JP2009198179A - 芳香族カルボン酸含有組成物保持槽、及びこれを用いた芳香族カルボン酸の製造方法 - Google Patents

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勝彦 福井
Tetsuji Miyamoto
哲志 宮本
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Abstract

【課題】本発明では芳香族カルボン酸の製造プロセスに用いた場合であっても、放射線源を覆う保護筒の腐食等がなく、保護筒の定期点検や定期交換の頻度を上げる必要がない、内装式の放射線式液面計を備えた芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を提供する。
【解決手段】芳香族カルボン酸及び溶媒を含む液状組成物を保持する槽体と、該槽体内の液面の位置を測定する放射線式液面計とを備え、該放射線式液面計が、放射線の発生源となる放射線源、該放射線源を覆う第一保護筒、及び、該第一保護筒を覆う第二保護筒を備え、該槽体の内部で放射線を発生する挿入管と、該槽体の外部で該放射線源から発せられた放射線を検知する放射線検知手段と、該放射線検知手段が放射線を検知した位置に応じて前記液面の位置を測定する液面測定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は芳香族カルボン酸を製造する際に用いられる芳香族カルボン酸含有組成物保持層、及びこれを用いた芳香族カルボン酸の製造方法に関する。
化学プラントにおいて液面を監視する手段として、圧力式、差圧式、フロート式、放射線式等の、種々の液面計が知られている。これらの中でも放射線式液面計は、液体の密度変化の影響が少なく、日常運転時に監視不要である等の利点を有している。
例えば芳香族カルボン酸の製造プロセスにおいて、例えば酸化反応槽や晶析槽、水添反応槽等で液面計が用いられている。特に酸化反応槽では酸素含有ガスを吹き込むため、液体の密度変化が大きく、その影響を受けにくい放射線式液面計が好ましく用いられている。
従来、放射線式液面計としては、放射線源を槽体の外部に設置する外装式の放射線式液面計が広く用いられていた。外装式の放射線式液面計では放射線源を槽体内部に導入する必要がない、という利点がある。
しかしながら近年、芳香族カルボン酸の製造プロセスの大型化が求められており、反応槽や晶析槽等の各槽体も大型化、大径化されている。またそれに伴って強度を向上させる等の目的で各槽体の槽壁の厚みも増大されている。そのため、従来の外装式の放射線式液面計を用いる場合には、放射線源の線源強度を向上させることが求められており、この場合、投資の増大だけでなく、より広い安全区域の確保も必要となることがあった。
これに対して、例えば特許文献1等には、放射線源を各槽体の内部に設置する内装式の放射線式液面計が提案されている。この方式によれば、放射線源を検出対象の近傍に配置するため、槽体が大径化したり、槽壁の厚みが増大した場合であっても、放射線源の線源強度を上げることなく、液面の測定が可能であるという利点がある。
なお、通常内装式の放射線式液面計では、放射線源は保護筒により覆われた状態(以下、適宜「挿入管」ともいう。)で、槽体内に配置される。
特開2004−167311号公報
ここで、内装式の放射線式液面計を芳香族カルボン酸の製造プロセスに用いた場合、放射線源を覆う保護筒が溶媒等の酸によって腐食され、穴あき・破損等が生じる可能性がある。この腐食が進むと、槽体の内部の溶媒や製造された芳香族カルボン酸等が放射線源と接触してしまうこと等によってプラントを停止しなければならない可能性もある。
これらの事態を防止するため、芳香族カルボン酸の製造プロセスに内装式の放射線式液面計を用いる場合、外装式の放射線式液面計と比較して、放射線源を覆う保護筒の定期点検の頻度や、定期交換の頻度等を多いものとすることが求められている。
そこで、本発明では芳香族カルボン酸の製造プロセスに用いた場合であっても、放射線源を覆う保護筒の腐食等がなく、保護筒の定期点検や定期交換の頻度を上げる必要がない、内装式の放射線式液面計を備えた芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討した結果、槽体の内部に配置される放射線式液面計の挿入管において、放射線源を覆う第一保護筒の外側にさらに、第二保護筒を設けることにより、第一保護筒が、酸によって腐食されること等がないものとすることができることを見出し、本発明に至った。
本発明の要旨は、芳香族カルボン酸及び溶媒を含む液状組成物を保持する槽体と、該槽体内の液面の位置を測定する放射線式液面計とを備え、該放射線式液面計が、放射線の発生源となる放射線源、該放射線源を覆う第一保護筒、及び、該第一保護筒を覆う第二保護筒を備え、該槽体の内部で放射線を発生する挿入管と、該槽体の外部で該放射線源から発せられた放射線を検知する放射線検知手段と、該放射線検知手段が放射線を検知した位置に応じて該液面の位置を測定する液面測定手段とを備えることを特徴とする芳香族カルボン酸含有組成物保持槽に存する(請求項1)。
この際、該第二保護筒内への該液状組成物の浸入を検知する損傷検知手段を備えることが好ましく(請求項2)、該損傷検知手段が、該第一保護筒と該第二保護筒との間に形成されて該液状組成物が流通しうる空隙と、該空隙内の該液状組成物を該槽体の外部に吐出させるノズルとを備えることが好ましい(請求項3)。
該芳香族カルボン酸含有組成物保持槽は、反応槽又は晶析槽であることが好ましい(請求項4)。
また該槽体の直径が3m以上であって、該槽体の壁厚み10mm以上であることが好ましい(請求項5)。さらに、該溶媒が酢酸または150℃以上の水を含むことが好ましい(請求項6)。
また該槽体内の該液状組成物を攪拌する攪拌手段を備えることが好ましく(請求項7)、さらに差圧式液面計を備えることが好ましい(請求項8)。
本発明の別の要旨は、上述した芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いることを特徴とする芳香族カルボン酸の製造方法に存する(請求項9)。
本発明によれば、槽体内に配置される挿入管が第二保護筒を有していることから、放射線源を覆っている第一保護筒が酸により腐食されること等がなく、第一保護筒の定期点検や定期交換の頻度を高める必要がなく、プラント内で安定して用いることが可能となる。
以下に記載する例示物等は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これらの内容に特定はされない。
A.芳香族カルボン酸含有組成物保持槽
本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽の構造の一例を図1に示す。本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽100は、例えば、芳香族カルボン酸及び溶媒を含む液状組成物101を保持する槽体1と、槽体1内の液面の位置を測定する放射線式液面計2とを備える。放射線式液面計2は、放射線の発生源となる放射線源21、放射線源21を覆う第一保護筒22、及び第一保護筒22を覆う第二保護筒23を備える挿入管20と、槽体1の外部に設けられ、放射線源21から発せられた放射線を検知する放射線検知手段10と、放射線検知手段によって得られたデータから槽体1内の液状組成物101の液面の位置を測定する液面測定手段30とを有する。
本発明においては、上記第一保護筒22を覆うように第二保護筒23が配置されていることから、放射線源21を覆う第一保護筒22が、槽体1内の芳香族カルボン酸や溶媒等の液状組成物101と、直接接触することがないものとすることができる。したがって、第一保護筒22が、酸によって腐食等されることがないものとすることができ、第一保護筒22の定期点検や定期交換の頻度を高める必要がなく、プラント内で安定して用いることが可能となる。またさらに、プラントの連続運転が可能となることから、カルボン酸含有組成物の製造効率を高めること等も可能となる。
本発明における芳香族カルボン酸含有組成物保持槽は、芳香族カルボン酸を製造する際に用いられる工程に用いられるものであれば、その種類等は特に制限はなく、後述する芳香族カルボン酸の製造工程のいずれの工程に用いられるものであってもよい。例えば、後述する芳香族カルボン酸含有組成物を製造する際における反応槽や晶析槽、固液分離装置による分離後の母液槽や洗浄排液槽等として用いることができる。中でも反応槽または晶析槽として用いることが好ましい。反応槽や晶析槽は一般的にスラリー濃度が高いが、放射線式液面計は、例えば差圧式液面計のように導管が詰まること等がない。また反応槽や晶析槽は一般的に大径であるため、内装式放射線式液面計を用いることが適している。
1.放射線式液面計
本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽に用いられる放射線式液面計2としては、槽体1の内部に配置される挿入管20と、槽体1の外部に設けられ、挿入管20内の放射線源21から発せられた放射線を検知する放射線検知手段10と、放射線検知手段10によって得られたデータから槽体1内の液面の位置を測定する液面測定手段30とを有するものであればよく、必要に応じて適宜他の構成を有していてもよい。
a.挿入管
放射線式液面計2における挿入管20は、放射線源21、第一保護筒22、及び第二保護筒23を有するものであり、通常槽体1内の液状組成物101に対して放射線源21が垂直になるように配置される。またこの際、放射線源21において放射性物質が存在する範囲で、槽体1内の液状組成物101の液面が計測可能であることから、通常、槽体1の液状組成物101の液面より放射線源21の下端部が下になるように配置される。またさらに、挿入管20は、槽体1の外部に設置される放射線検知手段10の取り付け位置と挿入管20との距離が短くなるような位置に設置されることが好ましい。これにより、放射線強度が低い放射線源21を用いることが可能となる。
(放射線源)
放射線式液面計2に用いられる放射線源21の種類は、本発明の目的及び効果を損なわない限り特に制限はない。例えばCobalt−60や、Cs(セシウム)−137、Kr−85(Gas)、Am−241(s)、Cf−252(s)、Cm−242(s)等の放射性物質が、ステンレス等からなる円筒状の容器等に充填されたもの等とすることができる。
また、放射線源21の線源強度としては、通常0.01mCi以上であり、好ましくは0.1mCi以上である。また通常100mCi以下であり、好ましくは80mCi以下であり、より好ましくは10mCi以下である。これにより、槽体1内の液状組成物101の液面の測定を安定して、かつ高い安全性にて行なうことが可能となる。
また放射線源21の断面の外径は、槽体1の大きさ等に応じて適宜設定可能であるが、通常φ1mm以上、好ましくはφ5mm以上、より好ましくはφ10mm以上である。また通常φ100mm以下、好ましくはφ50mm以下、より好ましくはφ30mm以下である。これにより取り扱いやすいものとすることができる。
また、放射線源21の長手方向の長さとしては、槽体1の大きさや測定すべき液面の範囲等により適宜設定することができる。
(第一保護筒)
第一保護筒22は、上記放射線源21を覆うものであれば、本発明の目的及び効果を損なわない限り特に制限はなく、例えば、液状組成物101に挿入される側の端部が塞がれた円筒形等とすることができる。また第一保護筒22は、少なくとも液状組成物101中に挿入される領域の放射線源21を覆うものであればよく、例えば放射線源21の一部のみを覆うような形状とされていてもよいが、通常放射線源21を全て覆うような形状とされることが好ましい。またこの際、通常第一保護筒22の、液状組成物101に挿入される側と反対側の端部の形状は、通常円筒を閉じた形状とされる。
第一保護筒22の断面の外径としては、通常φ500mm以下、好ましくはφ100mm以下、より好ましくはφ50mm以下である。また通常φ5mm以上、好ましくはφ10mm以上、より好ましくはφ30mm以上である。これにより取り扱いやすく、かつ低コストとすることができる。
第一保護筒22の壁厚みとしては、通常0.1mm以上であり、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上である。また通常50mm以下であり、好ましくは30mm以下であり、より好ましくは10mm以下である。これにより高耐食性、高強度かつ低コストとすることができる。
ここで、第一保護筒22の材質としては、槽体1の材質と同様、または槽体1の材質と同等以上の高強度、及び高耐食性の材質が好ましく、例えばSUS304L、SUS316L、SUS317L等のステンレス、またはこれらをPVC、もしくはPTFEライニングしたもの、炭素鋼や、これをチタンで被覆したもの、チタン、ハステロイ等が挙げられる。
(第二保護筒)
第二保護筒23は、上記第一保護筒22を覆うものであれば、本発明の目的及び効果を損なわない限り特に制限はなく、例えば液状組成物101に挿入される側の端部が塞がれた円筒形等とすることができる。また第二保護筒23は、少なくとも液状組成物101中に挿入される領域の第一保護筒22を覆うものであればよく、例えば第一保護筒22の一部のみを覆うような形状とされていてもよいが、通常第一保護筒22を全て覆うような形状とされることが好ましい。またこの際、通常第二保護筒23の、液状組成物101に挿入される側と反対側の端部の形状は、通常円筒を閉じた形状とされる。
また第二保護筒23の断面の外径としては、通常φ1000mm以下、好ましくはφ500mm以下、より好ましくはφ250mm以下である。また通常φ10mm以上、好ましくはφ30mm以上、より好ましくはφ50mm以上である。これにより、取り扱いやすく、かつ低コストとすることができる。
第二保護筒23の厚みとしては、通常1mm以上であり、好ましくは10mm以上、より好ましくは30mm以上である。また通常50mm以下であり、好ましくは30mm以下であり、より好ましくは10mm以下である。これにより高耐食性、高強度かつ低コストとすることができる。
また第二保護筒23の材質としては、槽体1の材質と同様、または槽体1の材質と同等以上の高強度、及び高耐食性の材質が好ましく、例えばSU304L、SUS316L、SUS317L等のステンレス、またはこれらをPVC、もしくはPTFEライニングしたもの、炭素鋼や、これをチタンで被覆したもの、チタン、ハステロイ等が挙げられる。
ここで本発明においては特に、第二保護筒23の損傷が検知可能な損傷検知手段が設けられていることが好ましい。損傷検知手段としては、例えば第一保護筒22と第二保護筒23との間に設けられた、液状組成物101が流通しうる空隙24と、この空隙24内に進入した前記液状組成物101を槽体1の外部に吐出させるノズル25とを有するような構成等とすることができる。空隙24内は、例えば真空状態等とされていてもよいが、大気開放されていてもよい。損傷検知手段を有することにより、例えば第二保護筒23が酸により腐食され、穴が生じた場合等、液状組成物101がこの空隙24を通ってノズル25より排出されることとなる。したがって、第二保護筒23に生じた欠陥をすぐに検知することが可能となり、第一保護筒22が酸によって腐食等される前に対処することが可能となる。
上記損傷検知手段における第一保護筒22と、第二保護筒23との間の空隙24の幅としては、通常3mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上である。また通常100mm以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下である。上記下限より広くすることで、液状組成物101が上記空隙24を通って、外部に吐出されやすくなり、また上限より狭くすることで、液状組成物101が上記空隙24を通って、外部に吐出されるまでの時間を短縮することができる。
また上述したノズル25としては、第一保護筒22及び第二保護筒23の間に進入した液状組成物101を、槽体1の外部に排出可能なものであれば特に制限はなく、例えば第一保護筒22及び第二保護筒23の端部と連結された管をノズル25としてもよい。また第二保護筒23の外側面に、上記空隙から液状組成物101の排出口を設けてノズル25としてもよい。また上記ノズル25は、液状組成物101の吐出の有無を検知する検知手段等と連結されていてもよい。
(その他)
また、本発明における挿入管20には、さらに第二保護筒23の外側に第二保護筒23を覆う第三保護筒や同様の第四保護筒等が形成されていてもよい。
b.放射線検知手段
また、放射線検知手段10としては、上記挿入管20内の放射線源21より放射された放射線を検知することが可能な手段であれば、その種類等は特に制限されない。このような放射線検知手段10としては、例えば放射線レベルを検知する放射線検出器等とすることができる。放射線源21から放射された放射線は、液状組成物101によって吸収・散乱され、全体として放射線の検知量が減衰する。その減衰量と液面との検量線を予め定めておくことにより、放射線レベルを測定することによって、その検知量から後述する液面測定手段30により液状組成物101の液面の位置を特定することが可能となる。
c.液面測定手段
液面測定手段30としては、上記放射線検知手段10によって測定された放射線レベルを分析し、液状組成物101の液面の位置を特定可能な手段であれば、その種類等は特に制限されない。このような液面測定手段30としては、例えば上記放射線の減衰量と液面との検量線から液面の位置を算出する手段等とすることができ、一例としては放射線検知手段10と連結された電子計算機等とすることができる。
2.槽体
また、本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽に用いられる槽体1の種類は、上述したように、本発明の目的及び効果を損なわない限り、特に制限はなく、後述する芳香族カルボン酸の製造方法におけるいずれの工程に用いられるかによって適宜選択される。例えば攪拌機付き反応槽や、気泡塔反応槽、プラグフロー型(配管流通型)反応槽等の反応槽であってもよく、また芳香族カルボン酸を製造するための原料を反応させた後に回収された母液を入れるための母液槽等であってもよく、また洗浄排液を入れるための洗浄排液槽等であってもよい。このような槽体1の形状は、その種類に応じて適宜選択され、例えばガスや材料の供給口や排出口等を備えるものであってもよい。
また槽体1の直径は通常1m以上であり、好ましくは2m以上、より好ましくは3m以上である。また通常10m以下、好ましくは7m以下、より好ましくは5m以下である。これにより必要とされる滞留時間の確保や低コスト等を実現することができる。
また槽体の壁厚みは通常1mm以上であり、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上である。また通常100mm以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下である。これにより高強度、高耐腐食性、かつ低コストとすることができる。
また槽体1の材質としては、例えばSUS304L、SUS316L、SUS317L等のステンレス、またはこれらをPVC、もしくはPTFEライニングしたもの、炭素鋼や、これをチタンで被覆したもの、チタン、ハステロイ等が挙げられる。
また、本発明において、本発明の効果及び目的を損なわない限り、槽体に保持される、芳香族カルボン酸及び溶媒を含む液状組成物101の種類は特に制限はないが、溶媒が酢酸または水を含んでいることが好ましい。水の温度は好ましくは150℃以上であり、また通常330℃以下である。より好ましくは酢酸を含む場合であり、このような溶媒を含む液状組成物101を保持する際に、挿入管の腐食等が生じやすく、本発明の利点を活かすことが可能となる。
酢酸の含有量としては、本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽が適用される工程によって、適宜選択されるが、例えば後述する芳香族カルボン酸含有組成物の製造方法において、例えば原料を酸化して芳香族カルボン酸を生成する工程等においては、液状組成物101の溶媒内に60重量%以上含有されていることが好ましく、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。また100重量%であってもよいが、通常99重量%以下、好ましくは96重量%以下、より好ましくは93重量%以下である。この範囲内であれば反応が十分に早く進行し、かつ酢酸と酢酸メチルとの平衡反応が崩れない。
3.その他
本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽は、上記放射線式液面計2、及び槽体1以外にも、必要に応じて適宜他の構成を有していてもよい。本発明においては攪拌手段及び差圧式液面計を備えることが特に好ましい。以下、攪拌手段及び差圧式液面計について説明する。
a.攪拌手段
攪拌手段としては、槽体1の内部の液状組成物101を攪拌可能な手段であれば特に制限はなく、例えばモータ、攪拌軸、及び攪拌翼から構成されるもの等とすることができる。攪拌翼の種類としては、例えばタービン型、パドル型、アンカー型等が挙げられる。また攪拌翼の形状としては、槽体1の外径、液状組成物101の組成等に応じて適宜選択可能であるが、翼の幅は通常100mm以上、好ましくは150mm以上、より好ましくは200mm以上であり、通常1000mm以下、好ましくは900mm以下、より好ましくは800mm以下である。これにより攪拌効率がよく、かつ低コストとすることができる。
また攪拌翼の枚数は、液状組成物101の量や組成等に応じて適宜選択可能であるが、通常1枚以上であり、また通常10枚以下、好ましくは9枚以下、より好ましくは8枚以下とする。これにより、攪拌効率を良好なものとし、また攪拌動力を低減してコストを低減することが可能となる。また攪拌翼の段数としては、液状組成物101の量や組成等に応じて適宜選択可能であるが、通常1段以上とし、また通常10段以下、好ましくは9段以下、より好ましくは8段以下とすることができる。これにより、攪拌効率を良好なものとし、また攪拌動力を低減してコストを低減することが可能となる。
またこれらと併せてバッフルが槽体1内に設けられていてもよい。バッフルは、通常、槽体1の内周面に沿って、その長さ方向が上記攪拌軸の軸方向となるように取り付けられる板状体である。モータを駆動して攪拌翼により攪拌する際、バッフルによって、液状組成物101の流れを乱すことができ、攪拌効率をより向上させることが可能となる。バッフルの幅としては、通常槽体1の内径の5%以上、20%以下とすることができる。このような範囲内で攪拌効率を良好なものとすることができる。またバッフルの枚数は、特に制限されるものではないが、通常2枚以上、10枚以下とすることができる。これにより、攪拌効率を向上させることができる。
b.差圧式液面計
また本発明においては、上記放射線式液面計2と併せて差圧式液面計を用いることにより、より正確に液状組成物101の液面を測定することが可能となる。また、万一放射線式液面計が故障等した場合のバックアップにもなる。
差圧式液面計は、液状組成物101の比重ρが一定であれば槽の底部や下部にかかる圧力は液面の高さに比例するという性質を利用して槽の液面の高さを検出する計器である。具体的には、槽体1内の液状組成物101の液面より上方の位置に、槽体1内の圧力P1(kg/cm)を伝達するための第1圧力伝達手段を設け、液状組成物101の液面より下方となる所定の位置の圧力P2(kg/cm)を伝達するための第2圧力伝達手段を設ける。第2圧力伝達手段の位置から液面までの高さをH(m)とすると、P2=P1+ρHとなることから、差圧測定手段によりP2とP1との差を求めるとP1が相殺されて、ρHのみを算出することができる。したがって、得られたρHの値を液状組成物101の比重ρで割り、液面の高さを算出することができる。
このような差圧式液面計としては、例えば上記第1圧力伝達手段、第2圧力伝達手段、及び第1圧力伝達手段と第2伝達手段とから伝えられた差圧を測定するための差圧測定手段を有するものとすることができる。また必要に応じて適宜他の構成を有するものとしてもよい。
B.芳香族カルボン酸の製造方法
次に、本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を適用した芳香族カルボン酸の製造方法について説明する。
芳香族カルボン酸の製造方法としては、反応装置内において溶媒中でアルキル芳香族化合物を酸化して芳香族カルボン酸を生成させる工程と、芳香族カルボン酸及び溶媒を含む液状組成物を反応装置から抜き出した後、固液分離装置にて固液分離を行い、芳香族カルボン酸ケーキ及び母液を得る工程とを少なくとも含む方法等とすることができる。本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽は、芳香族カルボン酸の製造工程のいずれの工程に用いられるものであってもよく、例えば、反応槽や、晶析槽、固液分離装置により分離された母液を保持する母液槽や洗浄排液槽等として用いることができる。
以下、芳香族カルボン酸の製造方法について図2を用いて詳細に説明する。
まず反応器111にアルキル芳香族化合物Aを導入し、酢酸など脂肪族カルボン酸からなる溶媒C中で、原料であるアルキル芳香族化合物Aを空気などの分子状酸素含有ガスBにより酸化して芳香族カルボン酸を生成させ、溶媒との混合物である液状組成物Dを得る。酸化反応には通常触媒が用いられる。なお本発明においてアルキル芳香族化合物Aとは、アルキル基を持つ芳香族化合物だけでなく、一部酸化されたアルキル基を持つ芳香族化合物も含む概念である。
本発明において原料及び溶媒の混合物は、液相、気液2相、気液固3相の様々なケースが挙げられるが、通常少なくとも液相を含む。
製造される芳香族カルボン酸の種類は特に制限はないが、例えばオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸(ベンゼントリカルボン酸)、2,6−、又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。なかでもフタル酸類(オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)の製造の際に上記芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を適用することが好ましく、特にテレフタル酸の製造に適用することが好ましい。
芳香族カルボン酸の原料となるアルキル芳香族化合物Aとしては、例えば、ジ−及びトリ−アルキルベンゼン類、ジ−及びトリ−アルキルナフタレン類並びにジ−及びトリ−アルキルビフェニル類が挙げられる。好ましくは、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−、m−、又はp−ジイソプロピルベンゼン、トリメチルベンゼン類、2,6−又は2,7−ジメチルナフタレン、2,6−ジイソプロピルナフタレン、4,4’−ジメチルビフェニルなどが挙げられる。なかでもメチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基等の炭素数1以上、4以下のアルキル基を2個以上、4個以下有する芳香族化合物が、反応性が高く好ましい。また原料アルキル芳香族化合物は一部酸化されたアルキル芳香族化合物(一部酸化アルキル芳香族化合物)を含んでもよく、全てが一部酸化アルキル芳香族化合物であってもよい。
一部酸化アルキル芳香族化合物とは、上記アルキル芳香族化合物におけるアルキル基が酸化されて、アルデヒド基、アシル基、カルボキシル基又はヒドロキシアルキル基等に酸化されているものの、目的とする芳香族カルボン酸となる程には酸化されていない化合物である。具体的には、例えば3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、4−カルボキシベンズアルデヒド(以下、適宜「4CBA」と称する。)、p−トルアルデヒド、m−トルイル酸、p−トルイル酸、3−ホルミル安息香酸、4−ホルミル安息香酸及び2−メチル−6−ホルミルナフタレン類等を挙げることができる。
原料としてはこれら化合物を単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
以上総合して、アルキル芳香族化合物Aとしてはキシレン類(o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)が好ましく、特にp−キシレンが好ましい。アルキル芳香族化合物Aとしてp−キシレンを用いる場合、一部酸化アルキル芳香族化合物としては、例えば4CBA、p−トルアルデヒド、p−トルイル酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としてはテレフタル酸が得られる。
このアルキル芳香族化合物Aを分子状酸素含有ガスBにより酸化する。分子状酸素含有ガスBとしては分子状酸素を含むガスであればよく、例えば空気、酸素富化空気、不活性ガスで希釈された酸素等が用いられ、これらを単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。このうち、コストが低い空気が実用的には好ましい。
また、アルキル芳香族化合物Aを酸化する際には、好ましくは触媒が用いられる。触媒の種類としては、アルキル芳香族化合物を酸化し芳香族カルボン酸を生成する反応を促進する能力を有するものであれば特に制限はない。好ましくは重金属化合物からなる触媒である。重金属化合物に含まれる重金属としては、例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、ジルコニウム、銅、鉛、ハフニウム及びセリウム等が挙げられる。これらは単独で、または組み合わせて用いることができるが、特にコバルトとマンガンとを組み合わせて用いることが好ましい。このような重金属の化合物としては、例えば酢酸塩、硝酸塩、アセチルアセトナート塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩及び臭化物等を挙げることができる。なかでも酢酸塩及び臭化物が好ましい。
また、触媒は必要に応じて触媒助剤を含んでいてもよい。触媒助剤として好ましくは臭素化合物であり、臭素化合物としては、例えば分子状臭素、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化コバルト及び臭化マンガン等の無機臭素化合物や、臭化メチル、臭化メチレン、ブロモホルム、臭化ベンジル、ブロモメチルトルエン、ジブロモエタン、トリブロモエタン及びテトラブロモエタン等を挙げることができる。これらの臭素化合物も単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
好ましい態様としては、コバルト及び/又はマンガンの化合物を用い、触媒助剤として臭素化合物を用いる態様である。特に好ましくは、酢酸コバルト、酢酸マンガン、臭化水素の組合せが挙げられる。
重金属化合物と臭素化合物との組合せからなる触媒の場合、重金属化合物と臭素化合物との比は重金属原子1モルに対して通常臭素原子0.05モル以上とし、好ましくは0.1モル以上とし、より好ましくは0.5モル以上とする。一方、重金属原子1モルに対して、通常臭素原子10モル以下とし、好ましくは7モル以下とし、より好ましくは5モル以下とする。これらの範囲とすることで触媒活性が高まる。
芳香族カルボン酸の製造に用いられる触媒の濃度は、上記酸化反応を促進し得る範囲であれば特に限定されないが、溶媒中の重金属濃度が通常10ppm以上、好ましくは100ppm以上、より好ましくは200ppm以上とする。一方、重金属濃度として通常10000ppm以下とし、好ましくは5000ppm以下とし、より好ましくは3000ppm以下とする。下限値以上とすることで反応速度が高まり、上限値以下とすることでコストが抑制できるとともに排液や排ガス中の重金属濃度、臭素濃度を低減でき、環境面、安全面で好ましい。
溶媒Cは、通常生成する芳香族カルボン酸の少なくとも一部を溶解しうるものが用いられる。なお、常圧(以下本発明では、常圧とは、特に言及しない限り「0.101MPa」を指すものとする。)では芳香族カルボン酸が不溶又は難溶であっても、加圧下で少なくとも一部を溶解しうるものであればよい。
また溶媒Cは、反応中に液体又は気液2層となるものが好ましく、原料や反応後の目的化合物に化学的な変化を来たさないものが用いられる。また溶媒Cの常圧における沸点は好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、また好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは150℃以下である。下限値以上とすることで取り扱いや回収が容易となり、上限値以下とすることで後工程での固液分離、乾燥が容易となる。
溶媒Cの種類は特に限定されず、1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができるが、溶解性や沸点から、脂肪族カルボン酸を含有することが好ましく、これらを主成分とする溶媒がより好ましい。酢酸、プロピオン酸、蟻酸及び酪酸を主成分とする溶媒がさらに好ましい。なお、主成分とするとは溶媒の全重量の60重量%以上を占めることを言う。なかでも溶解性及び取り扱いの容易性から酢酸を主成分とする溶媒が好ましい。特に好ましくは酢酸と水との混合物である。酢酸と水との比率は、酢酸100重量部に対して水が通常1重量部以上であり、好ましくは5重量部以上である。また、通常40重量部以下であり、好ましくは25重量部以下であり、より好ましくは15重量部以下である。上限値以下とすることで反応効率を向上させることができ、下限値以上とすることで酢酸の燃焼(による分解)量をより削減することができ、エネルギー面、経済面での節源が図れ、それぞれ好ましい。
溶媒Cの量は原料や目的反応物の溶解性等により適宜変更可能であるが、アルキル芳香族化合物A100重量部に対して、通常100重量部以上とする。また通常500重量部以下とする。
本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽は、上記酸化反応で得られる芳香族カルボン酸の製造全般に適用しうるが、なかでも芳香族カルボン酸と、該芳香族カルボン酸が難溶性である溶媒Cとの組合せに適用することが好ましい。特に、テレフタル酸と酢酸を主成分とする溶媒との組合せである。
上記製造方法において、アルキル芳香族化合物Aの酸化反応は、通常加圧状態、即ち常圧を超える圧力下で行われることが好ましい。液相酸化の反応効率を高めるためには、反応温度において溶媒Cとアルキル芳香族化合物Aとの混合物が液相を保持できる圧力以上とすることがより好ましい。また、反応後の液状組成物を固液分離装置へ移送しやすくするためにも反応器111の圧力は高いことが好ましい。好ましくは絶対圧で0.2MPa以上とし、より好ましくは0.5MPa以上とし、さらに好ましくは1MPa以上とする。一方、圧力は通常絶対圧で20MPa以下とする。副反応や化合物の分解を抑制でき、収率の低下を抑える利点がある。また圧力をできるだけ低く抑えることで、耐圧強度の低い反応器を用いることができ、コストが節減できる。好ましくは10MPa以下とし、より好ましくは7MPa以下とし、更に好ましくは5MPa以下とし、特に好ましくは2MPa以下とする。実際の運用においては、反応混合物(液状組成物)の組成及び設定反応温度において、沸騰状態を維持できる圧力とすることが望ましい。
また、反応器111の温度は、通常100℃以上とする。反応速度を高め収率を上げるためである。好ましくは140℃以上とし、より好ましくは150℃以上とする。一方、温度は通常300℃以下とする。溶媒の燃焼による損失量を抑えることができる。また副反応や化合物の分解を抑制でき、収率の低下を抑える利点がある。好ましくは250℃以下とし、より好ましくは230℃以下とし、更に好ましくは210℃以下とする。
上記製造方法において、酸化反応は連続的に実施すると生産効率が高まるため好ましい。その際の反応時間(平均滞留時間)は20分以上であると好ましく、30分以上であるとより好ましく、40分以上であると更に好ましい。反応を十分に進行させ、純度の高い芳香族カルボン酸を得るためである。一方、反応時間は300分以下であると好ましく、150分以下であるとより好ましく、120分以下であると更に好ましく、90分以下であると特に好ましい。溶媒Cの燃焼による損失を抑制しコストを低減するためである。また反応器111の容量を小さくできる点でも好ましい。
本発明において反応器111の種類は特に限定されず、従来公知のものを用いてもよいが、特に本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いることが好ましい。芳香族カルボン酸含有組成物保持槽における槽体の形態は、例えば攪拌機付き反応器、気泡塔反応器、プラグフロー型(配管流通型)反応器などいずれでもよいが、反応効率を高めるには攪拌機付き完全混合槽型反応器とすることが好ましい。また通常反応器111の下部には分子状酸素含有ガスBの供給口が設けられる。反応器111の下部供給口から供給された分子状酸素含有ガスBは、アルキル芳香族化合物Aの酸化反応に利用された後、多量の溶媒Cの蒸気を含む反応ガスMとなり反応器111の塔頂部より抜き出される。
次いで、必要に応じて凝縮器118にて溶媒Cを主とする凝縮液Nを凝縮分離した後、凝縮器排ガスOとして排出される。凝縮器118は一段でもよいし、複数段からなるものでもよい。或いは、凝縮器118に代えて蒸留塔を用いても同様の分離が可能である。
分子状酸素含有ガスBの供給量及び酸素濃度は、凝縮器排ガスO(凝縮器118が複数段からなる場合は最終段の凝縮器の排ガスを凝縮器排ガスOとする。)中の酸素濃度が特定範囲となるように制御するのが好ましい。好ましくは凝縮器排ガスO中の酸素濃度が0.5容量%以上、より好ましくは1容量%以上、更に好ましくは2容量%以上とする。下限値より高いほど反応効率が高まる利点がある。また好ましくは10容量%以下、より好ましくは8容量%以下、更に好ましくは7容量%以下となるよう制御する。上限値より低くすることで安全性が高まる。
通常凝縮液Nは水分を含有しており、系内の水分量調整のためにその一部を系外にパージし、残りは反応器111に還流させる。また、凝縮器排ガスOを二つの流れに分岐させ、一方は系外に排出させ、他方は反応器111に連続的に循環供給させてもよい。
また、溶媒Cとして酢酸などの脂肪族カルボン酸を用いる場合、反応器111中の上記溶媒Cの水分濃度を前述の範囲に調整するには、溶媒Cとして純粋な酢酸などの脂肪族カルボン酸を供与し、かつ、後述する母液Gや洗浄排液Jの一部を再利用すると共に、反応器111で発生した反応ガスMを凝縮器118で凝縮して得られる水を含む凝縮液Nの一部を系外にパージする量を調整することで行える。これにより、新たな溶媒Cの使用量を抑えつつ、反応への影響を無視できる程度の水分濃度に抑えることができる。
或いは、凝縮器118に代えて蒸留塔を用いてもよい。即ち、脂肪族カルボン酸と水とを分離可能な蒸留塔を反応器111に連結し、反応器111で発生した反応ガスMを蒸留塔で蒸留する。塔底から得られる水分濃度が低減された脂肪族カルボン酸を反応器111に回収するとともに、塔頂から得られる水を含む成分を例えば系外にパージするなどして、系内の水分量を調整することができる。
なお、反応器111での酸化反応の後、必要に応じて追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理とは、反応器111(以下、「第1反応帯域」と言う。)での酸化反応で得られた反応混合物を、追酸化反応器111’(以下、「第2反応帯域」と言う。)において、アルキル芳香族化合物Aを供給することなく分子状酸素含有ガスB’を供給し酸化処理することである。
追酸化処理の好ましい一例としては、第1反応帯域で得られた反応混合物に、より低温に保持した第2反応帯域において追酸化処理を行う(以下、「低温追酸化」という)。アルキル芳香族化合物Aがp−キシレンであれば、第2反応帯域の温度は第1反応帯域より1℃以上低温とすることが好ましく、5℃以上低温とすることがより好ましい。また通常20℃以下低温とすることが好ましく、より好ましくは15℃以下低温とする。具体的な温度としては、通常140℃以上、好ましくは160℃以上である。また通常220℃以下、より好ましくは200℃以下である。下限値以上とすることにより、芳香族カルボン酸粒子が溶解しやすくなり純度が高まる傾向がある。また上限値以下とすることで、着色性の不純物の生成が抑えられる傾向がある。
低温追酸化も加圧状態、即ち常圧を超える圧力下で行われることが好ましく、反応温度において内部の混合物が液相を保持できる圧力以上とすることがより好ましい。また、反応後の液状組成物を固液分離装置へ移送しやすくするためにも追酸化反応器111’の圧力は高いことが好ましい。好ましくは絶対圧で0.2MPa以上とし、より好ましくは0.5MPa以上とする。
一方、圧力は通常絶対圧で20MPa以下とする。副反応や化合物の分解を抑制でき、収率の低下を抑える利点がある。また圧力をできるだけ低く抑えることで、耐圧強度の低い反応器を用いることができ、コストが節減できる。好ましくは10MPa以下とし、より好ましくは7MPa以下とし、更に好ましくは5MPa以下とし、特に好ましくは2MPa以下とする。実際の運用においては、反応器111から液状組成物Dを効率的に追酸化反応器111’に導入するため、反応器111よりも低い圧力とすることが望ましい。
なお、低温追酸化反応は連続的に実施すると生産効率が高まり望ましい。その際の反応時間(平均滞留時間)は5分以上であると好ましく、10分以上であるとより好ましく、20分以上であるとさらに好ましい。反応を十分に行わせ、純度の高い芳香族カルボン酸を得るためである。また、反応時間は150分以下であると好ましく、120分以下であるとより好ましく、90分以下であるとさらに好ましい。溶媒Cの燃焼による損失を抑え、かつ装置を小型化するためである。
追酸化処理の他の好ましい一例としては、第1反応帯域で得られた反応混合物に、より高温に保持した第2反応帯域において追酸化処理を行う(以下、「高温追酸化」という)。アルキル芳香族化合物Aがp−キシレンであれば、第2反応帯域の温度は第1反応帯域より1℃以上高く保持することが好ましい。より好ましくは30℃以上、更に好ましくは50℃以上である。また好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。具体的な温度としては、通常235℃以上、好ましくは240℃以上である。また通常290℃以下、より好ましくは280℃以下である。下限値以上とすることにより、芳香族カルボン酸粒子が溶解しやすくなり純度が高まる傾向がある。また上限値以下とすることで、着色性の不純物の生成が抑えられる傾向がある。
高温追酸化も加圧状態、即ち常圧を超える圧力下に行われ、反応温度において内部の混合物が液相を保持できる圧力以上とすることが好ましい。また、反応後の液状組成物を固液分離装置へ移送しやすくするためにも追酸化反応器111’の圧力が高いことが好ましい。好ましくは絶対圧で0.2MPa以上とし、より好ましくは0.5MPa以上とする。
一方、圧力は通常絶対圧で20MPa以下とする。副反応や化合物の分解を抑制でき、収率の低下を抑える利点がある。また圧力をできるだけ低く抑えることで、耐圧強度の低い反応器を用いることができ、コストが節減できる。好ましくは10MPa以下とし、より好ましくは7MPa以下とし、更に好ましくは5MPa以下とし、特に好ましくは2MPa以下とする。実際の運用においては、反応器111から液状組成物Dを効率的に追酸化反応器111’に導入するため、反応器111よりも低い圧力とすることが望ましい。
なお、高温追酸化反応は連続的に実施すると生産効率が高まり望ましい。その際の反応時間(平均滞留時間)は5分以上であると好ましく、10分以上であるとより好ましく、20分以上であるとさらに好ましい。反応を十分に行わせ、純度の高い芳香族カルボン酸を得るためである。また、反応時間は150分以下であると好ましく、120分以下であるとより好ましく、90分以下であると更に好ましい。溶媒Cの燃焼による損失を抑え、かつ装置を小型化するためである。
上記追酸化処理は1回のみ行ってもよいし、2回以上連続して行ってもよい。例えば低温追酸化を2回以上行ってもよいし、低温追酸化と高温追酸化を各1回以上行ってもよいし、高温追酸化を2回以上行ってもよい。追酸化処理を2回以上行う場合、通常追酸化反応器を2つ以上設ける。本発明において、好ましくは追酸化処理を1回以上行い、より好ましくは少なくとも低温追酸化を1回行う。
追酸化処理を行うために供給する分子状酸素含有ガスB’としては、分子状酸素を含むガスであればよく、第1反応帯域と同様に、空気、酸素富化空気、不活性ガスで希釈された酸素等が用いられる。このうち、実用的には空気が好ましい。追酸化反応器111’から排出された反応ガスM’は酸素及び溶媒Cの蒸気を含み、上記反応ガスMに用いる凝縮器118と同様の凝縮器を用いて凝縮される。或いは、凝縮器に代えて蒸留塔を用いても同様の分離が可能である。
分子状酸素含有ガスB’の供給量及び酸素濃度は、凝縮器からの凝縮器排ガス(凝縮器が複数段からなる場合は最終段の凝縮器の排ガス)中の酸素濃度が特定範囲となるように制御するのが好ましい。好ましくは凝縮器排ガス中の酸素濃度が0.5容量%以上、より好ましくは1容量%以上、更に好ましくは2容量%以上とする。下限値より高いほど反応効率が高まる利点がある。また好ましくは10容量%以下、より好ましくは8容量%以下、更に好ましくは7容量%以下となるよう制御する。上限値より低くすることで安全性が高まる。
また分子状酸素含有ガスB’の供給量は、第1反応帯域で行う酸化反応に供給する分子状酸素含有ガスBの量の1/10000以上(体積比)であることが好ましく、1/1000以上であるとより好ましく、1/100以上であると更に好ましい。一方、ガスBの量の1/5以下であることが好ましく、1/10以下であるとより好ましい。
なお、追酸化処理を行う反応器の種類は特に限定されないが、例えば上記第1反応帯域と同様のタイプの反応器などが使用可能である。また追酸化処理の他の条件については、第1反応帯域における酸化と同様である。
以上のようにして酸化反応が行われ、反応器111又は追酸化反応器111’から芳香族カルボン酸と溶媒Cとを含む液状組成物Dが抜き出される。芳香族カルボン酸は固体として、好ましくは結晶として得られ、少なくとも固体の化合物と溶媒を含む液状組成物が得られる。なお芳香族カルボン酸は、一部、溶媒Cに溶解していてもよい。この液状組成物Dは溶媒Cや芳香族カルボン酸の他に、触媒、原料のアルキル芳香族化合物、及び副生成物(例えば、一部酸化アルキル芳香族化合物)などを含みうる。副生成物としては、p−キシレンからテレフタル酸を製造する場合には例えば4CBA、p−トルアルデヒド、p−トルイル酸、酢酸メチル等が挙げられる。液状組成物中には、4CBAがテレフタル酸に対して通常0.1ppm以上含まれており、また通常5000ppm含まれている。好ましくは3000ppm以下、より好ましくは2500ppm以下、更に好ましくは2000ppm以下、特に好ましくは1500ppm以下である。
以下では便宜上、反応装置が反応器111のみからなり、反応器111から抜き出される液状組成物を反応装置から抜き出される液状組成物Dとする場合について説明する。ただしこの説明は、反応装置が反応器111及び追酸化反応器111’からなり、追酸化反応器111’から抜き出される液状組成物を反応装置から抜き出される液状組成物Dとした場合にも全く同様に適用される。
この液状組成物Dは、必要に応じて晶析させるため、晶析槽125へ移送する。晶析槽125において圧力を低下させて冷却することで、主に上記芳香族カルボン酸からなる結晶を晶析させる。晶析槽125は一つのみであるよりも、直列に複数あって晶析を多段階的に行うことが好ましい。晶析は、回分及び連続のいずれであってもよいが、通常は連続で2段以上で段階的に降圧させ、好ましくは3段以上である。また通常6段以下、好ましくは5段以下である。これにより、溶媒Cがフラッシュ蒸発し、系内の温度が低下する。ここで晶析する上記結晶の大半が上記芳香族カルボン酸となるが、温度が低すぎると芳香族カルボン酸以外の物質が共晶し、さらに後述する固液分離工程で分離した母液を再利用する際に再加熱に要するエネルギーコストが大きくなるため、最終的な晶析温度は通常50℃以上、好ましくは70℃以上である。また通常180℃以下、好ましくは160℃以下である。本発明においては、上記晶析槽として、上述した芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いることが好ましい。
この液状組成物Dを溶媒と芳香族カルボン酸とに固液分離するため、固液分離装置113へ移送する。反応器111または晶析槽125と固液分離装置113との間には、ポンプ112や圧力弁を設けて適宜、液状組成物Dの圧力を調整してもよい。
固液分離装置113は液状組成物Dを芳香族カルボン酸ケーキFと母液Gとに固液分離する。固液分離は常圧、減圧、加圧のいずれでも行いうる。加圧状態で固液分離を行うと、内部エネルギーの大きいケーキFが得られ、後のケーキFの乾燥工程でケーキ付着液の蒸発を効率的に行うことができ、好ましい。
圧力は絶対圧で通常0.01MPa以上とし、好ましくは0.03MPa以上とし、より好ましくは0.05MPa以上とする。一方、圧力は通常絶対圧で20MPa以下とする。低めの圧力とすることで耐圧性がやや低い装置が使用でき、コストが節減できる。好ましくは10MPa以下とし、より好ましくは5MPa以下とし、更に好ましくは3MPa以下とし、特に好ましくは2MPa以下とする。
固液分離装置113としては公知の装置を制限なく使用しうるが、例えば、スクリーンボウルデカンター、ソリッドボウルセパレーター、ロータリー加圧フィルター、ロータリーバキュームフィルター等が挙げられる。
固液分離装置113で分離された母液Gは、通常固液分離装置113内の母液槽に一旦蓄積された後、母液タンク120に回収されるが、反応に用いた溶媒が主成分であり、溶解した芳香族カルボン酸や、未反応のアルキル芳香族化合物、触媒、副生成物、水などが含まれている。従って母液Gは反応器111へ移送して、溶媒、未反応原料、触媒を再利用するとともに、含まれる芳香族カルボン酸を反応系内に戻すと、プロセス全体の収率を上げることができ好ましい。固液分離を加圧下で行なう場合、母液Gは加圧状態を維持したまま反応器111へ移送すると再加圧ためのエネルギーが節減でき、好ましい。また、母液タンク120の温度は通常50℃以上であり、好ましくは70℃以上である。また通常190℃以下、好ましくは180℃以下である。なお、上記固液分離装置内の母液槽として、本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いてもよい。
固液分離装置113で母液Gと分離された芳香族カルボン酸ケーキFは、そのまま乾燥してもよいが、洗浄装置114で洗浄することで、不純物や副生成物、触媒等を除去でき、得られる芳香族カルボン酸の結晶の純度が高まるので好ましい。
洗浄装置114では芳香族カルボン酸ケーキFが洗浄液Iにより洗浄され、付着母液が除去され不純物濃度が低減された洗浄ケーキHが得られる。洗浄排液Jは洗浄ケーキHと分離され洗浄装置114内の洗浄排液槽に一旦蓄積された後、洗浄排液タンク121に回収することができる。洗浄排液Jには母液G同様、溶解した芳香族カルボン酸や、未反応のアルキル芳香族化合物、触媒、副生成物、水などが含まれるため、洗浄排液Jは反応器111へ移送し溶媒、未反応原料、触媒を再利用するとともに、含まれる芳香族カルボン酸を反応系内に戻すと、収率を上げることができ好ましい。洗浄を加圧下で行なう場合、洗浄排液Jは加圧状態を維持したまま反応器111へ移送すると再加圧のためのエネルギーが節減でき、好ましい。また、洗浄排液タンク121の温度は通常50℃以上であり、好ましくは70℃以上である。また通常190℃以下、好ましくは180℃以下である。なお、上記洗浄装置114内の洗浄排液槽として、本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いてもよい。
なお、工程内に副生成物や触媒などの不純物が蓄積するのを避けるため、洗浄排液Jの一部は廃棄処理工程119へ送って廃棄し、残部を反応器111へ送って再利用することが好ましい。これにより、工程内への不純物の蓄積を抑制することができる。廃棄処理工程119は、例えば溶媒蒸発工程や触媒回収工程などからなる。
また、母液タンク120と洗浄排液タンク121とをまとめて、1つの母液・洗浄排液タンクとしてもよい。その場合、反応器111への移送、溶媒、未反応原料、触媒の再利用や、廃棄処理工程へ移送しての廃棄もまとめて行うことができる。この場合も、本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を母液・洗浄排液槽として用いることができる。
以下、母液タンク120や洗浄排液タンク121に関する説明は、このような母液・洗浄排液タンクをも含むものとする。
洗浄に用いる洗浄液Iは、水や有機溶媒などを用い得、特に制約はないが、反応器111で用いる溶媒Cと相溶するものが好ましい。例えば、溶媒Cが酢酸を主成分とする溶媒である場合、洗浄液Iとしては、酢酸、水、或いは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の比較的蒸発潜熱の小さい酢酸エステル類、又はこれらの混合物を主成分とする溶媒を用いることが好ましい。溶媒Cと主成分が共通するものであると、上記のような洗浄排液Jの再利用がより行い易く、より好ましい。溶媒Cが酢酸を主成分とする溶媒である場合、洗浄液Iも酢酸を主成分とする溶媒が好ましく、酢酸を60重量%以上含む溶媒であると好ましく、70重量%以上含む溶媒であることが特に好ましい。
洗浄装置114の圧力は、固液分離装置113の圧力と同程度とすることが望ましい。
母液Gや洗浄排液Jを反応装置に移送する場合、反応装置の中のどの反応器に移送してもよい。但し、反応効率を高めるため、好ましくは最も上流の反応器に移送する。
上記固液分離及び洗浄を加圧下で行なう場合、得られた洗浄ケーキHは、好ましくは乾燥装置116により乾燥させ、ケーキに残留する付着液を除去して芳香族カルボン酸を得る。通常芳香族カルボン酸結晶Kとして得られる。乾燥装置116は1つのみでもよいし複数の同一又は異なる装置で構成されていてもよい。
乾燥装置116の種類は特に制限されないが、好ましくは、洗浄ケーキHを高圧状態から低圧状態へ移行させることで洗浄ケーキHに付着している付着液を放圧蒸発させる装置、いわゆるフラッシュ乾燥装置を含むことが好ましい。ここで放圧蒸発とは、高圧状態にある液体が、移行前の温度が移行後の圧力における沸点以上となる低圧状態へ急激に移行させられることによって、その内部エネルギーを気化熱として一部液体が蒸発することを言う。放圧蒸発を行える乾燥装置としては、例えば、高圧状態から低圧状態への抜き出しが可能なディスチャージバルブを備えた加圧乾燥装置などが挙げられる。例えば、高圧状態を保持したまま洗浄ケーキHを蓄えたケーキ保持槽から、ディスチャージバルブを開放して洗浄ケーキHをより低圧である粉体滞留槽へ抜き出す。
放圧蒸発によれば、更なるエネルギーを加えることなく洗浄ケーキHの乾燥が行えるので、放圧蒸発でできるだけ多くの付着液を蒸発させることがエネルギーコスト節減上、好ましい。
ディスチャージバルブは抜き出し方式が連続式であっても間欠式であってもよく、また乾燥装置はディスチャージバルブを1つ備えていても複数備えていてもよい。なお、ディスチャージバルブによる抜き出しの際、粉体滞留槽での洗浄ケーキH滞留量が一定となるようタイミングや回数を調整すると、安定的に工程を進行させやすく好ましい。
なお、固液分離工程と洗浄工程とを一つの装置で行える固液分離洗浄装置115(図中、破線囲みの115に相当する。)により、両工程を行ってもよい。工程を簡略化できる利点がある。このように二つの工程をまとめて行うことのできる固液分離洗浄装置115としては、スクリーンボウルデカンター(スクリーンボウル型遠心分離装置)、ソリッドボウルセパレーター、ロータリー加圧フィルター、水平ベルトフィルター、ロータリーバキュームフィルター等が挙げられる。これらの中でも、特にスクリーンボウルデカンターは耐熱性に優れ、反応器111の温度に近い高温域でも使用可能であるため好ましい。
また、固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程を一つの装置で行える固液分離洗浄乾燥装置117(図中、破線囲みの117に相当する。)により、これら3つの工程を行ってもよい。工程を簡略化できる利点がある。このような装置としては特に制限はなく、例えばスクリーンボウルデカンター、ソリッドボウルデカンターのような遠心分離機や、水平ベルトフィルター、ロータリー加圧フィルター、ロータリーバキュームフィルターなどを用いることができる。なかでもスクリーンボウルデカンターは耐熱性に優れるため好ましい。
このようにして得られる芳香族カルボン酸結晶Kの乾燥が不十分な場合は、乾燥装置116の後に加熱乾燥装置などを設け、更に乾燥を行うことが好ましい。加熱乾燥装置の種類は特に制限は無いが、乾燥効率やコスト等の点から、流動層乾燥装置(Fluidized Bed Dryer)、回転型乾燥装置(スチームチューブドライヤー等)などが好ましく用いられる。
以上のような工程により、アルキル芳香族化合物から芳香族カルボン酸が得られる。得られた芳香族カルボン酸はそのまま使用してもよいし、純度を上げるために還元工程に供してもよい。
還元工程としては、水素化精製プロセス(溶解工程、水素化工程、晶析工程、固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程等からなる)が挙げられる。水素化精製プロセスについて、図3を用いて説明する。溶解工程としては、反応器126内で、上述した工程により得られた芳香族カルボン酸結晶Kを、溶媒Lに溶解させる。あるいは予め別の溶解槽で溶解させた後、反応器126に供給してもよい。使用する溶媒Lとしては、芳香族カルボン酸結晶Kが溶解可能なものであればよく、芳香族カルボン酸結晶に化学的な変化を来たさないものが用いられる。また溶媒Lの常圧における沸点は好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、また好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは150℃以下である。下限値以上とすることで取り扱いや回収が容易となり、上限値以下とすることで後工程での固液分離、乾燥が容易となる。
溶媒Lの種類は特に限定されないが、溶解性や沸点、取り扱いやすさから、水を含むことが好ましく、例えばテレフタル酸を製造する場合には、水を主成分とすることが好ましく、より好ましくは90重量%が水、さらに好ましくは100重量%が水である溶媒が好ましい。
本プロセスでは好ましくは水素化触媒を用いる。例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、オスミウム等の8〜10族金属触媒が用いられる。中でもパラジウムが好ましい。通常、これらは活性炭等に担持させて固定床として用いる。
続いて、反応器126内に水素Wを導入し、芳香族カルボン酸結晶に含まれる不純物の少なくとも一部を還元する、水素化工程を行なう。水素化工程を行うにあたっては、芳香族カルボン酸結晶Kの常温における溶解度が小さい場合には、溶媒Lへの溶解度を高めるため、昇温することが好ましい。還元反応の温度としては、通常230℃以上、好ましくは250℃以上である。また通常330℃以下であり、好ましくは310℃以下である。また圧力については、溶媒を液体として維持するために、蒸気圧より高い圧力を必要とし、通常3MPa以上であり、好ましくは5MPa以上である。また通常20MPa以下であり、好ましくは15MPa以下、より好ましくは12MPa以下である。例えば芳香族カルボン酸としてテレフタル酸を製造する場合には、テレフタル酸結晶中に含まれる4CBAを還元してパラトルイル酸に変換する。
その後、芳香族カルボン酸を再度、必要に応じて晶析させるため、芳香族カルボン酸結晶Kが溶媒Lに溶解した液状組成物Xを晶析槽125へ移送する。晶析槽125において圧力を低下させて冷却することで、主に上記芳香族カルボン酸からなる結晶を晶析させる。晶析槽125は一つのみであるよりも、直列に複数あって晶析を多段階的に行うことが好ましい。晶析は、回分及び連続のいずれであってもよいが、通常は連続で2段以上で段階的に降圧させ、好ましくは3段以上である。また通常6段以下、好ましくは5段以下である。これにより、溶媒Lがフラッシュ蒸発し、系内の温度が低下する。例えば芳香族カルボン酸としてテレフタル酸を製造する場合、4CBAが還元されたパラトルイル酸は、水に対する溶解度がテレフタル酸より高いので、晶析では、テレフタル酸が優先的に析出する。しかし、大気圧まで降下すると、温度が100℃程度となり、パラトルイル酸が共晶するので、最終晶析圧力は、通常0.1MPa以上、好ましくは0.2MPa以上、さらに好ましくは0.3MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上である。また、圧力範囲の上限は、好ましくは3MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.7Pa以下である。なお、晶析の際発生する蒸気は、回収して芳香族カルボン酸の製造プロセスで再利用しても良い。本発明においては、上記晶析槽として、上述した芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いることが好ましい。
続いて、上記晶析工程を経た液状組成物Xを、例えば固液分離装置113で固液分離し、洗浄装置114で洗浄して乾燥させることにより、純度の高い芳香族カルボン酸結晶Yが得られる。なお、固液分離工程、洗浄工程、及び乾燥工程における方法及び装置は、上述した方法及び装置と同様とすることができる。また更なる乾燥工程を設けてもよいのも同様である。また洗浄液Tの種類等は適宜選択することができる。なお図3において、図2と同様の装置等については同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。また、固液分離装置113で分離された母液R、洗浄排液Uは、通常パラトルイル酸や触媒等、有価物を回収後、溶媒リサイクル工程、排出工程等に送られる。図3におけるQは芳香族カルボン酸ケーキ、Sは不純物濃度が低減された洗浄ケーキを示す。
本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いた芳香族カルボン酸の製造方法では、上記で示した全工程を必須とするものではなく、反応器111で芳香族カルボン酸を生成させ、固液分離装置113に移送し、芳香族カルボン酸を溶媒から分離するものであればよい。また必要に応じて上記以外の装置や配管を設けてもよい。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
図2及び3に示す装置を用いてアルキル芳香族化合物から芳香族カルボン酸を製造した。
まず反応器111にp−キシレンを導入し、酢酸に対し10重量%程度の水を含む溶媒中で、触媒存在下、空気を導入し酸化してテレフタル酸を生成させ、テレフタル酸と溶媒からなるスラリーを得た。p−キシレンに対する溶媒の量(重量)は約3倍であった。空気の供給量は、凝縮器排ガスO中の酸素濃度が3〜7容量%となるように制御した。
反応器111としては攪拌機付き反応器を用い、反応器111の温度は185〜195℃、圧力は1.0〜1.7MPa(絶対圧)とし、反応時間(滞留時間)は約1時間とした。
触媒としては酢酸コバルト、酢酸マンガン及び臭化水素を用いた。重金属原子1モルに対して臭素原子は2.5モルとし、反応溶液中の重金属濃度は、コバルトが約300ppm、マンガンが約300ppmであった。
得られたスラリーを反応器111から抜き出し追酸化反応器111’へ移送し、追酸化を1回行った。追酸化反応器111’としては攪拌機付き反応器を用い、温度は180〜194℃、圧力は0.9〜1.7MPa(絶対圧)とし、反応時間(滞留時間)は約40分〜60分とした。追酸化反応器111’への空気の供給量は、凝縮器排ガス中の酸素濃度が3〜7容量%となるように制御し、また反応器111への空気供給量の1/30(体積比)とした。
得られたスラリーを追酸化反応器111’から抜き出し、2段の中間処理槽にて連続的に晶析を行った。晶析槽125としては攪拌機付き晶析槽を用い、温度は90〜150℃、圧力は30〜200kPa(絶対圧)とし、反応時間(滞留時間)は2段の合計で約30〜60分とした。得られたスラリーを晶析槽125から抜き出し、ポンプ112によりポンプアップして、固液分離洗浄装置115である水平ベルトフィルターへ移送し、大気圧で固液分離した。この時、固液分離されたケーキの含液率は15.0%であった。このケーキを蒸気加熱源とするスチームチューブドライヤー型乾燥機にて大気圧において乾燥させた。乾燥機の出口温度は140℃、得られた粗テレフタル酸の含液率は0.1%であった。
次に上記工程で得られた粗テレフタル酸を予め水と混合し溶解させたものを水素化反応器126に連続的に供給し、また水素ガスを供給しつつ290℃、8.6MPaで還元反応を行った。水素化反応器126として図1に示すような槽体1及び放射線式液面計2を有する芳香族カルボン酸含有組成物保持槽100を用いた(但し反応器は攪拌機を備えていない)。挿入管20の放射線源21はCs−137を用い、線源強度は0.1〜80mCi、放射線源の外径は10〜30mmであった。第一保護筒22は円筒形で材質はSUS304L、厚みは3〜10mm、外径は30〜50mm、長さ900mmであった。第二保護筒23は円筒形で材質はSUS304L、厚みは3〜10mm、外径は50〜250mmであり、上部にノズル25が取り付けられている。第一保護筒と第二保護筒の間の空隙24は7〜20mmである。水素化反応器126(槽体1)の材質はハステロイであり、槽体1の外壁には放射線検知手段10及び液面測定手段30が設けられ、槽体1内の液面位置を知ることができる。
還元スラリーは4段の中間処理槽にて連続的に晶析を行った。晶析槽としては攪拌機付きの晶析槽を用い、温度を140〜270℃、圧力は0.5〜4.2MPa(絶対圧)とし、反応時間(滞留時間)は4段で90〜120分であった。得られたスラリーを晶析槽から抜き出し、ポンプによりポンプアップして、固液分離洗浄装置であるボールデカンターへ移送し、0.7〜0.75MPaで固液分離を行った。この時固液分離されたケーキの含液率は10.0%であった。このケーキを蒸気加熱源とするスチームチューブドライヤー型乾燥機にて大気圧において乾燥させた。乾燥機の出口温度は140℃、得られた高純度テレフタル酸の含液率は0.1%であった。
本装置にて連続運転を行い、放射線式液面計の挿入管の第二保護筒に腐食による穴が空くと、液状組成物が第一保護筒、第二保護筒の隙間を通って上部ノズルから検出された。反応器内部の挿入管は通常は目視できないため腐食前の早期交換の必要があり、装置停止に関わる費用等のコストが嵩んでいたが、本方法によれば、挿入管の腐食が一定程度進んだところで安全に発見できるので、挿入管の交換頻度を抑えることができ長期間安定的に運転できる。
本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽は、ポリエステルの合成原料等として有用な芳香族カルボン酸の製造方法に好適に使用することが可能であり、芳香族カルボン酸の製造プロセスにおいて、種々の工程で好適に使用可能である。
本発明の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽の一例を示す概略断面図である。 本発明の芳香族カルボン酸の製造方法の例を説明するための説明図である。 本発明の芳香族カルボン酸の製造方法における還元工程の一例を説明するための説明図である。
符号の説明
1 槽体
2 放射線式液面計
10 放射線検知手段
20 挿入管
21 放射線源
22 第一保護筒
23 第二保護筒
30 液面測定手段
100 芳香族カルボン酸含有組成物保持体
101 液状組成物

Claims (9)

  1. 芳香族カルボン酸及び溶媒を含む液状組成物を保持する槽体と、該槽体内の液面の位置を測定する放射線式液面計とを備え、
    該放射線式液面計が、
    放射線の発生源となる放射線源、該放射線源を覆う第一保護筒、及び、該第一保護筒を覆う第二保護筒を備え、該槽体の内部で放射線を発生する挿入管と、
    該槽体の外部で該放射線源から発せられた放射線を検知する放射線検知手段と、
    該放射線検知手段が放射線を検知した位置に応じて該液面の位置を測定する液面測定手段とを備える
    ことを特徴とする芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  2. 該第二保護筒内への該液状組成物の浸入を検知する損傷検知手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  3. 該損傷検知手段が、該第一保護筒と該第二保護筒との間に形成されて該液状組成物が流通しうる空隙と、
    該空隙内の該液状組成物を該槽体の外部に吐出させるノズルとを備える
    ことを特徴とする請求項2記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  4. 反応槽又は晶析槽である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  5. 該槽体の直径が3m以上であって、該槽体の壁厚み10mm以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  6. 該溶媒が酢酸または150℃以上の水を含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  7. 該槽体内の該液状組成物を攪拌する攪拌手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  8. 差圧式液面計を備える
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の芳香族カルボン酸含有組成物保持槽を用いる
    ことを特徴とする芳香族カルボン酸の製造方法。
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