JP2015055343A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 サイクロイド式の減速機Bを採用したインホイールモータ駆動装置21における外ピンハウジング50の上方にある外ピン32の針状ころ軸受55に対する潤滑性能を向上させることを課題とする。
【解決手段】 外ピンハウジング50の一対のリング部52に、外ピン32と同軸上に外ピン保持孔54を設け、その外ピン保持孔54内に組み込んだ針状ころ軸受55により外ピン54を回転自在に支持にし、入力軸30の回転により曲線板31を偏心揺動運動させて、その曲線板31の自転を入力軸30と同軸上の出力軸33から出力するサイクロイド式の減速機Bを使用するインホイールモータ駆動装置において、外ピンハウジング50の一対のリング52部の円周方向に複数形成した外ピン保持孔54のうち、少なくとも上部に位置する外ピン保持孔54の外側端部に連続する潤滑油溜まり62を外ピンハウジング50のリング部52に設けて、潤滑性能を向上させた。
【選択図】 図2
【解決手段】 外ピンハウジング50の一対のリング部52に、外ピン32と同軸上に外ピン保持孔54を設け、その外ピン保持孔54内に組み込んだ針状ころ軸受55により外ピン54を回転自在に支持にし、入力軸30の回転により曲線板31を偏心揺動運動させて、その曲線板31の自転を入力軸30と同軸上の出力軸33から出力するサイクロイド式の減速機Bを使用するインホイールモータ駆動装置において、外ピンハウジング50の一対のリング52部の円周方向に複数形成した外ピン保持孔54のうち、少なくとも上部に位置する外ピン保持孔54の外側端部に連続する潤滑油溜まり62を外ピンハウジング50のリング部52に設けて、潤滑性能を向上させた。
【選択図】 図2
Description
この発明は、インホイールモータ駆動装置に使用するサイクロイド式の減速機内部の潤滑構造に関する。
インホイールモータ駆動装置121は、図12に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪に伝える車輪ハブCとを備える。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング122内に収容されている。ケーシング122は、モータ部A側のケーシング122aと、減速機B側のケーシング122bとに、仕切壁122cによって仕切られている。
モータ部Aは、ケーシング122aの内周面にステータ123を設け、このステータ123の内周に間隔をおいてロータ124を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ124は、モータ軸124aを中心部に有し、そのモータ軸124aは減速機Aの入力軸130と接続して減速機Bのケーシング122b内に挿入され、軸受125a、125bによってケーシング122に対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング122bには、下部に潤滑油のオイルタンク141が設けられ、オイルタンク141内の潤滑油をオイルポンプ142によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている(特許文献1)。
潤滑油を減速機Bの内部に供給する給油通路143は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ142の吐出口からケーシング122aの内側に沿って後方へと延び、ケーシング122aの後方から、モータ軸124aの内部通路144と減速機Bの入力軸130の内部通路145を経て、減速機Bのケーシング122b内に至る通路により構成される。
潤滑油の帰還通路146は、減速機Bのケーシング122bの底部に設けられた排出口147、オイルタンク141を経てオイルポンプ142の吸入口に至る通路により構成される。
サイクロイド式の減速機Bは、図12〜図14に示すように、入力軸130に設けられた偏心軸部130a、130bによって2枚の曲線板131を回転自在に支持し、それらの曲線板131の外周に形成された波形歯形131aを減速機Bのケーシング122bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング150の内側に支持された外ピン132に噛合し、上記入力軸130の回転により曲線板131を偏心揺動運動させ、その曲線板131の自転を入力軸130と同軸上に配置された出力軸133から出力し、車輪ハブCを回転させている。
外ピンハウジング150の内側に支持された外ピン132の数は、曲線板131の外周の波形歯形131aより多い。
外ピン132は、減速機Bのケーシング122bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング150に支持されている。外ピンハウジング150は、減速機Bのケーシング122bに対してアウター側とインナー側に、フローティングボルト159によってフローティング支持されている。フローティングボルト159は、回転軸線Oを中心とする円周上に等間隔に配置され、外ピンハウジング側固定部159aとケーシング側固定部159bとを有し、外ピンハウジング側固定部159aとケーシング側固定部159bの間に、外ピンハウジング150の軸方向の外側面に固定する外ピンサイドプレート158の固定フランジ159cを設けている。
外ピンハウジング150は、図12および15に示すように、円筒部151と、円筒部151の軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部152とを備える。
入力軸130は、図12に示すように、その一端部がスプライン嵌合によりロータ124のモータ軸124aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部130a、130bが設けられている。
偏心軸部130a、130bは、図13に示すように、入力軸130の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部130a、130bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部130a、130bのそれぞれの外径面に転がり軸受134が嵌合されている。
一対の偏心軸部130a、130bを設けた入力軸130には、一対の偏心軸部130a、130bを挟むように一対のカウンタウェイト135を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板131は、図13、14に示すように、転がり軸受134によって入力軸130に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形131aはトロコイド曲線歯形とされている。図14に示すように、曲線板131には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔136が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔136のそれぞれに内ピン137が余裕をもって挿入され、その内ピン137に回転自在に支持されたころ軸受137aの外周一部がピン孔136の内周一部に接触している。
減速機Bは、図13に示すように、偏心軸部130a、130bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板131と、曲線板131の外周部の波形歯形131aに係合する複数の外ピン132と、曲線板131の自転運動を出力する出力軸133と、曲線板131の隙間に取り付けられてこれら曲線板131の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー138とを備える。
出力軸133は、フランジ部133aと軸部133bとを有する。フランジ部133aには、図12に示すように、出力軸133の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン137が等間隔に固定されている。軸部133bの外径面には、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが配置されている。複数の内ピン137を介してフランジ部133a、133aが連結された出力軸133のモータ部A側の端部には、オイルポンプ142のインナーロータに接続するポンプ駆動軸133cが設けられている。
外ピン132は、図14に示すように、入力軸130の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板131が公転運動すると、外周の波形歯形131aと外ピン132とが係合して、曲線板131に自転運動を生じさせる。
図13に示すように、外ピンハウジング150の一対のリング部152の内周には、出力軸133が軸受190を介して回転自在に支持されている。軸受190は、リング部152の内周に溝を設け、この溝に嵌められた止め輪192によって軸方向の位置が規制されている。また、出力軸133のフランジ部133aの内径面と入力軸130の外径面とは、軸受191を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板131は、出力軸133の対向するフランジ部133a間に組み込まれている。また、出力軸133の対向するフランジ部133aには、組み込まれた曲線板131のピン孔136を貫通する内ピン137の両端が支持されている。
出力軸133の対向するフランジ部133aに支持された複数の内ピン137は、入力軸130の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板131との摩擦抵抗を低減するために、曲線板131のピン孔136の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受137aが設けられている。ピン孔136の内径寸法は、内ピン137の外径寸法より所定分大きく設定されている。
出力軸133の対向するフランジ部133aに支持された複数の内ピン137は、入力軸130の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板131との摩擦抵抗を低減するために、曲線板131のピン孔136の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受137aが設けられている。ピン孔136の内径寸法は、内ピン137の外径寸法より所定分大きく設定されている。
車輪ハブCは、図12に示すように、出力軸133の軸部133bの外径面にセレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で嵌合連結された内輪部材181と、内輪部材181をケーシング122bに対して回転自在に保持する外輪部材182とを備える。内輪部材181と外輪部材182とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材181と外輪部材182の間に複列の転動体183を設置している。内輪部材181には、車輪取付けフランジ部184が一体に設けられている。
外ピン132は、ケーシング122bに直接保持されているわけではなく、図12及び図13に示すように、ケーシング122bの内径面にフローティング状態に支持された外ピンハウジング150に保持されている。
外ピンハウジング150は、図15に示すように、円筒部151と、円筒部151の軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部152とを備える。
一対のリング部152は、径方向の外周側に位置する外側面部152aと、径方向の内周側に位置し、外側面部152aの外方に突出する厚肉の内側面部152bとからなる。
また、外ピンハウジング150の円筒部151の下部には、円筒部151を軸方向に分割するスリット153が設けられている。
外ピンハウジング150の一対のリング部152には、厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔154が設けられている。外ピン保持孔154は、図13に示すように、それぞれ入力軸130の回転軸線Oと平行な方向に延び外ピン132の両端を保持している。外ピン132の両端は、外ピン保持孔154に対して針状ころ軸受155を介して支持されている。針状ころ軸受155は、外輪155aと、この外輪155aの内周面と外ピン132の外周面とを転走面にした針状ころ155bとからなる。針状ころ軸受155の外輪155aは、外ピン保持孔154の内面に嵌合されている。
また、一対のリング部152の対応する外ピン保持孔154は、周方向の同位置に互いに対面するように設けられている。即ち、1対の外ピン保持孔154の中心軸線は一致し、外ピンハウジング150を減速機Bのケーシング122bに取り付けると、この外ピン保持孔154の中心軸線は、入力軸130の回転軸線Oと平行になる。
図15に示すように、一対のリング部152の径方向の内周側に位置する厚肉の内側面部152bには、外ピン保持孔154に連続するように、溝形のザグリ部157が形成されている。
一対のリング部152の径方向の外周側に位置する外側面部152aには、図16及び図17に示すように、外ピン保持孔154に挿入した外ピン132の軸方向の抜け出しを防止する外ピンサイドプレート158を、フローティングボルト159によって固定している。
外ピンサイドプレート158には、周方向にフローティングボルト159の挿通孔158aを形成している。この挿通孔158aは、外ピンハウジング150の外側面部152aに設けられたフローティングボルト159の固定孔152cに対応する位置に設けられている。
なお、図16及び図17は、外ピン保持孔154に、外ピン132と針状ころ軸受155との収容した状態で示している。
外ピンサイドプレート158の内周面には、外ピン保持孔154に対応する位置に、ザグリ部157に向かって突出する突出片158bを形成している。
ところで、サイクロイド式の減速機Bの外ピンハウジング150の外ピン保持孔154に支持された外ピン132の針状ころ軸受155に対する潤滑は、オイルポンプ142により供給された潤滑油を、減速機Bの内部の部品の回転に伴う潤滑油の飛散により、潤滑油の飛沫が供給されることによって行われる。あるいは、減速機Bの内部に溜まった潤滑油が曲線板131の回転に伴って跳ね上げられ飛散し、潤滑油の飛沫が供給されることによって行われる。
ところが、外ピンハウジング150に設けられた外ピン保持孔154のうち、車体鉛直方向の上方に位置する外ピン保持孔154には、減速機Bのケーシング122bの中心部から遠いため、曲線板131の回転に伴って跳ね上げられても、潤滑油の飛沫が届き難く、飛沫が届いても潤滑油が針状ころ軸受155の隙間から外ピン保持孔154の側方へ直ぐに流出して、上方に位置する外ピン保持孔154に保持した針状ころ軸受155の潤滑不良が懸念される。
このため、車体鉛直方向の上部に位置する外ピン132の両端部を支持する針状ころ軸受155の寿命が、他の位置の外ピン132の針状ころ軸受155と比較して短くなることが懸念される。
また、上部に位置する外ピン132の両端部を支持する針状ころ軸受155に潤滑油が供給されたとしても、外ピン保持孔154に連続する溝形のザグリ部157を伝って潤滑油が下方に流出するため、潤滑不良が懸念される。
そこで、この発明は、車体鉛直方向の上部に位置する外ピンの両端部を支持する針状ころ軸受に対する潤滑性能を向上させることを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明においては、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部によって入力軸に回転自在に支持され、外周に波形歯形が形成された曲線板と、減速機のケーシングの内側に配設され、曲線板の外周の波形歯形に噛合する外ピンとを有し、外ピンを、減速機のケーシングの内径面に回り止めされた外ピンハウジングに支持し、外ピンハウジングは、減速機のケーシングの内径面に設けられた円筒部と、円筒部の両端から内向きに形成された一対のリング部とからなり、外ピンハウジングの一対のリング部に外ピン保持孔を円周方向に複数設け、その外ピン保持孔内に組み込んだ軸受により外ピンを回転自在に支持にし、入力軸の回転により曲線板を偏心揺動運動させて、その曲線板の自転を前記入力軸と同軸上に配置された出力軸から出力するようにしたサイクロイド式の減速機とされたインホイールモータ駆動装置において、前記外ピンハウジングの一対のリング部の円周方向に複数形成した外ピン保持孔のうち、少なくとも車体鉛直方向の上部に位置する外ピン保持孔の外側端部に連続する潤滑油溜まりを、外ピンハウジングのリング部に設けたことを特徴とする。
前記外ピン保持孔の外側端部に連続する潤滑油溜まりは、外ピン保持孔の外側端部に設けたザグリ部と、外ピンハウジングのリング部の外側面に設けた堰部材とによって形成することができる。
前記潤滑油溜まりは、前記外ピンハウジングのリング部の外側面の内径側に、外面側に突出する厚肉部を形成し、この厚肉部に溝形のザグリ部を形成し、リング部の外側面に、外ピン組込孔の内接円径よりも外径が大きい板状の堰部材を固定することにより形成することができる。
前記板状の堰部材の内径部を、外ピンハウジングのリング部の内径側に突出させ、この突出する堰部材の内径部を、外ピンハウジングのリング部の内径部と前記出力軸との間に設けた軸受の側面に押し当てることにより、軸受の予圧を付与することができる。
減速機のケーシングに、前記潤滑油溜まりに潤滑油を供給する油路を設けるようにしてもよい。
この発明に係るインホイールモータ駆動装置においては、上記のように、外ピンハウジングの上部にある外ピンの軸受に対しても潤滑油の供給が良好であるため、装置全体の長寿命化が図れる。
また、板状の堰部材の内径部を、外ピンハウジングのリング部の内径側に突出させ、この突出する堰部材の内径部を、外ピンハウジングのリング部の内径部と出力軸との間に設けた軸受の側面に押し当てて予圧を付与することにより、出力軸の曲げに対する剛性が高まり、旋回走行などによるモーメント荷重が車輪ハブを介して減速機に負荷されても、減速機の出力軸を理想の位置に近い状態に保持することができるので、エッジロードの発生抑制、ミスアライメントによる異音の発生を抑制することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車11は、図10に示すように、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪(後輪)14と、左右の駆動輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。駆動輪14は、図11に示すように、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。インホイールモータ駆動装置21の搭載形態としては、図10、11で示した後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車11は、図10に示すように、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪(後輪)14と、左右の駆動輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。駆動輪14は、図11に示すように、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。インホイールモータ駆動装置21の搭載形態としては、図10、11で示した後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置12bは、左右に伸びるサスペンションアームによって駆動輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、駆動輪14が地面から受ける振動を吸収してシャーシ12の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時等に車体の傾きを抑制するスタビライザが設けられる。なお、懸架装置12bは、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車11は、ホイールハウジング12a内部に、左右の駆動輪14をそれぞれ駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャーシ12上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪14に伝える車輪ハブCとを備え、モータ部Aと減速機Bとはケーシング22に収納されて、図11に示すように電気自動車11のホイールハウジング12a内に取り付けられる。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング22内に収容されている。ケーシング22は、モータ部A側のケーシング22aと、減速機B側のケーシング22bとに、仕切壁22cによって仕切られ、仕切壁22cの中心にはモータ部Aのモータ軸24aを挿通する貫通部が形成されている。
モータ部Aは、ケーシング22aの内周面にステータ23を設け、このステータ23の内周に間隔をおいてロータ24を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ24は、モータ軸24aを中心部に有し、そのモータ軸24aは減速機Bの入力軸30と接続して減速機Bのケーシング22b内に挿入され、軸受25a、25bによってケーシング22に対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング22bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油をオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
潤滑油を減速機Bの内部に供給する給油通路43は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ42の吐出口からケーシング22aの内側に沿って後方へと延び、ケーシング22aの後方から、モータ軸24aの内部通路44と減速機Bの入力軸30の内部通路45を経て、減速機Bのケーシング22b内に至る通路により構成される。そして、オイルポンプ42から供給された潤滑油は、減速機Bの入力軸30の内部通路45に設けられた半径方向の供給口から遠心力によって飛散して、減速機B内を潤滑及び冷却している。いわゆる軸心給油方式を採用している。
潤滑油の帰還通路46は、減速機Bのケーシング22bの底部に設けられた排出口47、オイルタンク41を経てオイルポンプ42の吸入口に至る通路により構成される。
オイルポンプ42は、図4に示すように、減速機Bの回転を利用して回転するインナーロータ72と、インナーロータ72の回転に伴って従動回転するアウターロータ73と、ポンプ室74と、帰還通路46に連通する吸入口75と、給油通路43に連通する吐出口76とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ72は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分72aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分72bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ72は、減速機Bの出力軸33と一体回転する。
アウターロータ73は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分73aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分73bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ73は、ポンプケース77に回転自在に支持されている。
インナーロータ72は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ73は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ72の歯数をnとすると、アウターロータ73の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ72とアウターロータ73との間の空間には、複数のポンプ室74が設けられている。そして、インナーロータ72が減速機Bの出力軸33の回転を利用して回転すると、アウターロータ73は従動回転する。このとき、インナーロータ72およびアウターロータ73はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室74の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口75から流入した潤滑油が吐出口76から給油通路43に圧送される。
減速機Bのケーシング22bには、図1に示すように、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を帰還通路46を通じてオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
サイクロイド式の減速機Bは、図1〜図3に示すように、入力軸30に設けられた偏心軸部30a、30bによって2枚の曲線板31を回転自在に支持し、それらの曲線板31の外周に形成された波形歯形31aを減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32に噛合し、上記入力軸30の回転により曲線板31を偏心揺動運動させ、その曲線板31の自転を入力軸30と同軸上に配置された出力軸33から出力し、車輪ハブCを回転させている。
減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32の数は、曲線板31の外周の波形歯形31aより多い。
外ピン32は、図2に示すように、減速機Bのケーシング22bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング50に支持されている。外ピンハウジング50は、減速機Bのケーシング22bに対してアウター側とインナー側に、フローティングボルト59によってフローティング支持されている。フローティングボルト59は、回転軸線Oを中心とする円周上に等間隔に配置され、外ピンハウジング側固定部59aとケーシング側固定部59bとを有し、外ピンハウジング側固定部59aとケーシング側固定部59bの間に、外ピンハウジング50の軸方向の外側面に固定される外ピンサイドプレート58の固定フランジ59cが設けられている。
外ピンハウジング50は、円筒部51と、円筒部51の軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部52とを備える。
入力軸30は、図1に示すように、その一端部がスプライン嵌合によりロータ24のモータ軸24aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部30a、30bが設けられている。
偏心軸部30a、30bは、図2に示すように、入力軸30の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部30a、30bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部30a、30bのそれぞれの外径面に転がり軸受34が嵌合されている。
一対の偏心軸部30a、30bを設けた入力軸30には、一対の偏心軸部30a、30bを挟むように一対のカウンタウェイト35を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板31は、転がり軸受34によって入力軸30に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形31aはトロコイド曲線歯形とされている。図3に示すように、曲線板31には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔36が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔36のそれぞれに内ピン37が余裕をもって挿入され、その内ピン37に回転自在に支持されたころ軸受37aの外周一部がピン孔36の内周一部に接触している。
減速機Bは、図2に示すように、偏心軸部30a、30bに回転自在に保持される公転部材としての2枚の曲線板31と、曲線板31の外周部の波形歯形31aに係合する複数の外ピン32と、曲線板31の自転運動を出力する出力軸33と、2枚の曲線板31の隙間に取り付けられてこれら曲線板31の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー38とを備える。
出力軸33は、フランジ部33aと軸部33bとを有する。図3に示すように、フランジ部33aには、出力軸33の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン37が等間隔に固定されている。軸部33bの外径面には、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが設けられている。複数の内ピン37を介しフランジ33a、33aが連結された出力軸33のモータ部A側の端部には、オイルポンプ42のインナーロータ72に接続するポンプ駆動軸33cが設けられている(図1参照)。
外ピン32は、入力軸30の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板31が公転運動すると、外周の波形歯形31aと外ピン32とが係合して、曲線板31に自転運動を生じさせる。
図2に示すように、外ピンハウジング50の一対のリング部52の内周には、出力軸33が軸受90を介して回転自在に支持されている。また、出力軸33のフランジ部33aの内径面と入力軸30の外径面とは、軸受91を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板31は、出力軸33の対向するフランジ部33a間に組み込まれている。また、出力軸33の対向するフランジ部33aには、組み込まれた曲線板31のピン孔36を貫通する内ピン37の両端が支持されている。
出力軸33の対向するフランジ部33aに支持された複数の内ピン37は、入力軸30の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板31との摩擦抵抗を低減するために、2枚の曲線板31の各ピン孔36の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受37aがそれぞれ設けられている。ピン孔36の内径寸法は、内ピン37の外径寸法(「針状ころ軸受37aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
車輪ハブCは、図1に示すように、出力軸33の軸部33bの外径面に固定連結された内輪部材81と、内輪部材81をケーシング22bに対して回転自在に保持する外輪部材82とを備える。内輪部材81と外輪部材82とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材81と外輪部材82の間に複列の転動体83を設置している。内輪部材81には、車輪取付けフランジ部84が一体に設けられている。
外ピン32は、ケーシング22bに直接保持されているわけではなく、図1及び図2に示すように、ケーシング22bの内径面にフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。
インホイールモータ駆動装置21の軽量化の観点から、ケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、鋼で形成するのが望ましい。
外ピンハウジング50は、図5に示すように、円筒部51と、円筒部51の軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部52とを備える。
一対のリング部52は、径方向の外周側に位置する外側面部52aと、径方向の内周側に位置し、外側面部52aの外方に突出する厚肉の内側面部52bとからなる。
一対のリング部52は、径方向の外周側に位置する外側面部52aと、径方向の内周側に位置し、外側面部52aの外方に突出する厚肉の内側面部52bとからなる。
また、外ピンハウジング50の円筒部51の下部には、円筒部51を軸方向に分割するスリット53が設けられている。
外ピンハウジング50の一対のリング部52には、厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔54が設けられている。外ピン保持孔54は、図2に示すように、それぞれ入力軸30の回転軸線Oと平行な方向に延び外ピン32の両端を保持している。外ピン32の両端は、外ピン保持孔54に対して針状ころ軸受55を介して支持されている。針状ころ軸受55は、外輪55aと、この外輪55aの内周面と外ピン32の外周面とを転走面にした針状ころ55bとからなる。針状ころ軸受55の外輪55aは、外ピン保持孔54の内面に嵌合されている。
また、一対のリング部52の対応する外ピン保持孔54は、周方向の同位置に互いに対面するように設けられている。即ち、一対の外ピン保持孔54の中心軸線は一致し、外ピンハウジング50を減速機Bのケーシング22bに取り付けると、この外ピン保持孔54の中心軸線は、入力軸30の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン32を入力軸30の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、一対の外ピン保持孔54は同時加工で形成することができるので、対向する外ピン保持孔54の中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
図5に示すように、一対のリング部52の径方向の内周側に位置する厚肉の内側面部52bには、外ピン保持孔54に連続するように、溝形のザグリ部57が形成されている。
一対のリング部52の径方向の外周側に位置する外側面部52aには、図6及び図7に示すように、外ピン保持孔54に挿入した外ピン32の軸方向の抜け出しを防止する外ピンサイドプレート58がフローティングボルト59によって固定されている。
外ピンサイドプレート58には、周方向にフローティングボルト59の挿通孔58aを形成している。この挿通孔58aは、図6及び図7に示すように、外ピンハウジング50の外側面部52aに設けられたフローティングボルト59の固定孔52cに対応する位置に設けれている。
図6及び図7は、外ピン保持孔54に、外ピン32と針状ころ軸受55との収容した状態で示している。
外ピンサイドプレート58の内周面には、外ピン保持孔54に対応する位置に、ザグリ部57に向かって突出する突出片58bを形成している。
一対のリング部52の厚肉の内側面部52bの外側面には、溝形のザグリ部57に流入した潤滑油がザグリ部57から流れ出ないように、潤滑油を堰き止める堰部材60を設けている。
堰部材60は、リング型の板状に形成され、外径が外ピン保持孔54の内接円径よりも大きく、内径がリング部52の内側面部52bの内径よりも小さく形成されている。
この板状の堰部材60には、円周方向に等間隔で固定孔60aを設けており、この固定孔60aに対応するリング部52の内側面部52bにボルト孔60cを設け、図6及び図7に示すように、堰部材60の固定孔60aとリング部52の内側面部52bのボルト孔60cとを合わせ、ボルト64によって堰部材60をリング部52の内側面部52bに対して固定している。
堰部材60をリング部52の内側面部52bに固定することにより、リング部52の外側面部52aと、内側面部52bのザグリ部57との間に、外ピン保持孔54の外側端部に連続する潤滑油溜まり62を形成することができる。
図2に示すように、減速機Bのケーシング22b内に、オイルポンプ42によって潤滑油が供給されると、減速機Bの内部の部品の回転に伴って、潤滑油が飛散し、潤滑油の飛沫が潤滑油溜まり62に溜まり、その溜まった潤滑油が外ピン保持孔54の針状ころ軸受55に供給される。あるいは、減速機Bの内部に溜まった潤滑油が曲線板31の回転に伴って掻き上げられ飛散し、潤滑油の飛沫が潤滑油溜まり62に溜まり、その溜まった潤滑油が外ピン保持孔54の針状ころ軸受55に供給される。
従来の構造では、外ピンハウジング50に設けられた外ピン保持孔54のうち、上方に位置する外ピン保持孔54には、減速機Bのケーシング22bの中心部から遠いため、曲線板131の回転に伴って跳ね上げられても、潤滑油の飛沫が届き難く、飛沫が届いても潤滑油が針状ころ軸受55の隙間から外ピン保持孔54の側方へ直ぐに流出して、上方に位置する外ピン保持孔54に保持した針状ころ軸受55の潤滑不良が懸念された。
この発明では、上記のように、外ピン保持孔54の外側端部に連続して潤滑油溜まり62を形成しているので、外ピン保持孔54の外側端部に溜まった潤滑油によって針状ころ軸受55が油浴状態になり、針状ころ軸受55への潤滑性能が向上する。
また、上方に位置する潤滑油溜まり62に溜まった潤滑油が溢れると、その潤滑油は、外ピンハウジング50の外径を伝って一つ下の潤滑油溜まり62に溜まるので、潤滑油を無駄なく使用することができる。
図8は、外ピンハウジング50の最上部とその両側に位置する潤滑油溜まり62に溜まる潤滑油の状態を示している。図8では、潤滑油溜まり62に溜まる潤滑油を薄墨で示している。
堰部材60は、外ピンハウジング50と一体に設けてもよいが、上記の実施形態のように、堰部材60を外ピンハウジング50と別体に形成することにより、堰部材60をリング部52の内側面部52bにボルト固定する際に、図2に示すように、堰部材60の内周部で、リング部52の内周に支持する出力軸33の軸受90を押圧して、出力軸33の軸受90に予圧を与えることができる。
出力軸33の軸受90に予圧を付与することにより、曲げに対する剛性が高まり、旋回走行などによるモーメント荷重が車輪ハブCを介して減速機Bに負荷されても、減速機Bの出力軸33を理想の位置に近い状態に保持することができるので、エッジロードの発生抑制、ミスアライメントによる異音の発生を抑制することができる。
次に、図9は、この発明の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態は、潤滑油溜まり62への潤滑油の供給を、減速機Bの内部から飛散する潤滑油だけでなく、オイルポンプ42から吐出された潤滑油を潤滑油溜まり62に導けるように、給油通路43を分岐した分岐油路48を、減速機Bのケーシング22bの上部に設けている。図9の実施形態のその他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、同一符号を付すことによって、重複する説明を省略する。
オイルポンプ42から吐出された潤滑油を分岐油路48から潤滑油溜まり62に供給するため、モータ軸24aの内部通路44と減速機Bの入力軸30の内部通路45を経由するより早期に、潤滑油溜まり62に潤滑油を供給することができる。従い、減速機Bの回転速度が上昇するまで潤滑油の飛沫が届き難い外ピンハウジング50の上方に位置する外ピン保持孔54に保持した針状ころ軸受55の潤滑性能を、より向上することができる。
上記構成のインホイールモータ駆動装置21の作動原理を詳しく説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。
これにより、ロータ24に接続されたモータ軸24aが回転すると、曲線板31はモータ軸24aの回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン32が、曲線板31の曲線形状の波形歯形と転がり接触するよう係合して、曲線板31をモータ軸24aの回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板31のピン孔36に挿通する内ピン37は、ピン孔36の内径よりも十分に細く、曲線板31の自転運動に伴ってピン孔36の内壁面と当接する。これにより、曲線板31の公転運動が内ピン37に伝わらず、曲線板31の自転運動のみが出力軸33を介して車輪ハブCに伝達される。
このとき、回転軸線Oと同軸に配置された出力軸33は、減速機Bの出力軸として曲線板31の自転を取り出し、モータ軸24aの回転が減速機Bによって減速されて出力軸33に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン32を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン37の曲線板31に当接する位置に針状ころ軸受37aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速機Bの伝達効率が向上する。
前記の実施形態においては、減速機Bの曲線板31を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、前記の実施形態において、曲線板31を支持する転がり軸受34として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、深溝玉軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
また、前記の実施形態においては、モータ部Aに、ケーシング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ24とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
21 インホイールモータ駆動装置
22 ケーシング
22a ケーシング
22b ケーシング
22c 仕切壁
23 ステータ
24 ロータ
24a モータ軸
25a 軸受
25b 軸受
30 入力軸
30a 偏心軸部
30b 偏心軸部
31 曲線板
31a 波形歯形
32 外ピン
33 出力軸
33a フランジ部
33b 軸部
33c ポンプ駆動軸
34 転がり軸受
35 カウンタウェイト
36 ピン孔
37 内ピン
37a 軸受
38 センターカラー
41 オイルタンク
42 オイルポンプ
43 給油通路
44 内部通路
45 内部通路
46 帰還通路
47 排出口
48 分岐油路
50 外ピンハウジング
51 円筒部
52 リング部
52a 外側面部
52b 内側面部
52c 固定孔
53 スリット
54 外ピン保持孔
55 軸受
55a 外輪
55b 針状ころ
57 ザグリ部
58 外ピンサイドプレート
58a 挿通孔
58b 突出片
59 フローティングボルト
59a 外ピンハウジング側固定部
59b ケーシング側固定部
59c 固定フランジ
60 堰部材
60a 固定孔
60c ボルト孔
62 潤滑油溜まり
64 ボルト
72 インナーロータ
72a 歯先部分
72b 歯溝部分
73 アウターロータ
73a 歯先部分
73b 歯溝部分
74 ポンプ室
75 吸入口
76 吐出口
77 ポンプケース
81 内輪部材
82 外輪部材
83 転動体
84 車輪取付けフランジ部
90 軸受
91 軸受
A モータ部
B 減速機
C 車輪ハブ
O 回転軸線
c1 回転中心
c2 回転中心
22 ケーシング
22a ケーシング
22b ケーシング
22c 仕切壁
23 ステータ
24 ロータ
24a モータ軸
25a 軸受
25b 軸受
30 入力軸
30a 偏心軸部
30b 偏心軸部
31 曲線板
31a 波形歯形
32 外ピン
33 出力軸
33a フランジ部
33b 軸部
33c ポンプ駆動軸
34 転がり軸受
35 カウンタウェイト
36 ピン孔
37 内ピン
37a 軸受
38 センターカラー
41 オイルタンク
42 オイルポンプ
43 給油通路
44 内部通路
45 内部通路
46 帰還通路
47 排出口
48 分岐油路
50 外ピンハウジング
51 円筒部
52 リング部
52a 外側面部
52b 内側面部
52c 固定孔
53 スリット
54 外ピン保持孔
55 軸受
55a 外輪
55b 針状ころ
57 ザグリ部
58 外ピンサイドプレート
58a 挿通孔
58b 突出片
59 フローティングボルト
59a 外ピンハウジング側固定部
59b ケーシング側固定部
59c 固定フランジ
60 堰部材
60a 固定孔
60c ボルト孔
62 潤滑油溜まり
64 ボルト
72 インナーロータ
72a 歯先部分
72b 歯溝部分
73 アウターロータ
73a 歯先部分
73b 歯溝部分
74 ポンプ室
75 吸入口
76 吐出口
77 ポンプケース
81 内輪部材
82 外輪部材
83 転動体
84 車輪取付けフランジ部
90 軸受
91 軸受
A モータ部
B 減速機
C 車輪ハブ
O 回転軸線
c1 回転中心
c2 回転中心
Claims (5)
- 駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部によって入力軸に回転自在に支持され、外周に波形歯形が形成された曲線板と、減速機のケーシングの内側に配設され、曲線板の外周の波形歯形に噛合する外ピンとを有し、外ピンを、減速機のケーシングの内径面に回り止めされた外ピンハウジングに支持し、外ピンハウジングは、減速機のケーシングの内径面に設けられた円筒部と、円筒部の両端から内向きに形成された一対のリング部とからなり、外ピンハウジングの一対のリング部に外ピン保持孔を円周方向に複数設け、その外ピン保持孔内に組み込んだ軸受により外ピンを回転自在に支持し、入力軸の回転により曲線板を偏心揺動運動させて、その曲線板の自転を前記入力軸と同軸上に配置された出力軸から出力するようにしたサイクロイド式の減速機とされたインホイールモータ駆動装置において、前記外ピンハウジングの一対のリング部の円周方向に複数形成した外ピン保持孔のうち、少なくとも上部に位置する外ピン保持孔の外側端部に連続する潤滑油溜まりを、外ピンハウジングのリング部に設けたことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
- 前記外ピン保持孔の外側端部に連続する潤滑油溜まりが、外ピン保持孔の外側端部に設けたザグリ部と、外ピンハウジングのリング部の外側面に設けた堰部材とからなるインホイールモータ駆動装置。
- 前記外ピンハウジングのリング部の外側面の内径側に、外面側に突出する厚肉部を形成し、この厚肉部に溝形のザグリ部を形成し、リング部の外側面に、外ピン組込孔の内接円径よりも外径が大きい板状の堰部材を固定することにより、前記潤滑油溜まりを形成したことを特徴とする請求項2記載のインホイールモータ駆動装置。
- 前記板状の堰部材の内径部を、外ピンハウジングのリング部の内径側に突出させ、この突出する堰部材の内径部を、外ピンハウジングのリング部の内径部と前記出力軸との間に設けた軸受の側面に押し当てることにより、軸受の予圧を付与することを特徴とする請求項3記載のインホイールモータ駆動装置。
- 減速機のケーシングに、前記潤滑油溜まりに潤滑油を供給する油路を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のインホイールモータ駆動装置。
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CN108223769A (zh) * | 2016-12-22 | 2018-06-29 | 上海汽车集团股份有限公司 | 汽车用双电机动力系统、变速箱及汽车 |
CN109707820A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-05-03 | 枣庄北航机床创新研究院有限公司 | 一种能够消隙的机床数控转台活齿传动装置 |
CN113446368A (zh) * | 2020-03-26 | 2021-09-28 | 住友重机械工业株式会社 | 减速装置 |
-
2013
- 2013-09-13 JP JP2013190587A patent/JP2015055343A/ja active Pending
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