JP2017208483A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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【課題】半導体レーザ素子とコリメートレンズとの相対的な位置ずれを防止して、光ファイバに対する高い結合効率を実現することが可能な半導体レーザ装置を提供する。【解決手段】半導体レーザ装置1は、+Z方向に向けてレーザ光を射出する半導体レーザ素子13a〜13eと、レーザ光の成分のうちY方向の成分をコリメートするコリメートレンズ15a〜15eと、基板11上に固定されて半導体レーザ素子13a〜13eを搭載するサブマウント12a〜12eと、ダミーサブマウント14とを備えており、コリメートレンズ15a〜15eは、対向する半導体レーザ素子13a〜13eを搭載するサブマウント12a〜12eに隣接するサブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pにそれぞれ取り付けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置に関する。
半導体レーザ装置は、民生用途(例えば、光ピックアップの光源)、工業用途(例えば、ファイバレーザの励起光源)、その他の種々の用途において幅広く用いられている。このような半導体レーザ装置は、レーザ光を射出する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から射出されたレーザ光をコリメートするためのコリメートレンズとを備える。半導体レーザ素子から射出されるレーザ光は、半導体レーザ素子のpn接合面に平行な方向(スロー軸)よりも垂直な方向(ファスト軸)に大きく広がることから、ファスト軸の成分をコリメートするコリメートレンズ(FACレンズ:ファスト軸コリメートレンズ)が用いられる。
以下の特許文献1には、半導体レーザ素子が搭載された基板上にレンズ固定台を設け、このレンズ固定台の側面にコリメートレンズの一端を片持ち梁状に樹脂固定した半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置では、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズの位置ずれが、コリメートレンズの長さ方向(スロー軸に沿う方向)に制限されるため、ファスト軸に沿う方向及びレーザ光の射出方向に沿う方向のコリメートレンズの位置ずれが低減される。
また、以下の特許文献2には、半導体レーザ素子が搭載されたサブマウントの側面にレンズ固定台を樹脂固定により取り付け、このレンズ固定台の側面にコリメートレンズの一端を片持ち梁状に樹脂固定した半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置では、コリメートレンズを固定する樹脂のみならず、レンズ固定台を固定する樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズの位置ずれがスロー軸に沿う方向に制限される。
また、以下の特許文献3には、複数の半導体レーザ素子の各々から射出されるレーザ光をコリメートレンズによって個別に平行光に変換し、ミラーで個別に反射させてレーザ光を密に配列した後に、集光レンズで光ファイバに結合させる半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置では、半導体レーザ素子の各々に対し、コリメートレンズが個別に固定されている。
特開2015−128193号公報 特開2014−170888号公報 特開2015−148810号公報
ところで、上述した特許文献1に開示された半導体レーザ装置は、レンズ固定台が基板上に樹脂固定されている構造であるため、レンズ固定台を固定している樹脂の膨張によってレンズ固定台とともにコリメートレンズがファスト軸に沿う方向に位置ずれし、これにより性能低下が生ずるという問題がある。レンズ固定台の位置ずれを抑えるには、基板上においてレンズ固定台を固定している樹脂の厚み(樹脂厚)を極力小さくすれば良い。しかしながら、上記の樹脂には、粘度を高めるためにフィラー(シリカ等の粉末)が含有されており、樹脂厚をフィラーの大きさ(例えば、数十[μm])よりも小さくすることはできない。このようなフィラーを含有する樹脂によってレンズ固定台が樹脂固定されている場合には、レンズ固定台の位置ずれは、フィラーの大きさに樹脂の膨張率を乗算して得られる値程度になる。
ここで、上記のフィラーが含有されていない樹脂を用いれば、樹脂厚をフィラーの大きさよりも小さくすることができるため、レンズ固定台の位置ずれをより抑えることができるとも考えられる。しかしながら、このような樹脂は粘度が低いため、樹脂の拡がり範囲を制御することが困難であるという問題がある。また、樹脂厚が数[μm]程度になると、主剤と硬化剤とが分離する分離現象によって樹脂の硬化不良が生じ、製造歩留まりが悪化するという問題がある。
また、基板に対するレンズ固定台の固定を、樹脂固定に代えてハンダ固定にすれば、上述した樹脂の膨張による位置ずれの問題は生じないと考えられる。しかしながら、一般的にハンダ固定は樹脂固定よりも高価であるとともに、ガラス製のレンズ固定台を金メッキ処理する必要があることから、コストが高くなるという問題がある。ガラス製のレンズ固定台に代えて金属製のレンズ固定台を用い、上述の金メッキ処理を不要とすればコストを低減することができると考えられる。しかしながら、金属製のレンズ固定台はガラス製のレンズ固定台よりも熱膨張率が高いため、樹脂の膨張を考慮して樹脂固定に代えてハンダ固定を用いる意味が全く無くなってしまう。
上述した特許文献2に開示された半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子が搭載されたサブマウントの側面にレンズ固定台が樹脂固定により取り付けられているため、レンズ固定台が基板上に樹脂固定されている特許文献1のような問題は生じない。しかしながら、サブマウントの側面に樹脂を塗布し、コリメートレンズが取り付けられているレンズ固定台の位置を調整(調心)する場合には、半導体レーザ素子から発せられる熱によってサブマウントに塗布した樹脂が調心途中で硬化するという問題がある。これとは逆に、サブマウントの側面に予めレンズ固定台を取り付けておき、レンズ固定台の側面に樹脂を塗布してコリメートレンズの位置を調整する場合には、半導体レーザ素子の射出面に樹脂(コリメートレンズを固定するための樹脂)が回り込んでしまい製造歩留まりが低下するという問題がある。
上述した特許文献3に開示された半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子から光ファイバまでのレーザ光の光路長が半導体レーザ素子毎に異なるため、結合効率が低下するという問題がある。つまり、半導体レーザ素子から射出されるレーザ光は、完全な平行光に変換される訳ではなく、コリメートレンズの性能や固定位置の精度に応じてある拡がり角をもったビームになり、レーザ光の光路長に応じて集光レンズに入射する際のビーム幅が変化する。このようなレーザ光を集光レンズで集光する場合において、集光レンズが球面レンズであるときには、球面収差によって各半導体レーザ素子から射出されるレーザ光が集光される位置が異なってしまい、これにより結合効率が低下するという問題がある。ここで、集光レンズに非球面レンズを用いれば、結合効率を高めることができるとも考えられるが、コストが上昇するという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、半導体レーザ素子とコリメートレンズとの相対的な位置ずれを防止して、光ファイバに対する高い結合効率を実現することが可能な半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の半導体レーザ装置(1〜6)は、第1方向(Z方向)に向けてレーザ光を射出する半導体レーザ素子(13a〜13e)と、レーザ光の成分のうち前記第1方向に垂直な第2方向(Y方向)の成分をコリメートするコリメートレンズ(15a〜15e)と、基板(11)上に固定され、前記半導体レーザ素子を搭載し、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向(X方向)に対して垂直な面であって前記コリメートレンズの前記第3方向における端部(E)の一方が固定用樹脂(J)により固定されるレンズ取付面(P)を有するサブマウント(12a〜12e、21a〜21e、31a〜31e、41a〜41e、42a〜42e、51)と、を備える。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子、前記コリメートレンズ、及び前記サブマウントが複数設けられており、前記コリメートレンズが、対向する前記半導体レーザ素子が搭載されている前記サブマウントに隣接する前記サブマウントの前記レンズ取付面に固定されている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記サブマウントが、予め規定された量だけ前記第1方向に順次ずらしつつ前記第3方向に配列されている。
ここで、本発明の半導体レーザ装置は、前記サブマウントの前記第1方向へのずらし量が、前記半導体レーザ素子の各々から射出されるレーザ光の光路長が同じくなるように規定されている。
或いは、本発明の半導体レーザ装置は、前記サブマウントが、前記第1方向に垂直な面であって前記第1方向を向く第1面よりも前記第1方向に突出する前記レンズ取付面を有しており、前記第1方向における前記第1面の位置が同一又は略同一となるように前記第3方向に配列されている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子を搭載せず、前記レンズ取付面を有するダミーサブマウント(14、22、32)を備えており、前記コリメートレンズの何れか1つが、前記ダミーサブマウントの前記レンズ取付面に固定される。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記固定用樹脂により固定された前記コリメートレンズの端部における交差する2面にはフィレット(F1、F2)が形成されている。
ここで、本発明の半導体レーザ装置は、前記コリメートレンズが、前記サブマウントの前記基板に固定される面とは反対側の上面(P11)からはみ出した状態で前記レンズ取付面に固定されており、前記フィレットが、前記コリメートレンズの側面であって前記基板に近い側の側面(P4)と、前記コリメートレンズの端面であって前記サブマウントの前記上面からはみだした部分の端面(PT)とに形成されている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記サブマウントの高さが、互いに異なるように設定されている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子が、前記サブマウントの前記基板に固定される面とは反対側の上面に形成された段部(CV1、CV2)に搭載されており、前記コリメートレンズが、前記半導体レーザ素子に対向するように前記レンズ取付面に固定されている。
或いは、本発明の半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子及び前記コリメートレンズが複数設けられており、前記サブマウントが、前記第1方向に垂直な面であって前記第1方向を向く第1面(P21)と、前記第3方向に垂直な第2面(P22)とが階段状に形成された側面を有し、前記半導体レーザ素子が、前記サブマウントの前記基板に固定される面とは反対側の上面に前記第1面と対応付けて搭載されており、前記コリメートレンズが、前記レンズ取付面としての前記第2面に固定されている。
また、本発明の半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子の各々に対応して設けられ、前記半導体レーザ素子の各々から射出されるレーザ光を個別に反射する反射光学系(16a〜16e)と、前記反射光学系で反射されたレーザ光を光ファイバ(FB)に集光する集光光学系(17)と、を備える。
本発明によれば、基板上に固定され、第1方向に向けてレーザ光を射出する半導体レーザ素子を搭載するサブマウントのレンズ取付面に、レーザ光の成分のうち第1方向に垂直な第2方向の成分をコリメートするコリメートレンズの端部の一方を固定用樹脂により固定しているため、半導体レーザ素子とコリメートレンズとの相対的な位置ずれが防止されて、光ファイバに対する高い結合効率を実現することが可能であるという効果がある。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の正面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の右側面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置が備えるコリメートレンズを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態において形成されるフィレットを説明するための図である 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置に設けられる反射光学系の構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の正面図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の正面図である。 本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。 本発明の第6実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による半導体レーザ装置について詳細に説明する。尚、以下では理解を容易にするために、図中に設定したXYZ直交座標系(原点の位置は適宜変更する)を必要に応じて参照しつつ各部材の位置関係について説明する。また、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、必要に応じて各部材の寸法を適宜変えて図示している。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の平面図であり、図2は、同半導体レーザ装置の正面図であり、図3は、同半導体レーザ装置の右側面図である。尚、図2,図3では、理解を容易にするために、図1に示した構成の一部の図示を省略している。これら図1〜図3に示す通り、本実施形態の半導体レーザ装置1は、基板11、サブマウント12a〜12e、半導体レーザ素子13a〜13e、ダミーサブマウント14、コリメートレンズ15a〜15e、反射光学系16a〜16e、及び集光光学系17を備えており、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されるレーザ光をコリメート(平行光に変換)してから集光して光ファイバFBに結合させる。
尚、図1〜図3中に示すXYZ直交座標系は、Z軸の+Z方向(第1方向)がレーザ光の射出方向に設定されている。また、このXYZ直交座標系のX軸(第3方向)は、半導体レーザ素子13a〜13eのpn接合面に平行な方向(スロー軸)と平行になるよう設定され、Y軸(第2方向)は、半導体レーザ素子13a〜13eのpn接合面に垂直な方向(ファスト軸)と平行になるよう設定されている。
基板11は、上述したサブマウント12a〜12e、半導体レーザ素子13a〜13e、ダミーサブマウント14、コリメートレンズ15a〜15e、反射光学系16a〜16e、及び集光光学系17が搭載される矩形形状の板状部材である。サブマウント12a〜12eは、その上面に半導体レーザ素子13a〜13eが搭載される直方体形状の部材である。これらサブマウント12a〜12eの側面の1つは、レンズ取付面Pとされている。尚、図1〜図3に示す通り、サブマウント12b〜12eのレンズ取付面Pにはコリメートレンズ15a〜15dがそれぞれ取り付けられるが、サブマウント12aのレンズ取付面Pにはコリメートレンズは取り付けられない。
基板11及びサブマウント12a〜12eは、半導体レーザ素子13a〜13eの放熱効率を高めるために熱伝導率が高く、且つ温度変化によって生ずる応力を極力低減するために熱膨張率が小さい材料を用いて形成される。例えば、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス、或いはモリブデン(Mo)等の金属が適している。サブマウント12a〜12eは、例えばハンダ固定によって基板11上に固定されている。
サブマウント12a〜12eは、基板11上において、予め規定された量だけZ方向に順次ずらしつつX方向に配列されている。ここで、サブマウント12a〜12eのZ方向へのずらし量は、半導体レーザ素子13a〜13eの各々から射出されるレーザ光の光路長(光ファイバFBまでの光路長)が同じくなるように規定するのが望ましい。これは、光ファイバFBに集光されるレーザ光のビーム幅のバラツキを低減するためである。
具体的に、半導体レーザ素子13a〜13eのZ方向へのずらし量ΔZ(図1参照)は、半導体レーザ素子13a〜13eのX方向における間隔をΔXとし、反射光学系16a〜16eから集光光学系17に向かうレーザ光のビーム間隔(Z方向のビーム間隔)をΔBとすると、以下の(1)式が満たされる量に規定するのが望ましい。
ΔX=ΔZ+ΔB …(1)
また、サブマウント12a〜12eは、例えば0.1〜0.3[mm]程度の隙間をもってX方向に配列されているのが望ましい。これは、半導体レーザ装置1の製造時において、コリメートレンズ15a〜15を固定するための固定用樹脂Jが半導体レーザ素子13a〜13eのレーザ光射出部に回り込んでしまい、製造歩留まりが低下する事態を防止するためである。
半導体レーザ素子13a〜13eは、レーザ光射出部を+Z側に向けてサブマウント12a〜12e上の中央部(X方向における中央部)にそれぞれ取り付けられており、不図示の駆動回路から駆動電流が供給された場合に、レーザ光を+Z方向に向けて射出する。これら半導体レーザ素子13a〜13eから射出されるレーザ光の波長は、例えば0.9μm帯である。尚、半導体レーザ素子13a〜13eは、pn接合面がZX平面に平行となるようにサブマウント12a〜12e上にそれぞれ搭載されている。
ダミーサブマウント14は、サブマウント12a〜12eと同じ材質で同じ形状に形成され、サブマウント12a〜12eと同様に側面の1つがレンズ取付面Pとされた部材である。ダミーサブマウント14は、サブマウント12eの−X側に、例えば0.1〜0.3[mm]程度の隙間をもって配置されており、サブマウント12a〜12eと同様に、予め規定された量だけZ方向にずらして配置され、例えばハンダ固定によって基板11上に固定されている。このダミーサブマウント14は、コリメートレンズ15e(半導体レーザ素子13eから射出されるレーザ光をコリメートするレンズ)を固定するために設けられる。尚、サブマウント12a〜12eとは異なり、ダミーサブマウント14には半導体レーザ素子が搭載されない。
コリメートレンズ15a〜15eは、半導体レーザ素子13a〜13eの+Z側にそれぞれ配置され、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されるレーザ光のファスト軸の成分をそれぞれコリメートするFACレンズ(ファスト軸コリメートレンズ)である。尚、コリメートレンズ15a〜15eは、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されるレーザ光のスロー軸の成分をコリメートしない。
コリメートレンズ15a〜15dは、対向する半導体レーザ素子13a〜13dが搭載されているサブマウント12a〜12dに隣接するサブマウント12b〜12eのレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによってそれぞれ固定されている。コリメートレンズ15eは、対向する半導体レーザ素子13eが搭載されているサブマウント12eに隣接するダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによって固定されている。
このように、コリメートレンズ15a〜15dを、隣接するサブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定するのは、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれを防止して、光ファイバFBに対するレーザ光の高い結合効率を実現するためである。また、半導体レーザ装置1の製造時における製造歩留まりの低下を防止するためである。
サブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14は、例えばハンダ固定によって基板11上に固定されているため、樹脂固定した場合のように、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズのY方向の位置ずれは生じない。ここで、温度変化によってサブマウント12b〜12eが熱膨張すると、コリメートレンズのY方向の位置ずれが生ずる。しかしながら、サブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14は、同じ材質で同じ形状に形成されており、温度変化が生じても同様に熱膨張することから、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれは防止される。
また、半導体レーザ装置1の製造時において、サブマウント12b〜12e又はダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jを塗布し、コリメートレンズの位置を調整(調心)する場合には、そのコリメートレンズを取り付けようとしているサブマウントとは異なるサブマウントに搭載された半導体レーザ素子を発光させれば良い。例えば、コリメートレンズ15aの位置を調整(調心)する場合には、コリメートレンズ15aを取り付けようとしているサブマウント12bとは異なるサブマウント12aに搭載された半導体レーザ素子13aを発光させれば良い。このため、サブマウント12bのレンズ取付面Pに塗布した固定用樹脂Jが調心途中で硬化してしまう事態を防止することができ、製造歩留まりの低下を防止することができる。
尚、前述の通り、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14は、例えば0.1〜0.3[mm]程度の隙間をもってX方向に配列されている。このため、サブマウント12b〜12e又はダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに塗布された固定用樹脂Jが、レンズ取付面P上において拡がったとしても、上記の隙間に入り込んでしまう。これにより、レンズ取付面Pで拡がった固定用樹脂Jが半導体レーザ素子13a〜13eのレーザ光射出部に回り込んでしまう事態を防止することができ、製造歩留まりの低下を防止することができる。
図4は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置が備えるコリメートレンズを示す斜視図である。図4に示す通り、コリメートレンズ15(15a〜15e)は、側面が複数の平面及び円柱面とされた棒状部材である。具体的に、コリメートレンズ15は、半導体レーザ素子13a〜13eからのレーザ光が入射される平面状の入射面P1と、レーザ光が射出される円柱面状の射出面P2とが側面に形成されたX方向に延びる透明な棒状部材である。尚、コリメートレンズ15の側面における入射面P1及び射出面P2以外の部分は、入射面P1と90°の角度をなし、射出面P2に連続する平面状の面P3,P4とされている。このコリメートレンズ15のX方向の長さは2mm程度である。
コリメートレンズ15a〜15eの端部Eは、サブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによりそれぞれ固定され、コリメートレンズ15a〜15eは、長手方向がX方向に沿うように半導体レーザ素子13a〜13eの+Z側に配置される。コリメートレンズ15a〜15eは、半導体レーザ素子13a〜13eの+Z側に、例えば、0.1〜0.3[mm]程度の隙間をもってそれぞれ配置される。尚、上記の固定用樹脂Jとしては、例えば紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を用いることができる。
具体的に、コリメートレンズ15a〜15eは、図2,図3に示す通り、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14の上面P11(基板11に固定される面とは反対側の面)から+Y方向にはみ出した状態で、サブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに片持ち梁状に固定されている。また、コリメートレンズ15a〜15eの端部Eにおける交差する2面(面P4及び端面PT)にはフィレットF1,F2(図5参照)が形成されている。ここで、フィレットF1,F2は、固着されるべき面(コリメートレンズ15の端面PTとサブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面P)の間からはみ出した固定用樹脂Jである。
図5は、本発明の第1実施形態において形成されるフィレットを説明するための図である。尚、ここでは、説明を簡単にするために、サブマウント12bのレンズ取付面Pに固定されるコリメートレンズ15aに形成されるフィレットF1,F2について説明するが、サブマウント12c〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定されるコリメートレンズ15b〜15eにも、図5に示すフィレットF1,F2と同様のフィレットが形成される。
フィレットF1は、コリメートレンズ15aの面P4(図4参照)と、サブマウント12bのレンズ取付面Pとが交差する隅部に形成されており、フィレットF2は、コリメートレンズ15aの端面PT(図4参照)とサブマウント12bの上面P11とが交差する隅部に形成されている。つまり、フィレットF1は、コリメートレンズ15aの側面であって基板11に近い側の側面(面P4)に形成されており、フィレットF2は、コリメートレンズ15aの端面PTであってサブマウント12bの上面P11からはみだした部分の端面に形成されているということができる。フィレットF1は、レンズ取付面Pにおいて、コリメートレンズ15aに近づくにつれて盛り上がる形状であり、フィレットF2は、上面P11においてコリメートレンズ15aに近づくにつれて盛り上がる形状である。
このように、コリメートレンズ15aの端部Eにおける交差する2面(面P4及び端面PT)にフィレットF1,F2が形成されていることで、サブマウント12bに対するコリメートレンズ15aの固定強度を高めることができる。また、フィレットF1,F2を形成してY方向における固定用樹脂Jの重心の位置とY方向におけるコリメートレンズ15aの重心の位置との距離を小さくすることで、固定用樹脂Jの収縮や膨張(吸湿膨張、熱膨張等)によって生ずるコリメートレンズ15aのY方向の位置ずれを低減することができる。なぜならば、固定用樹脂Jの収縮や膨張は、固定用樹脂Jの重心を基準として行われる(固定用樹脂Jの重心に向かって収縮し、固定用樹脂Jの重心を中心として膨張する)からである。
尚、図1においては、図示を省略しているが、コリメートレンズ15a〜15eと反射光学系16a〜16eとの間の光路上には、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されるレーザ光のスロー軸の成分をコリメートするSACレンズ(スロー軸コリメートレンズ)がそれぞれ設けられている。このSACレンズは、コリメートレンズ15a〜15eと反射光学系16a〜16eとの間の光路上であれば、任意の位置に配置することができる。
反射光学系16a〜16eは、半導体レーザ素子13a〜13eの各々に対応して設けられており、コリメートレンズ15a〜15dの+Z側にそれぞれ配置され、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されてコリメートレンズ15a〜15dでコリメートされたレーザ光を集光光学系17に向けて(+X方向へ)個別に反射する。具体的に、反射光学系16a〜16eは、コリメートレンズ15a〜15dでコリメートされたレーザ光を、それぞれ+Y方向に反射してから+X方向に反射する。コリメートレンズ15a〜15eでコリメートされたレーザ光は、反射光学系16a〜16eで反射されることによって密に配列される。つまり、反射光学系16a〜16eは、コリメートレンズ15a〜15eでコリメートされたレーザ光を、密に配列して光ファイバFBに結合できる範囲に収める役割を有する。
図6は、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置に設けられる反射光学系の構成を示す斜視図である。図6に示す通り、反射光学系16(16a〜16e)は、第1ミラーM1及び第2ミラーM2を備える。第1ミラーM1は、少なくとも底面A1、底面A1と平行な上面B1、及び反射面S1を有する多面体状の部材である。尚、反射面S1と底面A1とのなす角は、図6に示す通り、45°である。
第1ミラーM1は、底面A1が基板11の上面に当接するように基板11上に載置される。これにより、第1ミラーM1の反射面S1の法線ベクトルと、基板11の上面(ZX面)の法線ベクトルとのなす角が45°になる。また、第1ミラーM1の向きは、反射面S1の法線がYZ面と平行になるように設定される。これにより、第1ミラーM1の反射面S1は、+Z方向に進むレーザ光を+Y方向に反射する。
第2ミラーM2は、少なくとも底面A2及び反射面S2を有する多面体状の部材である。反射面S2と底面A2とのなす角は、図6に示す通り、45°である。第2ミラーM2は、底面A2が第1ミラーM1の上面B1に当接するように、第1ミラーM1上に載置される。これにより、第2ミラーM2の反射面S2の法線ベクトルと、基板11の上面(ZX面)の法線ベクトルとのなす角が135°になる。また、第2ミラーM2の向きは、反射面S2の法線がXY面と略平行になるように設定される。これにより、第2ミラーM2の反射面S2は、+Y方向に進むレーザ光を略X方向に反射する。
ここで、第1ミラーM1をY軸の周りに微小回転させると、反射光学系16で反射されて略X方向に向かうレーザ光の伝搬方向がZ軸の周りで微小回転する。また、第2ミラーM2をY軸の周りに微小回転させると、反射光学系16で反射されて略X方向に向かうレーザ光の伝搬方向がY軸の周りで微小回転する。このように、反射光学系16では、第1ミラーM1及び第2ミラーM2の向きを適宜設定することによって、略X方向に向かうレーザ光の伝搬方向を変えることができる。
集光光学系17は、反射光学系16a〜16eと光ファイバFBとの間のレーザ光の光路上に設けられ、反射光学系16a〜16eで略+X方向に反射されたレーザ光を集光して光ファイバFBに結合させる。尚、図1では、図示を簡略化しているが、集光光学系17は、反射光学系16a〜16eで反射されたレーザ光をファスト軸方向に集光するF軸集光レンズと、スロー軸方向に集光するS軸集光レンズとを備える。
光ファイバFBは、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されるレーザ光の進行方向に対して直交する向きに配置され、且つその入射端が集光光学系17の焦点位置に配置されるよう位置決めされる。この光ファイバFBは、半導体レーザ素子13a〜13eの各々から射出されるレーザ光を、半導体レーザ装置1の外部に導くものである。尚、光ファイバFBとしては、用途に応じて任意のものを用いることができる。例えば、シングルコアファイバ、マルチコアファイバ、シングルクラッドファイバ、ダブルクラッドファイバ、その他の光ファイバを用いることができる。
以上の通り、本実施形態の半導体レーザ装置1では、サブマウント12a〜12eに搭載された半導体レーザ素子13a〜13eに対向するコリメートレンズ15a〜15eを、隣接するサブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによってそれぞれ固定するようにしている。これにより、サブマウント12a〜12eの熱膨張によって半導体レーザ素子13a〜13eのY方向の位置ずれが生じたとしても、サブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14の熱膨張によってコリメートレンズ15a〜15eのY方向の位置ずれも同様に生ずるため、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれを防止することができる。その結果として、光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。
また、本実施形態では、半導体レーザ素子13b〜13eが搭載されるサブマウント12b〜12eにコリメートレンズ15a〜15dを取り付け、ダミーサブマウント14にコリメートレンズ15eを取り付けるようにしている。このような本実施形態では、ダミーサブマウント14が必要になるものの、従来必要であったレンズ固定台が不要であることから、コストを削減することができる。
また、本実施形態では、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14を、例えばハンダ固定によって基板11上に固定するようにしている。このため、レンズ固定台を樹脂固定した従来のように、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ15a〜15eのY方向の位置ずれが生ずることはない。
また、本実施形態では、半導体レーザ素子13a〜13eに対向するコリメートレンズ15a〜15eを、隣接するサブマウント12b〜12e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによってそれぞれ固定するようにしている。このため、コリメートレンズの位置を調整(調心)する場合には、そのコリメートレンズを取り付けようとしているサブマウントとは異なるサブマウントに搭載された半導体レーザ素子を発光させれば良いことから、固定用樹脂Jが調心途中で硬化してしまう事態を防止することができ、製造歩留まりの低下を防止することができる。
また、本実施形態では、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14を、所定の隙間をもってX方向に配列している。これにより、サブマウント12b〜12e又はダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに塗布された固定用樹脂Jが、レンズ取付面P上において拡がったとしても、上記の隙間に入り込ませることができる。このため、レンズ取付面Pで拡がった固定用樹脂Jが半導体レーザ素子13a〜13eのレーザ光射出部に回り込んでしまう事態を防止することができ、製造歩留まりの低下を防止することができる。
また、本実施形態では、サブマウント12a〜12eを、基板11上において予め規定された量だけZ方向にずらして配置するようにしている。例えば、半導体レーザ素子13a〜13eのZ方向へのずらし量ΔZを、前述した(1)式が満たされる量に規定することで、半導体レーザ素子13a〜13eの各々から射出されるレーザ光の光路長を同じくすることができる。これにより、光ファイバFBに集光されるレーザ光のビーム幅のバラツキを低減することができるため、光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。
〔第2実施形態〕
図7は、本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。尚、図7においては、図1に示す部材と同じ部材には同一の符号を付してある。図7に示す通り、本実施形態の半導体レーザ装置2は、図1に示すサブマウント12a〜12eに代えてサブマウント21a〜21eを設けるとともに、図1に示すダミーサブマウント14に代えてダミーサブマウント22を設け、これらサブマウント21a〜21e及びダミーサブマウント22を、Z方向にずらすことなくX方向に沿って配列したものである。
サブマウント21a〜21eは、図1に示すサブマウント12a〜12eと同様に、その上面に半導体レーザ素子13a〜13eが搭載される部材である。但し、+Z側を向く側面(第1面)の一部(具体的には、+X側の端部)に突出部T1が形成されている点において、図1に示すサブマウント12a〜12eとは異なる。この突出部T1が形成されていることにより、サブマウント21a〜21eは、+Z側を向く側面よりも+Z方向に突出するレンズ取付面Pを有しているということができる。尚、サブマウント21a〜21eは、Z方向にずらすことなくX方向に沿って配列されていることから、サブマウント21a〜21eの+Z側を向く側面は、Z方向の位置が同一又は略同一となるようにされている。
これらサブマウント21a〜21eは、図1に示すサブマウント12a〜12eと同様に、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス、或いはモリブデン(Mo)等の熱伝導率が高く、熱膨張率が小さい材料を用いて形成される。尚、図7に示す通り、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、サブマウント21b〜21eのレンズ取付面Pにはコリメートレンズ15a〜15dがそれぞれ取り付けられるが、サブマウント21aのレンズ取付面Pにはコリメートレンズは取り付けられない。
ダミーサブマウント22は、図1に示すダミーサブマウント14と同様に、半導体レーザ素子が搭載されず、コリメートレンズ15eを固定するために設けられる部材である。このダミーサブマウント22は、サブマウント21a〜21eと同じ材質で同じ形状に形成され、サブマウント21a〜21eと同様に、+Z側を向く側面よりも+Z方向に突出するレンズ取付面Pを有する部材である。サブマウント21a〜21e及びダミーサブマウント22は、例えば0.1〜0.3[mm]程度の隙間をもってZ方向にずらすことなくX方向に沿って配列されており、例えばハンダ固定によって基板11上に固定されている。
このような本実施形態の半導体レーザ装置2では、サブマウント21a〜21eに搭載された半導体レーザ素子13a〜13eに対向するコリメートレンズ15a〜15eを、隣接するサブマウント21b〜21e及びダミーサブマウント22のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによってそれぞれ固定するようにしている。このため、第1実施形態と同様に、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれを防止することができる。その結果として、光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。
また、本実施形態の半導体レーザ装置2が、第1実施形態の半導体レーザ装置1と異なる点は、突出部T1が形成されたサブマウント21a〜21e及びダミーサブマウント22を設け、これらサブマウント21a〜21e及びダミーサブマウント22をZ方向にずらすことなくX方向に沿って配列した点のみである。このため、第1実施形態と同様に、コストを削減することができ、製造歩留まりの低下を防止することもできる。尚、本実施形態においても、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ15a〜15eのY方向の位置ずれが生ずることはない。
但し、本実施形態の半導体レーザ装置2は、サブマウント21a〜21e及びダミーサブマウント22をZ方向にずらすことなくX方向に沿って配列していることから、半導体レーザ素子13a〜13eの各々から射出されるレーザ光の光路長を同じくすることはできないが、小型化を図ることができる。従って、本実施形態の半導体レーザ装置2は、光ファイバFBに対する結合効率が問題とはならないが、小型化を図る必要がある場合に有用である。
〔第3実施形態〕
図8は、本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の正面図である。尚、図8においては、図2に示す部材と同じ部材には同一の符号を付してあり、図2と同様に、構成の一部の図示を省略している。図8に示す通り、本実施形態の半導体レーザ装置3は、図1に示すサブマウント12a〜12eに代えてサブマウント31a〜31eを設けるとともに、図1に示すダミーサブマウント14に代えてダミーサブマウント32を設けたものである。
サブマウント31a〜31eは、図1に示すサブマウント12a〜12eと概ね同様のものであり、ダミーサブマウント32は、図1に示すダミーサブマウント14と概ね同様のものである。但し、これらサブマウント31a〜31e及びダミーサブマウント32は、互いに異なる高さに設定されている点において、図1に示すサブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14とは異なる。
具体的に、サブマウント31a〜31e及びダミーサブマウント32は、コリメートレンズ15a〜15eが+Y方向にはみ出さないように高さが設定されている。つまり、半導体レーザ素子13a〜13eの高さに合わせてコリメートレンズ15a〜15eの高さをそれぞれ設定した場合に、コリメートレンズ15a〜15eが、取り付けられているサブマウント31b〜31e及びダミーサブマウント32の上面P11(基板11に固定される面とは反対側の面)から+Y方向にはみ出さないように、サブマウント31a〜31e及びダミーサブマウント32の高さが設定されている。
例えば、コリメートレンズ15aが固定されるサブマウント31bの高さは、サブマウント31aに搭載された半導体レーザ素子13aの高さに合わせてコリメートレンズ15aの高さを設定した場合に、コリメートレンズ15aがサブマウント31bの上面P11からはみ出さないように設定される。また、コリメートレンズ15eが固定されるダミーサブマウント32の高さは、サブマウント31eに搭載された半導体レーザ素子13eの高さに合わせてコリメートレンズ15eの高さを設定した場合に、コリメートレンズ15eがダミーサブマウント32の上面P11からはみ出さないように設定される。
このように、サブマウント31a〜31e及びダミーサブマウント32が互いに異なる高さに設定されていることで、コリメートレンズ15a〜15eの端面PTの全面を、固定用樹脂Jにより、サブマウント31b〜31e及びダミーサブマウント32のレンズ取付面Pにそれぞれ固定することができる。また、コリメートレンズ15a〜15eの端部Eの側面全周に亘ってフィレットを形成することもできる。これにより、サブマウント31a〜31e及びダミーサブマウント32に対するコリメートレンズ15a〜15eの固定強度をより高めることができる。
尚、本実施形態では、互いに異なる高さに設定されたサブマウント31a〜31eを用いることから、これらサブマウント31a〜31eに搭載される半導体レーザ素子13a〜13eの高さ位置も互いに異なる。反射光学系16に設けられた第1ミラーM1の反射面S1(図6参照)に対するレーザ光の入射位置(Y方向の位置)に応じて、反射光学系16で反射されて略X方向に向かうレーザ光のZ方向の位置が変化する。このため、本実施形態では、半導体レーザ素子13a〜13eの高さ位置に応じて、反射光学系16a〜16eのZ方向の位置調整を行う必要がある。
このような本実施形態の半導体レーザ装置3では、サブマウント31a〜31eに搭載された半導体レーザ素子13a〜13eに対向するコリメートレンズ15a〜15eを、隣接するサブマウント31b〜31e及びダミーサブマウント32のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによってそれぞれ固定するようにしている。このため、第1実施形態と同様に、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれを防止することができる。その結果として、光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。
また、本実施形態の半導体レーザ装置3が、第1実施形態の半導体レーザ装置1と異なる点は、高さが互いに異なるサブマウント31a〜31e及びダミーサブマウント32を設け、サブマウント31a〜31eに搭載される半導体レーザ素子13a〜13eの高さ位置に応じてコリメートレンズ15a〜15eの高さを設定するとともに、反射光学系16a〜16eの位置調整を行った点のみである。このため、第1実施形態と同様に、コストを削減することができ、製造歩留まりの低下を防止することもでき、更には光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。尚、本実施形態においても、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ15a〜15eのY方向の位置ずれが生ずることはない。
〔第4実施形態〕
図9は、本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の正面図である。尚、図9においては、図2に示す部材と同じ部材には同一の符号を付してあり、図2と同様に、構成の一部の図示を省略している。図9に示す通り、本実施形態の半導体レーザ装置4は、図1に示すサブマウント12a〜12eに代えて、図9(a)に示すサブマウント41a〜41e、或いは図9(b)に示すサブマウント42a〜42eを設けたものである。
図9(a)に示すサブマウント41a〜41eは、図1に示すサブマウント12a〜12eと概ね同様のものであるが、Z方向に延びる凹部CV1(段部)が上面中央部に形成されている点において図1に示すサブマウント12a〜12eとは異なる。図9(b)に示すサブマウント42a〜42eは、図1に示すサブマウント12a〜12eと概ね同様のものであるが、その上面に段部CV2が形成されている点において図1に示すサブマウント12a〜12eとは異なる。
図9(a)に示すサブマウント41a〜41eに形成された凹部CV1には、半導体レーザ素子13a〜13eがそれぞれ搭載される。コリメートレンズ15a〜15eは、サブマウント41a〜41eの凹部CV1に搭載された半導体レーザ素子13a〜13eに対向するように高さが調整されて、サブマウント41b〜41e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pにそれぞれ取り付けられる。
同様に、図9(b)に示すサブマウント42a〜42eに形成された段部CV2には、半導体レーザ素子13a〜13eがそれぞれ搭載される。コリメートレンズ15a〜15eは、サブマウント42a〜42eの段部CV2に搭載された半導体レーザ素子13a〜13eに対向するように高さが調整されて、サブマウント42b〜42e及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pにそれぞれ取り付けられる。
つまり、本実施形態では、凹部CV1が形成されたサブマウント41a〜41eを用いて半導体レーザ素子13a〜13eが搭載される高さ位置を下げ、或いは段部CV2が形成されたサブマウント42a〜42eを用いて半導体レーザ素子13a〜13eが搭載される高さ位置を下げるようにしている。このように半導体レーザ素子13a〜13eが搭載される高さ位置が下がると、サブマウント41a〜41e(或いは、サブマウント42a〜42e)及びダミーサブマウント14の上面P11からコリメートレンズ15a〜15eがはみ出さないようにすることができる。
これにより、第3実施形態と同様に、コリメートレンズ15a〜15eの端面PTの全面を、固定用樹脂Jにより、サブマウント41b〜41e(或いは、サブマウント42b〜42e)及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pにそれぞれ固定することができる。また、コリメートレンズ15a〜15eの端部Eの側面全周に亘ってフィレットを形成することもできる。これにより、サブマウント41b〜41e(或いは、サブマウント42b〜42e)及びダミーサブマウント14に対するコリメートレンズ15a〜15eの固定強度をより高めることができる。
このような本実施形態の半導体レーザ装置4では、サブマウント41a〜41e(或いは、サブマウント42a〜42e)に搭載された半導体レーザ素子13a〜13eに対向するコリメートレンズ15a〜15eを、隣接するサブマウント41b〜41e(或いは、サブマウント42ab42e)及びダミーサブマウント14のレンズ取付面Pに固定用樹脂Jによってそれぞれ固定するようにしている。このため、第1実施形態と同様に、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれを防止することができる。その結果として、光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。
また、本実施形態の半導体レーザ装置4が、第1実施形態の半導体レーザ装置1と異なる点は、凹部CV1が形成されたサブマウント41a〜41e、或いは段部CV2が形成されたサブマウント42a〜42eを設け、サブマウント41a〜41eの凹部CV1、或いはサブマウント42a〜42eの段部CV2に搭載される半導体レーザ素子13a〜13eの高さ位置に応じてコリメートレンズ15a〜15eの高さを設定した点のみである。このため、第1実施形態と同様に、コストを削減することができ、製造歩留まりの低下を防止することもでき、更には光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。尚、本実施形態においても、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ15a〜15eのY方向の位置ずれが生ずることはない。
〔第5実施形態〕
図10は、本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。尚、図10においては、図1に示す部材と同じ部材には同一の符号を付してある。図10に示す通り、本実施形態の半導体レーザ装置5は、図1に示すサブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14に代えてサブマウント51を設けたものである。このサブマウント51は、図1に示すサブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14を一体化したものということができる。
具体的に、サブマウント51は、Z軸に垂直であって+Z側を向く面P21(第1面)と、X軸に垂直であって+X側を向く面P22(第2面)とが階段状に形成された側面を有する。半導体レーザ素子13a〜13eは、サブマウント51の上面P11(基板11に固定される面とは反対側の面)に、面P21と対応付けて搭載されている。コリメートレンズ15a〜15eは、レンズ取付面Pとしての面P22に片持ち梁状に固定されており、半導体レーザ素子13a〜13eの+Z側にそれぞれ配置される。
このような本実施形態の半導体レーザ装置5では、サブマウント51に搭載された半導体レーザ素子13a〜13e(階段状に形成された側面の面P21と対応付けて搭載された半導体レーザ素子13a〜13e)に対向するコリメートレンズ15a〜15eを、面P21と直交するレンズ取付面Pとしての面P22に固定用樹脂Jによってそれぞれ固定するようにしている。このため、第1実施形態と同様に、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれを防止することができる。その結果として、光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。
また、本実施形態の半導体レーザ装置5が、第1実施形態の半導体レーザ装置1と異なる点は、図1に示すサブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14を一体化したサブマウント51を設けた点のみである。このため、第1実施形態と同様に、コストを削減することができ、製造歩留まりの低下を防止することもでき、更には光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。尚、本実施形態においても、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ15a〜15eのY方向の位置ずれが生ずることはない。
〔第6実施形態〕
図11は、本発明の第6実施形態による半導体レーザ装置の平面図である。尚、図11においては、図1に示す部材と同じ部材には同一の符号を付してある。図11に示す通り、本実施形態の半導体レーザ装置6は、図1に示す半導体レーザ装置1のサブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14の配置を変更し、これに伴い反射光学系16a〜16eの反射角度の調整を行ったものである。
具体的に、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14は、Y軸の周りに予め規定された角度θだけ回転した状態で、Z方向にずらすことなくX方向に沿って配列されている。つまり、サブマウント12a〜12eは、搭載されている半導体レーザ素子13a〜13eの各々から射出されるレーザ光の進行方向がZ軸に対して上記の角度θをなすように配置されている。尚、サブマウント21a〜21e及びダミーサブマウント22は、第1実施形態と同様に、例えば0.1〜0.3[mm]程度の隙間をもって配列されていても良い。
ここで、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14は全て、Y軸の周りに角度θだけ回転した状態で配列されることから、コリメートレンズ15a〜15eは、その長手方向が、半導体レーザ素子13a〜13eの各々から射出されるレーザ光の進行方向と直交するように配置される。このため、第1実施形態と同様に、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されるレーザ光のファスト軸の成分は、コリメートレンズ15a〜15eによってそれぞれコリメートされる。
反射光学系16a〜16eは、コリメートレンズ15a〜15dでコリメートされたレーザ光の光路上に、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14のY軸周りの角度θに応じた角度だけ回転した状態で配置されている。具体的に、反射光学系16a〜16eの回転角度は、半導体レーザ素子13a〜13eから射出されてコリメートレンズ15a〜15dでコリメートされたレーザ光を集光光学系17に向けて(+X方向へ)個別に反射するように調整されている。
このような本実施形態の半導体レーザ装置6では、第1実施形態と同様に、半導体レーザ素子13a〜13eとコリメートレンズ15a〜15eとの相対的な位置ずれを防止することができ、光ファイバFBに対する高い結合効率を実現することができる。また、第1実施形態と同様に、コストを削減することができ、製造歩留まりの低下を防止することもできる。尚、本実施形態においても、樹脂の収縮や膨張によって生ずるコリメートレンズ15a〜15eのY方向の位置ずれが生ずることはない。更に、本実施形態では、サブマウント12a〜12e及びダミーサブマウント14をZ方向にずらすことなくX方向に沿って配列していることから、第2実施形態と同様に、小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、5つの半導体レーザ素子13a〜13e、5つのコリメートレンズ15a〜15e、及び5つの反射光学系16a〜16eを備える半導体レーザ装置を例に挙げて説明したが、半導体レーザ素子、コリメートレンズ、及び反射光学系の数は、任意である。例えば、半導体レーザ素子、コリメートレンズ、及び反射光学系を1つずつ備えていても良く、2つ以上ずつ備えていても良い。
1〜6…半導体レーザ装置、11…基板、12a〜12e…サブマウント、13a〜13e…半導体レーザ素子、14…ダミーサブマウント、15a〜15e…コリメートレンズ、16a〜16e…反射光学系、17…集光光学系、21a〜21e…サブマウント、22…ダミーサブマウント、31a〜31e…サブマウント、32…ダミーサブマウント、41a〜41e…サブマウント、42a〜42e…サブマウント、51…サブマウント、CV1…凹部、CV2…段部、E…端部、F1,F2…フィレット、J…固定用樹脂、P…レンズ取付面、P4…面、P11…上面、P21,P22…面、PT…端面

Claims (12)

  1. 第1方向に向けてレーザ光を射出する半導体レーザ素子と、
    レーザ光の成分のうち前記第1方向に垂直な第2方向の成分をコリメートするコリメートレンズと、
    基板上に固定され、前記半導体レーザ素子を搭載し、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に対して垂直な面であって前記コリメートレンズの前記第3方向における端部の一方が固定用樹脂により固定されるレンズ取付面を有するサブマウントと、
    を備える半導体レーザ装置。
  2. 前記半導体レーザ素子、前記コリメートレンズ、及び前記サブマウントは複数設けられており、
    前記コリメートレンズは、対向する前記半導体レーザ素子が搭載されている前記サブマウントに隣接する前記サブマウントの前記レンズ取付面に固定されている、
    請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記サブマウントは、予め規定された量だけ前記第1方向に順次ずらしつつ前記第3方向に配列されている、請求項2記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記サブマウントの前記第1方向へのずらし量は、前記半導体レーザ素子の各々から射出されるレーザ光の光路長が同じくなるように規定されている、請求項3記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記サブマウントは、前記第1方向に垂直な面であって前記第1方向を向く第1面よりも前記第1方向に突出する前記レンズ取付面を有しており、前記第1方向における前記第1面の位置が同一又は略同一となるように前記第3方向に配列されている、請求項2記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記半導体レーザ素子を搭載せず、前記レンズ取付面を有するダミーサブマウントを備えており、
    前記コリメートレンズの何れか1つは、前記ダミーサブマウントの前記レンズ取付面に固定される、
    請求項2から請求項5の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記固定用樹脂により固定された前記コリメートレンズの端部における交差する2面にはフィレットが形成されている、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記コリメートレンズは、前記サブマウントの前記基板に固定される面とは反対側の上面からはみ出した状態で前記レンズ取付面に固定されており、
    前記フィレットは、前記コリメートレンズの側面であって前記基板に近い側の側面と、前記コリメートレンズの端面であって前記サブマウントの前記上面からはみだした部分の端面とに形成されている、
    請求項7記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記サブマウントの高さは、互いに異なるように設定されている、請求項2から請求項6の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記半導体レーザ素子は、前記サブマウントの前記基板に固定される面とは反対側の上面に形成された段部に搭載されており、
    前記コリメートレンズは、前記半導体レーザ素子に対向するように前記レンズ取付面に固定されている、
    請求項1から請求項6の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
  11. 前記半導体レーザ素子及び前記コリメートレンズは複数設けられており、
    前記サブマウントは、前記第1方向に垂直な面であって前記第1方向を向く第1面と、前記第3方向に垂直な第2面とが階段状に形成された側面を有し、
    前記半導体レーザ素子は、前記サブマウントの前記基板に固定される面とは反対側の上面に前記第1面と対応付けて搭載されており、
    前記コリメートレンズは、前記レンズ取付面としての前記第2面に固定されている、
    請求項1記載の半導体レーザ装置。
  12. 前記半導体レーザ素子の各々に対応して設けられ、前記半導体レーザ素子の各々から射出されるレーザ光を個別に反射する反射光学系と、
    前記反射光学系で反射されたレーザ光を光ファイバに集光する集光光学系と、
    を備える請求項1から請求項11の何れか一項に記載の半導体レーザ装置。
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KR102529166B1 (ko) * 2022-01-14 2023-05-08 알에프머트리얼즈 주식회사 레이저 모듈 패키지
WO2024177048A1 (ja) * 2023-02-20 2024-08-29 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 光源モジュール

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