JP2016109359A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部清掃運転後に空調運転を行うときに、キャビネット内の埃が室内に広がらないようにする。【解決手段】空調運転の停止後に、内部清掃運転が行われる。キャビネット内が乾燥された後、ファンが逆回転されて除菌運転が行われる。キャビネット内にイオンが行き渡り、キャビネット内が清浄になる。除菌運転の後、導風パネルが少し開かれ、ファンが正回転されると、吹出口から吹き出した空気を吸込口から吸い込むショートサーキットが発生する。キャビネット内に漂っている埃が吹き出されるが、埃は吸込口から吸い込まれ、フィルタに捕集される。キャビネット内の埃が回収される。内部清掃運転後に空調運転が行われたとき、埃は吹き出ない。【選択図】図4

Description

本発明は、キャビネット内の乾燥、除菌などの内部清掃運転を行う空気調和機に関する。
放電によってイオンを発生するイオン発生器を備えた空気調和機では、このイオンをキャビネット内に行き渡らせることにより、キャビネット内の除菌や脱臭を行う内部清掃運転が行われる。例えば、特許文献1に記載の空気調和機では、吹出口を閉じ、吸込口の一部を閉じるとともに、ファンを逆回転させる内部清掃運転が行われる。このような内部清掃運転により、吸込口と吹出口とを結ぶ空気通路の隅々までイオンを行き渡らせることができる。
特開2003−106613号公報
ファンが逆回転することにより、通常の正回転時とは異なった空気の流れが生じる。ファン、熱交換器、空気通路の壁面などに付着した埃が舞い上がって、キャビネット内の空気通路を漂う。内部清掃運転の後、空調運転が行われると、送風により空気通路内にある埃が室内に吹き出される。そのため、室内に埃が広がってしまう。
そこで、本発明は、上記に鑑み、内部清掃運転後に空調運転を行うときに、キャビネット内の埃が室内に広がらないようにした空気調和機の提供を目的とする。
本発明は、吸込口および吹出口を有するキャビネットに、熱交換器とファンとイオンを発生するイオン発生器とが内装され、吸込口に、フィルタが設けられ、吹出口に、送風の吹き出し方向を変える導風パネルが開閉可能に設けられ、ファンの回転および導風パネルの開閉を制御して、キャビネット内を掃除する内部清掃運転を行う制御装置を備えた空気調和機であって、制御装置は、内部清掃運転実行時に、吹出口を閉じて、イオンを発生させながらファンを動作させて、キャビネット内にイオンを行き渡らせる除菌運転を行った後、ファンを動作させて、キャビネット内に漂う埃をフィルタに回収する埃回収運転を行うものである。
ファンの逆回転によりキャビネット内に埃が舞い上がるが、埃回収運転が行われると、漂っている埃が吹き流されてフィルタに捕集される。ファンを正回転させて空調運転を行うとき、埃が吹き出すことを防止できる。
イオン発生器は、ファンよりも吹出口に近い位置に配され、除菌運転のとき、正逆回転可能なファンは逆回転され、埃回収運転のとき、吹出口が開かれてファンが正回転され、吹出口から吹き出した空気を吸込口から吸い込むショートサーキットを発生させることにより、埃を回収する。
埃回収運転のとき、吹出口から吹き出された風は吸込口に向かって流れる。吹き出された埃は、吸込口に吸い込まれて、フィルタに捕集される。埃が室内に広がらないように、埃を回収することができる。
フィルタを清掃するフィルタ清掃装置が設けられ、制御装置は、埃回収運転の後、フィルタ清掃装置を動作させて、フィルタ掃除運転を行う。埃回収運転後のフィルタの掃除により、回収された埃が付着したフィルタがきれいになり、フィルタの風通しがよくなる。
除菌運転のときにフィルタが吹出口を塞ぐ。ファンが逆回転すると、吹出口から室内の空気が吸い込まれ、埃もキャビネット内に吸い込まれる。吹出口のフィルタが吸い込まれた埃を捕集し、キャビネット内に埃が侵入しない。
吸込口にあるフィルタが吹出口まで移動され、吸込口にあるときに吸込口に対向するフィルタの表面とフィルタが吹出口にあるときに吹出口に対向するフィルタの表面が同じ面とされる。フィルタの使用場所にかかわらず、埃が付着するフィルタの表面が常に同一となり、キャビネット内に埃が飛散しない。
本発明によると、キャビネットの内部清掃を行ったときに出現する埃をフィルタに回収することにより、キャビネット内にある埃をなくすことができ、空調運転時に埃が吹き出されることを防止できる。
本発明の空気調和機の室内機の斜視図 室内機の断面図 空気調和機の制御ブロック図 第1実施形態の内部清掃運転のフローチャート 導風パネルが上開きしたときの室内機の断面図 ショートサーキット発生時の室内機の断面図 第4実施形態における吹出口がフィルタで塞がれた室内機の断面図 第4実施形態における空気調和機の制御ブロック図 第5実施形態における吹出口がフィルタで塞がれた室内機の断面図
(第1実施形態)
本実施形態の空気調和機は、室内機と室外機とからなるセパレート型である。図1、2に示すように、室内機には、キャビネット1の天面に室内空気を吸い込む吸込口2が形成され、キャビネット1の前面下部に吹出口3が形成されている。キャビネット1の内部には、吸込口2から吹出口3に至る空気通路4が形成され、この空気通路4に室内熱交換器5と室内ファン6が配置されている。室内熱交換器5は、室内ファン6の前方および上方を取り囲む。吸込口2と室内熱交換器5との間には、吸込口2から吸い込まれた空気に含まれる塵埃を捕集するフィルタ7が吸込口2に沿って設けられている。
キャビネット1は、背面板10および前面パネル11によって構成される。背面板10に、室内熱交換器5および室内ファン6が装着される。前面が開口された前面パネル11は、背面板10に着脱可能に取り付けられる。前面パネル11の開口の上部を覆う前カバー12が前面パネル11に開閉可能かつ着脱可能に取り付けられる。前カバー12が開いたとき、フィルタ7が露出し、フィルタ7を着脱することができる。
前面パネル11の開口の下部に、ドレンパンユニット13が設けられる。ドレンパンユニット13は背面板10に取り付けられる。ドレンパンユニット13は、ドレンパン14を有し、ドレンパン14は室内熱交換器5の下方に配置される。ドレンパンユニッ13トは、空気通路4の一部を形成し、ドレンパンユニット13の前面の開口が吹出口3とされる。
ドレンパンユニット13に、吹出口3を開閉する導風パネル15が開閉可能に設けられるとともに、風向板16も設けられる。導風パネル15は、上軸17あるいは下軸18周りに回動して、吹出口3を開閉する。導風パネル15は、正逆回転可能な開閉モータの動作により回動する。導風パネル15が下軸18周りに回動すると、導風パネル15は上開きとなる。導風パネル15が上軸17周りに回動すると、導風パネル15は下開きとなる。導風パネル15の開き角度は、任意に可変できる。
ドレンパン14の下側に、イオン発生器19が空気通路4に臨むように設けられる。イオン発生器19は、放電により正イオンおよび負イオンを発生する。空気通路4に向かって放出されたイオンは、室内ファン6の送風により吹出口3から室内に吹き出される。
室内熱交換器5の前方に、フィルタ7を清掃するフィルタ清掃装置20が設けられる。フィルタ清掃装置20は、フィルタ7を移動させながらフィルタ7に付着した塵埃を除去するものである。フィルタ清掃装置20は、フィルタ7を掃除する回転ブラシ21と、フィルタ7を移動させるフィルタ移動部22とを有する。
回転ブラシ21は、清掃モータにより回転駆動され、移動するフィルタ7から塵埃を掻き取る。除去された塵埃はダストボックス23に収容される。フィルタ7は、通常は吸込口2に面する装着位置にあり、フィルタ掃除のときには、反転して清掃位置まで移動する。キャビネット1内に、装着位置と清掃位置との間でフィルタ7の移動をガイドするフィルタガイド24が設けられる。フィルタ移動部22は、フィルタ7に形成されたラックに噛み合うピニオン25と、ピニオン25を回転駆動する正逆回転可能な移動モータとを有する。ピニオン25の回転により、フィルタ7はフィルタガイド24に沿って回転ブラシ21に接触するように往復移動する。フィルタ掃除のとき、フィルタ7は、装着位置から清掃位置まで反転するように移動し、清掃位置から装着位置まで戻る。
空気調和機の図示しない室外機は、室内機と配管および配線により接続される。室外機は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、膨張弁、室外ファンを備える。圧縮機、四方弁、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器5により冷凍サイクル30が形成される。
そして、図3に示すように、空気調和機は、冷凍サイクル30を制御して、冷房運転、暖房運転、除湿運転などの空調運転を行う制御装置31を備えている。空気調和機は、室温を検出する室温検出器32、外気温を検出する外気温検出器33、室内の湿度を検出する湿度検出器34、室内の人の有無を検出する人感検知器35を備えている。温度を検出する検出器32、33は、サーミスタなどの温度センサを用いている。人感検知器35は、赤外線センサ、カメラなどを用いている。
空気調和機は、制御装置31と通信可能なリモコン36等の操作機器を有する。制御装置31は、通信部37を通じて操作機器と通信を行う。リモコン36と通信部37とは、赤外線による無線通信を行う。なお、操作機器は、スマートホン、タブレット、PCなどであってもよく、通信部37は、操作機器と無線LANなどの無線通信、あるいはLANケーブル、電力線などの通信回線を利用した通信を行う。
例えば、ユーザが、リモコン36を操作して、空気調和機に各種の指示を行うと、制御装置31は、リモコン36からの指示にしたがって所定の運転モードを実行するように冷凍サイクル30を制御する。すなわち、ユーザは、リモコン36を操作して、設定温度および暖房、冷房、除湿などの運転モードを選択する。制御装置31は、選択された運転モードにおいて、設定温度と検出された室温、外気温とに基づいて圧縮機の運転周波数を決め、圧縮機の運転周波数に応じて室内ファン6の回転数を決定する。そして、圧縮機、膨張弁および室内外のファンがそれぞれ駆動される。また、導風パネル15が運転モードに応じて開かれる。冷房運転あるいは除湿運転のとき、導風パネル15は上開きされる。暖房運転のとき、導風パネル15は下開きされる。さらに、空調運転が行われているとき、イオン発生器19も駆動され、イオンが室内に放出されて、空気の汚れの浄化、脱臭、静電気の除去を行うことができる。
空気調和機が長期間使用されると、室内熱交換器5、室内ファン6、空気通路4などに埃や露が付着して、キャビネット1内が汚れる。そこで、空気調和機は、導風パネル15を開閉し、室内ファン6を正逆回転させて、キャビネット1内を掃除する内部清掃運転を行う。内部清掃運転の開始タイミングは、空調運転の停止後に設定されている。空調運転が停止されると、すぐに内部清掃運転が開始される。
制御装置31は、内部清掃運転実行時に、キャビネット1内を乾燥させる乾燥運転、キャビネット1内の除菌や静電気除去のための除菌運転、キャビネット1内に残った埃を回収する埃回収運転を順次行う。
乾燥運転では、吹出口3が開き、室内ファン6が正回転され、送風により内部の湿気を除去する。除菌運転では、吹出口3が閉じられ、イオンを発生させながら室内ファン6が逆回転され、キャビネット1内にイオンを行き渡らせる。埃回収運転では、吹出口3が少し開き、室内ファン6が正回転され、吹出口3から吹き出した空気を吸込口2から吸い込むショートサーキットを発生させて、キャビネット1内に漂う埃をフィルタ7に回収する。
空気調和機における内部清掃運転時の一連の動作を図4に示す。冷房運転が行われているとき、ユーザが運転を停止させるためにリモコン36を操作する。リモコン36からの指示を受けた制御装置31は、冷房運転を停止する。このとき、圧縮機、室内ファン6および室外ファンが停止される。制御装置31は、冷房運転の停止後、自動的に内部清掃運転を開始する。このとき、キャビネット1に設けられた表示部が清掃中であることを報知する。例えば、清掃中を表示するための表示ランプが点灯する。また、内部清掃運転中、イオン発生器19は動作し続けている。
まず、乾燥運転が開始される。制御装置31は、導風パネル15を開き、室内ファン6を正回転させる。図5に示すように、導風パネル15は上開きする。なお、冷房運転が停止したとき、導風パネル15が上開きしているので、導風パネル15はそのままの状態が維持される。また、導風パネル15の開き角度は、任意の角度であるが、例えば最大にされる。
室内ファン6の駆動により、吸込口2から吸い込まれた空気は空気通路4を通って吹出口3から吹き出される。この間に、風が室内熱交換器5や室内ファン6を通り抜け、室内熱交換器5、室内ファン6および空気通路4の壁面の湿気が取り去られ、キャビネット1内が乾燥される。ここで、乾燥運転中は、送風だけであるが、圧縮機を動作させて暖房運転を行ってもよい。温風によって、キャビネット内の乾燥が促進される。
乾燥運転が所定時間行われると、次に除菌運転が開始される。図6に示すように、制御装置31は、少しだけ上開きになるように導風パネル15を動作させる。この後、制御装置31は、イオンを発生させながら室内ファン6を逆回転させる。キャビネット1の前方の空気は、少し開かれた吹出口3から吸い込まれて、空気通路4を通常の送風方向とは逆向きに流れ、吸込口2から室内に吹き出される。そして、吸込口2から出た空気は、吹出口3に吸い寄せられ、キャビネット1の前面に沿って流れ、吹出口3に吸い込まれる。このように、逆向きのショートサーキットが発生する。イオン発生器19から発生したイオンは、室内ファン6から室内熱交換器5を経て吸込口2に向い、吸込口2から吹き出されて吹出口3から空気通路4に流れ込む。これにより、イオンは、導風パネル15の裏面や吹出口3近傍の壁面にも付着し、イオンがキャビネット1内に行き渡る。イオンにより、キャビネット1内の除菌、脱臭、静電気の除去が行われ、キャビネット1の内部清浄が行われる。
キャビネット1の内部清浄のための除菌運転が所定時間行われると、引き続いてキャビネット1内の乾燥を目的とした除菌運転が行われる。図2に示すように、制御装置31は、吹出口3を閉じるように導風パネル15を動作させた後、イオンを発生させながら室内ファン6を逆回転させる。イオンは菌に作用した後、水分子となって、キャビネット1内に残る。キャビネット1内の水分子がイオンの周りに寄り集まり、各イオンはクラスターイオンになる。イオン発生器19から発生したイオンが吹出口3の近くから吸込口2に向かうにつれて、水分子を含んだクラスターイオンが生成され、吸込口2からクラスターイオンが室内に放出される。吹出口3は塞がれているので、室内の水分子はキャビネット1内に侵入せず、キャビネット1内の水分子が減っていく。このようにして、室内熱交換器5、室内ファン6、空気通路4の壁面から湿気が取られ、キャビネット1内の乾燥が行われる。
乾燥のための除菌運転が所定時間行われると、次に埃回収運転が行われる。除菌運転において、室内ファン6が逆回転される。このとき、室内熱交換器5、室内ファン6、空気通路4の壁面などに付着していた埃が舞い上がり、キャビネット1内を漂う。図6に示すように、制御装置31は、少しだけ上開きになるように導風パネル15を動作させる。この後、制御装置31は、室内ファン6を正回転させる。吹出口3から吸込口2に向かって空気が流れるショートサーキットが発生する。キャビネット1内の埃は、吹出口3から吸込口2に向かって運ばれ、吸込口2から吸い込まれてフィルタ7に捕集される。このとき、イオンが発生していると、吹出口3から出て吸込口2に吸い込まれたイオンは、フィルタ7の静電気を除去する。埃がフィルタ7から剥がれやすくなる。所定時間の埃回収運転が行われると、制御装置31は、導風パネル15を閉じるように動作させ、室内ファン6を停止させて、内部清掃運転を停止する。
内部清掃運転が行われた後、キャビネット1内の埃は除去されている。冷房運転などの空調運転が行われても、室内機から埃が室内に吹き出されることはなく、室内をきれいに保つことができる。
(第2実施形態)
本実施形態の空気調和機では、内部清掃運転の後にフィルタ掃除が行われる。制御装置31は、埃回収運転の後、フィルタ清掃装置20を動作させて、フィルタ掃除運転を行う。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
埃回収運転が終了すると、フィルタ清掃運転が開始される。制御装置31は、フィルタ移動部22の移動モータを動作させるとともに、清掃モータを動作させる。フィルタ7は、装着位置から移動し始める。回転する回転ブラシ21により、フィルタ7の表面に付着した塵埃が取り除かれる。フィルタ7が装着位置に戻ると、制御装置31は、各モータを停止させて、フィルタ清掃運転を停止する。この後、空調運転が開始されるとき、フィルタ7には埃が付着していないので、風がフィルタを通り抜けやすくなり、送風効率が上がる。
(第3実施形態)
内部清掃運転の開始タイミングは、任意に設定可能とされる。例えば、内部清掃運転の開始は空調運転の開始前とされる。空調運転の停止後には、内部清掃運転は行われない。その他の構成は、第1あるいは第2実施形態と同じである。
ユーザがリモコン36で運転開始の操作したとき、あるいはタイマによる運転開始の設定時間になったとき、制御装置31は、内部清掃運転を開始する。乾燥運転、除菌運転および埃回収運転が順次行われる。埃回収運転が終了すると、指示された空調運転が開始される。なお、埃回収運転の後、フィルタ掃除運転を行うようにしてもよい。このように運転開始前に内部清掃運転を行うことにより、キャビネット1内がきれいになり、空調運転の開始時に埃や水滴などが放出されない。特に、空気調和機が長期間使用されていないときに、空調運転の開始前に内部清掃運転を行うと、かび菌などの放出をなくすことができ、内部清掃運転の効果を大いに発揮できる。
ここで、最後の空調運転に応じて乾燥運転を省略してもよい。最後の空調運転が暖房運転のとき、キャビネット1内には湿気が残っていない。そこで、制御装置31は、最後の空調運転が暖房運転のとき、乾燥運転を省略した内部清掃運転を行う。これにより、空調運転を早く開始することができる。最後の空調運転が冷房運転あるいは除湿運転のとき、制御装置31は、通常の内部清掃運転を行う。また、暖房運転を開始する前に内部清掃運転を行うとき、圧縮機を同時に動作させてもよい。内部清掃運転中に温風が発生するので、乾燥運転を行わなくても、キャビネット1内を乾燥できる。
(第4実施形態)
内部清掃運転の除菌運転において、室内ファン6を逆回転させるとき、吹出口3が導風パネル15により塞がれていても、吹出口3の隙間から室内の空気が吸い込まれる。このとき、埃もキャビネット1内に流れ込み、埃がキャビネット1内に溜まる。除菌運転の後に埃回収運転が行われるが、室内ファン6の逆回転時の風の流れは正回転時の風の流れと異なるため、埃がキャビネット1内に広く散らばってしまうおそれがある。そこで、除菌運転時に室内ファン6を逆回転させるとき、吹出口3をフィルタ7により塞ぐようにする。その他の構成は、第1〜第3実施形態と同じである。
図7に示すように、吸込口2に設けられたフィルタ7が、吸込口2から吹出口3まで移動して、吹出口3を塞ぐ。吸込口2にあるフィルタ7を吹出口まで案内するフィルタ移動ガイド部40が設けられ、図8に示すように、制御装置31は、除菌運転時にフィルタ移動ガイド部40を動作させて、フィルタ7を装着位置から吹出口3を塞ぐ閉塞位置まで移動させる。
キャビネット1内に、フィルタガイド24の分岐口41から閉塞位置までフィルタ7の移動をガイドするガイドレール42が設けられる。閉塞位置は、導風パネル15と風向板16との間に位置する。分岐口41は、回転ブラシ21よりも室内熱交換器5寄りに位置する。ガイドレール42は、分岐口41からダストボックス23とドレンパン14との間を通り、フィルタ7が吹出口3の上壁から下壁に到達するように吹出口3の側壁に形成される。なお、吹出口3の上壁には、フィルタ7が通る開口が形成され、この開口を閉じるシャッタが設けられる。シャッタはばねの力により開口を自動的に閉じる。通常、開口は閉じられており、フィルタ7が閉塞位置に向かって移動するとき、シャッタはフィルタ7により押し開けられる。
分岐口41に、フィルタ7の進路を切り替える切替ガイド43が設けられる。切替ガイド43は、軸周りに回動し、ガイドレール42を塞ぐ通常姿勢とフィルタガイド24を塞ぐ逆姿勢に切り替えられる。切替ガイド43が通常姿勢のとき、フィルタ7は切替ガイド43にガイドされながらフィルタガイド24に沿って清掃位置まで移動する。切替ガイド43が逆姿勢のとき、フィルタ7は、切替ガイド43にガイドされて、フィルタガイド24から外れてガイドレール42に導かれる。この切替ガイド43および切替ガイド43を回動させるモータとフィルタ移動部22とにより、フィルタ移動ガイド部40が構成される。
乾燥運転が開始されたとき、フィルタ7は装着位置にある。乾燥運転が終了すると、制御装置31は、切替ガイド43を動作させてから移動モータを動作させる。切替ガイド43は通常姿勢から逆姿勢に切り替わり、ピニオン25の回転により、フィルタ7は装着位置から閉塞位置に向かって移動する。分岐口41において、フィルタ7は切替ガイド43にガイドされてガイドレール42に沿って移動する。フィルタ7が閉塞位置まで移動すると、制御装置31は、除菌運転を開始する。室内ファン6の逆回転により、吹出口3から侵入してきた埃は、フィルタ7に捕集される。ここで、閉塞位置において埃が付着するフィルタ7の表面は、装着位置において埃が付着する表面と同じ面である。除菌運転が終了すると、切替ガイド43は逆姿勢から通常姿勢に切り替えられ、フィルタ7は閉塞位置から装着位置に戻される。
このように、室内ファン6が逆回転される除菌運転時に、吹出口3がフィルタ7によって塞がれるので、吹出口3から室内の空気が吸い込まれても、キャビネット1内に埃が入らないようにできる。したがって、キャビネット1内に存在する埃を低減でき、内部清掃によりキャビネット1内を清潔に保つことができる。
また、除菌運転が終了したとき、フィルタ7は閉塞位置から装着位置に戻される。このとき、フィルタ7の掃除を行ってもよい。制御装置31は、除菌運転の終了後にフィルタ7を装着位置まで移動させるときにフィルタ清掃装置20を動作させる。フィルタ7が装着位置に戻ったとき、フィルタ7は掃除されて、埃が付着していない。除菌運転後に室内ファン6が正回転されたとき、フィルタ7は目詰まりしていないので、風がスムーズにフィルタ7を通り抜け、送風効率がよくなる。
(第5実施形態)
室内ファン6の逆回転時に吹出口3を塞ぐフィルタとして、第2のフィルタ50が用いられる。図9に示すように、吹出口3に対して出没可能なフィルタ50がキャビネット1内に設けられる。除菌運転時に、フィルタ50は吹出口3を塞ぎ、通常時にはフィルタ50は空気通路4の外側に収納されている。その他の構成は、第1〜第3実施形態と同じである。
第2のフィルタ50は、吸込口2用のフィルタ7とは異なり、折り畳み可能あるいは巻き取り可能とされる。吹出口3の下壁の下方の空間に、フィルタ50の収納室51が設けられ、フィルタ50は折り畳まれた状態あるいは巻き取られた状態で収納される。このフィルタ50を引き出したり戻したりする移動補助部材52が設けられ、移動補助部材52は、フィルタ50の前端の左右両側に取り付けられる。移動補助部材52は、吹出口3の側壁の外側に設けられ、伸縮可能なロッドあるいはアームとされ、モータあるいはシリンダによって伸縮される。なお、移動補助部材52は、フィルタを掴むスライド可能なチャックであってもよい。モータの駆動によりチャックが前後進すると、フィルタ50が引き出されたり戻されたりする。
制御装置31は、室内ファン6を逆回転させて除菌運転を行うとき、移動補助部材52を動作させる。移動補助部材52が伸びる、あるいは前進すると、フィルタ50が引き出されて、吹出口3がフィルタ50により塞がれる。移動補助部材52が縮む、あるいは後退すると、フィルタ50は引っ込んで収納され、吹出口3が開放される。このように、フィルタ50をすぐに出し入れできるので、内部清掃運転時間を短縮できる。
以上の通り、本発明の空気調和機は、吸込口2および吹出口3を有するキャビネット1に、熱交換器5とファン6とイオンを発生するイオン発生器19とが内装され、吸込口2に、フィルタ7が設けられ、吹出口3に、送風の吹き出し方向を変える導風パネル15が開閉可能に設けられ、ファン6の回転および導風パネル15の開閉を制御して、キャビネット1内を掃除する内部清掃運転を行う制御装置31を備えたものである。制御装置31は、内部清掃運転実行時に、吹出口3を閉じて、イオンを発生させながらファン6を動作させて、キャビネット1内にイオンを行き渡らせる除菌運転を行った後、ファン6を動作させて、キャビネット1内に漂う埃をフィルタ7に回収する埃回収運転を行う。
除菌運転の後にキャビネット1内に残っている埃をフィルタ7に回収することにより、内部清掃運転後に空調運転が行われても、埃が吹き出さない。
イオン発生器19は、ファン6よりも吹出口3に近い位置に配され、除菌運転のとき、正逆回転可能なファン6は逆回転され、埃回収運転のとき、吹出口3が開かれてファン6が正回転され、吹出口3から吹き出した空気を吸込口2から吸い込むショートサーキットを発生させることにより、埃を回収する。これにより、内部清掃運転において埃が室内に散らされることがなく、埃をフィルタ7に回収することができる。
フィルタ7を清掃するフィルタ清掃装置20が設けられ、制御装置31は、埃回収運転の後、フィルタ清掃装置20を動作させて、フィルタ掃除運転を行う。これにより、フィルタ7の目詰まりがなくなるので、空調運転時には風通しがよくなり、送風効率が高まる。
空気調和機は、除菌運転のときに吹出口3を塞ぐフィルタを備えている。ファン6の逆回転により、吹出口3から室内の空気が吸い込まれるが、このとき埃が捕集され、キャビネット1内への埃の侵入を防げる。
吸込口2にあるフィルタ7が吹出口3まで移動され、フィルタ7が吸込口2にあるときに吸込口2に対向するフィルタ7の表面とフィルタ7が吹出口3にあるときに吹出口3に対向するフィルタの表面が同じ面とされる。これにより、外部に面するフィルタ7の表面に常に埃が付着し、内部に面するフィルタ7の裏面には埃が付着しない。ファン6が逆回転されても、埃が飛散することを防止できる。
吸込口2にあるフィルタ7を吹出口3まで案内する移動ガイド部40が設けられ、制御装置31は、除菌運転時に移動ガイド部40を動作させて、フィルタ7を吸込口2から吹出口3まで移動させる。これにより、1つのフィルタ7で2つの役目を果たせる。
フィルタ7が移動するとき、制御装置31は、フィルタ清掃装置20を動作させて、フィルタ掃除運転を行う。これにより、頻繁にフィルタ7を掃除することができ、きれいな状態のフィルタ7を使用でき、送風効率がよくなる。
制御装置31は、空調運転の開始前あるいは停止後に内部清掃運転を行う。これにより、空調運転が行われるときには、キャビネット1内の埃が取り除かれているので、室内への埃の飛散を防止できる。
制御装置31は、内部清掃運転実行時に、吹出口3を開いてファン6を動作させる乾燥運転を行った後、除菌運転および埃回収運転を行う。乾燥運転が先に行われることにより、キャビネット1内に付着している埃が剥がれやすくなり、効率よくキャビネット1内の埃を取り除くことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。イオン発生器19が室内ファン6よりも吸込口2に近い位置に配置されているとき、除菌運転時に室内ファン6は正回転される。
フィルタガイド24は、上記の実施形態のようなフィルタ7を反転させるような形態ではなく、フィルタ7が直接吹出口3に向かうような形態に形成してもよい。フィルタ7が掃除されるとき、フィルタ7は吹出口3まで移動して戻る。そして、除菌運転時には、フィルタ7は吹出口3まで移動して、吹出口3を塞ぐ。
第2のフィルタ50は、着脱可能なフィルタであってもよい。除菌運転が行われる前に導風パネル15が開き、吹出口3が開放される。このとき、ユーザがフィルタ50を吹出口3の壁面に取り付ける。ユーザが再スタートの操作をすると、除菌運転が開始される。除菌運転が終了すると、導風パネル15が開き、ユーザはフィルタ50を取り外す。この後、埃回収運転が行われる。これにより、フィルタを移動させる機構が不要となり、低コストでキャビネット1内をきれいにできる。
1 キャビネット
2 吸込口
3 吹出口
4 空気通路
5 室内熱交換器
6 室内ファン
7 フィルタ
15 導風パネル
19 イオン発生器
20 フィルタ清掃装置
21 回転ブラシ
22 フィルタ移動部
24 フィルタガイド
31 制御装置
40 移動ガイド部
42 ガイドレール
43 切替ガイド
50 第2のフィルタ

Claims (5)

  1. 吸込口および吹出口を有するキャビネットに、熱交換器とファンとイオンを発生するイオン発生器とが内装され、吸込口に、フィルタが設けられ、吹出口に、送風の吹き出し方向を変える導風パネルが開閉可能に設けられ、ファンの回転および導風パネルの開閉を制御して、キャビネット内を掃除する内部清掃運転を行う制御装置を備えた空気調和機であって、制御装置は、内部清掃運転実行時に、吹出口を閉じて、イオンを発生させながらファンを動作させて、キャビネット内にイオンを行き渡らせる除菌運転を行った後、ファンを動作させて、キャビネット内に漂う埃をフィルタに回収する埃回収運転を行うことを特徴とする空気調和機。
  2. イオン発生器は、ファンよりも吹出口に近い位置に配され、除菌運転のとき、正逆回転可能なファンは逆回転され、埃回収運転のとき、吹出口が開かれてファンが正回転され、吹出口から吹き出した空気を吸込口から吸い込むショートサーキットを発生させることにより、埃を回収することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. フィルタを清掃するフィルタ清掃装置が設けられ、制御装置は、埃回収運転の後、フィルタ清掃装置を動作させて、フィルタ掃除運転を行うことを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機。
  4. 除菌運転のときに吹出口を塞ぐフィルタを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
  5. 吸込口にあるフィルタが吹出口まで移動され、フィルタが吸込口にあるときに吸込口に対向するフィルタの表面とフィルタが吹出口にあるときに吹出口に対向するフィルタの表面が同じ面とされたことを特徴とする請求項4記載の空気調和機。
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