JPH1140808A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH1140808A
JPH1140808A JP33720397A JP33720397A JPH1140808A JP H1140808 A JPH1140808 A JP H1140808A JP 33720397 A JP33720397 A JP 33720397A JP 33720397 A JP33720397 A JP 33720397A JP H1140808 A JPH1140808 A JP H1140808A
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Japan
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region
conductivity type
type semiconductor
concentration
impurity concentration
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JP33720397A
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English (en)
Inventor
Koji Hotta
幸司 堀田
Tomoyoshi Kushida
知義 櫛田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体厚の増加,オン抵抗やリーク電流の増加
等を伴わずに,スイッチオフ時特性を改善した半導体装
置を,その製造方法とともに提供すること。 【解決手段】 p基板101上に高濃度と低濃度のn型
シリコン層を順次形成し,拡散領域形成時の熱処理温度
より高い温度で熱処理して,nドリフト領域102a内
に傾斜分布領域Tを形成した。あるいは,低濃度n型シ
リコン層に対し場所により窓サイズが異なるマスクを介
してイオンを注入し,傾斜分布領域Tを形成した。この
ためスイッチオフ後に,pボディ領域107,157と
nドリフト領域102a,152aの界面のpn接合か
らの空乏層の広がりが,急激に停止せず徐々にに減速さ
れるので,コレクタ電流は急激に停止するのでなく緩や
かに減少する。このため,ドリフト領域102d,15
2dの全体厚を厚くしたり全体の不純物濃度を上げたり
しないで,発振や動的耐圧の低下が防止されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体基板におけ
る厚さ方向あるいは面内方向の電流を取り扱ういわゆる
電力用の半導体装置(縦型あるいは横型)に関する。さ
らに詳細には,スイッチオフしたときの電流および電圧
の発振や素子の動的耐圧の低下の防止を図った半導体装
置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,半導体基板の一部にスイッチ
ング等の機能を有する素子を形成し,この素子により半
導体基板内を流れる電流を制御する半導体装置が使用さ
れている。その例として,高入力インピーダンスと低出
力インピーダンスとを要求される用途に使用される,バ
イポーラトランジスタと電界効果トランジスタとを一体
化させた,いわゆる絶縁ゲート型バイポーラトランジス
タ(以下,「IGBT」という)が挙げられる。
【0003】IGBTのうち縦型パンチスルー型と呼ば
れるものの一般的構造を,図25により説明する。図2
5に示す一般的なIGBTは,p+ 型のシリコン(S
i)基板201上のnエピタキシャル層202を有し,
このnエピタキシャル層202の表面に,イオン注入等
により形成されたn+ ソース領域206とpボディ領域
207とp+ ボディ領域209とを有している。また,
nエピタキシャル層202のうちp+基板201に面す
る部分には,不純物濃度の高いn+バッファ領域202
bが形成されている。nエピタキシャル層202のうち
+ バッファ領域202bでもpボディ領域207等で
もない部分が,nドリフト領域202dである。この構
造における図25中X−X'線上のpボディ領域207
からp+基板201に至る部分の不純物濃度の分布は図
27のグラフに示すようになっている。すなわち,nド
リフト領域202dとn+ バッファ領域202bとの間
は,不純物濃度が急峻に変化する階段状接合Sである。
【0004】そしてnエピタキシャル層202の表面上
には,ゲート絶縁膜203,絶縁膜205および208
によりnエピタキシャル層202に対して絶縁されたゲ
ート電極204が設けられている。ゲート電極204
は,nエピタキシャル層202の表面のうちnドリフト
領域202dの部分と,pボディ領域207の部分と,
+ソース領域206の一部とを覆っている。また,表
面側には,n+ソース領域206およびp+ ボディ領域
209に対して導通をとるソース電極210が設けられ
ている。裏面側には,p+ 基板201に対して導通をと
るドレイン電極211が設けられている。
【0005】この構造のIGBTにおいて,ゲート電極
204とn+ ソース領域206とpボディ領域207と
nドリフト領域202dとが電界効果トランジスタを構
成する。すなわち,pボディ領域207がチャネル領域
であり,nドリフト領域202dがドレイン領域であ
る。そして,p+ ボディ領域209とnドリフト領域2
02dおよびn+バッファ領域202bとp+基板201
とがバイポーラトランジスタ(pnp)を構成する。す
なわち,p+ ボディ領域209がコレクタであり,電界
効果トランジスタのドレイン領域を兼ねるnドリフト領
域202dおよびn+バッファ領域202bがベースで
あり,p+基板201がエミッタである。
【0006】この構造のIGBTの動作の大要は,ドレ
イン電極211からソース電極210への電流,すなわ
ち基板201の厚さ方向の電流を,ゲート電極204の
電圧によりスイッチング制御することである。すなわ
ち,ゲート電極204に電圧が掛かっていない状態で,
ソース電極210に対しドレイン電極211が高電位に
なるように電圧を掛けても,pボディ領域207および
+ ボディ領域209とnドリフト領域202dとの間
のpn接合が逆方向となるので電流は流れない。しかし
ゲート電極204に正電圧(vsソース電極210)を
印加すると,pボディ領域207の表面にnチャネルが
形成され,電界効果トランジスタがオン状態となる。こ
のため,n+ ソース領域206からnチャネルを経由し
てnドリフト領域202dに電子が流れ込む。これによ
りnドリフト領域202dのキャリア(電子)濃度が上
昇して抵抗が下がるので,nドリフト領域202dおよ
びn+バッファ領域202bとp+基板201とからなる
ダイオードが導通して,p+基板201からn+ バッフ
ァ領域202bを経由してnドリフト領域202dにホ
ール(正孔)が注入される。このためバイポーラトラン
ジスタがオンしてドレイン電極211からソース電極2
10へ厚さ方向の電流(コレクタ電流)が流れるのであ
る。
【0007】ここで,ゲート電極204の正電圧を切る
とIGBTはオフ状態に戻るのであるが,このスイッチ
オフ時には次のような過渡特性を示す。まずオン状態で
は前記のように,nドリフト領域202dに電子とホー
ルとがともに高濃度に充満している。このため,ゲート
電圧のオフによりn+ ソース領域206からの電子の注
入が断たれても,nドリフト領域202dのキャリア濃
度は直ちには減少せず,pボディ領域207およびp+
ボディ領域209との間のpn接合から空乏層が広がっ
てゆく。この,空乏層が広がり続けている間は,コレク
タ電流が流れ続けることとなる。そして,空乏層がn+
バッファ領域202bとの接合部Sに達すると,その伸
びが停止するのでコレクタ電流は急激に減少する。n+
バッファ領域202bは不純物濃度が高く空乏化しにく
いからである。
【0008】この急激な電流の減少のため,回路に誘導
性の負荷が含まれている場合には,大きな逆起電力が生
じて激しく発振する(図28参照)。また,素子の動的
耐圧が静的耐圧より低下する。動的耐圧が低下する理由
は,大きな逆起電力により,n+ バッファ領域202b
に残っている電子が急速に吐き出されるとともに逆にホ
ールが大量に注入され,そしてこのホールがnドリフト
領域202dに侵入して局所的に電界強度が強い部分が
発生しアバランシェ降伏に至るからである。この,発振
および動的耐圧の低下はともに,空乏層の広がりがn+
バッファ領域202bとの接合部Sに達したときの大き
な逆起電力に起因する現象であるが,回路の安定動作を
妨げたり,場合によってはIGBTの破壊に至ることも
ある。
【0009】そこで,例えば特開平6−61497号公
報のように,空乏層の広がりがn+バッファ領域との接
合部に達することを防止する技術が提案されている。同
号公報のIGBTでは,N- 層(図25のnドリフト領
域202dに相当する)の厚さと不純物濃度とを調整す
ることにより,かかる現象の防止を図っている。空乏層
が広がりうる最大長は,半導体の不純物濃度が高いほど
小さくなるので,N-層をそれよりも厚くしておけば,
空乏層がN+層(図25のn+バッファ領域202bに相
当する)に達することがないからである。
【0010】なお,縦型の半導体装置に限らず,横型の
半導体装置でも同様である。すなわち,図26に示す一
般的な横型のパンチスルー型IGBTは,p+ 型のシリ
コン基板201上のn層252を有している。そして,
このn層252の表面に,イオン注入等により形成され
たn+ ソース領域256およびpボディ領域257およ
びp+ボディ領域259と,これらから少し離れた箇所
のn+バッファ領域252bおよびpアノード領域25
1とを有している。n層252のうちn+ バッファ領域
252bでもpボディ領域257等でもない部分が,n
ドリフト領域252dである。
【0011】この構造において,n+ソース領域256
が図25のn+ソース領域206に,pボディ領域25
7が図25のpボディ領域207に,p+ ボディ領域2
59が図25のp+ ボディ領域209に,nドリフト領
域252dが図25のnドリフト領域202dに,n+
バッファ領域252bが図25のn+バッファ領域20
2bに,pアノード領域251が図25のp+ 基板20
1に,機能上それぞれ該当する。したがって,図26中
Y−Y' 線上のpボディ領域257からpアノード領域
251に至る部分の不純物濃度の分布は,図25のもの
の場合と同じく,図27のグラフに示すようになってい
る。すなわち,nドリフト領域252dとn+ バッファ
領域252bとの間に階段状接合Sがある。このため,
スイッチオフ時の急激な電流の減少による発振や動的耐
圧低下の問題が生じる。これに対しは,nドリフト領域
252dの厚さと不純物濃度とを調整して対処すること
となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,前記し
た従来の技術には,以下に説明する問題点があった。す
なわち前記公報の半導体装置では,N- 層について,そ
の厚さを厚くするかまたは不純物濃度を高くする(もし
くはその両方)必要がある。ところが,厚さを厚くする
と,縦型半導体装置の場合には,IGBTの全体厚が厚
くなり,オン抵抗が大きくなるという問題が生じ,ま
た,製造過程においてエピタキシャル成長の所要時間が
長くなるという問題もある。横型半導体装置の場合に
は,IGBTの面積が増加して高集積化が困難になるほ
か,オン抵抗増大の問題がある。一方,不純物濃度を上
げると,縦型の場合でも横型の場合でも,耐圧低下の原
因となる他,リーク電流が増加するという問題点も生じ
る。なお,これらの問題点は,パンチスルー型IGBT
に限らず他の種類の半導体装置でも同様である。
【0013】本発明は,従来の技術が有する前記した問
題点を解決するためになされたものである。すなわちそ
の課題とするところは,全体厚やサイズを増加させるこ
となく,またオン抵抗の増大やリーク電流の増加といっ
た別の問題点を伴うこともなく,スイッチオフ時の過渡
特性を改善した縦型あるいは横型の半導体装置を,その
製造方法とともに提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題の解決を目的と
してなされた請求項1の発明は,第1導電型半導体領域
と,前記第1導電型半導体領域の一部に接して設けられ
た機能素子とを有し,前記第1導電型半導体領域におけ
る不純物濃度が前記一部側よりもその対部側において高
く,前記機能素子のうち前記第1導電型半導体領域に接
する部分が第2導電型半導体で構成される半導体装置で
あって,前記第1導電型半導体領域の前記一部側と前記
対部側との間に,不純物濃度がそれらの中間である部分
を有することを特徴とするものである。
【0015】請求項1の半導体装置では,機能素子から
第1導電型半導体領域に対しキャリアの注入がなされて
いるときには,第1導電型半導体領域におけるキャリア
の濃度が高い状態にある。したがって,この状態で第1
導電型半導体領域の一部側と対部側との間に電圧が印加
されていれば,一部側と対部側との間に電流が流れる
(オン状態)。機能素子から第1導電型半導体領域への
キャリアの注入が停止されると(スイッチオフ),第1
導電型半導体領域では,機能素子との間のpn接合から
空乏層が広がってゆく。この,空乏層が広がり続けてい
る間は前記した電流が流れ続ける。空乏層の広がりが,
一部側と対部側との間に設けられた,不純物濃度がそれ
らの中間である部分に達すると,その広がりの速度が遅
くなり,前記した電流の値が小さくなる。その後空乏層
が,不純物濃度がさらに高い対部側に至ってその広がり
が停止するとともに電流が停止する。このように,スイ
ッチオフ後の電流が急激に停止するのでなく段階的に減
少して停止するので,誘導性負荷を含む回路に用いて
も,誘導電圧が抑制されており,電流停止時の発振や動
的耐圧の低下が防止される。
【0016】ここで「機能素子」は,第1導電型半導体
領域に対するキャリアの注入のオンオフ切替が可能なあ
らゆるものをいう(請求項2以下でも同様)。例えば,
プレーナ型MOSFET,トレンチゲート型MOSFE
T,絶縁ゲート型サイリスタ等が考えられる。また,第
1導電型半導体領域における一部側と対部側との不純物
濃度の比は,10倍以上あることが望ましい。また,こ
の半導体装置は,半導体基板における厚さ方向の電流を
取り扱う縦型の半導体装置と,面内方向の電流を取り扱
う横型の半導体装置とのいずれであってもよい(請求項
2以下でも同様)。
【0017】また,請求項2の発明は,請求項1の半導
体装置であって,前記第1導電型半導体領域に,前記一
部側に位置する低濃度層と,前記対部側に位置するとと
もに不純物濃度が前記低濃度層より高い高濃度層と,そ
れらの間に位置するとともに不純物濃度が前記低濃度層
より高く前記高濃度層より低い中間濃度層と,を有する
ことを特徴とするものである。
【0018】請求項2の半導体装置では,スイッチオフ
後における空乏層の広がりが,中間濃度層に達すると,
その広がりの速度が遅くなり電流の値が小さくなる。そ
の後空乏層が,高濃度層に至ってその広がりが停止する
とともに電流が停止する。このように,スイッチオフ後
の電流が急激に停止するのでなく段階的に減少して停止
するので,誘導性負荷を含む回路に用いても,過大な誘
導電圧が生じることがなく,電流停止時の発振や動的耐
圧の低下が抑制される。
【0019】また,請求項3の発明は,請求項2の半導
体装置であって,前記中間濃度層の不純物濃度分布が,
前記低濃度層よりの部分から前記高濃度層よりの部分へ
と連続的に高くなる傾斜分布であることを特徴とするも
のである。
【0020】請求項3の半導体装置では,スイッチオフ
後における空乏層の広がりが,中間濃度層内では,不純
物濃度分布の高まりとともに次第にその広がりの速度が
遅くなり,したがって電流も次第に小さくなる。このよ
うに,スイッチオフ後の電流が急激に停止するのでなく
次第に減少して停止するので,誘導性負荷を含む回路に
用いても,過大な誘導電圧が生じることがなく,電流停
止時の発振や動的耐圧の低下が抑制される。
【0021】また,請求項4の発明は,請求項1の半導
体装置であって,前記第1導電型半導体領域の不純物濃
度分布が,前記一部側から前記対部側へと連続的に高く
なる傾斜分布であることを特徴とするものである。
【0022】請求項4の半導体装置では,スイッチオフ
後における第1導電型半導体領域内での空乏層の広がり
が,不純物濃度分布の高まりとともに次第にその広がり
の速度が遅くなり,したがって電流も次第に小さくな
る。このように,スイッチオフ後の電流が急激に停止す
るのでなく次第に減少して停止するので,誘導性負荷を
含む回路に用いても,過大な誘導電圧が生じることがな
く,電流停止時の発振や動的耐圧の低下が抑制される。
【0023】また,請求項5の発明は,半導体基板に第
1導電型半導体領域を形成し,前記第1導電型半導体領
域の一部に接して,前記第1導電型半導体領域に接する
部分が第2導電型半導体で構成される機能素子を形成す
る半導体装置の製造方法であって,前記第1導電型半導
体領域の形成過程に,相互に接する高不純物濃度第1導
電型半導体部と低不純物濃度第1導電型半導体部とを形
成する工程と,熱処理によって前記高不純物濃度第1導
電型半導体部中の不純物を前記低不純物濃度第1導電型
半導体部に拡散させる工程と,が含まれることを特徴と
する。
【0024】請求項5の製造方法では,まず,半導体基
板に第1導電型半導体領域が形成される。具体的には例
えば,エピタキシャル成長により,半導体基板上に第1
導電型半導体領域を形成する。半導体基板として第1導
電型のものを使用する場合には,半導体基板そのものを
第1導電型半導体領域(もしくはその一部)としてもよ
い。この第1導電型半導体領域の形成においてその中
に,高不純物濃度第1導電型半導体層と低不純物濃度第
1導電型半導体層とが形成される。具体的には例えば,
エピタキシャル成長により,形成の初期には不純物濃度
を高くして高不純物濃度第1導電型半導体層(高濃度
層)とし,終期には不純物濃度を低くして低不純物濃度
第1導電型半導体層(低濃度層)とする。そして,これ
に熱処理が施されて高濃度層中の不純物が低濃度層に拡
散させられ,両層の間にその中間の不純物濃度を有する
部分(中間濃度層)が形成される。その後,第1導電型
半導体領域の一部に接して機能素子が形成される。これ
により,第1導電型半導体領域における高濃度層と低濃
度層との間に中間濃度層を有する半導体装置が製造され
る。その中間濃度層での不純物濃度分布は,低濃度層よ
りの部分から高濃度層よりの部分へと連続的に高くなる
傾斜分布である。なお,不純物の拡散のための熱処理
は,機能素子の形成の際の温度より高い温度で行うこと
が望ましい。
【0025】また,請求項6の発明は,半導体基板に第
1導電型半導体領域を形成し,前記第1導電型半導体領
域の一部に接して,前記第1導電型半導体領域に接する
部分が第2導電型半導体で構成される機能素子を形成す
る半導体装置の製造方法であって,前記第1導電型半導
体領域の形成を,エピタキシャル成長により,不純物濃
度を高濃度から低濃度へと連続的に変化させながら行う
ことを特徴とする。
【0026】請求項6の製造方法では,まず,半導体基
板にエピタキシャル成長により第1導電型半導体領域が
形成される。その際,不純物濃度が高濃度から低濃度へ
と連続的に変化させられる。これにより,不純物濃度分
布が対部側から一部側へと連続的に低くなる傾斜分布を
有する第1導電型半導体領域が形成される。その後,第
1導電型半導体領域の一部に接して機能素子が形成され
る。これにより,第1導電型半導体領域での不純物濃度
分布が,対部側から一部側へと連続的に低くなる傾斜分
布である半導体装置が製造される。この請求項6の製造
方法は,半導体基板における厚さ方向の電流を取り扱う
縦型の半導体装置の製造に適している。
【0027】また,請求項7の発明は,半導体基板に第
1導電型半導体領域を形成し,前記第1導電型半導体領
域の一部に接して,前記第1導電型半導体領域に接する
部分が第2導電型半導体で構成される機能素子を形成す
る半導体装置の製造方法であって,前記第1導電型半導
体領域の形成過程に,当該半導体領域に不純物を導入す
る不純物導入工程が含まれ,前記不純物導入工程では,
前記一部側とその対部側とで異なる濃度の不純物を導入
することを特徴とする。
【0028】請求項7の製造方法では,まず,半導体基
板にエピタキシャル成長により第1導電型半導体領域が
形成される。半導体基板として第1導電型のものを使用
する場合には,半導体基板そのものを第1導電型半導体
領域(もしくはその一部)としてもよい。この第1導電
型半導体領域の形成においてその中に,当該半導体領域
への不純物の導入が行われ,その際,一部側とその対部
側とで異なる濃度の不純物が導入される。その後,第1
導電型半導体領域の一部に接して機能素子が形成され
る。これにより,一部側とその対部側とで不純物濃度が
異なる第1導電型半導体領域を有する半導体装置が製造
される。この請求項7の製造方法は,半導体基板におけ
る面内方向の電流を取り扱う横型の半導体装置の製造に
適している。
【0029】この請求項7の製造方法では,第1導電型
半導体領域への不純物の導入の際,一部側と対部側との
間に,両者の中間の濃度の不純物が導入される部分が存
在するようにするとさらによい。これにより,第1導電
型半導体領域における高濃度層と低濃度層との間に中間
濃度層を有する半導体装置が製造される。あるいは,不
純物の導入後であって機能素子の形成前に,熱処理によ
って一部側と対部側との間で不純物を拡散させる工程を
行うようにしてもよい。これにより,第1導電型半導体
領域での不純物濃度分布が,対部側から一部側へと連続
的に変化する傾斜分布である半導体装置が製造される。
もちろんさらに,第1導電型半導体領域への不純物の導
入の際に中間の濃度の部分を設け,その後熱処理による
拡散を行うようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下,本発明を具体化した実施の
形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0031】[第1の実施の形態] 〈半導体装置の構成〉 (半導体層)本実施の形態は,プレーナ型のnチャネル
IGBTにおいて本発明を具体化したものである。本実
施の形態に係るIGBT1は,図1に示す基本構造を有
している。すなわち,高濃度p型シリコンのp+ 基板1
01とその上に形成されたn型シリコンのエピタキシャ
ル層102とが半導体層10をなす。このエピタキシャ
ル層102において,図1中上方の側を一面側といい,
+ 基板101の側(図1では下方)を対面側というも
のとする。この一面側および対面側は,請求項にいう一
部側およびその対部側に相当する。そして,エピタキシ
ャル層102の一面側には,n+ソース領域106とp
ボディ領域107とp+ボディ領域109とが形成され
ている。これらは,エピタキシャル層102の一部にイ
オン注入等により形成された拡散層である。エピタキシ
ャル層102のうちこれら拡散層以外の部分をドリフト
領域102dという。
【0032】ドリフト領域102dのうち対面側には,
IGBT1をスイッチオフした後に容易に空乏化しない
程度に不純物濃度を高くしたn+ バッファ領域102b
が設けられている。ドリフト領域102dのうちn+
ッファ領域102b以外の部分は,スイッチオフ後に空
乏化しうる領域であり,これをnドリフト領域102a
という。p+基板101にはn+バッファ領域102bが
接しており,nドリフト領域102aはp+基板101
に接していない。
【0033】上記の構造の半導体層10におけるX−
X'線上のpボディ領域107からp+基板101に至る
部分の不純物濃度の分布を図2に示す。図2に示される
ように,nドリフト領域102aのうちn+ バッファ領
域102bよりの部分には,不純物濃度を連続的に変化
させた傾斜分布領域Tが設けられている。このため,n
ドリフト領域102aとn+ バッファ領域102bと
は,不純物濃度が階段状のステップを示すことなくなだ
らかに連続している。傾斜分布領域Tの幅は,pボディ
領域107の幅以上とされている。このように,nドリ
フト領域102aは,その全体が高不純物濃度であるわ
けではなく,また厚さも特に厚くする必要はない。
【0034】(電極,絶縁膜)次に,半導体層10の表
面(エピタキシャル層102の一面側)と裏面(p+
板101側)とに設けられている電極や絶縁膜等につい
て説明する。まず表面側には,電極としてゲート電極1
04とソース電極110とが設けられ,そしてゲート電
極104を半導体層10等から絶縁するためのゲート絶
縁膜103や絶縁膜105,108が設けられている。
ゲート電極104は,エピタキシャル層102の表面う
ち,nドリフト領域102dの部分とpボディ領域10
7の部分との上方に存在し,さらにn+ ソース領域10
6の一部の上方に及んでいる。このゲート電極104
は,ゲート絶縁膜103により半導体層10から絶縁さ
れている。一方,ソース電極110は,n+ソース領域
106およびp+ボディ領域109に接触し,これらに
電気的に導通するように設けられている。ゲート電極1
04とソース電極110との間は,絶縁膜105,10
8により絶縁されている。そして,ゲート電極104に
はゲート端子Gが,ソース電極110にはソース端子S
Cが,それぞれ設けられている。
【0035】一方裏面側には,p+ 基板101に接触し
てこれと電気的に導通するドレイン電極111が設けら
れている。そしてドレイン電極111には,ドレイン端
子DEが設けられている。
【0036】(素子構成)上記の構造を有するIGBT
1において,p+ ボディ領域109とドリフト領域10
2dとp+ 基板101とがpnpバイポーラトランジス
タを構成する。すなわち,p+ ボディ領域109がコレ
クタであり,ドリフト領域102dがベースであり,p
+基板101がエミッタである。また,n+ソース領域1
06とpボディ領域107とnドリフト領域102aと
ゲート電極104とがnチャネル電界効果トランジスタ
を構成する。すなわち,pボディ領域107がチャネル
形成領域であり,nドリフト領域102aがドレインで
ある。もちろん,n+ ソース領域106がソースであ
り,ゲート電極104がゲートである。したがってnド
リフト領域102aは,バイポーラトランジスタのベー
スと電界効果トランジスタのドレインを兼ねていること
になる。
【0037】〈動作〉次に,IGBT1の動作を説明す
る。IGBT1の基本的な動作は,絶縁ゲートであるゲ
ート電極104の電圧により,ドレイン電極111から
ソース電極110への電流,すなわち半導体層10の厚
さ方向の電流をスイッチング制御することである。すな
わちIGBT1は,半導体基板の厚さ方向の電流を取り
扱うものであり,縦型の半導体装置である。
【0038】(オフ状態)まず,ゲート電極104に何
ら電圧が掛けられていない状態を考える。この状態で
は,電界効果トランジスタがオンしておらず,ドレイン
電極111とソース電極110との間の電流の流れ方に
対し影響を及ぼさない。したがって,ドレイン端子DE
とソース端子SCとの間に,ドレイン端子DEがより高
電位となる向きに電圧を印加して,ドレイン電極111
からソース電極110へ向けて電流を流そうとしても,
nドリフト領域102aとpボディ領域107およびp
+ ボディ領域109との間のpn接合が逆方向となるた
め,電流はほとんど流れない。すなわちバイポーラトラ
ンジスタがオフなのである。ここで,nドリフト領域1
02aの全体が高不純物濃度であるわけではないので,
リーク電流は極めて小さい。
【0039】(オン状態)ここで,ゲート端子Gを用い
てゲート電極104に正電圧(vsソース電極110)
を印加する(以下,ゲート電圧という)と,次のような
ことが起こる。まず,ゲート絶縁膜103を挟んでゲー
ト電極104と対面しているpボディ領域107の表面
に,ゲート電圧の電界効果によるnチャネルが生成され
る。このため,n+ ソース領域106のキャリアである
電子がこのnチャネルを通って,より電位の高いnドリ
フト領域102aに流れ込む。すなわち電界効果トラン
ジスタがオンとなる。
【0040】これによりドリフト領域102d(nドリ
フト領域102a,n+ バッファ領域102bとも)の
電子濃度が上昇する。このため,ドリフト領域102d
の抵抗が小さくなるとともにその電位が下がるので,p
+ 基板101のキャリアであるホールが,ドリフト領域
102dに引き込まれる。すなわちドリフト領域102
dとp+ 基板101とにより構成されるダイオードが導
通する。これによりドリフト領域102dは,電子濃度
ばかりでなくホール濃度も高い状態となる。ドリフト領
域102dに進入したホールは,一部が電子と対消滅す
るほか,さらに電位が低いp+ ボディ領域109に流れ
込んでソース電極110に至る。すなわちバイポーラト
ランジスタがオンするのである。したがってドレイン電
極111からソース電極110へ厚さ方向の電流(コレ
クタ電流)が流れる。ここで,nドリフト領域102a
の全体が高不純物濃度であるわけではなく,またその厚
さも特に厚くされてはいないので,オン抵抗は極めて小
さい。
【0041】すなわちIGBT1においては,オン動作
に電子とホールとの双方が関与するバイポーラトランジ
スタ的な作用を基本としつつ,絶縁されているゲート電
極104の電圧によりオンオフが制御される。ここにお
いて,ゲート電圧により直接にオンオフされる電界効果
トランジスタが,バイポーラトランジスタの導通,不通
をスイッチングするスイッチング機能を有する素子とし
ての役割を果たしている。
【0042】(スイッチオフ)前記のようなオン状態か
らゲート電極104への正電圧の印加を断つと,pボデ
ィ領域107の表面のnチャネルが消滅して,nドリフ
ト領域102aへの電子の注入が断たれるので,IGB
T1はオフに戻る。その際の過渡動作を説明する。
【0043】まずオン状態におけるドリフト領域102
dは前記のように,電子とホールとの双方が高濃度に充
満している状態にある。スイッチオフされると,電子の
注入が断たれることと,ホールがp+ボディ領域109
に流出することとにより,p+ボディ領域109および
pボディ領域107との界面のpn接合から,キャリア
濃度が非常に低い空乏層が広がる。スイッチオフ後も,
空乏層が広がり続けている間はコレクタ電流が流れ続け
る。
【0044】そして,空乏層の広がりがnドリフト領域
102aのうちの傾斜分布領域T(図2参照)に達する
と,その広がりが抑制され徐々に広がりの速度が遅くな
り,ついには停止する。不純物濃度が高いほど空乏化し
にくいからである。このため,コレクタ電流も徐々に減
少して停止する。このように,コレクタ電流が急激に減
少するのではなく徐々に減少するので,回路に誘導性負
荷が含まれていても発生する逆起電力は小さく,発振が
小さい。したがって,図3のグラフに示すような過渡動
作が得られる。図28に示す従来のものの過渡動作と比
較して発振が抑制されていることが理解できる。またこ
のことは,動的耐圧の低下も抑制されていることを意味
する。IGBT1では,スイッチオフ後における逆起電
力が小さいので,ドリフト領域102dへのホールの流
入も少なく,アバランシェ降伏を起こすような局所的強
電界が形成されるに至ることがないからである。
【0045】〈製造方法〉次に,IGBT1の製造方法
を説明する。
【0046】(エピタキシャル成長)IGBT1の製造
においては,シリコン基板として高濃度p型の基板を使
用する。まず,よく洗浄したp+ 基板101上にエピタ
キシャル成長により,高濃度n型シリコンの層と低濃度
n型シリコンの層とを順次形成する。これにより図4に
示すように,p+ 基板101とエピタキシャル層102
との積層体である半導体層10が形成される。このp+
基板101は,IGBT1においてバイポーラトランジ
スタのエミッタ領域となるものである。またnエピタキ
シャル層102は,高不純物濃度のn+ バッファ領域1
02bとその上層の低不純物濃度のnドリフト領域10
2aとを有している。nドリフト領域102aの厚さ
は,50〜70μm程度とする。そして,nドリフト領
域102aの表面に,熱酸化により酸化膜103を形成
する。
【0047】そして,図4に示す状態の半導体層10
を,1200〜1300℃程度の高温で2〜20時間程
度アニールし,n+ バッファ領域102bからnドリフ
ト領域102aへの不純物の拡散を行う。これにより,
図2のグラフ中の102aおよび102bの部分に示し
た不純物濃度分布が形成される。すなわち,不純物濃度
が連続的に変化している傾斜分布領域Tが形成される。
なお,この高温アニールの際,酸化膜103の存在によ
り,nドリフト領域102aの表面から不純物が脱出し
て濃度が低下することが防止されている。
【0048】(ゲート電極の形成)続いて,CVD法に
より,多結晶シリコン膜,酸化シリコン膜を順次積層す
る。多結晶シリコン膜には,導電性付与のためリン
(P)のような不純物を含有させておく。そして,形成
した多結晶シリコン膜と酸化シリコン膜とを所定形状に
エッチングすると,図5に示すように,ゲート電極10
4(多結晶シリコン膜)が形成される。ゲート電極10
4は,ゲート絶縁膜103(熱酸化膜)によりnエピタ
キシャル層102から絶縁されている。なお絶縁膜10
5(酸化シリコン膜)は,ゲート電極104と後に形成
されるソース電極110との絶縁のためのものである。
【0049】(拡散層の形成)次に,nドリフト領域1
02aの一部に拡散層を形成する。最初に形成する拡散
層は,n+ ソース領域106である。このため,ゲート
電極104の形成を行った半導体層10に対し,上方か
らヒ素(As)やリン(P)等のドナー性の元素をイオ
ン注入する(図6参照)。すると,注入されたイオンが
分布する範囲は高濃度n型となり,n+ ソース領域10
6が形成される。ここで,絶縁膜105がマスクとなっ
てイオンを阻止しているので,ゲート電極104の下部
には,縁辺部を除いてn+ ソース領域106は形成され
ない。縁辺部には,nエピタキシャル層102内でのイ
オンの回り込みにより,n+ ソース領域106が形成さ
れる。n+ ソース領域106は,IGBT1において電
界効果トランジスタのソースとなる部分である。
【0050】次に形成する拡散層は,pボディ領域10
7である。このため,n+ ソース領域106の形成を行
った半導体層10に対し,斜め上方からホウ素(B)や
ガリウム(Ga)等のアクセプタ性の元素をイオン注入
する(図7参照)。このとき,注入されたイオンのnエ
ピタキシャル層102内での飛程が,n+ ソース領域1
06の形成のためのイオン注入の場合の2〜3倍程度に
なるようにする。そして注入のドーズ量は,n+ソース
領域106の導電型を反転させず,かつ,n+ソース領
域106以外のnエピタキシャル層102の導電型をp
型に反転させる程度とする。すると,注入されたイオン
が分布する範囲であってn+ ソース領域106以外の範
囲はp型となり,pボディ領域107が形成される。
【0051】形成されたpボディ領域107は,イオン
注入を斜め方向から行っているため,また,注入された
イオンの飛程がより大きいため,n+ ソース領域106
の周囲全体を覆っている。このため,n+ ソース領域1
06とnドリフト領域102d(nエピタキシャル層1
02のうち拡散層でない部分)とは直接接してはいな
い。また,pボディ領域107は,n+ ソース領域10
6の下部以外ではゲート絶縁膜103を挟んでゲート電
極104と対面している。この部分が,IGBT1の電
界効果トランジスタにおいてチャネルが形成される箇所
である。
【0052】続いて,p+ ボディ領域109の形成が行
われる。このためまず,pボディ領域107の形成を行
った半導体層10に対し,CVD法により酸化シリコン
膜を堆積する。この堆積は等方的に行われるので,酸化
シリコンは,ゲート電極104および絶縁膜105の側
壁(図7中にWで示す)にも付着する。このため,堆積
される酸化シリコン膜108は図8に示すような形状と
なる。そして,ゲート電極104から離れた箇所におい
てnエピタキシャル層102(n+ ソース領域106)
が露出するまで酸化シリコンを上方から異方性エッチン
グによりエッチバックすると,図9に示すような形状と
なる。
【0053】そして,ホウ素等のアクセプタ性の元素を
イオン注入する(図10参照)。このとき,注入された
イオンの半導体層10内での飛程が,pボディ領域10
7の形成のためのイオン注入の場合と同程度になるよう
にする。また注入のドーズ量は,n+ ソース領域106
の部分の導電型をも反転させる程度とする。これにより
pボディ領域107の一部およびn+ ソース領域106
の一部が,より不純物濃度の高いp+ボディ領域109
となる。そして,アニーリングを行い,n+ソース領域
106,pボディ領域107,p+ ボディ領域109の
不純物を活性化する。このとき,各領域内の不純物を拡
散させないためと,nドリフト領域102aに形成され
ている傾斜分布領域Tに影響を与えないために,アニー
リング温度は,傾斜分布領域Tを形成した時の温度より
低くする。形成されたp+ ボディ領域109は,半導体
層10の表面に臨んでいる。また下部においてはpボデ
ィ領域107を介さず直接にnドリフト領域102dに
接している。この部分が,IGBT1のバイポーラトラ
ンジスタにおいてコレクタ領域となる部分である。
【0054】(ソース電極の形成)次に,絶縁膜10
5,108を部分的にエッチングする。このエッチング
の目的は,図11に示すように,n+ ソース領域106
の一部を露出させることである。また同時に,絶縁膜1
05の膜厚調整もなされている。したがってこのエッチ
ングは,ウェットエッチングのような等方的エッチング
法を用いて行われる。そして,アルミニウム(Al)等
の金属をスパッタ法により堆積すると,図12に示すよ
うに,p+ボディ領域109とn+ソース領域106との
双方に接触するソース電極110が形成される。なお,
図12の状態におけるゲート電極104は,絶縁膜10
3,105,108により他の部分から絶縁されてい
る。
【0055】(ドレイン電極の形成)最後に,半導体層
10の裏面(p+ 基板101)にアルミニウム等の金属
をスパッタ法または蒸着法により堆積してドレイン電極
111を形成し,各電極(110,104,111)に
必要な端子(SC,G,DE)を取り付けると,図1に
示すIGBT1が完成する。
【0056】〈効果等〉以上詳細に説明したように,本
実施の形態に係るIGBT1では,p+ 基板101上に
高濃度n型シリコンの層と低濃度n型シリコンの層とを
順次形成するとともに,後の拡散領域形成のためのアニ
ーリング温度よりも高い温度でアニールすることとした
ので,nドリフト領域102a内のn+ バッファ領域1
02bよりの部分に,不純物濃度が連続的に変化してい
る傾斜分布領域Tが形成されている。そして,この高温
アニール時を,nドリフト領域102aの表面に酸化膜
103を形成してから行うこととしたので,アニール中
にはnドリフト領域102aの表面が酸化膜103で覆
われており,不純物元素が離脱して濃度分布にくるいが
生ずることが防止されている。また,nドリフト領域1
02aの不純物濃度分布を形成してから,拡散領域(p
ボディ領域107等)の形成を行うので,拡散領域の構
造には影響しない。
【0057】そして,nドリフト領域102aにおける
傾斜分布領域Tの存在により,スイッチオフ後の動作に
おいて,p+ ボディ領域109およびpボディ領域10
7とnドリフト領域102aの界面のpn接合からの空
乏層の広がりが,n+ バッファ領域102bに至る前に
減速されるので,コレクタ電流は急激に停止するのでな
く緩やかに減少する。このため,回路に誘導性負荷が含
まれていても発生する逆起電力は小さく,電圧および電
流の発振や,アバランシェ降伏による耐圧の低下が防止
されている。特に,ドリフト領域102dの全体厚を厚
くしたり,あるいは領域全体の不純物濃度を上げたりす
る必要がないので,オン抵抗やリーク電流の観点からも
優れている。
【0058】なお,前記実施の形態は,本発明を何ら限
定するものではない。したがって本発明は,その要旨を
逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能であること
はもちろんである。例えば,前期実施の形態中の寸法や
処理条件等について示した具体的数値は,単なる例示に
すぎない。また,製造工程において,p+ 基板101上
へのn型シリコンのエピタキシャル成長は,高濃度と低
濃度との2水準に限らず,中濃度を加えた3水準,もし
くはそれ以上の多水準でもよい。また,高温アニールの
時間や温度の設定により,nドリフト領域102a全体
が,傾斜した不純物濃度を有するようにしてもよい。一
方,高温アニールを省略すると,nドリフト領域102
aの不純物濃度は階段状の分布となるが,このようなも
のでも,従来のIGBTに比べれば各段の不純物濃度の
ステップ幅が狭い分,スイッチオフ特性の改善が図られ
る。さらに,各半導体部分の導電型(pn)を逆にして
もよい。また,p+ 基板101上にn型シリコンをエピ
タキシャル成長させる代わりに,p+ 基板101にn基
板を貼合わせるようにしてもよい。このとき,必要に応
じてn基板の貼合わせ面側に不純物を導入した上で貼合
わせることが可能であり,貼合わせ前あるいは貼合わせ
後に熱処理することにより,所望の不純物濃度分布を得
ることができる。
【0059】[第2の実施の形態] 〈半導体装置の構成および動作〉第2の実施の形態に係
るIGBT2は,図13に示すように,前記した第1の
実施の形態に係るIGBT1とほぼ同様のものである。
その構成上の相違点は,ドリフト領域102dをnドリ
フト領域102aとn+ バッファ領域102bとに区分
することなく,図14に示すように,領域全体の不純物
濃度分布が傾斜分布となるようにしたことにある。した
がってその動作もほぼ同様であり,オフ状態やオン状態
そのものは第1の実施の形態で説明した通りである。た
だしスイッチオフ後におけるp+ ボディ領域109およ
びpボディ領域107とnドリフト領域102dとの界
面のpn接合からの空乏層の広がりは,当初から徐々に
抑制されることになる。これ以外には特に相違点はな
い。このため,コレクタ電流が急激に減少するのではな
く徐々に減少し,回路に誘導性負荷が含まれていても発
生する逆起電力は小さい。したがって発振や動的耐圧の
低下が防止されている。
【0060】〈製造方法〉製造方法の相違点は,p+
板101上へのn型シリコンのエピタキシャル成長を,
2回(もしくは3回以上)に分けずに1回で行い,その
代わりに不純物濃度を徐々に変化させていく点にある。
すなわち,エピタキシャル成長の初期には不純物濃度を
高くし,徐々に濃度を下げて終期には不純物濃度を低く
するのである。これは,エピタキシャル成長の際の雰囲
気ガスの組成を徐々に変化させることにより実現でき
る。これにより,図14に示した不純物濃度分布を有す
るnドリフト領域102dが形成される。この場合にエ
ピタキシャル成長後の高温アニールは不要である(ただ
し,高温アニールをしてもかまわない)。
【0061】〈効果等〉このように,本実施の形態に係
るIGBT2では,p+ 基板101上に,領域全体が傾
斜した不純物濃度を有するnドリフト領域102dを形
成することとしたので,スイッチオフ後の動作におい
て,p+ ボディ領域109およびpボディ領域107と
nドリフト領域102dの界面のpn接合からの空乏層
の広がりが,徐々に減速されるので,コレクタ電流は急
激に停止するのでなく緩やかに減少する。すなわち,n
ドリフト領域102dを過度に厚くしたり領域全体を高
不純物濃度にしたりする必要なく,電圧および電流の発
振やアバランシェ降伏による耐圧の低下につながる逆起
電力が抑制されている。
【0062】なお,本実施の形態も,本発明を何ら限定
するものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良,変形が可能であることはもちろんである。例え
ば,各半導体部分の導電型(pn)を逆にしてもよい。
【0063】[第3の実施の形態]第3の実施の形態
は,プレーナ型の縦型nチャネルMOSFETにおいて
本発明を具体化したものであり,図15に示す基本構造
を有している。その構造は,第1の実施の形態に係るI
GBT1におけるp+ 基板101を省略したものと考え
て差し支えない。このMOSFET3においても,スイ
ッチオフ後にp+ ボディ領域109およびpボディ領域
107とnドリフト領域102dとの界面のpn接合か
ら空乏層が広がっていくが,nドリフト領域102aの
不純物濃度の傾斜領域により,徐々に減速されることと
なる。このため,コレクタ電流が急激に減少するのでは
なく徐々に減少し,回路に誘導性負荷が含まれていても
発生する逆起電力は小さい。したがって発振や動的耐圧
の低下が防止されている。
【0064】なお,本実施の形態も,本発明を何ら限定
するものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良,変形が可能であることはもちろんである。例え
ば,各半導体部分の導電型(pn)を逆にしてもよい。
さらに,第2の実施の形態で説明したように,nドリフ
ト領域102dの全体がなめらかに傾斜した不純物濃度
分布を有するようにしてもよい。
【0065】[第4の実施の形態]第4の実施の形態
は,コレクタ短絡型の縦型nチャネルIGBTにおいて
本発明を具体化したものであり,図16に示す基本構造
を有している。その構造は,第1の実施の形態に係るI
GBT1におけるp+ 基板101をアイランド状にし,
+ バッファ領域102bを部分的にドレイン電極11
1と短絡させたものと考えて差し支えない。このIGB
T4においても,スイッチオフ後にp+ ボディ領域10
9およびpボディ領域107とnドリフト領域102d
との界面のpn接合から空乏層が広がっていくが,nド
リフト領域102aの不純物濃度の傾斜領域により,徐
々に減速されることとなる。このため,コレクタ電流が
急激に減少するのではなく徐々に減少し,回路に誘導性
負荷が含まれていても発生する逆起電力は小さい。した
がって発振や動的耐圧の低下が防止されている。
【0066】なお,本実施の形態も,本発明を何ら限定
するものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良,変形が可能であることはもちろんである。例え
ば,各半導体部分の導電型(pn)を逆にしてもよい。
さらに,第2の実施の形態で説明したように,nドリフ
ト領域102dの全体がなめらかに傾斜した不純物濃度
分布を有するようにしてもよい。
【0067】[第5の実施の形態]第5の実施の形態
は,トレンチゲート型の縦型nチャネルIGBTにおい
て本発明を具体化したものであり,図17に示す基本構
造を有している。その構造は,第1の実施の形態に係る
IGBT1におけるゲート電極104をトレンチ構造の
もの(104F)に置き換えたものと考えて差し支えな
い。このIGBT5においても,スイッチオフ後にp+
ボディ領域109およびpボディ領域107とnドリフ
ト領域102dとの界面のpn接合から空乏層が広がっ
ていくが,nドリフト領域102aの不純物濃度の傾斜
領域により,徐々に減速されることとなる。このため,
コレクタ電流が急激に減少するのではなく徐々に減少
し,回路に誘導性負荷が含まれていても発生する逆起電
力は小さい。したがって発振や動的耐圧の低下が防止さ
れている。
【0068】なお,本実施の形態も,本発明を何ら限定
するものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良,変形が可能であることはもちろんである。例え
ば,各半導体部分の導電型(pn)を逆にしてもよい。
さらに,第2の実施の形態で説明したように,nドリフ
ト領域102dの全体がなめらかに傾斜した不純物濃度
分布を有するようにしてもよい。
【0069】[第6の実施の形態]第6の実施の形態
は,絶縁ゲート型のサイリスタにおいて本発明を具体化
したものであり,図18に示す基本構造を有している。
その構造は,第1の実施の形態に係るIGBT1におけ
るn+ ソース領域106を複数箇所に設け,ゲート電極
104もこれに対応させて複数個設けたものと考えて差
し支えない。このサイリスタ6においても,スイッチオ
フ後にp+ ボディ領域109およびpボディ領域107
とnドリフト領域102dとの界面のpn接合から空乏
層が広がっていくが,nドリフト領域102aの不純物
濃度の傾斜領域により,徐々に減速されることとなる。
このため,コレクタ電流が急激に減少するのではなく徐
々に減少し,回路に誘導性負荷が含まれていても発生す
る逆起電力は小さい。したがって発振や動的耐圧の低下
が防止されている。
【0070】なお,本実施の形態も,本発明を何ら限定
するものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良,変形が可能であることはもちろんである。例え
ば,各半導体部分の導電型(pn)を逆にしてもよい。
さらに,第2の実施の形態で説明したように,nドリフ
ト領域102dの全体がなめらかに傾斜した不純物濃度
分布を有するようにしてもよい。
【0071】[第7の実施の形態] 〈半導体装置の構成〉 (半導体層)第7の実施の形態は,横型のnチャネルI
GBTにおいて本発明を具体化したものである。本実施
の形態に係るIGBT7は,図19に示す基本構造を有
している。すなわち,高濃度p型シリコンのp+ 基板1
01とその上に形成されたn型シリコンのエピタキシャ
ル層152とが半導体層20をなす。
【0072】このエピタキシャル層152の表面付近に
は,n+ ソース領域156とpボディ領域157とp+
ボディ領域159とが形成されている。これらは,エピ
タキシャル層152の一部にイオン注入等により形成さ
れた拡散層である。エピタキシャル層152の表面付近
にはまた,n+ バッファ領域152bとpアノード領域
151とが形成されている。これらも拡散層である。こ
のn+ バッファ領域152bは,IGBT7をスイッチ
オフした後に容易に空乏化しない程度に高い不純物濃度
を有している。エピタキシャル層152のうちこれら拡
散層以外の部分は,スイッチオフ後に空乏化しうる領域
であり,これをnドリフト領域152aという。nドリ
フト領域152aとn+ バッファ領域152bとを合わ
せてドリフト領域152dという。
【0073】拡散層のうちn+ ソース領域156は,p
ボディ領域157の中にあり,nドリフト領域152a
には接していない。また,pアノード領域151はn+
バッファ領域152bの中にあり,これもnドリフト領
域152aには接していない。そして,pボディ領域1
57とn+ バッファ領域152bとは接しておらず,そ
の間でnドリフト領域152aが半導体層20の表面に
臨んでいる。ここにおいて,n+ソース領域156とp
ボディ領域157とp+ボディ領域159とが形成され
ている図19中左方を一方側といい,n+ バッファ領域
152bとpアノード領域151とが形成されている図
19中右方を他方側というものとする。この一方側およ
び対方側は,請求項にいう一部側およびその対部側に相
当する。
【0074】上記の構造の半導体層20におけるY−
Y' 線上のpボディ領域157からpアノード領域15
1に至る部分の不純物濃度の分布は,図2に示す第1の
実施の形態の場合の分布と同様である。すなわち,nド
リフト領域152aのうちn+バッファ領域152bよ
りの部分には,不純物濃度を連続的に変化させた傾斜分
布領域Tが設けられている。このため,nドリフト領域
152aとn+ バッファ領域152bとは,不純物濃度
が階段状のステップを示すことなくなだらかに連続して
いる。傾斜分布領域Tの幅は,pボディ領域157の幅
以上とされている。このように,nドリフト領域152
aは,その全体が高不純物濃度であるわけではなく,ま
た厚さも特に厚くする必要はない。
【0075】(電極,絶縁膜)次に,半導体層20の表
面上に設けられている電極や絶縁膜等について説明す
る。まず電極としては,ソース電極160とゲート電極
154とドレイン電極161とが設けられている。ま
た,これら3つの電極を相互に絶縁する絶縁膜155,
158が設けられている。ソース電極160は,n+
ース領域156およびp+ ボディ領域159に接触し,
これらに電気的に導通するように設けられている。ゲー
ト電極154は,エピタキシャル層152の表面うち,
pボディ領域157の部分の上方に存在し,さらにその
端部がn+ ソース領域156およびnドリフト領域15
2aの上方に及んでいる。このゲート電極154は,絶
縁膜155により半導体層20から絶縁されている。絶
縁膜155のうち,ゲート電極154の下部の部分をゲ
ート絶縁膜153という。ドレイン電極161は,pア
ノード領域151に接触してこれに電気的に導通するよ
うに設けられている。
【0076】そして,ソース電極160にはソース端子
SCが,ゲート電極154にはゲート端子Gが,ドレイ
ン電極161にはドレイン端子DEが,それぞれ設けら
れている。
【0077】(素子構成)上記の構造を有するIGBT
7において,p+ ボディ領域159とドリフト領域15
2dとpアノード領域151とがpnpバイポーラトラ
ンジスタを構成する。すなわち,p+ ボディ領域159
がコレクタであり,ドリフト領域152dがベースであ
り,pアノード領域151がエミッタである。また,n
+ ソース領域156とpボディ領域157とnドリフト
領域152aとゲート電極154とがnチャネル電界効
果トランジスタを構成する。すなわち,pボディ領域1
57がチャネル形成領域であり,nドリフト領域152
aがドレインである。もちろん,n+ ソース領域156
がソースであり,ゲート電極154がゲートである。し
たがってnドリフト領域152aは,バイポーラトラン
ジスタのベースと電界効果トランジスタのドレインを兼
ねていることになる。このIGBT7は,第1の実施の
形態に係るIGBT1(縦型)を横型に変形したもので
ある。
【0078】〈動作〉次に,IGBT7の動作を説明す
る。IGBT7の基本的な動作は,絶縁ゲートであるゲ
ート電極154の電圧により,ドレイン電極161から
ソース電極160への電流,すなわち半導体層20の面
内方向の電流をスイッチング制御することである。すな
わちIGBT1は,半導体基板の面内方向の電流を取り
扱う横型の半導体装置である。
【0079】(オフ状態)まず,ゲート電極154に何
ら電圧が掛けられていない状態を考える。この状態で
は,電界効果トランジスタがオンしておらず,ドレイン
電極161とソース電極160との間の電流の流れ方に
対し影響を及ぼさない。したがって,ドレイン端子DE
とソース端子SCとの間に,ドレイン端子DEがより高
電位となる向きに電圧を印加して,ドレイン電極161
からソース電極160へ向けて電流を流そうとしても,
nドリフト領域152aとpボディ領域157およびp
+ ボディ領域159との間のpn接合が逆方向となるた
め,電流はほとんど流れない。すなわちバイポーラトラ
ンジスタがオフなのである。ここで,nドリフト領域1
52aの全体が高不純物濃度であるわけではないので,
リーク電流は極めて小さい。
【0080】(オン状態)ここで,ゲート端子Gを用い
てゲート電極154に正電圧(vsソース電極160)
を印加する(以下,ゲート電圧という)と,次のような
ことが起こる。まず,ゲート絶縁膜153を挟んでゲー
ト電極154と対面しているpボディ領域157の表面
に,ゲート電圧の電界効果によるnチャネルが生成され
る。このため,n+ ソース領域156のキャリアである
電子がこのnチャネルを通って,より電位の高いnドリ
フト領域152aに流れ込む。すなわち電界効果トラン
ジスタがオンとなる。
【0081】これによりドリフト領域152d(nドリ
フト領域152a,n+ バッファ領域152bとも)の
電子濃度が上昇する。このため,ドリフト領域152d
の抵抗が小さくなるとともにその電位が下がるので,p
アノード領域151のキャリアであるホールが,ドリフ
ト領域152dに引き込まれる。すなわちドリフト領域
152dとpアノード領域151とにより構成されるダ
イオードが導通する。これによりドリフト領域152d
は,電子濃度ばかりでなくホール濃度も高い状態とな
る。ドリフト領域152dに進入したホールは,一部が
電子と対消滅するほか,さらに電位が低いp+ ボディ領
域159に流れ込んでソース電極160に至る。すなわ
ちバイポーラトランジスタがオンするのである。したが
ってドレイン電極161からソース電極160へ面内方
向の電流(コレクタ電流)が流れる。ここで,nドリフ
ト領域152aの全体が高不純物濃度であるわけではな
く,またその厚さも特に厚くされてはいないので,オン
抵抗は極めて小さい。
【0082】すなわちIGBT7においては,オン動作
に電子とホールとの双方が関与するバイポーラトランジ
スタ的な作用を基本としつつ,絶縁されているゲート電
極154の電圧によりオンオフが制御される。ここにお
いて,ゲート電圧により直接にオンオフされる電界効果
トランジスタが,バイポーラトランジスタの導通,不通
をスイッチングするスイッチング機能を有する素子とし
ての役割を果たしている。
【0083】(スイッチオフ)前記のようなオン状態か
らゲート電極154への正電圧の印加を断つと,pボデ
ィ領域157の表面のnチャネルが消滅して,nドリフ
ト領域152aへの電子の注入が断たれるので,IGB
T7はオフに戻る。その際の過渡動作を説明する。
【0084】まずオン状態におけるドリフト領域152
dは前記のように,電子とホールとの双方が高濃度に充
満している状態にある。スイッチオフされると,電子の
注入が断たれることと,ホールがp+ボディ領域159
に流出することとにより,p+ボディ領域159および
pボディ領域157との界面のpn接合から,キャリア
濃度が非常に低い空乏層が広がる。スイッチオフ後も,
空乏層が広がり続けている間はコレクタ電流が流れ続け
る。
【0085】そして,空乏層の広がりがnドリフト領域
152aのうちの傾斜分布領域T(図2参照)に達する
と,その広がりが抑制され徐々に広がりの速度が遅くな
り,ついには停止する。不純物濃度が高いほど空乏化し
にくいからである。このため,コレクタ電流も徐々に減
少して停止する。このように,コレクタ電流が急激に減
少するのではなく徐々に減少するので,回路に誘導性負
荷が含まれていても発生する逆起電力は小さく,発振が
小さい。したがって,図3のグラフに示すような過渡動
作が得られる。図28に示す従来のものの過渡動作と比
較して発振が抑制されていることが理解できる。またこ
のことは,動的耐圧の低下も抑制されていることを意味
する。IGBT7では,スイッチオフ後における逆起電
力が小さいので,ドリフト領域152dへのホールの流
入も少なく,アバランシェ降伏を起こすような局所的強
電界が形成されるに至ることがないからである。
【0086】〈製造方法〉次に,IGBT7の製造方法
を説明する。
【0087】(アノード側拡散層の形成)IGBT7の
製造においては,シリコン基板として高濃度p型の基板
を使用する。まず,よく洗浄したp+ 基板101上にエ
ピタキシャル成長により,n型シリコンの層を形成す
る。これにより,p+ 基板101とエピタキシャル層1
52との積層体である半導体層20が形成される。そし
て図20に示すように,半導体層20上にマスク171
を形成して上方からヒ素(As)やリン(P)等のドナ
ー性の元素をイオン注入する。このときのマスク171
は,n+ バッファ領域152bやpアノード領域151
が形成される部分には所々に窓171aが形成されてい
るが,それ以外の部分には窓が形成されていない。そし
て窓171aは,図20中左よりのものほど小さく,右
よりのものほど大きくなっている。このため,注入され
たイオンは,n+ バッファ領域152b等が形成される
部分内でも左よりの部分よりも右よりの部分ほど高濃度
に分布している。
【0088】そこでこれを熱処理すると,図21に示す
ようにn+ バッファ領域152bが形成される。図21
は,マスク171を除去した状態を示している。形成さ
れたn+ バッファ領域152bは,エピタキシャル層1
52の元々の不純物濃度より高い不純物濃度を有してい
るが,その濃度は一様でない。すなわち,図中左よりの
位置ではエピタキシャル層152の元々の不純物濃度と
あまり変わらない低い濃度であるが,右よりの位置で
は,エピタキシャル層152の元々の不純物濃よりかな
り高く,傾斜分布となっている。なお,マスク171自
体は,フォトレジストでも酸化シリコン膜でもどちらで
もよい。そして,n+ バッファ領域152bの一部に対
し上方からホウ素(B)やガリウム(Ga)等のアクセ
プタ性の元素をイオン注入して導電型を反転させると,
図22に示すようにpアノード領域151が形成され
る。
【0089】(ゲート電極,カソード側拡散層等の形
成)続いて,ゲート電極154およびカソード側の拡散
層を形成する。カソード側の拡散層とは,n+ソース領
域156,pボディ領域157,p+ボディ領域159
のことである。これらは,第1の実施の形態の場合のゲ
ート電極104および各拡散層の形成と同様の方法で形
成する。すなわち,まずCVD法により,ゲート電極1
54を形成し,次いでイオン注入等により各拡散層を形
成する。エピタキシャル層152のうちどの拡散層にも
ならずに残っている部分がnドリフト領域152aであ
る。
【0090】(ソース電極等の形成)最後に,ソース電
極160およびドレイン電極161を,第1の実施の形
態で説明したのと同様の方法で形成し,各電極(16
0,154,161)に必要な端子(SC,G,DE)
を取り付けると,図19に示すIGBT7が完成する。
【0091】〈効果等〉以上詳細に説明したように,本
実施の形態に係るIGBT7では,n型シリコンのエピ
タキシャル層152に対しイオン注入を行うに際し,そ
のときのマスク171における窓171aの配置および
大きさを前記のようにしたので,pアノード領域151
に近接する部分から次第に不純物濃度が低下する傾斜分
布領域Tを有する横型の半導体装置が提供されている。
したがってIGBT7では,スイッチオフ後の動作にお
いて,p+ ボディ領域159およびpボディ領域157
とnドリフト領域152aの界面のpn接合からの空乏
層の広がりが,急激に停止するのでなく徐々に減速され
るので,コレクタ電流は急激に停止するのでなく緩やか
に減少する。このため,回路に誘導性負荷が含まれてい
ても発生する逆起電力は小さく,電圧および電流の発振
や,アバランシェ降伏による耐圧の低下が防止されてい
る。特に,ドリフト領域152dの全体厚を厚くした
り,あるいは領域全体の不純物濃度を上げたりする必要
がないので,オン抵抗やリーク電流の観点からも優れて
いる。
【0092】なお,本実施の形態も,本発明を何ら限定
するものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良,変形が可能であることはもちろんである。例え
ば寸法や処理条件等について示した具体的数値は,単な
る例示にすぎない。また,製造工程において,p+ 基板
を用いその上にエピタキシャル成長でn型半導体層を形
成する代わりに,p+ 基板にn基板を貼合わせてもよい
し,n基板を用いその表面付近にそのまま各拡散層を形
成することとしてもよい。また,n+ バッファ領域15
2bの形成ためのイオン注入と,pアノード領域151
の形成ためのイオン注入とは,順序を逆にしてもよい。
また,熱処理条件等の設定により,nドリフト領域15
2aからn+ バッファ領域152bに至る部分全体が傾
斜した不純物濃度分布(図14参照)を有するようにし
てもよい。さらに,各半導体部分の導電型(pn)を逆
にしてもよい。
【0093】また,イオン注入による代わりに,オキシ
塩化リン等からの気相拡散によっても,同様にマスク1
71を用いて不純物濃度の傾斜分布を有するn+ バッフ
ァ領域152bを形成することができる。また,そのと
きのマスク171は,窓171aの大きさを場所によっ
て変える代わりに,窓の大きさは一定としてその単位面
積当たりの個数を場所によって変えることとしてもよ
い。その場合には,図20中,大きな窓171aが形成
されている位置には多数の窓を形成し,小さな窓171
aが形成されている位置には少数の窓を形成することと
なる。
【0094】さらに,イオン注入等による代わりに,図
23のように固相拡散を利用して不純物濃度の傾斜分布
を有するn+ バッファ領域152bを形成してもよい。
この場合には,マスク171を用いる代わりに拡散させ
る元素を含んだ拡散源172(例えばリン(P)を含む
PSG等)を形成し,この拡散源から熱処理により当該
元素(ここではリン)を拡散させ,n+ バッファ領域1
52bを形成するのである。ここにおける拡散源172
は,n+ バッファ領域152bやpアノード領域151
が形成される部分に離散的に形成され,それ以外の部分
には形成されない。そして各拡散源172は,図23中
左よりのものほど小さく,右よりのものほど大きい。す
なわち,図20のマスク171とネガの関係にある。も
ちろん拡散源172も,各々の大きさを場所によって変
える代わりに,大きさは一定としてその単位面積当たり
の個数を場所によって変えることとしてもよい。
【0095】[第8の実施の形態]第8の実施の形態
は,プレーナ型の横型nチャネルMOSFETにおいて
本発明を具体化したものであり,図24に示す基本構造
を有している。その構造は,第7の実施の形態に係るI
GBT7におけるpアノード領域151を省略したもの
と考えて差し支えない。このMOSFET8は,第3の
実施の形態に係るMOSFET3(縦型)を横型に変形
したものである。MOSFET8においても,スイッチ
オフ後にp+ ボディ領域159およびpボディ領域15
7とnドリフト領域152aとの界面のpn接合から空
乏層が広がっていくが,n+ バッファ領域152bの不
純物濃度の傾斜領域により,徐々に減速されることとな
る。このため,コレクタ電流が急激に減少するのではな
く徐々に減少し,回路に誘導性負荷が含まれていても発
生する逆起電力は小さい。したがって発振や動的耐圧の
低下が防止されている。
【0096】なお,本実施の形態も,本発明を何ら限定
するものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良,変形が可能であることはもちろんである。例え
ば,各半導体部分の導電型(pn)を逆にしてもよい。
さらに,第7の実施の形態で説明したように,nドリフ
ト領域152dの全体がなめらかに傾斜した不純物濃度
分布を有するようにしてもよい。
【0097】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば,誘導性の負荷を含む回路に用いても逆起電力の
問題が生じないようにスイッチオフ時の過渡特性を改善
した縦型半導体装置および横型半導体装置とそれらの製
造方法とが,全体厚や全体サイズを増加させることな
く,またオン抵抗の増大やリーク電流の増加といった別
の問題点を伴うこともなく提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るプレーナ型nチャネル
IGBTの構造を示す図である。
【図2】図1のIGBTにおける不純物濃度分布を説明
するグラフである。
【図3】図1のIGBTのスイッチオフ時の過渡特性を
説明するグラフである。
【図4】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図5】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図6】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図7】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図8】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図9】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図10】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図11】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図12】図1のIGBTの製造過程を示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係るプレーナ型nチャネ
ルIGBTの構造を示す図である。
【図14】図13のIGBTにおける不純物濃度分布を
説明するグラフである。
【図15】第3の実施の形態に係るプレーナ型nチャネ
ルMOSFETの構造を示す図である。
【図16】第4の実施の形態に係るコレクタ短絡型nチ
ャネルIGBTの構造を示す図である。
【図17】第5の実施の形態に係るトレンチゲート型n
チャネルIGBTの構造を示す図である。
【図18】第6の実施の形態に係る絶縁ゲート型サイリ
スタの構造を示す図である。
【図19】第7の実施の形態に係る横型nチャネルIG
BTの構造を示す図である。
【図20】図19のIGBTの製造過程を示す図であ
る。
【図21】図19のIGBTの製造過程を示す図であ
る。
【図22】図19のIGBTの製造過程を示す図であ
る。
【図23】図19のIGBTの製造過程を示す図であ
る。
【図24】第8の実施の形態に係るプレーナ型nチャネ
ルMOSFET(横型)の構造を示す図である。
【図25】従来の縦型nチャネルIGBTの構造を示す
図である。
【図26】従来の横型nチャネルIGBTの構造を示す
図である。
【図27】図25または図26のIGBTにおける不純
物濃度分布を説明するグラフである。
【図28】図25または図26のIGBTのスイッチオ
フ時の過渡特性を説明するグラフである。
【符号の説明】
1,2 プレーナ型nチャネルIGBT
(縦型半導体装置) 3 プレーナ型nチャネルMOSFE
T(縦型半導体装置) 4 コレクタ短絡型nチャネルIGB
T(縦型半導体装置) 5 トレンチゲート型nチャネルIG
BT(縦型半導体装置) 6 絶縁ゲート型サイリスタ(縦型半
導体装置) 7 プレーナ型nチャネルIGBT
(横型半導体装置) 8 プレーナ型nチャネルMOSFE
T(横型半導体装置) 102a,152a nドリフト領域(第1導電型半導
体領域,低濃度層) 102b,152b n+バッファ領域(第1導電型半
導体領域,高濃度層) 102d,152d ドリフト領域(第1導電型半導体
領域) 106,156 n+ソース領域(機能素子) 107,157 pボディ領域(機能素子) 104,154 ゲート電極(機能素子) T 傾斜分布領域(第1導電型半導体
領域,中間濃度層)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型半導体領域と,前記第1導電
    型半導体領域の一部に接して設けられた機能素子とを有
    し,前記第1導電型半導体領域における不純物濃度が前
    記一部側よりもその対部側において高く,前記機能素子
    のうち前記第1導電型半導体領域に接する部分が第2導
    電型半導体で構成される半導体装置であって,前記第1
    導電型半導体領域の前記一部側と前記対部側との間に,
    不純物濃度がそれらの中間である部分を有することを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する半導体装置であっ
    て,前記第1導電型半導体領域に,前記一部側に位置す
    る低濃度層と,前記対部側に位置するとともに不純物濃
    度が前記低濃度層より高い高濃度層と,それらの間に位
    置するとともに不純物濃度が前記低濃度層より高く前記
    高濃度層より低い中間濃度層と,を有することを特徴と
    する半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載する半導体装置であっ
    て,前記中間濃度層の不純物濃度分布が,前記低濃度層
    よりの部分から前記高濃度層よりの部分へと連続的に高
    くなる傾斜分布であることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載する半導体装置であっ
    て,前記第1導電型半導体領域の不純物濃度分布が,前
    記一部側から前記対部側へと連続的に高くなる傾斜分布
    であることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板に第1導電型半導体領域を形
    成し,前記第1導電型半導体領域の一部に接して,前記
    第1導電型半導体領域に接する部分が第2導電型半導体
    で構成される機能素子を形成する半導体装置の製造方法
    であって,前記第1導電型半導体領域の形成過程に,相
    互に接する高不純物濃度第1導電型半導体部と低不純物
    濃度第1導電型半導体部とを形成する工程と,熱処理に
    よって前記高不純物濃度第1導電型半導体部中の不純物
    を前記低不純物濃度第1導電型半導体部に拡散させる工
    程と,が含まれることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 半導体基板に第1導電型半導体領域を形
    成し,前記第1導電型半導体領域の一部に接して,前記
    第1導電型半導体領域に接する部分が第2導電型半導体
    で構成される機能素子を形成する半導体装置の製造方法
    であって,前記第1導電型半導体領域の形成を,エピタ
    キシャル成長により,不純物濃度を高濃度から低濃度へ
    と連続的に変化させながら行うことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体基板に第1導電型半導体領域を形
    成し,前記第1導電型半導体領域の一部に接して,前記
    第1導電型半導体領域に接する部分が第2導電型半導体
    で構成される機能素子を形成する半導体装置の製造方法
    であって,前記第1導電型半導体領域の形成過程に,当
    該半導体領域に不純物を導入する不純物導入工程が含ま
    れ,前記不純物導入工程では,前記一部側とその対部側
    とで異なる濃度の不純物を導入することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
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