JP2016094393A - 毛髪の調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放置時間を短縮し、毛髪のダメージを軽減または毛髪をケアする毛髪の調整方法、および毛髪調整補助剤の提供。
【解決手段】毛髪調整剤を用いて毛髪の状態を調整する毛髪調整方法であって、前記毛髪調整剤を使用する前にアルカリ還元イオン水により構成された毛髪調整補助剤を毛髪に浸透させる前処理工程、又は/及び、前記毛髪調整剤の少なくとも一部に前記毛髪調整補助剤を混合した混合剤を用いて毛髪を処理する塗布工程を有し、前記アルカリ還元イオン水として、表面張力が60mN/m(25°)以下でかつミネラルの含有率が0.3%以下であるアルカリ還元イオン水を用いることを特徴とする
毛髪調整方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、パーマ、カラー、およびトリートメントといった毛髪の調整を行う毛髪調整方法、および毛髪調整補助剤に関する。
従来、美容・理容分野において、パーマ、ヘアカラー、およびトリートメント等、様々な毛髪の調整が業として行われている。
例えば、毛髪のウェーブを調整するパーマであれば、還元剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤が用いられる。そして、パーマでは、第1剤によってシスチン結合(SS結合)を切り、毛髪の形を調整した後に、第2剤によってシスチン結合を戻すことで、毛髪の形が固定される。
また、毛髪の色合いを変化させるヘアカラーであれば、酸化染毛剤、非酸化染毛剤、脱色剤、酸性染毛料、または塩基性染料等が用いられる。例えば酸化染毛剤であれば、染料とアルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素水を含有する第2剤が用いられる。この酸化染毛剤を用いる場合、第1剤と第2剤が混合されることによって化学反応が生じ、毛髪中のメラニン色素が分解、脱色されると同時に、毛髪内部へ浸透した酸化染料が酸化重合することで発色する。
他にも、毛髪に栄養を与えるトリートメントであれば、トリートメント剤が用いられる。このトリートメント剤は、毛髪に栄養を与える各種の物質で構成される。このトリートメント剤を用いる場合、毛髪を水流しして蒸し加温した上で塗布することで、毛髪にトリートメント剤を浸透させる。
このようなパーマやヘアカラーといった毛髪の調整は、毛髪に薬剤を塗布した状態で一定時間置いておき、その後に薬剤を洗い流すという手順で進められる。またトリートメントによる毛髪の調整は、毛髪に尿素を霧吹きで塗布した後に蒸し加温した上でトリートメント剤を塗布してもみ込むという手順で進められる。このため、毛髪の調整には一定の放置時間若しくは手順が必要であった。放置時間が長いと、毛髪および頭皮がダメージを受けるという問題点があり、手順が多いと時間がかかるという問題があった。
本発明者は、傷んだ毛髪および頭皮のケアを専門にしており、毛髪調整剤が頭髪および頭皮に与えた様々なダメージを見てきた。毛髪および頭皮に負担をかけないためには、薬剤コントロールや時間短縮がポイントになってくる。本発明者は、年間約220回のセミナーを開催し、6万人以上の美容師に毛髪調整の施術を教えている。しかし、毛髪および頭皮へのダメージが後を絶たないのが現実であり、現在利用されている毛髪調整剤では限界が感じられる。また、毛髪のトリートメントにしても、現在利用されているトリートメント剤と使用手順では大きな効果が得られず限界が感じられる。
本特許出願に際して先行技術調査をしたところ、コールド・パーマの施術方法が提案されていた(特許文献1参照)。この方法は、コールド・パーマ用の還元剤からなる第1剤で処理した後であって、次いでコールド・パーマ用の酸化剤からなる第2剤で処理する前に、毛髪を強電解酸性水で処理することを特徴としている。これにより、毛髪の損傷が軽減されるとされている。
特開2000−139546号公報
しかし、前記特許文献1は、第1剤の塗布後の放置時間として従来と同様の放置時間である20分から40分を必要とするものであり、この間における毛髪のダメージを防げないものであった。
この発明は、上述の問題に鑑みて、時間を短縮し、毛髪のダメージを軽減または毛髪をケアする毛髪の調整方法、および毛髪調整補助剤を提供することを目的とする。
この発明は、毛髪調整剤を用いて毛髪の状態を調整する毛髪調整方法であって、前記毛髪調整剤を使用する前にアルカリ還元イオン水により構成された毛髪調整補助剤を毛髪に浸透させる前処理工程、又は/及び、前記毛髪調整剤の少なくとも一部に前記毛髪調整補助剤を混合した混合剤を用いて毛髪を処理する塗布工程を有し、前記アルカリ還元イオン水として、表面張力が60mN/m(25°)以下でかつミネラルの含有率が0.3%以下であるアルカリ還元イオン水を用いることを特徴とする毛髪調整方法であることを特徴とする。
前記混合剤は、前記毛髪調整剤が2剤式の場合の1剤に前記アルカリ還元イオン水を混合したもの、あるいは、前記毛髪調整剤が1剤式の場合に前記毛髪調整剤に前記アルカリ還元イオン水を混合したものなど、前記毛髪調整剤の少なくとも一部に前記毛髪調整補助剤を混合したものとすることができる。
この発明により、放置時間を短縮し、毛髪のダメージを軽減することができる。
毛髪調整補助剤、カラー剤、およびパーマ剤を示す構成図。 毛髪調整補助剤、およびトリートメント剤を示す構成図。 実施例1,2および比較例1,2,3により染毛した毛髪の説明図。 実施例1と比較例2のシャンプーによる色落ち状態の説明図。 実施例3のシャンプーによる色落ち状態の説明図。 実施例4および比較例4,5によりパーマを施した毛髪の説明図。 実施例4と比較例4のシャンプーによるウェーブ落ち状態の説明図。 実施例5のシャンプーによるウェーブ落ち状態の説明図。
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は、毛髪調整補助剤、カラー剤、及びパーマ剤の構成を説明する説明図であり、図2は、毛髪調整補助剤、及びトリートメント剤の構成を説明する説明図である。
図1(A)は、染毛に用いる毛髪調整補助剤1、カラー1剤2、およびカラー2剤3を示す。図1(B)は、毛髪調整補助剤1とカラー1剤2を混合した混合剤4およびカラー2剤3を示す。図1(C)は、混合剤4とカラー2剤3を混合した混合剤5を示す。
図1(D)は、パーマに用いる毛髪調整補助剤1、パーマ1剤7、およびパーマ2剤8を示す。図1(E)は、毛髪調整補助剤1とパーマ1剤7を混合した混合剤9、およびパーマ2剤8を示す。
図2(A)は、トリートメントに用いる毛髪調整補助剤1、およびトリートメント剤11を示す。図2(B)は、毛髪調整補助剤1とトリートメント剤11を混合した混合剤12を示す。
<毛髪調整補助剤>
毛髪調整補助剤1は、蒸留水に添加物を加えて電気分解したアルカリ還元イオン水とすることができ、さらに脱酸素工程等を行った電解還元性イオン水(例えば電解還元性イオン水S−100、電解還元性イオン水S−120、または電解還元性イオン水S−109)とすることが好ましい。添加物は、例えばケイ素、マグネシウム、または硫酸等、若しくはこれらの複数とすることができ、ミネラルになる添加物とすることができる。また、毛髪調整補助剤1は、アルカリ還元イオン水そのもの、若しくは、アルカリ還元イオン水をアルカリイオン水またはミネラル水あるいは精製水にて希釈した液など、アルカリ還元イオン水により構成される液である。希釈する場合、3倍以下の希釈とすることができ、2倍以下の希釈とすることが好ましい。
アルカリ還元イオン水の一種である電解還元性イオン水は、純水に対して脱酸素工程と、電気分解工程と、安定化工程とを行って得ることができる。
脱酸素工程は、イオン交換膜法等の適宜の方法によって脱酸素処理を行う工程とすることができ、これによって純水中の溶存酸素の濃度を通常値である8ppmから1ppm以下に落とす。
電気分解工程は、高電圧の電解装置を用いて、脱酸素処理を行った純水中に電極を配して純水を電気分解し、マイナスの電極が配された陰極室側の水を取り出す電気分解処理を行う工程とすることができる。電解装置の電圧は、200V以上とすることができ、250V以上とすることが好ましく、300V程度とすることが好適である。ここで、負の電荷を多く持つミネラルを陰極室側の水に含有させておき、負の電荷を強くした陰極室側の水を本発明のアルカリ還元イオン水とする。
安定化工程は、電気分解工程により電気分解された純水のうち、陰極室側の純水を密閉された安定化槽内で所定の圧力をかけた状態で所定期間寝かせる安定化処理を実行する。
所定の圧力は、4kg/cm2以上とすることができ、12kg/cm2とすることが好ましい。
所定期間は、2〜3日とすることができる。
このようにして負の電荷を強くしたマイナス極室の装置から取り出したアルカリ還元イオン水(電解還元性イオン水を含む)を得る。
このようにして得られたアルカリ還元イオン水は、溶存酸素が4ppm、浸透圧が水1に対して107ミリオスモル、負の電荷のミネラルが0.3%未満含まれた構成となっている。
アルカリ還元イオン水(電解還元性イオン水を含む)は、pH8以上とすることができ、pH9.5以上とすることが好ましく、pH10以上とすることがより好ましく、pH10.5〜12.5がより好ましく、pH11.5〜12.5がさらに好ましく、pH12程度が好適である。
また、アルカリ還元イオン水(電解還元性イオン水を含む)は、法的に水と呼べる程度の少量(0.3%未満)の負の電荷のミネラルイオンを含むことが好ましい。具体的には、アルカリ還元イオン水(電解還元性イオン水を含む)中のミネラルイオンは、0.3%以下とすることができ、0.3%未満とすることが好ましい。また、ミネラルイオンの下限値は0.01%以上とすることが好ましく、0.05%以上とすることがより好ましい。ミネラルイオンは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン、塩素、珪素のいずれか1つ以上とすることができ、これら全てを含む構成や、これら以外のものも含む構成とすることもできる。
アルカリ還元イオン水(電解還元性イオン水を含む)は、水の表面張力である72mN/m(25°)より低いことが好ましく、60mN/m(25°)以下が好ましく、56mN/m(25°)程度とすることが好適である。
アルカリ還元イオン水(電解還元性イオン水を含む)の浸透圧は、水1に対して90〜120ミリオスモルとすることが好ましく、100〜110ミリオスモルとすることがより好ましい。
<毛髪調整剤>
毛髪調整剤は、毛髪の色合いを調整するカラー剤、毛髪のウェーブ度合を調整するパーマ剤、毛髪のキューティクル等を調整するトリートメント剤など、毛髪を調整する種々の剤を指す。
<カラー剤>
カラー剤は、カラー1剤2に染料とアルアリ剤を含有しカラー2剤3に過酸化水素水を含有する酸化染毛剤、鉄イオンとタンニン等のポリフェノールによって毛髪を染色する非酸化染毛剤、マイナスの電荷を持つ酸性染料が毛髪のケラチンタンパクのプラス部分とイオン結合して毛髪を着色する酸性染毛剤、過酸化水素水を用いてメラニンを分解する脱色剤、メラニンと染毛によって毛髪中に作られた色素を脱色する脱染剤、毛髪のキューティクルにイオン結合によって染料をコーティングする半永久染毛剤等、適宜のカラー剤を用いることができる。1剤については、弱酸性よりもアルカリ性の方が好ましい。
<パーマ剤>
パーマ剤は、ウェーブ形成と縮毛矯正のどちらの用途のものでも用いることができ、還元剤およびアルカリ剤を含有するパーマ1剤7と酸化剤を含有するパーマ2剤8で構成されたパーマ剤等、適宜のパーマ剤を用いることができる。パーマ剤は、強酸系以外のものを用いることが好ましい。1剤については、弱酸性よりもアルカリ性の方が好ましい。
<トリートメント剤>
トリートメント剤は、高分子羽毛(φ型)ケラチン又はα型ケラチン又はγ型ケラチン等のケラチン類、低分子〜高分子PPT、中分子コラーゲン又はシリル化コラーゲン等のコラーゲン類、各種アミノ酸、NMF、ポリグルタミン酸等のグルタミン酸類など、毛髪内部にトリートメント成分を補給する適宜の物質で構成することができる。トリートメント剤は、クリーム系よりも液体系が好ましく、PPT(Polypeptide)関連が最も強く効果を発揮するためにより好ましい。また、トリートメント剤は、酸系のものよりも中性からアルカリ性のものが好ましい。また、トリートメント剤は、毛髪に対する栄養素が含有されているものが好ましい。
<カラー工程>
毛髪調整補助剤1を用いて毛髪を染毛する工程(カラー工程)は、次のとおりである。
(1)前処理工程
前処理工程では、毛髪調整補助剤1を毛髪に塗布し、所定時間放置した後に、水分を取り除く。このときに塗布する毛髪調整補助剤は、100%そのままのアルカリ還元イオン水、あるいは所定濃度に希釈したアルカリ還元イオン水とすることができる。この前処理工程により、毛髪の状態がカラー剤の浸透しやすい状態に変化する。すなわち、毛髪調整補助剤1は、表面張力が低いため、カラー剤の毛髪への浸透速度を短縮することができる。なお、この前処理工程を行うことが好ましいが、前処理工程を省略することも可能である。また、前処理工程の前後で毛髪をシャンプー等で洗浄しないことが好ましい。シャンプーで洗浄すると界面活性剤が毛髪に付着してカラー剤の浸透を妨げるが、シャンプーしないことでこのようなことを防止できる。
(2)カラー剤塗布工程
カラー剤塗布工程では、塗布前の準備として、カラー1剤2と毛髪調整補助剤1を所定割合で混合し、さらにこの混合剤4にカラー2剤3を所定割合で混合する。カラー1剤2と毛髪調整補助剤1とカラー2剤3の混合割合は、全てを混合した混合剤5中の毛髪調整補助剤1の割合を10%〜50%とすることができ、15%〜35%とすることが好ましく、20%〜25%とすることがより好ましい。カラー1剤2とカラー2剤3の割合は、カラー剤のメーカーがカラー剤に応じて設定した推奨の割合とすることができ、例えば1:1の割合とするなど、適宜の割合とすることができる。
(3)放置工程
放置工程は、15分以下とすることができ、8分以下とすることが好ましく、5分程度とすることがより好ましい。
(4)後処理工程
後処理工程では、酸化促進剤の塗布と毛髪調整補助剤1の塗布を行う。酸化促進剤は、例えばヘマチンとすることができ、塗布してもみ込みを行うことが好ましい。毛髪調整補助剤1は、霧吹きによって毛髪全体に万遍なく塗布し、毛髪に浸透させる。なお、酸化促進剤を塗布せずに毛髪調整補助剤1のみを塗布しても良い。酸化促進剤が無くとも毛髪調整補助剤1により十分な効果を得ることができる。
(5)放置工程
放置工程では、塗布したヘマチンおよび毛髪調整補助剤1に対して所定時間の放置を行う。この所定時間は、例えば1分とすることができる。
(6)流し工程
流し工程では、毛髪を水洗いする。
(7)シャンプー工程
シャンプー工程では、シャンプーにより毛髪を洗浄する。
(8)仕上げ工程
仕上げ工程では、ドライヤーで乾燥させヘアセットを行う。
以上の工程によりカラー(染毛)を行うことで、短時間で染毛を行うことができる。時間を短縮することにより、毛髪がカラー1剤2やカラー2剤3によってダメージを受ける時間を短縮でき、毛髪のダメージを通常よりも軽減できる。また、毛髪調整補助剤1は、キューティクルを守るトリートメント効果を発揮するため、このトリートメント効果を発揮させた状態で染毛を行うことでも毛髪のダメージを軽減できる。
さらに、毛髪調整補助剤1によってカラー剤(カラー1剤2およびカラー2剤3)が毛髪の内部へ十分浸透するため、表面にカラー剤が付いた状態ではなく毛髪の中まで十分にカラー剤が浸透した美しい仕上がりを得ることができる。
その上、毛髪の中までカラー剤が十分に浸透していることで、日数が経過し、何度も洗髪が行われても、良好な染毛状態を維持することができる。
このように、本発明は、十分な染毛状態に仕上げるために十分な放置時間が必要であり、毛髪のダメージを軽減するためには放置時間を短くする方が好ましいという相反する課題を同時に解決することができる。
さらに、本発明によって染毛した後の毛髪は、みずみずしく弾力があり、手で触ると大変潤いのあるサラサラの感触となる。従って、染毛による毛髪のダメージを感じず、むしろ染毛前よりも良好な髪質の仕上がりとすることができ、ユーザーの満足度を向上させることができる。
<パーマ工程>
毛髪調整補助剤1を用いて毛髪にパーマを行う工程(パーマ工程)は、次のとおりである。
(1)前処理工程
前処理工程では、毛髪調整補助剤1をもみ込み、3分間の放置を行った後、水分を取り除く。この前処理工程の前にシャンプーをしないことで、毛髪調整補助剤1が毛髪に良好に浸透する。また、この前処理工程で毛髪調整補助剤1を毛髪に十分浸透させておくことで、後のパーマ剤(パーマ1剤7およびパーマ2剤8)による毛髪のダメージを抑制すると共に、パーマ剤の毛髪への浸透を促進してSS結合の切断時間を短縮する。
(2)ワイディング
ワイディングでは、顧客の要望に合わせた適宜のサイズのロッドに毛髪を巻き付ける。
(3)1剤塗布工程
1剤塗布工程では、パーマ1剤7に毛髪調整補助剤1を所定割合で混合し、この混合剤9を毛髪に塗布する。パーマ1剤7と毛髪調整補助剤1の割合は、混合剤9中の毛髪調整補助剤1の割合を10%以上とすることができ、20%以上とすることが好ましく、40%以上とすることがより好ましい。毛髪調整補助剤1がpH12程度の場合、パーマ1剤7と毛髪調整補助剤1の割合は、混合剤9中の毛髪調整補助剤1の割合を10%〜90%とすることができ、20%〜80%とすることが好ましく、40%〜80%とすることがより好ましく、50%〜80%とすることがさらに好ましい。毛髪調整補助剤1がpH10程度の場合、パーマ1剤7と毛髪調整補助剤1の割合は、混合剤9中の毛髪調整補助剤1の割合を10%〜70%とすることができ、20%〜60%とすることが好ましく、30%〜50%とすることがより好ましく、40%程度とすることがさらに好ましい。
なお、パーマを過去に行ったことがある人の毛髪(通常の毛髪)よりも、初めてパーマを行う人の毛髪(バージンパーマの毛髪)の方が、混合剤9中の毛髪調整補助剤1の割合を少なくすることが好ましい。例えば、バージンパーマの場合は、混合剤9中の毛髪調整補助剤1の割合を10%〜50%とすることが好ましく、40%程度とすることがより好ましい。また、パーマのかかりやすい毛髪の場合は、混合剤9中の毛髪調整補助剤1の割合を通常の毛髪の場合より比較的多くすることが好ましい。
(4)放置工程
放置工程では、所定時間自然に放置する。この所定時間は、使用するパーマ剤でメーカーに推奨される通常の放置時間(通常放置時間)よりも短い時間とし、通常放置時間の半分以下の時間とすることができ、通常放置時間の1/4以下とすることが好ましく、通常放置時間の1/5程度とすることがより好ましい。毛髪調整補助剤1により、SS結合の分離を短時間に完了させることができるため、それに合わせて放置時間を短縮することで毛髪のダメージを抑制することができる。
(5)中間水洗工程
中間水洗工程では、毛髪からパーマ1剤7および毛髪調整補助剤1を水洗いにて流し、水分を取る。
(6)2剤塗布工程
2剤塗布工程では、毛髪にパーマ2剤8を垂らすようにして塗布する。
(7)放置工程
放置工程では、所定時間の放置を行う。この所定時間は、使用するパーマ剤でメーカーに推奨される通常の放置時間(通常放置時間)よりも短い時間とすることができ、通常放置時間の半分以下の時間とすることが好ましく、通常放置時間の1/3程度とすることがより好ましい。この放置工程は、例えば1分とすることができる。
(8)毛髪調整補助剤塗布工程
毛髪調整補助剤塗布工程では、毛髪調整補助剤1を霧吹き等によって毛髪に塗布して浸透させる。
(9)放置工程
放置工程では、所定時間の放置を行う。この放置工程は、上記(7)放置工程と同じ程度の時間とすることができ、例えば1分とすることができる。
(10)ロッドアウト
ロッドアウトでは、ロッドに巻き付けられた毛髪をほどいてロッドを取り外す。
(11)水流し工程
水流し工程では、毛髪に水を流して水洗いする。
(12)プレリンス工程
プレリンス工程では、毛髪に対してリンスを行う。
(13)仕上げ工程
仕上げ工程では、ドライヤーで乾燥させヘアセットを行う。
以上の工程によりパーマを行うことで、短時間でパーマを行うことができる。時間を短縮することにより、毛髪がパーマ1剤7やパーマ2剤8によってダメージを受ける時間を短縮でき、毛髪のダメージを通常よりも軽減できる。また、毛髪調整補助剤1は、キューティクルを守るトリートメント効果を発揮するため、このトリートメント効果を発揮させた状態でパーマを行うことでも毛髪のダメージを軽減できる。
さらに、毛髪調整補助剤1によってパーマ剤(パーマ1剤7およびパーマ2剤8)が毛髪の内部へ十分浸透するため、毛髪全体にしっかりとパーマがかかった美しい仕上がりを得ることができる。
その上、キューティクルを守った状態でパーマが行われているため、パーマ後の毛髪がばらけて広がることを防止でき、美しくまとまった仕上がりを得ることができる。
さらに、毛髪調整補助剤1によってしっかりとパーマがかかるため、日数が経過し、何度も洗髪が行われても、良好なパーマ状態を維持することができる。
このように、本発明は、十分なパーマ状態に仕上げるために十分な放置時間が必要であり、毛髪のダメージを軽減するためには放置時間を短くする方が好ましいという相反する課題を同時に解決することができる。
さらに、本発明によってパーマした後の毛髪は、みずみずしく弾力があり、手で触ると大変潤いのあるサラサラの感触となる。従って、パーマによる毛髪のダメージを感じず、むしろパーマ前よりも良好な髪質の仕上がりとすることができ、ユーザーの満足度を向上させることができる。
<トリートメント工程>
毛髪調整補助剤1を用いて毛髪にトリートメントを行う工程(トリートメント工程)は、次のとおりである。
(1)トリートメント剤塗布工程
トリートメント剤塗布工程では、毛髪調整補助剤1とトリートメント剤11を所定割合で混合し、この混合剤12を毛髪に塗布する。毛髪調整補助剤1とトリートメント剤11の割合は、混合剤12中の毛髪調整補助剤1の割合を20%以上とすることができ、40%〜90%とすることが好ましく、50%〜80%とすることがより好ましい。
(2)仕上げ工程
仕上げ工程では、ドライヤーで乾燥させヘアセットを行う。
以上の工程によりトリートメントを行うことで、トリートメント剤11を毛髪の内部まで短時間でしっかりと浸透させることができる。詳述すると、通常、トリートメント剤11の原液をそのまま塗布しても毛髪内部までにはなかなか浸透しない。このため、通常の手順では、トリートメント剤11の毛髪内部への浸透を促すために、前処理として毛髪に尿素を霧吹きで塗布してから蒸し加温を行い、トリートメント剤11の塗布後にもみ込みを行うといった作業がなされる。しかし、毛髪調整補助剤1によってトリートメント剤11が毛髪内部へ瞬時に浸透するため、蒸し加温やもみ込みといった作業を排して省力化および短時間化を実現できる。しかも、従来の蒸し加温やもみ込みによる方法よりも、トリートメント剤11を毛髪内部へしっかりと浸透させることができる。また、事前にシャンプーを行わないことで、毛髪調整補助剤1によるトリートメント剤11の毛髪内への浸透をシャンプーに含有される界面活性剤が妨げることを防止できる。
このようにトリートメント剤11が毛髪内部へしっかりと浸透することで、毛髪は、弾力が上がり、カスカスのスポンジ状の手触りからもちもちした手触りに変化する。
さらに、トリートメント剤11が毛髪内部へしっかりと浸透することにより、トリートメント効果の持続期間を長期間化することができる。
さらに、本発明によってトリートメントした後の毛髪は、みずみずしく弾力があり、手で触ると大変潤いのあるサラサラの感触となる。従って、非常に良好な髪質に仕上げることができ、ユーザーの満足度を向上させることができる。
以上のように、本発明は、美容師等の施術者が普段使っている毛髪調整剤にアルカリ還元イオン水という1種類の毛髪調整補助剤1を追加して処理することができるため、施術中の取り間違え等を防止でき、在庫管理も容易であり、便利に使用することができる。
また、毛髪調整補助剤1としてpH11.0を超えるアルカリ還元イオン水(具体的にはpH12±0.5の範囲)を用いることで、防腐剤フリーで用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
<染毛方法>
まず、染毛方法の実施例について説明する。
カラー剤として、中野製薬株式会社のものを用い、カラー1剤2にキャラデコパヴェ(NB5p)を用い、カラー2剤3にキャラデコキサイドN06を用いた。
毛髪調整補助剤1は、アルカリ還元イオン水の一種である株式会社エー・アイ・システムプロダクトの電解還元性イオン水S−100を希釈せずに用いた。この電解還元性イオン水S−100は、pH12で負の電荷を持つミネラルが0.3%含まれており表面張力が56mN/m(25°)である。
これらのカラー1剤2、カラー2剤3、毛髪調整補助剤1を用いて、上述したカラー工程の(1)〜(8)の手順で毛髪を染毛し、染毛結果の染色状態、染色の持続、毛髪のダメージを評価した。染色状態は、カラーの濃度やムラの有無を目視評価した。染色の持続は、複数回のシャンプーをして色落ちを目視評価した。毛髪のダメージは、施術後の毛髪のつや、柔らかさ、保湿性、毛髪損傷の抑制に関して美容師が手で触り官能評価した。
次の表1は、実施例1,2,3および比較例1,2,3について、各工程での配合や時間等を表している。この表1において、「レーヴ」は本発明の「毛髪調整補助剤1」を指し、実施例1、2はpH12のものを、実施例3はpH10のものを使用している。
実施例1は、カラー剤塗布工程における毛髪調整補助剤1の濃度を約20%(カラー1剤2:毛髪調整補助剤1:カラー2剤3=2:1:2)として放置時間を5分とした場合の染毛方法の例であり、実施例2,3は、カラー剤塗布工程における毛髪調整補助剤1の濃度を約5%(カラー1剤2:毛髪調整補助剤1:カラー2剤3=10:1:10)として放置時間を5分とした場合の染毛方法の例である。
比較例1は、カラー剤のメーカーが推奨する手順および時間で実施した染毛方法の例であり、比較例2は、放置時間を少し短くした場合の染毛方法の例であり、比較例3は、放置時間を実施例1,2と同じ時間にまで短くした場合の染毛方法の例である。
<染色状態>
◎:毛髪の内側までカラーが浸透しムラなく良好に染色された状態
○:ムラは無いが内側まで浸透しておらず毛髪の表面が良好に染色された状態
△:ムラは無いが内側まで浸透しておらず毛髪の表面が染色された状態
×:色が薄く染色が不十分な状態
<染色の持続>
◎:シャンプーを4回しても殆ど色落ちがない状態。
○:シャンプーを4回して若干の色落ちがある状態。
△:シャンプーを4回して大きく色落ちしている状態。
×:シャンプーを4回して大きく色落ちして随分色が薄くなっている状態。
<毛髪のダメージ>
◎:指で触ってざらつきがなく潤っており毛束がまとまっている状態。
○:指で触ってざらつきが少なく潤っており毛束がある程度まとまっている状態。
△:指で触ると少しざらつきがあり毛束が少し広がっている状態。
×:指で触るとざらつきがあり毛束がばらけて広がっている状態。
図3は、表1に示した実施例1,2および比較例1,2,3によって染毛した毛髪の写真を示す説明図である。この例では、ヤクのウィッグ(毛束)を使用している。なお、実際には茶色に染めており色合いの差が明瞭にわかるが、カラー写真を図のようにグレースケール(モノクロ写真)にしても濃度の差が表れている。
図3(A)に示すように、染毛前の毛髪は白色である。
図3(B)に示すように、実施例1により染毛した毛髪は良好に染まっている。
図3(C)に示すように、実施例2により染毛した毛髪は良好に染まっている。
図3(D)に示すように、比較例1により染毛した毛髪は表面上は良好に染まっている。
図3(E)に示すように、比較例2により染毛した毛髪は表面上はある程度良好に染まっている。
図3(F)に示すように、比較例3により染毛した毛髪はあきらかに色が薄く染毛が不十分である。
このように、実施例1,2では、カラー剤塗布後の放置時間をメーカーの推奨する30分の1/6である5分としたにもかかわらず、毛髪の内側までカラーが浸透した良好な染毛を実現できている。
図4は、実施例1と比較例2を4回シャンプーした各状態の写真による色落ち状態の説明図である。
図4(A)〜図4(D)は実施例1によるカラーを施してシャンプーを行った毛髪であり、図4(A)はシャンプー1回後、図4(B)はシャンプー2回後、図4(C)はシャンプー3回後、図4(D)はシャンプー4回後である。図に示すように、4回シャンプーを行っても殆ど色落ちしておらず、良好な染毛状態を維持している。
図4(E)〜図4(H)は、比較例2によるカラーを施した毛髪であり、図4(E)はシャンプー1回後、図4(F)はシャンプー2回後、図4(G)はシャンプー3回後、図4(H)はシャンプー4回後である。図に示すように、シャンプー1回目で既に図3(E)に示したシャンプー前より少し色落ちしており、シャンプー4回目では全体的に明らかに色落ちしている上に場所によっては元の白色が見えている毛髪が現れている。
図5は、表1に示した実施例3によって染毛した毛髪の写真、およびこの毛髪に複数回シャンプーした各状態の写真による色落ち状態の説明図である。
図5(A)は実施例3によるカラーを施した毛髪の写真であり、図5(B)〜図5(D)は実施例3によるカラーを施してシャンプーを行った毛髪である。図5(B)はシャンプー2回後、図5(C)はシャンプー4回後、図5(D)はシャンプー6回後である。図に示すように、6回シャンプーを行っても殆ど色落ちしておらず、良好な染毛状態を維持している。
このように、従来の方法ではカラー剤塗布工程後の放置工程についてメーカー推奨時間である30分より少し短くした20分でもシャンプーによって色落ちが激しいのに対し、本発明による実施例1ではたった5分の放置工程によってシャンプーを繰り返しても殆ど色落ちしない良好な染毛状態に仕上げることができる。
しかも、放置工程が通常の1/6で済むために、毛髪に与えるダメージを非常に少なくすることができる。
また、カラー1剤2とカラー2剤3と毛髪調整補助剤1の全てを同時に混合するのではなく、カラー1剤2と毛髪調整補助剤1を混合した後にさらにカラー2剤3を混合することにより、カラー2剤3と毛髪調整補助剤1が反応して毛髪調整補助剤1の効果を発揮しなくなることを防止できる。
<パーマ方法>
次に、パーマ方法の実施例について説明する。
本発明は、毛髪にウェーブをかけるパーマ、および縮毛をストレートにするパーマのいずれにも用いることができるが、この実施例では毛髪にウェーブをかけるパーマにて説明する。
パーマ剤として、株式会社アルミノのデザインダイレクトウェーブを使い、パーマ1剤7にデザインダイレクトウェーブ第1剤(080CYS)、パーマ2剤8にデザインダイレクトウェーブ第2剤(CYSチオ120,過酸化水素水タイプ)を用いた。
毛髪調整補助剤1は、アルカリ還元イオン水の一種である株式会社エー・アイ・システムプロダクトの電解還元性イオン水S−100を希釈せずに用いた。
これらのパーマ1剤7、パーマ2剤8、毛髪調整補助剤1を用いて、上述したパーマ工程の(1)〜(13)の手順で毛髪にパーマを施し、結果のパーマの状態、パーマの持続、毛髪のダメージを評価した。パーマの状態は、ウェーブのかかり具合を目視評価した。パーマの持続は、複数回のシャンプーをしてウェーブが弱まることを目視評価した。毛髪のダメージは、施術後の毛髪のつや、柔らかさ、保湿性、毛髪損傷の抑制に関して美容師が手で触り官能評価した。
次の表2は、実施例4,5および比較例4,5について、各工程での配合や時間等を表している。この表2において、「レーヴ」は本発明の「毛髪調整補助剤1」を指し、実施例4はpH12のものを、実施例5はpH10のものを使用している。
実施例4は、1剤塗布工程における毛髪調整補助剤1の濃度を約60%として放置時間を3分とした場合のパーマ方法の例であり、実施例5は、1剤塗布工程における毛髪調整補助剤1の濃度を約40%として放置時間を3分とした場合のパーマ方法の例である。実施例5より実施例4の毛髪調整補助剤1の割合が高いのは、pH10よりpH12の毛髪調整補助剤1の方がパーマ1剤の浸透を高めるためにパーマ1剤の使用量を減らせることに起因している。
比較例4は、パーマ剤のメーカーが推奨する手順および時間で実施したパーマ方法の例であり、比較例5は、メーカー推奨の手順で放置時間を実施例4に合わせた場合のパーマ方法の例である。
<パーマの状態>
◎:まとまりよく均等にしっかりとウェーブがかかっている状態。
○:ある程度均等にしっかりとウェーブがかかっている状態。
△:少しウェーブがかかっているが不十分な状態。
<パーマの持続>
◎:8回シャンプーしてもシャンプー前のウェーブをほぼ保っている状態。
△:8回のシャンプーによりウェーブが相当弱まっている状態。
×:8回のシャンプーによりウェーブが殆ど無くなっている状態
<毛髪のダメージ>
◎:指で触ってざらつきがなく潤っており毛束がまとまっている状態。
△:指で触ると少しざらつきがあり毛束はある程度まとまっている状態。
×:指で触るとざらつきがあり毛束がばらけて広がっている状態。
図6は、表2に示した実施例4および比較例4,5によってパーマを施した毛髪の写真を示す説明図である。この施術には、人毛のウィッグを使用している。
図6(A)に示すように、パーマ施術前の毛髪はストレートである。
図6(B)に示すように、実施例4によりパーマを施した毛髪はしっかりと良好にウェーブがかかり毛束もまとまっている。
図6(C)に示すように、比較例4によりパーマを施した毛髪はある程度しっかりウェーブがかかっているが毛束がばらけている。
図6(D)に示すように、比較例5によりパーマを施した毛髪は毛束はまとまっているもののウェーブが弱く不十分な状態となっている。
このように、実施例4,5では、パーマ1剤7塗布後の放置時間をメーカーの推奨する15分の1/5である3分としたにもかかわらず、毛束がまとまった状態でしっかりとウェーブがかかった良好なパーマを実現できている。
図7は、実施例4と比較例4を8回シャンプーした各状態の写真によるウェーブ落ち状態の説明図である。
図7(A)〜図7(D)は実施例4によるパーマを施した後にシャンプーを行った毛髪であり、図7(A)はシャンプー2回後、図7(B)はシャンプー4回後、図7(C)はシャンプー6回後、図7(D)はシャンプー8回後である。図に示すように、8回シャンプーを行ってもウェーブが殆ど失われておらず、また毛髪のまとまりも良く、パーマ直後に近い良好なウェーブを保っている。
図7(E)〜図7(H)は比較例4によるパーマを施した後にシャンプーを行った毛髪であり、図7(E)はシャンプー2回後、図7(F)はシャンプー4回後、図7(G)はシャンプー6回後、図7(H)はシャンプー8回後である。図に示すように、シャンプーを繰り返す毎にウェーブがゆるく崩れ、毛髪のまとまりも悪くなって広がっている。
図8は、表2に示した実施例5によってパーマを施した毛髪の写真、およびこの毛髪に複数回のシャンプーを施した毛髪の写真を示す説明図である。この施術には、人毛のウィッグを使用している。
図8(A)に示すように、実施例5によりパーマを施した毛髪はしっかりと良好にウェーブがかかり毛束もまとまっている。このように、実施例5では、パーマ1剤7塗布後の放置時間をメーカーの推奨する15分の1/5である3分としたにもかかわらず、毛束がまとまった状態でしっかりとウェーブがかかった良好なパーマを実現できている。
図8(B)〜図8(E)は実施例5によるパーマを施した後にシャンプーを行った毛髪であり、図8(B)はシャンプー2回後、図8(C)はシャンプー4回後、図8(D)はシャンプー6回後、図8(E)はシャンプー8回後である。図に示すように、8回シャンプーを行ってもウェーブが殆ど失われておらず、また毛髪のまとまりも良く、パーマ直後に近い良好なウェーブを保っている。
このように、従来の方法ではパーマ1剤塗布工程後の放置工程をメーカー推奨時間である15分としてもシャンプーによるウェーブの劣化が激しいのに対し、本発明による実施例4ではたった3分の放置工程によってシャンプーを繰り返しても殆どウェーブが崩れない良好なウェーブ状態に仕上げることができる。
しかも、放置工程が通常の1/5で済むために、毛髪に与えるダメージを非常に少なくすることができる。
<トリートメント方法>
次に、トリートメント方法の実施例について説明する。
本発明は、毛髪に行う様々なトリートメント剤を用いることができるが、この実施例では毛髪に栄養を与えるトリートメント剤にて説明する。
トリートメント剤11として、株式会社リトル・サイエンティストGSのわくわくの種シリーズ、しっとりシードを用いた。なお、同シリーズのさらさらシード、およびいきいきシードについても実施したところ、しっとりシードと同じ結果が得られた。
毛髪調整補助剤1は、アルカリ還元イオン水の一種である株式会社エー・アイ・システムプロダクトの電解還元性イオン水S−100を希釈せずに用いた。
これらのトリートメント剤11、毛髪調整補助剤1を用いて、上述したトリートメント工程の(1)〜(2)の手順で毛髪にトリートメントを施し、結果のトリートメントの状態およびトリートメントの持続性を評価した。トリートメントの状態は、毛髪の弾力としっとり感を美容師が手で触り官能評価した。
次の表3は、実施例6,7および比較例6,7について、各工程での配合や時間等を表している。この表2において、「レーヴ」は本発明の「毛髪調整補助剤1」を指し、実施例6はpH12のものを、実施例7はpH10のものを使用している。
実施例6,7は、トリートメント剤塗布工程における毛髪調整補助剤1の濃度を約20%とした場合のトリートメント方法の例である。
比較例6,7は、トリートメント剤11のメーカーが推奨する手順および時間で実施したトリートメント方法の例である。比較例6は、剛毛等の場合でもトリートメント効果が得られるように前処理工程にて尿素を霧吹きで塗布する作業が加えられており、比較例7は通常の毛髪用に尿素の塗布が省略されている。
<トリートメントの状態>
◎:トリートメント剤が内部までしっかり浸透し、指で触ると十分に弾力がありもちもちとした感触が得られる状態。
○:トリートメント剤が内部にある程度浸透し、指で触るとある程度の弾力があり少しもちもちとした感触が得られる状態。
△:トリートメント剤が表面に少し浸透し、指で触るとわずかに弾力があり表面もカサカサしていない状態。
×:トリートメント剤が浸透しておらず、指で触ると弾力が感じられる表面もカサカサしている状態。
<トリートメントの持続性>
◎:トリートメント効果が長期間に渡って得られる状態。
○:トリートメント効果がある程度長い期間に渡って得られる状態。
△:トリートメント効果が得られるが持続期間が短い状態。
×:トリートメント効果が殆ど持続しない状態。
<作業の簡素性>
◎:トリートメント剤を塗布する以外の作業を必要としない。
×:トリートメント剤を塗布する以外に多数の作業を必要とする。
このように、従来の方法では、毛髪に対して水流しをして蒸し加温を行い、その上でトリートメント剤を塗布し、さらにもみ込みを行わなければならなかった作業を、本発明によりトリートメント剤を塗布するだけでよく、作業を簡素化し時間短縮を行うことができる。
しかも、従来の方法に比べてトリートメント剤11が格別に毛髪内部へ浸透するため、より高いトリートメント効果を得ることができる。
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、様々な実施形態とすることができる。
例えば、パーマ方法とカラー方法とトリートメント方法のうち2以上を組み合わせて毛髪に適用することもできる。
この発明は、パーマ、ヘアカラー、トリートメントなど、毛髪の調整に利用することができる。
1…毛髪調整補助剤
2…カラー1剤
3…カラー2剤
4,5,12…混合剤
7…パーマ1剤
8…パーマ2剤
9…混合剤
11…トリートメント剤

Claims (7)

  1. 毛髪調整剤を用いて毛髪の状態を調整する毛髪調整方法であって、
    前記毛髪調整剤を使用する前にアルカリ還元イオン水により構成された毛髪調整補助剤を毛髪に浸透させる前処理工程、
    又は/及び、
    前記毛髪調整剤の少なくとも一部に前記毛髪調整補助剤を混合した混合剤を用いて毛髪を処理する塗布工程を有し、
    前記アルカリ還元イオン水として、表面張力が60mN/m(25°)以下でかつミネラルの含有率が0.3%以下であるアルカリ還元イオン水を用いることを特徴とする
    毛髪調整方法。
  2. 前記アルカリ還元イオン水は、浸透圧が水1に対して90〜120ミリオスモルであることを特徴とする
    請求項1記載の毛髪調整方法。
  3. 前記アルカリ還元イオン水に含まれる前記ミネラルが負の電荷を帯びていることを特徴とする
    請求項1または2記載の毛髪調整方法。
  4. 前記毛髪調整剤を用いて毛髪を処理した後に、前記毛髪調整補助剤を塗布し、さらに放置する
    請求項1、2、または3記載の毛髪調整方法。
  5. シャンプーによる洗髪をしないことによって毛髪に界面活性剤を付着させず、前記毛髪調整剤を使用する前に前記毛髪調整補助剤を毛髪に浸透させ、さらにシャンプーによる洗髪をすることなく前記毛髪調整剤による毛髪の調整を行う
    請求項1から4のいずれか1つに記載の毛髪調整方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の毛髪調整方法に用いられる
    毛髪調整補助剤。
  7. 表面張力が60mN/m(25°)以下で、かつ、負の電荷を帯びたミネラルが含有されているアルカリ還元イオン水を毛髪調整剤に混合した
    混合剤。
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