JP2002353454A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2002353454A
JP2002353454A JP2001158612A JP2001158612A JP2002353454A JP 2002353454 A JP2002353454 A JP 2002353454A JP 2001158612 A JP2001158612 A JP 2001158612A JP 2001158612 A JP2001158612 A JP 2001158612A JP 2002353454 A JP2002353454 A JP 2002353454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FZウェハを用い、I層化したドリフト層を
有するバッファ層付きのI型ドリフト層PT−IGBT
を得ること。 【解決手段】 FZウェハを用い、ドリフト層41の不
純物濃度を非常に小さくしてドリフト層41をI層化
し、さらにバッファ層40を、ブロッキングモード時に
空乏層の伸びを途中で阻止するとともに、空乏層の伸び
を阻止した状態でコレクタ層寄りの領域に過剰キャリア
を有する程度の幅と濃度に設定する。また、素子側面
(ダイシング面)に沿ってドリフト層41の表面からバ
ッファ層40に至るまで高不純物濃度の分離領域51を
設ける。バッファ層40を形成するにあたっては、ウェ
ハ表面側に分離領域51および素子のセル構造等を形成
し、ウェハ裏面を研削した後、その研削面にプロトンま
たは酸素イオンを照射し、300℃〜500℃のアニー
ルをおこなうことにより形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力変換装置など
に使用される半導体装置およびその製造方法に関し、特
にFZウェハを用いたパンチスルー型のIGBTおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力変換装置などに使用される半導体装
置としてIGBTがある。IGBTには、ブロッキング
モード(エミッタ・コレクタ間に定格電圧が印加され、
ゲートにしきい値以上の電圧が印可されていないオフ状
態)時にエミッタ領域から伸びる空乏層がコレクタ層に
まで伸展しないようにドリフト層を厚くしたノンパンチ
スルー型IGBT(以下、NPT−IGBTとする)
と、ドリフト層とコレクタ層との間にバッファ層を設け
て空乏層がコレクタ層にまで伸展するのを防ぐパンチス
ルー型IGBT(以下、PT−IGBTとする)とがあ
る。一般に、NPT−IGBTは安価なFZウェハを用
いて製造される。一方、PT−IGBTにはエピタキシ
ャルウェハが用いられる。
【0003】図11は、従来のNPT−IGBTの構成
を示す縦断面図である。NPT−IGBTでは、図11
に示すように、FZウェハよりなるn-ドリフト層11
の一方の主面(以下、表面とする)側にpベース領域1
2およびn+エミッタ領域13が設けられており、もう
一方の主面(以下、裏面とする)側にp+コレクタ層1
4が設けられている。そして、ベース領域12上にはゲ
ート絶縁膜であるゲート酸化膜15を介してゲート電極
16が形成されており、さらにその上に層間絶縁膜17
を介してエミッタ電極18が形成されている。また、コ
レクタ層14の表面上にはコレクタ電極19が形成され
ている。
【0004】図11に示す構成のNPT−IGBTで
は、コレクタ電極19に正電圧を印加するとともにゲー
ト電極16に正電圧を印加すると、IGBT表面にチャ
ネルが形成され、ドリフト層11中を電子電流が流れ
る。電子がコレクタ層14に到達すると、ドリフト層1
1にホールが注入される。それによって、ドリフト層1
1は高注入状態となり、抵抗が激減するため、低オン電
圧が実現される。しかし、この構成のNPT−IGBT
では、ドリフト層11が十分に厚いため、その分抵抗が
上昇し、IGBTのオン状態における電圧降下量が大き
くなるとともに、ドリフト層11での蓄積キャリア量が
増大してターンオフ時の損失が大きくなるという欠点が
ある。
【0005】図12は、従来のPT−IGBTの構成を
示す縦断面図である。PT−IGBTでは、図12に示
すように、p+コレクタ層24上にn+バッファ層20お
よびn-ドリフト層21が順に設けられる。これら3つ
の層(コレクタ層24、バッファ層20およびドリフト
層21)は、高濃度p型シリコン基板上に高濃度n型エ
ピタキシャル層を成長させ、さらにその上に低濃度n型
エピタキシャル層を成長させたウェハにより構成され
る。n-ドリフト層21の表面部分にはpベース領域2
2およびn+エミッタ領域23が設けられている。そし
て、さらにその上に、ゲート絶縁膜であるゲート酸化膜
25、ゲート電極26、層間絶縁膜27およびエミッタ
電極28が形成されている。また、コレクタ層24の裏
面にはコレクタ電極29が形成されている。
【0006】図12に示す構成のPT−IGBTでは、
ブロッキングモード時の空乏層の伸びがバッファ層20
で止められるため、ドリフト層21が薄くても高い耐圧
を得ることができる。このため、同耐圧のNPT−IG
BTに比較して、オン状態の電圧降下量が小さいという
利点を有する。しかし、順方向導通時にコレクタ層24
から注入されるホールの量が極めて多いため、ターンオ
フ損失が大きいという欠点がある。また、エピタキシャ
ルウェハは高価格であるため、NPT−IGBTに比べ
てコストが増大するという欠点もある。
【0007】そこで、FZウェハを用いたPT−IGB
T(以下、I型ドリフト層PT−IGBTとする)が知
られている。図13は、I型ドリフト層PT−IGBT
の構成を示す縦断面図である。I型ドリフト層PT−I
GBTは、図13に示すように、FZウェハよりなるn
-ドリフト層31の裏面側にp+コレクタ層34およびn
+バッファ層30がイオン注入法により形成され、コレ
クタ電極39が設けられた構成となっている。n-ドリ
フト層31の表面側には、pベース領域32、n+エミ
ッタ領域33、ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)35、ゲ
ート電極36、層間絶縁膜37およびエミッタ電極38
が形成されている。
【0008】図13に示す構成のI型ドリフト層PT−
IGBTでは、ブロッキングモード時の空乏層の伸びが
バッファ層30で止められるため、ドリフト層31が薄
くても高い耐圧を得ることができる。このため、同耐圧
のNPT−IGBTに比較して、オン状態の電圧降下量
が小さいという利点を有する。また、コレクタ層34が
低濃度であるため、順方向導通時におけるホール注入量
が少ない。したがって、ターンオフ損失が小さいという
利点も有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般に、IGBTの損
失を低減するためには、ドリフト層をできるだけ短くす
るのが望ましい。しかし、ドリフト層を短くすると耐圧
が低くなってしまう。図14は、ブロッキングモード時
にIGBTに生じる電界分布の様子を表すグラフであ
る。このグラフにおいて、各IGBTの、PN接合部に
おける最大電界強度が臨界電界強度に達したときの電界
分布の積分値、すなわち各電界分布の面積がそれぞれの
IGBTの耐圧を表す。この面積が大きいほど耐圧特性
が高くなる。したがって、短いドリフト層で高い耐圧特
性を得るためには、図14に実線で示す「I型ドリフト
層PT−IGBT」のように、ドリフト層中での電界分
布の傾きをできるだけ小さくして四角形電界分布を実現
すればよいことがわかる。ドリフト層中での電界分布の
傾きを小さくするためには、ドリフト層の不純物濃度を
非常に小さくしてI層化すればよい。
【0010】しかしながら、ドリフト層をI層化する
と、ターンオフ時に非常に高いサージ電圧を伴う激しい
振動が発生するという問題点がある。この振動が発生す
る理由は以下のとおりである。バッファ層付きのIGB
Tは、ターンオフ時に空乏層の電界によってドリフト層
中の蓄積キャリアが掃き出されて、ブロッキングモード
に移行する。スイッチング時のコレクタ・エミッタ間電
圧はIGBTの定格耐圧の半分程度である。ターンオフ
時に空乏層がバッファ層に到達すると、ドリフト層中に
過剰キャリアが存在せず、IGBTは容量ε/Wのコン
デンサとなる。ここで、εはシリコンの誘電率であり、
Wはドリフ卜層幅である。このIGBTの容量と配線の
寄生インダクタンスによりLC回路が構成されることに
なるため、振動が発生する。
【0011】また、ドリフト層をI層化すると、空乏層
が素子の側面(ダイシング面)にまで容易に到達してし
まう。この素子側面にはダイシング後の物理的な歪が残
っているため、キャリア寿命が非常に短い。したがっ
て、素子側面に空乏層が到達すると非常に大きな発生電
流が流れてしまい、十分な耐圧を得ることができないと
いう問題点もある。したがって、実際には、定格電圧が
印加されたときに空乏層が素子側面に到達しない程度に
ドリフト層の不純物濃度を高くする必要があるので、ド
リフト層をI層化することは極めて困難である。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、FZウェハを用い、I層化したドリフト層
を有するバッファ層付きのI型ドリフト層PT−IGB
Tを構成する半導体装置およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる半導体装置は、FZウェハを用い、
ドリフト層の不純物濃度を非常に小さくしてドリフト層
をI層化し、さらにバッファ層を、ブロッキングモード
時に空乏層の伸びを途中で阻止するとともに、ターンオ
フ時に空乏層の伸びを阻止した状態でコレクタ層寄りの
領域に過剰キャリアを有する程度の幅と濃度に設定す
る。また、素子側面(ダイシング面)に沿ってドリフト
層の表面からバッファ層に至るまで高不純物濃度の分離
領域を設ける。
【0014】この発明によれば、バッファ層により、ブ
ロッキングモード時の空乏層の伸びがコレクタ層に到達
するのが阻止されるとともに、ターンオフ時に空乏層の
伸びを阻止した状態でバッファ層の、コレクタ層寄りの
領域に過剰キャリアが存在する。また、分離領域によ
り、ブロッキングモード時の空乏層の伸びが素子側面に
到達するのが阻止される。
【0015】また、本発明にかかる半導体装置の製造方
法は、FZウェハの表面側に選択的に分離領域を形成
し、エミッタ領域、ゲート酸化膜、ゲート電極およびエ
ミッタ電極を形成した後、ウェハ裏面を研削し、ウェハ
裏面にコレクタ層を形成するとともに、ウェハ裏面にプ
ロトンを照射し、300℃以上500℃以下の温度でア
ニールをおこなってバッファ層を形成し、コレクタ電極
を形成するものである。この発明によれば、FZウェハ
を用い、素子側面に沿って分離領域を有し、かつバッフ
ァ層を有するI型ドリフト層PT−IGBTを構成する
半導体装置が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明
にかかる半導体装置を構成するI型ドリフト層PT−I
GBTの構成の一例を示す縦断面図である。このI型ド
リフト層PT−IGBTは、図1に示すように、n-
リフト層41、pベース領域42、n+エミッタ領域4
3、p+コレクタ層44、ゲート絶縁膜であるゲート酸
化膜45、ゲート電極46、層間絶縁膜47、エミッタ
電極48、コレクタ電極49、n+バッファ層40およ
びn+分離領域51を備えている。図1においては、n-
ドリフト層41にはPベース領域42が1つしか形成さ
れていないが、pベース領域42を複数形成することが
できる。そしてそれぞれのpベース領域42に対してn
+エミッタ領域43、ゲート酸化膜45、ゲート電極4
6、層間絶縁膜47を備えるようにすることもできる。
【0017】ドリフト層41はFZウェハにより構成さ
れる。ベース領域42はドリフト層41の表面部分に形
成されている。エミッタ領域43はベース領域42の表
面部分に形成されている。ゲート酸化膜45はベース領
域42のチャネル領域となる部分の表面に形成されてお
り、その上にゲート電極46が形成されている。エミッ
タ電極48は、層間絶縁膜47によりゲート電極46お
よびドリフト層41から絶縁された状態で、エミッタ領
域43およびベース領域42に電気的に接続されてい
る。コレクタ層44およびコレクタ電極49は、ドリフ
ト層41の裏面部分に形成されている。バッファ層40
はコレクタ層44とドリフト層41との間に設けられて
いる。分離領域51は、素子側面に沿ってドリフト層4
1の表面からバッファ層40に達するように設けられて
いる。
【0018】ここで、ドリフト層41は、不純物濃度が
非常に小さく、I層化されている。また、バッファ層4
0は、図2に示すように、バッファ層幅が長く、さらに
低めの濃度に設定されている。これによって、ターンオ
フ時に、空乏層の伸びがバッファ層40中で阻止され
る。また、バッファ層濃度が低いため、空乏層が阻止さ
れた位置よりもさらにコレクタ側に過剰キャリアが存在
する。一般に、I型ドリフト層PT−IGBTでターン
オフ時に振動が発生するのは、ドリフト層中の過剰キャ
リアが枯渇することが原因である。本実施の形態のI型
ドリフト層PT−IGBTでは、バッファ層40中のコ
レクタ側に存在する過剰キャリアによってターンオフ時
の振動が抑制される。
【0019】ここで、順方向導通時のバッファ層40中
の電子濃度をNとすると、バッファ層40の平均ドーピ
ング濃度がN以下の場合に高注入状態となり、過剰キャ
リアが存在する。したがって、バッファ層40の厚さを
xとすると、バッファ層40中の総不純物濃度はx・N
以下である必要がある。一方、バッファ層40において
空乏層を阻止するためには、バッファ層40内で臨界電
界、たとえば2×10 5V/cmをゼロにする必要があ
る。したがって、シリコン中の誘電率をEps、素電荷
をqとすると、2×105<q・(バッファ層中の総不
純物濃度)/Epsという式が成り立つ必要がある。こ
の式について定数を計算すると、x・N>(バッファ層
中の総不純物濃度)>1.3×1012が得られる。
【0020】また、定格耐圧をV、ドリフト層41の不
純物濃度をNDとすると、縦方向の空乏層幅は√((2
・Eps・V)/(q・ND))で与えられる。横方向
の空乏層幅を縦方向の空乏層幅のたとえば6倍であると
すると、横方向の空乏層幅は6√((2・Eps・V)
/(q・ND))となる。これを計算すると、横方向の
空乏層幅は√(4.68×108V/ND)となる。
【0021】本実施の形態では、定格耐圧V、ドリフト
層41の不純物濃度NDおよび耐圧構造幅Wの間には、
2<4.68×108V/NDという関係が成り立つ。
つまり、耐圧構造幅Wは横方向の空乏層幅よりも短い。
したがって、分離領域51がないと仮定すると、ブロッ
キングモード時に空乏層が素子側面にまで広がり、漏れ
電流が大きくなってしまう。これを防ぐため、本実施の
形態では分離領域51が設けられている。つまり、分離
領域51により空乏層が素子側面に到達するのを防いで
いるため、漏れ電流が従来のIGBTと同程度かそれ以
下に抑えられる。なお、耐圧構造幅Wが横方向の空乏層
幅よりも長い場合に分離領域51を設けても何ら特性上
の問題はない。
【0022】つぎに、図1に示す構成のI型ドリフト層
PT−IGBTの製造プロセスについて説明する。図3
〜図8は、製造途中のI型ドリフト層PT−IGBTの
要部を示す縦断面図である。一例として、このIGBT
の耐圧を1200Vとする。まず、たとえば比抵抗が1
000Ωcmで厚さが500μmのFZウェハの表面
に、たとえば100μmの間隔をあけて選択的にマスク
61を形成する(図3)。そして、ウェハ表面からn型
不純物をイオン注入する。これによって、ウェハ表面
の、マスク61で被われていない領域に不純物注入領域
62ができる(図4)。
【0023】つづいて、熱処理によって不純物注入領域
62のn型不純物をたとえば110μmの深さまで選択
拡散させて分離領域51を形成する(図5)。ウェハ表
面の熱酸化膜63を除去した後、隣り合う分離領域5
1,51間に、ベース領域42、エミッタ領域43、ゲ
ート酸化膜45およびゲート電極46を形成する。そし
て、表面に層間絶縁膜47を形成した後、アルミニウム
を蒸着し、パターニングしてエミッタ電極48を形成す
る(図6)。しかる後、FZウェハを裏面から研削し、
シリコン領域の厚さをたとえば95μmにする(図
7)。
【0024】つづいて、ウェハ裏面にボロンイオンを照
射した後、300℃〜500℃でアニールをおこない、
ボロン原子を活性化させて、たとえば厚さ0.5μmの
コレクタ層44を形成する。つづいて、ウェハ裏面にプ
ロトンまたは酸素イオンを照射した後、300℃〜50
0℃でアニールをおこない、たとえばピーク濃度が5×
1015cm-3で幅が20μmのバッファ層40を形成す
る(図8)。このとき、ドリフト層41の幅はたとえば
75μmとなる。最後に、ウェハ裏面にコレクタ電極4
9を形成し、ダイシングすれば図1に示すI型ドリフト
層PT−IGBTが完成する。なお、図1および図3〜
図8において、ダイシング面を破線で示す。
【0025】上述した実施の形態によれば、バッファ層
40により、ブロッキングモード時の空乏層の伸びがコ
レクタ層44に到達するのが阻止されるとともに、空乏
層の伸びを阻止した状態でバッファ層40の、コレクタ
層寄りの領域に過剰キャリアが存在するので、I層化し
たドリフト層41を有するIGBTにおいてターンオフ
時に振動が発生するのを防ぐことができる。図9に、実
施の形態のI型ドリフト層PT−IGBTと従来のI型
ドリフト層PT−IGBT(図13参照)についてター
ンオフ波形を示す。実施の形態によれば、ターンオフ時
に振動が発生していないことがわかる。
【0026】また、上述した実施の形態によれば、分離
領域51により、ブロッキングモード時の空乏層の伸び
が素子側面に到達するのが阻止されるので、耐圧構造幅
が横方向の空乏層幅よりも短い場合でも漏れ電流を抑え
ることができる。したがって、ターンオフ時に振動発生
のない、高耐圧のI型ドリフト層PT−IGBTを構成
する半導体装置が得られる。
【0027】また、上述した実施の形態において、順方
向導通時の過剰キャリア分布に関して、ドリフト層中間
位置における過剰キャリア濃度がドリフト層41とバッ
ファ層40の境界における可能キャリア濃度以上で、か
つ5倍以下になるようにするとよい。そうすれば、オン
電圧対ターンオフ損失のトレードオフを最適化すること
ができる。これにはトレンチゲート構造を採用するとよ
い。図10に、定格耐圧を1200Vとした場合の、実
施の形態のI型ドリフト層PT−IGBT、それにトレ
ンチゲート構造を採用したI型ドリフト層PT−IGB
T、従来のI型ドリフト層PT−IGBT(図13参
照)、および従来のNPT−IGBT(図11参照)の
トレードオフを示す。また、オン電圧と耐圧のトレード
オフも改善される。
【0028】以上において本発明は、上述した実施の形
態に限らず、種々変更可能である。たとえば、実施の形
態では、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型とし
たが、本発明はその逆でも同様に成り立つ。また、寸法
や濃度等は一例であり、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、バッファ層により、ブ
ロッキングモード時の空乏層の伸びがコレクタ層に到達
するのが阻止されるとともに、ターンオフ時に空乏層の
伸びを阻止した状態でバッファ層の、コレクタ層寄りの
領域に過剰キャリアが存在するので、I層化したドリフ
ト層を有するIGBTにおいてターンオフ時に振動が発
生するのを防ぐことができる。また、分離領域により、
ブロッキングモード時の空乏層の伸びが素子側面に到達
するのが阻止されるので、耐圧構造幅が横方向の空乏層
幅よりも短い場合でも漏れ電流を抑えることができる。
したがって、ターンオフ時に振動発生のない、高耐圧の
I型ドリフト層PT−IGBTを構成する半導体装置が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体装置を構成するI型ドリ
フト層PT−IGBTの構成の一例を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1に示す構成のI型ドリフト層PT−IGB
Tにおいてバッファ層中に過剰キャリアが存在すること
を説明するための図である。
【図3】図1に示す構成のI型ドリフト層PT−IGB
Tの製造途中の要部を示す縦断面図である。
【図4】図1に示す構成のI型ドリフト層PT−IGB
Tの製造途中の要部を示す縦断面図である。
【図5】図1に示す構成のI型ドリフト層PT−IGB
Tの製造途中の要部を示す縦断面図である。
【図6】図1に示す構成のI型ドリフト層PT−IGB
Tの製造途中の要部を示す縦断面図である。
【図7】図1に示す構成のI型ドリフト層PT−IGB
Tの製造途中の要部を示す縦断面図である。
【図8】図1に示す構成のI型ドリフト層PT−IGB
Tの製造途中の要部を示す縦断面図である。
【図9】実施の形態のI型ドリフト層PT−IGBTと
従来のI型ドリフト層PT−IGBTについてターンオ
フ波形を示す波形図である。
【図10】実施の形態を含む種々のI型ドリフト層PT
−IGBTについてオン電圧対ターンオフ損失のトレー
ドオフを示す図である。
【図11】従来のNPT−IGBTの構成を示す縦断面
図である。
【図12】従来のPT−IGBTの構成を示す縦断面図
である。
【図13】従来のPT−IGBTの別の構成を示す縦断
面図である。
【図14】ブロッキングモード時にIGBTに生じる電
界分布の様子を表すグラフである。
【符号の説明】
40 バッファ層 41 ドリフト層 42 ベース領域 43 エミッタ領域 44 コレクタ層 45 ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜) 46 ゲート電極 48 エミッタ電極 49 コレクタ電極 51 分離領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の低不純物濃度ドリフト層
    と、 前記ドリフト層の一方の主面側に形成された第2導電型
    の高不純物濃度ベース領域と、 前記ベース領域内に形成された第1導電型のエミッタ領
    域と、 前記エミッタ領域および前記ベース領域の両方に電気的
    に接続するエミッタ電極と、 前記ベース領域の表面上に形成されたゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、 前記ドリフト層の他方の主面側に形成された第2導電型
    のコレクタ層と、 前記コレクタ層に電気的に接続するコレクタ電極と、 前記ドリフト層と前記コレクタ層との間に形成され、ブ
    ロッキングモード時の空乏層の伸びを途中で阻止すると
    ともに、ターンオフ時に前記コレクタ層寄りの領域に過
    剰キャリアを有する第1導電型のバッファ層と、 前記ドリフト層の一方の主面から前記バッファ層まで、
    個々の素子に切り分ける際の切断面に沿って延びる第1
    導電型の高不純物濃度分離領域と、 を具備することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記バッファ層の厚さをx(cm)と
    し、順方向導通時の前記バッファ層中の電子濃度をN
    (cm-3)とすると、x・N>1.3×1012であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 耐圧構造幅をW(cm)とし、定格耐圧
    をV(V)とし、前記ドリフト層の不純物濃度をND
    (cm-3)とすると、W2<4.68×108V/NDで
    あることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 FZウェハの一方の主面側に選択的に高
    不純物濃度の分離領域を形成する工程と、 隣り合う分離領域間のウェハ表面に、エミッタ領域、ゲ
    ート酸化膜、ゲート電極およびエミッタ電極を形成する
    工程と、 ウェハの他方の主面を研削する工程と、 ウェハの研削後に、ウェハの他方の主面にコレクタ層を
    形成する工程と、 ウェハの研削後に、ウェハの他方の主面にプロトンを照
    射し、300℃以上500℃以下の温度でアニールをお
    こなってバッファ層を形成する工程と、 コレクタ層の形成後に、コレクタ電極を形成する工程
    と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 FZウェハの一方の主面側に選択的に高
    不純物濃度の分離領域を形成する工程と、 隣り合う分離領域間のウェハ表面に、エミッタ領域、ゲ
    ート酸化膜、ゲート電極およびエミッタ電極を形成する
    工程と、 ウェハの他方の主面を研削する工程と、 ウェハの研削後に、ウェハの他方の主面にコレクタ層を
    形成する工程と、 ウェハの研削後に、ウェハの他方の主面に酸素イオンを
    照射し、300℃以上500℃以下の温度でアニールを
    おこなってバッファ層を形成する工程と、 コレクタ層の形成後に、コレクタ電極を形成する工程
    と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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