JP2018011030A - 逆阻止mos型半導体装置および逆阻止mos型半導体装置の製造方法 - Google Patents

逆阻止mos型半導体装置および逆阻止mos型半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】逆漏れ電流を低減したまま、pn接合へのダメージを減少させ順漏れ電流を低減させる。【解決手段】逆阻止MOS型半導体装置は、n-型ドリフト領域1と、p型ベース領域2と、n+型エミッタ領域と、MOSゲート構造と、p型分離領域31と、荷電粒子イオンの照射によるライフタイム制御領域30と、を備える。荷電粒子イオンの照射によるライフタイム制御領域30は、n-型ドリフト領域1の主面方向では、p型ベース領域2の平面パターンの下層に対応する範囲に、n-型ドリフト領域1の深さ方向では、p型ベース領域2とn-型ドリフト領域1とのpn接合面を含む領域に対応する範囲に、選択的に設けられる。荷電粒子イオンが照射される領域の面積32は、p型ベース領域2の面積の20%〜80%である。【選択図】図1

Description

この発明は、逆阻止MOS(Metal Oxide Semiconductor:金属−酸化物−半導体)型半導体装置および逆阻止MOS型半導体装置の製造方法に関する。
近年、半導体素子を用い、AC(交流)/AC変換や、AC/DC(直流)変換、DC/AC変換などを行うための電力変換回路では、電解コンデンサや直流リアクトルなどで構成される直流平滑回路を不要にできる直接リンク形変換回路として、マトリクスコンバータが知られている。このマトリクスコンバータは交流電圧下で使用されるため、それに搭載される複数のスイッチングデバイスには、順、逆方向に電流制御可能な双方向スイッチングデバイスを必要とする。
最近、回路の小型化、軽量化、高効率化、高速応答化および低コスト化等の観点から、前記双方向スイッチングデバイスを、2個の逆阻止IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を逆並列接続構成としたものが着目されている。逆阻止IGBTの逆並列接続構成には、逆方向電圧を阻止するためのダイオードを不要にできるメリットが得られるからである。すなわち、前記逆阻止IGBTは、逆耐圧を順耐圧と同程度の耐圧にすると共に耐圧信頼性も高めた特性を有するデバイスを言う。
一方、従来の電力変換回路に使用される通常のIGBTでは、逆耐圧を有しない通常のトランジスタやMOSFETと同様に、有効な逆耐圧は不要とされていたので、通常のIGBTは逆耐圧が順耐圧に比べて低く耐圧信頼性も低い性能のIGBTで充分であった。
図15は、従来構造の逆阻止IGBTの構成を示す断面図である。この逆阻止IGBTは、デバイスチップのシリコン半導体基板の表面側の中央部に、主電流の流れる活性領域110に含まれるプレーナ型のMOSゲート構造を有し、この活性領域110の外側に耐圧構造領域120を有する。さらに、この耐圧構造領域120の外周を取り巻く位置に、両主面間を半導体基板の導電型と異なる導電型の拡散領域で連結するp型分離領域31を備える。
前述した従来構造の逆阻止IGBTの各半導体領域について簡単に説明する。活性領域110は、半導体基板(n-型ドリフト領域)1、p型ベース領域2、n+型エミッタ領域3、ゲート絶縁膜4、ゲート電極5、層間絶縁膜6、エミッタ電極9およびp型コレクタ領域10、コレクタ電極11などを備える縦型のIGBTの主電流の経路となる領域である。前記p型分離領域31は、ホウ素(B)の熱拡散により半導体基板1の表面から裏面側のp型コレクタ領域10に達する深さ以上に形成されるp型の拡散領域である。このp型分離領域31によって、逆耐圧接合であるp型コレクタ領域10とn-型ドリフト領域1の間のpn接合面の終端部が、チップ化の際の切断面となるチップ側端面12に露出せず、層間絶縁膜6で保護された耐圧構造部120の表面13に露出するので、逆耐圧信頼性を高くすることができる。
しかし、逆阻止型IGBTでは、p型分離領域31の形成のために高温長時間の熱拡散ドライブ処理を必要とする。例えば、逆阻止IGBTの耐圧クラス600V〜1200Vのウエハ厚を約50〜180μmとした場合、熱拡散ドライブ処理時間は、耐圧600Vでは1300℃で約100時間(拡散深さ100μm程度の場合)、耐圧1200Vでは1300℃で約300時間(拡散深さ200μm程度の場合)となる。このため、それに伴い半導体基板内に多くの格子間酸素が導入され、酸素ドナー化現象が生じ、酸素析出物や結晶欠陥などが形成される。その結果、通常のIGBTに比べて半導体基板1中のpn接合近傍で発生する逆電圧印加の際の逆漏れ電流が大きくなり、層間絶縁膜6が熱劣化を起こし易く、耐圧信頼性が低下する。
このような逆阻止IGBTは、逆電圧印加の際に、半導体基板中の逆漏れ電流が多くなり易いことが知られている。しかも、逆阻止IGBTの場合では、特に逆漏れ電流が熱暴走に至り易いことが問題となる。その理由について説明する。逆阻止IGBTの逆漏れ電流は、図15に示すように、pn接合を有する半導体デバイスの逆電圧印加時に逆耐圧pn接合(n-型ドリフト領域1とp型コレクタ領域10間のpn接合)から伸びる空乏層中に発生する電子50および正孔51の対のうち、正孔51がコレクタ電極11に流れ込み、電子50がp型ベース領域2を経てエミッタ電極9へ流れることにより生じる。一方、逆阻止IGBTは、その内部の層構成内に寄生バイポーラトランジスタの層構成(図15のp型ベース領域2をエミッタ、n-型ドリフト領域1をベース、p型コレクタ領域10をコレクタとするpnpトランジスタ)を有する。
このように、逆阻止IGBTは、逆漏れ電流が大きい逆耐圧接合を有し、寄生トランジスタを内蔵するため、逆漏れ電流(電子正孔対)のうち電子電流が前記寄生トランジスタのベース電流となり、それに応じて正孔51がp型ベース領域2からn-型ドリフト領域1に向かって注入され、逆耐圧pn接合に達することで、逆漏れ電流が増幅される。このように、逆阻止IGBTでは、逆電圧印加時の元々大きい逆漏れ電流が寄生トランジスタによりさらに急激に増加するようになり、熱暴走に至り易くなるのである。
このような逆漏れ電流の低減やスイッチング速度の高速化、逆回復耐量の向上のために、従来においても、基板全面への電子線照射によりライフタイム制御を行っていたが、電子線照射量(ドーズ量)を多くすると、トレードオフの関係にあるオン電圧が悪化するので、電子線照射によるライフタイム制御には限界があった。
このため、半導体デバイスの局所的な少数キャリアのライフタイムの制御のために、プロトン(水素(H)イオン)やヘリウム(He)イオン等の荷電粒子の注入(照射)方法が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。そのような荷電粒子イオンを高エネルギーでシリコン半導体基板中に注入すると、結晶中の電子との非弾性衝突や原子核との弾性衝突を引き起こす。特に、原子核との弾性衝突では、シリコン原子を格子点から弾き飛ばし、多大の結晶欠陥を発生させる。同時に、この結晶欠陥を発生させた場所のライフタイムを局所的に低下させることができる。
すなわち、この荷電粒子の注入方法は、例えば、イオンの注入エネルギーを選ぶことによりシリコン半導体基板の表面からの深さ(位置)を、またイオンの注入量を変えることにより結晶欠陥の量、即ちライフタイムの低下の程度を制御できることが特徴である。このような荷電粒子には、プロトン、ヘリウムイオンだけでなく電子線照射も含まれるが、電子線を照射した場合は基板全体に欠陥が形成される点が異なる。電子線照射以外のプロトンやヘリウムイオンを照射した場合は、前述のように基板内の所定の領域のみに欠陥を形成することができる。
例えば、特許文献1の方法では、ヘリウムイオン照射により結晶欠陥が発生されたライフタイム制御領域を形成している。図16は、従来構造の逆阻止IGBTのp型ベース領域とライフタイム制御領域との位置関係を説明するための要部拡大断面斜視図である。図16に示すように、p型ベース領域2の表面ストライプ状パターンの面方向(図16のx軸方向)に沿って、p型ベース領域2の短辺幅w1とほぼ同じか少し広い幅w2を有するヘリウムイオン照射領域32にヘリウムイオンを照射することによって、ライフタイム制御領域30をハッチングで示す所定の深さの位置に形成している。
ライフタイム制御領域30により、p型ベース領域2の近傍の空乏層で発生する電子正孔対およびpn接合近傍に多い残留キャリアのライフタイムが小さくされるため、逆電圧印加時に、エミッタ電極9に流れ込み排除される電子50が少なくなり、これに対応してp型ベース領域2からn-型ドリフト領域1に注入する正孔51も少なくなり、すなわち、逆漏れ電流が小さくなる。
特開2014−90072号公報
しかしながら、従来構造のライフタイム制御領域は、p型ベース領域2とn-型ドリフト領域1とのpn接合を含む位置に形成されるため、ヘリウムイオン照射によりpn接合面にダメージが与えられ、pn接合に結晶欠陥が発生する。このpn接合面の結晶欠陥により、逆阻止IGBTの順漏れ電流が大幅に増加してしまい、逆阻止IGBTが熱暴走に至り易くなるという課題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、逆漏れ電流を低減したまま、pn接合へのダメージを減少させ順漏れ電流を低減させることができる逆阻止MOS型半導体装置および逆阻止MOS型半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、次の特徴を有する。逆阻止MOS型半導体装置は、第2導電型のベース領域と、第1導電型のエミッタ領域と、MOSゲート構造と、第2導電型の分離領域と、荷電粒子イオンの照射によるライフタイム制御領域と、を備える。第2導電型のベース領域は、第1導電型の半導体基板の一方の主面の表面層に選択的に設けられる。第1導電型のエミッタ領域は、前記ベース領域内の表面に選択的に設けられる。MOSゲート構造は、前記エミッタ領域と前記半導体基板からなる領域の表面層とに挟まれる前記ベース領域の表面上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極を含む。第2導電型の分離領域は、前記ベース領域の外周に耐圧構造領域を挟んで取り巻くとともに、前記一方の主面から他方の主面に跨って設けられる。荷電粒子イオンの照射によるライフタイム制御領域は、前記半導体基板の主面方向では、前記ベース領域の平面パターンの下層に対応する範囲に、前記半導体基板の深さ方向では、前記ベース領域と前記半導体基板とのpn接合面を含む領域に対応する範囲に、選択的に設けられる。前記荷電粒子イオンが照射される領域の面積は、前記ベース領域の面積の20%〜80%である。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記ベース領域は、前記半導体基板の前記一方の主面上にストライプ状の平面パターン部分を有し、前記平面パターン部分の長辺方向に、前記荷電粒子イオンが照射される領域と前記荷電粒子イオンが照射されない領域とが、交互に繰り返されることを特徴とする。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記荷電粒子イオンが照射される領域の前記平面パターン部分の長辺方向の長さは、10μm〜100μmであることを特徴とする。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記ライフタイム制御領域が、前記ベース領域の底面の両側のコーナー部を含むように配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記ベース領域は、前記半導体基板の前記一方の主面上にストライプ状の平面パターン部分を有し、前記荷電粒子イオンが照射される領域は、前記平面パターンと重なるように配置され、前記荷電粒子イオンが照射される領域の短辺幅は、前記平面パターンの短辺幅より狭いことを特徴とする。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記ベース領域は、前記半導体基板の前記一方の主面上にストライプ状の平面パターン部分を有し、前記荷電粒子イオンが照射される領域は、前記平面パターンと重なるように配置され、かつ、前記ライフタイム制御領域が前記ベース領域の底面のいずれか一つのコーナー部を含むように配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記MOSゲート構造は、前記エミッタ領域および前記ベース領域を貫通して前記半導体基板に達するトレンチと、前記トレンチ内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記荷電粒子イオンがヘリウムイオンであることを特徴とする。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置は、上述した発明において、前記ライフタイム制御領域の深さ方向の範囲が、照射ヘリウムイオンの飛程分布曲線のピーク位置を基準にして前記ベース領域の深さの80%〜120%であることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、第1導電型の半導体基板の外周に、一方の主面から第2導電型の分離領域を選択的に形成する工程を行う。次に、前記半導体基板の一方の主面の表面層に第2導電型のベース領域を選択的に形成する工程を行う。次に、前記ベース領域内の表面に第1導電型のエミッタ領域を選択的に形成する工程を行う。次に、前記エミッタ領域と前記半導体基板からなる領域の表面層とに挟まれる前記ベース領域の表面上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を含むMOSゲート構造を形成する工程を行う。次に、前記半導体基板の主面方向では、前記ベース領域の平面パターンの下層に対応する範囲に、前記半導体基板の深さ方向では、前記ベース領域と前記半導体基板とのpn接合面を含む領域に対応する範囲に、荷電粒子イオンの照射によるライフタイム制御領域を選択的に形成する工程を行う。次に、前記分離領域を前記一方の主面から他方の主面に跨るように削る工程を行う。ここで、前記荷電粒子イオンが照射される領域の面積は、前記ベース領域の面積の20%〜80%である。
また、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記荷電粒子イオンがヘリウムイオンであり、前記ヘリウムイオンの加速エネルギーは、1〜30MeVの範囲から選択される値であり、前記ヘリウムイオンのドーズ量は1×1011/cm2〜3×1011/cm2の範囲から選択される値であることを特徴とする。
上述した発明によれば、逆阻止IGBTは、ライフタイム制御領域により、p型ベース領域の近傍の空乏層で発生する電子正孔対およびpn接合近傍に多い残留キャリアのライフタイムが小さくされるので、逆電圧印加時に、エミッタ電極に流れ込み排除される電子が少なくなり、これに対応してp型ベース領域からn-型ドリフト領域に注入する正孔も少なくなり、すなわち、逆漏れ電流が小さくなる。さらに、ヘリウムイオンが照射される部分の面積が、p型ベース領域の面積の20%〜80%であることより、pn接合に与えられるダメージが軽減され、順漏れ電流も少なくすることができる。このため、逆阻止IGBTが熱暴走に至ることを低減させることができる。
本発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置および逆阻止MOS型半導体装置の製造方法によれば、逆漏れ電流を低減したまま、pn接合へのダメージを減少させ順漏れ電流を低減させることができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの構成を示す断面図である。 実施の形態1にかかる逆阻止IGBTのp型ベース領域とヘリウムイオン照射領域との位置関係を説明するための要部拡大断面斜視図である(その1)。 実施の形態1にかかる逆阻止IGBTのp型ベース領域とヘリウムイオン照射領域との位置関係を説明するための要部拡大断面斜視図である(その2)。 実施の形態1にかかる逆阻止IGBTのp型ベース領域とヘリウムイオン照射領域との位置関係を説明するための要部拡大断面斜視図である(その3)。 実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である(その1)。 実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である(その2)。 実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である(その3)。 実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である(その4)。 逆阻止IGBTのヘリウムイオン照射の面積と逆漏れ電流との関係図である。 逆阻止IGBTのヘリウムイオン照射の面積と順漏れ電流との関係図である。 実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの構成を示す断面図である。 実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である(その1)。 実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である(その2)。 実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である(その3)。 従来構造の逆阻止IGBTの構成を示す断面図である。 従来構造の逆阻止IGBTのp型ベース領域とライフタイム制御領域との位置関係を説明するための要部拡大断面斜視図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる逆阻止MOS型半導体装置および逆阻止MOS型半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。+および−を含めたnやpの表記が同じ場合は近い濃度であることを示し濃度が同等とは限らない。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、実施例で説明される添付図面は、見易くまたは理解し易くするために正確なスケール、寸法比で描かれていない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの構成を示す断面図である。実施の形態1の逆阻止IGBTは、デバイスチップのシリコン半導体基板の表面13側の中央部にプレーナ型のMOSゲート構造などを含む活性領域110を有する。この活性領域110は、耐圧600Vのデバイスでは、厚さ95μmのn-型ドリフト領域(第1導電型の半導体基板)1の表面13側に深さ3μmのp型ベース領域(第2導電型のベース領域)2と、深さ1μm未満のn+型エミッタ領域(第1導電型のエミッタ領域)3と、ゲート絶縁膜4と、ゲート電極5からなるMOSゲート構造と、層間絶縁膜6と、アルミニウム(Al)合金膜などからなるエミッタ電極9と、裏面側のp型コレクタ領域10と、コレクタ電極11などとを備える縦型の逆阻止IGBTの主電流の経路となる領域である。
さらに、活性領域110には、本発明の特徴である局部的な範囲に制御されたヘリウムイオン照射からなるライフタイム制御領域30(ハッチング部分)を有する。また、本発明の逆阻止IGBTは、活性領域110の外周に、耐圧構造領域120を挟んで取り巻くように配置され、両主面間を半導体基板のn導電型と異なるp導電型の拡散領域で連結するp型分離領域31を有する。
ライフタイム制御領域30は、n-型ドリフト領域1の表面13側からヘリウムイオン照射に形成される。上述したように、ヘリウムイオン照射は、基板内の所定の領域のみに欠陥を形成することができるため、ライフタイム制御領域30をシリコン半導体基板の所定の領域のみに形成する。具体的には、ライフタイム制御領域30は、n-型ドリフト領域1のおもて面方向(x軸方向)では、p型ベース領域2の平面パターンの下層に対応する範囲に、n-型ドリフト領域1の深さ方向(y軸方向)では、n-型ドリフト領域1とp型ベース領域2とのpn接合面を含む領域に対応する範囲に、設けられる。
前述のヘリウムイオン照射は、pベース領域2間のn-ドリフト領域1および活性領域110の外周を取り巻く耐圧構造領域120およびp型分離領域31には、マスクなどで遮蔽をし、できるだけヘリウムイオン照射をしないようにすることが好ましい。n-ドリフト領域1や耐圧構造領域120へのヘリウム照射はオン電圧を悪くする惧れがあるためである。また、p型分離領域31に、ヘリウムイオン照射が行われると、p型分離領域31とn-ドリフト領域1の間のpn接合がダメージを受けて逆漏れ電流が大きくなるので照射しない方が好ましい。
次に、ヘリウムイオン照射領域32について詳細に説明する。ヘリウムイオン照射領域32は、逆阻止IGBTを作製(製造)する際、ヘリウムイオンが照射される領域である。図2〜図4は、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTのp型ベース領域とヘリウムイオン照射領域との位置関係を説明するための要部拡大断面斜視図である。ヘリウムイオン照射は既によく知られているように、サイクロトロン装置を用いて行われる。また、ヘリウムイオン照射を行う開口部パターンはフォトレジストで正確なパターンを形成することができる。実施の形態1では、p型ベース領域2は、n-型ドリフト領域1のおもて面(主面)側に、短辺(平面パターン部分のx軸方向の辺)と長辺(平面パターン部分のz軸方向の辺)とからなるストライプ状の平面パターン部分を有している。
図2〜図4に示すように、ヘリウムイオン照射領域32は、p型ベース領域2の表面のストライプ状パターン上の一部だけに存在している。具体的には、ヘリウムイオン照射領域32の面積は、p型ベース領域2の面積の20%〜80%である。ヘリウムイオン照射領域32の具体的な形状を図2〜図4に示す。
図2の例では、ヘリウムイオン照射領域32は、ストライプ状の平面パターンと重なるように配置され、ストライプ状の平面パターンの長辺方向に、ヘリウムイオン照射領域32とヘリウムイオンが照射されない領域とが、交互に繰り返される。ここで、ヘリウムイオン照射領域32の長さをt1とする。ヘリウムイオン照射領域32とヘリウムイオンが照射されない領域との間の間隔t2は、ヘリウムイオン照射領域32の面積が、p型ベース領域2の面積の20%〜80%となる値から選択することができる。また、長さt1は、例えば、10μm以下は製造上の寸法公差精度が低いため10μm以上が好ましい。100μm以上だとヘリウムイオン照射によるpn接合へのダメージが一部に集中するため、またp型ベース領域2からn-型ドリフト領域1に再注入される正孔が一部に集中するため100μm以下が好ましい。よって長さt1は10μm〜100μmとすることが好ましい。
また、ヘリウムイオン照射領域32の幅w2は、p型ベース領域2の短辺幅w1とほぼ同じか少し広い幅w2を有することが好ましい。この場合、p型ベース領域2の底部のpn接合の両方のコーナー部分がライフタイム制御領域30に含まれるので、コーナー部分で発生し易い逆漏れ電流の集中を緩和することができる。また、図2ではw1<w2とあるが、w2がw1より大きくなるほど、オン電圧の増加への悪影響が大きくなるので、w2=w1に近い方が好ましい。
また、ヘリウムイオン照射領域32は、複数個設けることが好ましい。ヘリウムイオン照射領域32が1つしかないと、ヘリウムイオン照射によりダメージを受けたpn接合の領域が長くなり、電流が流れにくい領域が長くなるため、順漏れ電流が減少しにくいためである。逆に、ヘリウムイオン照射領域32の個数が多いほど、ヘリウムイオン照射によりダメージを受けたpn接合の領域が短くなるため、電流が流れやすくなり、順漏れ電流を減少することができる。
図3の例では、ヘリウムイオン照射領域32は、ストライプ状の平面パターンと重なるように配置され、ヘリウムイオン照射領域32の幅w3は、p型ベース領域2の短辺幅w1より狭くなっている。幅w3は、w3≦0.8×w1およびw3≧0.2×w1を満たすものから選ぶことができる。この場合、ヘリウムイオン照射領域32は、図2のヘリウムイオン照射領域32より、ヘリウムイオン照射領域32を形成するためのマスクが単純になり、形成工数が削減できる。
図4の例では、ヘリウムイオン照射領域32は、ストライプ状の平面パターンと重なるように配置され、ライフタイム制御領域30がp型ベース領域2の底面のいずれか一つのコーナー部を含むように配置される。図4では、ライフタイム制御領域30はp型ベース領域2の左側の底面のコーナー部を含んでいる。ヘリウムイオン照射領域32の幅w4は、p型ベース領域2の短辺幅w1より狭くなっている。幅w4は、w4≦0.8×w1およびw4≧0.2×w1を満たすものから選ぶことができる。この場合、図3の場合と同様に、ヘリウムイオン照射領域32を形成するためのマスクが単純になり、さらに、ライフタイム制御領域30が、p型ベース領域2の底面のいずれか一つのコーナー部を含むため、コーナー部分で発生し易い逆漏れ電流の集中を緩和することができる。
(実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの製造方法)
次に、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの製造方法について説明する。図5〜図8は、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である。ここでは、耐圧1200Vの逆阻止IGBTの製造方法について説明する。図5に示すように、厚さ500μm以上で比抵抗80ΩcmのFZ(Floating Zone)シリコン基板100の表面に、0.8μm〜2.5μm程度の初期酸化膜101を形成する。
次に、シリコン基板100内の各デバイスチップ領域の中央部のMOSゲート構造を形成する予定の活性領域および耐圧構造領域の外周を取り囲む環状のパターンで、選択的に初期酸化膜101をエッチングして、幅170μmの分離拡散用の開口部20を形成する。ここまでの状態が図5に示されている。
次に、初期酸化膜101をマスクとして開口部20からp型不純物であるホウ素をイオン注入する。ホウ素のイオン注入後、ドーパントマスクとして用いた初期酸化膜101を除去する。次に、酸化雰囲気中で高温(1300℃)、長時間(300時間〜330時間)の熱処理を行い、200μm程度の深さのp型分離領域31を形成する。このp型分離領域31によって、逆耐圧接合であるp型コレクタ領域10とn-型ドリフト領域1の間のpn接合面の終端部がチップ化の際の切断面となるチップ側端面12に露出せず、絶縁膜で保護された耐圧構造部120の表面13に露出するので、逆耐圧信頼性を高くすることができる。ここまでの状態が図6に示されている。なお、ここでは、p型分離領域31を全て拡散工程により形成したが、最初にV型の溝を形成し、この溝の周りにホウ素をイオン注入することによって形成しても良い。
次に、p型分離領域31の形成中に基板表面に形成された酸化膜を除去後、酸化膜を付け直し、この酸化膜およびまたは堆積したポリシリコン膜を用いて、所定のパターンで拡散深さ2μm〜10μm、例えば3μmのp型ベース領域2、n+型エミッタ領域3、ゲート絶縁膜4、ゲート電極5、層間絶縁膜6およびエミッタ電極9等を通常のプレーナゲート型IGBTと同様の公知方法で形成する。次に、本発明の特徴であるライフタイム制御領域30を形成するためにヘリウムイオン照射を、図2〜図4に示すようにp型ベース領域2の表面パターンに沿って選択的に行う。この際、ヘリウムイオンの加速エネルギーを深さ方向にp型ベース領域2の底面のpn接合面を挟む領域にライフタイム制御領域30が形成されるようにする。また、ヘリウムイオンは、プロトンより質量があるため、イオン注入領域の幅が深さ方向に広くなる傾向がある。このため、ヘリウムイオン注入により、ライフタイム制御領域30を深さ方向に広く形成することができる。
具体的にヘリウムイオンの照射条件の一例を挙げれば、拡散深さ3μmのp型ベース領域2の底面のpn接合面にヘリウムイオン照射のピークを持たせるように、例えば、23MeVの加速エネルギーでヘリウムイオンを照射する。この加速エネルギーはp型ベース領域2の深さに応じて、例えば、1.0〜30MeV程度の範囲から選択することができる。さらに、ライフタイム制御領域30の深さ方向の範囲が、照射ヘリウムイオンの飛程分布曲線のピーク位置を基準にして、p型ベース領域2の深さの80%〜120%となるように、ヘリウムイオンのドーズ量を1×1011cm2〜3×1011cm2未満の範囲とする。この結果、p型ベース領域2の深さの位置を挟んで上下にそれぞれ0.6μm程度の幅を有するライフタイム制御領域30が形成される。ここまでの状態が図7に示されている。
次に、シリコン基板100の裏面を削り、シリコン基板100の厚さを180μm程度にし、削り面21にp型分離領域31を露出させる。ここまでの状態が図8に示されている。次に、ドーズ量1×1013/cm2のホウ素をイオン注入して350℃程度で1時間程度の低温アニールを行い、活性化したホウ素のピーク濃度が1×1017/cm3程度で、厚みが1μm程度のp型コレクタ層10を形成する。この裏面のp型コレクタ層10と前記p型分離領域31は導電接続される。従来と同様のコレクタ電極11を形成した後、シリコン基板1を各デバイスチップに切断すると、図1に示す本発明にかかる逆阻止IGBTが製造される。
次に、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの逆漏れ電流と順漏れ電流を説明する。図9は、逆阻止IGBTのヘリウムイオン照射の面積と逆漏れ電流との関係図である。図9は、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTおよび従来の逆阻止IGBTに対して、逆電圧印加を行い、逆電流を測定した結果である。図9において、横軸は、p型ベース領域2の面積に対するヘリウムイオンが照射される領域の面積の比率(以下、He照射面積/p型ベース面積と略する)を示す。単位は%である。また、縦軸は、逆漏れ電流を示す。単位はμAである。
また、図9において、He照射面積/p型ベース面積=0%の場合は、ヘリウムイオン照射が行われない従来技術の逆阻止IGBTの例である。この場合は、逆漏れ電流が60μAと高いことが分かる。また、He照射面積/p型ベース面積=100%の場合は、p型ベース領域全面にヘリウムイオン照射を行った従来技術の逆阻止IGBTの例である。この場合は、逆漏れ電流が10μAと十分低いことが分かる。一方、He照射面積/p型ベース面積=20%、50%、80%の場合は、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの例である。この場合は、逆漏れ電流が10μAと、p型ベース領域全面にヘリウムイオン照射を行った従来技術と同程度に低いことが分かる。これにより、He照射面積/p型ベース面積を20%〜80%にしても、逆漏れ電流を十分低減できることが分かる。
図10は、逆阻止IGBTのヘリウムイオン照射の面積と順漏れ電流との関係図である。図10は、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTおよび従来の逆阻止IGBTに対して、順電圧印加を行い、順電流を測定した結果である。図10において、横軸は、He照射面積/p型ベース面積を示す。単位は%である。また、縦軸は、順漏れ電流を示す。単位はμAである。
また、図10において、He照射面積/p型ベース面積=0%の場合は、ヘリウムイオン照射が行われない従来技術の逆阻止IGBTの例である。この場合は、pn接合にダメージがないため、順漏れ電流がほぼ0μAと低いことが分かる。また、He照射面積/p型ベース面積=100%の場合は、p型ベース領域全面にヘリウムイオン照射を行った従来技術の逆阻止IGBTの例である。この場合は、pn接合にダメージがあるため、順漏れ電流が2.0μAと高くなっていることが分かる。一方、He照射面積/p型ベース面積=20%、50%、80%の場合は、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTの例である。この場合は、pn接合のダメージが軽減されるため、順漏れ電流が1.0μAと、低くなっていることが分かる。これにより、He照射面積/p型ベース面積を20%〜80%にすることで、順漏れ電流を十分低減できることが分かる。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、逆阻止IGBTは、ライフタイム制御領域により、p型ベース領域の近傍の空乏層で発生する電子正孔対およびpn接合近傍に多い残留キャリアのライフタイムが小さくされるので、逆電圧印加時に、エミッタ電極に流れ込み排除される電子が少なくなり、これに対応してp型ベース領域からn-型ドリフト領域に注入する正孔も少なくなり、すなわち、逆漏れ電流が小さくなる。さらに、ヘリウムイオンが照射される部分の面積が、p型ベース領域の面積の20%〜80%であることより、pn接合に与えられるダメージが軽減され、順漏れ電流も少なくすることができる。このため、逆阻止IGBTが熱暴走に至ることを低減させることができる。
(実施の形態2)
図11は、実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの構成を示す断面図である。実施の形態2にかかる逆阻止IGBTが実施の形態1にかかる逆阻止IGBTと異なるのは、トレンチ構造を有している点である。また、実施の形態2にかかる逆阻止IGBTでも、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTと同様に、耐圧構造領域、p型分離領域を有している。しかしながら、耐圧構造領域、p型分離領域の構造は実施の形態1と同様のため、図11では、活性領域のみを示している。
図11に示すように、実施の形態2にかかる逆阻止IGBTは、n型半導体基板41の第1主面(おもて面)に、n-型ドリフト領域1が堆積されている。n-型ドリフト領域1の、n型半導体基板41側に対して反対側の表面には、p型ベース領域2が設けられている。p型ベース領域2の内部には、第1主面側にn+型エミッタ領域42およびp+型コンタクト領域43が選択的に設けられている。また、n+型エミッタ領域42およびp+型コンタクト領域43は互いに接する。
n型半導体基板41の第1主面側(p型ベース領域2側)には、トレンチ構造が形成されている。具体的には、トレンチ45は、p型ベース領域2のn型半導体基板41側に対して反対側の表面から、n+型エミッタ領域42およびp型ベース領域2を貫通してn-型ドリフト領域1に達する。トレンチ45の内壁に沿って、トレンチ45の底部および側壁にゲート絶縁膜4が形成されており、トレンチ45内のゲート絶縁膜4の内側にゲート電極5が形成されている。ゲート絶縁膜4によりゲート電極5が、n-型ドリフト領域1およびp型ベース領域2と絶縁されている。
層間絶縁膜44は、n型半導体基板41の第1主面側の全面に、トレンチ45に埋め込まれたゲート電極5を覆うように設けられている。エミッタ電極9は、層間絶縁膜44に開口されたコンタクトホールを介して、n+型エミッタ領域42およびp+型コンタクト領域43に接する。エミッタ電極9は、層間絶縁膜44によって、ゲート電極5と電気的に絶縁されている。また、n型半導体基板41の第2主面(裏面)には、コレクタ電極11が設けられている。
また、ライフタイム制御領域30は、トレンチ45とトレンチ45間のn-型ドリフト領域1の上面とp型ベース領域2の底面とのpn接合面を含む領域に対応する範囲に設けられる。p型ベース領域2の面積に対するライフタイム制御領域30の面積の比率は、実施の形態1と同様に20%〜80%である。ライフタイム制御領域30を形成するためのヘリウムイオン照射領域32の具体的な形状も、実施の形態1と同様である。
(実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの製造方法)
次に、実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの製造方法について説明する。図12〜図14は、実施の形態2にかかる逆阻止IGBTの製造途中の状態を模式的に示す断面図である。
まず、n型半導体基板41を用意する。そして、このn型半導体基板41の第1主面上に、n型の不純物、例えば窒素原子(N)をドーピングしながらn-型ドリフト領域1を、エピタキシャル成長させる。ここまでの状態が図12に示されている。
次に、n-型ドリフト領域1の表面上に、p型の不純物、例えばアルミニウム(Al)原子をドーピングしながらp型ベース領域2を、エピタキシャル成長させる。次に、p型ベース領域2の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないマスクを例えば酸化膜で形成する。そして、この酸化膜をマスクとしてイオン注入法によってn型の不純物、例えばリン(P)をイオン注入する。それによって、p型ベース領域2の表面層の一部にn+型エミッタ領域42が形成される。
次に、n+型エミッタ領域42を形成するためのイオン注入時に用いたマスクを除去する。そして、p型ベース領域2の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないマスクを例えば酸化膜で形成し、この酸化膜をマスクとしてp型ベース領域2の表面上にp型の不純物、例えばアルミニウムをイオン注入する。それによって、p型ベース領域2の表面領域の一部にp+型コンタクト領域43が形成される。続いて、p+型コンタクト領域43を形成するためのイオン注入時に用いたマスクを除去する。n+型エミッタ領域42を形成するためのイオン注入と、p+型コンタクト領域43を形成するためのイオン注入と、の順序を入れ替えてもよい。ここまでの状態が図13に示されている。
次に、熱処理(アニール)を行って、例えばn+型エミッタ領域42、p+型コンタクト領域43を活性化させる。なお、上述したように1回の熱処理によって各イオン注入領域をまとめて活性化させてもよいし、イオン注入を行うたびに熱処理を行って活性化させてもよい。
次に、p型ベース領域2の表面(すなわちn+型エミッタ領域42およびp+型コンタクト領域43の表面)上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないマスクを例えば酸化膜で形成する。そして、この酸化膜をマスクとしてドライエッチング等によってn+型エミッタ領域42およびp型ベース領域2を貫通してn-型ドリフト領域1に達するトレンチ45を形成する。続いて、トレンチ45を形成するために用いたマスクを除去する。
次に、n+型エミッタ領域42およびp+型コンタクト領域43の表面と、トレンチ45の底部および側壁と、に沿ってゲート絶縁膜4を形成する。このゲート絶縁膜4は、酸素雰囲気中において1000℃程度の温度の熱処理によって形成してもよい。また、このゲート絶縁膜4は高温酸化(High Temperature Oxide:HTO)等のような化学反応によって堆積する方法で形成してもよい。
次に、ゲート絶縁膜4上に、例えばリン原子がドーピングされた多結晶シリコン層を形成する。この多結晶シリコン層はトレンチ45内を埋めるように形成する。この多結晶シリコン層をパターニングして、トレンチ45内部に残すことによって、ゲート電極5が形成される。
次に、ゲート絶縁膜4およびゲート電極5を覆うように、例えばリンガラスを1μm程度の厚さで成膜し、層間絶縁膜44を形成する。層間絶縁膜44およびゲート絶縁膜4をパターニングして選択的に除去することによって、コンタクトホールを形成し、n+型エミッタ領域42およびp+型コンタクト領域43を露出させる。その後、熱処理(リフロー)を行って層間絶縁膜44を平坦化する。
次に、コンタクトホール内および層間絶縁膜44の上にエミッタ電極9となる導電性の膜を形成する。この導電性の膜を選択的に除去して、例えばコンタクトホール内にのみエミッタ電極9を残す。
次に、本発明の特徴であるライフタイム制御領域30を形成するためにヘリウムイオン照射を、図2〜図4に示すようにp型ベース領域2の表面パターンに沿って選択的に行う。この際、ヘリウムイオンの加速エネルギーを厚さ方向にp型ベース領域2の底面のpn接合面を挟む領域にライフタイム制御領域30が形成されるようにする。次に、n型半導体基板41の第2主面上に、例えばニッケル(Ni)膜でできたコレクタ電極11を形成する。以上のようにして、図11に示す逆阻止IGBTが完成する。
以上、説明したように、実施の形態2にかかる逆阻止IGBTおよび逆阻止IGBTの製造方法によれば、実施の形態1にかかる逆阻止IGBTおよび逆阻止IGBTの製造方法と同様の効果を得ることができる。
以上において本発明では、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる逆阻止IGBTおよび逆阻止IGBTの製造方法は、電力変換装置などに用いられる逆阻止IGBTなどの逆阻止MOS型半導体装置およびその製造方法に有用である。
1 n-型ドリフト領域
2 p型ベース領域
3 n+型エミッタ領域
4 ゲート絶縁膜
5 ゲート電極
6 層間絶縁膜
9 エミッタ電極
10 p型コレクタ領域
11 コレクタ電極
12 チップ側端面
13 表面
21 削り面
30 ライフタイム制御領域
31 p型分離領域
32 ヘリウムイオン注入領域
41 n型半導体基板
42 n+エミッタ領域
43 p+コンタクト領域
44 層間絶縁膜
45 トレンチ
50 電子
51 正孔
100 シリコン基板
101 初期酸化膜
110 活性領域
120 耐圧構造領域

Claims (11)

  1. 第1導電型の半導体基板の一方の主面の表面層に選択的に設けられた第2導電型のベース領域と、
    前記ベース領域内の表面に選択的に設けられた第1導電型のエミッタ領域と、
    前記エミッタ領域と前記半導体基板からなる領域の表面層とに挟まれる前記ベース領域の表面上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極を含むMOSゲート構造と、
    前記ベース領域の外周に耐圧構造領域を挟んで取り巻くとともに、前記一方の主面から他方の主面に跨って設けられた第2導電型の分離領域と、
    前記半導体基板の主面方向では、前記ベース領域の平面パターンの下層に対応する範囲に、前記半導体基板の深さ方向では、前記ベース領域と前記半導体基板とのpn接合面を含む領域に対応する範囲に、選択的に設けられた、荷電粒子イオンの照射によるライフタイム制御領域と、
    を備え、
    前記荷電粒子イオンが照射される領域の面積は、前記ベース領域の面積の20%〜80%であることを特徴とする逆阻止MOS型半導体装置。
  2. 前記ベース領域は、前記半導体基板の前記一方の主面上にストライプ状の平面パターン部分を有し、
    前記平面パターン部分の長辺方向に、前記荷電粒子イオンが照射される領域と前記荷電粒子イオンが照射されない領域とが、交互に繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  3. 前記荷電粒子イオンが照射される領域の前記平面パターン部分の長辺方向の長さは、10μm〜100μmであることを特徴とする請求項2に記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  4. 前記ライフタイム制御領域が、前記ベース領域の底面の両側のコーナー部を含むように配置されることを特徴とする請求項2または3に記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  5. 前記ベース領域は、前記半導体基板の前記一方の主面上にストライプ状の平面パターン部分を有し、
    前記荷電粒子イオンが照射される領域は、前記平面パターンと重なるように配置され、
    前記荷電粒子イオンが照射される領域の短辺幅は、前記平面パターンの短辺幅より狭いことを特徴とする請求項1に記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  6. 前記ベース領域は、前記半導体基板の前記一方の主面上にストライプ状の平面パターン部分を有し、
    前記荷電粒子イオンが照射される領域は、前記平面パターンと重なるように配置され、かつ、前記ライフタイム制御領域が前記ベース領域の底面のいずれか一つのコーナー部を含むように配置されることを特徴とする請求項1に記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  7. 前記MOSゲート構造は、前記エミッタ領域および前記ベース領域を貫通して前記半導体基板に達するトレンチと、前記トレンチ内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  8. 前記荷電粒子イオンがヘリウムイオンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  9. 前記ライフタイム制御領域の深さ方向の範囲が、照射ヘリウムイオンの飛程分布曲線のピーク位置を基準にして前記ベース領域の深さの80%〜120%であることを特徴とする請求項8に記載の逆阻止MOS型半導体装置。
  10. 第1導電型の半導体基板の外周に、一方の主面から第2導電型の分離領域を選択的に形成する工程と、
    前記半導体基板の一方の主面の表面層に第2導電型のベース領域を選択的に形成する工程と、
    前記ベース領域内の表面に第1導電型のエミッタ領域を選択的に形成する工程と、
    前記エミッタ領域と前記半導体基板からなる領域の表面層とに挟まれる前記ベース領域の表面上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を含むMOSゲート構造を形成する工程と、
    前記半導体基板の主面方向では、前記ベース領域の平面パターンの下層に対応する範囲に、前記半導体基板の深さ方向では、前記ベース領域と前記半導体基板とのpn接合面を含む領域に対応する範囲に、荷電粒子イオンの照射によるライフタイム制御領域を選択的に形成する工程と、
    前記分離領域を前記一方の主面から他方の主面に跨るように削る工程と、
    を含み、
    前記荷電粒子イオンが照射される領域の面積は、前記ベース領域の面積の20%〜80%であることを特徴とする逆阻止MOS型半導体装置の製造方法。
  11. 前記荷電粒子イオンがヘリウムイオンであり、
    前記ヘリウムイオンの加速エネルギーは、1〜30MeVの範囲から選択される値であり、前記ヘリウムイオンのドーズ量は1×1011/cm2〜3×1011/cm2の範囲から選択される値であることを特徴とする請求項10に記載の逆阻止MOS型半導体装置の製造方法。
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