JP2016096299A - 半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂の収縮や膨張によるコリメートレンズの位置ずれを効果的に低減することができるとともに、コストの大幅な上昇を伴うことなく高い歩留まりで製造可能な半導体レーザ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Z方向に向けてレーザ光Lを射出する半導体レーザ素子13と、半導体レーザ素子13から射出されるレーザ光Lの成分のうちY方向の成分をコリメートするコリメートレンズ14と、X方向に垂直なレンズ取付面P11を有するレンズ固定ブロック15とを備えており、コリメートレンズ14のX方向における端部の一方は、レンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11に固定用樹脂Jにより固定されており、固定用樹脂Jにより固定されたコリメートレンズの端部における交差する2面にはフィレットF1,F2が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置及びその製造方法に関する。
半導体レーザ装置は、気体レーザや固体レーザに比べて、小型であって消費電力が小さい(エネルギー変換効率が高い)等の特徴を有することから、民生用途(例えば、光ピックアップの光源)及び工業用途(例えば、ファイバレーザの励起光源)において広く用いられている。このような半導体レーザ装置は、レーザ光を射出する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から射出されたレーザ光をコリメートするためのコリメートレンズとを備える。
ここで、半導体レーザ素子から射出されるレーザ光は、半導体レーザ素子のpn接合面に平行な方向(スロー軸)よりも垂直な方向(ファスト軸)に大きく広がる。このため、上記のコリメートレンズとしては、半導体レーザ素子から射出されたレーザ光のファスト軸の成分をコリメートするコリメートレンズ(FACレンズ:ファスト軸コリメートレンズ)が用いられる。
以下の特許文献1には、半導体レーザ素子が搭載された基台上にレンズ固定台を設け、このレンズ固定台上にコリメートレンズを樹脂固定して、半導体レーザ素子のレーザ光射出部にコリメートレンズが対面配置されるようにした半導体レーザ装置が開示されている。また、以下の特許文献1には、上部が凹型とされたレンズ固定台を基台上に設け、このレンズ固定台の凹部内にコリメートレンズの一部を非接触状態で配置して樹脂固定することで、樹脂の収縮(例えば、硬化収縮)や膨張(例えば、吸湿膨張)によるコリメートレンズの位置ずれを低減するようにした半導体レーザ装置も開示されている。
また、以下の特許文献2には、半導体レーザ素子が搭載された基台上にレンズ固定台を設け、このレンズ固定台によってコリメートレンズを軸方向に挟み込むようにしてコリメートレンズの両端を樹脂固定した半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置では、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズの位置ずれが、コリメートレンズの長さ方向(スロー軸に沿う方向)に制限されるため、ファスト軸に沿う方向及びレーザ光の射出方向に沿う方向のコリメートレンズの位置ずれが低減される。
特開2011−187525号公報 特開2004−273545号公報
ところで、上述した特許文献1に開示された1つ目の半導体レーザ装置は、コリメートレンズがレンズ固定台上に樹脂固定された構造であるため、樹脂の収縮や膨張が生ずるとコリメートレンズがファスト軸に沿う方向に位置ずれして性能低下が生ずるという問題がある。これに対し、上述した特許文献1に開示された2つ目の半導体レーザ装置は、上部が凹型とされたレンズ固定台に樹脂固定された構造であるため、コリメートレンズの位置ずれは低減されるものの、上部が凹型のレンズ固定台を用いる必要があることからコストが上昇してしまうという問題がある。
また、上述した特許文献2に開示された半導体レーザ装置は、コリメートレンズの両端がレンズ固定台に樹脂固定された構造である。このような構造において、固定強度を高めるには、コリメートレンズの両端においてフィレットが形成されるように樹脂固定する必要がある。ここで、フィレットとは、固着されるべき面の間からはみ出した樹脂をいい、ここではコリメートレンズの端面とレンズ固定台との間からはみ出してコリメートレンズの側面に広がった樹脂をいう。
しかしながら、コリメートレンズの側面にフィレットが形成されると、ファスト軸に沿う方向及びレーザ光の射出方向に沿う方向における樹脂の重心とレンズの重心との距離が大きくなる。樹脂の収縮や膨張は、樹脂の重心を基準として行われる(樹脂の重心に向かって収縮し、樹脂の重心を中心として膨張する)ことから、上記の通り重心間の距離が大きくなると、ファスト軸に沿う方向及びレーザ光の射出方向に沿う方向におけるコリメートレンズの位置ずれが生ずるという問題がある。
また、上述した特許文献1,2に開示された半導体レーザ装置においては、長さの短いコリメートレンズを用いることにより、小型化及びコストの低減を図ることができると考えられる。このような、長さの短いコリメートレンズを用いる場合には、レンズ固定台をコリメートレンズとともに、半導体レーザ素子のレーザ光射出部に近接配置させる必要がある。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された2つ目の半導体レーザ装置では、レンズ固定台の凹部内にコリメートレンズの一部が配置される構造であるため、コリメートレンズを半導体レーザ素子のレーザ光射出部に近接配置するには、凹部の側壁の厚みを薄くする必要があり、コストが大幅に上昇してしまうと考えられる。また、上述した特許文献2に開示された半導体レーザ装置では、レンズ固定台に塗布される樹脂(コリメートレンズを固定するための樹脂)が半導体レーザ素子のレーザ光射出部に付着してしまい、歩留まりが悪くなってしまうと考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂の収縮や膨張によるコリメートレンズの位置ずれを効果的に低減することができるとともに、コストの大幅な上昇を伴うことなく高い歩留まりで製造可能な半導体レーザ装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の半導体レーザ装置は、第1方向(Z方向)に向けてレーザ光(L)を射出する半導体レーザ素子(13)と、該半導体レーザ素子から射出されるレーザ光の成分のうち前記第1方向に垂直な第2方向(Y方向)の成分をコリメートするコリメートレンズ(14)と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向(X方向)に対して垂直なレンズ取付面(P11)を有するレンズ固定ブロック(15)とを備える半導体レーザ装置(1)において、前記コリメートレンズの前記第3方向における端部の一方(E)は、前記レンズ固定ブロックの前記レンズ取付面に固定用樹脂(J)により固定されており、前記固定用樹脂により固定された前記コリメートレンズの端部における交差する2面(P2、P3)にはフィレット(F1、F2)が形成されていることを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記コリメートレンズが、前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出した状態で前記レンズ取付面に固定されており、前記フィレットが、前記コリメートレンズの側面であって前記半導体レーザ素子と対面する側とは反対側の側面(P2)と、前記コリメートレンズの端面であって前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出した部分の端面(P3)とに形成されていることを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記コリメートレンズの側面に形成されるフィレットが、前記レンズ取付面において前記コリメートレンズに近づくにつれて盛り上がる形状であり、前記コリメートレンズの端面に形成されるフィレットが、前記レンズ固定ブロックの前記レンズ取付面に交差する面であって前記半導体レーザ素子の側を向く面(P12)において前記コリメートレンズに近づくにつれて盛り上がる形状であることを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記コリメートレンズの側面に形成されるフィレットと、前記コリメートレンズの端面に形成されるフィレットとは、体積がほぼ等しいことを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記コリメートレンズが、重心線(CL1)が前記レンズ取付面と交わるように前記レンズ取付面に固定されていることを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記レンズ固定ブロックが、前記レンズ取付面に交差する面であって前記半導体レーザ素子の側を向く面(P12)が、前記コリメートレンズの作動距離に前記コリメートレンズの前記レンズ固定ブロックからのはみ出し量を加えた距離だけ前記半導体レーザ素子から離間する位置に配置されることを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記固定用樹脂が、紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂であることを特徴としえちる。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記第2方向が、前記半導体レーザ素子から射出されるレーザ光のファスト軸に沿う方向であることを特徴としている。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、第1方向(Z方向)に向けてレーザ光(L)を射出する半導体レーザ素子(13)と、該半導体レーザ素子から射出されるレーザ光の成分のうち前記第1方向に垂直な第2方向(Y方向)の成分をコリメートするコリメートレンズ(14)と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向(X方向)に対して垂直なレンズ取付面(P11)を有するレンズ固定ブロック(15)とを備える半導体レーザ装置(1)の製造方法であって、前記レンズ取付面が鉛直上方向を向くように、前記半導体レーザ素子及び前記レンズ固定ブロックが搭載された基板(11)を回転させる第1工程と、前記レンズ固定ブロックの前記レンズ取付面上に固定用樹脂(J)を塗布する第2工程と、鉛直上下方向に沿うようにされた前記コリメートレンズを、前記レンズ取付面の上方から前記固定用樹脂が塗布された位置に配置する第3工程と、前記コリメートレンズ、或いは前記基板を水平移動させ、前記コリメートレンズと前記半導体レーザ素子との相対位置を調整する第4工程と、前記固定用樹脂を硬化させる第5工程とを有することを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、前記2工程が、前記レンズ取付面上の前記コリメートレンズの作動距離よりも離れた位置に前記固定用樹脂を塗布する工程であることを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、前記第4工程が、前記コリメートレンズが前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出した状態となるように、前記コリメートレンズと前記半導体レーザ素子との相対位置を調整する工程であることを特徴としている。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、前記第4工程が、前記コリメートレンズが前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出し、且つ前記コリメートレンズの重心線(CL1)が前記レンズ取付面と交わるように前記コリメートレンズと前記半導体レーザ素子との相対位置を調整する工程であることを特徴としている。
本発明によれば、固定用樹脂により固定されるコリメートレンズの端部における交差する2面にフィレットが形成されており、コリメートレンズの重心線と固定用樹脂の重心線との距離を小さくすることができるため、固定用樹脂の収縮や膨張によるコリメートレンズの位置ずれを効果的に低減することができるという効果がある。
また、本発明によれば、レンズ固定ブロックのレンズ取付面が鉛直上方向を向くように基板を回転させ、レンズ取付面上に固定用樹脂を塗布し、鉛直上下方向に沿うようにされたコリメートレンズを固定用樹脂が塗布された位置に配置し、コリメートレンズを水平移動させてコリメートレンズと半導体レーザ素子との相対位置を調整した後に、固定用樹脂を硬化させるようにしている。このため、固定用樹脂の収縮や膨張によるコリメートレンズの位置ずれを効果的に低減することができる半導体レーザ装置を、コストの大幅な上昇を伴うことなく高い歩留まりで製造することができるという効果がある。
本発明の一実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。 本発明の一実施形態による半導体レーザ装置の正面図である。 本発明の一実施形態による半導体レーザ装置の右側面図である。 本発明の一実施形態による半導体レーザ装置が備えるコリメートレンズを示す斜視図である。 本発明の一実施形態においてコリメートレンズのはみ出し量を説明するための図である。 コリメートレンズの固定強度を説明するための図である。 本発明の一実施形態による半導体レーザ装置の製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態による半導体レーザ装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の一実施形態において、レンズ固定ブロックに塗布される固定用樹脂を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態におけるレンズ固定ブロックの第1変形例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態におけるレンズ固定ブロックの第2変形例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態におけるレンズ固定ブロックの第3変形例を示す平面図である。 本発明の一実施形態におけるコリメートレンズの変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による半導体レーザ装置及びその製造方法について詳細に説明する。尚、以下では理解を容易にするために、図中に設定したXYZ直交座標系(原点の位置は適宜変更する)を必要に応じて参照しつつ各部材の位置関係について説明する。また、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、必要に応じて各部材の寸法を適宜変えて図示している。
〔半導体レーザ装置〕
図1は、本発明の一実施形態による半導体レーザ装置の平面図であり、図2は、同半導体レーザ装置の正面図であり、図3は、同半導体レーザ装置の右側面図である。これら図1〜図3に示す通り、本実施形態の半導体レーザ装置1は、基板11、サブマウント12、半導体レーザ素子13、コリメートレンズ14、及びレンズ固定ブロック15を備えており、半導体レーザ素子13から射出されるレーザ光Lをコリメート(平行光に変換)して外部に射出する。
尚、図1〜図3中に示すXYZ直交座標系は、Z軸の+Z方向(第1方向)がレーザ光Lの射出方向に設定されている。また、このXYZ直交座標系のX軸(第3方向)は、半導体レーザ素子13のpn接合面に平行な方向(スロー軸)と平行になるよう設定され、Y軸(第2方向)は、半導体レーザ素子13のpn接合面に垂直な方向(ファスト軸)と平行になるよう設定されている。
基板11は、上述したサブマウント12、半導体レーザ素子13、コリメートレンズ14、及びレンズ固定ブロック15が搭載される平面視形状が矩形形状の板状部材である。サブマウント12は、その上面に半導体レーザ素子13が搭載される部材であり、平面視でのZ方向の長さが基板11よりも短くされた矩形形状の板状部材である。これら基板11及びサブマウント12は、半導体レーザ素子13の放熱効率を高めるために熱伝導率が高く、且つ温度変化によって生ずる応力を極力低減するために熱膨張率が小さい材料を用いて形成される。例えば、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス、或いはモリブデン(Mo)等の金属が適している。尚、図1〜図3に示す通り、サブマウント12は、基板11の一端部(−Z方向における端部)に取り付けられる。
半導体レーザ素子13は、レーザ光射出部を+Z側に向けてサブマウント12上の中央部(X方向における中央部)に取り付けられており、不図示の駆動回路から駆動電流が供給された場合に、レーザ光Lを+Z方向に向けて射出する。この半導体レーザ素子13から射出されるレーザ光Lの波長は、例えば0.9μm帯である。尚、半導体レーザ素子13は、pn接合面がZX平面に平行となるようにサブマウント12上に搭載されている。
コリメートレンズ14は、半導体レーザ素子13の+Z側に配置され、半導体レーザ素子13から射出されるレーザ光Lのファスト軸の成分をコリメートするFACレンズ(ファスト軸コリメートレンズ)である。尚、コリメートレンズ14は、半導体レーザ素子13から射出されるレーザ光Lのスロー軸の成分をコリメートしない。図4は、本発明の一実施形態による半導体レーザ装置が備えるコリメートレンズを示す斜視図である。
図4に示す通り、コリメートレンズ14は、側面が複数の平面及び円柱面とされた棒状部材である。具体的に、コリメートレンズ14は、半導体レーザ素子13からのレーザ光Lが入射される平面である入射面P1と、レーザ光Lが射出される円柱面である射出面P2とが側面に形成されたX方向に延びる透明な棒状部材である。尚、コリメートレンズ14の側面における入射面P1及び射出面P2以外の部分は、入射面P1と90°の角度をなす平面とされている。このコリメートレンズ14のX方向の長さは2mm程度である。
レンズ固定ブロック15は、例えばガラス等によって形成される略直方体状の部材であり、YZ平面に平行なレンズ取付面P11を有する。このレンズ固定ブロック15は、図1〜図3に示す通り、サブマウント12の+Z側であって、基板11の中央部から−X方向にずれた端部に取り付けられる。尚、このレンズ固定ブロック15は、紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を用いて基板11の上面に固定されている。
コリメートレンズ14の端部E(図4参照)は、レンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11に固定用樹脂Jにより固定されており、コリメートレンズ14は、図1〜図3に示す通り、長手方向がX方向に沿うように半導体レーザ素子13の+Z側に配置されている。尚、上記の固定用樹脂Jとしては、例えば紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を用いることができる。
具体的に、コリメートレンズ14は、レンズ固定ブロック15から半導体レーザ素子13側(−Z側)にはみ出した状態でレンズ取付面P11に片持ち梁状に固定されており、コリメートレンズ14の端部Eにおける交差する2面(射出面P2及び端面P3)にはフィレットF1,F2が形成されている。ここで、フィレットF1,F2は、固着されるべき面(コリメートレンズ14の端面P3とレンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11)の間からはみ出した固定用樹脂Jである。
フィレットF1は、コリメートレンズ14の射出面P2とレンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11とが交差する隅部に形成されており、上記のフィレットF2は、コリメートレンズ14の端面P3とレンズ固定ブロック15の側面P12(レンズ取付面P11に交差する面であって半導体レーザ素子13側を向く面)とが交差する隅部に形成されている。具体的に、フィレットF1は、レンズ取付面P11において、コリメートレンズ14に近づくにつれて盛り上がる形状であり、フィレットF2は、側面P12においてコリメートレンズ14に近づくにつれて盛り上がる形状である。
ここで、レンズ固定ブロック15から半導体レーザ素子13側にはみ出した状態でコリメートレンズ14をレンズ取付面P11に固定するのは、半導体レーザ素子13とレンズ固定ブロック15の距離を極力大きくするとともに、コリメートレンズ14の端面P3にフィレットF2を形成可能とするためである。半導体レーザ素子13とレンズ固定ブロック15の距離が大きくなることで、コリメートレンズ14を固定するためにレンズ固定ブロック15に塗布される固定用樹脂Jが、半導体レーザ素子13のレーザ光射出部に付着するのを防止することができる。
また、コリメートレンズ14の端部Eにおける交差する2面(射出面P2及び端面P3)にフィレットF1,F2を形成するのは、レンズ固定ブロック15に対するコリメートレンズ14の固定強度を高めるとともに、固定用樹脂Jの収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ14のZ方向の位置ずれを低減するためである。一般的に、2つの部材を樹脂固定する場合に、固定強度は、フィレットが形成されていないものよりもフィレットが形成されているもののほうが高くなる。このため、上記のフィレットF1,F2を形成してレンズ固定ブロック15に対するコリメートレンズ14の固定強度を高めるようにしている。
また、固定用樹脂Jの収縮や膨張は、固定用樹脂Jの重心を基準として行われる(固定用樹脂Jの重心に向かって収縮し、固定用樹脂Jの重心を中心として膨張する)ため、固定用樹脂Jの収縮や膨張した際にコリメートレンズ14に作用する力は、固定用樹脂Jの重心とコリメートレンズ14の重心との距離が大きい程大きくなる。フィレットF1,F2を形成してZ方向における固定用樹脂Jの重心の位置とZ方向におけるコリメートレンズ14の重心の位置との距離を小さくすることで、固定用樹脂Jの収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ14のZ方向の位置ずれを低減するようにしている。
ここで、コリメートレンズ14のはみ出し量(レンズ固定ブロック15から半導体レーザ素子13側へのはみ出し量)について説明する。図5は、本発明の一実施形態においてコリメートレンズのはみ出し量を説明するための図である。半導体レーザ素子13に対する固定用樹脂Jの付着を防止する観点からは、図5(b)に示す通り、コリメートレンズ14のはみ出し量を極力大きくすることが望ましい。
尚、図5(b)に示す例において、コリメートレンズ14のはみ出し量は、コリメートレンズ14の重心線(重心を通るX軸に平行な線)CL1がレンズ取付面P11と交わらない程度にまで大きく設定されている。これに対し、固定用樹脂Jの重心線CL2は、レンズ取付面P11と交わっている。これは、固定用樹脂Jが塗布されるレンズ取付面P11上にフィレットF1が位置しており、フィレットF1の体積はフィレットF2の体積よりも大きくなる傾向があるからである。
しかしながら、コリメートレンズ14のはみ出し量が大きくなるにつれて、重心線CL1,CL2間の距離(Z方向における固定用樹脂Jの重心の位置とZ方向におけるコリメートレンズ14の重心の位置との距離)ΔZが大きくなる。この距離ΔZを大きくしすぎると、固定用樹脂Jの収縮や膨張によるコリメートレンズ14のZ方向の位置ずれが生じてしまう。このため、図5(a)に示す通り、コリメートレンズ14のはみ出し量は、コリメートレンズ14の重心線CL1がレンズ取付面P11と交わる範囲に留めるのが望ましい。
尚、レンズ固定ブロック15は、基板11上において、コリメートレンズ14の作動距離(ワーキング・ディスタンス)と、コリメートレンズ14のレンズ固定ブロック15からのはみ出し量とを考慮した位置に取り付けられる。具体的には、レンズ固定ブロック15の側面P12が、コリメートレンズ14の作動距離にコリメートレンズ14のレンズ固定ブロック15からのはみ出し量を加えた距離だけ半導体レーザ素子13から+Z方向に離間する位置に取り付けられる。
また、図5(a)に示す例では、図5(b)に示す例よりも、重心線CL1,CL2間の距離ΔZを小さくすることができるものの、重心線CL1,CL2間の距離ΔZが零ではない。これは、主に、フィレットF1,F2の体積差(フィレットF1の体積がフィレットF2の体積よりも大である)によるものであると考えられる。そこで、フィレットF1,F2の体積をほぼ等しくすれば、重心線CL1,CL2間の距離ΔZをほぼ零にすることができ、これにより固定用樹脂Jの収縮や膨張によるコリメートレンズ14のZ方向の位置ずれをほぼ生じなくすることができると考えられる。
図6は、コリメートレンズの固定強度を説明するための図である。ここでは、図6(a)に示す通り、コリメートレンズ14の固定部分にフィレットが形成されていないもの、図6(b)に示す通り、コリメートレンズ14の固定部分にフィレットF1のみが形成されているもの、及び図6(c)に示す通り、コリメートレンズ14の固定部分にフィレットF1,F2が形成されているものの固定強度について説明する。
図6(a)に示すものは、図6(b),(c)に示すものに比べて固定強度が著しく小さく、例えば10分の1程度の固定強度しか得られない。これは、図6(a)に示すものにフィレットが全く形成されていないことが原因であると考えられる。図6(b),(c)に示すものは、固定強度がほぼ同じである。これは、図6(c)に示す通り、コリメートレンズ14をレンズ固定ブロック15からはみ出させることによって、コリメートレンズ14とレンズ固定ブロック15の接着面積は小さくなるものの、フィレットF1に加えてフィレットF2が形成されることで、接着面積の減少が補われるためであると考えられる。
このように、図6(c)に示すものは、コリメートレンズ14がレンズ固定ブロック15からはみ出した状態でレンズ取付面P11に取り付けられているものの、図6(b)に示すものと同程度の固定強度が得られる。尚、図6(c)に示す通り、コリメートレンズ14をレンズ固定ブロック15からはみ出した状態にすることで、図6(a),(b)に示すものよりも、コリメートレンズ14を半導体レーザ素子13に近づけることが可能となる。
以上の通り、本実施形態の半導体レーザ装置1は、固定用樹脂Jにより固定されるコリメートレンズ14の端部Eにおける交差する2面(射出面P2及び端面P3)にフィレットF1,F2が形成されており、コリメートレンズ14の重心線CL1と固定用樹脂Jの重心線CL2との距離ΔZを小さくすることができる。このため、固定用樹脂Jの収縮や膨張によるコリメートレンズ14の位置ずれを効果的に低減することができる。
〔半導体レーザ装置の製造方法〕
図7は、本発明の一実施形態による半導体レーザ装置の製造方法を説明するための斜視図であり、図8は、同製造方法を示す工程図である。尚、図7においては、半導体レーザ素子13から射出されるレーザ光Lのスロー軸の成分をコリメートするコリメートレンズ16(SACレンズ)を図示している。図示の通り、コリメートレンズ16は、基板11の他端部(サブマウント12が取り付けられている端部とは反対側の端部)に取り付けられている。
尚、半導体レーザ装置1は、サブマウント12、半導体レーザ素子13、及びレンズ固定ブロック15等を基板11上に搭載する工程、コリメートレンズ14をレンズ固定ブロック15に取り付ける工程、その他の工程(例えば、調整工程)が行われることによって製造されるが、ここではコリメートレンズ14をレンズ固定ブロック15に取り付ける工程について説明する。このため、初期状態では、図7に示す通り、サブマウント12、半導体レーザ素子13、及びレンズ固定ブロック15等が基板11上に搭載されているものとする。
半導体レーザ装置1は、回転ステージ(図示省略)、塗布装置AP(図8(b)参照)、及び吸着コレットCT(図7及び図8(c),(d)参照)を用いて製造される。上記の回転ステージは、図7中の符号D1が付された回転方向(図1〜図3におけるZ軸周りの回転方向)に、基板11を90°回転させるステージである。上記の塗布装置APは、レンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11に固定用樹脂Jを塗布する装置である。上記の吸着コレットCTは、コリメートレンズ14を吸着した状態で、図7に示す状態のレンズ取付面P11に直交する方向、図7中の符号D2が付された方向(図1〜図3におけるZ軸に沿う方向)、及び図7中の符号D4が付された方向に移動可能であり、また図7中の符号D3が付された回転方向に微小回転可能である。
まず、図8(a)に示す通り、不図示の回転ステージによって基板11を回転方向D1に90°だけ回転させ、レンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11が鉛直上方向を向くように配置する工程が行われる(第1工程)。次に、図8(b)に示す通り、レンズ固定ブロック15の上方に塗布装置APを配置し、レンズ取付面P11上に固定用樹脂Jを塗布する工程が行われる(第2工程)。
図9は、本発明の一実施形態において、レンズ固定ブロックに塗布される固定用樹脂を模式的に示す図である。図9に示す通り、固定用樹脂Jは、レンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11の略中央部に塗布される。具体的に、固定用樹脂Jは、半導体レーザ素子13のレーザ光射出部の前方であって、コリメートレンズ14の作動距離よりも離れた位置に塗布される。尚、レンズ取付面P11上に塗布される固定用樹脂Jの体積は、図1〜図3等に示すフィレットF1,F2の体積を考慮して設定される。
次いで、コリメートレンズ14(図4に示す端部Eとは反対側の端部が吸着コレットCTに吸着された状態のコリメートレンズ14)を、吸着コレットCTによってレンズ固定ブロック15の上方に搬送し、レンズ取付面P11に塗布された固定用樹脂Jの上方に位置決めさせる。続いて、図8(c)に示す通り、吸着コレットCTを鉛直下方向に移動させ、コリメートレンズ14の端面P3(図4参照)がレンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11に接触するよう(或いは、コリメートレンズ14の端面P3とレンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11との間隔が、予め規定された微小間隔となるよう)に配置する工程が行われる(第3工程)。
そして、図8(d)に示す通り、吸着コレットCTを図中の方向D2に移動させて、コリメートレンズ14を半導体レーザ素子13に近づけるように調心する工程が行われる(第4工程)。具体的には、コリメートレンズ14が、レンズ固定ブロック15から半導体レーザ素子13側にはみ出した状態になるように、コリメートレンズ14と半導体レーザ素子13との相対位置が調整される。このとき、固定用樹脂Jの収縮や膨張によるコリメートレンズ14のZ方向の位置ずれを防止するために、コリメートレンズ14のはみ出し量は、コリメートレンズ14の重心線CL1がレンズ取付面P11と交わる範囲にされる(図5(a)参照)。
以上の工程が行われると、図8(d)に示す通り、コリメートレンズ14の端部Eにおける交差する2面(射出面P2及び端面P3)にフィレットF1,F2が形成される。尚、必要であれば、図7中の方向D4に吸着コレットCTを移動させ、レーザ光Lの射出角度の調整(コリメートレンズ14から射出されるレーザ光Lの角度を基板11に平行に調整)が行われ、或いは、図7中の回転方向D3に吸着コレットCTを微小回転させ、コリメートレンズ14の入射面P1の調整(半導体レーザ素子13のレーザ光射出部に対する入射面P1の角度の調整)が行われる。
以上の工程が終了すると、フィレットF1,F2が形成された状態の固定用樹脂Jを硬化させ、コリメートレンズ14をレンズ固定ブロック15に固定させる工程が行われる(第5工程)。具体的に、固定用樹脂Jが紫外線硬化樹脂である場合には、図8(d)に示す状態の固定用樹脂Jに紫外線を照射して硬化させ、固定用樹脂Jが熱硬化樹脂である場合には、図8(d)に示す状態の固定用樹脂Jを加熱して硬化させる工程が行われる。
以上の通り、本実施形態の半導体レーザ装置1の製造方法では、レンズ固定ブロック15のレンズ取付面P11が鉛直上方向を向くように基板11を回転させ、レンズ取付面P11上に固定用樹脂Jを塗布している。そして、鉛直上下方向に沿うようにされたコリメートレンズ14を固定用樹脂Jが塗布された位置に配置し、コリメートレンズ14を水平移動させてコリメートレンズ14と半導体レーザ素子13との相対位置を調整した後に、固定用樹脂Jを硬化させるようにしている。
これにより、コリメートレンズ14の端部Eにおける交差する2面(射出面P2及び端面P3)にフィレットF1,F2が形成されて、コリメートレンズ14の重心線CL1と固定用樹脂Jの重心線CL2との距離ΔZを小さくされた半導体レーザ装置が得られる。このように、本実施形態の半導体レーザ装置1の製造方法では、固定用樹脂Jの収縮や膨張によるコリメートレンズ14の位置ずれを効果的に低減することができる半導体レーザ装置を製造することができる。
また、本実施形態の半導体レーザ装置1の製造方法では、レンズ取付面P11の固定用樹脂Jが塗布された位置に配置されたコリメートレンズ14を水平移動させて、コリメートレンズ14がレンズ固定ブロック15から半導体レーザ素子13側にはみ出した状態になるようにしている。これにより、レンズ取付面P11上に塗布された固定用樹脂Jが半導体レーザ素子13に付着することがないため、コストの大幅な上昇を伴うことなく高い歩留まりで半導体レーザ装置1を製造することが可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、主に固定用樹脂Jの収縮や膨張によるコリメートレンズ14のZ方向の位置ずれを防止する方法を説明したが、レンズ固定ブロック15の形状を僅かに変えることでY方向の位置ずれも防止することができる。
図10は、本発明の一実施形態におけるレンズ固定ブロックの第1変形例を示す斜視図である。図10に示すレンズ固定ブロック15は、レンズ取付面P11の中央部にZ方向に沿う溝G1が形成されている。この溝G1が形成されることによって、レンズ取付面P11に塗布された固定用樹脂Jは、その表面張力によりY方向に広がるのが規制される一方で、溝G1の長手方向(図8(d)において、コリメートレンズ14が移動する方向D2)に沿って広がりやすくなる。このため、図8(d)に示す工程で、固定用樹脂Jの重心がY方向にずれるのを防止することができる。
図11は、本発明の一実施形態におけるレンズ固定ブロックの第2変形例を示す斜視図である。図11に示す通り、本変形例に係るレンズ固定ブロック15は、レンズ固定ブロック15の側面P12の形状を異ならせたものである。具体的に、図11(a)に示すレンズ固定ブロック15は、レンズ固定ブロック15の側面P12が凹部CV1とされたものであり、図11(b)に示すレンズ固定ブロック15は、レンズ固定ブロック15の側面P12が凸部CV2とされたものである。尚、図11(a),(b)では、理解を容易にするために、凹部CV1及び凸部CV2をそれぞれ誇張して図示している。
図11(a),(b)に示すレンズ固定ブロック15を用いた場合の何れの場合でも、コリメートレンズ14は、側面P12から−Z側にはみ出すように固定される。尚、図11(b)に示すレンズ固定ブロック15では、コリメートレンズ14が側面P12から−Z側にはみ出すようにされ、且つ、コリメートレンズ14が凸部CV2からも−Z側にはみ出すようにされるのが望ましい。
ここで、図11(a)に示すレンズ固定ブロック15では、凹部CV1にフィレットF2が形成され、図11(b)に示すレンズ固定ブロック15では、凸部CV2と側面P12とによって形成される2つの隅部CNにフィレットF2が形成される。図11(a)に示す凹部CV1は側面P12の中央部に形成されており、フィレットF2は側面P12の中央部に形成されることになるため、固定用樹脂Jの重心がY方向にずれるのを防止することができる。また、図11(b)に示す2つの隅部CNは、側面P12の中央部に形成された凸部CV2の両側に位置しているため、これら2つの隅部CNに形成されるフィレットF2の体積を等しくすることで、固定用樹脂Jの重心がY方向にずれるのを防止することができる。
図12は、本発明の一実施形態におけるレンズ固定ブロックの第3変形例を示す平面図である。図12に示す通り、本変形例に係るレンズ固定ブロック15は、レンズ取付面P11の−Z側(側面P12側)に段部DNを形成したものである。このようなレンズ固定ブロック15に対し、コリメートレンズ14は、レンズ取付面P11の段部DNに取り付けられる。図12に示すレンズ固定ブロック15を用いた場合には、コリメートレンズ14を段部DNに配置すれば良いため、レンズ固定ブロック15に対するコリメートレンズ14の取り付け精度を高めることができる。
図13は、本発明の一実施形態におけるコリメートレンズの変形例を示す平面図である。図13に示す通り、本変形例に係るコリメートレンズ14は、端部Eの射出面P2側(図4参照)に段部DNを形成したものである。このようなコリメートレンズ14は、段部DNが固定ブロック15の角部(レンズ取付面P11と側面P12側とが交差する角部)に係合するように取り付けられる。図13に示すコリメートレンズ14を用いた場合には、コリメートレンズ14の段部DNを、固定ブロック15の角部に係合させれば良いため、図12に示す例と同様に、レンズ固定ブロック15に対するコリメートレンズ14の取り付け精度を高めることができる。
尚、上述した実施形態では、図8(d)に示す通り、吸着コレットCTを図中の方向D2に移動させて、コリメートレンズ14を半導体レーザ素子13に近づけるように調心していた。しかしながら、基板11を図7中の方向D2に移動させる移動ステージ(図示省略)を用い、吸着コレットCTを固定したまま、図8(d)中に示す方向D2とは反対方向に基板11を移動させるようにしても良い。
1…半導体レーザ装置、11…基板、13…半導体レーザ素子、14…コリメートレンズ、15…固定ブロック、CL1…重心線、E…端部、F1,F2…フィレット、J…固定用樹脂、L…レーザ光、P2…射出面、P3…端面、P11…レンズ取付面、P12…側面

Claims (12)

  1. 第1方向に向けてレーザ光を射出する半導体レーザ素子と、該半導体レーザ素子から射出されるレーザ光の成分のうち前記第1方向に垂直な第2方向の成分をコリメートするコリメートレンズと、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に対して垂直なレンズ取付面を有するレンズ固定ブロックとを備える半導体レーザ装置において、
    前記コリメートレンズの前記第3方向における端部の一方は、前記レンズ固定ブロックの前記レンズ取付面に固定用樹脂により固定されており、
    前記固定用樹脂により固定された前記コリメートレンズの端部における交差する2面にはフィレットが形成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記コリメートレンズは、前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出した状態で前記レンズ取付面に固定されており、
    前記フィレットは、前記コリメートレンズの側面であって前記半導体レーザ素子と対面する側とは反対側の側面と、前記コリメートレンズの端面であって前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出した部分の端面とに形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記コリメートレンズの側面に形成される前記フィレットは、前記レンズ取付面において前記コリメートレンズに近づくにつれて盛り上がる形状であり、
    前記コリメートレンズの端面に形成される前記フィレットは、前記レンズ固定ブロックの前記レンズ取付面に交差する面であって前記半導体レーザ素子の側を向く面において前記コリメートレンズに近づくにつれて盛り上がる形状である
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記コリメートレンズの側面に形成される前記フィレットと、前記コリメートレンズの端面に形成される前記フィレットとは、体積がほぼ等しいことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記コリメートレンズは、重心線が前記レンズ取付面と交わるように前記レンズ取付面に固定されていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記レンズ固定ブロックは、前記レンズ取付面に交差する面であって前記半導体レーザ素子の側を向く面が、前記コリメートレンズの作動距離に前記コリメートレンズの前記レンズ固定ブロックからのはみ出し量を加えた距離だけ前記半導体レーザ素子から離間する位置に配置されることを特徴とする請求項2から請求項5の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記固定用樹脂は、紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記第2方向は、前記半導体レーザ素子から射出されるレーザ光のファスト軸に沿う方向であることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  9. 第1方向に向けてレーザ光を射出する半導体レーザ素子と、該半導体レーザ素子から射出されるレーザ光の成分のうち前記第1方向に垂直な第2方向の成分をコリメートするコリメートレンズと、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に対して垂直なレンズ取付面を有するレンズ固定ブロックとを備える半導体レーザ装置の製造方法であって、
    前記レンズ取付面が鉛直上方向を向くように、前記半導体レーザ素子及び前記レンズ固定ブロックが搭載された基板を回転させる第1工程と、
    前記レンズ固定ブロックの前記レンズ取付面上に固定用樹脂を塗布する第2工程と、
    鉛直上下方向に沿うようにされた前記コリメートレンズを、前記レンズ取付面の上方から前記固定用樹脂が塗布された位置に配置する第3工程と、
    前記コリメートレンズ、或いは前記基板を水平移動させ、前記コリメートレンズと前記半導体レーザ素子との相対位置を調整する第4工程と、
    前記固定用樹脂を硬化させる第5工程と
    を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  10. 前記2工程は、前記レンズ取付面上の前記コリメートレンズの作動距離よりも離れた位置に前記固定用樹脂を塗布する工程であることを特徴とする請求項9記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  11. 前記第4工程は、前記コリメートレンズが、前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出した状態となるように、前記コリメートレンズと前記半導体レーザ素子との相対位置を調整する工程であることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  12. 前記第4工程は、前記コリメートレンズが前記レンズ固定ブロックから前記半導体レーザ素子の側にはみ出し、且つ前記コリメートレンズの重心線が前記レンズ取付面と交わるように前記コリメートレンズと前記半導体レーザ素子との相対位置を調整する工程であることを特徴とする請求項11記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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