JP2016098396A - スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び導電性フィルム - Google Patents

スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び導電性フィルム Download PDF

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【課題】より高い光線透過性及び導電性を有する透明導電性酸化物薄膜を提供すること。【解決手段】60〜87モル%のZnOと10〜25モル%のGa2O3とを含み、更にTiO2、SnO2から選ばれた少なくとも1種類の酸化物を含有したスパッタリングターゲットであって、TiO2、及びSnO2の含有量の総和は1〜15モル%であり、ZnOを主成分とするマトリクス中にGa2O3を主成分とする粒子とTiO2、SnO2から選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子とが分散した構造を有し、Ga2O3を主成分とする粒子とTiO2、SnO2から選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子の平均粒径が共に1.5〜10μmである、スパッタリングターゲット。【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び該透明導電性酸化物薄膜を有する導電性フィルムに関する。
透明導電性酸化物薄膜は、光線透過性と導電性とを兼ね備えるため、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、及びエレクトロルミネッセンスパネル(有機EL、無機EL)などのディスプレイ、並びに、タッチパネル、太陽電池などの透明電極として使用されている。また、これらの他に、電磁波遮断膜及び赤外線防止膜等にも使用されている。
透明導電性酸化物薄膜を成膜する方法としては、スパッタリング法が頻繁に用いられる。特許文献1には、酸化ガリウム(Ga)がドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)系スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により、薄層トランジスタ用の遮断膜を成膜することが記載されている。
特開2014−5538号公報
近年、スマートフォン及びタブレット端末が急速に普及していることなどに伴い、ディスプレイ、タッチパネル等の機器にはさらなる性能の向上が求められている。そのため、このような機器で使用される透明導電性酸化物薄膜としては、光線透過性及び導電性の両方がより高い水準であるものが望まれている。また、それらの透明導電性酸化物薄膜を成膜するためのスパッタリングターゲットの製造過程では、十分高い焼成歩留が要求される。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高い光線透過性及び導電性を兼ね備えた透明導電性酸化物薄膜を成膜することが可能で、高い焼成歩留で製造できるスパッタリングターゲット、それを用いて成膜される透明導電性酸化物薄膜、及び該透明導電性酸化物薄膜を有する導電性フィルムを提供することを目的とする。
本発明のスパッタリングターゲットは、60〜87モル%のZnOと10〜25モル%のGaとを含み、更にTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を含有したスパッタリングターゲットであって、TiO、及びSnOの含有量の総和は1〜15モル%であり、ZnOを主成分とするマトリクス中にGaを主成分とする粒子とTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子とが分散した構造を有し、Gaを主成分とする粒子とTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子の平均粒径が共に1.5〜10μmである。上記スパッタリングターゲットは、その製造過程において十分高い焼成歩留を有し、そのスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により成膜された透明導電性酸化物薄膜は、高い光線透過性及び導電性を兼ね備える。
本発明は、上記スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により成膜された透明導電性酸化物薄膜を提供する。本発明の透明導電性酸化物薄膜は高い光線透過性及び導電性を兼ね備えるため、タッチパネル、ディスプレイ等の用途に好適に用いることができる。
また、本発明は、基材と、基材上に成膜された上記透明導電性酸化物薄膜とを備える導電性フィルムを提供する。
本発明によれば、高い光線透過性及び導電性を兼ね備える透明導電性酸化物薄膜を成膜することが可能で、高い焼成歩留で製造できるスパッタリングターゲット、それを用いて成膜される透明導電性酸化物薄膜、及び該透明導電性酸化物薄膜を有する導電性フィルムを提供することができる。
本実施形態に係る積層体の模式図を示す。
(スパッタリングターゲット)
本実施形態に係るスパッタリングターゲットは、60〜87モル%のZnOと10〜25モル%のGaとを含み、更にTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を含有したスパッタリングターゲットであって、TiO、及びSnOの含有量の総和は1〜15モル%であり、ZnOを主成分とするマトリクス中にGaを主成分とする粒子とTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子とが分散した構造を有し、Gaを主成分とする粒子とTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子の平均粒径が共に1.5〜10μmである。なお、主成分とは、上記スパッタリングターゲット、粒子、及びマトリクスのそれぞれにおいて主成分として記載された成分が、最大モル比を占めていることを意味する。
GaとZnO及びTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物の合計量は、スパッタリングターゲットの構成成分の全モル量に対して、95モル%以上が好ましく、99モル%以上がより好ましい。
また、本実施形態に係るスパッタリングターゲットは、上記以外に不可避的不純物粒子を含むことができる。不可避不純物粒子としては、例えば、Fe、Al、Si、Na、Nb、Pb等を含む粒子が挙げられ、それぞれ、1000mass ppm程度まで許容することができる。
上記Gaを主成分とする粒子におけるGaの含有量は、当該粒子に含まれる構成成分の全モル量に対して60モル%以上であると、スパッタリングターゲットの電気抵抗値が小さくなるため好ましい。また、上記Gaを主成分とする粒子の平均粒径としては、3〜9μmであるとより好ましい。なお、平均粒径は、例えば、断面電子顕微鏡写真の定方向接線径の平均値より取得できる。また、本発明に係わる諸検討において、Gaを主成分とする粒子の平均粒径が10μmを超えるスパッタリングターゲットの試作も行ったが、平均粒径が10μmを超えるものは、焼成工程の歩留が悪化し安定して作製できなかった。
また、上記マトリクスにおけるZnOの含有量は、当該マトリクスに含まれる構成成分の全モル量に対して60モル%以上であると、スパッタリングターゲットの電気抵抗値が小さくなるため好ましい。
上記TiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子における上記TiO、SnOの含有量は、当該粒子に含まれる構成成分の全モル量に対して60モル%以上であると、焼成工程の歩留が90%以上となり安定して作製することが可能となるため好ましい。また、上記TiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子の平均粒径としては、3〜9μmであるとより好ましい。なお、本発明に係わる諸検討において、TiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子の平均粒径が10μmを超えるスパッタリングターゲットの試作も行ったが、平均粒径が10μmを超えるものは、焼成工程の歩留が悪化し安定して作製できなかった。
スパッタリングターゲットの形状や大きさ等は特に限定されず、例えば、直径127〜300mm程度の円板とすることができる。
上記スパッタリングターゲットは、電気抵抗値(比抵抗)を0.01Ωcm以下とすることができる。このようにスパッタリングターゲット自体の電気抵抗値が小さいため、本実施形態のスパッタリングターゲットは、DCスパッタリング法による成膜に使用することができる。
また、スパッタリングターゲットの密度としては、5.59〜6.18gcmであることが好ましい。スパッタリングターゲットの密度をこのような範囲とすることで、電気抵抗値(比抵抗)が0.01Ωcm以下となる傾向がある。
(スパッタリングターゲットの製造方法)
本実施形態にかかるスパッタリングターゲットの製造方法の一例について説明する。
まず、所望のスパッタリングターゲットと同じ組成を有する原料粉体を用意する。原料粉体には、Ga粉末、ZnO粉末及びTiO粉末、SnO粉末から選ばれた少なくとも1種類の酸化物が含まれる。
Ga粉末の純度は99.9質量%以上であることが好ましい。Gaの粉末の平均粒径が1〜10μmであると、スパッタリングターゲットの構造が上述の分散構造となりやすいため好ましい。
ZnO粉末の純度は99.5質量%以上であることが好ましい。また、ZnOの粉末の平均粒径は特に限定されないが、0.1〜10μmであると、焼結性を高くなる傾向にあるため好ましい。
TiO粉末、SnO粉末の純度は99.9質量%以上であることが好ましい。また、これらの粉末の平均粒径は特に限定されないが、0.1〜10μmであると、焼成工程の歩留が向上するため好ましい。
上述の各成分の粉末を混合することにより、原料粉体を得る。混合方法は特に限定されないが、ボールミル中で混合することが好ましい。ボールミル中での混合は、乾式でも、湿式でもよい。湿式の場合には、溶媒として、例えばエタノール、アセトン、変性アルコールなどを使用できる。ボールミルにおける混合機及び混合媒体としては、例えば、それぞれアルミナポット及びアルミナボールを挙げることができる。混合時間は、特に限定されないが、12〜30時間であると、Gaを主成分とする粒子の平均粒径が1.5μm〜10μmとなりやすいため好ましい。
続いて、得られた原料粉体を、真空雰囲気下でホットプレスすることにより成形体を得る。プレス方法は特に限定されず、等方プレスでも、一軸プレスでもよい。プレス圧も特に限定されないが、例えば、15〜49MPa(150〜500kgf/cm)とすることができる。焼成温度は900〜1100℃とすることが好ましい。焼成温度における安定時間は特に限定されないが、1〜5時間とすることができる。
上記成形体を焼成することにより得られた焼結体を所定の大きさに切断等の加工をして、スパッタリングターゲットが完成する。スパッタリングターゲットの形状や大きさ等は特に限定されず、例えば、直径127〜300mm程度の円板とすることができる。
(透明導電性酸化物薄膜の製造方法)
以下、本実施形態に係るスパッタリングターゲットを使用した薄膜の製造方法の一例について説明する。
まず、上記スパッタリングターゲットを用意する。スパッタリングターゲットの主面に銅製の冷却板をInなどでボンディングする。
冷却板を取り付けたスパッタリングターゲットをスパッタリング装置に搭載し、スパッタリングガス雰囲気下でスパッタリング法を行って基材上に透明導電性酸化物薄膜を成膜する。スパッタリング法としては、DCスパッタリング法及びRFスパッタリング法のいずれであってもよいが、安価な電源を使用できる点、成膜速度が大きい点、基材の温度上昇が少ない点等からDCスパッタリング法であることが好ましい。また、マグネトロンスパッタリングであってもよい。スパッタリングガスとしては、Ar等の希ガスを用いることができる。
上記のとおり成膜することにより、透明導電性酸化物薄膜を得ることができる。本実施形態に係る透明導電性酸化物薄膜は、光線透過性及び導電性に優れる。また、リン酸、酢酸、硝酸等によるエッチング性が良好であり、精細なパターンの電極を作製することも可能である。
透明導電性酸化物薄膜の屈折率としては、特に制限はなく、薄膜の用途によって適宜調節することができるが、例えば、波長380nmの光に対して、1.8〜2.0とすることができる。また、透明導電性酸化物薄膜は、可視光領域全体にわたって透明であり、例えば、その光線透過率を、380〜800nmの波長範囲にわたって、93%以上とすることができる。透明導電性酸化物薄膜の導電性としては、例えば、表面抵抗で1E+4〜1E+5Ω/□とすることができる。
上記透明導電性酸化物薄膜の厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜調節可能であるが、光線透過性及び導電性を両立する観点から、20〜100nmであることが好ましい。
上記透明導電性酸化物薄膜の用途としては、タッチパネルの抵抗膜、ディスプレイ等の透明電極などが挙げられる。
(透明導電性酸化物薄膜を用いた導電性フィルム)
上記透明導電性酸化物薄膜を用いて、図1に示す導電性フィルム100を作製することができる。導電性フィルム100は、フィルム基材11上に、金属酸化物層13、及びAg合金層15、ZnO−Ga層17をこの順に積層したものである。ZnO−Ga層17は、上記透明導電性酸化物薄膜である。ZnO−Ga層17には配線電極用の金属配線(図示せず)が設けられる。
フィルム基材11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、並びにトリアセチルセルロースフィルム等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルムなどの有機樹脂フィルムが挙げられる。フィルム基材11の厚みは、例えば10〜200μmである。このようなフィルム基材11は、透明であり、かつ柔軟性に優れるため、上記積層体をタッチパネル、フレキシブルな有機EL照明等の透明電極、又は電磁波シールドとしても用いる場合に有用である。
金属酸化物層13は、上記の透明導電性酸化物薄膜により形成されていてもよいが、それ以外の金属酸化物の層であってもよい。金属酸化物層13を形成する金属酸化物としては、特に限定されないが、ZnOを主成分として、In、TiO、Al、SiO、Ga、GeO、SnO、Nb、MgO、CaO、BaO、Sb、Bi、ZrOの少なくとも1種類を含む金属酸化膜であることが好ましい。このような組成であればDCスパッタリングが可能で、高透明性、高腐食耐性な金属酸化膜を得ることが可能となる。
金属酸化物層13の厚さは、例えば、20〜70nmであると、種々のタッチパネルに適した厚さとなるため好ましい。
金属酸化物層13は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又はCVD法などの真空成膜法によって作製することができる。これらのうち、成膜室を小型化できる点、及び、成膜速度が速い点で、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法としては、DCマグネトロンスパッタリング法が挙げられる。スパッタリングターゲットとしては、酸化物ターゲット、金属又は半金属ターゲットを用いることができる。
Ag合金層15は、銀を含む合金の層である。Ag合金を構成するAg以外の金属元素としては、Au、Pd、Nd、Bi,Cu、Sb、Bi、In、Sn、Ge、Nb、Ti、Ru、Al、Ga及びGdから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。好ましいAg合金としては、Ag−Pd、Ag−Cu、Ag−Bi、Ag−Nd、Ag−In及びAg−Nbが挙げられる。このようなAg合金は、添加物を含有していてもよい。Ag合金層15における添加物の含有量は、例えば0.3〜2.5重量%である。該含有量が0.3重量%よりも少ない場合、耐食性向上の効果が得難くなる傾向にある。一方、該含有量が、2.5重量%を超えると、全光線透過率が低下する傾向、又は抵抗値が高くなる傾向にある。金属層16の厚さは、種々の用途に適した厚さとする観点から、例えば3〜15nmである。
Ag合金層15は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又はCVD法などの真空成膜法によって作製することができる。これらのうち、成膜室を小型化できる点、及び成膜速度が大きい点で、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法としては、DCマグネトロンスパッタリング法が挙げられる。スパッタリングターゲットとしては、上記組成のAg合金ターゲットを用いることができる。
本実施形態に係る導電性フィルム100は、金属配線側に上記透明導電性酸化物薄膜の層が形成されているため、Ag合金層15の腐食を防止することができ、Ag合金層15の高導電性をメタル配線に伝達可能であり、かつ光学干渉効果による透過率を向上するという効果も得られる。このような導電性フィルムは、タッチパネル用途に好適に用いることができる。なお、上記透明導電性酸化物薄膜を有する導電性フィルムはこの態様に限定されないことは言うまでもない。
実施例1〜17、及び比較例1〜22の各スパッタリングターゲットの原料として、表1に示される比率でZnO粉末、Ga粉末及びTiO粉末、SnO粉末を用意した。ZnO粉末の純度は99.5%、平均粒径は0.5μm、Ga粉末の純度は99.9%、平均粒径は2μm、TiO粉末の純度は99.9%、平均粒径は0.6μm、SnO粉末の純度は99.9%、平均粒径は3μmであった。これらの粉末を、アルミナ製のボールミルポット中で、媒体としてアルミナボールを使用し、それぞれ表1に示される混合時間で混合して原料粉体を得た。混合は湿式で行い、溶媒として変性アルコールを使用した。
得られた原料粉体を、真空雰囲気下、グラファイトモールド中でホットプレス焼成して焼結体を得た。ホットプレス焼成の条件は、ホットプレス圧力20MPa(200kgf/cm)、焼成温度1000℃、安定時間120分であった。
得られた焼結体を、平面研削盤と円筒研磨機により200mmφ、厚さ6mmに切り出してスパッタリングターゲットを得た。実施例6のスパッタリングターゲットについて断面電子顕微鏡写真の定方向接線径の平均値より平均粒径を取得した。ZnOを主成分とするマトリクス中にGaを主成分とする粒子とSnOを主成分とする粒子が分散した構造を有し、上記Gaを主成分とする粒子と上記SnOを主成分とする粒子の平均粒径は共に4μmであった。そして、同様の方法で各スパッタリングターゲットにおけるGaを主成分とする粒子とTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子の平均粒径を取得した。結果を表1に示す。同一の焼成条件であれば、Gaを主成分とする粒子の平均粒径と上記TiO等を主成分とする粒子の平均粒径はほぼ同等となる
(スパッタリングターゲットの評価)
(1)電気抵抗値(比抵抗)
実施例1〜17及び比較例1〜22で得られた各スパッタリングターゲットについて、比抵抗測定器を用いてJIS K−7194に規定される4探針法により電気抵抗値を測定した結果を表1に示す。
(2)焼成工程の歩留
実施例1〜17及び比較例1〜22で得られた各スパッタリングターゲットについて、
焼成工程の歩留が90%以上の好適であるものを○、80%以上から90%未満であるものを△、80%未満の不適であるものを×とした。
Figure 2016098396
実施例1〜17及び比較例1〜22の各スパッタリングターゲットを用いたDCスパッタリング法により、厚さ100μmのPET基材上に透明導電性酸化物薄膜を成膜した。成膜された各透明導電性酸化物薄膜の厚さはいずれも70nmとした。スパッタリングガスとしてはArとOガスとを用い、スパッタリング圧力を0.48Pa、Oガス量をO/Ar=1.6%とした。成膜パワーは1.0kWとし、成膜時間を調整した。
(透明導電性酸化物薄膜の評価)
実施例1〜17及び比較例1〜22の各スパッタリングターゲットを用いて成膜された透明導電性酸化物薄膜について、4端子抵抗率計(商品名:ロレスタGP、三菱化学株式会社製)を用いて表面抵抗値を測定した。また、分光色差計(商品名:CM−5、コニカミノルタ製)を用いて、波長380nmにおける屈折率及び光線透過率を測定した。それぞれ結果を表2に示す。
Figure 2016098396
11…フィルム基材、13…金属酸化物層、15…Ag合金層、17…ZnO−Ga層(透明導電性酸化物薄膜)、100…導電性フィルム

Claims (3)

  1. 60〜87モル%のZnOと10〜25モル%のGaとを含み、更にTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を含有したスパッタリングターゲットであって、
    TiO、及びSnOの含有量の総和は1〜15モル%であり、
    ZnOを主成分とするマトリクス中にGaを主成分とする粒子とTiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子とが分散した構造を有し、
    前記Gaを主成分とする粒子と前記TiO、SnOから選ばれた少なくとも1種類の酸化物を主成分とする粒子の平均粒径が共に1.5〜10μm
    であるスパッタリングターゲット。
  2. 請求項1に記載のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により成膜された透明導電性酸化物薄膜。
  3. 基材と、
    該基材上に成膜された、請求項2に記載の透明導電性酸化物薄膜と、
    を備える導電性フィルム。
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