JP2015073414A - 接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】段差部を被覆する場合でも熱収縮の際のチューブの位置ずれが抑制され、本来被覆に必要な長さの接着剤付熱収縮チューブを用いた場合でも被覆したい部分をより確実に被覆することができる、接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法を提供する。【解決手段】小径部、大径部及びそれらの境界部に段差部を有する被覆対象物の前記段差部を含む表面に接着剤付熱収縮チューブを被せ、さらに前記接着剤付熱収縮チューブの前記大径部を覆っている部分及び接着剤付熱収縮チューブにより覆われていない前記大径部に、前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より低い収縮開始温度を有し、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも大きい内径を有する低温収縮型熱収縮チューブを被せた後、加熱して前記接着剤付熱収縮チューブ及び低温収縮型熱収縮チューブを熱収縮させる接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法。【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤付熱収縮チューブによる線材や板状物等の被覆方法に関する。より具体的には、表面に段差がある被覆対象物、例えば電線やケーブル等の線材や板状物の、当該段差部に接着剤付熱収縮チューブを被せ、熱収縮させて当該段差部及びその近傍を被覆する被覆方法に関する。
内面に接着剤を付けた接着剤付熱収縮チューブを用いれば、電線やケーブルのジョイント部や端末部等の被覆対象部に当該チューブを被せて加熱し熱収縮させる、との容易な操作で被覆対象部に密着した強固な被覆を形成することができる。そこで、自動車・電子機器のハーネスジョイント部やハーネス端末部の絶縁被覆、防水保護、機械的保護等に、接着剤付熱収縮チューブを使用した被覆が行われており、特許文献1等で開示されている。
しかし、自動車・電子機器のハーネスジョイント部やハーネス端末部には、電線が剥き出しにされた部分とシース等により電線が被覆された部分との間等、段差が形成されている場合が多い。このような段差のある部分(段差部)を、接着剤付熱収縮チューブを使用して被覆する場合、熱収縮時にチューブの位置ずれが生じやすく、その結果被覆したい部分が被覆されない問題が生じる場合もある。
図4〜6は、接着剤付熱収縮チューブを使用して段差部を被覆するときの位置ずれ発生の様子を模式的に示す断面図である。図中の1はハーネス等の被覆対象のケーブルであり、電線11と絶縁体であるシース12とからなる。13はシース12の末端に形成された段差である。
図4は段差部(段差13とその両側近傍)に接着剤付熱収縮チューブ21を被せた熱収縮前の状態を示し、図5は熱収縮途中の状態を示し、図6は熱収縮完了後の状態の一例を示している。接着剤付熱収縮チューブ21が熱収縮するとき、チューブ21を図5中の矢印に示す方向に移動させる力が生じる。硬化前の接着剤は潤滑作用を有するので、チューブ21は矢印に示す方向に滑り、位置ずれを生じてシース12が被覆される面積は小さくなる。
すなわち、図5に示すように、熱収縮前にチューブ21によりカバーされていた部分の一部のみが被覆され、他の部分には接着剤23だけが残る。極端な場合は、図6に示すように、チューブ21はシース12の表面を外れるまで滑り移動するように位置ずれが生じ、段差13は被覆されなくなる。
特開2000−129042号公報
このような熱収縮による位置ずれが生じた場合でも段差部の充分な被覆を確保するため、従来は、接着剤付熱収縮チューブ21を長くして、熱収縮前のチューブ21を被せる部分をより長くする方法も行われていた。しかし、当該段差部の位置によっては構造的に、例えば他の部材の存在により、充分な長さで被せることができない場合がある。又、接着剤付熱収縮チューブ21の長さを、本来被覆に必要な長さより長くするため、コスト的にも不利である。
本発明は、図4〜6に示されるケーブルのような段差部を有する被覆対象物の当該段差部を被覆する場合でも、熱収縮の際の接着剤付熱収縮チューブの位置ずれが抑制され、被覆したい部分の長さと同じ長さのチューブを用いた場合でも、被覆したい部分をより確実に被覆することができる接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法を提供することを課題とする。
本発明は、
小径部、大径部及び前記小径部と大径部との境界部に段差部を有する被覆対象物を、接着剤付熱収縮チューブにより被覆する方法であって、
前記段差部を含む被覆対象物の表面に接着剤付熱収縮チューブを被せ、さらに
前記接着剤付熱収縮チューブの前記大径部を覆っている部分及び接着剤付熱収縮チューブにより覆われていない前記大径部に、前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より低い収縮開始温度を有し、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも大きい内径を有する低温収縮型熱収縮チューブを被せた後、加熱して前記接着剤付熱収縮チューブ及び低温収縮型熱収縮チューブを熱収縮させる接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法である。
本発明によれば、段差部を有する被覆対象物、例えば段差部を有する電線やケーブル等の線材の当該段差部を、接着剤付熱収縮チューブにより被覆する場合でも、接着剤付熱収縮チューブの熱収縮による位置ずれが抑制され、被覆したい部分の長さと同じ長さの接着剤付熱収縮チューブを用いて、当該被覆したい部分をより確実に被覆することができる。
本発明の一実施の形態の接着材付熱収縮チューブによる被覆の熱収縮前の状態を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態の接着材付熱収縮チューブによる被覆の熱収縮途中の状態を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態の接着材付熱収縮チューブによる被覆の熱収縮完了後の状態を模式的に示す断面図である。 従来の接着材付熱収縮チューブによる被覆の熱収縮前の状態を模式的に示す断面図である。 従来の接着材付熱収縮チューブによる被覆の熱収縮途中の状態を模式的に示す断面図である。 従来の接着材付熱収縮チューブによる被覆の熱収縮完了後の状態の一例を模式的に示す断面図である。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に説明する構成により、前記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、
小径部、大径部及び前記小径部と大径部との境界部に段差部を有する被覆対象物を、接着剤付熱収縮チューブにより被覆する方法であって、
前記段差部を含む被覆対象物の表面に接着剤付熱収縮チューブを被せ、さらに
前記接着剤付熱収縮チューブの前記大径部を覆っている部分及び接着剤付熱収縮チューブにより覆われていない前記大径部に、前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より低い収縮開始温度を有し、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも大きい内径を有する低温収縮型熱収縮チューブを被せた後、加熱して前記接着剤付熱収縮チューブ及び低温収縮型熱収縮チューブを熱収縮させる接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法である。
この発明においては、加熱した際に、収縮開始温度が低い低温収縮型熱収縮チューブが、接着剤付熱収縮チューブよりも先に熱収縮を開始する。そして先ず、低温収縮型熱収縮チューブが、被覆対象物の大径部(例えば線材の大孔径部)に密着するとともに、接着剤付熱収縮チューブの外側と密着する。接着剤付熱収縮チューブの外側との密着は、接着剤付熱収縮チューブが熱収縮を開始する前又は熱収縮が充分に進んでおらず接着剤付熱収縮チューブの位置ずれが生じる前にされる。その結果、低温収縮型熱収縮チューブは、被覆対象物(大径部)の表面に密着することにより固定されるとともに、接着剤付熱収縮チューブも、その位置ずれが生じる前に、当該低温収縮型熱収縮チューブと密着することにより固定される。従ってその後、接着剤付熱収縮チューブが熱収縮してもチューブの移動、位置ずれは生じにくくなる。
このようにして、被覆対象物の段差部を被覆する場合でも、接着剤付熱収縮チューブの熱収縮による位置ずれが抑制され、被覆したい部分の長さと同じ長さの接着剤付熱収縮チューブを用いて、当該被覆したい部分を確実に被覆することができる。
小径部及び大径部とは、それぞれ、被覆対象物の断面積(被覆される部分の断面の面積)が小さい部分及び大きい部分を示す。被覆対象物は、この小径部と大径部が接続してその接続部(境界部)に段差が生じているもの(段差部が形成されているもの)である。
本発明の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法の被覆対象物としては、例えば、小線径部(小径部に対応)、大線径部(大径部に対応)及び前記小線径部と大線径部との境界部に段差部を有する線材が挙げられる。本発明の被覆方法は、被覆対象物がこのような線材の場合に特に好適に適用される。そこで、本発明の好ましい態様として、前記の本発明の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法であって、前記被覆対象物が小線径部、大線径部及び前記小線径部と大線径部との境界部に段差部を有する線材である態様を挙げることができる。
この線材としては、電線やケーブル、より具体的には自動車や電機器具に使用されるハーネス等を挙げることができる。段差部を有する線材としては、例えば、ハーネスジョイント部やハーネス端末部における電線が剥き出しにされた部分とシース等により電線が被覆された部分を有するものを挙げることができる。この場合、電線が剥き出しにされた部分が小線径部であり、シース等により電線が被覆された部分が大線径部である。
被覆対象物としては、前記のような線材に限定されず、板状物等も挙げることができる。例えば、断面積の小さい板状物と断面積の大きい板状物がそれらの端面(板状物の端部にあり断面積を測定した面に平行な面)間で接続し、その小さい端面と大きい端面間で段差部が形成されているものも挙げることができる。又、前記線材としても、電線やケーブルに限定されない。又、断面が丸状のものに限定されず、断面が角状、平角状等の他の形状のものであってもよい。
接着剤付熱収縮チューブ、特に電線やケーブル等の線材の被覆に用いる場合は、接着剤付熱収縮チューブとしては、従来技術で電線やケーブル等の被覆に使用されているものと同等の接着剤付熱収縮チューブが使用できる。例えば、自動車や電機器具のハーネスジョイント部やハーネス端末部の被覆に本発明の被覆方法を使用する場合は、従来自動車や電機器具のハーネスの被覆に使用されている接着剤付熱収縮チューブと同等のものが使用できる。
低温収縮型熱収縮チューブは、収縮開始温度が接着剤付熱収縮チューブより低く、かつ熱収縮により被覆対象物の大径部や接着剤付熱収縮チューブの外側と密着したとき、相互移動が生じないように固着できる収縮チューブである。収縮開始温度とは、加熱により径の収縮の開始が観測できる温度であるが、より明確にするため、収縮前の内径に対して、径の収縮が1%を超える温度と定義することができる。
被覆対象物が電線やケーブル等の線材の場合は、低温収縮型熱収縮チューブとして、その収縮開始温度が、接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より10℃以上低いものを用いれば、接着剤付熱収縮チューブが熱収縮する前に、より確実に接着剤付熱収縮チューブを固着することができるため好ましい。そこで、本発明の好ましい態様として、前記の本発明の接着剤付熱収縮チューブによる電線やケーブル等の線材の被覆方法であって、前記低温収縮型熱収縮チューブの収縮開始温度が、接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より10℃以上低い態様を挙げることができる。
被覆対象物が電線やケーブル等の線材の場合は、低温収縮型熱収縮チューブとしては、その内径が前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも0.1〜0.2mm大きい低温収縮型熱収縮チューブが好ましい。すなわち、低温収縮型熱収縮チューブの内径と接着剤付熱収縮チューブの外径との差を0.1mm以上にすることにより、低温収縮型熱収縮チューブを接着剤付熱収縮チューブの外側に被せる作業が容易になる。又、0.2mm以下にすることにより確実に接着材付熱収縮チューブを固着できる。低温収縮型熱収縮チューブの内径と接着剤付熱収縮チューブの外径との差が0.1mm未満の場合には、低温収縮型熱収縮チューブを接着剤付熱収縮チューブの外側に被せにくくなり、0.2mmを超える場合には、接着材付熱収縮チューブの固着が不十分となる場合があり、位置ずれ防止機能が低下する。
そこで、本発明の好ましい態様として、前記の本発明の接着剤付熱収縮チューブによる電線やケーブル等の線材の被覆方法であって、前記低温収縮型熱収縮チューブの内径が、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも0.1〜0.2mm大きい態様を挙げることができる。
被覆対象物が電線やケーブル等の線材の場合は、前記低温収縮型熱収縮チューブを、熱収縮前に、前記接着剤付熱収縮チューブ(の大線径部を覆っている部分)に被せる幅(以下、「重なり幅」と言う)は、1〜10mmの範囲内が好ましい。接着材付熱収縮チューブと低温収縮型熱収縮チューブの重なり幅を1mm以上にすることにより、より確実に接着材付熱収縮チューブを固着できる。重なり幅が1mm未満の場合には、接着材付熱収縮チューブが低温収縮型熱収縮チューブにより固着されにくくなり、位置ずれ防止機能が低下する。又、接着材付熱収縮チューブと低温収縮型熱収縮チューブの収縮開始温度の差が小さい場合や低温収縮型熱収縮チューブの内径と接着材付熱収縮チューブの外径の差が大きい場合は、低温収縮型熱収縮チューブが収縮して接着材付熱収縮チューブを固着する力が充分に生ずる前に接着材付熱収縮チューブの熱収縮が開始され、位置ずれを充分に防げない場合がある。一方、10mmを超える重なり幅とすると、接着材付熱収縮チューブに低温収縮型熱収縮チューブを重ねる作業が行いにくくなる場合がある。又、10mmを超える重なり幅としても、接着材付熱収縮チューブの固着力は特に向上しない場合が多い。
そこで、本発明の好ましい態様として、前記の本発明の接着剤付熱収縮チューブによる電線やケーブル等の線材の被覆方法であって、前記低温収縮型熱収縮チューブを、熱収縮前に前記接着剤付熱収縮チューブに被せる幅が、1〜10mmである態様を挙げることができる。なお、接着材付熱収縮チューブと低温収縮型熱収縮チューブの収縮開始温度や径の差によっては、熱収縮の進行に応じて前記重なり幅は減少して行くが、熱収縮により接着剤付熱収縮チューブが線材に固着した後は、重なり幅はなくてもよい。
熱収縮時の加熱方法としては、接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度にまで1段で加熱する1段加熱法、及び、先ず低温収縮型熱収縮チューブの収縮開始温度以上でありかつ接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度未満の温度で加熱して、前記低温収縮型熱収縮チューブを前記接着剤付熱収縮チューブに密着させた後、前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度以上で加熱する2段加熱法のいずれも用いることができる。1段加熱法の場合でも、先ず低温収縮型熱収縮チューブが収縮し、その収縮より遅れて接着剤付熱収縮チューブが収縮するので、接着剤付熱収縮チューブの位置ずれを抑制することができる。加熱操作の容易さの観点からは1段加熱法が好ましい。
一方、接着剤付熱収縮チューブ21の位置ずれをより確実に抑制する観点からは2段加熱法が好ましい。すなわち2段加熱法によれば、接着剤付熱収縮チューブと低温収縮型熱収縮チューブとの収縮開始温度の差が小さい場合でも、又、接着剤付熱収縮チューブの熱収縮前の外径と低温収縮型熱収縮チューブの熱収縮前の内径との差が大きい場合でも、先ず、低温収縮型熱収縮チューブを熱収縮させ、接着材付熱収縮チューブが低温収縮型熱収縮チューブにより確実に固定された後に、接着剤付熱収縮チューブの熱収縮を開始させることができるので位置ずれがより確実に抑制される。
そこで、本発明の好ましい態様として、前記の本発明の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法であって、熱収縮のための加熱が、前記低温収縮型熱収縮チューブの収縮開始温度以上でありかつ前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度未満の温度での加熱により、前記低温収縮型熱収縮チューブを前記接着剤付熱収縮チューブに密着させた後、接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度以上に加熱して行われる態様を挙げることができる。
本発明では、上記の被覆方法に加えて、この被覆方法により製造される被覆電線又はケーブルが提供される。すなわち、小線径部、大線径部及び前記小線径部と大線径部との境界部に段差部を有し、前記段差部を含む表面部が接着剤付熱収縮チューブの収縮物により被覆されており、かつ少なくとも前記大線径部の一部が、前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より低い収縮開始温度を有し、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも大きい内径を有する低温収縮型熱収縮チューブの収縮物により被覆されている電線又はケーブルである。
次に本発明の実施の形態の一例(被覆対象物が電線やケーブル等の線材である例)を図1〜3を参照しながら説明する。図1〜3は本実施の形態の接着剤付熱収縮チューブによる線材の被覆方法を模式的に示す断面図であり、それぞれ、熱収縮前の状態、熱収縮途中の状態、熱収縮完了後の状態を示している。
図中の1は、被覆対象であるケーブル(線材)を表す。ケーブル1には、シース12が取除かれ電線11が剥き出しの部分とシース12で被覆された部分があり、それぞれ図1に示すように小線径部及び大線径部に該当する。シース12の末端(小線径部と大線径部の境界)には段差13が形成されている。
本発明の被覆方法においては、先ず、ケーブル1の被覆したい領域、すなわち段差13及びその近傍の小線径部及び大線径部(段差部)に、熱収縮後の長さが前記領域をカバーするだけの長さとなるように所定の長さに切断した接着剤付熱収縮チューブ21を被せる。続いて、接着剤付熱収縮チューブ21の大線径部側の端部及びケーブル1の大線径部(すなわちシース12)に跨るように低温収縮型熱収縮チューブ22を被せる。図1は、ケーブル1の段差部に、接着剤付熱収縮チューブ21が被せられ、さらにその外側に低温収縮型熱収縮チューブ22が被せられている様子を示している。
接着剤熱収縮チューブ21には、ケーブル1の大線径部(すなわちシース12)に容易に被せることができるように、充分な大きさの内径を有し、かつ熱収縮後はケーブル1の小線径部(すなわち電線11)にも確実に密着するような充分な大きさの熱収縮率を有するチューブが好ましく用いられる。また、電線11およびシース12との接着を高めるため、内面に接着剤(図示省略)が付けられている。なお、接着剤には熱収縮の加熱により接着することができるホットメルト系接着剤が好ましく用いられる。
低温収縮型熱収縮チューブ22は、接着剤付熱収縮チューブ21の収縮開始温度より低い収縮開始温度を有し、接着剤付熱収縮チューブ21の外径よりも大きい内径を有する熱収縮チューブである。低温収縮型熱収縮チューブ22としては、接着材付熱収縮チューブとの収縮開始温度の差が10℃以上の熱収縮チューブが、又、内径が接着剤付熱収縮チューブ21の外径よりも0.1〜0.2mm大きい熱収縮チューブが好ましく用いられる。
接着剤付熱収縮チューブ21の大線径部側の端部及びケーブル1の大線径部(すなわちシース12)に跨るように低温収縮型熱収縮チューブ22を被せる際に、接着剤付熱収縮チューブ21と低温収縮型熱収縮チューブ22の重なり幅(図1中のW)は、1〜10mmの範囲内が好ましい。
次に、接着剤付熱収縮チューブ21および低温収縮型熱収縮チューブ22を収縮開始温度以上に加熱して熱収縮させる。熱収縮の加熱法としては、低温収縮型熱収縮チューブ22の収縮温度で、かつ接着剤付熱収縮チューブ21の収縮開始温度未満の温度で加熱した後、接着剤付熱収縮チューブ21の収縮温度で加熱する2段加熱法を用いることができ、前記のように、接着剤付熱収縮チューブ21の位置ずれをより確実に抑制する観点からは好ましい。一方、加熱操作の容易さの観点から、接着剤付熱収縮チューブ21の収縮開始温度にまで1段で加熱する1段加熱法が好ましい。図2、図3は、1段加熱法にて熱収縮させた場合を示す。
1段加熱法の場合でも、収縮開始温度が低い低温収縮型熱収縮チューブ22が先に熱収縮し、その内面が、シース12(の接着剤付熱収縮チューブ21により覆われていない部分)および接着剤付熱収縮チューブ21の端部と密着する。図2は、低温収縮型熱収縮チューブ22の内面が、シース12および接着剤付熱収縮チューブ21の端部に密着している様子を示す。この密着の結果、接着剤付熱収縮チューブ21が熱収縮する前又は熱収縮が充分進行する前で接着剤付熱収縮チューブ21を位置ずれさせる力が発生していないか小さい間に、接着剤付熱収縮チューブ21は低温収縮型熱収縮チューブ22により固着されその位置が固定される。
図3は、1段加熱法により接着剤付熱収縮チューブ21も熱収縮した後の状態を示す。前記のように、低温収縮型熱収縮チューブ22により接着剤付熱収縮チューブ21の位置が固定されているので、接着剤付熱収縮チューブ21が熱収縮する際の位置ずれは抑制されている。従って、図3に示すように、被覆したい領域を、その領域と同じ長さの接着剤付熱収縮チューブ21により確実に被覆することができる。なお、加熱速度は、確実に低温収縮型熱収縮チューブ22が熱収縮した後に接着剤付熱収縮チューブ21が熱収縮するように適宜調節される。
なお、図3には、接着剤付熱収縮チューブ21が熱収縮した後の状態として接着剤付熱収縮チューブ21と低温収縮型熱収縮チューブ22が重なっている例を示したが、接着剤付熱収縮チューブ21により段差部が被覆されておればよく、熱収縮完了後には接着剤付熱収縮チューブ21と低温収縮型熱収縮チューブ22との重なりが無くなってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
1.被覆
(実施例)
(1)被覆対象
直径0.5mmφの電線2本を外径6.5−8mmのシースで被覆したケーブルを被覆対象とした。図1で示す例と同様に、ケーブルは、シースが除かれ電線が剥き出しの部分(小線径部)とシースで被覆された部分(大線径部)とからなり、シースの末端にはその厚さ相当の段差が形成されている。
(2)接着剤付熱収縮チューブおよび低温収縮型熱収縮チューブ
(a)接着剤付熱収縮チューブ
接着剤付熱収縮チューブとしては、電子線架橋半硬質難燃性ポリオレフィン樹脂を外層とし、熱溶融性接着剤(ホットメルト接着剤)を内層とし、収縮温度115℃以上、内径収縮率75%以上の接着剤付熱収縮チューブ(住友電工ファインポリマー社製、スミチューブSA2、収縮前内径:7.5mm、収縮前肉厚:0.6mm)を、長さ30mmに切断して用いた。この接着剤付熱収縮チューブは、約70℃から徐々に熱収縮が始まり、約100℃で急速に熱収縮が進行し、約115℃で75%以上の内径収縮率で収縮する収縮特性を有する。
(b)低温収縮型熱収縮チューブ
低温収縮型熱収縮チューブとしては、電子線架橋軟質難燃性ポリオレフィン樹脂製で、収縮温度90℃以上、内径収縮率50%以上の柔軟難燃熱収縮チューブ(住友電工ファインポリマー社製、スミチューブB2、呼称サイズ3/8(IN)、収縮前内径:10.0±0.4mm)を長さ10mmに切断して用いた。この熱収縮チューブは、約60℃から徐々に熱収縮が始まり、約80℃で急速に熱収縮が進行し、約90℃で50%以上の内径収縮率で収縮する収縮特性を有する。
(3)被覆
図1に示す形態と同様にして、接着剤付熱収縮チューブを被覆対象に被せ、その外側に低温収縮型熱収縮チューブを重なり幅(図1におけるWに相当)5mmで、接着剤付熱収縮チューブとシースに跨るように被せた。次いで、ベルト搬送式収縮加工機を用いて接着剤付熱収縮チューブおよび低温収縮型熱収縮チューブの周囲の雰囲気を550℃に昇温して両熱収縮チューブを加熱し、熱収縮させた。このときの熱収縮の進行状況を目視で観察した結果、先に低温収縮型熱収縮チューブが収縮してシースに固定されるとともに、接着剤付熱収縮チューブは、重なり部分が低温収縮型熱収縮チューブにより固定された後熱収縮することが確認された。
(比較例)
実施例と同じ被覆対象に対して、熱収縮チューブとして、低温収縮型熱収縮チューブを使用せずに上記と同じ接着剤付熱収縮チューブを単独で用いたこと以外は実施例と同じ方法、条件で被覆を行った。
2.被覆の評価方法と評価結果
実施例および比較例で被覆したケーブルの端末部を目視により、接着剤付熱収縮チューブの位置ずれ発生の状況を調べた。この結果、比較例では接着剤付熱収縮チューブの位置がずれ、段差が露出していたのに対して、実施例では位置ずれが生じておらず、被覆したい領域が接着剤付熱収縮チューブによって被覆されていることが確認された。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 ケーブル
11 電線
12 シース
21 接着剤付熱収縮チューブ
22 低温収縮型熱収縮チューブ
23 接着剤

Claims (7)

  1. 小径部、大径部及び前記小径部と大径部との境界部に段差部を有する被覆対象物を、接着剤付熱収縮チューブにより被覆する方法であって、
    前記段差部を含む被覆対象物の表面に接着剤付熱収縮チューブを被せ、さらに
    前記接着剤付熱収縮チューブの前記大径部を覆っている部分及び接着剤付熱収縮チューブにより覆われていない前記大径部に、前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より低い収縮開始温度を有し、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも大きい内径を有する低温収縮型熱収縮チューブを被せた後、加熱して前記接着剤付熱収縮チューブ及び低温収縮型熱収縮チューブを熱収縮させる接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法。
  2. 前記被覆対象物が小線径部、大線径部及び前記小線径部と大線径部との境界部に段差部を有する線材である請求項1に記載の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法。
  3. 前記低温収縮型熱収縮チューブの収縮開始温度が、接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より10℃以上低い請求項2に記載の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法。
  4. 前記低温収縮型熱収縮チューブの内径が、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも0.1〜0.2mm大きい請求項2又は請求項3に記載の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法。
  5. 前記低温収縮型熱収縮チューブを、熱収縮前に、前記接着剤付熱収縮チューブに被せる幅が、1〜10mmである請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法。
  6. 熱収縮のための加熱が、前記低温収縮型熱収縮チューブの収縮開始温度以上でありかつ前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度未満の温度での加熱により、前記低温収縮型熱収縮チューブを前記接着剤付熱収縮チューブに密着させた後、接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度以上に加熱して行われる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の接着剤付熱収縮チューブによる被覆方法。
  7. 小線径部、大線径部及び前記小線径部と大線径部との境界部に段差部を有し、前記段差部を含む表面部が接着剤付熱収縮チューブの収縮物により被覆されており、かつ少なくとも前記大線径部の一部が、前記接着剤付熱収縮チューブの収縮開始温度より低い収縮開始温度を有し、前記接着剤付熱収縮チューブの外径よりも大きい内径を有する低温収縮型熱収縮チューブの収縮物により被覆されている電線又はケーブル。
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