JP2016109483A - ボールねじ測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上述したように、往路と復路とでそれぞれ移動方向の側におけるねじ軸とボールナットとのガタつきが詰められた状態での記録結果からは、その差分がねじ軸とボールナットとのガタつきとして算出されることとなる。すなわちこの場合、算出部による算出結果によっては、ねじ軸の駆動量に基づき規定されるねじ溝におけるねじ軸とボールナットとのガタつきが算出されるだけでなく、ねじ軸のねじ溝の全域に亘ってのガタつきの変動が算出されるようになる。これにより、ねじ軸の駆動量に応じたねじ溝におけるボールねじ精度を好適に評価することができるだけでなく、ねじ軸のねじ溝の全域に亘ってのボールねじ精度を好適に評価することができる。
上記構成によれば、重力に基づき生じる重量を負荷として用いることで、ボールナットに付与する一定の負荷のばらつきが極力抑えられることとなる。すなわちこの場合、ボールねじ精度を評価するための情報として、より信頼性の高い情報を得ることができるようになる。
図1に示すように、ボールねじ測定装置は、一端側に螺旋状にねじ溝11aが形成されるとともに他端側にラック歯11bが形成されるねじ軸11に対して、該ねじ溝11aと対をなすねじ溝12aが内部に形成されるボールナット12を、多数のボール12bを介して嵌合してなるボールねじ装置13のボールねじ精度を評価するために用いられる。ボールねじ精度は、ねじ軸11及びボールナット12の各ねじ溝11a,12a、さらにこれらの間を転がるボール12bによって評価される。本実施形態では、ねじ軸11及びボールナット12の各ねじ溝11a,12aの間をボール12bが転がるなかで生じる各ねじ溝11a,12aの隙間、すなわちねじ軸11とボールナット12とのガタつきによってボールねじ装置13が所定の基準(良品であるか否かの基準)を満足するか否かを評価する。なお、例えば、ねじ軸11に対するボールナット12の位置には、ねじ軸11のねじ溝11aの右側面及びボールナット12のねじ溝12aの左側面にボール12bが当たったときのボールナット12の位置と、ねじ軸11のねじ溝11aの左側面及びボールナット12のねじ溝12aの右側面にボール12bが当たったときのボールナット12の位置とがある。これらの位置の差が、ガタつきということとなる。
図3に示すように、まずボールねじ装置を設置の工程として、ねじ軸11の一端(主軸支持部20の側)に回し金22bが取り付けられるとともに、ボールナット12に回り止め治具30が取り付けられる。またさらに、ボールナット12は、ねじ溝11aの右端(主軸支持部21の側)にある状態にねじ軸11に対し設置される。すなわちこの場合、各主軸支持部20,21に対してねじ軸11が設置され、回り止め治具30によってボールナット12が回り止めされ、手動ハンドル23aの操作によるセンタ23がねじ軸11に接近される(ステップS10)。なお、各主軸支持部20,21に対してねじ軸11が設置されるとき、回り止め治具30がその径方向において負荷治具51に対して係合されるとともに、ボールナット12が負荷爪51a,51bで挟み込まれ、サーボモータ22と一体回転可能に連結される連結軸に回し金22bが正回転、逆回転の両回転方向に係合されることとなる。
図4に示すように、上記距離測定では、制御処理部43がサーボモータ22を回転させたねじ軸角度θ(横軸)毎のボールナット12までの実測距離L(縦軸)が結果として記録される。
(1)本実施形態では、移動方向に対して一定の負荷が付与されながらボールナット12がねじ軸11のねじ溝11aを移動するとき、移動方向の側におけるねじ軸11とボールナット12とのガタつきが詰められることとなる。すなわちこの場合、移動方向の側におけるねじ軸11とボールナット12とのガタつきが詰められた状態において、ボールナット12までの実測距離Lが記録される。
・図7に示すように、ボールナット12に対して付与する負荷を発生させる形態として、重り54a,54bの重力ではなくサーボモータ55a,55bの回転トルクを用いるようにしてもよい。この場合、負荷治具51における軸方向の両側には、各ワイヤ52a,52bを介して各サーボモータ55a,55bの出力軸に取り付けられたプーリがそれぞれ機械的に接続される。すなわち、上記プーリに接続される各ワイヤ52a,52bの一端が該プーリによって巻き取られ、上記出力軸の回転トルクが上記プーリ及び各ワイヤ52a,52bを介して負荷治具51に引っ張る力(負荷)として伝達される。なお、各ワイヤ52a,52bの途中には、負荷として付与するトルクを検出するセンサ、すなわち各ロードセル56a,56bが設けられる。各サーボモータ55a,55bは、負荷が変化しても制御処理部43から指示された回転トルクを発生させ、各ロードセル56a,56bで検出されたトルクが指示された回転トルクと等しくなるようにフィードバックで運転可能なトルク制御される。すなわちこの場合、制御処理部43は、各ロードセル56a,56bの検出する結果に基づき各サーボモータ55a,55bのトルク制御を実行する。具体的に、制御処理部43は、上記ガタつきの測定の手順におけるステップS20において、ボールナット12の左進に対して負荷となるようにワイヤ52bを巻いて所定のトルクが発生されるようにサーボモータ55bのトルク制御を実行する。また、制御処理部43は、ステップS50において、ワイヤ52bを緩めるようにサーボモータ55bのトルク制御を実行する。また、制御処理部43は、ステップS60において、ボールナット12の右進に対して負荷となるようにワイヤ52aを巻いて所定のトルクが発生されるようにサーボモータ55aのトルク制御を実行する。また、制御処理部43は、ステップS90において、ワイヤ52aを緩めるようにサーボモータ55aのトルク制御を実行する。こうした本別例では、上記ガタつきの測定中において、各サーボモータ55a,55bのいずれかによってボールナット12に対して、各サーボモータ55a,55bの付与可能な範囲(多少のバラつきがあるなか)で一定の負荷が付与される。これによれば、ボールナット12に対して付与する負荷を切り替える作業の自動化を実現することができる。
・回り止め治具30と負荷治具51とは、異なる治具として分離して構成されていてもよく、これらが分離して構成されていてもボールナット12の径方向への振れ回りが許容されていればよい。
・ガタつきGの分布が、ボールねじ精度が上記所定の基準を満足する正常範囲に分布しているか否かを判定する判定処理では、図6(a),(b)の結果に基づきねじ軸11及びボールナット12のいずれの異常であるか制御処理部43が出力することもできる。
・上記往路の測定結果と上記復路の測定結果の差分を算出する演算処理については、ボールねじ測定装置では行わず測定結果から作業者が行うこととしてもよい。この場合には、測定結果が制御処理部43の表示画面43aに表示されるようにする。
・上記距離測定の間、ボールナット12がねじ軸11の端となる位置へ到達するまで(リミットスイッチがオンされるまで)、サーボモータ22の回転を継続させるようにしてもよい。この場合の距離測定のデータとしては、ねじ軸角度θ毎に実測距離Lをサンプリングした結果が記録されることとなる。このように連続して距離測定することによっては、実測距離Lを精度よく測定することができるようになる。
Claims (5)
- 螺旋状にねじ溝が形成されてなるねじ軸と、
前記ねじ軸のねじ溝に多数のボールを介して嵌合されてなるボールナットと、
前記ねじ軸を駆動させる駆動部と、
前記ねじ軸が駆動されるとき、前記ねじ軸の軸方向に沿って移動可能に前記ボールナットを回り止めするロック部と、
前記ねじ軸の軸方向における前記ボールナットの位置を検出する検出部と、
前記ボールナットが前記ねじ軸のねじ溝の全域を移動する間において、その移動方向に対して負荷となるように前記ボールナットに一定の力を付与する負荷付与部と、
前記負荷付与部により前記ボールナットに負荷が付与された状態において、該ボールナットが前記ねじ軸のねじ溝の全域を往復動するように前記駆動部を制御する駆動制御部と、
前記ねじ軸の駆動量が変化されるなかで該駆動量に応じた前記検出部の検出結果を記録する記録部と、を備えてなるボールねじ測定装置。 - 前記記録部における記録結果から前記ねじ軸の駆動量に応じた前記ボールナットの往路と復路における差分を算出する算出部を備える請求項1に記載のボールねじ測定装置。
- 前記算出部の算出結果がボールねじ精度としての要求を満足する正常範囲を設定するなかで、前記算出部の算出結果が前記正常範囲に分布しているか否かを判定する判定部を備える請求項2に記載のボールねじ測定装置。
- 前記ロック部と前記負荷付与部との間には、前記ねじ軸に対する前記ボールナットの振れ回りを許容しながらも前記ボールナットの軸方向に対して負荷を付与可能にするフローティング機構を有する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のボールねじ測定装置。
- 前記負荷付与部は、重力に基づき生じる重量を負荷として前記ボールナットに付与する請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のボールねじ測定装置。
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