JP3942660B2 - 吸水性樹脂粒子および水性液体のゲル化材 - Google Patents

吸水性樹脂粒子および水性液体のゲル化材 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば尿、血液等の体液、歯科廃液等の医療廃液、各種産業廃液、ヘドロ状含水廃液、水分が多い残飯等の水性液体をゲル化する水性液体のゲル化材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば尿、血液等の体液、歯科廃液等の医療廃液、各種産業廃液、ヘドロ状含水廃液、水分が多い残飯等の水性液体をゲル化する化合物として、ベントナイト等の無機化合物、或いは、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリアクリル酸等の水溶性樹脂、ポリアクリル酸部分中和物架橋体等の吸水性樹脂等が用いられている。
【0003】
そして、これら無機化合物や水溶性樹脂、吸水性樹脂等(以下、単に吸水性樹脂と称する)の取り扱いを容易とするために、粉末状の上記吸水性樹脂をポリビニルアルコール等の水溶性を有するシートからなる袋体(以下、水溶性袋体と称する)の内部に封入したゲル化材が種々提案されている(例えば、特開平4-235783号公報、特開平4-239087号公報、特開平4-264183号公報、特開平 6-216号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
水性液体を速やかにゲル化させるためには、水性液体に吸水性樹脂を速やかに、かつ、充分に接触させることが重要である。しかしながら、上記従来のゲル化材は、水性液体にゲル化材が投入されてから水溶性袋体がほぼ完全に溶解するまでに時間がかかる。つまり、吸水性樹脂は、水溶性袋体がほぼ完全に溶解するまで水性液体に充分に接触できない。その上、溶解した水溶性袋体は、吸水性樹脂の周囲に粘稠な被膜を形成し易く、それゆえ、吸水性樹脂の膨潤を阻害することがあった。また、上記の吸水性樹脂は、その吸水速度が比較的遅い。このため、上記従来のゲル化材は、水性液体のゲル化に時間がかかり、水性液体を速やかに処理することができないという問題点を有している。また、水性液体のゲル化に時間がかかるので、水性液体を処理する際に、該水性液体を攪拌しなければならず、ゲル化作業が面倒なものとなる。
【0005】
また、上記従来のゲル化材は、長期間保存すると、吸水性樹脂が吸湿して凝集(いわゆる、ケーキング)等を引き起こす。このように吸水性樹脂が凝集すると、ゲル化材が水性液体に投入されたときに、吸水性樹脂の継粉(または、だま)が生じ易い。このため、吸水性樹脂の吸水能力を充分に発揮させることができないという問題点を有している。尚、吸水性樹脂に継粉が生じると、ゲル化の際に水性液体を攪拌しなければならず、ゲル化作業が面倒なものとなる。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、吸水性樹脂が水性液体に速やかに、かつ、均一に分散し、しかも、吸水性樹脂の各種吸水特性を調整することにより、水性液体を速やかにゲル化することができる水性液体のゲル化材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の吸水性樹脂粒子は、上記の課題を解決するために、ポリアクリル酸部分中和物架橋体および/またはデンプン−アクリル酸グラフト重合体からなる吸水性樹脂粒子であって、無機微粒子を含み、表面が多孔質であり、該吸水性樹脂粒子の表面近傍が、多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価アミン化合物、および多価金属塩からなる群より選ばれる表面処理剤を、表面処理前の吸水性樹脂の固形分 100 重量部に対して、 0.001 重量部〜 10 重量部の範囲内で使用することにより表面架橋されており、吸水性樹脂粒子1gの生理食塩水( 0.9重量%食塩水,温度30±0.1 ℃)10mlに対する吸水速度が 120秒以下であり、吸水性樹脂粒子 0.5gの生理食塩水10mlでの膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2以上であり、吸水性樹脂粒子 0.5gの生理食塩水での10分間の拡散指数が50mm以上であることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明の吸水性樹脂粒子は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸水性樹脂粒子において、上記無機微粒子は、吸水性樹脂に対して 0.01 重量%〜5重量%含まれていることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明の吸水性樹脂粒子は、上記の課題を解決するために、請求項1または2記載の吸水性樹脂粒子において、上記表面処理剤が、溶解度パラメータの範囲が異なる二種類以上の架橋剤を組み合わせたものであることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明の吸水性樹脂粒子は、上記の課題を解決するために、請求項3記載の吸水性樹脂粒子において、上記表面処理剤が、多価アルコールおよび多価エポキシ化合物の組み合わせであることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の発明の吸水性樹脂粒子は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし4の何れか1項記載の吸水性樹脂粒子において、アクリル酸またはその塩の単量体を水溶液とし、発泡剤を添加した後、該単量体を重合させてなることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記の課題を解決するために、ポリアクリル酸部分中和物架橋体および/またはデンプン−アクリル酸グラフト重合体からなる吸水性樹脂粒子の製造方法であって、アクリル酸またはその塩の単量体を水溶液とし、発泡剤を添加した後、該単量体を重合させ、吸水性樹脂粒子の表面近傍を、多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価アミン化合物、および多価金属塩からなる群より選ばれる表面処理剤を、表面処理前の吸水性樹脂粒子の固形分 100重量部に対して、 0.001重量部〜10重量部の範囲内で使用することにより、吸水性樹脂粒子の表面架橋を施した後に、無機微粒子を、吸水性樹脂に対して0.01重量%〜5重量%添加することを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項6記載の吸水性樹脂粒子の製造方法において、上記表面処理剤が、溶解度パラメータの範囲が異なる二種類以上の架橋剤を組み合わせたものであることを特徴としている。
【0014】
請求項8記載の発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項6または7記載の吸水性樹脂粒子の製造方法において、上記単量体の水溶液に、水溶性高分子および界面活性剤からなる群より選ばれる、上記発泡剤の分散安定剤を更に添加した後に、上記単量体を重合させることを特徴としている。
【0015】
請求項9記載の発明の水性液体のゲル化材は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし5の何れか1項に記載の吸水性樹脂粒子を含む水性液体のゲル化材であって、少なくとも一部分が水溶性を有する袋体の内部に、袋体を通しての吸水による膨潤体積が上記袋体の最大内容積を越えようとする際に生じる内圧により、該袋体を破断し得るように調整された該吸水性樹脂粒子が封入されてなることを特徴としている。
【0016】
請求項10記載の発明の水性液体のゲル化材は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし5の何れか1項に記載の吸水性樹脂粒子を含む水性液体のゲル化材であって、水性液体を、短時間でかつ簡便に、取り扱い易いゲル化物にすることにより、ゲル化物を廃棄するために用いられることを特徴としている。
【0017】
請求項11記載の発明の衛生材料は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし5の何れか1項に記載の吸水性樹脂粒子を含むことを特徴としている。
【0018】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0019】
本発明における吸水性樹脂は、水に不溶で、かつ、水性液体を速やかに吸収する性質、即ち、吸水性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、安価で、安全性、耐久性;吸水倍率や吸水速度、吸水力、膨潤拡散圧力、拡散指数等の吸水特性に優れ、かつ、腐敗の心配の無いものが好ましい。
【0020】
また、本発明における吸水性樹脂は、水性液体中に速やかに拡散して該水性液体を吸収することができるように、その吸水速度が 120秒以下、膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2以上、拡散指数が50mm以上に調整されていることが好ましい。
【0021】
上記の吸水速度とは、温度が30±0.1 ℃に調整された 0.9重量%食塩水(生理食塩水)10mlが入った内径14mm、高さ 125mmの試験管に、吸水性樹脂1gを投入し、この吸水性樹脂を投入してから上記の食塩水が完全にゲル化するまでの時間(秒)を示す。吸水性樹脂の吸水速度を 120秒以下、好ましくは60秒以下に調整することにより、水性液体を速やかに吸収させることができる。吸水速度が 120秒よりも大きいと、吸水性樹脂が水性液体を速やかに吸収することができなくなるおそれが生じるため、好ましくない。
【0022】
上記の膨潤拡散圧力とは、以下に示す方法により測定される圧力である。即ち、先ず、図9に示すように、内径22mm、高さ75mmの試験管11に、吸水性樹脂(12) 0.5gを入れ、クランプ(図示せず)等で固定する。一方、圧力計であるデジタルフォースゲージ(The Crown Tool and Supply Company 製;Accuforce Cadet force gage;測定範囲・0g〜 500g)15の先端部(つまり、測定部)15aに、直径20mm、厚さ1mmの円板16を取り付ける。
【0023】
次に、上記の試験管11に温度が30±0.1 ℃に調整された 0.9重量%食塩水(13)10mlを投入する。次いで、吸水性樹脂12が食塩水13を完全に吸収しないうちに、試験管11にデジタルフォースゲージ15の先端部15aを差し込み、該食塩水13の液面と、上記円板16の上面とを素早く一致させる。つまり、円板16を食塩水13に浸す。
【0024】
その後、食塩水13を吸収して膨潤した吸水性樹脂12によって、つまり、吸水性樹脂12の体積膨張によって円板16が押し上げられる力(圧力)を、30分間にわたって測定し、この間の最大圧力(g)を求める。そして、次式に従い、この最大圧力(g)から膨潤拡散圧力(kdyn/cm2)を算出する。
【0025】
膨潤拡散圧力(kdyn/cm2)=最大圧力(g) ×981 /[(12 ×π) ×1000]
吸水性樹脂の膨潤拡散圧力を20kdyn/cm2以上、好ましくは40kdyn/cm2以上に調整することにより、吸水性樹脂の膨潤体積が袋体の最大内容積を越えようとする際に生じる内圧を大きくすることができ、該袋体を容易に破断させることができる。そして、溶解した袋体によって吸水性樹脂の膨潤が阻害されることも起こり難い。また、吸水性樹脂を水性液体中に速やかに拡散させることができる。膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2よりも小さいと、袋体を通しての吸水によって吸水性樹脂が膨潤しても、該袋体を破断することが困難となる。つまり、膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2よりも小さいと、上記の内圧が小さくなり、該袋体を破断することが困難となる。また、吸水性樹脂が水性液体中に速やかに拡散することが困難となる。このため、吸水性樹脂が継粉になり易く、該吸水性樹脂が水性液体を速やかに吸収することができなくなるおそれが生じるため、好ましくない。
【0026】
上記の拡散指数とは、以下に示す方法により測定される値である。即ち、先ず、図10に示すように、幅30mm、長さ 160mm、厚さ2mmの板20に、幅20mm、長さ 150mmの両面に接着性を有する粘着テープ(いわゆる、両面テープ)21を貼着する。このとき、粘着テープ21の一端部21aが、板20の端部から5mmだけ内側に位置するように貼着する。次に、粘着テープ21の上記一端部21aに、東洋濾紙株式会社製の No.2濾紙を裁断してなる幅20mm、長さ50mmの吸い上げ紙22を貼着する。上記の吸い上げ紙22を粘着テープ21に貼着する際の糊代の幅は、2mmとする。尚、板20、粘着テープ21および吸い上げ紙22の中心線は、互いに一致させる。また、板20および粘着テープ21には、吸水性を有しない材料、つまり、疎水性の材料を用いる。
【0027】
続いて、上記粘着テープ21の上に、吸水性樹脂(12) 0.5gを均一に撒布する。これにより、吸水性樹脂12は粘着テープ21表面に固定される。一方、所定の大きさの容器23に、 0.9重量%食塩水13を満たす。そして、この容器23の上縁部に、上記の板20を水平に設置し、吸い上げ紙22を食塩水13に浸す。この際、該食塩水13の液面の高さと、上記板20の下面20aの高さとをほぼ一致させる。
【0028】
その後、吸い上げ紙22が食塩水13を吸い上げ、該食塩水13によって吸水性樹脂12が膨潤し始めたことを目視で確認する。そして、確認した時点から10分間後に、粘着テープ21上において食塩水13が拡散した距離、つまり、粘着テープ21上において、吸い上げ紙22の貼着された上記一端部21aから、膨潤した吸水性樹脂12と膨潤していない吸水性樹脂12との境目までの距離を測定し、この長さを拡散指数(mm)とする。
【0029】
吸水性樹脂の拡散指数を50mm以上、好ましくは 100mm以上に調整することにより、袋体に封入された吸水性樹脂全体に水性液体を速やかに吸収させることができる。拡散指数が50mmよりも小さいと、袋体に封入された吸水性樹脂全体に水性液体が拡散(浸透)するのに時間がかかり、継粉になり易く、該吸水性樹脂が水性液体を速やかに吸収することができなくなるおそれを生じるため、好ましくない。
【0030】
上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、変性ポリエチレンオキサイド架橋体、アクリルアミド−2-メチルプロパンスルホン酸塩共重合架橋体、(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸塩共重合架橋体、架橋カルボキシメチルセルロース塩、カチオン性モノマーの架橋重合体等が挙げられる。これら吸水性樹脂は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。このうち、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、および、これらの混合物が、吸水特性や安全性等の点で好ましい。
【0031】
さらに、以下の方法により得られる吸水性樹脂が、吸水速度や膨潤拡散圧力、拡散指数等の吸水特性を好適な値に調整する上で特に好ましい。即ち、アクリル酸またはその塩等の単量体を水溶液とし、この水溶液に、発泡剤、および必要に応じて該発泡剤の分散安定剤等を添加した後、該単量体を重合させてなる吸水性樹脂が特に好ましい。このようにして得られる吸水性樹脂は、その粒子表面が多
孔質となっており、従って、表面積が大きく、上記吸水特性に特に優れている。
【0032】
上記の発泡剤は、所定の粒径を有する固体粒子状の発泡剤が好ましい。該発泡剤としては、具体的には、例えば、平均粒径が1μm〜 100μmの炭酸マグネシウムや炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。発泡剤の使用量は、該発泡剤や単量体の種類にもよるが、単量体 100重量部に対し、0.01重量部〜5重量部とすればよい。上記の分散安定剤としては、具体的には、例えば、ヒドロキシエチルセルロースやポリエチレンオキサイド等の水溶性高分子;界面活性剤等が挙げられる。分散安定剤の使用量は、該分散安定剤や発泡剤、単量体の種類にもよるが、発泡剤 100重量部に対し、50重量部以下とすればよい。分散安定剤を添加することにより、水溶液中における発泡剤の沈降や凝集を防止することができると共に、該発泡剤の発泡の度合いを制御することができる。
【0033】
上記の吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、不定形破砕状、球状、鱗片状、繊維状、棒状、塊状等の種々の形状であってもよい。さらに、吸水性樹脂は、1次粒子であってもよく、また、1次粒子の造粒体であってもよい。吸水性樹脂(以下、説明の便宜上、適宜、吸水性樹脂粒子と称する)の粒径は、吸水性樹脂の種類やゲル化材の用途等を考慮に入れて、0.01mm〜1mm、好ましくは、 0.1mm〜1mmとすればよい。尚、吸水性樹脂の製造方法は、前記吸水速度や膨潤拡散圧力、拡散指数等の吸水特性が満足されるのであれば、特に限定されるものではない。
【0034】
また、上記の吸水性樹脂は、その吸水特性、例えば水性液体の浸透性や分散性、吸水速度等を向上させるために、吸水性樹脂粒子に対して種々の加工や修飾(モディファイ)等が施されている。例えば、吸水性樹脂がカルボキシル基やスルホン酸基等の官能基を有している場合には、吸水性樹脂粒子の表面近傍に表面架橋を導入する表面処理が施されている。上記の表面処理は、吸水性樹脂に、該官能基と反応可能な多価アルコールや多価エポキシ化合物、多価アミン化合物、多価金属塩等を添加することにより行うことができる。上記の多価アルコールとしては、グリセリンやエチレングリコール等が挙げられる。多価エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。多価アミン化合物としては、エチレンジアミンやポリエチレンイミン等が挙げられる。多価金属塩としては、硫酸アルミニウム等が挙げられる。また、吸水性樹脂に、例えば、電子線やγ線等の活性エネルギ線を照射することにより、吸水性樹脂粒子の表面近傍に表面架橋を導入することもできる。
【0035】
なかでも、溶解度パラメータの範囲が異なる二種類以上の架橋剤を組み合わせ、これを表面処理剤として用いることにより、本発明におけるより好ましい吸水特性を有する吸水性樹脂が得られる。本発明において用いられる上記表面処理剤の使用量は、組み合わされる架橋剤等の種類にもよるが、通常、吸水性樹脂の固形分 100重量部に対して、 0.001重量部〜10重量部の範囲内、好ましくは0.01重量部〜5重量部の範囲内である。表面処理剤の使用量が上記の範囲内であれば、生理食塩水に対する吸水速度に優れた吸水性樹脂を得ることができる。尚、表面処理剤の使用量が10重量部を越える場合には、過剰な表面処理剤が無駄となり、不経済となるばかりか、吸水速度等の吸水特性を適正な値に調整することが困難となるので好ましくない。
【0036】
吸水性樹脂粒子は、その内部に架橋構造を有しているが、上記の方法によって表面架橋が導入されており、これにより、吸水性樹脂の吸水特性がコントロールされている。つまり、吸水性樹脂粒子は、表面近傍の架橋構造を内部よりも密にすることにより、吸水速度が 120秒以下、膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2以上、拡散指数が50mm以上となるように、好ましくは、吸水速度が60秒以下、膨潤拡散圧力が40kdyn/cm2以上、拡散指数が 100mm以上となるように調整されている。本発明における吸水性樹脂は、粒子表面近傍の架橋密度が内部の架橋密度よりも大きい方が好ましい。
【0037】
また、吸水性樹脂粒子は、上記のようにして表面架橋が導入されているので、分散性が改良されている。このため、吸水性樹脂は、長期間保存しても吸湿による凝集(いわゆる、ケーキング)等が起こり難い。従って、ゲル化材を水性液体に投入したときに、吸水性樹脂の継粉(または、だま)が生じ難い。
【0038】
さらに、吸水性樹脂に、加工性の改良および品質性能の向上のために、必要に応じて、シリカ微粒子等の無機微粒子や、パルプ繊維等からなる充填剤;活性炭や鉄フタロシアニン誘導体、植物性精油等を吸着させたゼオライト等を主体とする消臭剤または脱臭剤、芳香剤;銀や銅、亜鉛等の金属等を主体とする抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、防腐剤;脱酸素剤(酸化防止剤)、界面活性剤、発泡剤、香料等を添加してもよい。これら添加剤を添加することにより、吸水性樹脂、即ち、ゲル化材に種々の機能を付与することができる。上記添加剤の添加量は、添加剤の種類にもよるが、吸水性樹脂に対して0.01重量%〜5重量%程度とすればよい。尚、添加剤の添加方法は、特に限定されるものではない。
【0039】
また、充填剤を用いる場合には、吸水性樹脂の吸水速度をより一層改善するために、無機微粒子とパルプ繊維とを併用することが好ましい。さらに、吸水性樹脂にシリカ微粒子を添加すると、該吸水性樹脂の膨潤拡散圧力がより一層大きくなるので、より好ましい。つまり、粒子表面が多孔質で、かつ表面架橋が導入されている吸水性樹脂に、シリカ微粒子を添加したものが最も好ましい。
【0040】
このようにして得られる吸水性樹脂は、吸水速度が速く、しかも、膨潤拡散圧力および拡散指数が大きい。このため、ゲル化材を水性液体に投入したときに、吸水性樹脂は、水性液体中に速やかに、かつ、均一に分散する。また、水性液体は、吸水性樹脂全体に速やかに拡散(浸透)する。つまり、袋体に封入された吸水性樹脂全体を速やかにゲル化に供することができる。尚、本発明における吸水性樹脂は、上記の特徴を備えているので、ゲル化材としての用途のみならず、食品の鮮度保持材やドリップ吸収材、紙おむつや生理用品等の衛生材料の吸収材、ケーブル用の止水材、水膨潤性ゴム、農業用・園芸用の保水材等としても好適に用いることができる。
【0041】
本発明における袋体、つまり、該袋体を構成するシートは、特に限定されるものではなく、適度な機械的強度を有し、かつ、水性液体を速やかに透過する性質、即ち、透水性を有するシート(以下、透水性シートと称する)、或いは、適度な機械的強度を有し、かつ、水性液体に速やかに溶解する性質、即ち、水溶性を有するシート(以下、水溶性シートと称する)であればよい。さらに、適度な機械的強度を有し、かつ、水性液体を透過しない性質、即ち、不透水性のシート(以下、不透水性シートと称する)を用いて袋体を構成することもできる。
【0042】
透水性シートの材料としては、例えば、紙、不織布、織布;微細孔を有するポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。上記の不織布は、例えば、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン等の合成繊維からなる。上記の織布は、例えば、上記合成繊維、綿や麻、黄麻(ジュート)等の植物繊維、羊毛等の動物繊維等からなる。これら材料のうち、紙若しくは不織布が好ましい。
【0043】
上記の透水性シートは、その全体が透水性を有していてもよく、また、一部分のみが透水性を有していてもよい。つまり、透水性シートは、少なくとも一部分が透水性を有していればよい。例えば、不透水性のシートに、例えば電子線等を照射して微細孔を開孔する開孔処理を施し、これにより、該シートを透水性シートとすることも可能である。尚、透水性シートにおける透水性を有する箇所は、シート全体に均一に分布していてもよく、また、局在化していてもよい。
【0044】
水溶性シートの材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA、ポバール)やポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド、デンプン、カラジーナン等からなるフィルム;繊維状カルボキシメチルセルロースとセルロース繊維とを混合抄紙して得られる紙等が挙げられる。この紙は、水性液体に接触すると溶解する性質(いわゆる水崩壊性)を有する。そして、上記の材料のうち、ポリビニルアルコールが好ましい。尚、上記水溶性シートには、透水性シートまたは不透水性シートの一部分に水溶性の材料が用いられたシートも含まれる。
【0045】
不透水性シートの材料としては、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。
【0046】
本実施例における袋体は、例えば、図1に示すように、2枚の水溶性シート1・1を貼着してなっていてもよく、また、図2に示すように、水溶性シート1および透水性シート2を貼着してなっていてもよい。また、本実施例における袋体は、図3に示すように、2枚の透水性シート2・2を水溶性を有する接着剤3にて貼着してなっていてもよい。つまり、上記の袋体を構成するシートは、水溶性シート1・1同士、水溶性シート1および透水性シート2、透水性シート2・2同士の何れの組み合わせであってもよい。さらに、本実施例における袋体は、図4に示すように、水溶性シート1および不透水性シート5を貼着してなっていてもよい。また、本実施例における袋体は、図5に示すように、2枚の不透水性シート5・5を水溶性を有する接着剤3にて貼着してなっていてもよい。つまり、本実施例における袋体は、該袋体を構成するシートおよび接着剤のうちの、少なくとも一部分が水溶性を有していればよい。そして、図1ないし図5に示すように、袋体の内部には、吸水性樹脂12が封入され、これにより、ゲル化材が構成されている。尚、袋体は、例えば2つ折りにされた1枚のシートからなっていてもよい。
【0047】
シートの大きさや形状等は、特に限定されるものではない。また、シートの厚みは、所望の機械的強度を維持可能であれば、薄い方が好ましい。吸水性樹脂を袋体に封入することにより、吸水性樹脂の取り扱いが容易となる。
【0048】
袋体が、例えば、水溶性シート同士、水溶性シートおよび透水性シート、若しくは、水溶性シートおよび不透水性シートを貼着してなる場合、つまり、水溶性を有する接着剤を用いないでシートを貼着してなる場合には、上記両シートの貼着方法は、特に限定されるものではない。例えば、互いに重ね合わされた両シートの周囲を、上記接着剤以外の他の適当な接着剤等を用いて貼着してもよい。また、例えば、該両シートの周囲を、ヒートシール(熱接着)することにより貼着してもよい。さらに、例えば、該両シートの周囲を、超音波接着等を施すことにより貼着してもよい。上記の貼着方法のうち、ヒートシールする方法、若しくは、接着剤等を用いる方法が好ましい。この場合、該接着剤は、非水溶性であってもよい。
【0049】
袋体が、水溶性を有する接着剤でシートを貼着してなる場合において用いられる該接着剤、即ち、本発明における水溶性を有する接着剤は、シート同士を強固に接着することが可能なものであれば、特に限定されるものではない。上記の接着剤としては、例えば、いわゆる水糊やデンプン糊、酢酸ビニル系接着剤、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。上記の接着剤は、両シートの周囲に適量が塗布等されることにより、シートを強固に接着する。また、該接着剤は、ゲル化材が水性液体に投入されると、速やかに溶解する。これにより、両シートは、互いに剥離する。つまり、両シートが完全に離れてしまうので、袋体は全開状態となる。
【0050】
上記の袋体は、吸水性樹脂の膨潤により生じる前記内圧によって破断され易いように、例えばミシン(点線状の孔)等の、他の部分よりも機械的強度の弱い箇所が形成されていてもよい。つまり、袋体は、内圧によって破断され易い箇所が形成されていてもよい。尚、上記袋体の製造方法は、特に限定されるものではない。
【0051】
ゲル化材における吸水性樹脂の封入量は、袋体の材質や厚み、大きさ、機械的強度等と、吸水性樹脂の吸水特性等との兼ね合い、或いは、水性液体の量や用途等により設定すればよく、特に限定されるものではない。要するに、吸水性樹脂の封入量は、上記の各種条件を考慮に入れて、袋体を通しての吸水による膨潤体積が上記袋体の最大内容積を越えようとする際に生じる内圧により、該袋体を破断し得るように適宜調整すればよい。但し、ゲル化を所望する水性液体に、例えば油や蛋白質等の有機物や、食塩等が混合されている場合には、吸水特性が若干低下するので、吸水性樹脂の封入量をやや多めに設定すればよい。尚、吸水性樹脂は、一般的に、自重の数十倍から数百倍の水性液体を吸収可能である。つまり、吸水性樹脂の吸水倍率は数十倍から数百倍である。
【0052】
上記の水溶性シートは、水性液体に投入されてからほぼ完全に溶解するまでに時間がかかる。しかしながら、上記の袋体が、例えば透水性シートと水溶性シートとを貼着してなる場合には、水溶性シートがほぼ完全に溶解するまでの間に、水性液体が透水性シートを介して袋体の内部に浸透する。そして、浸透した該水性液体を吸収することにより吸水性樹脂が膨潤するので、内圧により該袋体が破断される。このため、水溶性シートの溶解と相俟って、吸水性樹脂が水性液体中に一気に拡がり、均一に分散する。つまり、水溶性シートがほぼ完全に溶解し終わらないうちに、吸水性樹脂を水性液体中に均一に分散させることができる。
【0053】
また、上記の袋体が、例えば2枚の透水性シートを水溶性を有する接着剤にて貼着してなる場合には、接着剤がほぼ完全に溶解するまでの間に、水性液体が透水性シートを介して袋体の内部に浸透する。そして、浸透した該水性液体を吸収することにより吸水性樹脂が膨潤するので、内圧により袋体、即ち、両シートが互いに剥離する。このため、接着剤の溶解と相俟って、吸水性樹脂が水性液体中に一気に拡がり、均一に分散する。
【0054】
つまり、ゲル化材を水性液体に投入すると、袋体が速やかに破断されるので、吸水性樹脂は、速やかに、かつ、充分に水性液体に接触できる。また、吸水性樹脂は、吸水速度が 120秒以下、膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2以上、拡散指数が50mm以上に調整されているので、継粉が生じることなく水性液体中に速やかに拡散して、該水性液体を吸収することができる。このため、本発明にかかるゲル化材は、水性液体のゲル化に時間がかからず、水性液体を速やかに処理することができる。これにより、取り扱い難い水性液体を、短時間でかつ簡便に、取り扱い易いゲル化物にすることができるので、水性液体、即ち、ゲル化物の廃棄が容易となる。また、吸水性樹脂は、水性液体中に一気に拡がり、均一に分散するので、ゲル化の際に水性液体を攪拌する必要がなく、ゲル化作業が簡単化される。
【0055】
本発明において、ゲル化材(以下、説明の便宜上、適宜、ゲル化材本体と称する)を封入する外袋体は、適度な機械的強度を有し、かつ、不透水性の材料からなっていれば、特に限定されるものではない。本発明において、上記の外袋体には、合成樹脂フィルム等からなる袋体の他に、金属やガラス、合成樹脂等からなる缶や瓶等の容器等、或いは、図6および図7に示すように、袋体における水溶性シート1(または、透水性シート2)を覆うようにして該水溶性シート1(または、透水性シート2)の外側に剥離可能に貼着された不透水性シート7…、さらには、図8に示すように、袋体における水溶性または透水性を有する部分の外側にのみ剥離可能に貼着された不透水性シール8…も含まれる。このうち、運搬や保管、取り扱い等の容易さの面から、合成樹脂フィルム等からなる袋体、不透水性シートおよび不透水性シールが好適である。上記の合成樹脂フィルムとしては、具体的には、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム等が挙げられる。尚、外袋体が、不透水性シートまたは不透水性シールである場合には、ゲル化材本体における不透水性の部分が、外袋体としての機能を兼ね備えることとなる。
【0056】
上記の外袋体は、使用時にゲル化材本体を取り出し易いように、所定位置にミシン(点線状の孔)が形成されていてもよく、また、いわゆるチャックが取り付けられていてもよい。さらに、場合によっては、外袋体の開口部が輪ゴムや紐等で閉じられていてもよい。要するに、外袋体は、ゲル化材本体を封入すると共に、使用時に該ゲル化材本体を速やかに取り出せるようになっていることが好ましい。また、外袋体が不透水性シートまたは不透水性シールからなる場合には、使用時にゲル化材本体から速やかに剥離することができるようになっていることが好ましい。尚、上記外袋体の製造方法は、特に限定されるものではない。また、上記不透水性シートおよび不透水性シールの袋体への貼着方法は、特に限定されるものではない。
【0057】
ゲル化材本体を上記の外袋体に封入することにより、保存時にゲル化材本体、即ち、吸水性樹脂が空気中の水分(湿気)を吸収することが防止される。従って、ゲル化材本体を長期間、安定して保存することができる。また、ゲル化材本体を湿気の多い場所に保存することができる。尚、ゲル化材本体を外袋体に封入しないで長期間保存すると、吸水性樹脂が吸湿して凝集等を引き起こすおそれがある。従って、ゲル化材本体を水性液体に投入したときに、吸水性樹脂の継粉が生じ易くなると共に、吸水性樹脂の吸水能力が低下し易くなるため、好ましくない。
【0058】
上記のゲル化材を使用する場合には、外袋体からゲル化材本体を取り出して、バケツ等の容器に入った水性液体に投入する。また、容器にゲル化材本体を予め入れておき、該容器に水性液体を投入してもよい。ゲル化材は、吸水性樹脂が袋体に封入されてなっているので、水性液体への投入が簡便に行える。上記の水性液体としては、例えば尿、血液等の体液、歯科廃液等の医療廃液、各種産業廃液、ヘドロ状含水廃液、水分が多い残飯等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。尚、水分が多い残飯等、水性液体中に固形物が多く混入されている場合には、ゲル化の際に水性液体を適宜攪拌してもよい。
【0059】
以上のように、上記のゲル化材は、少なくとも一部分が水溶性を有する袋体の内部に、袋体を通しての吸水による膨潤体積が上記袋体の最大内容積を越えようとする際に生じる内圧により、該袋体を破断し得るように調整された吸水性樹脂が封入されてなる構成である。また、上記の袋体は、水溶性を有する2枚のシート、若しくは、透水性を有するシートと、水溶性を有するシートとを貼着してなる構成である。さらに、上記の袋体は、水溶性を有する接着剤でシートを貼着してなる構成である。その上、上記の吸水性樹脂は、吸水速度が 120秒以下であり、膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2以上であり、拡散指数が50mm以上である構成である。
【0060】
それゆえ、ゲル化材を水性液体に投入すると、袋体が速やかに破断されるので、吸水性樹脂は、溶解した袋体によって膨潤が阻害されることもなく、速やかに、かつ、充分に水性液体に接触できる。また、吸水性樹脂は、継粉を生じることなく水性液体中に速やかに拡散して、該水性液体を吸収することができる。このため、水性液体のゲル化に時間がかからず、水性液体を速やかに処理することができる。これにより、取り扱い難い水性液体を、短時間でかつ簡便に、取り扱い易いゲル化物にすることができるので、水性液体、即ち、ゲル化物の廃棄が容易となる。また、吸水性樹脂は、水性液体中に一気に拡がり、均一に分散するので、ゲル化の際に水性液体を攪拌する必要がなく、ゲル化作業が簡単化される。
【0061】
また、ゲル化材は、上記の袋体が不透水性の外袋体に封入されている構成である。それゆえ、外袋体により、保存時にゲル化材本体、即ち、吸水性樹脂が空気中の水分を吸収することが防止されるので、使用時に吸水性樹脂の吸水能力を充分に発揮させることができる。従って、ゲル化材本体を長期間、安定して保存することができる。また、ゲル化材本体を湿気の多い場所に保存することができる。
【0062】
上記のゲル化材は、水性液体の処理が要求される種々の分野に応用することができるが、なかでも、水分が多い残飯の処理を速やかに行うことが要求される分野、例えば、飛行機の機内食の残飯処理や、コーヒー等の飲み残しの処理等に好適である。また、ゲル化材は、例えば袋体の材質や吸水性樹脂の封入量等を適宜調整することにより、食品の鮮度保持材やドリップ吸収材、紙おむつや生理用品等の衛生材料の吸収材等としても好適に用いることができる。尚、ゲル化材の大きさおよび形状は、用途やコスト等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0063】
【作用】
上記のゲル化材によれば、水性液体のゲル化に時間がかからず、水性液体を速やかに処理することができる。これにより、取り扱い難い水性液体を、短時間でかつ簡便に、取り扱い易いゲル化物にすることができるので、水性液体、即ち、ゲル化物の廃棄が容易となる。また、吸水性樹脂は、水性液体中に一気に拡がり、均一に分散するので、ゲル化の際に水性液体を攪拌する必要がなく、ゲル化作業が簡単化される。さらに、ゲル化材本体を、例えば、湿気の多い場所に長期間、安定して保存することができる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例および比較例に供する吸水性樹脂は、以下に示す方法により製造した。
【0065】
〔吸水性樹脂の製造方法1〕
アクリル酸 414gに、アクリル酸ナトリウムの37重量%水溶液4380g、およびイオン交換水 670gを加えた後、架橋剤であるトリメチロールプロパントリアクリレート 6.8gを溶解させて反応液とした。次に、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を取り付けて形成した反応器に、上記の反応液を供給し、該反応液に窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出すと共に、系を窒素ガス置換した。続いて、温水を通じたジャケットにより反応液の温度を35℃に保ち、反応液を攪拌しながら、重合開始剤である過硫酸アンモニウム 2.6gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.12gを添加して重合反応を開始した。
【0066】
上記重合反応のピーク時において、該反応により得られる含水ゲル状重合体は、直径が約5mmの細分化物となった。そして、重合反応を開始してから60分間後に該反応を終了し、上記の含水ゲル状重合体を取り出した。
【0067】
取り出した含水ゲル状重合体を 150℃で2時間乾燥した後、乾燥物を振動ミル等を用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網で分級することにより、表面処理が施されていない吸水性樹脂(以下、比較用吸水性樹脂と称する)を得た。この比較用吸水性樹脂の吸水速度は2分30秒であり、膨潤拡散圧力は 2.8kdyn/cm2であり、拡散指数は15mmであった。
【0068】
続いて、上記の比較用吸水性樹脂 100重量部(以下、単に部と記す)に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部、グリセリン 0.5部、水3部、およびイソプロピルアルコール0.75部を加えて混合した後、得られた混合物を 200℃にて35分間加熱処理した。
【0069】
これにより、表面処理が施された吸水性樹脂Aを得た。この吸水性樹脂Aの吸水倍率は、純水で 300倍であり、 0.9重量%食塩水(生理食塩水)で40倍であった。また、吸水速度は50秒であり、膨潤拡散圧力は25.4kdyn/cm2であり、拡散指数は54mmであった。
【0070】
さらに、上記の吸水性樹脂A 100部に、充填剤であるシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製:商品名 アエロジル200) 0.5部を加えて混合することにより、吸水性樹脂Bを得た。この吸水性樹脂Bの吸水倍率は、純水で 300倍であり、 0.9重量%食塩水で40倍であった。また、吸水速度は25秒であり、膨潤拡散圧力は59.8kdyn/cm2であり、拡散指数は 112mmであった。
【0071】
〔吸水性樹脂の製造方法2〕
アクリル酸43部に、アクリル酸ナトリウムの37重量%水溶液 355部、およびイオン交換水54部を加えた後、架橋剤であるポリエチレングリコールジアクリレート 0.8部、分散安定剤であるヒドロキシエチルセルロース1部、および、界面活性剤であるソルビタンモノステアレート 0.1部を溶解させて反応液とした。次に、前記の製造方法1で用いた反応器と同様の反応器に、上記の反応液を供給し、該反応液に窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出すと共に、系を窒素ガス置換した。続いて、反応液の温度を20℃に保ち、反応液を攪拌しながら、発泡剤である炭酸マグネシウム(平均粒径約5μm)4部を添加して分散させ、さらに、重合開始剤である過硫酸ナトリウム0.25部およびL-アスコルビン酸 0.001部を添加した。
【0072】
次いで、窒素ガス雰囲気下で、上記の反応液をその液深が5mmとなるようにバット(平皿)に流し込み、該バット内で重合反応を行った。反応液の温度は、重合反応を開始してから約10分間後に約80℃に達した。その後、該反応液の温度を70℃〜80℃に維持しながら、さらに約10分間反応させた。これにより、厚さ約5mmの板状の多孔質の含水ゲル状重合体を得た。
【0073】
得られた含水ゲル状重合体を 150℃で2時間乾燥した後、乾燥物を振動ミル等を用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網で分級することにより、粒子状の吸水性樹脂を得た。
【0074】
続いて、上記の吸水性樹脂 100部に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部、グリセリン 0.5部、水3部、およびイソプロピルアルコール0.75部を加えて混合した後、得られた混合物を 210℃にて60分間加熱処理した。
【0075】
これにより、表面処理が施された多孔質の吸水性樹脂を得た。さらに、この吸水性樹脂 100部に、充填剤であるシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製:商品名 アエロジル200V) 0.4部を加えて混合することにより、吸水性樹脂Cを得た。この吸水性樹脂Cの吸水倍率は、純水で 320倍であり、 0.9重量%食塩水で45倍であった。また、吸水速度は16秒であり、膨潤拡散圧力は82.7kdyn/cm2であり、拡散指数は 130mmであった。
【0076】
また、市販の3種類の吸水性樹脂(三洋化成工業株式会社製:商品名 サンウエットIM−1000、サンウエットIM−2200、および、サンウエットIM−5000)の吸水速度、膨潤拡散圧力、および拡散指数を測定した。これら吸水性樹脂(以下、上記商品名の記載の順に、市販吸水性樹脂A・B・Cと称する)の吸水速度は、市販吸水性樹脂Aが7分10秒であり、市販吸水性樹脂Bが30秒であり、市販吸水性樹脂Cが5分20秒であった。膨潤拡散圧力は、市販吸水性樹脂Aが 2.7kdyn/cm2であり、市販吸水性樹脂Bが 9.5kdyn/cm2であり、市販吸水性樹脂Cが16.8kdyn/cm2であった。拡散指数は、市販吸水性樹脂Aが15mmであり、市販吸水性樹脂Bが17mmであり、市販吸水性樹脂Cが52mmであった。
【0077】
参考例1〕
先ず、水溶性シートとしての2枚の水溶性ポバールフィルム(縦10cm×横10cm)を重ね合わせ、3辺をヒートシールして袋体を形成した。次に、この袋体の内部に吸水性樹脂B 100gを入れ、残りの1辺をヒートシールすることにより、吸水性樹脂Bを封入してゲル化材本体を得た。そして、上記のゲル化材本体を、いわゆるチャックが取り付けられたポリエチレン製の外袋体に封入することにより、ゲル化材を得た。
【0078】
上記のゲル化材は、長期間室内にて保存しても、吸水性樹脂Bに凝集(いわゆる、ケーキング)等を全く生じなかった。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としての廃血液2Lが入った内容積3Lのポリエチレン製容器に直ちに投入したところ、袋体が速やかに溶解・破断し、吸水性樹脂Bが廃血液中に速やかに拡散した。そして、吸水性樹脂Bの継粉が生じることなく、凡そ20秒間で廃血液は全てゲル化した。
【0079】
参考例2〕
先ず、水溶性シートとしての水溶性ポバールフィルム(縦10cm×横10cm)、および、透水性シートとしての紙(いわゆる紙タオル、縦10cm×横10cm)を重ね合わせ、3辺をヒートシールして袋体を形成した。次に、この袋体の内部に吸水性樹脂A70gを入れ、残りの1辺をヒートシールすることにより、吸水性樹脂Aを封入してゲル化材本体を得た。そして、上記のゲル化材本体を、いわゆるチャックが取り付けられたポリエチレン製の外袋体に封入することにより、ゲル化材を得た。
【0080】
上記のゲル化材は、長期間室内にて保存しても、吸水性樹脂Aに凝集等を全く生じなかった。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としての飲み残しのコーヒー5Lが入った内容積10Lの合成樹脂製バケツに直ちに投入したところ、袋体が速やかに溶解・破断し、吸水性樹脂Aがコーヒー中に速やかに拡散した。そして、吸水性樹脂Aの継粉が生じることなく、凡そ30秒間で上記コーヒーは全てゲル化した。
【0081】
参考例3〕
先ず、透水性シートとしての2枚の紙(いわゆる紙タオル、縦10cm×横10cm)を重ね合わせ、3辺をいわゆる水糊(接着剤)で貼着して袋体を形成した。次に、この袋体の内部に吸水性樹脂B70gを入れ、残りの1辺を上記水糊で貼着することにより、吸水性樹脂Bを封入してゲル化材本体を得た。そして、上記のゲル化材本体を、ミシンが形成されたポリエチレン製の外袋体に封入することにより、ゲル化材を得た。
【0082】
上記のゲル化材は、長期間室内にて保存しても、吸水性樹脂Bに凝集等を全く生じなかった。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としてのスープを含有する残飯5Lが入った内容積10Lの合成樹脂製バケツに直ちに投入したところ、袋体、即ち、上記の両シートが互いに剥離し、吸水性樹脂Bが残飯中に速やかに拡散した。そして、吸水性樹脂Bの継粉が生じることなく、凡そ20秒間で上記残飯は全てゲル化した。
【0083】
〔実施例
先ず、水溶性シートとしての水溶性ポバールフィルム(縦24cm×横12cm)を2つ折りにし、重ね合わされた2辺をヒートシールして縦12cm×横12cmの袋体を形成した。次に、この袋体の内部に吸水性樹脂C 100gを入れ、残りの1辺をヒートシールすることにより、吸水性樹脂Cを封入してゲル化材本体を得た。そして、上記のゲル化材本体を、いわゆるチャックが取り付けられたポリエチレン製の外袋体に封入することにより、ゲル化材を得た。
【0084】
上記のゲル化材は、長期間室内にて保存しても、吸水性樹脂Cに凝集等を全く生じなかった。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としての廃血液2Lが入った内容積3Lのポリエチレン製容器に直ちに投入したところ、袋体が速やかに溶解・破断し、吸水性樹脂Cが廃血液中に速やかに拡散した。そして、吸水性樹脂Cの継粉が生じることなく、凡そ15秒間で廃血液は全てゲル化した。
【0085】
〔比較例1〕
実施例1における吸水性樹脂B 100gの代わりに、市販吸水性樹脂A 100gを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用のゲル化材を得た。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としての廃血液2Lが入った内容積3Lのポリエチレン製容器に直ちに投入した。すると、袋体は速やかに破断されず、このため、市販吸水性樹脂Aは、廃血液中に均一に拡散せずに継粉を生じた。そこで、継粉を無くすべく、廃血液を棒で攪拌しながらゲル化させたが、廃血液が全てゲル化するまで、凡そ5分間を要した。
【0086】
〔比較例2〕
実施例1における吸水性樹脂B 100gの代わりに、比較用吸水性樹脂 100gを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用のゲル化材を得た。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としての廃血液2Lが入った内容積3Lのポリエチレン製容器に直ちに投入した。すると、袋体は速やかに破断されず、このため、比較用吸水性樹脂は、廃血液中に均一に拡散せずに継粉を生じた。そこで、継粉を無くすべく、廃血液を棒で攪拌しながらゲル化させたが、廃血液が全てゲル化するまで、凡そ 120秒間を要した。
【0087】
〔比較例3〕
実施例1におけるゲル化材本体を(外袋体に封入しないで)長期間室内にて保存したところ、吸水性樹脂Bの一部に凝集が生じた。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を、水性液体としての廃血液2Lが入った内容積3Lのポリエチレン製容器に投入した。すると、袋体は速やかに破断されず、このため、吸水性樹脂Bは、廃血液中に均一に拡散せずに継粉を生じた。そこで、継粉を無くすべく、廃血液を棒で攪拌しながらゲル化させたが、廃血液が全てゲル化するまで、凡そ 120秒間を要した。
【0088】
〔比較例4〕
実施例1における吸水性樹脂B 100gの代わりに、市販吸水性樹脂B 100gを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用のゲル化材を得た。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としての廃血液2Lが入った内容積3Lのポリエチレン製容器に直ちに投入した。すると、袋体は速やかに破断されず、該袋体である水溶性ポバールフィルムの一部分が市販吸水性樹脂Bの表面に付着した。このため、市販吸水性樹脂Bは、廃血液中に均一に拡散せずに継粉を生じた。そこで、継粉を無くすべく、廃血液を棒で攪拌しながらゲル化させたが、廃血液が全てゲル化するまで、凡そ4分間を要した。
【0089】
〔比較例5〕
実施例1における吸水性樹脂B 100gの代わりに、市販吸水性樹脂C 100gを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用のゲル化材を得た。そして、長期間保存後、ゲル化材本体を外袋体から取り出し、水性液体としての廃血液2Lが入った内容積3Lのポリエチレン製容器に直ちに投入した。すると、袋体は速やかに破断されず、該袋体である水溶性ポバールフィルムの一部分が市販吸水性樹脂Cの表面に付着した。このため、市販吸水性樹脂Cは、廃血液中に均一に拡散せずに継粉を生じた。そこで、継粉を無くすべく、廃血液を棒で攪拌しながらゲル化させたが、廃血液が全てゲル化するまで、凡そ5分間を要した。
【0090】
上記実施例1、参考例1〜3および比較例1〜5の結果から明らかなように、本実施例のゲル化材は、比較用のゲル化材と比較して、水性液体のゲル化に時間がかからず、水性液体を速やかに処理することができることがわかる。また、吸水性樹脂は、水性液体中に一気に拡がり、均一に分散するので、ゲル化の際に水性液体を攪拌する必要がなく、ゲル化作業が簡単化されていることがわかる。さらに、ゲル化材本体を長期間、安定して保存可能であることがわかる。
【0091】
【発明の効果】
本発明の水性液体のゲル化材は、以上のように、少なくとも一部分が水溶性を有する袋体の内部に、袋体を通しての吸水による膨潤体積が上記袋体の最大内容積を越えようとする際に生じる内圧により、該袋体を破断し得るように調整された吸水性樹脂粒子が封入されてなる構成である。また、ゲル化材は、以上のように、上記袋体が、水溶性を有する2枚のシート、若しくは、透水性を有するシートと、水溶性を有するシートとを貼着してなる構成である。さらに、上記袋体が、水溶性を有する接着剤でシートを貼着してなる構成である。その上、ゲル化材は、以上のように、上記吸水性樹脂の吸水速度が 120秒以下であり、膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2以上であり、拡散指数が50mm以上である構成である。
【0092】
それゆえ、水性液体のゲル化に時間がかからず、水性液体を速やかに処理することができるので、取り扱い難い水性液体を、短時間でかつ簡便に、取り扱い易いゲル化物にすることができる。従って、水性液体、即ち、ゲル化物の廃棄が容易となる。また、吸水性樹脂は、水性液体中に一気に拡がり、均一に分散するの
で、ゲル化の際に水性液体を攪拌する必要がなく、ゲル化作業が簡単化される。
【0093】
また、ゲル化材は、以上のように、上記袋体が不透水性の外袋体に封入されている構成である。それゆえ、ゲル化材を、例えば、湿気の多い場所に長期間、安定して保存することができる。
【0094】
これにより、吸水性樹脂が水性液体に速やかに、かつ、均一に分散し、しかも、吸水性樹脂の各種吸水特性を調整することにより、水性液体を速やかにゲル化することができる水性液体のゲル化材を提供することができるという効果を奏する。上記のゲル化材は、水性液体の処理が要求される種々の分野に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図2】 本発明の他の実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図3】 本発明のさらに他の実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図4】 本発明のさらに他の実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図5】 本発明のさらに他の実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図6】 本発明のさらに他の実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図7】 本発明のさらに他の実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図8】 本発明のさらに他の実施例におけるゲル化材を示す概略の断面図である。
【図9】 ゲル化材に供される吸水性樹脂の膨潤拡散圧力の測定に用いられる測定装置の概略の構成を示す断面図である。
【図10】 上記吸水性樹脂の拡散指数の測定に用いられる測定装置の概略の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 水溶性シート
2 透水性シート
3 接着剤
5 不透水性シート
7 不透水性シート(外袋体)
8 不透水性シール(外袋体)
12 吸水性樹脂
13 食塩水

Claims (11)

  1. ポリアクリル酸部分中和物架橋体および/またはデンプン−アクリル酸グラフト重合体からなる吸水性樹脂粒子であって、
    無機微粒子を含み、表面が多孔質であり、
    該吸水性樹脂粒子の表面近傍が、多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価アミン化合物、および多価金属塩からなる群より選ばれる表面処理剤を、表面処理前の吸水性樹脂の固形分 100重量部に対して、 0.001重量部〜10重量部の範囲内で使用することにより表面架橋されており、
    吸水性樹脂粒子1gの生理食塩水( 0.9重量%食塩水,温度30±0.1 ℃)10mlに対する吸水速度が 120秒以下であり、吸水性樹脂粒子 0.5gの生理食塩水10mlでの膨潤拡散圧力が20kdyn/cm2以上であり、吸水性樹脂粒子 0.5gの生理食塩水での10分間の拡散指数が50mm以上であることを特徴とする吸水性樹脂粒子。
  2. 上記無機微粒子は、吸水性樹脂に対して0.01重量%〜5重量%含まれていることを特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂粒子。
  3. 上記表面処理剤が、溶解度パラメータの範囲が異なる二種類以上の架橋剤を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の吸水性樹脂粒子。
  4. 上記表面処理剤が、多価アルコールおよび多価エポキシ化合物の組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の吸水性樹脂粒子。
  5. アクリル酸またはその塩の単量体を水溶液とし、発泡剤を添加した後、該単量体を重合させてなることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の吸水性樹脂粒子。
  6. ポリアクリル酸部分中和物架橋体および/またはデンプン−アクリル酸グラフト重合体からなる吸水性樹脂粒子の製造方法であって、
    アクリル酸またはその塩の単量体を水溶液とし、発泡剤を添加した後、該単量体を重合させ、
    吸水性樹脂粒子の表面近傍を、多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価アミン化合物、および多価金属塩からなる群より選ばれる表面処理剤を、表面処理前の吸水性樹脂粒子の固形分 100重量部に対して、 0.001重量部〜10重量部の範囲内で使用することにより、吸水性樹脂粒子の表面架橋を施した後に
    無機微粒子を、吸水性樹脂に対して0.01重量%〜5重量%添加することを特徴とする吸水性樹脂粒子の製造方法。
  7. 上記表面処理剤が、溶解度パラメータの範囲が異なる二種類以上の架橋剤を組み合わせたものであることを特徴とする請求項6に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  8. 上記単量体の水溶液に、水溶性高分子および界面活性剤からなる群より選ばれる、上記発泡剤の分散安定剤を更に添加した後に、上記単量体を重合させることを特徴とする請求項6または7に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
  9. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の吸水性樹脂粒子を含む水性液体のゲル化材であって、
    少なくとも一部分が水溶性を有する袋体の内部に、袋体を通しての吸水による膨潤体積が上記袋体の最大内容積を越えようとする際に生じる内圧により、該袋体を破断し得るように調整された該吸水性樹脂粒子が封入されてなることを特徴とする水性液体のゲル化材。
  10. 水性液体を、ゲル化物にすることにより、ゲル化物を廃棄するために用いられ、請求項1ないし5の何れか1項に記載の吸水性樹脂粒子を含むことを特徴とする水性液体のゲル化材。
  11. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の吸水性樹脂粒子を含む衛生材料。
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