JP2016111863A - ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤーハーネス及びワイヤーハーネスの製造方法 Download PDF

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博 須藤
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Abstract

【課題】その延在方向に沿って延在方向全体に亘る切れ目が形成されていない管状の部材をワイヤーハーネスの分岐部分に取り付けることができる技術を提供することを目的とする。【解決手段】ワイヤーハーネス10は、管状に形成されたチューブ本体部22を備え、チューブ本体部22の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブ20と、少なくとも1本の電線を含む第1電線群12と、少なくとも1本の電線を含む第2電線群14とを備える。第1電線群12は、チューブ20に挿通され、一方側端部が少なくとも3つの開口のうちの第1開口から外部に延出すると共に他方側端部が少なくとも3つの開口のうちの第2開口側に延びる。第2電線群14は、チューブ20に挿通され、一方側端部が少なくとも3つの開口のうちの第3開口から外部に延出すると共に他方側端部が第2開口側に延びる。【選択図】図1

Description

この発明は、ワイヤーハーネスの分岐部分を保護する技術に関する。
ワイヤーハーネスの分岐部分を保護する技術が例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載のワイヤーハーネスの分岐用プロテクタは、分岐部分に形状記憶樹脂シートの収縮方向両端部に、その端部同士を相互に連結する係止部を設けるとともに、分岐側ワイヤーハーネスを通す貫通孔となる切り欠き凹部を形成して成るとされている。
特開平3−261317号公報
しかしながら、特許文献1に記載のワイヤーハーネスの分岐用プロテクタでは、シート状の部材を筒状にするため、その延在方向に沿って延在方向全体に亘る切れ目が形成されているため切れ目から電線がはみ出し、電線をかみ込む恐れがあった。
そこで、本発明は、その延在方向に沿って延在方向全体に亘る切れ目が形成されていない管状の部材をワイヤーハーネスの分岐部分に取り付けることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネスは、管状に形成されたチューブ本体部を備え、前記チューブ本体部の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブと、少なくとも1本の電線を含み、前記チューブに挿通され、一方側端部が前記少なくとも3つの開口のうちの第1開口から外部に延出すると共に他方側端部が前記少なくとも3つの開口のうちの第2開口側に延びる第1電線群と、少なくとも1本の電線を含み、前記チューブに挿通され、一方側端部が前記少なくとも3つの開口のうちの第3開口から外部に延出すると共に他方側端部が前記第2開口側に延びる第2電線群と、を備える。
第2の態様に係るワイヤーハーネスは、第1の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記チューブは、熱収縮チューブである。
第3の態様に係るワイヤーハーネスは、第1又は第2の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記チューブ本体部は、凸部と凹部とが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブ状に形成されている。
第4の態様に係るワイヤーハーネスは、第1〜第3のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記チューブ本体部は、扁平状に形成されている。
第5の態様に係るワイヤーハーネスは、第1〜第4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記少なくとも3つの開口のうち前記チューブ本体部の長手方向中間部分に形成される開口は、その内周縁部が滑らかに連続する環状に形成されている。
第6の態様に係るワイヤーハーネスは、第1〜第5のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記チューブと前記電線とが前記チューブの内部の少なくとも一部で接着剤により固定されている。
第7の態様に係るワイヤーハーネスは、第6の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記接着剤が前記チューブの内部の前記電線同士の間及び前記電線と前記チューブとの間の隙間を満たしている。
第8の態様に係るワイヤーハーネスは、第1〜第7のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記第1電線群を構成する前記電線のうち前記第1開口から外部に延びる側とは反対側の端部と、前記第2電線群を構成する前記電線のうち前記第3開口から外部に延びる側とは反対側の端部とが共に接続され、前記第2開口から外部に露出する端子をさらに備える。
第9の態様に係るワイヤーハーネスは、第8の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記チューブのうち前記第2開口の内周縁部が前記端子のうち前記第1電線群を構成する前記電線及び前記第2電線群を構成する前記電線が接続される部分よりも先端側まで被せられている。
第10の態様に係るワイヤーハーネスは、第9の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記電線は、芯線の外周に被覆が形成され、前記チューブのうち前記第1開口の内周縁部が前記第1電線群を構成する前記電線の被覆に被せられると共に、前記チューブのうち前記第3開口の内周縁部が前記第2電線群を構成する前記電線の被覆に被せられている。
第11の態様に係るワイヤーハーネスは、第1〜第8のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記第1電線群の前記他方側端部及び前記第2電線群の前記他方側端部がチューブのうち前記第2開口から外部へ延出している。
第12の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、管状に形成されたチューブ本体部を備え、前記チューブ本体部の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブに対して、(a)少なくとも1本の電線を含む第1電線群が前記少なくとも3つの開口のうちの第1開口から外部に延出するように第1電線群を前記少なくとも3つの開口のうちの第2開口から前記チューブの内部に挿通し、前記第1開口から外部に出す工程と、(b)少なくとも1本の電線を含む第2電線群を、前記第2開口から前記チューブの内部に挿通し、前記少なくとも3つの開口のうちの第3開口から外部に出す工程と、を備える。
第1〜第11の態様に係るワイヤーハーネスによると、チューブ本体部の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブを備えるため、チューブに形成された少なくとも3つの開口を用いて電線を挿通することで、その延在方向に沿って延在方向全体に亘る切れ目が形成されていない管状の部材をワイヤーハーネスの分岐部分に取り付けることができる。
特に、第2の態様に係るワイヤーハーネスによると、チューブが、熱収縮チューブであるため、チューブに電線を通した後、チューブに熱をかけて収縮させることで、電線を挿通しやすく、かつ、電線とチューブとの間に隙間が形成されにくい。
特に、第3の態様に係るワイヤーハーネスによると、チューブ本体部が、凸部と凹部とが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブ状に形成されているため、チューブの保護性能を向上させることができる。
特に、第4の態様に係るワイヤーハーネスによると、チューブ本体部が、扁平状に形成されているため、車両においてワイヤーハーネスを配設する隙間が狭くても、ワイヤーハーネスを配設することができる。
特に、第5の態様に係るワイヤーハーネスによると、少なくとも3つの開口のうちチューブ本体部の長手方向中間部分に形成される開口が、その内周縁部が滑らかに連続する環状に形成されているため、チューブ本体部が中間部分に形成された開口の内周縁部から裂けることを抑制することができる。
特に、第6の態様に係るワイヤーハーネスによると、チューブと電線とがチューブの内部の少なくとも一部で接着剤により固定されているため、電線の経路規制をすることができる。また、チューブと電線との間に隙間がある場合でも電線ががたつくことを抑制することができる。
特に、第7の態様に係るワイヤーハーネスによると、接着剤がチューブの内部の電線同士の間及び電線とチューブとの間の隙間を満たしているため、チューブ内部の水密性を向上させることができる。
特に、第8の態様に係るワイヤーハーネスによると、第1電線群を構成する電線のうち第1開口から外部に延びる側とは反対側の端部と、第2電線群を構成する電線のうち第3開口から外部に延びる側とは反対側の端部とが共に接続され、第2開口から外部に露出する端子をさらに備える。この場合、2つの電線群に離れる方向に力が加わった場合でも、チューブが設けられることで電線が端子から外れにくい。
特に、第9の態様に係るワイヤーハーネスによると、チューブのうち第2開口の内周縁部が端子のうち第1電線群を構成する電線及び第2電線群を構成する電線が接続される部分よりも先端側まで被せられているため、端子と電線への接続部分への水かかりを抑制することができる。
特に、第10の態様に係るワイヤーハーネスによると、電線は、芯線の外周に被覆が形成され、チューブのうち第1開口の内周縁部が第1電線群を構成する電線の被覆に被せられると共に、チューブのうち第3開口の内周縁部が第2電線群を構成する電線の被覆に被せられているため、電線のうち端子と接続されるために皮剥ぎされ、芯線が露出する部分がすべてチューブ内に収まることで芯線同士の隙間又は芯線と被覆との間の隙間から水等が被覆内に浸入することを抑制することができる。
特に、第11の態様に係るワイヤーハーネスによると、第1電線群の他方側端部及び第2電線群の他方側端部がチューブのうち第2開口から外部へ延出しているため、第1電線群と第2電線群とを分岐させつつ保護することができる。
第12の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法によると、管状に形成されたチューブ本体部を備え、チューブ本体部の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブに対して、(a)少なくとも1本の電線を含む第1電線群が少なくとも3つの開口のうちの第1開口から外部に延出するように、第1電線群を少なくとも3つの開口のうちの第2開口からチューブの内部に挿通し、第1開口から外部に出す工程と、(b)少なくとも1本の電線を含む第2電線群を、第2開口からチューブの内部に挿通し、少なくとも3つの開口のうちの第3開口から外部に出す工程と、を備えるため、その延在方向に沿って延在方向全体に亘る切れ目が形成されていない管状の部材をワイヤーハーネスの分岐部分に取り付けることができる。
第1実施形態に係るワイヤーハーネスを示す平面図である。 チューブを示す斜視図である。 チューブに中間開口を形成する方法の一例を示す説明図である。 チューブに中間開口を形成する方法の一例を示す説明図である。 実施形態に係るワイヤーハーネスの製造方法の一工程を示す説明図である。 実施形態に係るワイヤーハーネスの製造方法の一工程を示す説明図である。 第2実施形態に係るワイヤーハーネスを示す平面図である。 第2実施形態の変形例に係るワイヤーハーネスを示す平面図である。 チューブの変形例を示す斜視図である。 チューブの変形例を示す斜視図である。 チューブの別の変形例を示す斜視図である。
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10について説明する。図1は、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10を示す平面図である。図2は、チューブ20を示す斜視図である。
ワイヤーハーネス10は、チューブ20と、第1電線群12と、第2電線群14とを備える。第1電線群12と第2電線群14との分岐部分にチューブ20が被せられている。さらにここでは、ワイヤーハーネス10は、端子50を備える。
ここで、本明細書中において分岐と枝分かれについて以下のように定義し、両者を区別して用いる。即ち、本明細書中において、分岐とは、1つの方向から延びる複数の部材が途中で複数の方向に分かれることを言い、1つの方向に延びている部分では、複数の部材が結合されているかは問わない。つまり、分岐の場合、複数の部材のうち1つの方向に延びている部分では、それぞれの部材が独立して存在していることもあり得る。これに対して、本明細書中において、枝分かれとは、1つの部材が途中で複数の部材に分かれることを言う。つまり、本明細書中では、枝分かれしている部材であっても、枝分かれ後の複数の部材が同方向に延びている場合は、分岐しているものとはみなさない。そして、本明細書中で分岐部分とは、複数の部材のうち方向を異にする部分のことを言う。なお、両端開口したチューブ20において複数の部材が一方の開口から他方の開口に向かって延びているような場合、複数の部材がそれぞれ延びる方向に多少の角度のずれがあっても同方向とみなすものとする。
図1及び図2に戻って、チューブ20は、管状に形成されたチューブ本体部22を備える。チューブ本体部22の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つ(ここでは、3つ)の開口が形成されている。ここでは、3つの開口は、チューブ本体部22の両端部とチューブ本体部22の長手方向中間部分とに形成されている。以降、この3つの開口のうち、チューブ本体部22の両端部に形成されたものをそれぞれ第1端部開口24及び第2端部開口26と称し、中間部分に形成されたものを中間開口28と称する。チューブ本体部22の内部には空間が広がっており、各開口24,26,28は、外部空間とこのチューブ本体部22の内部空間とを結ぶ入口又は出口ととらえることもできる。なお、少なくとも3つの開口のうち端部に形成される開口は1つ以下であることもあり得る。
ここでは、チューブ20は、加熱により収縮する熱収縮チューブである。このため、収縮前のチューブ20は、収縮後のチューブ20よりも大きいことによって、チューブ20に形成される開口も、収縮後よりも収縮前の方が大きい。これにより、収縮前のチューブ20に電線を通した後、収縮させる工程を採用することで、電線を通しやすくなり、且つ、電線とチューブ20との間の隙間が小さくなる。もっとも、チューブ20が熱収縮チューブであることは必須ではなく、チューブとして、熱収縮しないチューブが採用されてもよい。
チューブ本体部22は、その長手方向に直交する面に沿って切断した断面が円状に形成されている。もっとも、チューブ本体部22は、その断面が楕円状、長円状又は後述する変形例に係るチューブ220のチューブ本体部222のように角形状に形成されていてもよい。ここで、楕円とは、数学的な楕円を指し、長円とは、数学的な楕円以外の一方が他方より長い円状(例えば、1対の半円の間に直線部分が設けられている、いわゆる陸上競技のトラックのような形状)を指すものとする。
チューブ本体部22には、その延在方向に沿った切れ目であって、その延在方向全体に亘って存在する切れ目は形成されていない。このため、ここでは、チューブ本体部22のうち中間開口28が形成されていない部分については、周方向で隙間なく連続している。
また、ここでは、チューブ本体部22は、その表面に凹凸のない平らな管状に形成されている。もっとも、チューブ本体部22は、その表面に凹凸のある、例えば、コルゲートチューブ形状を呈する管状に形成されていてもよい。チューブ本体部22がコルゲートチューブ状を呈する管状に形成されているものについては、詳しくは後述する。
第1端部開口24は、チューブ本体部22の長手方向一方側端部に形成されている。第2端部開口26は、チューブ本体部22の長手方向他方側端部に形成されている。ここでは、第1端部開口24及び第2端部開口26の中心軸方向はチューブ本体部22の中心軸方向と一致している。また、第1端部開口24及び第2端部開口26の内周縁部は、チューブ本体部22の内周面と長手方向に連続しており、チューブ本体部22を塞いでいない。もっとも、第1端部開口24又は第2端部開口26の内周縁部が、チューブ本体部22の一部を塞いでいることもあり得る。第1端部開口24及び第2端部開口26は、チューブ本体部22をその長手方向に直交する面に沿って切断することなどによって形成される。
中間開口28は、チューブ本体部22の長手方向中間部分に形成されている。中間開口28は、その内周縁部が滑らかに連続する環状(ここでは、円環状)に形成されている。もっとも、中間開口28は、その内周縁部が滑らかに連続する環状に形成されていることは必須ではない。例えば、中間開口28は、角形状などの形状を呈するように形成されていてもよい。また、中間開口28は、その内周縁部が滑らかに連続する環状に形成されている場合でも円環状に形成されていることは必須ではなく、その内周縁部が、楕円の環状、長円の環状又は角形状などの形状を呈するように形成されていてもよい。
ここで、チューブ本体部22に中間開口28を形成する方法の一例について説明する。図3及び図4は、チューブ20に中間開口28を形成する方法の一例を示す説明図である。
ここでは、パンチ70を用いて中間開口28を穿孔している。具体的には、図3及び図4のように、チューブ本体部22のうち長手方向中間部分で開口を形成したい部分を押しつぶした状態で、パンチ70にセットする。ここでは、パンチ70の刃72は円柱状に形成され、パンチ70は、円形の孔を開けられるものを用いている。パンチ70にセットする際、図4のように、押しつぶしたチューブ本体部22の幅方向端縁部をパンチ70の刃72の中心軸Cまでセットする。この状態で、パンチ70の刃72を押し下げることにより、押しつぶされたチューブ本体部22の幅方向端部に、平面視で半円状の孔が穿孔される。あとは、チューブ本体部22を押しつぶされた状態から元の状態に戻すことで、管状のチューブ本体部22の長手方向中間部分に円環状の中間開口28が形成される。
なお、刃72の形状が異なるパンチ70を採用することで、中間開口28の形状を変えることができる。例えば、パンチの刃として角柱状の刃を採用することで、方形状の中間開口を形成することができる。
もっとも、中間開口28の形成方法は上記したものに限られない。例えば、中間開口28は、カッター等でチューブ本体部22をくりぬくようにして形成されていてもよい。また、中間開口28が形成されるようにチューブ20が金型を用いて成形されてもよい。
また、ここでは、中間開口28は1つだけ形成されているが、中間開口28は複数形成されていることもあり得る。
また、熱収縮チューブは、熱収縮前の熱収縮チューブを製造する際に、通常、チューブ本体部22をその内部空間が大きくなるように引き伸ばす工程が含まれる(詳しくは、後述するチューブの変形例で詳述する)が、ここでは、熱収縮前のチューブ本体部であって引き伸ばした後のチューブ本体部に中間開口28を形成している。もっとも、熱収縮前のチューブ本体部を製造する際に、引き伸ばす前のチューブ本体部に開口を形成してもよい。
収縮前のチューブ20の各開口及びチューブ本体部22の内径は、後述する第1電線群12及び第2電線群14を構成する電線12a,14aにそれぞれ接続されるコネクタ13,15と同じかそれよりも大きく設定されていることが好ましい。また、収縮後のチューブ20の各開口の内径は、第1電線群12、第2電線群14及び後述する端子50に密着可能な内径に設定されていることが好ましい。
なお、ここでは、熱収縮チューブとして、径方向に3分の1から6分の1程度になるまで収縮可能なものを用いている。なお、熱収縮チューブは、延在方向にも収縮するものであってもよいし、延在方向には収縮しないものであってもよい。しかしながら、熱収縮チューブは、延在方向にはなるべく収縮しないものが好ましい。ここでは、熱収縮チューブとして、延在方向に、10パーセント程度収縮するものを用いている。もっとも、熱収縮チューブがどの程度収縮可能かは、任意に設定されればよい。また、熱収縮チューブは、電線群の周囲に設けられた状態で最大限まで収縮していないこともあり得る。
第1電線群12は、少なくとも1本の電線を含む。ここでは、第1電線群12は、1本の電線12aで構成されているものとして説明する。第1電線群12は、チューブ20に挿通されている。
第1電線群12の一方側端部は、ここでは、第1端部開口24から外部に延出している。また、第1電線群12の一方側端部は、コネクタ13に接続されている。
第1電線群12の他方側端部は、ここでは、第2端部開口26側に延びている。また、第1電線群12の他方側端部は、端子50に接続されている。この際、第1電線群12の他方側端部は、チューブ20内に収まっている。
第2電線群14は、少なくとも1本の電線を含む。ここでは、第2電線群14は、1本の電線14aで構成されているものとして説明する。第2電線群14は、チューブ20に挿通されている。
第2電線群14の一方側端部は、ここでは、中間開口28から外部に延出している。また、第2電線群14の一方側端部は、第1電線群12の一方側端部が接続されるコネクタ13とは別のコネクタ15に接続されている。
第2電線群14の他方側端部は、ここでは、第2端部開口26側に延びている。また、第2電線群14の他方側端部は第1電線群12の他方側端部が接続される端子50と同じ端子50に接続されている。この際、第2電線群14の他方側端部は、チューブ20内に収まっている。
ここで、第1電線群12及び第2電線群14を構成する電線12a,14aについて説明する。
電線12a,14aは、芯線12b,14bの外周に樹脂が押出被覆等されることで被覆12c,14cが形成された構成とされている。電線12a,14aの端部には端子、コネクタ等が設けられ、車両等の配設対象箇所に配設された状態で、車両等に搭載された各種電気機器同士を電気的に接続するものとして用いられる。なお、ワイヤーハーネス10には、光ファイバ等が電線12a,14aに沿って配設されていてもよい。また、電線としては、被覆が形成されていない電線が採用されることもあり得る。
端子50は、金属等、導電性を有する材料により形成され、電線12a,14aと他の部材とを電気的に接続する。端子50は、ここでは、アース用に用いられる。また、ここでは、端子50は電線12a,14aに圧着されている。具体的には、端子50は、接続部52と電線接合部54とを含む。より具体的には、ここでは、端子50として、長尺平板の長手方向一方端部側に貫通孔53が形成されると共に長手方向他方端部側に一対の起立部55が形成されている。貫通孔53を用いてブラケット等の固定相手にねじ止めされることで端子50が固定相手に固定されると共に電気的に接続される。つまり、当該貫通孔53及びその内周縁部が端子50の接続部52とされている。また、電線12a,14aの端部では被覆12c,14cが皮剥ぎされることで芯線12b,14bが露出している。この露出している芯線12b,14bを巻き込むように、一対の起立部55が平板に向かって倒されることで端子50が電線12a,14aに固定されるとともに、端子50と電線12a,14aとが電気的に接続される。つまり、一対の起立部55及びその間の平板が端子50の電線接合部54とされている。
もっとも、ここでは、接続部52がねじ止めされるものとして説明したが、接続部は、例えば、接続ピンを接続相手に設けられた凹部に挿し込むなど、ねじ止め以外の構成も考えられる。
また、端子50が電線12a,14aに圧着により接合されるものとして説明したが、端子50は電線12a,14aに溶着又ははんだ付け等、他の接合方法により接合されていることもあり得る。
また、端子50が電線12a,14aに圧着されている場合でも、端子50には、接続部52から離れる方向に沿って複数対の起立部55が形成されていることもあり得る。この場合、少なくとも一対の起立部55が露出している芯線12b,14bを巻き込むように倒されていればよく、電線12a,14aの被覆12c,14c部分を巻き込むように倒される起立部55があってもよい。
このように、端子50に2つの電線群が接続され、当該2つの電線群12,14が分岐する際に、2つの電線群12,14に離れる方向に力が加わった場合でも、分岐部分にチューブ20が設けられることで電線群12,14同士が離れにくくなることによって、電線12a,14aが端子50から外れにくい。
ここでは、端子50のうち接続部52と電線接合部54との間の部分までチューブ20が被されている。つまりチューブ20のうち第2端部開口26の内周縁部が端子50のうち第1電線群12を構成する電線12a及び第2電線群14を構成する電線14aが接続される部分よりも先端側まで被せられている。これにより、電線接合部54がチューブ20内に収まり、電線接合部54に直接水等がかかることを抑制することができる。このため、例えば、電線の芯線がアルミニウムを材料として形成されると共に端子が銅を含む材料で形成されている場合など、端子と芯線とが異種金属で形成されている場合でも、端子と芯線との接合部に水等がかかって腐食が発生することを抑制することができる。
また、ここでは、チューブ20のうち第1端部開口24の内周縁部が第1電線群12を構成する電線12aの被覆12cに被せられると共に、チューブ20のうち中間開口28の内周縁部が第2電線群14を構成する電線14aの被覆14cに被せられている。このため、露出している芯線12b,14b部分がすべてチューブ20内に収められている。これにより、芯線12b,14b同士の隙間又は芯線12b(14b)と被覆12c(14c)との間の隙間から水等が被覆12c,14c内に浸入することを抑制することができる。
さらにここでは、チューブ20のうち第1端部開口24の内周縁部が第1電線群12を構成する電線12aの被覆12cに密着すると共に、チューブ20のうち中間開口28の内周縁部が第2電線群14を構成する電線14aの被覆14cに密着している。また、チューブ20のうち第2端部開口26の内周縁部が端子50のうち第1電線群12を構成する電線12a及び第2電線群14を構成する電線14aが接続される部分よりも先端側部分に密着している。これにより、チューブ20内部の水密性が高まる。
チューブ20と電線12a,14aとは、チューブ20の内部の少なくとも一部で接着剤により固定されている。さらにここでは、接着剤がチューブ20の内部に配設される各部材の間の隙間及び各部材とチューブ20との間の隙間を満たしている。具体的には、接着剤がチューブ20の内部の電線12a,14a同士の間及び電線12a,14aとチューブ20との間の隙間を満たしている。また、接着剤がチューブ20の内部の端子50と電線12a,14aとの間及び端子50とチューブ20との間の隙間を満たしている。
接着剤としてここでは、熱可塑性を有する樹脂を主成分として熱をかけて軟化させた後常温で固体に戻る、いわゆるホットメルト型の接着剤(以降、単にホットメルトと称する)が用いられている。もっとも、用いられる接着剤としては、ホットメルトに限られるものではない。接着剤として、例えば、水分や溶剤の揮発により硬化するもの、紫外線を照射することで硬化するものなど、種々の接着剤を用いることができる。しかしながら、ホットメルトを採用することにより、ホットメルトを予めチューブ20内に設けておいた場合でも、電線12a,14aの挿通の際に接着剤が電線12a,14aに付着しにくい。そして、電線12a,14aを挿通後、加熱してから冷却することで、ホットメルトが一旦軟化して電線12a,14aの外周に付着した後硬化し、電線12a,14aとチューブ20とを固定することができる。
この際、ここでは、チューブ20として熱収縮チューブが用いられているので、チューブ20を収縮させるためにチューブ20を加熱する際にチューブ20内の温度がホットメルトの軟化点以上になるまで加熱することにより、チューブ20の収縮とホットメルトの軟化とを同時に行うことができる。
さらに、チューブ20として熱収縮チューブが用いられていると、チューブ20が収縮することによりチューブ20内の空間が小さくなる。このため、ホットメルトを電線12a,14a挿通前に予めチューブ20内に設けておいた場合でも、ホットメルトが加熱され軟化する際に、チューブ20内の各部材同士の間の隙間及びチューブ20と各部材との間の隙間を満たしやすい。
チューブ20と電線12a,14aとがチューブ20の内部の少なくとも一部で接着剤により固定されていることにより、電線12a,14aの経路規制を行うことができる。また、電線12a,14aとチューブ20との間に接着剤が設けられていると、接着剤が緩衝の役割も果たすと考えられるため、電線12a,14aを保護する性能を向上させることができる。また、電線12a,14aとチューブ20との間に隙間がある場合でも、電線12a,14aががたつくことを抑制することができる。経路規制を目的とする場合、経路規制したい部分(例えば、開口周辺など)により近い位置で接着剤によりチューブ20と電線12a,14aとが固定されていると、より効果的である。また、がたつき抑制を目的とする場合、チューブ20内の複数箇所でチューブ20と電線12a,14aとが固定されていると、より効果的である。ここでは、チューブ20内に接着剤が満たされているため、経路規制、緩衝機能及びがたつき抑制の効果が高まると考えられる。
さらに、接着剤がチューブ20の内部に配設される各部材の間の隙間及び各部材とチューブ20との間の隙間を満たしていることにより、チューブ20の水密性を高めることができる。具体的には、開口からの水の浸入及び開口からチューブ20内に浸入した水がチューブ20内を通って他の開口から出ることを抑制することができる。
もっとも、チューブ20と電線12a,14aとが接着剤により固定されていることは必須ではなく、接着剤が設けられていない場合もあり得る。この場合、チューブ20と電線12a,14aとがテープ等で固定されていることが好ましい。
なお、ここでは、チューブ20は直線状を呈しているが、チューブ20はその延在方向に沿った中間部分で曲がっていてもよい。この場合、チューブ20自体が曲がって形成されている場合もあり得るし、直線状に形成されたチューブ20が曲げられる場合もあり得る。直線状に形成されたチューブ20が曲げられる場合としては、例えば、上記接着剤によりチューブ20が曲げられた状態が維持される場合などが考えられる。より詳細には、ここでは、接着剤としてホットメルトが採用されているため、ホットメルトを加熱して軟化させた後、ホットメルトを固化させるために冷却する際に、チューブ20を曲げた状態で冷却することで、ホットメルトが硬化した後もチューブ20が曲がった状態で維持される。
また、ここでは、2つの電線群が第2端部開口26に向かって延びているが、2つの電線群が中間開口28に向かって延びている場合もあり得る。2つの電線群が中間開口28に向かって延びている場合については、後述する第2実施形態の変形例で詳述する。
<製造方法>
次に、実施形態に係るワイヤーハーネスの製造方法について説明する。図5及び図6は、実施形態に係るワイヤーハーネスの製造方法の一工程を示す説明図である。ここでは、上記ワイヤーハーネス10を製造する工程を例にとり説明する。
まずは、管状に形成されたチューブ本体部22を備え、チューブ本体部22の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブ20と、少なくとも1本の電線を含む第1電線群12と、少なくとも1本の電線を含む第2電線群14とを準備する。
具体的には、ここでは、チューブ本体部22の長手方向一方側端部に第1端部開口24が形成され、長手方向他方側端部に第2端部開口26が形成され、長手方向中間部分に中間開口28が形成されたチューブ20を用意する。また、チューブ20として熱収縮チューブを用意し、チューブ20内には、予めホットメルトが設けられている。また、第1電線群12は1本の被覆12cを有する電線12aで構成され、当該電線12aの一方側端部にはコネクタ13が設けられ、他方側端部は被覆12cが剥がされ露出した芯線12bが端子50に接続されている。また、第2電線群14は1本の被覆14cを有する電線14aで構成され、当該電線14aの一方側端部には第1電線群12を構成する電線12aが接続されたコネクタ13とは別のコネクタ15が設けられ、他方側端部は被覆14cが剥がされ露出した芯線14bが第1電線群12を構成する電線12aが接続された端子50と同じ端子50に接続されている。
次に、図5のように、第1電線群12が少なくとも3つの開口のうちの第1開口から外部に延出するように第1電線群12を少なくとも3つの開口のうちの第2開口からチューブ20の内部に挿通し、第1開口から外部に出す(工程(a))と共に、第2電線群14を、第2開口からチューブ20の内部に挿通し、少なくとも3つの開口のうちの第3開口から外部に出す(工程(b))。
具体的には、ここでは、第1電線群12を、第2端部開口26からチューブ20の内部に挿通し、第1端部開口24から外部に出すと共に、第2電線群14を、第2端部開口26からチューブ20の内部に挿通し、中間開口28から外部に出す。
より具体的には、ここでは、第1電線群12をコネクタ13が設けられている側の端部からコネクタ13と共に第2端部開口26からチューブ20の内部に挿通し、第1端部開口24から外部に出す。また、第2電線群14をコネクタ15が設けられている側の端部からコネクタ15と共に第2端部開口26からチューブ20の内部に挿通し、中間開口28から外部に出す。
この際、ここでは、収縮前のチューブ20の各開口24,26,28及びチューブ本体部22の内径は、収縮後の内径よりも大きいためチューブ20にコネクタ13,15を通しやすい。特にここでは、収縮前のチューブ20の各開口24,26,28及びチューブ本体部22の内径がコネクタ13,15と同じかそれよりも大きく設定されているため、チューブ20にコネクタ13,15を通しやすい。もっとも、チューブの各開口及びチューブ本体部の内径がコネクタ13,15よりも小さく設定されていることもあり得る。この場合、チューブの各開口及びチューブ本体部の内径を広げることでコネクタ13,15を通しやすくなる。
電線12a,14aをチューブ20内に挿通したら、チューブ20のうち第1開口24(ここでは、第1端部開口24)の内周縁部を、第1電線群12を構成する電線12aの被覆12cに被せる。また、チューブ20のうち第3端部開口(ここでは、中間開口28)の内周縁部を、第2電線群14を構成する電線14aの被覆14cに被せる。また、チューブ20のうち第2開口26(ここでは、第2端部開口26)の内周縁部を、端子50のうち第1電線群12を構成する電線12a及び第2電線群14を構成する電線14aが接続された電線接合部54よりも先端側に被せる。
次に、図6のように、チューブ20及びホットメルトを加熱する。ここでは、外部に設けられたヒーター、又は、熱風を発生させることができる熱風器等の加熱装置80により、チューブ20に対して外側から加熱している。ここでは、熱収縮チューブが熱収縮可能であり、ホットメルトが軟化可能な温度であって、熱収縮チューブが溶融する温度よりも低い温度で加熱する。
そして、チューブ20が所望の寸法まで収縮する又は所定の時間加熱する等の条件をクリアしたら加熱をやめ、ホットメルトが硬化するまでホットメルトを冷却する。この際、空冷或いは水冷などの冷却手段を用いて冷却してもよいし、自然冷却でもよい。また、チューブ20の形状を曲げるなど変更したい場合などは、ホットメルトが硬化する際に所望の形状を形作ったうえで硬化させることで、硬化後も所望の形状に維持される。
そして、ホットメルトが硬化することで、実施形態に係るワイヤーハーネス10が完成となる。
実施形態に係るワイヤーハーネス10によると、チューブ本体部22の長手方向に沿って間隔をあけるように3つの開口24,26,28が形成されたチューブ20を備えるため、チューブ20に形成された3つの開口24,26,28を用いて電線12a,14aを挿通することで、その延在方向に沿って延在方向全体に亘る切れ目が形成されていない管状の部材をワイヤーハーネス10の分岐部分に取り付けることができる。これにより、切れ目の部分で電線12a,14aをかみ込むことを抑制することができる。また、切れ目を閉じるためのテープ或いはロック構造等が不要となる。
また、チューブ20は、熱収縮チューブであるため、チューブ20に電線12a,14aを通した後、チューブ20に熱をかけて収縮させることで、電線12a,14aを挿通しやすく、かつ、電線12a,14aとチューブ20との間に隙間が形成されにくい。また、異なるサイズの電線に対して適用する場合でも、収縮度合いを変えることで対応可能となる。より詳細には、例えば、異なるサイズの電線に対してそれぞれ、チューブを密着させる場合でも、小さいサイズの電線に密着可能に収縮できる熱収縮チューブを大きいサイズの電線にも適用することで、大きいサイズの電線にも密着させることができる。このため、1種類のチューブで複数サイズの電線に適用することができる。また、電線に密着するまで、チューブ20を熱収縮させることで、ワイヤーハーネス10を小型化できる。また、熱収縮させると、通常、収縮前よりも厚みが大きくなるため、チューブ20が電線12a,14aを保護する性能が高まる。
また、3つの開口24,26,28のうちチューブ本体部22の長手方向中間部分に形成される開口(ここでは、中間開口28)が、その内周縁部が滑らかに連続する環状に形成されているため、チューブ本体部22が中間部分に形成された開口の内周縁部から裂けることを抑制することができる。
また、チューブ20と電線12a,14aとがチューブ20の内部の少なくとも一部で接着剤により固定されているため、電線12a,14aの経路規制をすることができる。また、接着剤が緩衝機能を果たすと考えられるため、接着剤が設けられた部分において電線12a,14aを保護する性能を高めることができる。また、チューブ20と電線12a,14aとの間に隙間がある場合でも電線12a,14aががたつくことを抑制することができる。
また、接着剤がチューブ20の内部の電線12a,14a同士の間、電線12a,14aとチューブ20との間の隙間及び端子50と電線12a又はチューブ20との間の隙間を満たしているため、チューブ20内部の水密性を向上させることができる。また、経路規制、緩衝及びがたつき抑制の各機能性を向上させることができる。
また、第1電線群12を構成する電線12aのうち第1開口(ここでは、第1端部開口24)から外部に延びる側とは反対側の端部と、第2電線群14を構成する電線14aのうち第3開口(ここでは、中間開口28)から外部に延びる側とは反対側の端部とが共に接続され、第2開口(ここでは、第2端部開口26)から外部に露出する端子50をさらに備える。この場合、2つの電線群に離れる方向に力が加わった場合でも、チューブ20が設けられることで電線12a,14aが端子50から外れにくい。
また、チューブ20のうち第2開口(ここでは、第2端部開口26)の内周縁部が端子50のうち第1電線群12を構成する電線12a及び第2電線群14を構成する電線14aが接続される部分よりも先端側まで被せられているため、端子50と電線12a,14aへの接続部分への水かかりを抑制することができる。
この際、チューブ20のうち第1開口(ここでは、第1端部開口24)の内周縁部が第1電線群12を構成する電線12aの被覆12cに被せられ、チューブ20のうち第3開口(ここでは、中間開口28)の内周縁部が第2電線群14を構成する電線14aの被覆14cに被せられているため、電線12a,14aのうち端子50と接続されるために皮剥ぎされ、芯線12b,14bが露出する部分がすべてチューブ20内に収まることで芯線12b,14b同士の隙間又は芯線12b,14bと被覆12c,14cとの間の隙間から水等が被覆12c,14c内に浸入することを抑制することができる。
特に、端子と電線との周囲をモールドすることにより電線接合部周辺の止水を図るものの場合、モールドするための金型を用意する必要が有り、また、当該金型は、端子と電線との組み合わせのサイズごとに異なるものを用意する場合が有った。これに比べ、実施形態に係るワイヤーハーネス10では、モールドするための金型が不要となるので、金型を準備するコストを抑えることができる。
また、実施形態に係るワイヤーハーネスの製造方法によると、管状に形成されたチューブ本体部22を備え、チューブ本体部22の長手方向に沿って間隔をあけるように3つの開口24,26,28が形成されたチューブ20に対して、少なくとも1本の電線を含む第1電線群12が3つの開口24,26,28のうちの第1開口(ここでは、第1端部開口24)から外部に延出するように、第1電線群12を3つの開口24,26,28のうちの第2開口(ここでは、第2端部開口26)からチューブ20の内部に挿通し、第1開口24から外部に出す工程(a)と、少なくとも1本の電線を含む第2電線群14を、第2開口26からチューブ20の内部に挿通し、3つの開口24,26,28のうちの第3開口(ここでは、中間開口28)から外部に出す工程(b)と、を備えるため、その延在方向に沿って延在方向全体に亘る切れ目が形成されていない管状の部材をワイヤーハーネス10の分岐部分に取り付けることができる。
{第2実施形態}
次に、第2実施形態に係るワイヤーハーネス110について説明する。図7は、第2実施形態に係るワイヤーハーネス110を示す平面図である。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する(以下の変形例についても同様)。
第2実施形態に係るワイヤーハーネス110では、第1電線群12の他方側端部及び第2電線群14の他方側端部がチューブ20のうち第2端部開口26から外部へ延出している。これにより、複数の電線群を分岐させつつ保護することができる。さらに、分岐させたい位置をより自由に設定することができる。より詳細には、例えば、接着剤等で固定される前のチューブ20の位置を第1電線群12の長手方向に沿ってずらすことで、第1電線群12に対して、第2電線群14が分岐する位置を変更することができる。
また、ここでは、第1電線群12と第2電線群14とがチューブ20の内部で枝分かれ及び分岐している。そして、第1電線群12の他方側端部及び第2電線群14の他方側端部のうち第2端部開口26から外部へ延出している部分は、テープ巻等により結束され、電線束として一体とされている。
また、第1電線群12及び第2電線群14はそれぞれ複数本の電線12a,14aで構成され、当該複数本の電線12a,14aは、束ねられ第1電線群12及び第2電線群14はそれぞれ電線束となっている。
このようなワイヤーハーネス10によると、第1電線群12の他方側端部及び第2電線群14の他方側端部がチューブ20のうち第2端部開口26から外部へ延出しているため、分岐させつつ保護することができる。また、分岐させたい位置をより自由に設定することができる。この際、第1電線群12及び第2電線群14をチューブ20の内部で枝分かれさせつつ分岐部分を保護することもできる。
{ワイヤーハーネスの変形例}
図8は、第2実施形態に係るワイヤーハーネス110の変形例を示す平面図である。変形例に係るワイヤーハーネス210では、第1電線群12の一方側端部が第1端部開口24から外部へ延出すると共に第2電線群14の一方側端部が第2端部開口26から外部へ延出している。そして、第1電線群12の他方側端部及び第2電線群14の他方側端部が中間開口28から外部へ延出している。
なお、このように2つの電線群12,14が3つの開口24,26,28のうちチューブ20の長手方向に沿って真ん中に位置する開口(ここでは、中間開口28)に向かって延びるように2つの電線群12,14を配設する際に、2つの電線群12,14は、共に当該真ん中の開口28から外部へ延出している、若しくは、チューブ20の内部で1つの部材に接続されていることが好ましい。
このようなワイヤーハーネス210によると、チューブ20の軸方向に沿って第1電線群12及び第2電線群14が共に延在することを抑制することができる。また、1つの端部開口から2つの電線群が出ることを抑制することができることにより、チューブ20の両端の端部開口24,26を通過する電線群12,14の径の差が小さくなる。これらにより、より径の小さいチューブ20を採用することができることによってワイヤーハーネス210の軽量化につながる。
{チューブの変形例}
図9は、チューブ20の変形例を示す斜視図である。変形例に係るチューブ120は、凸部123aと凹部123bとが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブ状に形成されている。ここでは、変形例に係るチューブ120は、熱収縮チューブであり、熱収縮後のチューブ120がコルゲートチューブ状を呈する。図9は、変形例に係るチューブ120の熱収縮後の状態を示す斜視図である。図10は、変形例に係るチューブ120の熱収縮前の状態を示す斜視図である。ここで、熱収縮前のチューブについて、収縮後のチューブと区別が必要な場合、チューブ120Aと称する。もっとも、チューブ120は熱収縮チューブでない場合もあり得る。
図9及び図10に示されるように、熱収縮前のチューブ120Aのチューブ本体部122Aは凹凸のない通常の円管状を呈し、熱収縮後のチューブ120のチューブ本体部122がコルゲートチューブ状を呈する。もっとも熱収縮前のチューブ本体部122Aも凹凸状を呈していることもあり得る。この場合、熱収縮前のチューブ本体部122Aの凸部の突出寸法は、熱収縮後のチューブ本体部122の凸部123aの突出寸法よりも抑えられている。
なお、ここでは、凸部123a及び凹部123bは、それぞれ長手方向に直交する面で切断した断面が円形環状に形成されているがこのことは必須ではない。凸部及び凹部の断面形状は、楕円状であってもよいし、多角形状であってもよい。
このような熱収縮前のチューブ120Aは、例えば以下のようにして製造される。即ち、架橋可能な重合体を含む樹脂を材料として、凸部123aと凹部123bとが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブを製造する。適用可能な重合体としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体に類するポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
あとは、通常の円管状の熱収縮チューブと同様に、上記コルゲートチューブを架橋処理するとともに、架橋処理されたコルゲートチューブをその内部空間が大きくなるように引き伸ばす。架橋処理を行うことで、架橋構造がコルゲートチューブの形状を記憶する。架橋後に引き伸ばすことにより、チューブが、コルゲートチューブの形状を記憶した架橋構造を含んだまま径の大きい筒形状に引き伸ばされた状態で固化し、熱収縮前のチューブ120Aとなる。ここで、架橋処理としては、電子線照射のほか、その他の放射線照射または化学的処理などが考えられる。また、チューブを引き伸ばすには、チューブを加熱して軟化させつつ、チューブの内部に気体を供給する方法のほか、バキューム成形または拡大治具を用いる方法などが考えられる。
このようなチューブ120によると、チューブ本体部122が、凸部123aと凹部123bとが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブ状に形成されているため、電線12a,14aを保護するチューブ120の保護性能を向上させることができる。また、チューブ本体部122を曲げやすい。
図11は、チューブ20の別の変形例を示す斜視図である。
変形例に係るチューブ220は、チューブ本体部222が扁平状に形成されている。これにより、車両においてワイヤーハーネスのうちチューブ220を含む部分を配設する隙間が狭くても、ワイヤーハーネスを配設することができる。
具体的には、ここでは、チューブ本体部222の断面が長方形状に形成されている。もっとも、扁平であれば、チューブ本体部222の断面は、楕円形、長円形又はその他の角形状であってもよい。また、チューブ本体部は、扁平なコルゲートチューブ状を呈していることも考えられる。
そして、中間開口28が、チューブ本体部222のうち幅方向に延びる面に形成されている。もっとも、中間開口28は厚み方向に延びる面に形成されていてもよい。また、このように、チューブ本体部222の断面が角形状に形成されている場合、中間開口28は、図11のように1つの面内に形成されていてもよいし、2つ以上の面に及ぶように角を含む部分に形成されていてもよい。
当該チューブ220も熱収縮チューブである。このような扁平状のチューブ220も、上記コルゲートチューブ状のチューブ120と同様に製造することができる。即ち、架橋可能な重合体を含む樹脂を材料として、扁平なチューブを製造する。あとは、上記コルゲートチューブと同様に、扁平なチューブに架橋処理するとともに、架橋処理されたチューブをその内部空間が大きくなるように引き伸ばす。この際、チューブは図9のような円管状に引き伸ばされてもよいし、縦横の比を一定にして断面が相似となるように引き伸ばされてもよい。
もっとも、チューブが、コルゲートチューブ状に形成される場合及び扁平状に形成される場合でも、チューブが熱収縮チューブでない場合もあり得る。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10,110,210 ワイヤーハーネス
12 第1電線群
12a 電線
14 第2電線群
12a,14a 電線
20,120,220 チューブ
22,122,222 チューブ本体部
24 第1端部開口
26 第2端部開口
28 中間開口
50 端子
52 接続部
54 電線接合部
80 加熱装置

Claims (12)

  1. 管状に形成されたチューブ本体部を備え、前記チューブ本体部の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブと、
    少なくとも1本の電線を含み、前記チューブに挿通され、一方側端部が前記少なくとも3つの開口のうちの第1開口から外部に延出すると共に他方側端部が前記少なくとも3つの開口のうちの第2開口側に延びる第1電線群と、
    少なくとも1本の電線を含み、前記チューブに挿通され、一方側端部が前記少なくとも3つの開口のうちの第3開口から外部に延出すると共に他方側端部が前記第2開口側に延びる第2電線群と、
    を備える、ワイヤーハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記チューブは、熱収縮チューブである、ワイヤーハーネス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記チューブ本体部は、凸部と凹部とが長手方向に沿って交互に連続するコルゲートチューブ状に形成されている、ワイヤーハーネス。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記チューブ本体部は、扁平状に形成されている、ワイヤーハーネス。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記少なくとも3つの開口のうち前記チューブ本体部の長手方向中間部分に形成される開口は、その内周縁部が滑らかに連続する環状に形成されている、ワイヤーハーネス。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記チューブと前記電線とが前記チューブの内部の少なくとも一部で接着剤により固定されている、ワイヤーハーネス。
  7. 請求項6に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記接着剤が前記チューブの内部の前記電線同士の間及び前記電線と前記チューブとの間の隙間を満たしている、ワイヤーハーネス。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記第1電線群を構成する前記電線のうち前記第1開口から外部に延びる側とは反対側の端部と、前記第2電線群を構成する前記電線のうち前記第3開口から外部に延びる側とは反対側の端部とが共に接続され、前記第2開口から外部に露出する端子をさらに備える、ワイヤーハーネス。
  9. 請求項8に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記チューブのうち前記第2開口の内周縁部が前記端子のうち前記第1電線群を構成する前記電線及び前記第2電線群を構成する前記電線が接続される部分よりも先端側まで被せられている、ワイヤーハーネス。
  10. 請求項9に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記電線は、芯線の外周に被覆が形成され、
    前記チューブのうち前記第1開口の内周縁部が前記第1電線群を構成する前記電線の被覆に被せられると共に、前記チューブのうち前記第3開口の内周縁部が前記第2電線群を構成する前記電線の被覆に被せられている、ワイヤーハーネス。
  11. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスであって、
    前記第1電線群の前記他方側端部及び前記第2電線群の前記他方側端部がチューブのうち前記第2開口から外部へ延出している、ワイヤーハーネス。
  12. 管状に形成されたチューブ本体部を備え、前記チューブ本体部の長手方向に沿って間隔をあけるように少なくとも3つの開口が形成されたチューブに対して、
    (a)少なくとも1本の電線を含む第1電線群が前記少なくとも3つの開口のうちの第1開口から外部に延出するように第1電線群を前記少なくとも3つの開口のうちの第2開口から前記チューブの内部に挿通し、前記第1開口から外部に出す工程と、
    (b)少なくとも1本の電線を含む第2電線群を、前記第2開口から前記チューブの内部に挿通し、前記少なくとも3つの開口のうちの第3開口から外部に出す工程と、
    を備える、ワイヤーハーネスの製造方法。
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