JP6564381B2 - 精製芳香族カルボン酸の製造における高圧の凝縮物の生成 - Google Patents

精製芳香族カルボン酸の製造における高圧の凝縮物の生成 Download PDF

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Description

[0001]本出願は、2013年12月31日出願の米国仮出願61/922,234からの優先権の利益を主張する。
[0002]本発明は、概して精製芳香族カルボン酸の製造方法に関し、特に精製の前に粗芳香族カルボン酸を予熱するために高圧水蒸気を用いる方法に関する。
[0003]テレフタル酸(TA)および他の芳香族カルボン酸は、(例えば、それらをエチレングリコールおよび/または高級アルキレングリコールと反応させることによって)ポリエステルの製造において用いることができる。ポリエステルは、次に繊維、フィルム、容器、ボトル、他の包装材料、成形物品などを製造するために用いることができる。
[0004]商業的実施においては、芳香族カルボン酸は、水性酢酸溶媒中においてメチル置換ベンゼンおよびナフタレン供給材料を液相酸化することによって製造されている。メチル置換基の位置は、芳香族カルボン酸生成物におけるカルボキシル基の位置に対応する。例えばコバルトおよびマンガンを含む臭素で促進された(promoted)触媒の存在下において、空気または(例えば通常は気体状態の)他の酸素源物質を酸化剤として用いている。酸化は発熱性であり、これによって芳香族カルボン酸が、芳香族供給材料の部分または中間酸化生成物、および酢酸反応生成物(例えば、メタノール、酢酸メチル、および臭化メチル)などの副生成物と一緒に生成する。また、水も副生成物として生成する。
[0005]重要な用途(例えば繊維およびボトル)において用いるポリエステルを製造するためには、しばしば純粋な形態の芳香族カルボン酸が望ましい。酸中の不純物(例えば、芳香族供給材料の酸化によって生成する副生成物、より一般的には種々のカルボニル置換芳香族種)は、それから製造されるポリエステルにおける色の形成を引き起こすかおよび/またはこれと関係し、その結果としてポリエステル加工製品におけるオフカラー(off-color)をもたらすと考えられている。不純物の減少したレベルを有する芳香族カルボン酸は、上記に記載の液相酸化からの粗生成物を、1以上の漸次低下する温度および酸素レベルにおいて更に酸化することによって製造することができる。更に、結晶化中に部分酸化生成物を回収して、所望の酸生成物に転化させることができる。
[0006]減少した量の不純物を有する純粋な形態のテレフタル酸および他の芳香族カルボン酸(例えば精製テレフタル酸(PTA))は、より純度の低い形態の酸または所謂中純度生成物を、溶液中、昇温および昇圧下において、貴金属触媒を用いて接触水素化することによって製造されている。より純度の低い形態の酸としては、芳香族供給材料の液相酸化からの芳香族カルボン酸および副生成物を含む粗生成物を挙げることができる。商業的実施においては、アルキル芳香族供給材料の粗芳香族カルボン酸への液相酸化、および粗生成物の精製は、しばしば、精製のための出発材料として液相酸化からの粗生成物を用いる連続統合プロセスで行われる。
[0007]粗芳香族カルボン酸の精製は水素化によって行われている。通常は粗芳香族カルボン酸は、通常は約260℃〜約290℃の温度で運転される水素化反応器に供給する前に予熱する。かかる予熱を行う1つの方法は、高圧水蒸気との間接熱交換によるものである。高圧水蒸気は熱交換中に凝縮し、次に得られる凝縮物を減圧して低圧の凝縮物および低圧の水蒸気を形成し、これは他のプロセス工程において用いることができる。圧力降下により、減圧によって生成する低圧の水蒸気を凝縮蒸気タービンまたは他の動力回収装置に供給することによって相当量の動力を回収することが可能である。
[0008]この動力の生成にもかかわらず、高圧水蒸気の生成に関連する燃料のコストは、精製芳香族カルボン酸を製造するための方法の全変動費の一因となる。より効率的なエネルギー管理戦略によってかかる変動コストを減少させることが継続して望ましい。
[0009]本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、この概要における記述によってはいかなるようにも影響を受けない。
[0010]導入として、本発明による精製芳香族カルボン酸の製造方法は、ボイラーへ供給されるボイラー供給水から高圧水蒸気を生成させ;高圧水蒸気を用いて、粗芳香族カルボン酸を含むスラリーを加熱して、これによって高圧水蒸気を凝縮して高圧の凝縮物を形成し;粗芳香族カルボン酸の溶液を精製して、精製芳香族カルボン酸を形成する;ことを含む。ボイラー供給水は、高圧の凝縮物の少なくとも一部を含む。
[0011]本発明の他の形態は、以下の記載を考慮して明らかになるであろう。
[0012]図1は、本発明の一態様による、精製形態の芳香族カルボン酸を製造するためのプロセスフロー図を示す。 [0013]図2は、本発明の第2の態様による、精製形態の芳香族カルボン酸を製造するためのプロセスフロー図を示す。
[0014]概略の紹介として、本発明は、精製の前に粗芳香族カルボン酸を予熱する際に効率的な熱交換構成を用いる精製芳香族カルボン酸の製造方法に関する。粗芳香族カルボン酸の精製の前に予熱区域において粗芳香族カルボン酸を加熱するために、高圧水蒸気を用いる。予熱区域内における高圧水蒸気の凝縮から生成する高圧の凝縮物の少なくとも一部は、それから高圧水蒸気を生成させるボイラー供給水の少なくとも一部を与えるために再循環することができる。このプロセスは、高圧の凝縮物の圧力を降下させることを回避して、従来技術のシステムと比べて燃料の節約および全体的なエネルギーコストの減少をもたらす。このプロセスはまた、幾つかの従来技術のシステムにおいて必要な種々のより低い水蒸気圧力レベルの水蒸気を生成させるための凝縮物フラッシュドラムに関する資本支出も回避する。
[0015]第1の形態によれば、本発明による精製芳香族カルボン酸の製造方法は、ボイラーへ供給されるボイラー供給水から高圧水蒸気を生成させ;高圧水蒸気を用いて粗芳香族カルボン酸を含むスラリーを加熱して、それによって高圧水蒸気を凝縮して高圧の凝縮物を形成し;粗芳香族カルボン酸を精製して、精製芳香族カルボン酸を形成する;ことを含む。ボイラー供給水は、高圧の凝縮物の少なくとも一部を含む。
[0016]幾つかの態様においては、ボイラー供給水はまた、低圧水蒸気を用いて脱気した水のような更なる供給源からの補給(make up)ボイラー供給水も含む。幾つかの態様においては、高圧の凝縮物および補給ボイラー供給水は、ボイラー供給水をボイラーへ供給する前に混合する。他の態様においては、高圧の凝縮物および補給ボイラー供給水は、ボイラー内、例えばボイラーの水蒸気ドラム内でその場で(in situ)混合する。幾つかの態様においては、補給ボイラー供給水は、少なくともそれらの混合の前において高圧の凝縮物のものよりも低い温度である。幾つかの態様においては、高圧の凝縮物は、約250℃〜約305℃の間の温度を有し、約80bar(g)〜約120bar(g)の間の圧力でボイラーに供給される。幾つかの態様においては、補給ボイラー供給水は、約100℃〜約150℃の間の温度を有し、約80bar(g)〜約120bar(g)の間の圧力でボイラーに供給される。
[0017]幾つかの態様においては、ボイラーは気体/気体空気予熱器を含み、高圧の凝縮物および補給ボイラー供給水は、ボイラー供給水をボイラーの水蒸気ドラムに供給する前に混合する。他の態様においては、ボイラーはエコノマイザーを含み、高圧の凝縮物の一部をボイラーの水蒸気ドラムに供給し、補給ボイラー供給水は、水蒸気ドラムに導入する前にエコノマイザーに供給する。
[0018]幾つかの態様においては、本発明による精製芳香族カルボン酸の製造方法は、次の工程:(a)高圧の凝縮物の第2の部分を、結晶化器フラッシュとして用いるために結晶化区域に送ること;(b)燃焼排ガスを、ボイラーと流体連通しているボイラー排気筒から、ポリマー(polymeric)LUVO気体/気体空気予熱器のような1つまたは複数の下流の気体/気体空気予熱器を通して送ること;および/または(c)燃焼排ガスを、ボイラーと流体連通しているボイラー排気筒から、順次、下流の炭素鋼気体/気体空気予熱器、および更に下流のポリマーLUVO気体/気体空気予熱器を通して送ること;の1またはそれ以上を更に含む。幾つかの態様においては、炭素鋼気体/気体に導入される燃焼排ガスの温度は少なくとも約175℃であり、ポリマーLUVO気体/気体空気予熱器から排出される燃焼排ガスの温度は約110℃未満である。
[0019]幾つかの態様においては、ボイラー供給水に再循環される高圧の凝縮物の部分は、高圧水蒸気から形成される高圧の凝縮物の約65%〜約97%の間を示す。幾つかの態様においては、高圧の凝縮物の約3%〜約35%の間を構成する高圧の凝縮物の第2の部分を、他のプロセス工程、例えば結晶化区域に送る。
[0020]本発明による精製芳香族カルボン酸を製造するための第2のプロセスは、反応区域内において置換芳香族炭化水素を酸化して粗芳香族カルボン酸を形成し;供給されるボイラー供給水から高圧水蒸気を生成させ;加熱区域内において、高圧水蒸気の少なくとも一部を用いて粗芳香族カルボン酸を加熱して、それによって高圧水蒸気を凝縮して高圧の凝縮物を形成する;ことを含む。ボイラー供給水は、高圧の凝縮物の少なくとも一部、および幾つかの態様においては少なくとも1つの更なる供給源からの補給ボイラー供給水を含む。幾つかの態様においては、ボイラーへ再循環される高圧の凝縮物の部分は、高圧水蒸気から形成される高圧の凝縮物の約65%〜約97%を構成する。
[0021]本発明による精製芳香族カルボン酸を製造するための第3のプロセスは、反応区域内において置換芳香族炭化水素を酸化して粗芳香族カルボン酸を形成し;ボイラーに供給されるボイラー供給水から高圧水蒸気を生成させ;加熱区域内において、高圧水蒸気の少なくとも一部を用いて粗芳香族カルボン酸を加熱して、それによって高圧水蒸気を凝縮して高圧の凝縮物を形成し;そして、燃焼排ガスを、ボイラーと流体連通しているボイラー排気筒から、1つまたは複数の下流の気体/気体空気予熱器を通して送る;ことを含む。好適な予熱器としては、炭素鋼気体/気体空気予熱器、耐腐食性ポリマー空気予熱器(LUVO)気体/気体空気予熱器、およびこれらの組合せが挙げられる。ボイラー供給水は高圧の凝縮物の少なくとも一部を含み、幾つかの態様においては少なくとも1つの更なる供給源からの補給ボイラー供給水も含む。
[0022]ここで、図面を参照して本発明による精製形態の芳香族カルボン酸を製造するための上記記載の方法の更なる特徴を記載する。
[0023]エネルギーを回収し、廃棄物流を精製するための補助プロセスを伴う、置換芳香族炭化水素から精製芳香族カルボン酸を製造するための方法は、当該技術において一般的に知られており、例えば米国特許第5,723,656号明細書、米国特許第6,137,001号明細書、米国特許第7,935,844号明細書、米国特許第7,935,845号明細書、および米国特許第8,173,834号明細書においてより完全に記載されている。図1は、本発明にしたがって精製形態の芳香族カルボン酸を製造するための簡略化したプロセスフロー図を示す。図1において示すプロセスにおいて用いる液体および気体の流れおよび材料は、例えばプロセスの使用および安全性のために適当な材料から構成されている好適な移送ライン、導管、および配管を通して送って移送することができる。特定の部材を物理的に並置することができ、適当な場合には、これらは可撓性の領域、剛性の領域、または両方の組合せを有していてよいことが理解されるであろう。流れまたは化合物を送る際には、介在する装置および/または随意的な処理を含ませることができる。例として、ポンプ、バルブ、マニホールド、気体および液体流量計および分配器、サンプリングおよび検出装置、および(例えば、圧力、流れ、および他の運転パラメーターを監視、制御、調節、および転換するための)他の装置を存在させることができる。
[0024]図1に示すように実施することができるような代表的な態様においては、例として、少なくとも約99重量%の置換芳香族炭化水素供給材料を含む液体供給材料、モノカルボン酸溶媒、酸化触媒、触媒の促進剤、および空気を、流入口112のような流入口を通して酸化反応容器110に連続的に充填する。幾つかの態様においては、容器110は圧力定格連続撹拌タンク反応器である。
[0025]幾つかの態様においては、撹拌は、そのシャフトを外部動力源(図示せず)によって駆動する撹拌機120の回転によって与えることができる。シャフト上に載置され、液体内に配置されるインペラーは、液体を混合し、液体内で気体を分散させ、それによって液体の下部領域内での固体の沈降を防ぐための力を与えるように構成されている。
[0026]酸化のために好適な芳香族供給材料は、一般に、通常は製造される芳香族カルボン酸のカルボン酸基の位置に対応する1以上の位置において、カルボン酸基に酸化することができる少なくとも1つの基で置換されている芳香族炭化水素を含む。酸化可能な1つまたは複数の置換基は、メチル、エチル、またはイソプロピル基のようなアルキル基、或いはヒドロキシアルキル、ホルミル、またはケト基のような既に酸素を含む基であってよい。置換基は、同一であっても異なっていてもよい。供給材料化合物の芳香族部分はベンゼン核であってよく、或いはナフタレン核のような二環または多環式であってよい。単独または組み合わせて用いることができる有用な供給化合物の例としては、トルエン、エチルベンゼン、および他のアルキル置換ベンゼン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、トルアルデヒド類、トルイル酸類、アルキルベンジルアルコール、1−ホルミル−4−メチルベンゼン、1−ヒドロキシメチル−4−メチルベンゼン、メチルアセトフェノン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1−ホルミル−2,4−ジメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、アルキル−、ホルミル−、アシル−、およびヒドロキシメチル−置換ナフタレン、例えば2,6−ジメチルナフタレン、2,6−ジエチルナフタレン、2,7−ジメチルナフタレン、2,7−ジエチルナフタレン、2−ホルミル−6−メチルナフタレン、2−アシル−6−メチルナフタレン、2−メチル−6−エチルナフタレン、および上記の部分酸化誘導体が挙げられる。
[0027]それらに対応して置換されている芳香族炭化水素前駆体の酸化によって芳香族カルボン酸を製造するために、例えば、モノ置換ベンゼンから安息香酸、パラ二置換ベンゼンからテレフタル酸、オルト二置換ベンゼンからフタル酸、およびそれぞれ2,6−および2,7−二置換ナフタレンから2,6−または2,7−ナフタレンジカルボン酸を製造するためには、比較的純粋な供給材料、より好ましくは所望の酸に対応する前駆体の含量が少なくとも約95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、或いはそれ以上である供給材料を用いることが好ましい。一態様においては、テレフタル酸を製造するのに用いるための芳香族炭化水素供給材料は、パラキシレンを含む。
[0028]液相酸化工程において芳香族供給材料を液相反応させて芳香族カルボン酸生成物にするための溶媒は、好ましくはC〜Cモノカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、および安息香酸である低分子量モノカルボン酸を含む。
[0029]液相酸化のために用いる触媒は、芳香族供給材料の芳香族カルボン酸への酸化を触媒するのに有効な物質を含む。可溶性の触媒は、触媒、酸素ガス、および液体供給材料の間の接触を促進するので、好ましい触媒は酸化のために用いる液相反応混合物中に可溶性のものである。しかしながら、不均一系触媒または触媒成分を用いることもできる。通常は、触媒は少なくとも1種類の重金属成分を含む。好適な重金属の例としては、コバルト、マンガン、バナジウム、モリブデン、クロム、鉄、ニッケル、ジルコニウム、セリウム、またはハフニウムのようなランタニド金属が挙げられる。これらの金属の好適な形態としては、例えば、酢酸塩、水酸化物、および炭酸塩が挙げられる。好ましい触媒は、コバルト、マンガン、これらの組み合わせ、並びに1種類以上の他の金属、特にハフニウム、セリウム、およびジルコニウムとの組み合わせを含む。
[0030]好ましい態様においては、液相酸化のための触媒組成物はまた、好ましくは望ましくないタイプまたはレベルの副生成物を生成しないで触媒金属の酸化活性を促進する促進剤も含む。触媒、促進剤、および反応物質の間の接触を促進させるためには、酸化において用いる液体反応混合物中に可溶な促進剤が好ましい。ハロゲン化合物、例えば、ハロゲン化水素、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン置換炭化水素、ハロゲン置換カルボン酸、および他のハロゲン化化合物が、促進剤として通常的に用いられる。好ましい促進剤は少なくとも1種類の臭素源物質を含む。好適な臭素源物質としては、ブロモアントラセン、Br、HBr、NaBr、KBr、NHBr、臭化ベンジル、ブロモ酢酸、ジブロモ酢酸、テトラブロモエタン、二臭化エチレン、臭化ブロモアセチル、およびこれらの組み合わせが挙げられる。他の好適な促進剤としては、アセトアルデヒドおよびメチルエチルケトンのようなアルデヒドおよびケトンが挙げられる。
[0031]酸化工程の液相反応のための反応物質としてはまた、分子状酸素を含む気体が挙げられる。酸素ガスの源物質としては空気が好都合に用いられる。酸素が富化された空気、純粋な酸素、および通常は少なくとも約10体積%のレベルで分子状酸素を含む他の気体混合物もまた有用である。
[0032]置換芳香族炭化水素は、反応器110内で酸化して、粗芳香族カルボン酸および副生成物を形成する。例えば一態様においては、パラキシレンは、テレフタル酸、並びにテレフタル酸に加えて形成される可能性があり、部分および中間酸化生成物(例えば、4−カルボキシベンズアルデヒド、1,4−ヒドロキシメチル安息香酸、およびp−トルイル酸、安息香酸など、並びにこれらの組合せ)が包含される副生成物に転化する。酸化反応は発熱性であるので、反応によって生成する熱により液相反応混合物を沸騰させて、気化酢酸、水蒸気、酸化反応からの気体状副生成物、炭素酸化物、反応に充填された空気からの窒素、未反応の酸素など、並びにこれらの組合せを含む塔頂蒸気相を形成することができる。
[0033]塔頂蒸気は、排気口116を通して反応器110から取り出され、示されている態様においては高圧蒸留カラム330である分離区域に流れ111中で送られる。分離区域は、溶媒モノカルボン酸から水を分離し、溶媒に富む液相をライン331を通して反応器に戻すように構成されている。分離区域から水に富む気相がライン334を通して取り出され、例えば膨張器によってエネルギーを取り出すことによって、カラムに関する還流として用いるためかまたは精製区域若しくはプロセスの他の部分において用いるために気体流から水を凝縮することによって、並びに廃棄気体を処理することによって更に処理される。還流(図示せず)はカラム330に戻す。塔頂気体流の更なる処理およびカラム330に関する還流のオプションの例は、米国特許第5,723,656号明細書、米国特許第6,137,001号明細書、米国特許第7,935,844号明細書、米国特許第7,935,845号明細書、および米国特許第8,173,834号明細書においてより完全に記載されている。固体粗芳香族カルボン酸生成物を含む液体流出物は、液相反応混合物中でスラリー化して、スラリー流出口114を通して反応容器110から取り出して、流れ115中で固体生成物を回収するための結晶化区域に送る。
[0034]図1に示す本発明の態様においては、結晶化区域は、直列に配置され、生成物スラリーを容器152から容器156に移すために流体連通している複数の撹拌結晶化容器152および156を含む。結晶化容器内での冷却は圧力開放によって行われ、スラリーは、容器152内において約150〜190℃の範囲の温度に冷却され、次に更に容器156内において約110〜約150℃に冷却される。圧力降下から得られる蒸気を熱交換手段(図示せず)に取り出して、フラッシングした蒸気から水蒸気を生成させるために、1以上の結晶化容器を、それぞれ例えば154および158において排気する。容器152のような1以上の上流の結晶化容器から熱交換手段に取り出される蒸気は、好ましくは凝縮して、水、酢酸溶媒、および可溶性生成物、並びに酸化の副生成物を含む液体凝縮物を、例えば156における1以上の下流の結晶化容器に送って、1以上の上流の容器からのフラッシングした蒸気に導入されてそれから凝縮される粗芳香族カルボン酸および酸化副生成物のような結晶化可能な成分を回収することができる。
[0035]結晶化容器156は、モノカルボン酸溶媒および水を含む酸化からの母液中の粗芳香族カルボン酸および酸化副生成物を含む固体生成物のスラリーを結晶化容器から受容して、液体からテレフタル酸および副生成物を含む粗固体生成物を分離するように構成されている固液分離装置190と流体連通している。分離装置190は、遠心分離器、ロータリー真空フィルター、または加圧フィルターである。本発明の好ましい態様においては、分離装置は、フィルターケーキ中の母液を加圧下において水を含む洗浄液で容積式(positive displacement)で溶媒交換するように構成されている加圧フィルターである。分離から得られる酸化母液は、母液ドラム192に送るために流れ191中で分離装置190から排出される。母液の大部分は、母液中に溶解しているかまたは微細固体粒子として存在している酢酸、水、触媒、および酸化反応副生成物を液相酸化反応に戻すために、ドラム192から酸化反応器110に送る。粗固体生成物、および供給材料の酸化副生成物を含む不純物は、中間の乾燥および貯蔵を行うかまたは行わないで、流れ197中で、分離装置190から精製溶液補給容器202に移送される。粗固体生成物は、補給容器202内において、その全部または少なくとも一部、好ましくはその約60〜約100重量%が反応器110からカラム330へ取り出される蒸気相中の水および酢酸のオフガス分離からの第2の液相および酸化の副生成物を含む精製反応溶媒中でスラリー化する。用いる場合には、新鮮な脱塩水、または下記に議論するように、精製テレフタル酸生成物の結晶化において圧力降下から得られる蒸気から凝縮される液体のような好適な再循環流のような補給溶媒を、容器204から補給タンク202に送ることができる。補給タンク内のスラリー温度は、好ましくは約80〜約100℃である。
[0036]粗芳香族カルボン酸生成物は、補給タンク202内において例えば約260〜約290℃に加熱することによって、およびそれが精製反応器210に送られる間に1以上の熱交換器206を含む加熱区域を通過させるによって溶解して、精製反応溶液を形成する。反応器210においては、精製反応溶液を、好ましくは約85〜約95bar(g)の範囲の圧力下、水素化触媒の存在下で水素と接触させる。
[0037]精製水素化反応において用いるのに好適な触媒は、酸化中間体および副生成物、および/または芳香族カルボニル種のような不純芳香族カルボン酸生成物中の不純物を水素化するための触媒活性を有する1種類以上の金属を含む。触媒金属は、好ましくは、水中に不溶で、精製プロセス条件下で芳香族カルボン酸と非反応性である担体材料上に支持または担持される。好適な触媒金属は、パラジウム、白金、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、およびこれらの組み合わせなどの、元素周期律表(IUPAC版)の第VIII族の金属である。パラジウム、またはパラジウムを含むかかる金属の組み合わせが最も好ましい。数百または数千m/gの表面積、および運転条件下での長時間の使用のために十分な強度および耐摩耗性を有する炭素および活性炭が好ましい担体である。金属装填量は重要ではないが、実際的に好ましい装填量は、担体および1種類または複数の触媒金属の合計重量を基準として約0.1重量%〜約5重量%である。不純芳香族カルボン酸生成物中に存在する不純物を転化させるために好ましい触媒は、約0.1〜約3重量%、より好ましくは約0.2〜約1重量%の水素化金属を含む。1つの特定の態様においては、金属はパラジウムを含む。
[0038]精製液体反応混合物の一部を、水素化反応器210から流れ211で結晶化容器220に連続的に取り出して、ここで、液体上への圧力を低下させることによって精製芳香族カルボン酸生成物および減少したレベルの不純物を反応混合物から結晶化させる。容器220内で形成される精製芳香族カルボン酸および液体の得られるスラリーを、流れライン221で固液分離装置230に送る。結晶化中に圧力降下によって得られる蒸気は、冷却のための熱交換器(図示せず)に通すことによって凝縮して、得られる凝縮液は、例えば好適な移送ライン(図示せず)を通して精製供給流補給タンク202への再循環流としてプロセスに再び送ることができる。精製芳香族カルボン酸生成物は、流れ231で固液分離装置230から排出される。固液分離装置は、遠心分離器、ロータリー真空フィルター、加圧フィルター、またはこれらの1以上の組み合わせであってよい。
[0039]固液分離器230内でそれから固体の精製芳香族カルボン酸生成物が分離された精製母液は、水、少量の溶解および懸濁している芳香族カルボン酸生成物、並びに母液中に溶解または懸濁している水素化酸化副生成物などの不純物を含む。精製母液は、流れ233で廃水処理施設に送ることができ、或いは、米国特許第5,723,656号明細書、米国特許第6,137,001号明細書、米国特許第7,935,844号明細書、米国特許第7,935,845号明細書、および米国特許第8,173,834号明細書においてより完全に記載されているように、カラム330への還流として用いることができる。
[0040]上記で議論したように、粗芳香族カルボン酸生成物は、熱交換器206を有する加熱区域内で加熱される。1つの熱交換器が示されているが、熱交換器206の上流の予熱器などの複数の熱交換器を加熱区域に含ませることができることが当業者に認識される。一態様においては、熱交換器は、その中で粗芳香族カルボン酸をライン402によって供給される高圧水蒸気で間接接触加熱することによって加熱するチューブ・シェル型交換器である。
[0041]高圧水蒸気402はボイラー404によって生成される。一態様においては、ボイラー404は、Lincoln, NebraskaのCleaver-Brooksから入手できる標準的なタイプDネブラスカボイラーである。ボイラー404は、複数の上昇管および下降管410によって接続されている水蒸気ドラム406および泥ドラム(mud drum)408を含む。ボイラー供給水は、ライン412を通して水蒸気ドラム406中に導入される。ボイラー供給水は、水蒸気ドラム406の圧力を僅かに超える圧力、および供給圧力に対して過冷却の温度において、液体として供給される。水蒸気ドラム406に導入されるボイラー供給水の密度は、水蒸気ドラム406内の2相の液/蒸気水混合物の密度と比べて高い。この密度勾配によって、導入されるより高い密度の液体が、下降管410を通して下向きに下側の泥ドラム408中に流れ、次により低い密度の2相の水混合物が、上昇管410中を泥ドラム408から水蒸気ドラム406中に上向きに流されるので、サーモサイホン効果が促進される。高圧水蒸気は、ライン402を通して水蒸気ドラム406から取り出す。腐食性物質の蓄積を回避するために、水蒸気ドラムに導入されるボイラー供給水412の約1%〜3%の割合で、ライン414を通して不純物を有する水を含む底部排出水を泥ドラム408から取り出す。ボイラー404のための燃焼熱源(図示せず)を与えるために、ライン416を通して天然ガスのような燃料を注入し、ライン418を通して空気のような酸素源物質を導入する。
[0042]ボイラー供給水412は、熱交換器206のシェル側において高圧水蒸気402を凝縮することによって形成される高圧の凝縮物419の少なくとも一部を含む。一態様においては、熱交換器206から排出される高圧の凝縮物419は、凝縮物419に近接する圧力に維持されているフラッシュドラム420中に導入して、ライン422を通して残留している水蒸気を除去する。422は、プロセスの他の部分(図示せず)において用いることができる。高圧の凝縮物の一部は、プロセスの他の部分において用いるためにライン424を通して排出することができるが、フラッシュドラム420から排出される高圧の凝縮物の少なくとも一部は、過冷却し、ポンプ423によって更に加圧した後に、ボイラー供給水412として用いるために再循環する。一態様においては、熱交換器206内で生成する高圧の凝縮物の少なくとも65重量%、または少なくとも97重量%以下を、ボイラー供給水412として用いるために再循環する。
[0043]一態様においては、補給ボイラー供給水は、それらを混合する前に高圧の凝縮物よりも低い温度である。一態様においては、高圧の凝縮物は、約250℃〜約305℃の間の温度を有し、約80bar(g)〜約120bar(g)の間の圧力でボイラーに供給される。一態様においては、補給ボイラー供給水は、約100℃〜約150℃の間の温度を有し、約80bar(g)〜約120bar(g)の間の圧力でボイラーに供給される。
[0044]一態様においては、ボイラー供給水412はまた、少なくとも1つの他の供給源からの水も含む。図1に示す態様においては、ボイラー供給水412は、再循環された高圧の凝縮物426、およびトレイタイプの脱気装置430から供給されてポンプ435によって加圧された補給供給水428を含む。ライン432を通して脱イオン水を脱気装置430中に導入し、ライン434を通して低圧の水蒸気を脱気装置430中導入する。脱気装置430は、補給供給水428から溶解酸素および他の溶解ガスを除去する。一態様においては、補給供給水428をボイラー404中に導入する前に、エコノマイザー436内において、ボイラー404からの燃焼排ガスによって補給供給水428を予熱する。示されている態様においては、ボイラー供給水412をボイラー404中に導入する前に、補給供給水428を再循環された高圧の凝縮物426と混合する。
[0045]一態様においては、エコノマイザー436から排出される燃焼排ガスは、排気筒438を通して送って、排気筒の頂部を通して放出することができる。他の態様においては、排気筒438は、更なる処理のため、例えば燃焼排ガスを冷却して燃焼排ガス流出口温度を低下させるために、燃焼排ガスの少なくとも一部を迂回させるためのダンパー440を含む。燃焼排ガスの少なくとも一部、一態様においては実質的に全部を、1以上の気体/気体予熱器450、452を含む空気予熱区域に送る。図1に示す態様においては、燃焼排ガスは、ライン448を通して気体/気体予熱器450中に導入され、次にライン454を通して気体/気体予熱器452中に送られた後に、ライン456を通して排気筒438に戻される。燃焼排ガスによって、ライン458を通して気体/気体予熱器452中に供給される新しい空気、および気体/気体予熱器452から排出されてライン460を通して気体/気体予熱器450中に導入される加温された空気が加熱される。
[0046]一態様においては、第1の気体/気体予熱器450から排出される燃焼排ガス454の一部を、ライン462を通して新しい空気供給流中に導入する。空気供給流中において燃焼排ガスの一部を用いることによって、排気筒438から排出される気体のNO放出量が低下する。一態様においては、燃焼排ガスの0.1%〜20%を、ライン462を通して空気供給流に再循環する。
[0047]一態様においては、気体/気体予熱器450および452は、約200℃以下の温度安定性を維持しながら燃焼排ガスの露点に至るまで耐腐食性である高グレードのポリマー材料または炭素鋼材料のような耐腐食性材料で構成することができる。好適な気体/気体予熱器としては、オランダのHeatMatrixによって販売されている空気予熱器(LUVO)気体/気体空気予熱器が挙げられる。一態様においては、気体/気体予熱器450は炭素鋼LUVO気体/気体予熱器であり、気体/気体予熱器452は高グレードポリマーLUVO気体/気体予熱器である。
[0048]図2は、本発明による精製形態の芳香族カルボン酸を製造するための簡略化したプロセスフロー図の他の態様を示す。この態様においては、エコノマイザーを気体/気体予熱器502の代わりに用いている。新しい空気供給流を、ライン504を通して気体/気体予熱器502中に導入して、ここでボイラー404からの燃焼排ガスとの間接的接触によって予熱する。一態様においては、新しい空気供給流504は、排気筒438から排出される燃焼排ガスの一部と混合する。燃焼排ガスの一部を排気筒から迂回させて、新しい空気供給流504と混合する。一態様においては、燃焼排ガスの0.1%〜20%を空気供給流に再循環する。燃焼排ガスを再循環することによって、空気供給流の温度を上昇させながらNO放出量が低下する。図2に示す態様においては、補給供給水508を再循環された高圧の凝縮物412と混合する前に、補給供給水508を熱交換器510によって予熱することができる。
[0049]図1および2に示す代表的な態様は、高圧の凝縮物を圧力解放する従来のシステムと比べて、エネルギーコストの全体的な減少を与えるように構成されている。
[0050]本明細書において引用する全ての特許および非特許刊行物の全ての内容は参照として本明細書中に包含するが、本明細書と矛盾する開示または定義の場合には、本明細書中の開示または定義が優先される。
[0051]上記の詳細な説明および添付の図面は説明および例示の目的で与えるものであり、添付の特許請求の範囲を限定することは意図しない。ここに示す現在好ましい態様における多くのバリエーションは、当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等範囲内に包含される。
[0052]添付の特許請求の範囲において示す部材および特徴を異なるように組み合わせて、これも同様に本発明の範囲内に含まれる新しい請求項を形成することができると理解すべきである。而して、下記の添付の従属請求項は単一の独立請求項または従属請求項のみに従属しているが、これらの従属請求項は、或いは代わりに任意の先行する請求項(独立請求項であっても従属請求項であっても)に従属させることができ、かかる新しい組合せは本発明の一部を形成すると理解されることを理解すべきである。
[発明の態様]
[1]
ボイラーに供給されるボイラー供給水から高圧水蒸気を生成させ;
加熱区域内において、高圧水蒸気を用いて粗芳香族カルボン酸を加熱して、それによって加熱区域内において高圧水蒸気を凝縮して高圧の凝縮物を形成し;そして
粗芳香族カルボン酸を精製して、精製芳香族カルボン酸を形成する;
ことを含み;
ボイラー供給水は高圧の凝縮物の少なくとも一部を含む、精製芳香族カルボン酸の製造方法。
[2]
反応区域内において、置換芳香族炭化水素を酸化して粗芳香族カルボン酸を形成することを更に含む、[1]の方法。
[3]
ボイラー供給水は、少なくとも1つの更なる供給源からの補給水を更に含む、[1]の方法。
[4]
ボイラー供給水をボイラーに供給する前に、高圧の凝縮物および補給ボイラー供給水を混合する、[3]の方法。
[5]
補給ボイラー供給水は、それらを混合する前の高圧の凝縮物よりも低い温度である、[3]の方法。
[6]
高圧の凝縮物は、約250℃〜約305℃の間の温度、および約80bar(g)〜約120bar(g)の間のボイラーへの供給圧力を有し、補給ボイラー供給水は、約100℃〜約150℃の間の温度、および約80bar(g)〜約120bar(g)の間のボイラーへの供給圧力を有する、[5]の方法。
[7]
ボイラーへの空気供給流を燃焼排ガスによって予熱することを更に含む、[1]の方法。
[8]
補給ボイラー供給水をボイラー燃焼排ガスによって予熱する、[1]の方法。
[9]
高圧の凝縮物のボイラーへの供給水は、加熱区域において形成される高圧の凝縮物の約65%〜約97%の間を構成する、[1]の方法。
[10]
少なくとも1つの気体/気体空気予熱器は、ポリマー空気予熱器(LUVO)気体/気体空気予熱器を含む、[7]の方法。
[11]
燃焼排ガスを、ボイラーと流体連通しているボイラー排気筒から、順次、下流の炭素鋼気体/気体空気予熱器、および更に下流のポリマーLUVO気体/気体空気予熱器を通して送ることを更に含む、[1]の方法。
[12]
芳香族カルボン酸は、テレフタル酸を含む、[1]の方法。

Claims (12)

  1. ボイラーに供給されるボイラー供給水から高圧水蒸気を生成させ;
    高圧水蒸気を用いた熱交換によって粗芳香族カルボン酸を加熱して、それによって高圧水蒸気を凝縮して高圧の凝縮物を形成し;そして
    水素化触媒の存在下で水素と接触させること、および、任意に、水素化された芳香族カルボン酸を結晶化することによって、粗芳香族カルボン酸を精製して、精製芳香族カルボン酸を形成する;
    ことを含み;
    ボイラー供給水は高圧の凝縮物の少なくとも一部を含む、精製芳香族カルボン酸の製造方法。
  2. 反応区域内において、置換芳香族炭化水素を酸化して粗芳香族カルボン酸を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. ボイラー供給水は、少なくとも1つの更なる供給源からの補給水を更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. ボイラー供給水をボイラーに供給する前に、高圧の凝縮物および補給水を混合する、請求項3に記載の方法。
  5. 補給水は、それらを混合する前の高圧の凝縮物よりも低い温度である、請求項3に記載の方法。
  6. 高圧の凝縮物は、250℃〜305℃の間の温度、および80bar(g)〜120bar(g)の間のボイラーへの供給圧力を有し、補給水は、100℃〜150℃の間の温度、および80bar(g)〜120bar(g)の間のボイラーへの供給圧力を有する、請求項5に記載の方法。
  7. ボイラーへの空気供給流を燃焼排ガスによって予熱することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 補給水は、ボイラー燃焼排ガスによって予熱される、請求項3に記載の方法。
  9. ボイラーへの供給水は、加熱区域において形成される高圧の凝縮物の65%〜97%の間を構成する、請求項1に記載の方法。
  10. 空気供給流が気体/気体空気予熱器によって予熱され、かつ、少なくとも1つの気体/気体空気予熱器は、ポリマー空気予熱器(LUVO)気体/気体空気予熱器を含む、請求項7に記載の方法。
  11. 燃焼排ガスを、ボイラーと流体連通しているボイラー排気筒から、順次、下流の炭素鋼気体/気体空気予熱器、および更に下流のポリマーLUVO気体/気体空気予熱器を通して送ることを更に含み、ボイラーへの空気供給流は、燃焼排ガスによって、これらの気体/気体空気予熱器において予熱される、請求項1に記載の方法。
  12. 芳香族カルボン酸は、テレフタル酸を含む、請求項1に記載の方法。
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