JP2016104055A - 注射針穿刺部の止血用パッドおよびその圧迫圧測定装置 - Google Patents

注射針穿刺部の止血用パッドおよびその圧迫圧測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 皮膚方向への圧迫効果をさらに速く強く発現する注射針穿刺部の止血用パッドおよびその圧迫圧を測定する装置を提供する。
【解決手段】通水性基材で形成され、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルが封入された袋からなり、血液を吸収膨潤して圧迫する効果を利用して注射針穿刺部を止血する注射針穿刺部の止血用パッドであって、該水系ゲルにおける水の含有量は、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力の70%以下であり、且つ圧迫圧測定法における該止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%以上である注射針穿刺部の止血用パッドである。
【選択図】 図2

Description

本発明は注射針穿刺部の止血用パッドおよびその圧迫圧測定装置に関する。
採血、点滴、輸血、人工透析時などにおいては、皮膚表面から血管に注射針、カテーテル、医療用チューブなどを穿刺して行うが、これらの注射針などを抜いた後には血管の穿刺部から出血するため、血液の凝固作用によって閉じられるまで当該穿刺部に脱脂綿やガーゼなどを当てて指で強く圧迫し、さらに粘着テープ、伸縮バンドなどで押圧して止血している。特に人工透析においては繰り返し穿刺が行われると同時に動脈などにも注射されるため、注射針などを抜いた際には大量の出血があり止血に時間がかかる場合が生じている。このような動脈の場合には、穿刺部にガ−ゼを置き、その上から止血圧迫綿などの枕状のパッドを当てて縛りつけ、動脈管を強く圧迫して止血している。しかし、こうした止血処置は面倒で、効率的でないところから、効率的で確実な止血を行なうことが出来る止血用パッドが望まれてきた。そして、このような注射針などを抜いた直後に穿刺孔に貼り付けて使用する種々の止血用貼付材が開発されている。
このような止血用貼付材として、たとえばパッドの大きさや厚さを特定して血管穿刺孔と皮膚表面穿刺孔を押圧したり、さらには圧迫効果を高める層、圧迫効果を有し且つ血液を吸収する層および血液を早く吸収する層を順に積層したパッドを備えた止血用貼付材が提案されている(たとえば、引用文献1)。
また、血管への圧迫効果を奏するものとして吸水性樹脂が用いられる場合があるが、このようなものとして、たとえば吸水性樹脂と粘着性のあるフィルムと滅菌ガーゼを組み合わせた救急ばんそうこうが提案されている(たとえば、引用文献2)。
特開平5−245173号公報、 特開平8−659号公報
しかしながら、前者の止血用貼付材において、パッドの表面が平坦であるため、注射針などを抜いた後の血管の穿刺部を圧迫するための押圧力が分散し、止血効果が充分でない場合がある。またパッドを複数の層で形成した場合には、パッド構造が複雑で、製造工程が煩雑となり、コスト高になるという問題がある。
後者の救急ばんそうこうにおいては、吸水性樹脂が血液を吸収して膨潤して皮膚を圧迫するが、血液の吸収速度が遅く、また圧迫する力が横方向に分散し圧迫効果が十分でなく、したがって、止血に時間がかかり、止血効果も不十分であった。
本発明の目的は、皮膚方向への圧迫効果をさらに速く強く発現する注射針穿刺部の止血用パッドおよびその圧迫圧を測定する装置を提供することである。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究の結果、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルであって、特定の膨潤圧を有する水系ゲルを通水性基材で形成された袋に入れたパッドを皮膚に当てることにより達成できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は通水性基材で形成され、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルが封入された袋からなり、血液を吸収膨潤して圧迫する効果を利用して注射針穿刺部を止血する注射針穿刺部の止血用パッドであって、
該水系ゲルにおける水の含有量は、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力の70%以下であり、下記圧迫圧測定法における該止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%以上である注射針穿刺部の止血用パッドである。
圧迫圧測定法;人工血液2ccが入った注射器を下向けにして、人工血液が注射器から出ないように注射器の内筒のフランジをストッパーで支えたまま、注射器の内筒のフランジの上に105〜302gの荷重を置く。注射器の下であって注射器先端と止血用パッドを接触させて置き、その後止血用パッドを押し上げて350gの初期負荷をかけ、ストッパーを外すと注射器の先端から人工血液が出るので、ストッパーを外してから10分後の止血用パッドにかかる負荷を測定する。ここで注射器は注射針をはずしたものを使用する
さらに本発明は、前記水膨潤性吸水性樹脂の水可溶性成分が5重量%以下であることを特徴とする。
また本発明は、上記の止血用パッドおよび該止血用パッドを上から固定するテープからなる止血用貼付材である。
また本発明は、上記の止血用パッドの前記圧迫圧測定法に用いる装置であって、
人工血液が入った注射器の注入口を下にして注射器の外筒を固定する手段、
該外筒が固定された注射器の内筒のフランジが下に下るのを止める手段、
注射器の下に置かれた止血用パッドを上げ下げする手段、および
止血用パッドにかかる負荷を測定する手段
を備えることを特徴とする圧迫圧測定装置である。
本発明によれば、本発明の注射針穿刺部の止血用パッドは、通水性基材で形成され、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルが封入された袋であって、該水系ゲルにおける水の含有量は、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力の70%以下であり、上記圧迫圧測定法における止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%以上である止血用パッドを用いるので、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルは血液を吸収して膨潤し、袋の外に向かって膨張し皮膚を圧迫する。さらに高い負荷を維持することができるため注射針穿刺部を押さえても強い圧迫を維持でき、速く止血することができる。
すなわち、予め水により膨潤させた水系ゲルであるが、水系ゲルにおける含水量は、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の水の吸収能力の70%以下であるので、吸水膨潤する余力を残す。また、後述するように粉末の吸水性樹脂に比較して血液を吸収膨潤する速度が速く、そのため注射針穿刺部への圧迫効果が増大する。水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルは均一なゲルではなく、ゲル粒子の集合体であるゲルである。このゲル粒子は血液を吸収膨潤してさらに大きくなり、ゲル粒子間の間隔がより速く狭まり血液が速く通りにくくなり、比較的速い時間に血液が入らなくなるという目詰まり効果を奏する。
上記のことから圧迫圧測定法における止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%以上であることが可能となる。従来の止血用パッドのように、血液を吸収する間は止血用パッドの負荷が下りつづけ圧迫しても負荷を維持することができず止血することはできない。しかしながら、本発明の止血用パッドは、血液を速く吸収して膨潤し、さらに目詰り効果により吸収が抑えられ、高い負荷を維持することができる。その結果、本発明の止血用パッドは血液を吸収しても注射針穿刺部を高い圧迫圧で押さえることができ従来の止血材よりも速く止血できる。
さらに本発明によれば、前記水膨潤性吸水性樹脂中の水可溶性成分が5重量%以下であるので、水系ゲルの表面から水可溶性成分の漏出が少なく皮膚に対して安全であり、表面のヌメリ感がなく取り扱いやすい。
本発明によれば、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルおよび該ゲルを上から固定するテープからなる注射針穿刺部の止血用パッドは、水系ゲルの血液を吸収膨潤する速度が速く急速に注射針穿刺部への圧迫効果が生じ、血液の吸収と共に隣接するゲル粒子間の隙間が小さくなり、血液が段々と通りにくくなり、上からテープで固定されても高い負荷である圧迫圧を維持することができ、注射針穿刺部の止血を効果的に行うことができる。小さな注射針穿刺孔の場合は勿論のこと大きな穿刺孔が出来た場合にもこれによって確実に止血することができ、血管も静脈だけでなく、動脈の場合にも効果的に使用することができる。
また使用に際しての操作も容易であるし、構造も簡素で経済的に製造することができる。
本発明の圧迫圧測定装置によって測定され、止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%以上である止血用パッドは、優れた止血効果を奏する。また、本発明の圧迫圧測定装置は、手軽に作製でき、簡単に測定できる。
本発明における一実施態様の止血用パッドの圧迫圧測定装置の側面図である。 (a)は、本発明の止血用パッドの一つの実施態様である斜視図であり、(b)は、(a)におけるX−Y軸を含み紙面に垂直な面で切断した断面図である。 本発明の止血用パッドにテープを取り付けた一実施態様の止血用貼付材を腕に取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の止血用パッドおよび比較の止血用パッドについて、図1に示した圧迫圧測定装置で測定を行った結果を示すグラフである。 図1に示した圧迫圧測定装置で圧迫効果の評価を行った結果を示す平面図である。(I)は本発明の止血用パッドであり、(II)は比較の止血用圧迫綿である。(a)は注射器側から見た平面図であり、(b)はその反対のデジタル天秤側から見た平面図である。
以下、本発明の実施の形態につき、説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明の注射針穿刺部の止血用パッドは、通水性基材で形成され、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルが封入された袋からなり、血液を吸収膨潤して圧迫する効果を利用して注射針穿刺部を止血する。本発明の止血用パッドは、水系ゲルにおける水の含有量は、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力の70%以下であり、下記圧迫圧測定法における止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%以上である。
圧迫圧測定法;
人工血液2ccが入った注射器を下向けにして、人工血液が注射器から出ないように注射器の内筒のフランジをストッパーで支えたまま、注射器の内筒のフランジの上に105〜302gの荷重を置く。注射器の下であって注射器先端と止血用パッドを接触させて置き、その後止血用パッドを押し上げて350gの初期負荷をかけ、ストッパーを外すと注射器の先端から人工血液が出るので、ストッパーを外してから10分後の止血用パッドにかかる負荷を測定する。ここで注射器は注射針をはずしたものを使用する。
水系ゲルにおける水の含有量が、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力の70%を超えると血液の吸収速度が小さくなり膨潤しにくくなる。好ましくは60%以下であり、特に好ましくは50%以下である。また、水膨潤性吸水性樹脂の吸水倍率の2%以上が好ましく、4%以上がより好ましい。2%以上であると水系ゲルになり血液の吸収速度が速く膨潤しやすいし、上記の圧迫圧測定法における10分後の負荷が大きい。ここで水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力とは、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の量とその吸水倍率の積のことを意味するものとする。
止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%未満であると注射針穿刺部を強く圧迫することが難しく、止血までに要する時間が長くなり、また大量に出血する場合には適用しにくい。
水膨潤性吸水性樹脂は、止血用パッドの中が水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力の70%以下である水系ゲルであると、粉末の場合に比較してゲルが血液を速く吸収して膨潤する。吸水性樹脂の吸水と膨潤は、吸水性樹脂の乾燥状態から吸い始めると吸水の立ち上がりはゆるやかであり、ある程度吸水してゲル状態となればさらに速く吸水膨潤するという性質を有する。また吸収能力が飽和に近付くと当然吸収速度は低下する。血液の場合も同様である。すなわち、ゲルを用いると粉末を用いる場合に比べて血液の吸収膨潤が速く生じ注射針穿刺部への速い圧迫が可能となる。
またゲル粒子の吸収膨潤が速いと血液が移動分散する前に粒子が吸収膨潤するので、その部分のみが膨潤して、部分的に膨れやすいという効果が生じる。このことがまた注射針穿刺部への圧迫効果の増大につながる。
水膨潤性吸水性樹脂は次の効果も奏する。水膨潤性吸水性樹脂の粒子の膨潤度が大きくなると、膨潤したゲル粒子と隣接する膨潤したゲル粒子の隙間がどんどん狭くなり、最後には隙間がなくなり血液が通らなくなり、いわゆる目詰まり効果が生ずる。すなわち、水膨潤性吸水性樹脂のゲルが血液を吸収すると吸収膨潤速度が速くなり急速圧迫が可能となると同時に目詰まり効果も生ずるので高い圧迫圧を維持でき相乗的に優れた止血効果を生ずることになる。
本発明における水は、水道水、イオン交換水、またはRO水などであってもよく、また生理食塩水でもよい。水膨潤性吸水性樹脂の吸水速度は、好ましくは5〜100秒であり、より好ましくは5〜50秒である。吸水速度が5秒以上であると、空気中の湿度の影響で吸水性樹脂同士のブロッキングなどが生じにくくなり、使う前に「ままこ」がないので使いやすい。吸水速度が100秒以下であると、血液の吸収速度が十分に速く膨潤して注射針穿刺部への圧迫効果を付与できる。
生理食塩水でも水と同様の効果が生じるが、血液の吸収量、吸収速度などの数値は水の場合の1/3〜1/5である。生理食塩水は血液と同程度の塩分を含んでいるから、血液の吸収に際しては生理食塩水でゲル化させたものでも使用できる。
水膨潤性吸水性樹脂の吸水速度は下記の方法で測定できる。
<水膨潤性吸水性樹脂の吸水速度の測定法>
1.100mLのガラスビーカーに水道水を50mL入れ、マグネットスターラー〔直径(中央部8mm、両端7mm)、長さ30mmのフッ素樹脂コーテイングされたもの〕を用いて600rpmで攪拌する。
2.試料2.00試験サンプルを渦中に一度に投入し、投入した時から渦が消えて液面が水平になった時点までの時間(秒)を測定し、吸水速度とする。
圧迫圧測定法は上記の方法によるが、下記の圧迫圧測定装置を用いて行うのが好ましい。
圧迫圧測定装置は、人工血液が入った注射器の注入口を下にして注射器の外筒を固定する手段、該外筒が固定された注射器の内筒のフランジが下に下るのを止める手段、注射器の下に置かれた止血用パッドを上げ下げする手段、および止血用パッドにかかる負荷を測定する手段を備えるのが好ましい。図1に、本発明の止血用パッドの一実施態様である圧迫圧測定装置の側面図を示した。以下、図1に基づいて説明する。
圧迫圧測定装置は、注射器1(針は除去しておく)(注射器内筒2、外筒3)、シャーレ4、荷重5、ストッパー6、デジタル天秤7、ジャッキ8、クランプ9、架台10から構成される。各部材との関係、部材の機能は以下のようである。
まずシャーレ4の中に止血用パッド11を入れ、その上に人工血液12の入った注射器1(針は試料に刺さるため除いておく)をクランプ9で固定し、注射器1の先端(下端)を止血用パッド11に当接し注射器1の上端である内筒2のフランジ13に荷重5をかけセットし、ストッパー6で荷重5が下がるのを一時的に留めておく。シャーレ4の下にはデジタル天秤7を置き、止血用パッド11にかかる負荷を測定できるようにする。デジタル天秤7の下にはジャッキ8を置き、ジャッキ8の上げ下げにより注射器1の先端を試料に当接させ最初に所定の負荷に調整する。ストッパー6を外すと荷重5の重みで注射器1の内筒2が下り人工血液12が注射器1の先端から出る。止血用パッド11に吸収され、止血用パッド11にかかる負荷がデジタル天秤7によって測定される。
人工血液が入った注射器の注入口を下にして注射器の外筒を固定する手段として、図1ではクランプを用いているが、注射器の外筒を固定できれば他のものでもよい。この外筒が固定された注射器の内筒のフランジが下に下るのを止める手段として、図1ではストッパーを用いて手動で行っているが、他のものを用いて自動でおこなってもよい。注射器の下に置かれた止血用パッドを上げ下げする手段として、図1ではジャッキを用いているが、止血用パッドを上げ下げできれば限定はない。止血用パッドにかかる負荷を測定する手段として、図1ではデジタル天秤を用いて読み取っているが、センサーを用いて自動で行ってもよい。
荷重は105〜302gの間で用いることができる。荷重105gは血圧約70mmHgに、荷重302gは血圧約200mmHgに、荷重240g(後記する試験例で採用)は血圧約160mmHgに相当する。通常の人なら血圧は70〜200mmHgの範囲にあり、荷重をこの範囲内に設定するのがよい。荷重から血圧に換算するのは以下の方法でできる。たとえば、荷重240gの場合は、注射器内筒の断面積=1.12cm、240g/1.12cm=214.2g/cm、760mmHg×214.2/1013=約160mmHg
初期負荷については、300g〜700gでは止血用パッドにかかる測定開始後10分の負荷は初期負荷に対して一定の値を示すが、350gに決めて行った。
上記のことから、荷重105〜302g、初期負荷350gの条件で圧迫圧測定法を行うのが適当である。
本発明における血液を吸収して膨潤する水系ゲルを形成する水膨潤性吸水性樹脂としては、天然系でも合成系でも特に限定はないが、安価で、安全性、耐久性、血液吸収倍率や吸収速度などの吸収特性に優れ、かつ、腐敗の心配の無いものが好ましい。
このようなものとして特に合成系の吸水性樹脂が挙げられ、血液を吸収して膨潤するものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、変性ポリエチレンオキサイド架橋体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合架橋体、(メタ)アクリロイルアルカンスルホン酸塩共重合架橋体、架橋カルボキシメチルセルロース塩、カチオン性モノマーの架橋重合体などが挙げられる。これらのうち、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、および、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物が、吸収膨潤特性、血液保持性、安全性や経済性などが特に良好であるため好ましい。
上記の吸水性樹脂は、重合して得られる吸水性樹脂の含水ゲル状重合体を乾燥後、粉砕し、さらに必要により粒度調整して得られる粒子の表面近傍を、カルボキシル基などの酸基及び/又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有する架橋剤で表面架橋して表面架橋型の吸水性樹脂とすることもできる。
このような表面架橋型の吸水性樹脂は、常圧下だけでなく加圧下においても血液や水の吸収性能と吸収速度に優れ、かつゲル強度も大きくなるので、血液を膨潤させて圧迫する力を利用して止血する本発明の止血用パッドには好適である。
表面架橋に使用する架橋剤としては、従来から使用されている公知の架橋剤であるポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂及びアジリジン化合物などが使用できる。表面架橋における架橋剤の量も、架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能などにより種々変化させることができる。
これらの吸水性樹脂は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、不定形破砕状、球状、鱗片状、繊維状、棒状、塊状、粉末状など、種々の形状であってもよいが、血液の吸収性能を向上させるために、粉末状であることがより好ましい。
粒子の平均粒子径について特に限定はないが、好ましくは30〜850μmであり、より好ましくは60〜400μmである。30μmより大きいと通水性基材から吸水性樹脂の粉末が漏れにくくなり、850μmより小さいと水の吸収速度が良好である。粒度分布は特に限定はないが、好ましくは30〜850μmの範囲の粒子が95質量%以上になるような粒度分布である。ここで平均粒子径は質量平均粒子径を意味し、質量平均粒子径は、架橋重合体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が質量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。たとえば、通常の篩振とう法が適用できる。
本発明における水膨潤性吸水性樹脂は、常圧下25℃の水(イオン交換水)の吸収倍率が20〜1000倍であるのが好ましく、80〜600倍がより好ましい。また、生理食塩水に対する常圧下吸収倍率が40倍以上、20g/cmの加圧下吸水倍率が20倍以上であるのが好ましい。より好ましくは、常圧下吸収倍率が45〜70倍、加圧下吸収倍率が22〜50倍である。水の常圧下吸収倍率が20倍以上、または生理食塩水の常圧下吸収倍率が40倍以上で加圧下吸収倍率が20倍以上の場合、止血用パッドを押圧しても血液を吸収膨潤し圧迫効果および止血効果を奏することができる。
尚、常圧下吸収量および加圧下吸収量は下記の方法で測定される値である。
常圧下吸収量:250メッシュのナイロン製布で作成した10×20cmの大きさのティーバッグに水膨潤性吸水性樹脂1.00gを入れ、過剰の水または生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)中に30分間浸漬した後、垂直にティーバッグを吊り下げて15分間水切りし、増加質量を求める。この値を常圧下吸収量とした。
加圧下吸収量:250メッシュのナイロン製布を底面に貼った円筒形プラスチック筒(内径28mm、高さ50mm)の中に吸水性樹脂0.100gを入れて均一に広げる。この上に20g/cm2の荷重になるように外径28mmの分銅を乗せる。これをナイロン製布側を下面にして生理食塩水25mlの入ったシャーレ(直径11cm)の中央に浸漬する。30分間浸漬後の増加重量の10倍値を加圧下吸収量とした。
水膨潤性吸水性樹脂の水可溶性成分が5重量%以下であるのが好ましい。低分子の水可溶性成分、たとえば、アクリル酸のオリゴマーなどの低分子などは少ない方が好ましい。これらの水可溶性成分は、皮膚にヌメリ感を与え感触がよくない。水膨潤性吸水性樹脂中の水可溶性成分が2重量%以下であるとさらにヌメリ感を少なく感じ、1重量%以下のものが、触った時にヌメリ感がほとんどないので好ましい。水可溶性成分の測定法は、特開2005−445公報などに記載された重量測定法や、電滴法などの方法で測定できる。
本発明の止血用パッドは、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルが通水性基材で形成された袋に封入されている。袋を形成する通水性基材としては、吸水性樹脂の粉末またはゲルが漏れず柔軟性を有するものが使用でき、たとえば綿、麻、羊毛、絹、セルロース、パルプなどの天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバールなど及びその変性物などの合成樹脂又は繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維など及びこれらの混合素材が適用できる。好ましいのは吸水性のある天然繊維、およびそれらと他の繊維の混合素材である。
形態としては、たとえば、編布、織布、不織布等の布;ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な孔を数多く開けたもの等のメッシュフィルム;洋紙、和紙等の紙等が挙げられる。これらの中で不織布が特に好ましい。不織布については、「不織布の基礎と応用」(日本繊維機械学会発行)に詳細に記載されている。また、熱融着法で固定する場合は熱融着繊維及び/又はフィルム等の熱融着物質を含んだものを使用するが、「熱融着不織布の実態と熱融着繊維全容」1989年4月24日発行、(株)大阪ケミカルマーケッティングセンターに詳細に記載されているものが挙げられる。
不織布としては、工業的に使用されている不織布が使用できる。不織布の繊維素材としては、合成繊維(ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィン繊維など)、半合成繊維(アセテート、レーヨンなど)、天然繊維(綿、絹、羊毛など)、炭素繊維、およびこれらの混合品(混紡品など)などの繊維素材が適用できる。これらの中でも合成繊維からなる不織布が好ましい。
不織布の目付量は、10g/m2以上100g/m2以下が好ましい。10g/m2以上であると吸水性樹脂またはそのゲルが通過しにくく、漏れを抑制できる。100g/m2以下であると不織布が柔軟であり、止血用パッドとして血液が容易に袋を通過し、水膨潤性吸水性樹脂にすばやく吸収される。より好ましくは20g/m2以上60g/m2以下である。
通水性は100mlの25℃のイオン交換水が100cmの面積を通過する時間(秒)で表すと20秒以下であり、好ましくは10秒以下であり、特に好ましくは5秒以下である。常態強度は縦/横とも2kg/cm以上、好ましくは3kg/cm以上の引裂強度が必要であり、湿潤強度(25℃のイオン交換水に1分浸漬後の引張強度)は0.05kg/cm以上、好ましくは0.1kg/cm以上必要である。
止血用パッドの形状は、長方形、正方形、丸形、楕円形、小判形、多角形などの適宜の形状に形成することができる。楕円形、小判形、長方形等の場合には、短辺と長辺の割合が約1:4位までのものが好ましく、正方形や円形のものではこの比率が1:1になっているから、その範囲としては約1:1〜1:4程度のものにするとよい。また、長方形、正方形、多角形その他の角のある形状のものでは、その角の部分を弧状に面取りすれば、押圧したときの皮膚表面に対する刺激が少く、一層好ましいものとなる。
止血用パッドの大きさは、従来の止血用パッドと同じものが同様に使用できるのでよく、たとえば辺または径が0.5cm〜10cmのものが挙げられ、使用に応じて選択すればよい。厚さは特に限定はないが、好ましくは3〜15mmであり、より好ましくは4〜12mmである。3〜15mmであると従来の止血用圧迫綿と同様に使用できるので使いやすい。
また本発明は、上記の水膨潤性吸水性樹脂を用いて止血用パッドを製造する方法は限定はないが、たとえば、止血用パッドに所定量の水を吸収させて水膨潤性吸水性樹脂を膨潤ゲル化させた後、袋に入れてもよいが、袋に水膨潤性吸水性樹脂の粉末を入れた後、所定量の水を含ませて袋ごと膨潤させて止血用パッドを製造してもよい。後者の方法が効率的であり好ましい。
また止血用パッドは冷蔵庫などで冷やして使用することができる。止血用パッドは水系ゲルが入っているので、0〜10℃に冷やせば、保冷剤のようにして使用できるので、注射針穿刺部を冷やしながら止血できる。
図2(a)に、本発明の止血用パッドの一つの実施態様である斜視図を示した。図2(b)は、図2(a)におけるX−Y軸を含み紙面に垂直な面で切断した断面図である。止血用パッド11は三方が縫製されて閉じており、袋14には水膨潤性吸水性樹脂のゲル粒子15がぎっしりと封入されている。ゲル粒子15は膨潤して止血用パッド11の厚さは厚くなっている。
図3に、本発明の止血用パッドにテープを取り付けた一実施態様の止血用貼付材を腕に取り付けた状態を斜視図で示した。
本発明における止血用パッドは、上記のように人工透析などにおける注射針を抜くときに抜いた後の皮膚に当てその上から手で押さえてもよいが、好ましくはテープで腕に固定するのが効率面でよい。すなわち、止血用パッドおよび該止血用パッド11を上から固定するテープ16からなる注射針の止血用貼付材として用いるのが好ましい。この止血用貼付材は、テープ基材に設けた粘着剤層17によって腕18の穿刺部に貼付けることができるように、通例、基材の中央部分に定置される。この基材は、正方形、円形、楕円形、などに形成することもあるが、長片状に形成すると好ましいことが多い。
止血用貼付材を腕などに取り付ける方法は、従来からの方法が適用できる。テープは腕にバンドのように巻き回してもよいし、テープ5の片面に粘着剤層を設けて腕に当てて固定してもよい。好ましくは粘着剤層が設けられたテープである。テープの一面に形成する粘着剤層の粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系、ビニル系その他適宜の粘着剤を使用することができ、特に皮膚に対する刺激の少ないものが好ましい。また、テープ基材に伸縮性のあるものが使用されている場合には、このテープ基材を引伸ばすようにしながら皮膚に貼付けると、伸ばされたテープ基材が収縮しようとする作用によって、更に確実な圧迫を行うことができる。上記粘着剤層の上には、止血用パッドを定置する。こうして、本品を貼付けたままで一定時間が経過すると止血が完了するので、これを皮膚表面より取り除けばよく、出血によって服などを汚したりすることもない。
本発明の止血用パッドまたは止血用貼付材を、16〜18ゲ−ジ(直径1.55〜1.22mm)などの太い針を使用して採血、輸血等をし、この針を抜く前に、穿刺部の針の刺さっている方向、すなわち血管の走っている方向に、その長辺を合せるようにして止血用パッドを当て、押圧しつつ針を抜き、更に止血用パッドを押圧しながら露出している粘着剤層を、血管の走っている方向とは交叉する方向に向けて皮膚に貼付ける。
注射針穿刺部から出た血液がパッドに吸収され部分的に膨潤し血液が出る注射針を抜いた孔の周囲を圧迫する効果と目詰まり効果が相乗することによって急速に止血することができる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1(水膨潤性吸水性樹脂の製造)
容量1リットルのガラス製反応容器にアクリル酸ナトリウム76.6g、アクリル酸23g、N,N'-メチレンビスアクリルアミド0.4gおよび脱イオン水295gを仕込み、攪拌・混合しながら内容物の温度を5℃に保った。内容物に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、過酸化水素の1%水溶液1g、アスコルビン酸の0.2%水溶液1.2gおよび2,2'-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライドの2%水溶液2.4gを添加して重合を開始させ、約5時間重合することにより吸水性樹脂濃度25%の含水ゲル状重合体を得た。これを乾燥して平均粒子径400μmの吸水性樹脂粉末を得た。さらにこの粉末90gに水360gを加えて含水ゲルとし、「デナコールEX−313」(グリセロールポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製)11gを添加して混練し、140℃で4時間反応した後、この混練物を90℃で減圧乾燥し、ピンミルで粉砕した後、50〜750ミクロンの粒度が約95%となるように粒度調整して、平均粒径355μmの表面架橋型の水膨潤性吸水性樹脂を得た。この水膨潤性吸水性樹脂の吸水倍率は常圧下160g/g、水可溶性成分量1.0重量%であった。
製造例2(人工血液の製造)
食塩 1重量部、炭酸ナトリウム 0.4重量部、グリセリン 10.0重量部、CMC 0.46重量部、蒸留水 88.14重量部、赤色色素(AカラーピンクB)5滴を配合して人工血液を製造した。
実施例1(止血用パッドの作製)
目付50g/mのポリオレフィン処理されたポリエステル不織布を40mm×50mmの大きさに切り取り、二枚重ねて三方をヒートシールして開口部を有する袋を作成した。この中に上記製造例1で製造した水膨潤性吸水性樹脂の粉末1.1gを入れ、開口部をヒートシーして密封した袋を作成した。この上から水道水8.0gを加えてゲル化させ本発明の止血用パッドAを作成した。袋の最大厚みは約8mmであった。
実施例2(止血用貼付材の作製)
図3のように実施例1で作成したパッドの上に幅3cm×長さ15cmのポリエステル製テープ(片方の面にアクリル系粘着剤が塗布されている)を付けて、本発明の止血用貼付材を作成した。この止血用貼付材を図3のように取り付けた。
実施例3、4
実施例1において、水膨潤性吸水性樹脂の量1.1gに替えて、水膨潤性吸水性樹脂の量を0.5g、2.0を用いる以外は同様にして、本発明における実施例3、4の止血用パッドB、Cを得た。
(試験例1)
本発明の止血用パッドA、B,Cについて、図1に記載された圧迫圧測定装置を用いて圧迫圧の測定を行った。また、止血用パッドAについては、表1に示すように3点の荷重について測定を行った。また、比較として従来から止血用として市販されている円筒状の止血用圧迫綿(径20mm、長さ30mm)について測定を行った。
まず注射器で人工血液(後記)を2cc吸いあげ、ストッパー(アルミニウム製棒、長さ20mm)で支えたまま、注射器(ミツバ印注射筒、5ml、内筒径12mm)の上端に荷重(表1に記載)を置く。シャーレ(内径6cm)内に止血用パッドを置いた後、デジタル天秤(エー・アンド・デイ社製、「GF3000」)の目盛りを0gにした。その後ジャッキを上昇させて上記試料と注射器先端を接触させ、天秤の目盛りが350g(初期負荷)になるまでジャッキを上に上げた。調整した後ストッパーを外すと、注射器の内筒が下がり中の人工血液が押されて、人工血液が止血用パッドに吸収された。止血用パッドにかかる負荷の経時変化をデジタル天秤で読み取った。
表1に測定条件および10分後の負荷を記載した。また、図4にこれらの圧迫圧測定の経時変化を示した。縦軸は止血用パッドにかかる負荷(g)、横軸は時間(分)で示した。
Figure 2016104055
表1から、水膨潤性吸水性樹脂に吸収させる水の量は同じなので、水膨潤性吸水性樹脂の量が多いほど吸水能力に対する含水量小さくなり、10分後の負荷は大きくなる。また、当然のことではあるが、荷重が大きいほど10分後の負荷は小さくなっている。しかしながら、止血用パッドA〜Cはいずれも従来の止血用圧迫綿よりは依然として高い負荷を示している。
(試験例2)
実施例1で作成した本発明の止血用パッドAおよび比較として上記の円筒状の止血用圧迫綿に対して圧迫圧測定装置を用いて圧迫効果の評価を行った。
図5は、その結果を示す止血用パッドの平面図である。(I)は本発明の止血用パッドであり、(II)は比較の止血用圧迫綿である。(a)は注射器側から見た平面図であり、(b)はその反対のデジタル天秤側から見た平面図である。斜線部分が血液を吸収した箇所である。
図4、5から以下のことがわかる。
円筒状の止血用圧迫綿(径20mm×長さ30mm)は血液を吸収してほぼ反対側に達している。この圧迫綿にかかる負荷は、測定開始後5分後にはほぼ一定の値に近い値まで下っており、10分後には負荷が148gとなっている。血液を吸収する間は止血は生じないと推定され、負荷が小さいと注射針穿刺部を強く抑えることができず止血も遅くなることが推定される。
これに対して、本願発明の止血用パッドは注射器の先端付近が盛り上がっており、止血用パッドのゲルの厚みは約8mmと薄いけれども反対側には人工血液は達していない。すなわち、注射器先端の周辺だけで止血されており、圧迫効果は非常に優れていることがわかる。10分後の負荷は240gと高い状態であり、負荷が大きいと注射針穿刺部を強く抑えることができるので止血も早くなることが推定される。
1 注射器
2 注射器内筒
3 注射器外筒
4 シャーレ
5 荷重
6 ストッパー
7 デジタル天秤
8 ジャッキ
9 クランプ
10 架台
11 止血用パッド
12 人工血液
13 フランジ
14 袋
15 ゲル粒子
16 テープ
17 粘着剤層
18 腕
19 止血用圧迫綿
20 血液を吸収した箇所

Claims (4)

  1. 通水性基材で形成され、水膨潤性吸水性樹脂の水系ゲルが封入された袋からなり、血液を吸収膨潤して圧迫する効果を利用して注射針穿刺部を止血する注射針穿刺部の止血用パッドであって、
    該水系ゲルにおける水の含有量は、水系ゲル中に存在する水膨潤性吸水性樹脂の吸水能力の70%以下であり、且つ下記圧迫圧測定法における該止血用パッドにかかる負荷が初期負荷の50%以上である注射針穿刺部の止血用パッド。
    圧迫圧測定法;人工血液2ccが入った注射器を下向けにして、人工血液が注射器から出ないように注射器の内筒のフランジをストッパーで支えたまま、注射器の内筒のフランジの上に105〜302gの荷重を置く。注射器の下であって注射器先端と止血用パッドを接触させて置き、その後止血用パッドを押し上げて350gの初期負荷をかけ、ストッパーを外すと注射器の先端から人工血液が出るので、ストッパーを外してから10分後の止血用パッドにかかる負荷を測定する。ここで注射器は注射針をはずしたものを使用する。
  2. 前記水膨潤性吸水性樹脂の水可溶性成分が5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の注射針穿刺部の止血用パッド。
  3. 請求項1または2記載の止血用パッドおよび該止血用パッドを上から固定するテープからなる止血用貼付材。
  4. 請求項1または2記載の止血用パッドの前記圧迫圧測定法に用いる装置であって、
    人工血液が入った注射器の注入口を下にして注射器の外筒を固定する手段、
    該外筒が固定された注射器の内筒のフランジが下に下るのを止める手段、
    注射器の下に置かれた止血用パッドを上げ下げする手段、および
    止血用パッドにかかる負荷を測定する手段
    を備えることを特徴とする圧迫圧測定装置。
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