JP2016111174A - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】逆漏れ電流の低減と高い良品率の維持とをバランスよく実現できる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを提供する。
【解決手段】絶縁ゲート型バイポーラトランジスタは、第1導電型のドリフト領域11の上面に選択的に設けられた複数の第2導電型のストライプ状のベース領域2a〜2dと、このベース領域2a〜2dのそれぞれの内部に選択的に設けられた第1導電型のエミッタ領域3a,3a,3b,…3dと、エミッタ領域3a,3a,3b,…3dからベース領域2a〜2dの端部に至るベース領域2a〜2dの表面にそれぞれ設けられたゲート電極5a〜5eと、ドリフト領域1の下面に設けられた第2導電型のコレクタ領域10と、ドリフト領域1の内部のコレクタ領域10の側に、複数のベース領域2a〜2dの配置に対応して設けられた複数のライフタイム制御領域30a〜30dと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法に関する。
電力変換装置などに用いられる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下「IGBT」と称する。)では、特許文献1に示すように、n型のドリフト領域の下部にヘリウムイオンを注入してライフタイムキラーを導入し、ダイオード動作時の逆回復ピーク電流(逆漏れ電流)を小さくする方法が行われている。
しかし特許文献1の逆阻止IGBTのように、活性領域中のドリフト領域の下部全面にヘリウムイオンを注入すると、逆漏れ電流を低減させた製品が得られる一方で、イオンの全面注入によりドリフト領域とコレクタ領域との間のpn接合界面に生じる損傷面積が大きくなって、実際には逆漏れ電流を低減できない製品も発生する。そのため、IGBTを大量生産する場合、製品全体の良品率が低下するという問題がある。
特開2002−076017号公報
本発明は上記の問題に着目して為されたものであって、逆漏れ電流の低減と高い良品率の維持とをバランスよく達成できる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る絶縁ゲート型バイポーラトランジスタのある態様は、第1導電型のドリフト領域の上面に選択的に設けられた複数の第2導電型のストライプ状のベース領域と、このベース領域のそれぞれの内部に選択的に設けられた第1導電型のエミッタ領域と、エミッタ領域からベース領域の端部に至るベース領域の表面にそれぞれ設けられたゲート電極と、ドリフト領域の下面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、ドリフト領域の内部のコレクタ領域側に、複数のベース領域の配置に対応して設けられた複数のライフタイム制御領域と、を備えることを要旨とする。
また本発明に係る絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法のある態様は、(I)第1導電型の半導体基板の表面に複数の第2導電型のストライプ状のベース領域を選択的に形成する工程と、(II)複数のベース領域の表面にゲート酸化膜を介してそれぞれゲート電極を形成する工程と、(III)複数のベース領域のそれぞれの一部に第1導電型のエミッタ領域をそれぞれ形成する工程と、(IV)半導体基板の裏面に第2導電型のコレクタ領域を形成し、ベース領域とコレクタ領域に挟まれた半導体基板の領域をドリフト領域とする工程と、(V)選択的な荷電粒子の注入によって、ドリフト領域の内部のコレクタ領域側であって複数のベース領域の配置に対応した領域に、それぞれライフタイム制御領域を選択的に形成する工程と、を含むことを要旨とする。
従って本発明に係る絶縁ゲート型バイポーラトランジスタによれば、逆漏れ電流の低減と高い良品率の維持とをバランスよく達成できる。
本発明の実施の形態に係るIGBTを模式的に説明する断面図である。 本発明の実施の形態に係るIGBTのライフタイム制御領域30a〜30dを模式的に説明する部分断面図である。 本発明の実施の形態に係るIGBTの製造方法を説明する断面図である(その1)。 本発明の実施の形態に係るIGBTの製造方法を説明する断面図である(その2)。 本発明の実施の形態に係るIGBTの製造方法を説明する断面図である(その3)。 本発明の実施の形態に係るIGBTの製造方法を説明する断面図である(その4)。 本発明の実施の形態に係るIGBTの製造方法を説明する断面図である(その5)。 本発明の実施の形態に係るIGBTに照射するヘリウムイオンの照射率と逆漏れ電流との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係るIGBTに照射するヘリウムイオンの照射率と良品率との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係るIGBTに注入するヘリウムイオンのドーズ量と逆漏れ電流との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係るIGBTに注入するヘリウムイオンのドーズ量と順漏れ電流との関係を示す特性図である。 本発明の他の実施の形態に係るIGBTのライフタイム制御領域を模式的に説明する部分断面図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層や配線の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」に、「右」が「左」になることは勿論である。同様に、「表面」、「裏面」等の表現は単なる選択であって、逆の定義でも構わない。
また以下の本発明の実施の形態の説明では、第1導電型がn型、第2導電型がp型の場合について例示的に説明するが、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をp型、第2導電型をn型としても構わない。また本明細書及び添付図面においては、n又はpを冠した領域や層では、それぞれ電子又は正孔が多数キャリアであることを意味する。またnやpに付す+や−は、+及び−が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。また添付図面においては、見易さのため適宜ハッチングの図示を省略している。
(IGBTの構造)
本発明の実施の形態に係る絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)は、図1に示すように、IGBTの全体構造(図1中の上面)の略中央に位置し主電流が流れる活性領域Aと、この活性領域Aの外側に活性領域Aを囲むように設けられた耐圧構造領域Bと、この耐圧構造領域Bの外側に耐圧構造領域Bを囲むように設けられた分離拡散領域Cと、を備える逆阻止IGBTである。
活性領域Aには、プレーナ型のMOSゲート構造が周期的に形成されている。耐圧構造領域Bには、複数の第2導電型(p型)のウェル領域及びこのウェル領域に接するフィールドプレート電極が設けられ、IGBTの耐圧を高めている。活性領域Aと耐圧構造領域Bとの境界は、図1では、左右方向の両端に位置する2つのベース領域2a,2dのそれぞれの外側の端面の位置である。すなわち活性領域Aは、図1の断面図上の表現では、2つのベース領域2a,2dに挟まれた内側の領域として定義される。
また図示を省略するが、IGBTは、図1の左右方向に直交し紙面を垂直に貫く方向である奥行方向にもMOSゲート構造が複数連続して形成されたマトリクス状のトポロジーを有しており、左右方向の両端の境界と同様に、奥行方向の両端にも耐圧構造領域Bとの境界がそれぞれ設定されている。すなわち本発明の実施の形態に係るIGBTでは、活性領域Aは、半導体基板の主面を正面から見たときに、略矩形状の領域をなしている。
分離拡散領域Cには、選択的に深い第2導電型(p型)を呈する不純物の拡散領域である分離層20が形成され、分離層20は、ドリフト領域1を構成している半導体基板の両方の主面を連結するように、ドリフト領域1の表面(図1中の上面)から裏面(図1中の下面)側のコレクタ領域10まで形成されている。分離層20が形成されていることにより、逆方向の電圧が印加された逆バイアス印加時でも、逆耐圧接合部であるドリフト領域1とコレクタ領域10との間のpn接合界面の終端部が、分離層20を介して分離拡散領域Cの表面側に表われ、チップ化の際に切断されてもIGBTの側面に露出しない。そのため大きな漏れ電流の発生が抑制され、逆阻止IGBTの逆耐圧信頼性が高められている。
活性領域AにおいてIGBTは、第1導電型のドリフト領域1の表面(上面)に設けられた複数の第2導電型のストライプ状のベース領域2a〜2dと、この複数のベース領域2a〜2dのそれぞれの内部に選択的に設けられた複数の第1導電型のエミッタ領域3a,3a,3b,…3dと、を備える。またIGBTは、それぞれゲート絶縁膜4a〜4eを介して複数のエミッタ領域3a,3a,3b,…3dから複数のベース領域2a〜2dの端部に至るベース領域2a〜2dの表面にそれぞれ設けられた複数のゲート電極5a〜5eと、このゲート電極5a〜5eの上に積層された複数の層間絶縁膜6a〜6eと、を備える。
またIGBTは、複数の層間絶縁膜6a〜6e上に、複数のエミッタ領域3a,3a,3b,…3dの表面と複数のベース領域2a〜2dの表面とに共通に接触して設けられたエミッタ電極7と、ドリフト領域1の裏面(下面)に設けられた第2導電型のコレクタ領域10と、このコレクタ領域10の裏面上に設けられたコレクタ電極11と、を備える。
ドリフト領域1は、第1導電型(n型)で低不純物濃度すなわち比較的高抵抗に形成された半導体領域である。例えば、逆阻止IGBTの耐圧クラスが600V〜1200Vである場合、ドリフト領域1の表面側から裏面側までの厚みは、50μm〜200μm程度の範囲内とされ、図1に示したIGBTの場合、95μm程度に構成されている。
ベース領域2a〜2dは第2導電型(p型)の半導体領域である。尚、図1中では4個のベース領域2a〜2dが例示されているが、ベース領域の個数は4個以上でも以下でもよく、定格電流等の仕様に応じて適宜変更されてよい。ベース領域2a〜2dは、活性領域A中、図1中の奥行方向に沿って直線状に延在しており、複数のベース領域2a〜2dが延在方向に直交する方向(図1中の左右方向)にいずれも等しい幅で、且つ、それぞれ等間隔で繰り返し形成されている。すなわち、ドリフト領域1の上面を正面から見たとき、複数のベース領域2a〜2dは、ストライプ状に設けられている。ベース領域2a〜2dの断面は、側辺が湾曲しているものの、下辺が上辺より僅かに短い逆台形状に近い形状で形成されており、ベース領域2a〜2dの左右方向に測った上辺の長さが、図2に示すように、ベース領域2a〜2dの最大ベース領域幅wを構成する。
エミッタ領域は第1導電型(n型)で高不純物濃度すなわち比較的低抵抗に形成された半導体領域である。コレクタ領域10は、第2導電型(p型)で高不純物濃度に形成された半導体領域であり、コレクタ領域10からは、IGBTに順方向の電圧が印加された時、ドリフト領域1に正孔が注入される。コレクタ領域10の厚みは、0.2μm〜10μm程度の範囲内に設定されている。
ドリフト領域1の内部であって、下部のコレクタ領域10に近接する側の領域には、図1に示すように、面内方向に選択的に複数のライフタイム制御領域30a〜30dが設けられている。複数のライフタイム制御領域30a〜30dは、ドリフト領域1の下部の同じ深さに、左右方向に間隔を空けて間欠的に設けられている。またライフタイム制御領域30a〜30dは、ベース領域2a〜2dの下方に、ベース領域のそれぞれの配置位置に1対1でそれぞれ対応して設けられている。
ライフタイム制御領域30a〜30dは、後述するように、ヘリウムイオン(He2+又はHe2+)やプロトンイオン()等の軽イオンからなる荷電粒子のドリフト領域1に注入によって格子欠陥が生じている領域である。ライフタイム制御領域30a〜30dでは、発生した格子欠陥によりトラップ準位が形成され、ドリフト領域1中の正孔の消滅速度が速まる。そのためライフタイム制御領域30a〜30dは、IGBT中の低ライフタイム領域として機能する。
図2中に例示する2個のライフタイム制御領域30a,30bはそれぞれ、図2中の手前側に矩形状に表われる断面を一方の底面と定義した場合、この一方の底面と同形状の対向する底面を、図2中の奥行方向の両端にそれぞれ配置することで、側面をベース領域2a,2bの延在方向に平行に配置した略直方体状の領域で模式化して示されている。2個のライフタイム制御領域30a,30bの直方体の4つの側面のうち、図2中に表われる上面側の側面は、それぞれ対応するベース領域2a,2bの下面に平行に対向している。また図2中に表われる下面側の側面は、コレクタ領域10の上面に平行に対向している。
ライフタイム制御領域30a,30bは、ドリフト領域1の下部で、コレクタ領域10からベース領域2a,2b側へ、予め設定された間隔(離間距離h)を設けて形成されている。離間距離hは、1μm以上、20μm程度以下の範囲内の値で設定されることが好ましい。離間距離hが1μmより短いと、ライフタイム領域の下面と、ドリフト領域1及びコレクタ領域10間のpn接合界面とが近接し過ぎて、IGBTの動作に影響を与える。また離間距離hが20μmより長いと、pベース領域からnドリフト領域に再注入された正孔を逆耐圧接合領域に達する前に確実に低減されないため、逆漏れ電流の低減効果が減少する。
IGBTのドリフト領域1の下部には、図2の断面図に示すように、同じ構造の複数のライフタイム制御領域30a,30bが、面内方向に等間隔wで設けられている。ライフタイム制御領域30a,30bの、図2中の左右方向に測った長さである制御領域幅wは、ベース領域2a,2bのストライプの長手方向に直交する方向に測った幅として定義される。すなわち複数のライフタイム制御領域30a〜30dは、1個のライフタイム制御領域30a〜30dの制御領域幅wと、隣り合うライフタイム制御領域30a〜30d間の間隔である制御領域間隔wとの和(w+w)を、1ピッチとして繰り返し形成されている。尚、図2では、説明の便宜のため、ドリフト領域1の上面より上の表面構造と、コレクタ電極11の図示を省略している。
ライフタイム制御領域30a,30bは、奥行方向においては対応するベース領域2a,2bと同様に、活性領域Aの端から端まで形成され、活性領域Aの奥行方向の長さと同じ長さを有する。またライフタイム制御領域30a,30bは、左右方向の中心位置を、ライフタイム制御領域30a,30bの上方に位置するベース領域2a,2bの左右方向の中心位置と揃えて配置されている。ライフタイム制御領域30a,30bの左右方向の制御領域幅wは、下記の式(1)及び式(2)の2つの条件を満足するように設定されている。
(α)ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域間隔wが、ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅w以上、且つ、9倍長(9w)以下の範囲内:
≦w≦9w ・・・式(1)
(β)制御領域幅wが、ベース領域の最大ベース領域幅w以上:
≦w ・・・式(2)
<式(1)について>
まず活性領域Aにおける、エミッタ領域を含む1個のベース領域と、この着目したベース領域に隣接し、ベース領域間の領域となる左右いずれか一方の領域とを合わせた領域を「活性単位領域」と定義する。すなわち活性領域Aの面積は、複数のベース領域2a〜2dの面積の総和と、複数のベース領域間の領域の面積の総和との和で定義され、図1に示したIGBTの場合、活性領域Aの面積は3個の活性単位領域の面積と1個のベース領域の面積との和で表される。
ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wが式(1)を満足することにより、1個のライフタイム制御領域の直方体の下面の面積が、1個の活性単位領域の面積に対して10%以上50%以下の比率となる。そのためライフタイム制御領域30a,30bをイオン注入で形成する際の、ドリフト領域1とコレクタ領域10とのpn接合界面への損傷面積を低減することが可能となる。尚、1個のライフタイム制御領域の下面の面積の、活性単位領域の面積に対する比率は、更に20%以上40%以下が望ましい。
ライフタイム制御領域30a,30bの面積の活性単位領域の面積に対する比率が10%未満の場合、コレクタ領域10に再注入する正孔を十分に低減できない。またライフタイム制御領域30a,30bの面積の活性単位領域の面積に対する比率が50%を超える場合、ドリフト領域1とコレクタ領域10とのpn接合界面の損傷面積が大きくなり過ぎる。
<式(2)について>
ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wが上記式(2)を満足することにより、ライフタイム制御領域30a,30bを、図2の断面図に示した左右方向でベース領域2a,2bに重畳させることが可能となる。そしてベース領域2a,2bの底部とドリフト領域1とのpn接合界面のうち、ベース領域2a,2bの左右方向の両側面がそれぞれ底部に連続する2つのコーナー部間の距離で定義されるスパンの幅内に、ベース領域の2a,2bの下方に位置するライフタイム制御領域30a,30bの上面を確実に対応させることが可能となる。そのためドリフト領域1とベース領域2a,2bとのpn接合界面のコーナー部で発生し易い、逆漏れ電流の集中を緩和することが可能となる。
但し、ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wが、ベース領域2a,2bの最大ベース領域幅wより長くなり過ぎる場合、イオン注入時のpn接合界面へのダメージが拡大するため、ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wは、逆漏れ電流の集中の緩和とpn接合界面へのダメージ量との両方を考慮して設定されることが好ましい。
例えば、ベース領域2a,2bの最大ベース領域幅wを1μmとすると共にベース領域間の間隔を9μmとした、最大ベース領域幅wの、ベース領域2a,2bの繰り返しピッチに対する比率が10%の場合を考える。活性単位領域の長さは10μmであるため、式(1)より、ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wは、活性単位領域の長さの10%をなす1μm以上、且つ、50%をなす5μm以下の範囲内の値が一次的に設定される。このとき範囲内の下限値をなす1μmの長さは、ベース領域2a,2bの最大ベース領域幅w(=1μm)以上であるため式(2)が満たされており、最終的なライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wは、1μm以上5μm以下の範囲内で適宜選択可能である。
一方、ベース領域2a,2bの最大ベース領域幅wを1μmとすると共にベース領域w間の間隔を1μmとした、最大ベース領域幅wのベース領域2a,2bの繰り返しピッチに対する比率が50%の場合を考える。活性単位領域の長さは2μmであるため、式(1)より、ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wは、活性単位領域の長さの10%である0.2μm以上、且つ、50%である1μm以下の範囲内の値が、一次的に設定される。このとき範囲内の下限値をなす0.2μmの長さは、ベース領域2a,2bの最大ベース領域幅w(=1μm)より短いため、式(2)を満たさない。よって、選択できるライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wは1μmのみとなる。すなわち、最大ベース領域幅wの繰り返しピッチに対する比率が大きくなるほど、選択可能なライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wの値の幅は狭まる。
図2に示したライフタイム制御領域30a,30bの場合、ベース領域2a,2bの最大ベース領域幅wは約4.2μm、ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wは約5μm、ライフタイム制御領域30a,30b間の制御領域間隔wは約10μmにそれぞれ設定されている。すなわち活性領域Aには、wL+≒15μmのピッチで、長さ約5μmのライフタイム制御領域30a,30bがドリフト領域1の下部の面内方向に並設されていると共に、長さ約4.2μmのベース領域2a,2bがドリフト領域1の上部の面内方向に並設されている。尚、このとき活性単位領域の左右方向の長さはwL+≒15μmになると共に、ベース領域2a,2b間の間隔は、wL+−w≒10.8μmとなる。
図2に示したライフタイム制御領域30a,30bの場合、ライフタイム制御領域30a,30b間の制御領域間隔wは、ライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wの約2倍であり(w=2w)、ライフタイム制御領域30a,30bの下面の面積は、活性単位領域の面積の3分の1程度に形成されている。またライフタイム制御領域30a,30bの制御領域幅wは、ベース領域2a,2bの最大ベース領域幅wの約120%の長さに設定されている。
またライフタイム制御領域30a,30bの図2中の上下方向に沿った長さである制御領域厚みhは、コレクタ領域10の厚みh以上、且つ、コレクタ領域10の厚みhプラス10μm程度の値に設定されている(h≦h≦(h+10)μm)。ライフタイム制御領域30a,30bの厚みhは、ライフタイム制御領域30a,30bを形成するためにドリフト領域1に注入される荷電粒子の分布の幅を示す。ライフタイム制御領域30a,30bの厚みhは、荷電粒子の飛程分布のピーク位置を用いて定義できる。例えば、注入される荷電粒子の濃度のピーク位置をなす高さ位置から、厚み方向に対して対称的に拡がるガウス分布における、荷電粒子の濃度のピーク位置から上下10%の高さで定義される範囲、として設定可能である。
ライフタイム制御領域30a,30bの厚みhが、コレクタ領域10の厚みh未満の場合、正孔がライフタイム制御領域30a,30bで十分に電子と再結合せず、逆漏れ電流の低減効果が減少する。またライフタイム制御領域30a,30bの厚みhが、コレクタ領域10の厚みhプラス10μmの長さを超える場合、ドリフト領域1とコレクタ領域10とのpn接合界面の損傷領域の容量が大きくなる。
(IGBTの製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係るIGBTの製造方法を説明する。
(a)まず例えば厚さ500μm程度以上のn型を呈するシリコン半導体基板の表面に0.8〜2.5μm程度の膜厚の熱酸化膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により所定の形状にパターニングして、分離拡散領域Cを形成するためのイオン注入用マスクを形成する。このイオン注入用マスクを用いて、ボロン(B)等のp型を呈する不純物イオンを注入する。イオン注入後、熱酸化膜を除去し、1300℃程度で100〜300時間程度、熱処理により活性化して不純物イオンを裏面側まで深く拡散させ、100〜200μm程度の深さの分離層20を形成する。
(b)次に、熱処理中に形成された酸化膜を除去した後、改めて酸化膜を形成し、分離層20の形成の場合と同様に、フォトリソグラフィ工程及びイオン注入法等を用いて、p型を呈する不純物イオンを注入し、熱処理により活性化して、図3に示すように、活性領域A中のドリフト領域1の表面に複数のベース領域2a〜2dを形成する。
(c)次に、半導体基板の表面上に熱酸化法等により複数のゲート絶縁膜4a〜4eを形成する。そして形成されたゲート絶縁膜4a〜4eの全面上に、減圧CVD法等を用いて、ドープドポリシリコン膜を堆積する。ドープドポリシリコン膜の堆積後、フォトリソグラフィ技術等によりパターニングされたレジストをマスクとして、ドライエッチング技術等でドープドポリシリコン膜をエッチングし、図4に示すように、複数のゲート電極5a〜5eを形成する。
(d)次に、フォトリソグラフィ技術等によりイオン注入用マスクを形成し、半導体基板の表面側からリン(P)等のn型を呈する不純物イオンを、ゲート電極5a〜5eに対して自己整合させて注入する。イオン注入後、熱処理により注入された不純物イオンを活性化して、複数のベース領域2a〜2dの内部のそれぞれの一部に複数のエミッタ領域3a,3a,3b,…3dを、図4に示すようにそれぞれ形成する。自己整合法を用いているため、エミッタ領域3a,3a,3b,…3dそれぞれの端部の位置は、ゲート電極5a〜5eのそれぞれの端部の位置に自動的に整合される。
(e)次に、ゲート電極5a〜5eの上に、CVD法等により層間絶縁膜6a〜6eを全面に堆積する。そして、フォトリソグラフィ技術等を用いてエミッタ領域3a,3a,3b,…3dとベース領域2a〜2dとに共通して開口するように、層間絶縁膜6a〜6e中に複数のコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、アルミニウム(Al)やアルミニウム・シリコン合金(Al‐Si)等の金属膜を、真空蒸着法やスパッタリング法等を用いて全面に堆積させる。そしてフォトリソグラフィ技術やドライエッチング技術等を用いて金属膜をパターニングして層間絶縁膜6a〜6e上にエミッタ電極7を形成し、図5に示すように、半導体基板の表面構造を完成する。その後、半導体基板全面に電子線を照射してライフタイムキラーを導入した後、半導体基板の裏面を研削して半導体基板の厚みを減じ、研削された裏面に分離層20の下端面を露出させる。
(f)次に、半導体基板の裏面側に荷電粒子が照射されるように、半導体基板を、図示を省略する支持台を介してXYステージ上に載置する。そしてXYステージを所定の方向に移動させ、半導体基板の裏面の所定の位置に、サイクロトロン等を用いて荷電粒子を照射する。このとき、裏面側の活性領域Aの全面に対応する領域に荷電粒子を照射することなく、図6中の上向き矢印で示すように、選択的に照射してライフタイム制御領域30a〜30dを形成する。
照射に用いる荷電粒子としては、半導体基板の厚さ方向における打ち込み位置の制御性に優れる軽イオンが好ましい。軽イオンとしては、ヘリウムイオン(He2+又はHe2+)やプロトンイオン()等を用いることができる。例えばプロトンイオン()はヘリウムイオン(He2+)に対して約3分の1の原子量であるため、射影飛程の深いプロトンイオン()を照射する場合、ヘリウムイオン(He2+)の照射量に対して約3倍の照射量が必要となる。またヘリウムイオンの方がドナー化の影響がない点でプロトンイオンより好ましい。
ヘリウムイオンは、例えば、図6中の左右方向をX方向とした場合、XYステージをX方向に移動させながら、活性領域Aの左右方向の一端側からX方向に制御領域幅wの区間に照射を一定のビーム径で掃引する。制御領域幅wの区間の掃引が終了した後、制御領域間隔wの区間はヘリウムイオンを照射せずに半導体基板の移動のみ行う。そして制御領域間隔wの区間の移動が終了した後、再び制御領域幅wの区間にヘリウムイオンを一定のビーム径で照射するように掃引する。制御領域幅wの区間の掃引が終了した後、再び制御領域間隔wの区間はヘリウムイオンを照射せずに…の処理を、活性領域Aの他端側の境界位置まで繰り返す。
ヘリウムイオンの照射が、活性領域Aの他端側の境界まで掃引された後、半導体基板をY方向へ所定量移動させ、移動した位置から、XYステージを活性領域Aの他端側から一端側に向かって、先行のヘリウムイオン照射のための掃引と同様に、照射と非照射とを繰り返し、先行の照射ラインと平行に、後続の照射ラインを掃引する。X方向の掃引による照射とY方向の移動とを組み合わせて繰り返し行うことにより、ドリフト領域1の内部の裏面側に、活性単位領域の面積に対して10%以上50%以下の比率をなす面積を有する領域にヘリウムイオンを注入し、面内方向に選択的にライフタイム制御領域30a〜30dを形成する。ライフタイム制御領域30a,30bは、複数のベース領域2a〜2dの配置に対応した領域に位置する。またライフタイム制御領域の制御領域幅wが、ベース領域2a〜2dの最大ベース領域幅wに重畳する長さとなる。
またヘリウムイオンの注入は、ライフタイム制御領域30a〜30dの下面が、後工程で形成されるコレクタ領域10の予定される上面の位置から離間距離hだけ離間するとともに、厚みhがコレクタ領域10の厚みh以上、且つ、コレクタ領域10の厚みhプラス10μm程度以下となるように、加速電圧を設定して行う。ヘリウムイオンの注入は、例えば、ドーズ量を1×1011〜5×1011(atoms/cm)程度とし、加速電圧を23keV程度として行う。尚、ヘリウムイオンの注入後、低温アニール処理を施して、発生する格子欠陥の量を制御することにより、ライフタイム制御領域30a〜30dの位置及び厚みを制御してもよい。
(g)ライフタイム制御領域30a〜30dの形成後、半導体基板の裏面に、ドーズ量1×1013(atoms/cm)程度のボロン(B)等のp型を呈する不純物イオンを注入して、300〜350℃程度で60分程度の低温アニールを行って活性化する。この活性化により、図7に示すように、ボロン(B)のピーク濃度が1×1017(atoms/cm)程度で、厚みが1μm程度のコレクタ領域10が形成される。活性化の結果、p型のコレクタ領域10とp型の分離層20とが導電接続される。またベース領域2a〜2dとコレクタ領域10に挟まれた半導体基板の領域が、ドリフト領域1を構成する。更に、コレクタ領域10の下面上にAlやAl‐Si合金等の金属板を例えば合金法により接合してコレクタ電極11を形成する。その後、半導体基板を分離拡散領域Cの位置で格子状にダイシングして複数枚のチップに分割する。
(IGBTの特性)
図8に示すように、ヘリウムイオン(He2+)の照射面積の活性単位領域の面積に対する比率(以下「照射率」という。)が0%のとき逆漏れ電流が約60μAであるのに対し、照射率10%のとき逆漏れ電流が約10μAとなる。また照射率50%のとき逆漏れ電流が約9μAとなる。よって照射率0%の場合に比べ逆漏れ電流を約6分の1に低減できる。
また図9に示すように、照射率が0%のとき良品率が約96%であるのに対し、照射率10%のとき良品率は約90%、また照射率50%のとき良品率は約85%となる。また照射率100%のとき良品率は約50%にまで低下する。ここで「良品率」は、製造された逆阻止IGBTの中から所定数のサンプルを抽出して逆漏れ電流を測定し、測定された逆漏れ電流の値が、出荷可能水準の値以下であるサンプル数の、サンプル母数に対する割合として定義される。
また図10に、ライフタイム制御領域30a,30bの下面の面積が活性単位領域の面積に対して約3分の1をなすように、ヘリウムイオンのドーズ量を変化させて照射して製造したIGBTに、逆方向の電圧を印加したときの逆漏れ電流の大きさの変化を示す。図10に示すように、ドーズ量が零(照射率0%)のとき逆漏れ電流が約60μAであるのに対し、ドーズ量が1×1011(atoms/cm)のとき逆漏れ電流が約50μAとなり、逆漏れ電流が約7%低減する。またドーズ量が5×1011(atoms/cm)のとき逆漏れ電流が約5μAとなり、逆漏れ電流が90%以上低減する。
また図11に、ライフタイム制御領域30a,30bの下面の面積が活性単位領域の面積に対して約3分の1をなすように、ヘリウムイオンのドーズ量を変化させて照射して製造したIGBTに、順方向の電圧を印加したときの順漏れ電流の大きさの変化を示す。図11に示すように、ドーズ量が1×1011〜5×1011(atoms/cm)の範囲では、順漏れ電流が約4.0μA以下に抑えられている。ドーズ量が5×1011(atoms/cm)を超える場合、ヘリウムイオンの照射によりドリフト領域1とコレクタ領域10とのpn接合界面のダメージが大きくなり、順漏れ電流が4.0μA以上となる。よって、ヘリウムイオンのドーズ量は1×1011以上5×1011以下であることが好ましい。
本発明の実施の形態に係るIGBTは、ライフタイム制御領域30a,30bが、ドリフト領域1の下部のコレクタ領域10側で、ベース領域2a,2bの下方に位置するように半導体基板の面内方向に選択的に設けられている。そのため、IGBTに逆方向の電圧が印加されたとき、ベース領域2a,2bからドリフト領域1へ再注入される正孔は、ベース領域とライフタイム制御領域30a,30bとの間で電子との再結合が進行した後、連続してライフタイム制御領域30a,30bで更に再結合が促進される。そのため、再注入された正孔の量を、ドリフト領域1とコレクタ領域10との逆バイアスされたpn接合界面に到達する前に大きく低減することが可能となり、逆バイアス印加時の逆漏れ電流を低減することができる。
また本発明の実施の形態に係るIGBTの製造方法によれば、ライフタイム制御領域30a,30bの下面の面積が活性単位領域の面積に対して10%以上50%、望ましくは20%以上40%以下の比率となるように、ヘリウムイオンの照射率を制御してイオン注入を行う。そのため、照射率100%でライフタイム制御領域を形成する場合に比べ、ヘリウムイオンの照射によるドリフト領域1とコレクタ領域10との逆バイアスされたpn接合界面の損傷面積が低減され、IGBTの良品率を高く維持することが可能となる。すなわち、図8に示した逆漏れ電流の低減と、図9に示した高い良品率の維持とをバランスよく達成することができる。本発明の実施の形態に係るIGBTは、特に、逆方向の大きな電圧が印加される逆阻止IGBTとして適用した場合に好適となる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記のとおり開示した実施の形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。例えば本発明の実施の形態では、キャリア蓄積領域に正孔が蓄積されることで伝導度変調効果が生じるnpnトランジスタ型のIGBTを説明したが、これに限定されず、nとpとを入れ替えてpnpトランジスタ型とし、蓄積されるキャリアを電子とするIGBTを構成してもよい。またMOSゲート構造としてプレーナ型に限定されることなく、トレンチ型であってもよい。またIGBTとして逆阻止IGBTに限定されるものではない。
例えば図12に示したその他の実施の形態に係るIGBTでは、2個のベース領域2a,2b中にそれぞれ、ベース領域2a,2bの延在方向に沿って、複数のエミッタ領域3a1〜3a2,3a1〜3a3,3b1〜3b2,3b1〜3b3が互いに離間して等制御領域間隔で設けられている。図12中の左側に示すベース領域2aの下方には、ベース領域2a中のエミッタ領域3a1〜3a2,3a1〜3a3の奥行方向の最大ベース領域幅wと略等しい長さで形成された、3個のライフタイム制御領域30a1〜30a3が、ベース領域2aの延在方向に沿って設けられている。
また図12中の右側に示すベース領域2bの下方にも、ベース領域2b中のエミッタ領域3b1〜3b2,3b1〜3b3の奥行方向の最大ベース領域幅wと略等しい長さで形成された、3個のライフタイム制御領域30b1〜30b3が、ベース領域2bの延在方向に沿って設けられている。尚、図12中でベース領域の延在方向に並設されるエミッタ領域の個数は3個であるが、定格電流等の仕様に応じて、3個以上複数設けられてもよい。
図12に示したライフタイム制御領域30a1〜30a3,30b1〜30b3は、上記(IGBTの製造方法)と同様に、ヘリウムイオン等の荷電粒子の注入によって行われる。図12中の左側に示す1個のベース領域2aに対応する3個のライフタイム制御領域30a1〜30a3の下面の面積の和は、活性単位領域の面積に対して10%以上50%以下の比率となるように設定されている。また3個のライフタイム制御領域30a1〜30a3の制御領域幅wは、ベース領域2aの最大ベース領域幅wに重畳する長さとされている。
尚、第1変形例においても活性単位領域は、エミッタ領域を含む1個のベース領域とベース領域間の1個の領域とによって定義される。そのため、図12に示したIGBTの場合、図2に示したIGBTとエミッタ領域以外の表面構造の寸法が同じであっても、エミッタ領域の面積がベース領域の延在方向において図2に示したIGBTより少ない分、活性単位領域の面積も図2に示したIGBTより少なくなる。
また図12中の右側に示す1個のベース領域2bに対応する3個のライフタイム制御領域30b1〜30b3の下面の面積の和も、左側の3個のライフタイム制御領域30a1〜30a3と同様に、活性単位領域の面積に対して10%以上50%以下の比率となるように設定されている。また3個のライフタイム制御領域0b1〜30b3の制御領域幅wも、左側の3個のライフタイム制御領域30a1〜30a3と同様に、ベース領域2bの最大ベース領域幅wに重畳する長さとされている。
図12に示したIGBTでは、ライフタイム制御領域30a1〜30a3,30b1〜30b3が、複数のエミッタ領域3a1〜3a2,3a1〜3a3,3b1〜3b2,3b1〜3b3に対応してベース領域2a,2bの延在方向にも選択的に形成される。そのため荷電粒子を注入する時のドリフト領域1とコレクタ領域10とのpn接合界面のダメージを、不必要に拡大することなく、逆漏れ電流を低減させることができる。尚、他の構造については、図1〜図11で説明した本発明の実施の形態に係るIGBTと同様であるため説明を省略する。
以上のように本発明は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むとともに、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 ドリフト領域
2a〜2d ベース領域
3a,〜3d,3a〜3d エミッタ領域
4a〜4e ゲート絶縁膜
5a〜5e ゲート電極
6a〜6e 層間絶縁膜
7 エミッタ電極
10 コレクタ領域
11 コレクタ電極
20 分離層
30a〜30d ライフタイム制御領域
A 活性領域
B 耐圧構造領域
C 分離拡散領域
最大ベース領域幅
制御領域幅
制御領域間隔
コレクタ領域の厚み
制御領域厚み
離間距離

Claims (6)

  1. 第1導電型のドリフト領域の上面に選択的に設けられた複数の第2導電型のストライプ状のベース領域と、
    該ベース領域のそれぞれの内部に選択的に設けられた第1導電型のエミッタ領域と、
    前記エミッタ領域から前記ベース領域の端部に至る前記ベース領域の表面にそれぞれ設けられたゲート電極と、
    前記ドリフト領域の下面に設けられた第2導電型のコレクタ領域と、
    前記ドリフト領域の内部の前記コレクタ領域側に、前記複数のベース領域の配置に対応して設けられた複数のライフタイム制御領域と、
    を備える絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  2. 前記ライフタイム制御領域の面積が、前記複数のベース領域の面積の総和と前記複数のベース領域間の領域の面積の総和との和に対して10%以上50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  3. 前記ライフタイム制御領域は、前記ストライプの長手方向に直交する方向に測った前記ベース領域の幅に重畳する幅を有することを特徴とする請求項2に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
  4. 第1導電型の半導体基板の表面に複数の第2導電型のストライプ状のベース領域を選択的に形成する工程と、
    前記複数のベース領域の表面にゲート酸化膜を介してそれぞれゲート電極を形成する工程と、
    前記複数のベース領域のそれぞれの一部に第1導電型のエミッタ領域をそれぞれ形成する工程と、
    前記半導体基板の裏面に第2導電型のコレクタ領域を形成し、前記ベース領域と前記コレクタ領域に挟まれた前記半導体基板の領域をドリフト領域とする工程と、
    選択的な荷電粒子の注入によって、前記ドリフト領域の内部の前記コレクタ領域側であって前記複数のベース領域の配置に対応した領域に、それぞれライフタイム制御領域を選択的に形成する工程と、
    を含むことを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  5. 前記選択的な荷電粒子の注入は、注入する領域の面積が、前記複数のベース領域の面積の総和と前記ベース領域間の領域の面積の総和との和に対して10%以上50%以下となるように行うことを特徴とする請求項4に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
  6. 前記選択的な荷電粒子の注入は、前記ストライプの長手方向に直交する方向に測った注入する領域の幅が、前記ベース領域の幅に重畳する長さとなるように行うことを特徴とする請求項5に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
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