JP2016111723A - 車輪駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オイルタンクに集まる潤滑油から不純物を回収して、不純物が循環するのを抑制する車輪駆動装置を提供することを課題とする。【解決手段】 この発明においては、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bの出力を駆動輪に伝える車輪ハブCと、前記モータ部Aを潤滑するための潤滑油を内部に貯留可能なオイルタンク41と、前記オイルタンク41からの潤滑油を吸引し、潤滑油をモータ部Aに供給してモータ部Aの潤滑と冷却を行うオイルポンプ42とを備え、前記オイルタンク41の底部41aに潤滑油内の不純物を滞留させ複数の溝からなる滞留部48が設けられ、前記オイルポンプ42への不純物の吸引を抑制する。【選択図】 図1

Description

この発明は、車輪駆動装置、詳しくは、電気自動車の車輪駆動装置の潤滑構造に関する。
電動モータを駆動源とし、その電動モータの回転を減速機により減速して駆動車輪を回転させる車輪駆動装置には、減速機の出力軸の回転を、その出力軸上に設けられたハブ輪に伝達して、そのハブ輪に支持された駆動車輪を駆動するようにしたインホイールモータ方式と、上記減速機の出力軸にジョイントを介して駆動軸を接続し、その駆動軸の回転をハブ輪に伝達して駆動車輪を駆動するオンボード方式とがある。
インホイールモータ方式の構造について説明する。インホイールモータ駆動装置121は、図21に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪に伝える車輪ハブCとを備える。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング122内に収容されている。ケーシング122は、モータ部A側のケーシング122aと、減速機B側のケーシング122bとに、仕切壁122cによって仕切られている。
モータ部Aは、ケーシング122aの内周面にステータ123を設け、このステータ123の内周に間隔をおいてロータ124を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ124は、モータ軸124aを中心部に有し、そのモータ軸124aは減速機Bの入力軸130と接続して減速機Bのケーシング122b内に挿入され、軸受125a、125bによってケーシング122aに対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング122bには、下部に潤滑油のオイルタンク141が設けられ、オイルタンク141内の潤滑油をオイルポンプ142によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を分配し、潤滑と冷却を行っている(特許文献1)。
潤滑油をモータ部Aおよび減速機Bの内部に供給する給油通路は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ142の吐出口からケーシング122aの外径部の内側に沿って後方へと延びる外径部流路143aと、リアカバー122dに設けられたリアカバー流路143bと、モータ軸124aの内部通路144と、減速機Bの入力軸130の内部通路145を経て、減速機Bのケーシング122b内に至る通路、モータ軸124aの内部通路144に設けられた半径方向の油孔144aからモータ部Aのケーシング122a内、入力軸130に設けられた半径方向の油孔130aから減速機Bのケーシング122b内へと導かれ、減速機Bのケーシング122bの下方のオイルタンク141からオイルポンプ142の吸入口に至る吸込通路146とにより構成される、いわゆる軸心給油方式が採用されている。
そして、モータ部Aのケーシング122a内に飛散した潤滑油は、各部を冷却および潤滑を行った後、ケーシング122a内壁をつたって下部に集まり、連通孔147よりオイルタンク141に還流する。
また、減速機Bのケーシング122b内に飛散した潤滑油は、各部を潤滑および冷却を行った後、ケーシング122b内壁をつたって下部に集まり、ケーシング122bの下部に設けられた排出口149よりオイルタンク141に還流する。
ところで、軸心給油方式の場合は、特に、減速機Bの内部を循環することにより、摩耗粉や金属粉などのスラッジ及び不純物が混入し、図22に示すように、オイルタンク141の底部に不純物141cが集まる。この不純物141cが混じった潤滑油がオイルタンク141からオイルポンプ142によって吸い込まれ、モータ部Aに供給されると、不純物141cがモータ部Aのロータ124とステータ123のギャップに詰まって、モータに不具合が発生する懸念がある。また、減速機の各転がり軸受に不純物141cが供給されると転がり軸受の寿命が短くなる懸念がある。このため、不純物141cを除去するためのフィルタを設けたものが提案されている(特許文献2)。
また、オンボード方式の車輪駆動方式においても、オイルタンク及びオイルポンプを用いて、モータ内部において、潤滑油を循環させる構造になっている。この種のものにおいても不純物が供給されると、モータに不具合が生じるので、不純物は除去することが望まれる。
特開2011−240772号公報 特開2010―121701号公報
潤滑油内の不純物を回収するために、駆動装置内にフィルタを配置する場合、フィルタの目詰まり時には、フィルタを交換する必要がある。また、フィルタを配置する場所によっては、フィルタを交換できない或いはフィルタを交換しない場合も考えられ、フィルタを交換できない或いはフィルタを交換しない場合でも確実に潤滑油が循環する構造をとる必要がある。また、油路中にフィルタを配置すると、潤滑油が流れる場合の抵抗にもなる。
また、マグネットをオイルタンク内に配置すれば、鉄系の不純物を回収することができるが、非鉄系の不純物の場合には、マグネットで回収することはできない。
そこで、この発明は、オイルタンクに集まる潤滑油から不純物を回収して、不純物が循環するのを抑制する車輪駆動装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機とを有し、モータ部の回転により車輪を駆動する車両駆動装置であって、前記モータ部を潤滑するための潤滑油を内部に貯留可能なオイルタンクと、前記オイルタンクからの潤滑油を吸引し、潤滑油をモータ部に供給してモータ部の潤滑と冷却を行うオイルポンプとを備え、前記オイルタンクの底部に潤滑油内の不純物を滞留させ、前記オイルポンプへの不純物の吸引を抑制する滞留部が設けられていることを特徴とする。
前記滞留部は、前記オイルタンクの底部に設けられた複数の溝で構成することができる。
また、前記溝は、前記オイルポンプ側の吸込口に対しておおよそ平行に設ければよい。
また、前記溝の壁は、前記オイルタンクの底部に対して垂直から鋭角に形成すればよい。
また、前記溝は、幅より深さを大きくすればよい。
また、前記滞留部は、前記オイルタンクの底部に設けられた凹所と、この凹所の開口部を覆う仕切板と、この仕切板に設けられた複数の孔部とで構成することができる。
また、前記仕切板に設けられた孔部の大きさは、オイルの排出口の下方部が大きく、オイルポンプ側の吸込口に向かうに従い小さくすればよい。
また、前記仕切板に設けられた孔部は、凹所側が狭く前記オイルタンクの底部側に向かって広くなるテーパー状に形成するとよい。
また、前記仕切板と凹所の底部との間にマグネット板を設ければよい。
前記凹所内に不純物を絡め取る吸着部材を配置すればよい。
また、前記仕切板は、2枚重ねで配置されており、前記凹所の上面に第1の仕切板が固定され、この第1の仕切板の上にスライド可能に第2の仕切板が取り付けられ、前記第1、第2の仕切板にそれぞれ孔部が設けられ、第2の仕切板が移動することにより、孔部が開閉するように構成することができる。
前記第2の仕切板が、潤滑油の流れに対向する方向に付勢された弾性部材を介して取り付けられ、潤滑油の流れに応じて孔部が開閉するように構成できる。
また、前記第2の仕切板が、ソレノイドを介して取り付けられ、前記ソレノイドにより孔部が開閉するように構成できる。
この発明に係る車両駆動装置において、停止時にオイルタンク内に沈殿する不純部を滞留部に滞留させ、次回始動時に不純物を油路内に戻さずに、不純物を取り除いた潤滑油をモータ部および減速機に供給することができる。
この発明の第1の実施形態に係る車両駆動装置としてのインホイールモータ駆動装置の縦断正面図である。 減速機の拡大縦断正面図である。 図1のIII−III線に沿った縦断側面図である。 オイルポンプの拡大図である。 この発明の第1の実施形態に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第1の実施形態の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態に係る車両駆動装置としてのインホイールモータ駆動装置の縦断正面図である。 この発明の第2の実施形態に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態に用いられる仕切板の平面図である。 この発明の第2の実施形態に用いられる仕切板の他の例を示す断面図である。 この発明の第2の実施形態の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態に用いられる仕切板の更に他の例を示す平面図である。 この発明の第2の実施形態の第2の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態の第3の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態の第4の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態の第4の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態の第5の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 この発明の第2の実施形態の第5の変形例に係るオイルタンク部分の拡大図である。 図1のインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 図19の電気自動車を後方から見た図である。 従来例を示す縦断正面図である。 従来例におけるオイルタンク部分を拡大した模式図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置からなる車両駆動装置を備えた電気自動車11は、図19に示すように、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪(後輪)14と、左右の駆動輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。駆動輪14は、図20に示すように、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。インホイールモータ駆動装置21の搭載形態としては、図19、20で示した後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置12bは、左右に伸びるサスペンションアームによって駆動輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、駆動輪14が地面から受ける振動を吸収してシャーシ12の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時等に車体の傾きを抑制するスタビライザが設けられる。なお、懸架装置12bは、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車11は、ホイールハウジング12a内部に、左右の駆動輪14をそれぞれ駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャーシ12上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪14に伝える車輪ハブCとを備え、モータ部Aと減速機Bとはケーシング22に収納されて、図20に示すように電気自動車11のホイールハウジング12a内に取り付けられる。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング22内に収容されている。ケーシング22は、モータ部A側のケーシング22aと、減速機B側のケーシング22bと、ケーシング22aと22bを仕切る仕切壁22cと、このケーシング22の後面に装着されるリアカバー22dとによって形成されている。
仕切壁22cの中心にはモータ部Aのモータ軸24aを挿通する貫通部が形成されている。減速機B側のケーシング22bの前方壁には、出力軸33を挿通する貫通部が形成されている。この減速機B側のケーシング22bの前方壁に設けられた貫通部と出力軸33との間にシール付き転がり軸受90を設け、ケーシング22bの内側で出力軸33を回転支持するとともに、車輪ハブCの交換時に、減速機B内の潤滑油の漏れ出しを防止し、また、減速機B内へのゴミの侵入を防止している。モータ部Aの仕切壁22cには、オイルポンプ42が設けられている。
モータ部Aは、ケーシング22aの内周面にステータ23を設け、このステータ23の内周に間隔をおいてロータ24を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ24は、モータ軸24aを中心部に有し、そのモータ軸24aは減速機Bの入力軸30と接続して減速機Bのケーシング22b内に挿入され、軸受25a、25bによってケーシング22に対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング22bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を吸込口46aから吸込通路46を経てオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
インホイールモータ駆動装置21の潤滑油路は、オイルポンプ42の吐出口からケーシング22aの内側に沿って後方へと延びる外径部の給油通路43aと、ケーシング22aの背面のリアカバー22dに設けられたリアカバー流路43bと、モータ軸24aの内部通路44と、減速機Bの入力軸30の内部通路45と、減速機Bのケーシング22bの下部に設けた排出口49と、減速機Bのケーシング22bの底部の下方のオイルタンク41の吸込口46aからオイルポンプ42の吸入口に至る吸込通路46とにより主に構成される。
そして、オイルポンプ42によって供給される潤滑油は、モータ軸24aの内部通路44に設けられた半径方向の油孔44aから遠心力およびオイルポンプ42の圧力によって飛散し、飛沫となった潤滑油がモータ部Aのケーシング22a内に導かれる。モータ部Aのケーシング22a内に飛散した潤滑油は、各部を冷却および潤滑を行った後、ケーシング22a内壁をつたって下部に集まり、仕切壁22cに設けられた連通孔47よりオイルタンク41に還流する。
また、減速機Bの入力軸30の内部通路45にも半径方向に油孔45a、45bが設けられ、この油孔45a、45bから遠心力およびオイルポンプ42の圧力によって潤滑油が飛散し、減速機B内を潤滑及び冷却する、いわゆる軸心給油方式が採用されている。減速機Bのケーシング22b内に飛散した潤滑油は、各部を潤滑および冷却を行った後、ケーシング22b内壁をつたって下部に集まり、ケーシング22bの下部に設けられた排出口49よりオイルタンク41に還流する。
オイルポンプ42は、図4に示すように、減速機Bの出力回転を利用して回転するインナーロータ72と、インナーロータ72の回転に伴って従動回転するアウターロータ73と、ポンプ室74と、オイルポンプの吸込通路46に連通する吸入口75と、ケーシング22aに形成された給油通路43aの給油通路43cに連通する吐出口76とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ72は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分72aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分72bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ72は、クラッチ60を介して減速機Bの出力軸33によって回転する。
アウターロータ73は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分73aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分73bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ73は、仕切壁22cに設けられたポンプケース77aに回転自在に支持されている。
インナーロータ72は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ73は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ72の歯数をnとすると、アウターロータ73の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ72とアウターロータ73との間の空間には、複数のポンプ室74が設けられている。そして、インナーロータ72が減速機Bの出力軸33の回転を利用して回転すると、アウターロータ73は従動回転する。このとき、インナーロータ72およびアウターロータ73はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室74の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口75から流入した潤滑油が吐出口76から給油通路43aに圧送される。
減速機Bのケーシング22bには、図1に示すように、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を吸込口46aから吸込通路46を通じてオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
サイクロイド式の減速機Bは、図1、図2、図3に示すように、入力軸30に設けられた偏心軸部30a、30bによって2枚の曲線板31を回転自在に支持し、それらの曲線板31の外周に形成された波形歯形31aを減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32に噛合し(図2参照)、上記入力軸30の回転により曲線板31を偏心揺動運動させ、その曲線板31の自転を入力軸30と同軸上に配置された出力軸33から出力し、車輪ハブCを回転させている。
減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32の数は、曲線板31の外周の波形歯形31aより多い。
外ピン32は、図2に示すように、減速機Bのケーシング22bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング50に支持されている。外ピンハウジング50は、減速機Bのケーシング22bに対してアウター側とインナー側に、フローティングボルト(図示省略)によってフローティング支持されている。
入力軸30は、図1に示すように、その一端部がスプライン嵌合(セレーション嵌合を含む。以下同じ)によりロータ24のモータ軸24aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部30a、30bが設けられている。
偏心軸部30a、30bは、図2に示すように、入力軸30の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部30a、30bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部30a、30bのそれぞれの外径面に転がり軸受34が嵌合されている。
偏心軸部30a、30bには、油孔45a、45b、45cが設けられ、この油孔45a、45b、45cから入力軸30の内部通路45を通る潤滑油が飛散し、各部の転動面、摺動面を潤滑する。
一対の偏心軸部30a、30bを設けた入力軸30には、一対の偏心軸部30a、30bを挟むように一対のカウンタウェイト35を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板31は、図3に示すように、転がり軸受34によって入力軸30に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形31aはトロコイド曲線歯形とされている。曲線板31には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔36が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔36のそれぞれに内ピン37が余裕をもって挿入され、その内ピン37に回転自在に支持された針状ころ軸受37aの外周一部がピン孔36の内周一部に接触している。
減速機Bは、図2に示すように、偏心軸部30a、30bに回転自在に保持される公転部材としての2枚の曲線板31と、曲線板31の外周部の波形歯形31aに係合する複数の外ピン32と、曲線板31の自転運動を出力する出力軸33と、2枚の曲線板31の隙間に取り付けられてこれら曲線板31の端面に当接して曲線板31の傾きを防止するセンターカラー38とを備える。
図1に示すように、出力軸33は、フランジ部33aと軸部33bとを有する。フランジ部33aには、出力軸33の回転軸線を中心とする円周上に、内ピン37が等間隔に固定されている。軸部33bの外径面には、図1に示すように、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが設けられている。図2に示すように、複数の内ピン37を介しフランジ部33aとスタビライザ33dが連結され、出力軸33とスタビライザ33dは一体に回転する。スタビライザ33dのモータ部A側の端部には、第1オイルポンプ42aのインナーロータ72に接続するポンプ駆動軸33cが設けられている。
外ピン32は、入力軸30の回転軸線の円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板31が公転運動すると、外周の波形歯形31a(図3参照)と外ピン32とが係合して、曲線板31に自転運動を生じさせる。
図1および図2に示すように、出力軸33のフランジ部33aの内径面と入力軸30の外径面とは、転がり軸受91を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板31は、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dの間に組み込まれている。また、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dには、組み込まれた曲線板31のピン孔36を貫通する内ピン37の両端が支持されている。
図2に示すように、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dに支持された複数の内ピン37は、入力軸30の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板31との摩擦抵抗を低減するために、2枚の曲線板31の各ピン孔36の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受37aがそれぞれ設けられている。ピン孔36の内径寸法は、内ピン37の外径寸法(「針状ころ軸受37aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
車輪ハブCは、図1に示すように、出力軸33の軸部33bの外径面にセレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で嵌合連結された内輪部材81と、内輪部材81をケーシング22bに対して回転自在に保持する外輪部材82とを備える。内輪部材81と外輪部材82とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材81と外輪部材82の間に複列の転動体83を設置している。内輪部材81には、車輪取付けフランジ部84が一体に設けられている。
外ピン32は、ケーシング22bに直接保持されているわけではなく、図1及び図2に示すように、ケーシング22bの内径面にフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。
インホイールモータ駆動装置21においては、軽量化の観点からケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成し、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、鋼で形成するのが望ましい。
また、サイクロイド式の減速機Bの潤滑は、オイルポンプ42から供給された潤滑油が、入力軸30の内部通路45を通り、偏心軸部30a、30bに設けた油孔45a、45b、45cから飛散し飛沫となって、また、外ピンハウジング50の内部に溜まった潤滑油が、曲線板31の回転で掻き上げられ飛沫となって、各部の転動面、摺動面を潤滑する。潤滑油は、モータ部Aと減速機B内の潤滑と冷却を行った後、減速機Bのケーシング22bの排出口49と、減速機Bのケーシング22bとモータ部Aのケーシング22aとの間の仕切壁22cに設けられた連通孔47からオイルタンク41に排出される。
上記構成のインホイールモータ駆動装置21のモータ部Aは、図1に示すように、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。
これにより、ロータ24に接続されたモータ軸24aが回転すると、曲線板31はモータ軸24aの回転軸線を中心として公転運動する。このとき、外ピン32が、曲線板31の曲線形状の波形歯形と転がり接触するよう係合して、曲線板31をモータ軸24aの回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板31のピン孔36に挿通する内ピン37は、ピン孔36の内径よりも十分に細く、曲線板31の自転運動に伴ってピン孔36の内壁面と当接する。これにより、曲線板31の公転運動が内ピン37に伝わらず、曲線板31の自転運動のみが出力軸33を介して車輪ハブCに伝達される。
このとき、回転軸線と同軸に配置された出力軸33は、減速機Bの出力軸として曲線板31の自転を取り出し、モータ軸24aの回転が減速機Bによって減速されて出力軸33に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン32を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン37の曲線板31に当接する位置に針状ころ軸受37aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速機Bの伝達効率が向上する。
前記の実施形態においては、減速機Bの曲線板31を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、前記の実施形態において、曲線板31を支持する転がり軸受34として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、深溝玉軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
上述したように、軸心給油方式の場合は、減速機Bの内部を循環することにより、摩耗粉や金属粉などのスラッジ及び不純物が混入する。そして、この不純物がオイルタンク41の底部41aに集まる。この実施形態では、オイルタンク41の底部41aに沈殿した不純物を滞留させ、次回始動時に油路内に戻さないようにする。すなわち、循環する潤滑油内の不純物は常に確実に回収するのではなく、停止時にオイルタンク41内に沈殿する不純物を滞留させ、次回始動時に不純物を油路内に戻さずに、不純物を取り除いた潤滑油をモータ部A及び減速機Bに供給する。
このため、この発明では、オイルタンク41の底部41aに潤滑油内の不純物を滞留させ、沈殿した不純物をオイルポンプ42への吸引を抑制する滞留部48が設けられている。図1及び図5に示す第1の実施形態では、滞留部48として、オイルタンク41の底部41aに複数の溝48aが設けられている。オイルタンク41の底部41aに沈殿した不純物が、この溝48aの底に入り込む。溝48aの中の潤滑油は滞留するため、溝48a内に入り込んだ不純物41cが溝48aの外へ流れ出すことが抑制される。
また、溝48aは、オイルポンプ42側の吸込口46aに対しておおよそ平行に設けることで、溝48aの底に入り込んだ不純物41cが溝48aの壁によりオイルポンプ42により吸い上げられるのを更に抑制している。
また、オイルタンク41の容積やオイルポンプ42の能力により、溝48aの周辺の潤滑油の流れは変化するので、一概には言えないが、数mm程度の深さの溝48aで潤滑油を滞留させることができる。そして、溝48aの幅は加工性を考えると、数mm程度となる。溝48aの幅は広すぎると、潤滑油の滞留が難しくなるので、幅より深さを大きくする、溝深さと溝幅の比が、1以上が好ましい。また、溝48aの本数が多い方が好ましいが、スペースの関係から最適な本数を選択すれば良い。
次に、この第1の実施形態の変形例につき、図6を参照して説明する。図6に示すように、この変形例では、溝48aの壁が、オイルタンク41の底部41aに対して垂直から鋭角に形成されている。この図6の例では、吸込口46aに向かう方向に斜めに鋭角に溝48aが形成されている。このように、溝48aの壁が、オイルタンク41の底部41aに対して垂直から鋭角に形成することで、潤滑油の流れが溝48aの中で滞留し、溝48a内に入り込んだ不純物が溝48aからこぼれ出すことが抑制される。また、溝48aの壁が、オイルタンク41の底部41aに対して垂直から鋭角に形成すると、溝48aに入り込んだ不純物が上に移動しようとしても鋭角に形成された壁に当たり、溝48aから外へ移動することが抑制できる。
インホイールモータ駆動装置21が停止すると、潤滑油の流れが無くなり、潤滑油の中を浮遊する不純物41cは徐々に沈殿する。そして、オイルタンク41の底部41aに沈殿した不純物41cが、滞留部48としての溝48aの底に入り込む。沈殿して、溝48aの底に入り込むことで、不純物41cを排除するので、非鉄金属の不純物も排除できる。
そして、インホイールモータ駆動装置21を駆動させると、オイルポンプ42により、オイルタンク41の吸込口46aから潤滑油が吸い込まれていくことになるが、溝48aの潤滑油は滞留し、底に入り込んだ不純物41cは、溝48aの壁により移動が阻止され、吸込口46aから吸込通路46を含む油路に戻ることが防止でき、不純物がモータ部A、減速機Bへ供給されることが抑制される。
次に、この発明の第2の実施形態につき、図7〜図18を参照して説明する。図7は、第2の実施形態のインホイールモータ駆動装置21を示し、図1に示す第1の実施形態と同一部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにここではその説明を割愛する。
この第2の実施形態においては、オイルタンク41の底部41aに不純物を沈殿させる空間を有する滞留部482を設けている。図8及び図9に示すように、この滞留部482は、オイルタンク41の底部41aに設けられた数mmから数10mmの凹所480と、この凹所480の開口部を覆う仕切板481とを有する。この仕切板481には、複数の孔部481aが設けられ、インホイールモータ駆動装置21が停止すると、潤滑油の流れが無くなり、潤滑油の中を浮遊する不純物は徐々に沈殿すると、この孔部481aから下の凹所480内に不純物が落ち込み、凹所480内に不純物が滞留する。
図8及び図9に示す実施形態では、仕切板481に設けられた孔部481aの大きさは、オイルポンプの側の吸込口46a側が小さく、オイルの排出口49に向かうに従い大きくなっている。排出口49の下方部の孔部481aを大きくすることで、沈殿した不純物を仕切板481から凹所480内に落ち込みやすくしている。そして、オイルポンプ42で潤滑油を吸い込む際には、凹所480に滞留する不純物を出にくくするために、吸込口46aに近づくほど孔部481aを小さくしている。
図10に示す仕切板482は、孔部482aが、凹所480側が狭く、オイルタンク41の底部41a側に向かって広くなるテーパー状に形成している。すなわち、この仕切板482は、底部41aからは不純物が凹所480内に入りやすく、一旦入った不純物は出にくくするために、凹所480内から出る方向の孔部482aを小さくしている。
図11に示す第2の実施形態の変形例は、図10に示す仕切板482を用い、仕切板482と凹所480の底部との間にマグネット板483を設けたものである。この実施形態のマグネット板483には、孔部482aを通過した不純物が凹所480の底部に沈むように、孔部483aが設けられている。
マグネット板483を設けることで、鉄系の不純物を吸着させて回収することができる。
マグネット板483は、図8及び図9に示した実施形態においても、仕切板481と凹所480の底部との間に配設してもよい。
図12に示す仕切板484は、仕切板484の全体に孔部484aを設けるのではなく、オイルポンプ側の吸込口46aの近傍から所定の距離を隔てた間には、孔部を設けていない。すなわち、この仕切板484は、オイルポンプ側の吸込口46aの近傍には、孔部を設けずに、オイルポンプ42で潤滑油を吸い込む際には、凹所480に滞留する不純物を出にくくしている。そして、この孔部484は、図10に示す仕切板482と同様に、凹所480側が狭く、オイルタンク41の底部41a側に向かって広くなるテーパー状に形成してもよい。
図13に示す第2の実施形態の第2の変形例は、吸込口46aの近傍から所定の距離を隔てて凹所480を設けている。そして、凹所480の上に孔部482aを有する仕切板482を設ける。第2の変形例では、吸込口46aの近傍から所定の距離には、凹所を設けていない。この吸込口46aの近傍から所定の距離は、例えば、図12で示す仕切板484の孔部を設けていない所定の距離と同様の距離にし、オイルポンプ42で潤滑油を吸い込む際に、凹所480から距離を隔てることにより、凹所480内に滞留する不純物を出にくくしている。この第2の変形例では、仕切板482と凹所480の底部との間にマグネット板483を設けている。
図14に示す第2の実施形態の第3の変形例は、凹所480内に不純物を絡め取る吸着部材485を配置したものである。マグネットでは、鉄系の不純物は吸着することができるが、非鉄系の不純物は吸着させることができない。そこで、非鉄系の不純物も絡め取る吸着部材485を配置すれば、鉄系及び非鉄系の不純物を絡め取り、凹所480から不純物が出ていくことを防止することができる。
また、図15及び図16に示す第4の変形例では、仕切板として、第1の仕切板481と第2の仕切板486の2枚重ねで配置している。凹所480の上面に第1の仕切板481が固定され、この第1の仕切板481の上にスライド可能に第2の仕切板486が取り付けられている。そして、第1、第2の仕切板481、486にそれぞれ孔部481a、486aが設けられ、第2の仕切板486が移動することにより、オイルタンク41と凹所480の間の孔部が開閉するように構成する。
第1、第2の仕切板481、486のそれぞれの孔部481a、486aが一致するときには、凹所480とオイルタンク41との間が連通し、オイルタンク41の底部41aに沈殿した不純物を凹所480内に取り込む。第2の仕切板486がスライドして、第1の仕切板481の孔部481aを第2の仕切板486で蓋をする状態となると、凹所480とオイルタンク41との間は閉じられ、凹所480に沈殿した不純物を閉じ込める。
図15と図16に示す第4の変形例では、第2の仕切板486が、潤滑油の流れに対向する方向に付勢された弾性部材487を介してオイルタンク41の内壁に取り付けられている。この弾性部材487の付勢力は、潤滑油の流れがない場合、或いは潤滑油の流れが緩い場合には、第1、第2の仕切板481、486のそれぞれの孔部481a、486aが一致するように、第2の仕切板486をスライドさせた状態に保つ大きさに設定されている。
インホイールモータ駆動装置21が停止している状態では、弾性部材487の付勢力により、第1、第2の仕切板481、486のそれぞれ孔部481a、486aが一致した状態が保たれ、オイルタンク41の底部に沈殿した不純物が孔部481a、486aを通り、凹所480内に回収される。
インホイールモータ駆動装置21が駆動すると、潤滑油の流れにより、第2の仕切板486は弾性部材487に抗して移動し、第1の仕切板481の孔部481aを第2の仕切板486で蓋をする状態となり、凹所480内に回収された不純物がオイルタンク41内に戻ることを禁止する。
不純物の粒径は数μmから大きくても数百μmであるので、第1、第2の仕切板481、486のそれぞれ孔部481a、486aは、1mm程度の大きさで、スライドする量も1mm程度にすれば良い。
上記したように、仕切板481、486を凹所480に配置すれば良いので、オイルタンク41の加工は容易となる。また、潤滑油の流れの力を利用して、孔部を開閉することができるので、外部動力も必要とすることなく、機構としてもコンパクトにできる。
図17及び図18に示す第5の変形例は、第2の仕切板486が、ソレノイド488を介して第1の仕切板481の上にスライド可能に取り付けられている。ソレノイド488を動作させ、プランジャ488aを伸縮させることで、オイルタンク41と凹所480の間の孔部が開閉するように構成する。ソレノイド488は、インホイールモータ駆動装置21が駆動するとオンになり、停止するとオフになる。
インホイールモータ駆動装置21が停止するとソレノイド488がオフになり、図17に示すように、第1、第2の仕切板481、486のそれぞれの孔部481a、486aが一致する方向にソレノイド488のプランジャ488aが移動する。インホイールモータ駆動装置21が停止している状態では、第1、第2の仕切板481、483のそれぞれの孔部481a、483aが一致した状態が保たれ、オイルタンク41の底部41aに沈殿した不純物が孔部481a、486aを通り、凹所480内に回収される。
ソレノイド488はインホイールモータ駆動装置21が駆動している時にはオンとなり、図18に示すよう、第1の仕切板481の孔部481aを第2の仕切板486で蓋をする状態となり、凹所480とオイルタンク41との間は閉じられる。凹所480内に回収された不純物がオイルタンク41内に戻ることを禁止する。
前記の実施形態においては、モータ部Aに、ケーシング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ24とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
また、前記の実施形態においては、オイルポンプ42は、減速機Bの出力回転を利用してインナーロータ72が回転する例を示したが、これに限ることなく、モータ部Aのロータ24の回転を利用してインナーロータが回転するオイルポンプ、あるいは別途設けた電動モータによりインナーロータが回転するオイルポンプであってもよい。
また、前記の実施形態においては、インホイールモータ方式にこの発明を適用した例につき説明したが、減速機の出力軸にジョイントを介して駆動軸を接続し、その駆動軸の回転をハブ輪に伝達して駆動車輪を駆動するオンボード方式のオイルタンクに、この発明を適用することができる。
さらに、この発明に係る電気自動車用駆動装置を搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
また、上記の各実施形態においては、減速機Bにサイクロイド減速機構を採用したインホイールモータ駆動装置21の例を示したが、これに限ることなく、任意の減速機構を採用することができる。例えば、遊星歯車減速機構や平行軸歯車減速機構等が該当する。
11 :電気自動車
21 :インホイールモータ駆動装置
22 :ケーシング
22a :ケーシング
22b :ケーシング
22c :仕切壁
22d :リアカバー
23 :ステータ
24 :ロータ
24a :モータ軸
25a :軸受
25b :軸受
30 :入力軸
30a :偏心軸部
30b :偏心軸部
31 :曲線板
31a :波形歯形
32 :外ピン
33 :出力軸
33a :フランジ部
33b :軸部
33c :ポンプ駆動軸
33d :スタビライザ
34 :転がり軸受
35 :カウンタウェイト
36 :ピン孔
37 :内ピン
37a :軸受
38 :センターカラー
41 :オイルタンク
41a :底部
41c :不純物
42 :オイルポンプ
44 :内部通路
44a :油孔
46a :吸込口
47 :連通孔
48 :滞留部
48a :溝
49 :排出口
481、482、484、485、486 :仕切板
483 :マグネット
481a、482a、483a、484a、485a、486a :孔部
487 :弾性部材
488 :ソレノイド
A :モータ部
B :減速機
C :車輪ハブ

Claims (13)

  1. 駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機とを有し、モータ部の回転により車輪を駆動する車両駆動装置であって、前記モータ部を潤滑するための潤滑油を内部に貯留可能なオイルタンクと、前記オイルタンクからの潤滑油を吸引し、潤滑油をモータ部に供給してモータ部の潤滑と冷却を行うオイルポンプとを備え、
    前記オイルタンクの底部に潤滑油内の不純物を滞留させ、前記オイルポンプへの不純物の吸引を抑制する滞留部が設けられていることを特徴とする車両駆動装置。
  2. 前記滞留部は、前記オイルタンクの底部に設けられた複数の溝であることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記溝は、前記オイルポンプ側の吸込口に対しておおよそ平行に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両駆動装置。
  4. 前記溝の壁は、前記オイルタンクの底部に対して垂直から鋭角に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両駆動装置。
  5. 前記溝は、幅より深さが大きいことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
  6. 前記滞留部は、前記オイルタンクの底部に設けられた凹所と、この凹所の開口部を覆う仕切板と、この仕切板に設けられた複数の孔部とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置。
  7. 前記仕切板に設けられた孔部の大きさは、オイルの排出口の下方部が大きく、オイルポンプ側の吸込口に向かうに従い小さくなっていることを特徴とする請求項6に記載の車両駆動装置。
  8. 前記仕切板に設けられた孔部は、凹所側が狭く前記オイルタンクの底部側に向かって広くなるテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の車両駆動装置。
  9. 前記仕切板と凹所の底部との間にマグネットが設けられていることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
  10. 前記凹所内に不純物を絡め取る吸着部材が配置されていることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
  11. 前記仕切板は、2枚重ねで配置されており、前記凹所の上面に第1の仕切板が固定され、この第1の仕切板の上にスライド可能に第2の仕切板が取り付けられ、前記第1、第2の仕切板にそれぞれ孔部が設けられ、第2の仕切板が移動することにより、孔部が開閉することを特徴とする請求項6に記載の車両駆動装置。
  12. 前記第2の仕切板が、潤滑油の流れに対向する方向に付勢された弾性部材を介して取り付けられ、潤滑油の流れに応じて孔部が開閉することを特徴とする請求項10に記載の車両駆動装置。
  13. 前記第2の仕切板が、ソレノイドを介して取り付けられ、前記ソレノイドにより孔部が開閉することを特徴とする請求項10に記載の車両駆動装置。
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