加熱温度を高めて、実験開始時における混合流体の温度を450℃にした点の他は、実験1と同じ条件で、同様の実験を行った(実験4)。すると、先端側温度=450.5℃、後端側温度=441.3℃という結果が得られた。内筒122内において、先端側から後端側にかけて酸化分解反応が均等に行われたことから、先端側と後端側とで大きな温度差を発生させることなく、内筒122の温度を450℃付近に維持することができた。
次に、本発明者らは、内筒122の先端側領域の直径を、後端側領域と同じ10.22mmにした。これにより、先端側領域と後端側領域とで、単位長さ当たりの容積を同じにした。この点の他は、実験1と同じ条件で、同様の実験を行った(実験5)。すると、先端側温度=511.9℃、後端側温度=366.5℃という結果が得られた。内筒122内において、先端側領域における有機物の酸化分解反応が、後端側領域よりも圧倒的に多く行われたことから、先端側温度が後端側温度よりも約150℃も大きくなってしまった。この結果から、先端側領域の単位長さあたりの容積を後端側領域の単位長さがりの容積よりも小さくすることで、内筒122の過剰な昇温の発生を有効に抑え得ることが立証された。
参考までに、各実験における温度の測定結果を次の表1に示す。
Figure 2014004523
反応管内管の上流部と下流部の内径を一定にした以外は実施例1と同様の方法でMeOH水溶液の高温高圧水中燃焼を行った。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
外筒体(例えば外筒21)とこれの内側に配設された内筒体(例えば内筒22)とからなる二重構造を具備するとともに、浄化対象流体を前記内筒体の内部に流入するために、自らの先端部を前記内筒体の先端部に挿入している流入管(例えば流入管26)とを有し、前記内筒体の先端部で酸化剤(例えば空気A)と前記流入管から排出される浄化対象流体(例えば廃水W)とを加熱及び加圧しながら混合し、得られた混合流体を前記内筒体の先端側から後端側に向けて送る過程で、混合流体中の有機物を酸化分解して前記浄化対象流体を浄化するための反応槽(例えば反応槽20)を備える流体浄化装置において、前記内筒体の単位長さあたりの容積について、前記内筒体の長手方向における先端側領域の容積を、前記内筒体の長手方向における後端側領域の容積よりも小さくしたことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記内筒体の前記先端側領域の中に、前記流入管の先端を位置させたことを特徴とするものである。かかる構成においては、内筒体の先端側領域で酸化剤と処理対象流体とを混合することができる。
[態様C]
態様Cは、態様A又はBにおいて、前記流入管を前記外筒体に対して着脱可能に保持させたことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、内筒体の先端側領域内において、筒長手方向における処理対象流体と酸化剤との混合開始位置を容易に調整することができる。
[態様D]
態様Dは、態様A〜Cの何れかにおいて、前記内筒体として、先端に開口を具備するものを用い、前記開口を通じて前記流入管の先端部を前記内筒体の先端部に挿入し、前記外筒体の前記内筒体との間の筒間空間に酸化剤を高圧流入させる酸化剤高圧流入手段(例えば酸化剤圧送ポンプ6)を設け、且つ、前記筒間空間に高圧流入した酸化剤を、前記開口の内壁と前記流入管との間隙を通じて前記内筒体の中に流入させるようにしたことを特徴とするものである。かかる構成では、酸化剤を筒間空間に充填して筒間空間と内筒体内とで圧力のバランスを保ちつつ、酸化剤を内筒体内に流入させて有機物の酸化反応に利用することができる。
[態様E]
態様Eは、態様Dにおいて、前記酸化剤高圧流入手段によって前記筒間空間に酸化剤を高圧流入するために前記外筒体に設ける流入口(図4の矢印Aが付されている貫通口)の位置を、前記内筒体の後端付近に設定し、筒間空間内で酸化剤を内筒体の後端側から先端側に向けて移動させるようにしたことを特徴とするものである。かかる構成では、酸化剤を内筒体の中に流入させるのに先立って内筒体の外壁に接触させながら移動させることで、内筒体の外壁から酸化剤への熱伝導を促進して、酸化剤を予備加熱することができる。
[態様F]
態様Fは、態様A〜Eの何れかにおいて、有機物の酸化分解を促進するための触媒(例えば触媒23)を前記内筒体の中に配設したことを特徴とするものである。かかる構成では、触媒により、難分解性の有機物を良好に酸化分解することができる。
[態様G]
態様Gは、態様D又はEにおいて、上記流入管から上記内筒体に処理対象流体を高圧流入させる処理前流体高圧流入手段(例えば原水供給ポンプ3)の駆動量、及び、上記酸化剤高圧流入手段の駆動量をそれぞれ制御する制御手段(例えばプログラマブルシーケンサー)を設けたことを特徴とするものである。かかる構成は、処理対象流体の有機物濃度に応じて、反応槽に対する処理対象流体や酸化剤の流入量を調整することが可能である。そして、これにより、反応槽内における単位時間あたりの酸化分解反応量を一定にすることで、反応槽の過剰昇温の発生を防止することができる。
[態様H]
態様Hは、態様A〜Gの何れかにおいて、前記酸化剤として、酸素ガス、空気、オゾン、又は過酸化水素水の何れかを用いることを特徴とするものである。かかる構成では、酸化剤を流体の状態で反応槽に供給することができる。
[態様I]
態様Iは、態様A〜Hの何れかにおいて、前記内筒体として、Ti、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pb、Zr、V、Ni、Cr、及びbMoのうち、少なくとも何れか1つを含む物質、セラミック、又は石英ガラス、からなるものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、所望の耐食性を内筒体に発揮させることができる。
[態様J]
態様Jは、態様A〜Iの何れかにおいて、上記外筒体として、ステンレス又はニッケル合金からなるものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成においては、所望の高圧条件に耐え得る耐圧性を、外筒体に発揮させることができる。
3:原水供給ポンプ(処理前流体高圧流入手段)
6:酸化剤圧送ポンプ(酸化剤高圧流入手段)
20:反応槽
21:外筒(外筒体)
22:内筒(内筒体)
23:触媒
26:流入管
W:廃水(浄化対象流体)
A:空気(酸化剤)
特開2003−175326号公報

Claims (10)

  1. 外筒体とこれの内側に配設された内筒体とからなる二重構造を具備するとともに、浄化対象流体を前記内筒体の内部に流入するために、自らの先端部を前記内筒体の先端部に挿入している流入管とを有し、前記内筒体の先端部で酸化剤と前記流入管から排出される浄化対象流体とを加熱及び加圧しながら混合し、得られた混合流体を前記内筒体の先端側から後端側に向けて送る過程で、混合流体中の有機物を酸化分解して前記浄化対象流体を浄化するための反応槽を備える流体浄化装置において、
    前記内筒体の単位長さあたりの容積について、前記内筒体の長手方向における先端側領域の容積を、前記内筒体の長手方向における後端側領域の容積よりも小さくしたことを特徴とする流体浄化装置。
  2. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記内筒体の前記先端側領域の中に、前記流入管の先端を位置させたことを特徴とする流体浄化装置。
  3. 請求項1又は2の流体浄化装置において、
    前記流入管を前記外筒体に対して着脱可能に保持させたことを特徴とする流体浄化装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの流体浄化装置において、
    前記内筒体として、先端に開口を具備するものを用い、
    前記開口を通じて前記流入管の先端部を前記内筒体の先端部に挿入し、
    前記外筒体の前記内筒体との間の筒間空間に酸化剤を高圧流入させる酸化剤高圧流入手段を設け、
    且つ、前記筒間空間に高圧流入した酸化剤を、前記開口の内壁と前記流入管との間隙を通じて前記内筒体の中に流入させるようにしたことを特徴とする流体浄化装置。
  5. 請求項4の流体浄化装置において、
    前記酸化剤高圧流入手段によって前記筒間空間に酸化剤を高圧流入するために前記外筒体に設ける流入口の位置を、前記内筒体の後端付近に設定し、筒間空間内で酸化剤を内筒体の後端側から先端側に向けて移動させるようにしたことを特徴とする流体浄化装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの流体浄化装置において、
    有機物の酸化分解を促進するための触媒を前記内筒体の中に配設したことを特徴とする流体浄化装置。
  7. 請求項4又は5の流体浄化装置において、
    上記流入管から上記内筒体に処理対象流体を高圧流入させる処理前流体高圧流入手段の駆動量、及び、上記酸化剤高圧流入手段の駆動量をそれぞれ制御する制御手段を設けたことを特徴とする流体浄化装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの流体浄化装置において、
    前記酸化剤として、酸素ガス、空気、オゾン、又は過酸化水素水の何れかを用いることを特徴とする流体浄化装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかの流体浄化装置において、
    前記内筒体として、Ti、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pb、Zr、V、Ni、Cr、及びbMoのうち、少なくとも何れか1つを含む物質、セラミック、又は石英ガラス、からなるものを用いたことを特徴とする流体浄化装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかの流体浄化装置において、
    上記外筒体として、ステンレス又はニッケル合金からなるものを用いたことを特徴とする流体浄化装置。
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